JP5604979B2 - 積層体の製造方法 - Google Patents

積層体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5604979B2
JP5604979B2 JP2010119403A JP2010119403A JP5604979B2 JP 5604979 B2 JP5604979 B2 JP 5604979B2 JP 2010119403 A JP2010119403 A JP 2010119403A JP 2010119403 A JP2010119403 A JP 2010119403A JP 5604979 B2 JP5604979 B2 JP 5604979B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
layer
primer
composition
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010119403A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011245684A (ja
Inventor
基夫 福島
浩一 樋口
久敏 小森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP2010119403A priority Critical patent/JP5604979B2/ja
Publication of JP2011245684A publication Critical patent/JP2011245684A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5604979B2 publication Critical patent/JP5604979B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、紫外線による劣化を受けやすいポリカーボネート樹脂等の基材にプライマー層とトップ層を形成して優れた耐擦傷性と紫外線遮蔽性を与える積層体を製造する方法に関する。
近年、透明ガラスの代替として、軽量で非破砕性の透明樹脂材料を使用することが広く行われるようになってきた。例えば、光学材料、中でも特に眼鏡用レンズ等にプラスチック成形物が広く使用されている。プラスチックレンズは、従来のガラスレンズに比べて軽量で成形しやすく、耐衝撃性に優れるという特徴がある反面、紫外線により黄変しやすい、耐擦傷性に劣るなどの欠点がある。特に、ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐衝撃性、耐熱性等に優れていることから、ガラスに代わる構造部材として多くの用途に用いられているものの、耐擦傷性、紫外線遮蔽性などの表面特性を改良することが切望されている。
この表面特性を改良する手段として、表面に紫外線吸収剤を含有した樹脂層を設ける方法が提案されている。例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性ビニル系単量体あるいはベンゾフェノン系紫外線吸収性ビニル系単量体とこの単量体に共重合可能なビニル系単量体の混合物を塗料の成分とし、これを用いて合成樹脂等の表面に保護塗膜を形成することが知られている(特開平8−151415号公報:特許文献1)。更に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性ビニル系単量体あるいはベンゾフェノン系紫外線吸収性ビニル系単量体、アルコキシシリル基含有ビニル系単量体、及びこれら単量体に共重合可能なビニル系単量体との共重合体を塗料成分とすることで、樹脂基材への密着性を保ちつつ耐候性を付与した多層積層樹脂物品を得られることが知られている(特許第3102696号公報:特許文献2)。しかし、こうした保護被膜はビニル系重合体からなるため、耐擦傷性が悪いという欠点がある。
従来、プラスチック等の有機樹脂基材の表面に、高硬度、耐擦傷性の付与を目的とした表面保護塗膜を形成するコーティング剤として、加水分解性オルガノシラン組成物からなるコーティング剤、あるいは該組成物にコロイダルシリカを混合したコーティング剤が知られている。例えば、特開昭63−168470号公報(特許文献3)には、オルガノアルコキシシランの加水分解物及び/又はその部分縮合物、及びコロイダルシリカからなり、過剰の水でアルコキシ基をシラノールに変換してなるコーティング剤が提案されている。このコーティング剤により得られる塗膜は、硬度が高く、基材保護用として優れているが、靭性に乏しく、10μm以上の厚膜においては、加熱硬化中などの急激な温度変化が起こったときなどに容易にクラックが発生する。また、このコーティング層は紫外線をカットする能力に乏しく、樹脂基材、基材接着性を付与するための下塗り層とトップ層の界面が紫外線で劣化するため、膜が剥離し、プラスチック基材が変色するという欠点があった。
シリコーン層に有機系紫外線吸収剤を添加する方法も以前から行われていたが、これらの化合物をコーティング組成物に単純に添加しただけでは、塗膜とした後の耐久性、即ち長期曝露後の紫外線吸収剤の表面からブリードや流出が発生し、持続性に乏しいものであった。
そこで、コーティング層の主成分であるシロキサン化合物と化学結合が形成できるような、シリル変性した有機系紫外線吸収剤を用いる方法もこれまで開示されている(特公平3−14862号公報、特公平3−62177号公報、特開平7−278525号公報:特許文献4〜6参照)。これは、紫外線吸収剤がシロキサンマトリックスに強固に結合しているため、持続性は向上したが、その一方で、耐候性発現のために導入した紫外線吸収性官能基の影響のため、本来のコーティング層の耐擦傷性が大幅に低下し、可撓性の低下によるミクロクラックの発生が顕著になるという問題があった。
このように、ハードコートは、高硬度で優れた耐擦傷性を与えようとすると、ハードコート層形成過程で高架橋密度の皮膜を形成するための昇温・硬化過程で大きな硬化収縮を起こし、皮膜にクラックを生じることがある。また、上記の如きハードコート層がプライマー層を介して樹脂基材表面に形成されている場合、上記硬化収縮によって生じる硬化歪みがプライマー層にまで伝播し内部歪みとして蓄積され、時間の経過によりプライマー層を起点としてクラックが生じ、あるいは樹脂基材との層間剥離を起こす原因になる。
こうした問題を回避するための手段として、ハードコート層を薄膜化して加熱硬化時の硬化収縮を低減することも考えられるが、あまりに薄肉化するとハードコート層本来の表面硬質化効果が満足に発揮されなくなり、所望の耐擦傷性が得られなくなる。ハードコート層を形成する際に、薄膜塗装と加熱硬化を複数回繰り返して行えば、ハードコート層全体としての硬化収縮量を低減できるが、作業が煩雑で長時間を要するため実用にそぐわない。
特開平4−120181号公報(特許文献7)には、アルコキシシリル基含有モノマーと紫外線吸収性モノマー、及びその他のアクリル系モノマーを特定比率で共重合せしめてなる共重合体からなるプライマーが開示されている。ところが上記公報開示のプライマーでは、アルコキシシリル基含有モノマーの共重合により熱硬化性を持っているため、プライマー層上にハードコート層を形成する際の該ハードコート層の硬化収縮に追従できず、硬化歪みの蓄積による初期クラックの発生が回避できない。また、使用環境の温度変化に応じた樹脂基材の膨張・収縮に応じてプライマー層に膨張・収縮を繰り返す特性が要求されるが、上記アルコキシシリル基含有モノマーの共重合されたプライマー層では、架橋があるため膨張・収縮の繰り返しに耐え切れず、耐候性試験においてプライマー層にクラックが生じ、ハードコート層もろとも樹脂基材から剥離するといった問題を生じる。最表層側に形成されるハードコート層とプライマー層との密着性も低いため、満足のいく耐擦傷性も得られ難い。更に当該樹脂組成物は、プライマーの塗工・乾燥・熱硬化の後に、ハードコートの塗工・乾燥・熱硬化を行うことが必要で、実質的に作業時間が長くなるため、低価格で製造することは期待できない。
以上のように、コーティング剤で被覆したプラスチック基材について、紫外線遮蔽性、耐擦傷性等の改善について様々な試みがなされてきたが、可視光の透明性を維持しながら耐擦傷性、紫外線遮蔽性を発現し、工程的に価格競争力に耐えうる短持間で製造できるという全て満たしたコーティング組成物で被覆した基材は存在してなかった。
特開平8−151415号公報 特許第3102696号公報 特開昭63−168470号公報 特公平3−14862号公報 特公平3−62177号公報 特開平7−278525号公報 特開平4−120181号公報
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、特に紫外線によって変色(着色)や劣化を起こし易い樹脂基材等の基材の表面に、ハードコート層(トップ層)を形成し、耐擦傷性などの改善された積層体を製造する際に、基材の紫外線劣化を防止しつつハードコート層の密着性を改善し、紫外線に対して安定でかつ耐擦傷性にも優れた積層体を安価に製造することができる積層体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、紫外線劣化性樹脂等の基材の表面を改質すべく、プライマー層とトップ層を積層するに際し、プライマー層をアルコキシシリル基と紫外線吸収基を有するビニル系共重合体からなる熱可塑性を有する(メタ)アクリルポリマーとアルコキシシリル基の縮合架橋反応を防止する化合物を含む組成物から形成し、トップ層をオルガノオキシ基を含む有機ケイ素化合物と二酸化ケイ素微粒子の共加水分解物と、プライマー層のアルコキシシリル基を上記オルガノオキシ基と反応させ、かつトップ層を硬化させる硬化触媒とを含むオルガノポリシロキサン組成物から形成し、各組成物を順次積層させ、最後に加熱することで、架橋・硬化して、熱可塑性を有するプライマー層と熱硬化性を有するトップ層からなる積層体を形成させることが有効であることを知見した。
上記積層体は、紫外線吸収剤がブリードアウトせず、かつトップ層と下塗り層としてのプライマー層間の結合が良好で耐久性に優れ、基材に対する塗工性はトップ層と下塗り層の塗工後に1回の熱処理で積層体を形成できるため、経済性を悪化させることがなく、更に、可視光透明性を損なうことなく広範囲のUV領域の光を効率よく吸収し得るため、ポリカーボネート樹脂等のプラスチック基材の耐紫外線性が大幅に改善され、しかも長期の耐擦傷性に優れたものであることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は下記積層体の製造方法を提供する。
請求項1:
基材の表面にプライマー層とトップ層とを積層してなる積層体の製造方法であって、(A)紫外線吸収性(メタ)アクリルモノマーと(B)アルコキシシリル基含有(メタ)アクリルモノマーと(C)それ以外の(メタ)アクリルモノマーとを共重合することによって得られるアルコキシシリル基と紫外線吸収基を有する熱可塑性(メタ)アクリルポリマーと、二酸化ケイ素微粒子と、アルコキシシリル基の加水分解縮合を阻止する加水分解阻止剤としてオルソ有機酸エステル又はアセタールとを含むプライマー組成物を上記基材の表面に塗布し、次いでその上に、下記一般式(1)
11 a Si(OR 13 (4-a) (1)
(式中、R 11 は炭素数1〜18の有機基、R 13 は同一又は異種の炭素数1〜6の有機基を示し、aは0<a<2を満足する数である。)
で示されるオルガノオキシ基を含む有機ケイ素化合物及び二酸化ケイ素微粒子の共加水分解縮合物と、上記プライマー組成物のアルコキシシリル基を上記オルガノオキシ基と反応させ、かつ上記共加水分解縮合物を硬化させる硬化触媒と、下記平均組成式(2)
12 b Si(OR 14 c (OH) d (4-b-c-d)/2 (2)
(式中、R 12 は、同一又は異種の炭素数1〜18の有機基、R 14 は、同一又は異種の炭素数1〜6の有機基を示し、b、c及びdは、0.8≦b≦1.5、0≦c≦0.3、0.001≦d≦0.5、0.801≦b+c+d<2を満たす数である。)
で示されるシロキサン樹脂とを含むハードトップ組成物を塗布、積層させ、次いで加熱して上記ハードトップ組成物を架橋・硬化して、熱可塑性を有するプライマー層と熱硬化性を有するトップ層とを形成することを特徴とする積層体の製造方法。
請求項2:
硬化触媒が塩基性触媒である請求項1記載の積層体の製造方法。
請求項3:
塩基性触媒が、プロピオン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキサイドから選ばれる請求項2記載の積層体の製造方法。
請求項
前記基材が、ポリカーボネート樹脂である請求項1乃至のいずれか1項記載の製造方法。
本発明によれば、可視光の透明性を維持しながら耐擦傷性、UV遮蔽性を発現し、更に長期の安定性を兼ね備えた積層体を提供することができる。
本発明のプライマー層、トップ層により被膜を施されたプラスチック物品、特にポリカーボネート樹脂は、軽量で優れた透明性、耐擦傷性、耐薬品性を有するため、色々な光学材料としての紫外線に曝されるガラス代替材料として好適で使用される。
本発明は、基材と、熱硬化性のハードトップ組成物から形成されるトップ層と紫外線吸収能と熱可塑性の下塗り用のプライマー組成物から形成されるプライマー層の組み合わせからなる、特にプラスチック基材用のシリコーンコーティング剤による紫外線吸収能と耐擦傷性を付与された積層体の製造方法である。より詳しくは、紫外線劣化性樹脂等の基材の表面上に熱可塑性と熱硬化性の異なる2つ以上の樹脂層を有する積層体であって、これらの樹脂層のうち基材表面に接しているプライマー層は、アルコキシシリル基と紫外線吸収基を有するビニル系共重合体からなる熱可塑性の(メタ)アクリルポリマーとアルコキシシリル基の加水分解縮合を防止する化合物を含むプライマー組成物から形成される層であり、プライマー層に接している最表面となるトップ層は、オルガノオキシシランを含む有機ケイ素化合物と酸化ケイ素微粒子の共加水分解物と、プライマー層のアルコキシシリル基と反応しトップ層を硬化させる硬化触媒を含むハードトップ組成物から形成される熱硬化性のオルガノポリシロキサン樹脂である紫外線遮蔽層を持つ積層体の製造方法である。
基材
ここで用いられる基材としては、プラスチック成形体、あるいはプラスチックとセラミックスやガラスや金属の複合物等が挙げられ、各種プラスチック材料(有機樹脂基材)に好適に使用され、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂等が好ましく、特に機械的強度の高いポリカーボネート樹脂等が好ましい。
更にこれらの樹脂基材の表面が処理されたもの、具体的には、化成処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、酸やアルカリ液での処理、及び基材本体と表層が異なる種類の樹脂で形成されている積層基材を用いることもできる。積層基材の例としては、共押し出し法やラミネート法により製造されるポリカーボネート樹脂基材の表層にアクリル樹脂層もしくはウレタン樹脂層が存在する積層基材、又はポリエステル樹脂基材の表層にアクリル樹脂層が存在する積層基材等が挙げられる。
(1)プライマー層(プライマー組成物から形成される層)
以下に本発明のプライマー層である下塗り剤層を形成するプライマー組成物を詳細に説明する。プライマー層が次の〔1〕〜〔3〕成分を含むプライマー組成物により形成される。
〔1〕アルコキシシリル基と紫外線吸収基を持つ(メタ)アクリルポリマー、
〔2〕二酸化ケイ素微粒子、
〔3〕アルコキシシリル基の加水分解を阻止する化合物。
1)〔1〕アルコキシシリル基と紫外線吸収基を持つ(メタ)アクリルポリマー
本発明に係るプライマー組成物の必須成分である。このアクリルポリマーは、次の(A)紫外線吸収性(メタ)アクリルモノマーと、(B)アルコキシシリル基含有(メタ)アクリルモノマーと、(C)それ以外の(メタ)アクリルモノマーを共重合して得られるアクリル樹脂から形成された紫外線吸収性の(メタ)アクリルポリマーである。
ここで、(A)紫外線吸収性(メタ)アクリルモノマーとしては、分子内に紫外線吸収基とアクリル基あるいはメタクリル基とをそれぞれ少なくとも1つ有する化合物であれば、特に制限はない。このような化合物として、例えば、下記一般式(3)で表されるベンゾトリアゾール系化合物、及び下記一般式(4)で表されるベンゾフェノン系化合物を挙げることができる。
Figure 0005604979

(式中、Xは水素原子又は塩素原子を示す。R1は水素原子、メチル基、又は炭素数4〜8の第三級アルキル基を示す。R2は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜10のアルキレン基を示す。R3は水素原子又はメチル基を示す。nは0又は1を示す。)
Figure 0005604979

(式中、R3は上記と同じ意味を示す。R4は置換又は非置換の直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜10のアルキレン基を示す。R5は水素原子又は水酸基を示す。R6は水素原子、水酸基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。)
上記一般式(3)で表されるベンゾトリアゾール系化合物の具体例としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(メタ)アクリロキシメチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−(メタ)アクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(2−(メタ)アクリロキシエチル)フェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−(8−(メタ)アクリロキシオクチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。
上記一般式(4)で表されるベンゾフェノン系化合物の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(4−(メタ)アクリロキシブトキシ)ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−4’−(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)ベンゾフェノン、2,2’,4−トリヒドロキシ−4’−(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(3−(メタ)アクリロキシ−1−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン等を挙げることができる。
とりわけ、式(2)で表されるベンゾトリアゾール系化合物が好ましく、中でも2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−(メタ)アクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾールが好適に使用される。
(B)成分のアルコキシシリル基含有(メタ)アクリルモノマーとしては、アルコキシシリル基と、アクリル基あるいはメタクリル基とを含む一価の炭化水素基からなる化合物で、アクリル基あるいはメタクリル基を含む一価の炭化水素基としては、3−アクリロキシプロピル、3−メタクリロキシプロピル等が、原料入手と合成の容易さから推奨され、アルコキシシリル基としては、アルコキシ基の炭素数1〜6のもので、トリアルコキシル基、ジアルコキシル基、モノアルコキシル基である。加水分解性基の数は1〜3の整数から選ばれ、短時間の内に網状構造を形成させる意味から2又は3であることが好ましく、3であることが特に好ましい。
これら(B)成分の具体例としては、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリス(エトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリス(エトキシエトキシ)シラン等が挙げられる。
本発明で使用する(C)成分は、それ以外の(メタ)アクリルモノマーで、具体的な例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートのようなアルキル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
本発明で使用するアルコキシシリル基と紫外線吸収基を持つ(メタ)アクリルポリマーは、(A)、(B)及び(C)成分を有機溶剤及び遊離基開始剤の存在下で、おおよそ室温から溶剤の還流温度までの温度、好ましくは50〜150℃の温度で反応させることにより得られる。用いる溶剤の種類と量はトップ成分の有機溶剤と同じでよい。
遊離基開始剤としては、アゾ化合物又は有機過酸化物が使用でき、具体的にはアゾビスイソブチロニトリル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、アセトンパーオキサイド等が例示される。遊離基開始剤の量は特に限定されないが、(A)、(B)及び(C)成分の合計量に対して、0.01〜1質量%程度が適当である。
また、この重合を行う際に、n−プロパンチオール、1−ヘキサンチオール、1−デカンチオール、ベンゼンチオール、3−メルカプトプロピルトリメトキシラン又は3−メルカプトプロピルトリエトキシシランのような連鎖移動剤を用いて分子量をコントロールすることもできる。
共重合体中の(A)成分と(B)成分の含有量は、(A)、(B)及び(C)成分の合計量に対して、(A)成分、(B)成分共に1〜30質量%であることが好ましい。(A)成分の使用量が、この範囲より少ないと紫外線遮蔽性が低下するおそれがあり、逆にこの範囲より多いと下塗り剤層とトップ層間の密着性が悪くなるおそれがある。(B)成分の使用量が、この範囲より少ないとトップハードコーティング層と下塗り剤層との間の密着性が低下するおそれがあり、逆にこの範囲より多いと下塗り剤層が脆くなるおそれがある。
2)〔2〕二酸化ケイ素微粒子
本発明のプライマー組成物の必須成分である、二酸化ケイ素微粒子を説明する。
二酸化ケイ素の粒子は、プライマー層膜の線膨張係数を低減するために、添加するものである。ナノサイズの二酸化ケイ素が、有機溶剤の媒体にコロイド分散している形態であり、市販されている有機分散タイプのものが使用可能である。
二酸化ケイ素微粒子は有機溶剤に分散し、かつ本プライマーからプライマー層を形成させた後、トップ層を形成させる時、二酸化ケイ素微粒子は粒子表面にSiOH基を有するため、(メタ)アクリルポリマーのアルコキシシリル基が表面のみ二酸化ケイ素微粒子との間でシロキサン架橋することにより有機−無機複合体が生成する。その結果、トップ層用コート組成物に由来する溶剤にプライマー層が侵されることなく、透明な膜形成ができ、線膨張係数が150×10-6/℃以下にまで低下する。
このような二酸化ケイ素微粒子を分散した有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン/n−ブタノールの混合物を挙げることができる。中でも、(メタ)アクリルポリマーの溶解性を考慮すると、エチレングリコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が好ましい。
また、プライマー層中での分散性及び透明性を考慮すると、二酸化ケイ素微粒子の一次粒子径は1〜100nmであるのが好ましい。より好ましくは2〜50nmがよい。100nmを超えると、二酸化ケイ素微粒子の本組成物中での分散安定性が低下したり、硬化被膜の透明性が著しく低下したりする場合がある。
このような有機溶剤に分散した二酸化ケイ素微粒子としては、オルガノシリカゾルと称される有機溶剤に分散したコロイダルシリカが好ましい。特にエチレングリコール分散シリカゾル、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル分散シリカゾル、エチルセロソルブ分散シリカゾル、ブチルセロソルブ分散シリカゾル、プロピレングリコールモノメチルエーテル分散シリカゾル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート分散シリカゾル、メチルエチルケトン分散シリカゾル、メチルイソブチルケトン分散シリカゾルが例示できる。
更に、前記有機溶剤に分散した二酸化ケイ素微粒子は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
なお、これらの有機溶剤に分散したコロイダルシリカとしては、市販品が用いられる。例えばこのような市販品として、後述する実施例1〜4で用いたPMA−ST、MEK−ST、MIBK−ST(いずれも日産化学工業(株)製)のほか、IPA−ST−L、IPA−ST−MS、EG−ST−ZL、DMAC−ST−ZL、XBA−ST(いずれも日産化学工業(株)製)、OSCAL1132、1332、1532、1722、EOM ST−1003SIV(いずれも触媒化成工業(株)製)を挙げることができる。
本発明のプライマー組成物中における(メタ)アクリルポリマーと二酸化ケイ素微粒子の配合量は、(メタ)アクリルポリマーの樹脂分100質量部に対し、二酸化ケイ素微粒子の固形分を0.1〜100質量部含有するのが好ましく、より好ましくは1〜50質量部含有するのがよい。二酸化ケイ素微粒子を、100質量部を超えて添加すると、本発明のプライマー組成物被覆層における架橋密度が高くなりすぎて、得られる被膜の硬度が高くなり、基材や該被覆層表面に積層したトップ被膜との密着性が不良となる場合がある。また、0.1質量部未満では得られる被膜表面の架橋密度が低くなり、トップ層の塗工時にプライマー層の表面が侵されて膜の白化が起こり透明性が悪化したり、該被覆層の線膨張係数が150×10-6/℃以下にならずに、期待した密着性、耐クラック性が得られない場合が生じる。
3)〔3〕アルコキシシリル基の加水分解を阻止する化合物
前記(メタ)アクリルポリマー中のアルコキシシリル基は、二酸化ケイ素微粒子の存在により、ごくわずかの湿度や水分の存在下、あるいは、加熱下(30〜120℃、特に40〜80℃で0.5〜12時間、特に1〜10時間)に加水分解縮合反応を起こすため、溶液組成物での安定性を損ねたり、熱可塑性であるべきポリマーが熱硬化性になり、硬化歪に由来するクラックの原因となる。従って、アルコキシシリル基の加水分解を阻止する化合物は、アルコキシシリル基の加水分解を防止してアルコキシシリル基の縮合架橋反応によるプライマー層の硬化を防止する化合物である。
上記アルコキシシリル基の加水分解を阻止する加水分解阻止剤は、水と反応し消費することでアルコキシシリル基の加水分解を阻止するものであればどのようなものでもよいが、オルソギ酸エステル、オルソ酢酸エステル、オルソプロピオン酸エステル等のオルソ有機酸エステルやケトン、アルデヒド等のアセタール、へミアセタール類等が好適に用いうる。具体的には、オルソギ酸メチルエステル、オルソギ酸エチルエステル、オルソ酢酸メチルエステル、オルソ酢酸エチルエステル等が使用できる。オルソギ酸メチル、オルソギ酸エチル等が容易に入手できる。
加水分解阻止剤の使用量は、上記アルコキシシリル基と紫外線吸収基を持つ(メタ)アクリルポリマー100質量部に対し、0.1〜100質量部使用するのが好ましく、より好ましくは1〜50質量部使用するのがよい。
この加水分解阻止剤の存在により、溶液中ではアルコキシシリル基は安定に存在し、プライマー液保存時やプライマー層を形成時には硬化しないため、成形歪を内在させることなく、プライマー層形成後にトップ層を形成させるとき、効率的にプライマー層とトップ層の加水分解性シリル基がSiOH基と結合を起こし、紫外線吸収性基とが側鎖に結合したアクリルポリマー中の加水分解性シリル基はSiOH基と架橋するため、プライマー層とトップ層は密着し、被膜が緻密化され、クラックを抑制でき、紫外線吸収基を塗膜層中に効率よく固定化できる。
プライマー組成物のその他の成分で必要なものは溶剤であり、基材となる樹脂を溶解させず、〔1〕〜〔3〕成分からなる組成物のうち〔1〕成分と〔3〕成分を溶解し、〔2〕成分のうち溶剤と任意に相溶するものであれば特に限定されるものではないが、極性の高い有機溶剤が主溶剤であることが好ましい。有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類;ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル等のエステル類等を挙げることができ、これらからなる群より選ばれた1種単独でもしくは2種以上の混合物を使用することができる。
溶剤の添加量としては、本発明のプライマー組成物の固形分濃度を1〜30質量%、特に5〜25質量%とする量を用いることが好ましい。この範囲外では該組成物を塗布、硬化した塗膜に不具合が生じることがある。上記範囲未満の濃度では塗膜にタレ、ヨリ、マダラが発生し易くなり、所望の硬度、耐擦傷性が得られない場合がある。また上記範囲を超える濃度では、塗膜の白化やクラックが生じ易くなるおそれがある。
(2)トップ層(ハードトップ組成物から形成される層)
以下に、本発明のトップ層を構成するハードトップ組成物を詳細に説明する。これは、以下の〔4〕〜〔6〕成分を必須成分として含有する組成物である。
〔4〕(A)下記一般式(1)で表される少なくとも1種の加水分解性ケイ素化合物(オルガノオキシ基を含む有機ケイ素化合物)、
11 aSi(OR13(4-a) (1)
(式中、R11は炭素数1〜18の有機基、R13は同一又は異種の炭素数1〜6の有機基を示し、aは0<a<2を満足する数である。)
〔5〕二酸化ケイ素微粒子、
〔6〕プライマー層のアルコキシシリル基を上記オルガノオキシ基と反応させ、かつトップ層を硬化させる硬化触媒。
以下に、本発明の各成分を詳細に説明する。
1)〔4〕加水分解性ケイ素化合物
本発明のハードトップコート剤(ハードトップ組成物)の〔4〕成分は、下記一般式(1)で表される少なくとも1種の加水分解性ケイ素化合物である。
11 aSi(OR13(4-a) (1)
(式中、R11は炭素数1〜18の有機基、R13は同一又は異種の炭素数1〜6の有機基を示し、aは0<a<2を満足する数である。)
11は炭素数1〜18の有機基であり、特に炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基が好ましい。これらの一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基、シクロヘキシル基、1,1,2−トリメチルプロピル基等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基等やこれらの炭化水素基の水素原子の1個以上をハロゲン原子で置換した基等が例示される。これらの中でも、特に耐擦傷性や耐候性が要求される用途に使用する場合にはアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
OR13は加水分解性基であり、炭素数1〜6の加水分解性基等が挙げられる。具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、イソプロペノキシ基等のオルガノオキシ基を挙げることができる。この中で、特に操作性、副産物の留去の容易さ、安定性から炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、とりわけメトキシ基、エトキシ基が好ましく、ハードトップ剤の硬度、耐摩耗性、密着性の観点から、3官能性加水分解性シラン(a=1のシラン)が40モル%以上含まれることが好ましい。
具体的なケイ素化合物としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
2)〔5〕二酸化ケイ素微粒子
〔5〕成分は、二酸化ケイ素の粒子である。本成分は、塗膜に硬度・耐摩耗性を与える充填剤の役割と、粒子表面でバインダーとしての〔4〕成分中のシラノール基と結合を形成するため、架橋剤としての役割を果たすと考えられている。即ち、粒子表面は水酸基(SiOH)が存在しており、〔1〕成分や〔4〕成分のアルコキシシリル基との間で結合生成(Si−O−Si)が可能である。特に、コロイド状の酸化ケイ素分散液、即ちコロイダル二酸化ケイ素で、分散媒中に分散された状態(酸化物ゾル)で使用するのが好ましい。分散媒は、水、アルコール等の極性溶剤が好ましい。
二酸化ケイ素微粒子の粒径は、塗膜の透明性が維持できるほど小さいものであれば使用可能であるが、1〜300nm、特に1〜100nmの範囲にあるものが好ましい。粒子の分散安定性を増す目的でシランカップリング剤やテトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、チタンカップリング剤、カルボキシル基含有有機ポリマー等で一部処理・被覆されたものを用いてもよい。但し、ここでいう〔5〕成分の主成分は、無機二酸化ケイ素であって、安定化のため添加し、被覆に使用される有機物含有量は10質量%以下であることが好ましい。
〔5〕成分の配合量は、〔4〕成分100質量部に対して、5〜300質量部、特に5〜100質量部が好ましい。
本発明においては、〔5〕成分の二酸化ケイ素微粒子の水分散液を、〔4〕成分の原料である加水分解性ケイ素化合物に加えることによって調製する。これは、〔5〕成分共存下で〔4〕成分を製造することを意味する。この方法は、酸性あるいはアルカリ性の水分散の二酸化ケイ素ゾルを使用する場合に効率のよい製造方法であり、本発明では、特に酸性水分散二酸化ケイ素ゾルを用いることが好ましい。この調製法を用いた場合でも、加水分解性基OR13 1モルに対し、水分散二酸化ケイ素ゾル中の水が1モル以上、好ましくは1.2モル以上であることが好ましい。1モル未満だと、前述の如く加水分解性基が残存することになり、架橋密度の低下による硬度低下、密着性低下が起こる。なお、水量の上限に制限はないが、通常10モル以下、特には5モル以下である。
加水分解に使用する水には、極性有機溶剤を加えることが好ましく、極性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、モノエチレングリコールモノエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエーテル等が例示される。
これには、任意成分、あるいは中間層として紫外線吸収性のシランを含んでよい。
また、加水分解触媒を使用してもよい。加水分解触媒としては、従来公知の触媒を使用することができ、特に酸性のハロゲン化水素、カルボン酸、スルホン酸、酸性あるいは弱酸性の酸化物や無機塩、イオン交換樹脂等の固体酸等を使用することができる。これらの例としては、酢酸、マレイン酸に代表される有機酸、表面にスルホン酸基、又はカルボン酸基を有するカチオン交換樹脂等を好適に用いることができる。加水分解触媒の量は、加水分解性基OR13 1モルに対して0.001〜10モル%が好ましい。また、加水分解は弱酸性条件下で加水分解することが好ましく、特にpHが2〜7の範囲で反応させることが好ましい。加水分解を弱酸性下で行わない場合は生成するシラノール基が不安定となり、縮合反応が進み、分子量が大きくなりすぎることがある。
とりわけ、トップ膜の高硬度を得るには、前記の加水分解に続いて、縮合させることが必要である。縮合は、加水分解に続いて連続的に行えばよく、通常、液温が常温又は100℃以下の加熱下で行われる。100℃より高い温度ではゲル化する場合がある。更に80℃以上、常圧又は減圧下にて、加水分解で生成したアルコールを留去することにより、縮合を促進させることができる。更に、縮合を促進させる目的で、塩基性化合物、酸性化合物、金属キレート化合物等の縮合触媒を添加してもよい。縮合工程の前又は最中に、縮合の進行度及び濃度を調整する目的で有機溶剤を添加してもよく、また二酸化ケイ素ゾル等の金属酸化物微粒子を水もしくは有機溶剤中に分散させたものを添加してもよい。一般的にシリコーンレジンは縮合が進行すると共に、高分子量化し、水や生成アルコールへの溶解性が低下していくため、添加する有機溶剤としては、生成物をよく溶解し、沸点が80℃以上の比較的極性の高い有機溶剤が好ましい。このような有機溶剤の具体例としてはイソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類;ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル類;酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル等のエステル類等を挙げることができる。
この縮合により得られたシリコーン生成物のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)分析におけるポリスチレン換算重量平均分子量は1,500以上であることが好ましく、1,500〜50,000であることがより好ましく、2,000〜20,000であることが更に好ましい。分子量がこの範囲より低いと、塗膜の靱性が低く、クラックが発生しやすくなる傾向があり、一方、分子量が高すぎると、硬度が低くなる傾向があり、また塗膜中の樹脂が相分離するために塗膜白化を引き起こす場合がある。
3)〔6〕硬化触媒
〔6〕成分は、硬化触媒で、シラノール基、アルコキシ基等の縮合可能基が縮合する反応を促進する触媒であり、プライマー層のアルコキシシリル基を上記〔4〕成分のオルガノオキシ基と反応させ、かつトップ層を硬化させる硬化触媒で、シロキサン硬化に使用されている、アルカリ金属やアンモニウム塩の水酸化物やアミン及びその有機酸塩等の塩基性触媒が適用できる。
例えば、プロピオン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド等を好適に利用できる。
〔6〕成分の配合量は、〔4〕、〔5〕成分を硬化させるのに有効な量であればよく、特に限定されるものではないが、具体的には、〔4〕〜〔5〕成分の固形分に対し、0.0001〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.001〜10質量%である。0.0001質量%未満であると硬化が不十分となり、硬度が低下する場合があり、30質量%より多いと塗膜にクラックが発生しやすくなる場合や、耐水性が低下する場合がある。
更に、本発明におけるトップ層のコーティング剤組成物には、任意の構成成分〔7〕を含んでもよい。
4)〔7〕シロキサン樹脂
〔7〕成分は、下記平均組成式(2)で示されるシロキサン樹脂で、可撓性を付与することでクラック防止が目的である。
12 bSi(OR14c(OH)d(4-b-c-d)/2 (2)
(式中、R12は、同一又は異種の炭素数1〜18の有機基、R14は、同一又は異種の炭素数1〜6の有機基を示し、b、c及びdは、0.8≦b≦1.5、0≦c≦0.3、0.001≦d≦0.5、0.801≦b+c+d<2を満たす数である。)
で表され、ハードトップコート膜の高硬度性を維持しながら、柔軟性を与え、クラック等を防止する成分である。
この作用は、〔7〕成分の末端基(OR14及びOH)量が比較的少なく、ハードトップコート剤の架橋反応に限定的にしか関与せず、架橋ネットワークの隙間を埋める緩衝材のような役割を演じているためと考えられる。この場合、末端基量が少なすぎると、膜内に強固に固定されないので、耐溶剤性等で不利になる場合がある。従って、〔7〕成分としては、末端基量は比較的少ないが、限定的にハードトップコート膜内に固定化されるだけの結合形成を〔5〕成分との間で行うことができるものであることが必要である。
12は、同一又は異種の炭素数1〜18、特に1〜10の有機基であり、置換又は非置換の一価炭化水素基、例えばアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、ハロゲン置換アルキル基等が挙げられ、アルキル基、アリール基が好ましい。例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ビニル基、トリフルオロプロピル基等が挙げられる。
14は、同一又は異種の炭素数1〜6の有機基であり、特にアルキル基又はアルケニル基が挙げられる。(OR14)は、シロキサン樹脂の末端基のうち、シラノール基(SiOH)以外の部分を示し、具体例としてメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられ、原料の入手が容易なメトキシ基、エトキシ基が好ましい。
b、c及びdは、0.8≦b≦1.5、0≦c≦0.3、0.001≦d≦0.5、0.801≦b+c+d<2を満たす数である。R12の含有量bが0.8未満だとクラック防止性が低下するおそれがあり、1.5を超えると、有機基が多くなって疎水性が高くなるため、ハードトップコート層への相溶性が低下し、膜内からブリードするため、クラック防止効果がなくなるだけでなく、ハジキ等の外観不良が生じるおそれがある。OR14の含有量cが0.3を超えると、末端基量が多く、(A)、(B)、〔5〕成分との縮合反応に関与してくる比率が高まり、クラック防止性能が発現しなくなるおそれがある。これらのアルコキシ基等は赤外吸収スペクトル(IR)、アルカリクラッキングによるアルコール定量法等で定量可能である。
OHの含有量dが0.5を超えると、加熱硬化時(A)、(B)、〔5〕成分との縮合反応に関与してくる比率が高まり、高硬度ではあるが耐クラック性に乏しくなる。dが0.001未満だと、(A)、(B)、〔5〕成分との結合生成が全くなくなり、膜内に固定化されず、硬度低下、耐溶剤性低下をもたらす。より好ましくは、0.9≦b≦1.3、0.001≦c≦0.2、0.01≦d≦0.3、0.911≦b+c+d≦1.8である。これらの値は、樹脂の29Si−NMRを測定し、樹脂の平均化学構造を算出することによって求めることができる。例えば3官能加水分解性シランから合成されるT単位(RSiO3/2)の中で、下記に示す4種類の構造単位は、前述の29Si−NMRスペクトルにおいて異なる化学シフトでシグナルが観測される。このシグナルの面積は、この構造の存在比を示すため、この存在比、及びIRスペクトルから求めたアルコキシ基残量からシロキサン樹脂の構造を算出することができる。一般に4官能シラン由来のQ単位(SiO4/2)、3官能シラン由来のT単位(R2SiO3/2)、2官能シラン由来のD単位(R2 2SiO2/2)、1官能シラン由来のM単位(R2 3SiO1/2)の組み合わせで表現することができる。本発明の〔4〕成分をこの表記法で表した時、全シロキサン単位の総モル数に対し、R2SiO3/2で表されるT単位の含有モル数の比率が70モル%以上であることが好ましい。T単位が70モル%未満だと、硬度、耐摩耗性、密着性、塗工性、外観等の総合的なバランスが崩れる場合がある。なお、残部はM、D、Q単位でよく、これらの和が30モル%以下であることが好ましい。
〔7〕成分のシロキサン樹脂は、40℃以下で固体である。40℃以下で液体だと、加熱硬化時に〔7〕成分のシロキサン樹脂と(A)、(B)、〔5〕成分の間で結合が生成したとしても、塗膜の硬度、耐溶剤性が低下する。また、〔7〕成分のシロキサン樹脂中に含まれる揮発分は、105℃、3時間乾燥にて2質量%以下であることが好ましい。2質量%を超えると40℃以下でも固体が流動したり、融着したりして作業性が低下する場合がある。シロキサン樹脂は、軟化点が60〜90℃であることが好ましい。60℃未満だと、ハードトップコート膜の硬度、耐摩耗性が低下する場合があり、90℃を超えると、(A)、(B)、〔5〕成分への相溶性、耐クラック性が低下する場合がある。なお、軟化点はJIS K2207に準拠した環球法で測定した値である。
このシロキサン樹脂の分子量は、GPCによって測定することができる。このシロキサン樹脂は、GPCにより測定したポリスチレン標準で換算した重量平均分子量が2,000以上、好ましくは2,000〜10,000である。分子量が2,000未満だと、末端基量が多すぎて架橋に関与してしまうためクラック防止性に乏しくなり、分子量が大きすぎると、(A)、(B)、〔5〕成分等との相溶性が低下し、塗膜が不透明になることがある。
〔7〕成分のシロキサン樹脂の製造方法は、以下のような従来公知のレジン製造方法が適用できる。即ち、1種類以上の加水分解性シラン化合物、あるいはこれらと有機溶剤との混合液に対し、水を加えて攪拌し、加水分解性シラン化合物と水を接触させることによって加水分解反応をさせ、加水分解反応によって発生するシラノール基を、互いに、あるいは他の加水分解性基と反応させてシロキサン結合(−Si−O−Si−)を生成させ、縮重合させることによる重合体製造法である。重合後、中和し、最終的に有機溶剤を留去することによって、固形のシロキサン樹脂を得ることができる。この固形レジンは、溶剤不溶のゲルとは異なり、再び有機溶剤に溶解するものである。特に本成分として用いる場合に有利な製造方法としては、加水分解を強酸性条件下(特にpHが2より小さいことが好ましい)に行うことがよい。このような強酸性条件下では、縮重合反応に寄与するシラノール基が弱酸性時に比べ不安定で、反応が次々と急速に進行するため高分子量体となる。
加水分解に用いる好ましい水量は、原料として用いるシランの加水分解性基の種類によるが、アルコキシシランを原料とした場合、加水分解性基OR14 1モルに対し、1.5モル未満、特に0.6〜1.0モルであることが好ましい。この場合のような強酸性条件での縮重合反応で、加水分解水量が1.5モル以上であると、急速に三次元的な縮合が進み、ゲル化するので不適である。また、原料がクロルシランの場合は、加水分解水量は特に問わない。加水分解には有機溶剤を用いてもよく、有機溶剤は、水への溶解性の低い非極性溶剤が好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素系溶剤が主に好ましく用いられるが、水との混和性が低すぎると加水分解反応が進行しにくいので、アルコール等の極性溶剤を併用しても構わない。原料となる加水分解性シラン化合物は、一般式(1)と同様のもの、あるいは相当するクロルシランが用いられる。具体的にはビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジクロルシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、テトラクロルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリクロルシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリクロルシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリクロルシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等が好ましい。特にメチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシランが好ましい。
〔7〕成分の配合量は、〔4〕〜〔6〕成分の合計100質量部に対し、〔7〕成分が0〜100質量部、特に0〜80質量部であることが好ましい。〔7〕成分の配合量が100質量部を超えると、ハードトップコートとしての硬度、耐摩耗性が極端に低下する場合がある。なお、〔7〕成分を配合する場合、その効果を有効に発揮させる点から1質量部以上とすることが好ましい。
〔7〕成分のシロキサン樹脂を配合する場合に、シロキサン樹脂の有機溶剤溶液をあらかじめ調製しておいて、これを上記各成分と混合してもよい。シロキサン樹脂を溶剤に溶かす際、加熱を要する場合があるからである。溶剤としては、好ましくはエタノール、イソプロパノール、イソブタノール、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ダイアセトンアルコール等が使用できるが、これに限定されるものではない。
(3)膜の形成方法
上記プライマー組成物及びハードトップ組成物は、基材の少なくとも一方の面に順次塗布した後、硬化することにより、プライマー層、トップ層を被覆形成した被覆物品(積層体)を得ることができる。得られた被覆物品はプラスチックを基材とした場合、基材の黄変、表面劣化を防ぐ目的で、本発明のプライマー層中の紫外線吸収材が効果を果たしている。
ここで、各層の塗布方法としては、通常の塗布方法で基材にコーティングすることができ、例えば、刷毛塗り、スプレー、浸漬、フローコート、ロールコート、カーテンコート、スピンコート、ナイフコート等の各種塗布方法を選択することができる。
プライマー層の乾燥は行わないでもよい。透明性等の光学特性をより優れたものにするために、塗装した塗料の硬化反応する温度より低い温度で乾燥させてもよい。乾燥温度としては、一般に15〜100℃程度である。
これらの塗膜が形成された後、最後に乾燥機中で加熱・焼付けて、それぞれの塗膜を同時に硬化させる。焼付けは塗装した夫々の組成物が硬化する温度で焼付ければよい。本発明のプライマー組成物は、多層塗り重ねの各層の焼付を簡略化することができ、エネルギーを削減できる。
塗膜の形成方法は、以下の工程からなるものが好ましい。プライマー組成物を基材に塗布する工程、塗布した膜を風乾させる工程、本発明のハードコート組成物をプライマー組成物層上に塗布する工程、加熱してハードコート層を形成させることによってトップ層とする工程を順次行うことにより達成される。
本発明の組成物を積層・塗布した後の硬化は、空気中に放置して風乾させてもよいし、加熱してもよい。硬化温度、硬化時間は限定されるものではないが、基材の耐熱温度以下で10分〜2時間加熱するのが好ましい。具体的には80〜145℃で30分〜2時間加熱するのがより好ましい。ポリカーボネート樹脂を基材とした場合は、100〜120℃で加熱するのがより好ましい。
各層の厚みは特に制限はなく、それぞれ0.01〜100μm、特に0.5〜60μmであればよいが、層の硬さ、耐擦傷性、長期的に安定な密着性、及びクラックが発生しないことを満たすためには、1〜30μmが好ましい。なお、以上の操作を繰り返し、重ね塗りを行ってもよい。とりわけ、プライマー層の厚みは、プラスチック材を紫外線から保護するために重要で、0.5〜20μmが好ましい。0.01μm未満では、トップ層との密着性が十分でない場合があり、また、100μmより厚いと発泡が起こりやすく硬さが十分でない場合がある。また、トップ層においては、0.01μm未満では、硬さが十分でない場合があり、また、100μmより厚いとではクラックが起こりやすくなる。
以下、合成例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、特段の規定がない限り、%は質量%、部は質量部を示す。
[製造実施例]
以下に、プライマー組成物用ポリマー、プライマー組成物の合成、並びにハードトップ組成物用原料、ハードトップ組成物の製造例を示す。
1)プライマー組成物用メタクリルポリマーの合成
[ポリマー合成例1](表1)
攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに溶剤としてジアセトンアルコール248gを仕込み、窒素気流下にて80℃に加熱した。
ここに予め調製しておいた単量体混合溶液(2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−メタクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(UVAモノマーと略記、大塚化学(株)製)72g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503と略記、信越化学工業(株)製)80g、メチルメタクリレート(MMAと略記)248g、ジアセトンアルコール(DAAと略記)600g)のうち400g及び予め調製しておいた重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(V59と略記)3gをジアセトンアルコール200gに溶解した溶液のうち150gを順次投入した。
80℃で30分反応させた後、残りの単量体混合溶液と残りの重合開始剤溶液を同時に80〜90℃で1.5時間かけて滴下した。更に80〜90℃で5時間攪拌した。
得られたアルコキシシリル基を含有する紫外線吸収性ビニル系共重合体溶液の粘度は5,370mPa・s、不揮発分(150℃,30分)の含有量は40.2%であった。またその共重合体中の紫外線吸収性単位の含有量は18%、アルコキシシリル基単位の含有量は20%であった。また、標準ポリスチレンを基準とするGPC分析による重量平均分子量は27,600であった。このアルコキシシリル基を含有する紫外線吸収性ビニル系共重合体(溶液)をポリマー1とする。その溶液物性を表2に示す。
Figure 0005604979
(注)
KBM503 :γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
UVAモノマー:2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−メタクリロキシエチル)フェニ
ル]−2H−ベンゾトリアゾール(RUVA−93、大塚化学(株)
製)
MMA :メチルメタクリレート
DAA :ジアセトンアルコール
Figure 0005604979
2)プライマー組成物の合成(表3)
<1>プライマー組成物の製造例1
ポリマー合成例1で合成したポリマー溶液300g(ポリマー1の含有量120g)を、溶剤(DAA430g,MFDG50g,PGMAC30g,EA50g)で希釈し十分混合した後、攪拌下にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに分散したシリカゾル溶液(PMA−ST、固形分濃度30%、一次粒子径10〜15nm、日産化学工業(株)製)70g(シリカ固形分20g)、アルコキシシリル基の加水分解を防止して架橋を阻止する化合物としてオルソギ酸トリエチル70gを加え、ろ過してプライマー組成物1とした。
得られたプライマー組成物1の粘度は17.3mm2/s、また不揮発分(150℃,30分)の含有量は14.4%であった。13C−NMRによりテトラメチルシランのピークを0ppmとして標準Me4Siを基準とする50.2ppmのところにアルコキシシリル基の存在が確認でき、メタノールに由来するピークは全く観察されなかった。
<2>プライマー組成物の製造比較例1
製造例1で得られたプライマー組成物1 300gに、アルコキシシリル基を硬化させる触媒となるテトラブチルアンモニウムの酢酸塩の10%イソプロピルアルコール溶液1gを添加した。得られたプライマー組成物の製造比較例1の粘度は16.6mm2/s、また不揮発分(150℃,30分)の含有量は13.8%であった。
<3>プライマー組成物の製造比較例2
ポリマー合成例1で合成したポリマー溶液300g(ポリマー1の含有量120g)に、溶剤(DAA500g,MFDG50g,PGMAC30g,EA50g)で希釈し十分混合した後、攪拌下にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに分散したシリカゾル溶液(PMA−ST、固形分濃度30%、一次粒子径10〜15nm、日産化学工業(株)製)70g(シリカ固形分20g)を加え、ろ過してプライマー組成物の製造比較例2とした。
得られたプライマー組成物の製造比較例2の粘度は19.1mm2/s、また不揮発分(150℃,30分)の含有量は14.2%であった。13C−NMRにより、テトラメチルシランのピークを0ppmとして標準Me4Siを基準とする50.2ppmのところにアルコキシシリル基の存在が確認できたが、メタノールに由来するピークが49.2ppmのところに観察され、アルコキシシリル基の存在量は約65%になっていると推定された。
<4>プライマー組成物の製造比較例3
ポリマー合成例1で合成したポリマー溶液300g(ポリマー1の含有量120g)に、溶剤(DAA500g,MFDG50g,PGMAC30g,EA50g)で希釈し十分混合した後、オルソギ酸トリエチル70gを加え、ろ過してプライマー組成物の製造比較例3とした。
得られたプライマー組成物の製造比較例3の粘度は10.3mm2/s、また不揮発分(150℃,30分)の含有量は12.1%であった。13C−NMRにより、テトラメチルシランのピークを0ppmとして標準Me4Siを基準とする50.2ppmのところにアルコキシシリル基の存在が確認でき、メタノールに由来するピークは全く観察されなかった。
得られたプライマー組成物溶液のまとめを表3に示す。
Figure 0005604979
(注)
DAA :ジアセトンアルコール
MFDG :ジ(プロピレングリコール)モノメチルエーテル
PGMAC:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
EA :エチルアセテート
3)トップ組成物用原料シロキサン樹脂の合成
温度計、攪拌機、冷却器を備えた2L三口フラスコに、メチルトリメトキシシラン408部、トルエン400部を仕込み、98%メタンスルホン酸11部を触媒として添加し、内温を30℃以下に保ちながら水146部を滴下し、メチルトリメトキシシランを加水分解した。滴下終了後、室温で2時間攪拌して反応を完結させた。
その後、酸性成分を中和し、生成したメタノールを減圧留去した。2回水洗することにより完全に中和塩を除去した後、再び減圧にて105℃,3時間乾燥前後の質量減少が1.1%となるまでトルエン等の溶剤成分を除去することにより、無色透明固体のシロキサン樹脂210部を得た。
この樹脂のGPCから得られた重量平均分子量は7.5×103であった。また、この樹脂の29Si−NMR、及びIRスペクトルの結果から、このシロキサン樹脂Gの平均組成式は、下記式(A)であった。
MeSi(OMe)0.06(OH)0.12(O)1.41 (A)
(式中、Meはメチル基を示す。)
この透明固体樹脂の軟化点をJIS K2207に準拠し、環球式自動軟化点試験機で測定したところ、73℃であった。予めシロキサン樹脂283部は、イソプロパノール717部を加えて、溶解させることにより、固形分濃度28%のシロキサン樹脂溶液Aとした。
4)ハードトップ組成物の合成例1
攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに、メチルトリメトキシシラン371gを仕込み、攪拌しながら20℃に維持し、ここに水分散コロイダルシリカ(スノーテックスO(平均粒子径15〜20nm)、日産化学工業(株)製、SiO2 20%含有品)108gと0.25Nの酢酸水溶液252gとの混合溶液を添加して高速攪拌した。更に、60℃にて3時間攪拌後、シクロヘキサノン330gを添加した後、常圧にて副生したメタノールと一部の水、計335gを留去した。次いで、イソプロパノール205g、シロキサン樹脂溶液A 400g、レベリング剤としてポリエーテル変性シリコーンKP−341(信越化学工業(株)製)0.6gを添加し、硬化触媒として10%テトラブチルアンモニウムヒドロキシドの酢酸塩水溶液3.7gを添加した。
こうして得られたオルガノポリシロキサン溶液の粘度は5.98mm2/s、不揮発分(150℃,30分)は24.1%であった。このものをTop合成例1とした。
5)ハードトップ組成物(トップコート剤)の比較例1
攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに、メチルトリメトキシシラン371gを仕込み、攪拌しながら20℃に維持し、ここに水分散コロイダルシリカ(スノーテックスO(平均粒子径15〜20nm)、日産化学工業(株)製、SiO2 20%含有品)108gと0.25Nの酢酸水溶液252gとの混合溶液を添加して高速攪拌した。更に、60℃にて3時間攪拌後、シクロヘキサノン330gを添加した後、常圧にて副生したメタノールと一部の水、計335gを留去した。次いで、イソプロパノール205g、シロキサン樹脂溶液A 400g、レベリング剤としてポリエーテル変性シリコーンKP−341(信越化学工業(株)製)0.6gを添加した。こうして得られたオルガノポリシロキサン溶液の粘度は5.78mm2/s、不揮発分(150℃,30分)は24.0%であった。このものをTop比較合成例1とした。
6)ハードトップ組成物(トップコート剤)の比較例2
攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに、メチルトリメトキシシラン371gを仕込み、攪拌しながら20℃に維持し、ここに、水86.4g、0.25Nの酢酸水溶液252gとの混合溶液を添加して高速攪拌した。更に、60℃にて3時間攪拌後、シクロヘキサノン330gを添加した後、常圧にて副生したメタノールと一部の水、計335gを留去した。次いで、イソプロパノール205g、シロキサン樹脂溶液A 400g、レベリング剤としてポリエーテル変性シリコーンKP−341(信越化学工業(株)製)0.6gを添加し、硬化触媒として10%テトラブチルアンモニウムヒドロキシドの酢酸塩水溶液3.7gを添加した。
こうして得られたオルガノポリシロキサン溶液の粘度は4.78mm2/s、不揮発分(150℃,30分)は22.9%であった。このものをTop比較例2とした。
[実施例1,2、比較例1〜5]
(1)実施例1,2
表面を清浄化した0.5mmポリカーボネート樹脂板(ユーピロンシート、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)に、プライマー組成物として、プライマー組成物1をフローコーティング法にて塗布し、その上にトップ合成例1で得られたトップコート剤をフローコーティング法にて塗布し、室温で20分風乾した後、120℃で60分硬化させた。これを実施例1とした。
また、同様のポリカーボネート樹脂板に、プライマー組成物として、プライマー組成物1をフローコーティング法にて塗布し、その上にトップ合成例1で得られたトップコート剤をフローコーティング法にて塗布し、室温で20分風乾した後、再度トップコート剤をフローコーティング法にて塗布し、室温で20分風乾した後、120℃で60分硬化させた。これを実施例2とした。
これらを評価したところ、光学特性、膜密着性、硬度特性のいずれも良好であった。特に、実施例1,2は、従来の2コート2ベイクや3コート3ベイクに比べて、作業時間が80分あるいは100分と、通常の半分以下で、作業性も優れたものであった。
(2)比較例1,2
ポリカーボネート樹脂板(ユーピロンシート)に、プライマー組成物として、プライマー比較組成物1をフローコーティング法にて塗布し、その上にトップ合成例1で得られたトップコート剤をフローコーティング法にて塗布し、室温で20分風乾した後、120℃で60分硬化させた。これを比較例1とした。
また、ポリカーボネート樹脂板(ユーピロンシート)に、プライマー組成物として、プライマー比較組成物2をフローコーティング法にて塗布し、その上にトップ合成例1で得られたトップコート剤をフローコーティング法にて塗布し、室温で20分風乾した後、120℃で60分硬化させた。これを比較例2とした。
これらを評価したところ、膜密着性がいずれも不良であった。これは、プライマー層が熱硬化して基材の歪が残留したものと考えられる。
(3)比較例3
ポリカーボネート樹脂板(ユーピロンシート)に、プライマー組成物として、プライマー比較組成物3をフローコーティング法にて塗布し、その上にトップ合成例1で得られたトップコート剤をフローコーティング法にて塗布し、室温で20分風乾した後、120℃で60分硬化させた。これを比較例3とした。
これを評価したところ、膜が白化してしまった。これは、プライマー層がトップコート剤の溶剤に侵されて膜の透明性が悪化したものと考えられる。
(4)比較例4,5
ポリカーボネート樹脂板(ユーピロンシート)に、プライマー組成物として、プライマー組成物1をフローコーティング法にて塗布し、その上にトップ比較例1で得られたトップコート剤をフローコーティング法にて塗布し、室温で20分風乾した後、120℃で60分硬化させた。これを比較例4とした。
また、ポリカーボネート樹脂板(ユーピロンシート)に、プライマー組成物として、プライマー組成物1をフローコーティング法にて塗布し、その上にトップ比較例2で得られたトップコート剤をフローコーティング法にて塗布し、室温で20分風乾した後、120℃で60分硬化させた。これを比較例5とした。
これらを評価したところ、膜硬度がいずれも不良であった。これは、トップ層が良好な熱硬化しないため、十分な擦傷性が基材に付与できなかったものと考えられる。
このようにして得られた塗膜を下記評価方法で評価した。各種物性評価の結果を表4に示した。
Figure 0005604979

1)硬化条件 2−1’:2コート1ベイク、3−1’:3コート1ベイク
2)硬化温度:プライマー層120℃、トップ層120℃
本発明のプライマー層とハードトップ層により被膜を施されたポリカーボネート樹脂だけが、優れた透明性、耐擦傷性、紫外線遮蔽性を発現することが可能となった。一方、プライマー組成物が熱硬化となる場合、比較例1、比較例2のように、構成するアルコキシシリル基の加水分解、架橋により起こり、密着が不良となった。また、トップ層が十分な熱硬化が行われない場合は、耐擦傷性が不十分となった。また、シリカが共存しない場合も同様であった。
評価
実施例中の各種物性の測定及び評価は以下の方法で行った。
1)評価の方法
評価は、ハードコート膜付きポリカーボネート樹脂について、光学特性、膜特性、耐久性について行った。また、プライマー組成物の液の保存安定性については、13C−NMRの測定を行い、ポリマー中の脱メタノールの割合を測定して評価した。
(1)光学特性
光学特性により、塗膜透明性と紫外線阻止能について評価した。
(1.1)初期塗膜外観:プライマー組成物及びハードトップ組成物を順次硬化・積層した試験片の被膜外観を目視にて観察した。
(1.2)紫外線・可視光透過スペクトルの測定
石英ガラス(厚さ1mm)上に形成したトップ層、及びプライマー層−トップ層の複層膜の紫外線・可視光透過スペクトルを、日立製作所製分光光度計U−3310により、波長200〜500nmの測定を行った。
複層膜の450nmの透過率で透明性を、トップ層、及び下塗り層−トップ層の複層膜の350nm透過率で紫外線阻止能を評価した。
(2)膜特性
膜特性により、塗膜密着性と塗膜耐擦傷性について評価した。
(2.1)1次密着性:JIS K5400に準拠し、試験片をカミソリの刃で2mm間隔の縦横6本ずつ切れ目を入れて25個の碁盤目を作り、市販のセロハン粘着テープをよく密着させた後、90度手前方向に急激に剥がした時、被膜が剥離せずに残存したマス目数(X)をX/25で表示した。
(2.2)耐水性及び耐水密着性:試験片を沸騰水中に2時間浸漬した後に、目視にて外観観察、及び前記と同様にして密着性試験を行った。
(2.3)耐擦傷性試験:ASTM1044に準拠し、テーバー磨耗試験機にて磨耗輪CS−10Fを装着し、荷重500g下で500回転後の曇価を測定した。耐擦傷性(%)は(試験後の曇価)−(試験前の曇価)で示した。
○: ΔH≦6.0
△: 6.1<ΔH<10.0
×: ΔH≧10.0

Claims (4)

  1. 基材の表面にプライマー層とトップ層とを積層してなる積層体の製造方法であって、(A)紫外線吸収性(メタ)アクリルモノマーと(B)アルコキシシリル基含有(メタ)アクリルモノマーと(C)それ以外の(メタ)アクリルモノマーとを共重合することによって得られるアルコキシシリル基と紫外線吸収基を有する熱可塑性(メタ)アクリルポリマーと、二酸化ケイ素微粒子と、アルコキシシリル基の加水分解縮合を阻止する加水分解阻止剤としてオルソ有機酸エステル又はアセタールとを含むプライマー組成物を上記基材の表面に塗布し、次いでその上に、下記一般式(1)
    11 a Si(OR 13 (4-a) (1)
    (式中、R 11 は炭素数1〜18の有機基、R 13 は同一又は異種の炭素数1〜6の有機基を示し、aは0<a<2を満足する数である。)
    で示されるオルガノオキシ基を含む有機ケイ素化合物及び二酸化ケイ素微粒子の共加水分解縮合物と、上記プライマー組成物のアルコキシシリル基を上記オルガノオキシ基と反応させ、かつ上記共加水分解縮合物を硬化させる硬化触媒と、下記平均組成式(2)
    12 b Si(OR 14 c (OH) d (4-b-c-d)/2 (2)
    (式中、R 12 は、同一又は異種の炭素数1〜18の有機基、R 14 は、同一又は異種の炭素数1〜6の有機基を示し、b、c及びdは、0.8≦b≦1.5、0≦c≦0.3、0.001≦d≦0.5、0.801≦b+c+d<2を満たす数である。)
    で示されるシロキサン樹脂とを含むハードトップ組成物を塗布、積層させ、次いで加熱して上記ハードトップ組成物を架橋・硬化して、熱可塑性を有するプライマー層と熱硬化性を有するトップ層とを形成することを特徴とする積層体の製造方法。
  2. 硬化触媒が塩基性触媒である請求項1記載の積層体の製造方法。
  3. 塩基性触媒が、プロピオン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキサイドから選ばれる請求項2記載の積層体の製造方法。
  4. 前記基材が、ポリカーボネート樹脂である請求項1乃至のいずれか1項記載の製造方法。
JP2010119403A 2010-05-25 2010-05-25 積層体の製造方法 Active JP5604979B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010119403A JP5604979B2 (ja) 2010-05-25 2010-05-25 積層体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010119403A JP5604979B2 (ja) 2010-05-25 2010-05-25 積層体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011245684A JP2011245684A (ja) 2011-12-08
JP5604979B2 true JP5604979B2 (ja) 2014-10-15

Family

ID=45411557

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010119403A Active JP5604979B2 (ja) 2010-05-25 2010-05-25 積層体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5604979B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5413447B2 (ja) * 2011-12-22 2014-02-12 信越化学工業株式会社 自動車グレージング用プラスチック基材及び補修方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4041966B2 (ja) * 2002-06-18 2008-02-06 信越化学工業株式会社 ハードコート剤及びハードコート膜が形成された物品
JP2004035605A (ja) * 2002-06-28 2004-02-05 Teijin Chem Ltd オルガノシロキサン樹脂組成物および表面を保護されたポリカーボネート樹脂成形体
JP5369556B2 (ja) * 2008-09-08 2013-12-18 信越化学工業株式会社 プライマー組成物の製造方法及び被覆物品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011245684A (ja) 2011-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5316300B2 (ja) 耐摩耗性シリコーンコーティング組成物並びに被覆物品及びその製造方法
EP2426175B1 (en) Plastic article for automotive glazing
JP4041966B2 (ja) ハードコート剤及びハードコート膜が形成された物品
JP5194563B2 (ja) 耐擦傷性コーティング組成物、及び被覆物品
JP5708886B2 (ja) 有機樹脂積層体、その製造及び使用方法、並びに有機樹脂積層体を含む物品
JP5267488B2 (ja) ポリカーボネート樹脂積層体
JP5413447B2 (ja) 自動車グレージング用プラスチック基材及び補修方法
JP5369556B2 (ja) プライマー組成物の製造方法及び被覆物品
JP5768748B2 (ja) 有機樹脂積層体
JP2005314616A (ja) シリコーンコーティング組成物及び被覆物品
WO2012099125A1 (ja) ハードコート被膜付き樹脂基板およびその製造方法
EP2508579B1 (en) Weather-Resistant Hard Coating Composition and Coated Article
JP5604979B2 (ja) 積層体の製造方法
JP5652375B2 (ja) 積層塗膜
JP5637161B2 (ja) 耐候性コーティング組成物の製造方法及び着色防止方法並びに被覆物品
JP2006051633A (ja) 合成樹脂製積層体及びその製造方法
JP2006035593A (ja) 合成樹脂積層体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20120525

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130307

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20131001

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140729

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20140811

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5604979

Country of ref document: JP