JP2006035593A - 合成樹脂積層体及びその製造方法 - Google Patents

合成樹脂積層体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
長期にわたって各樹脂層間が良好な密着性を有し、耐候性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐熱性及び耐水性に優れ、生産性の高いポリカーボネート樹脂積層体を提供することにある。
【解決手段】
透明合成樹脂に対して屈折率の差が0.015以下であるガラスフィラー1〜60重量%、及びポリカプロラクトン1〜60重量%を混合混練してなる強化樹脂組成物を射出成形により形成してなる強化樹脂層(A)の少なくとも一方の面に、熱硬化性アクリル樹脂からなる塗膜厚み1〜10μmのプライマー塗膜層(B)が形成されており、該プライマー塗膜層(B)上に多官能アルコキシシランからなる塗膜厚み1〜10μmの硬化被膜層(C)が形成されてなることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、透明で、高剛性を有する合成樹脂積層体およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、特に高剛性で、透明性、軽量性、安全性、耐久性、経済性に優れており、自動車部品、医療、保安、建材、家庭用品など多くの用途に好適な、高剛性合成樹脂積層体およびその製造方法に関する。
自動車部品や建材などにおける窓ガラスなどのグレージング材は、従来、透明な無機ガラスが使用されている。無機ガラスは重量が重い、割れやすく危険である、加工の自由度や生産性が低い、意匠性付与が別工程となるなどの問題点があった。
そこで、軽量化、加工の自由度や生産性の向上を図るべく、合成樹脂製の押出板またはキャスティング板の熱曲げや射出成形などにより成形されたプラスチック成形品が、ガラスの代わりにガラス部分に適用され、高剛性を必要とする用途においては、ガラスフィラーなどの適当なフィラーを添加することによって、その改善が図られていた。しかしながら、ガラスフィラーなどを添加した場合には、ガラスフィラーの屈折率(慣用のガラスフィラーでは通常1.555)と透明樹脂の屈折率(例えば慣用のポリカーボネート樹脂では通常1.585)との差が大きいので、透明性が損なわれるという欠点があった。
本発明者らは、これらの問題を解決する目的で金型内に装着した、2枚の透明な熱可塑性樹脂フィルムまたはシート間に、透明な熱可塑性樹脂成分およびガラスフィラー成分を含む強化樹脂組成物であって、両成分の屈折率の差が0.015以下であり、該ガラスフィラー成分の量が成形品の全重量の1〜60重量%となるように配合したものを、溶融射出充填することにより、該フィルムまたはシートと積層一体化させてなることを特徴とする透明な高剛性樹脂板状体を提案した(例えば、特許文献1及び2)が、製造工程が長く、経済性に問題があった。
一方、ポリカーボネートのような透明合成樹脂は、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性等の表面特性が不十分であることからその用途は制限されており、透明合成樹脂の表面特性を改良することが切望されていた。これに対応する目的で、例えば、1コ−ト方式としてアクリル樹脂層の厚さが、ポリカーボネート層の1/10以下に構成した共押出しシートのアクリル樹脂層上に、電離放射線硬化型樹脂や、熱硬化型樹脂、シリコーン系硬化型樹脂を積層した積層体が知られている(例えば、特許文献3)。また、ポリカーボネート樹脂基材/紫外線吸収剤を含有する樹脂層/表面硬化層からなる積層体の表面硬化層として、1官能あるいは多官能のアクリレートモノマーあるいはオリゴマーなどの単独あるいは複数からなる樹脂組成物に硬化触媒の光重合開始剤が加えられた紫外線硬化型樹脂塗料、ポリオルガノシロキサン系、架橋型アクリル系又はメラミン系熱硬化型樹脂塗料を塗布、硬化させた積層体が知られている(例えば、特許文献4)。さらに、透明プラスチック基材表面の少なくとも片面に、第1層として、特定の共重合アクリル樹脂、ポリイソシアネート化合物前駆体、有機錫系硬化触媒および紫外線吸収剤を含有してなる塗料組成物を2〜10μmの膜厚に熱硬化させてなるアクリル樹脂層が積層され、その第1層上に第2層としてコロイダルシリカ(a成分)およびトリアルコキシシランの加水分解縮合物(b成分)を含有してなるオルガノシロキサン樹脂組成物の熱硬化塗膜層が積層され、表面を保護された透明プラスチック成形体が知られている(例えば、特許文献5)。しかし、これらはいずれの場合も耐候性や耐擦傷性が不足し、剛性も十分満足できるものでなかった。
特開平08−229980号公報 特開平09−164552号公報 特開平08−025589号公報 特開平08−230127号公報 特開2004−035613号公報
本発明の目的は、従来における上記の課題を解決しようとするものであり、特に高剛性で、透明性、軽量性、安全性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性、生産性、経済性に優れ、工業的に有利な合成樹脂積層体及びその製造方法を提供することである。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その要旨は、透明合成樹脂に対して屈折率の差が0.015以下であるガラスフィラー、及びポリカプロラクトンを混合混練してなる強化樹脂組成物を射出成形により形成した成形体からなる強化樹脂層(A)の少なくとも一方の面に、熱硬化性アクリル樹脂からなる塗膜厚み1〜10μmのプライマー塗膜層(B)を形成し、該プライマー塗膜層(B)上に多官能アルコキシシランからなる塗膜厚み1〜10μmの硬化被膜層(C)を形成してなる合成樹脂積層体(D)及びその製造方法に係る。
すなわち、本発明は、(1)透明合成樹脂に対して屈折率の差が0.015以下であるガラスフィラー1〜60重量%、及びポリカプロラクトン1〜60重量%を混合混練してなる強化樹脂組成物を射出成形により形成してなる強化樹脂層(A)の少なくとも一方の面に、熱硬化性アクリル樹脂からなる塗膜厚み1〜10μmのプライマー塗膜層(B)が形成されており、該プライマー塗膜層(B)上に多官能アルコキシシランからなる塗膜厚み1〜10μmの硬化被膜層(C)が形成されてなることを特徴とする合成樹脂積層体(D)に係る。
(2)強化樹脂層(A)の透明合成樹脂が、熱可塑性ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする上記(1)の合成樹脂積層体(D)。
(3)プライマー塗膜層(B)が、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンを含むベンゾフェノン系紫外線吸収剤を塗料中の不揮発分100重量部に対して5〜30重量部添加された熱硬化性アクリル樹脂からなることを特徴とする上記(1)または(2)記載の合成樹脂積層体(D)。
(4)プライマー塗膜層(B)は、更に分子内に1個以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤を塗料中の不揮発分100重量部に対して0.1〜5重量部添加された熱硬化性アクリル樹脂からなる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の合成樹脂積層体(D)。
(5)硬化皮膜層(C)は、下記多官能アルコキシシランコーティング組成物(CC)からなることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の合成樹脂積層体(D)。
(イ)下記式(1)で示されるオルガノアルコキシシラン(d)
(化1)
1 nSi(OR24-n (1)
(式中、R1は炭素数1〜8の置換または非置換の炭化水素基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは1または2)
(ロ)無水ケイ酸含有量が10〜50重量%で、粒径が4〜20nmのコロイダルシリカ(e)
(ハ)50重量%以下のアルコキシシリル基を含有するアクリル系および/またはビニル系有機共重合体(f)
(二)アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)
および
(ホ)シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)からなり、かつ(ロ)の配合量が(イ)100重量部に対して、50〜200重量部であり、(ハ)の配合量が、(イ)と(ロ)の合計100重量部に対して、0〜20重量部であり、(二)の配合量が、(イ)、(ロ)および(ハ)の合計量100重量部に対して、1.0〜5.0重量部であり、(ホ)の配合量が、(イ)、(ロ)、(ハ)および(二)の合計100重量部に対して、0〜35重量部である。
(6)オルガノアルコキシシランが、上記式(1)において、n=1、R1は炭素数1〜8の置換基又は非置換の一価の炭化水素基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−1)であることを特徴とする上記(5)記載の合成樹脂積層体(D)。
(7)オルガノアルコキシシランが、上記式(1)において、n=1、R1がアルキル基であるオルガノアルコキシシラン(d−2)を80〜97重量部と、R1が3,3,3−トリフルオロプロピル基であるオルガノアルコキシシラン(d−3)を20〜3重量部とからなることを特徴とする上記(5)記載の合成樹脂積層体(D)。
(8)オルガノアルコキシシランが、上記式(1)でn=1のアルキルトリアルコキシシラン(d−4)を99〜97重量部と、n=2のジアルキルジアルコキシシラン(d−5)を1〜3重量部とからなるオルガノアルコキシシランであることを特徴とする上記(5)記載の合成樹脂積層体(D)。
(9)オルガノアルコキシシランが、上記式(1)において、n=1で、R1が炭素数1または2のアルキル基で、R2が炭素数1〜5のアルキル基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−6)を80〜97重量部と、R1が炭素数3または4のアルキル基で、R2が炭素数1〜5のアルキル基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−7)を20〜3重量部とからなることを特徴とする上記(5)記載の合成樹脂積層体(D)。
(10)無水ケイ酸を10〜50重量%含有し、かつ平均粒径が4〜7nmのコロイダルシリカ(e)からなるコーティング組成物(C)であることを特徴とする上記(5)〜(9)のいずれかに記載の合成樹脂積層体(D)。
(11)強化樹脂層(A)とプライマー塗膜層(B)、プライマー塗膜層(B)と硬化被膜層(C)との線膨張係数の差が、それぞれ32×10-5/℃以下であることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載の合成樹脂積層体(D)。
(12)射出成形により形成される強化樹脂層(A)の厚みが、2〜70mmであることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれかに記載の合成樹脂積層体(D)。
(13)プライマー塗装層(B)と強化樹脂層(A)との間に、あるいは硬化被膜層(C)の面に、印刷部を有することを特徴とする上記(1)〜(12)のいずれかに記載の合成樹脂積層体(D)。
また本発明は、(14)透明合成樹脂に対して屈折率の差が0.015以下であるガラスフィラー1〜60重量%、及びポリカプロラクトン1〜60重量%を混合混練してなる強化樹脂組成物を射出成形により強化樹脂成形体を成形し、該強化樹脂成形体の少なくとも一方の面に、熱硬化性アクリル樹脂からなるプライマー塗料を塗膜厚み1〜10μmとなるように塗布してプライマー塗膜層を形成し、該プライマー塗膜層上に多官能アルコキシシランからなるコーティング組成物を塗膜厚み1〜10μmとなるように塗布し、硬化させて該プライマー塗膜層上に硬化被膜層を形成することを特徴とする合成樹脂積層体の製造方法に係る。
(15)強化樹脂成形体を、射出圧縮成形により形成することを特徴とする上記(14)に記載の合成樹脂製積層体の製造方法。
さらに本発明は、(16)上記(1)〜(13)のいずれかに記載の合成樹脂積層体(D)からなる車輌用窓ガラス。
に関する。
本発明の合成樹脂積層体は、高剛性で、かつ、透明性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性に優れているので、計器カバー、窓ガラス、サンルーフ、ランプレンズ、ミラー等の自動車用途、一般の窓ガラスや採光用屋根材等の建材用途、銘板等の用途に好適であるが、特に自動車用窓ガラスとして好適である。
また請求項3,4に記載の本発明は、特に耐候性が更に向上した高剛性で、かつ、透明性、耐擦傷性、耐摩耗性に優れたものである。
また請求項6〜10に記載の発明は、特に優れた硬化皮膜を形成することができる利点がある。請求項11に記載の発明は、強化樹脂層とプライマー塗膜層およびプライマー塗膜層と硬化皮膜層との密着性により優れた合成樹脂積層体である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明における強化樹脂層(A)を形成する強化樹脂組成物は、透明合成樹脂に、ガラスフィラー及びポリカプロラクトンをそれぞれ特定量含有させてなる強化樹脂組成物である。
本発明における強化樹脂層を構成する透明合成樹脂は、可視領域の光線透過率が高い透明な熱可塑性樹脂であれば特に制限はなく、例えば、3mm厚の板状成形体としたときのJIS R 3106記載の可視光透過率が50%以上で、JIS K7105記載のヘイズが30%以下のものが挙げられる。具体的には、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、塩化ビニル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリ−4−メチルペンテン−1等を挙げることができる。これらの中でも、ポリカーボネートは耐衝撃性に優れるために好ましい。ポリカーボネートとしては、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、芳香族−脂肪族ポリカーボネートを用いることができるが、芳香族ポリカーボネートが好ましい。
芳香族ポリカーボネートとしては、芳香族ジヒドロキシ化合物、またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物をホスゲンまたは炭酸のジエステルと反応させることによって作られる、分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体である。製造方法については、特に限定されるものでは無く、ホスゲン法(界面重合法)あるいは、溶融法(エステル交換法)等で製造することができる。さらに、溶融法で製造された末端のOH基量を調整した芳香族ポリカーボネートも使用することができる。ポリカーボネートの分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、16,000〜40,000である。より好ましくは18,000〜32,000であり、最も好ましくは20,000〜28,000である。粘度平均分子量が16,000未満では機械的強度が不足し、40,000を越えると流動性が低下し、成形品外観に不良を生じやすく好ましくない。
本発明における強化樹脂層を形成する強化樹脂組成物を構成するガラスフィラーは、透明合成樹脂との屈折率差が、0.015以下であるものが使用され、好ましくは0.010以下である。両成分の屈折率の差が0.015より大きくなると高剛性合成樹脂積層体の透明性が低下する。ガラスフィラーの形状は、特に制限されず、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラス粉など、通常射出成形用の熱可塑性樹脂に配合されるものであれば、いずれでも使用することができる。これらのガラスフィラーは、配合ないし溶融射出充填に際し、透明合成樹脂とよくなじんで均一に分散するよう、シランカップリング剤で表面処理されたものが好ましい。最も広く利用されるのは、ガラス繊維であり、いわゆるチョップドストランドと呼ばれている短繊維である。この短繊維の寸法は、一般に、長さ0.005〜30mm、径5〜50μmである。また、フィラーに使用されるガラスは、透明合成樹脂の分解を促進することがあるので、無アルカリガラスまたはこれに近いものが好ましい。
ガラスフィラーの配合量は、透明合成樹脂、ガラスフィラーおよびポリカプロラクトンを含む強化樹脂組成物中の全重量の1〜60重量%であり、好ましくは3〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%である。ガラスフィラーの配合量が少なすぎると、合成樹脂積層体に剛性を付与することができなくなり、多すぎると、光学的特性の低下が大きくなるだけでなく、場合によっては透明合成樹脂の分子量を低下させ、その特性が活かされない虞がある。
本発明におけるポリカプロラクトンは、カプロラクトン特にe−カプロラクトンの重合物、すなわち繰返し単位が(−CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CO−O−)で示されるものである。ポリカプロラクトンのメチレン鎖の水素原子の一部がハロゲン原子、炭化水素基で置換されていてもよい。また、ポリカプロラクトンの末端は、エステル化、エーテル化などにより末端処理をしてあってもよい。ポリカプロラクトンの数平均分子量としては、5000〜40000であることが好ましい。このようなポリカプロラクトンは、カプロラクトンを酸、塩基、有機金属化合物などの触媒の存在下において、開環重合して製造することができる。
ポリカプロラクトンの配合量は、透明合成樹脂、ガラスフィラーおよびポリカプロラクトンを含む強化樹脂組成物の全重量の1〜60重量%であり、好ましくは2〜50重量%、より好ましくは3〜40重量%である。ポリカプロラクトンの配合量が少なすぎると、積層体の透明性が十分ではなく、多すぎると、積層体の強度および熱的特性などが低下する虞がある。
本発明における強化樹脂組成物には、任意の色調を与えるため、染料を配合することもできる。例えば、アゾ系染料、シアニン系染料、キノリン系染料、ペリレン系染料など通常熱可塑性樹脂の着色に使用されているものから選ぶことができる。配合量は、透明性を損なわない範囲で適宜選択すればよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば安定剤、離型剤、紫外線吸収剤の有効発現量を配合してもよい。
本発明のプライマー塗膜層(B)を構成するプライマー塗料に使用される熱硬化性アクリル樹脂は、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のアルキルメタクリレート類、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアルキルアクリレート類、グリシジルメタクリレート、アクリルアミド、アクリルニトリル、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類、スチレン、エチレングリコールジメタクリレートで例示されるビニル単量体の少なくとも1種に、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤の少なくとも1種を2〜50重量%含有させたものから誘導されるものであり、上記単量体及びシランカップリング剤を含有する溶液にジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のパーオキサイド類またはアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物から選択されるラジカル重合用開始剤を加え加熱下に反応させることにより容易に得られる。
上記プライマー塗料には溶剤が使用される。この溶剤としては、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、キシレン、トルエン等が挙げることができる。このプライマー塗料は、通常、上記溶剤で希釈され、熱硬化性アクリル樹脂の5〜10重量%の溶液として使用される。
上記プライマー塗料には紫外線吸収剤が配合されることが好ましい。プライマー塗料に配合される紫外線吸収剤は、熱硬化性アクリル樹脂と相容性の良好なベンゾフェノン系紫外線吸収剤がよく、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジエトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジプロポキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジブトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4’−エトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4’−プロポキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4’−ブトキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン等が例示される。更に、紫外線吸収性能、プライマー塗料との相溶性、揮散性の点から2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンが好適に用いられる。
上記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の添加量としては、熱硬化性アクリル樹脂塗料中の不揮発分(JIS K5407による、以下同じ)100重量部に対して5〜30重量部、好ましくは8〜25重量部である。30重量部よりも多いと塗膜上に析出し外観不良となり、さらに熱硬化性アクリル樹脂の安定性が低下する。また5重量部よりも少ないと所望の耐候性が得られない。しかし、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの量が増えると、初期の黄色度が高くなるので、それを改善するためには2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの一部を熱硬化性アクリル樹脂と相溶性の良好な他のベンゾフェノン系紫外線吸収剤に置き換えることが好ましく、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンは、プライマー塗料に添加されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤の10〜100重量%の範囲内で使用される。しかし、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの配合割合が、10重量%未満であると十分な耐候性が得難い。
更に、上記プライマー塗料に、分子内に1個以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤を添加することにより、耐候性が大幅に向上できる。使用される光安定剤としては、プライマー塗料に用いた溶剤に溶解し、かつ熱硬化性アクリル樹脂との相溶性が良く、また低揮散性のものが良い。添加量は熱硬化性アクリル塗料中の不揮発分100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部である。5重量部を超えて添加すると塗膜の密着性が低下する虞がある。
具体例として、例えば、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン(市販品としては商品名:サンドバー3055、クラリアント(株)製)、N−メチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン(市販品としては商品名:サンドバー3056、クラリアント(株)製)、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン(市販品としては商品名:サンドバー3058、クラリアント(株)製)、セバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(市販品としては商品名:スミソーブ577、住友化学工業(株)製)、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(市販品としては商品名:サノールLS−765、三共(株)製)、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(市販品としては商品名:アデカスタブLA−57、旭電化工業(株)製)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(市販品としては商品名:アデカスタブLA−52、旭電化工業(株)製)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジノールとトリデカノールとの縮合物(市販品としては商品名:アデカスタブLA−67、旭電化工業(株)製)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとトリデカノールとの縮合物(市販品としては商品名:アデカスタブLA−62、旭電化工業(株)製)、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン(市販品としては商品名:サノールLS−440、三共(株)製)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物(市販品としては商品名:アデカスタブLA−63または63P、旭電化工業(株)製)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物(市販品としては商品名:アデカスタブLA−68LD、旭電化工業(株)製)等が挙げられ、これらの光安定剤は2種以上併用しても良い。
本発明において上記プライマー塗料を強化樹脂層(A)に塗装する方法は、スプレー、浸漬、カーテンフロー、ロールコーティング等公知の方法を適宜用いれば良く、プライマー塗膜層(B)の厚みとしては、硬化塗膜として1〜10μm、好ましくは2〜5μmが良い。その後、硬化条件100〜120℃にて30〜60分間加熱硬化することにより硬化被膜が得られる。
本発明において上記プライマー塗膜層(B)の上に形成させる硬化皮膜層(C)は、下記の多官能アルコキシシランコーティング組成物(CC)からなる。
(イ)下記式(1)で示されるオルガノアルコキシシラン(d)
(化2)
1 nSi(OR24-n (1)
(式中、R1は炭素数1〜8の置換または非置換の炭化水素基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは1または2)
(ロ)無水ケイ酸含有量が10〜50重量%で、粒径が4〜20nmのコロイダルシリカ(e)
(ハ)50重量%以下のアルコキシシリル基を含有するアクリル系および/またはビニル系有機共重合体(f)
(二)アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)
および
(ホ)シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)からなり、かつ(ロ)の配合量が(イ)100重量部に対して、50〜200重量部であり、(ハ)の配合量が、(イ)と(ロ)の合計100重量部に対して、0〜20重量部であり、(二)の配合量が、(イ)、(ロ)および(ハ)の合計量100重量部に対して、1.0〜5.0重量部であり、(ホ)の配合量が、(イ)、(ロ)、(ハ)および(二)の合計100重量部に対して、0〜35重量部である。
本発明における上記式(4)で表されるオルガノアルコキシシラン(d)は、具体的には次のようなものが例示される。例えば、オルガノトリアルコキシシラン(C-1-1)の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等を挙げることができ、好ましくはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランである。これらのオルガノシランは、1種類単独、もしくは2種以上を併用して使用することができる。
本発明において、オルガノアルコキシシラン(d)は、以下のような組み合わせで使用することが特に好ましい。すなわち、上記式(1)において、n=1、R1が炭素数1〜8の非置換アルキル基であるオルガノアルコキシシラン(d−1)が80〜97重量%と、R1が3,3,3−トリフルオロプロピル基のオルガノアルコキシシラン(d−2)が20〜3重量%からなるオルガノアルコキシシランが好ましく使用され、耐候性及び耐摩耗性をより向上させることができる。この場合、オルガノアルコキシシラン(d−2)が3重量%未満では、コーティング組成物(CC)の耐候性及び耐摩耗性に対する改良効果が小さく、20重量%を超えると密着性が不十分となる傾向がある。
オルガノアルコキシシラン(d−1)に該当する具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシランなどである。これらのオルガノトリアルコキシシランは、1種類単独、もしくは2種類以上を併用して使用することができる。オルガノアルコキシシラン(d−2)の具体例としては、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシランがある。
また、上記式(1)において、n=1のアルキルトリアルコキシシラン(d−3)99〜97重量%と、n=2のジアルキルジアルコキシシラン(d−4)1〜3重量%とからなるオルガノアルコキシシランが好ましく使用され、硬化膜の伸びを向上し耐クラック性および耐候性を向上させることができる。ジアルキルジアルコキシシラン(d−4)の配合率が1重量%未満ではコーティング組成物(CC)の耐クラック性および耐候性の改良効果が小さく、3重量%を超えると架橋密度が低下し、耐候性が低下する傾向がある。
上記のアルキルトリアルコキシシラン(d−3)の具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン等を挙げることができる。これらのアルキルトリアルコキシシランは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記ジアルキルジアルコキシシラン(d−4)としては、具体的には、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジプロポキシシラン、ジプロピルジブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン等が挙げられる。これらのジアルキルジアルコキシシランは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
また、上記式(1)において、n=1で、R1が炭素数1または2のアルキル基、R2が炭素数1〜5のアルキル基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−5)80〜97重量%と、R1が炭素数3または4のアルキル基で、R2が炭素数1〜5のアルキル基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−6)20〜3重量%からなるオルガノアルコキシシランが好ましく使用される。このオルガノトリアルコキシシランは耐候性が向上する。(d−5)及び(d−6)の比率が前記範囲より外れるとコーティング組成物(CC)の耐候性改良効果が十分に発現されない虞がある。
上記のオルガノトリアルコキシシラン(d−5)としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン等が例示でき、それらは単独又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、オルガノトリアルコキシシラン(d−6)としては、例えば、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピルトリブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、ブチルトリブトキシシラン等があり、それらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明における上記オルガノアルコキシシラン(d)は加水分解物であるポリオルガノシロキサンとしてコーティング組成物に使用することができる。加水分解は、公知の方法、例えば酸触媒存在下、該アルコキシシランの低級アルコール溶液に水を添加して行われる。低級アルコールとしてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等が例示される。また、上記加水分解の際にコロイダルシリカの水性分散液を酸触媒とともに添加しても良い。このようにして得られるポリオルガノシロキサンは、1〜2量体成分が実質的に存在せず、6量体以上が65重量%以上であって、数平均重合度が8〜30であることが好ましい。
本発明における硬化皮膜(C)を形成するコーティング組成物(CC)を構成するのコロイダルシリカ(e)には無水ケイ酸が10〜50重量%含有されており、コロイダルシリカの平均粒径は4〜20nmが好ましく、4〜7nmであることが特に好ましい。このようなコロイダルシリカ(e)の分散剤は、水または有機溶媒、さらに親水性有機溶媒、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体;ジアセトンアルコール等の少なくとも1種と水との混合溶媒を用いることができる。これらの水系溶媒の中でも、水または水−メタノール混合溶媒が、分散安定性と、塗布後の分散媒の乾燥性の点で好ましい。
コロイダルシリカを塩基性水溶液中に分散させた市販品として日産化学工業(株)のスノーテックス30、スノーテックス40、触媒化成工業(株)のカタロイドS30、カタロイドS40、酸性水溶液中に分散させた市販品として日産化学工業(株)のスノーテックスO、有機溶剤に分散させた市販品として日産化学工業(株)のMA−ST、IPA−ST、NBA−ST、IBA−ST、EG−ST、XBA−ST、NPC−ST、DMAC−ST等がある。
本発明では、安定性に優れた分散体を得るとともに特に耐候性に優れた硬化皮膜層(C)を得るために、平均粒径が4〜20nm、特に好ましくは4〜7nmの範囲にあるコロイダルシリカを使用する。また、コロイダルシリカ(e)は、前記オルガノアルコキシシラン(d)100重量部に対して50〜200重量部、好ましくは70〜180重量部の範囲で使用するのが好ましい。
本発明におけるコーティング組成物(CC)を構成する成分として使用される、50重量%以下のアルコキシシリル基を含有するアクリル系及び/またはビニル系単量体とこれら単量体と共重合可能な他の単量体との有機共重合体(f)は、アルコキシシリル基により熱硬化性アクリル樹脂からなるプライマー塗膜層(B)との接着性が向上し、耐熱性や耐久性も向上する。但し、アルコキシシリル基を含有する単量体の含有量が50重量%を超えると接着性が低下する。
アルコキシシリル基を含有するアクリル系単量体としては、例えば、3−メタクロリキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルトリブトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルトリイソプロペノキシシラン、メタクロリキシメチルトリメトキシシラン、メタクロリキシメチルトリエトキシシラン、メタクロリキシメチルトリブトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリブトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルメチルジブトキシシラン、メタクロリキシメチルメチルジメメトキシシラン、メタクロリキシメチルメチルジエトキシシラン、メタクロリキシメチルメチルジブトキシシラン、3−アクロリキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクロリキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクロリキシプロピルメチルジブトキシシラン、アクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、アクリロキシメチルメチルジエトキシシラン、アクリロキシメチルメチルジブトキシシランなどがあり、作業性、反応性、架橋性の点から3−メタクロリキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
アルコキシシリル基を含有するビニル系単量体としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジブトキシシラン、ビニルメチルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−ビニロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ビニロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ビニロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−ビニロキシプロピルメチルジエトキシシランなどがあり、作業性や反応性の点からビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−ビニロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
アルコキシシランと共重合可能な他の単量体としては、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどのアルキルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアルキルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、エチレングリコール、ジメタクリレートなどがある。
上記の有機共重合体(f)は、前記アルコキシシリル基を含有する単量体とこれと共重合しうる他の単量体との共重合体であり、共重合はこれらの単量体を含有する溶液にベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどのパーオキサイド類やアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物から選択されるラジカル重合用触媒を加え、加熱して、反応させることによって得られる。該有機共重合体(f)は、前記オルガノアルコキシシラン(d)とコロイダルシリカ(e)からなる組成物100重量部に対し、0〜20重量部、好ましくは2〜18重量部が配合される。該有機共重合体(f)の配合量が20重量部を超えると、耐煮沸性試験で白化し、密着性も低下し、さらに耐候性試験においても白化し、塗膜が剥離する。
本発明におけるコーティング組成物(CC)を構成する成分のアミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)として、ジメチルアミンアセテート、エタノールアミンアセテート、ジメチルアニリンホルメート、テトラエチルアンモニウムベンゾエート、トリメチルベンジルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムアセテート、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムアセテートなどをあげることができる。
このアミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)は、アルコキシシラン(d)、コロイダルシリカ(e)及び有機共重合体(f)からなる組成物100重量部に対し1.0〜5.0重量部、好ましくは 1.5〜4.0重量部の範囲で使用される。アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)の使用量が1.0重量部より少ないと皮膜の耐摩耗性が低く、5.0重量部を超えると皮膜の透明性が低下するので好ましくない。
本発明におけるコーティング組成物(CC)を構成する成分の一つであるシリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)は、特開2001−139924号公報に記載された紫外線吸収剤を使用することができる。すなわち下記式(2)で示されるベンゾフェノン系紫外線吸収モノマー(h1)、及び下記式(3)で示されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収モノマー(h2)から選択された少なくとも一種の紫外線吸収モノマー(h1h2)と、下記式(4)で示されるシリコーンマクロマー(h3)と、官能基含有共重合性ビニルモノマー(h4)と、官能基非含有共重合性ビニル化合物(h5)からなる重量平均分子量が10,000〜100,000の重合物である。
Figure 2006035593
(2)
(式(2)中、R11は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のアルコキシル基を示す。R12は炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数1〜10のオキシアルキレン基を示し、m1は0又は1を示す。R13は水素原子、又は低級アルキル基を示す。X1はエステル結合、アミド結合、エーテル結合、又はウレタン結合を示す。)
Figure 2006035593
(3)
(式(3)中、R21 は水素原子、ハロゲン原子、又はメチル基を示す。R22は水素原子、又は炭素数1〜6の炭化水素基を示す。R23は炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数1〜10のオキシアルキレン基を示し、m21は0又は1を示す。R24は炭素数1〜8のアルキレン基、アミノ基を有する炭素数1〜8のアルキレン基、又はヒドロキシル基を有する炭素数1〜8のアルキレン基を示し、m22は0又は1を示す。R25は水素原子、又は低級アルキル基を示す。X2はエステル結合、アミド結合、エーテル結合、又はウレタン結合を示す。)
Figure 2006035593
(4)
(式(4)中、R31は水素原子、又はメチル基を示す。R32は炭素数1〜6のアルキレン基、又は炭素数1〜6のオキシアルキレン基を示し、m31は0又は1を示す。R33は炭素数1〜6のアルキレン基、アミノ基を有する炭素数1〜6のアルキレン基、又はヒドロキシル基を有する炭素数1〜6のアルキレン基を示し、m32は0又は1を示す。nは1〜200の整数を示し、X3はエステル結合又はアミド結合を示す。)
シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)を構成する前記各成分の比率は、h1h2/h3/h4/h5=5〜50/5〜60/50〜80/5〜20(重量%)である。また、シリコーンマクロマー(h3)の重量平均分子量は200〜10,000であることが好ましい。シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)は、オルガノトリアルコキシシラン(d)、コロイダルシリカ(e)、アルコキシシリル基を含有する有機共重合体(f)、アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)の合計100重量部に対し、0〜35重量部配合される。シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)は所望に応じて添加され配合量が35重量部より多いと硬化皮膜層(C)の線膨張係数が大きくなり好ましくない。
上記のアルコキシシラン(d)、コロイダルシリカ(e)、有機共重合体(f)、アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)、及びシリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)からなる硬化皮膜層(C)用のコーティング組成物(CC)の分散溶媒は、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができ、分散溶媒としてはゾルの安定性や入手のし易さの観点から、水、或いは低級アルコールであるメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、ケトン類であるメチルエチルケトン、ジアセチルアセトンなどを用いることが好ましい。又、本発明において前記溶媒効果を発現させるためには、組成物中の水分含有量が15%以下とすることが好ましい。15%を超えると水がシラノール基に選択的に配位するため、シラノール基の安定性が損なわれる。
上記コーティング組成物(CC)の保存温度は、通常25℃以下、好ましくは15℃以下、更に好ましくは5℃以下である。25℃を超えると、保存期間が長い場合、加水分解・縮合反応が徐々に進行するので好ましくない。コーティング組成物(CC)を硬化させて硬化膜を形成させる際、硬化膜の硬度や耐擦傷性の向上、又は高屈折率化などの光学的機能性を付与させるために、公知の硬化触媒や金属酸化物及びその他の添加物を適宜加えても良い。
硬化触媒の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、蟻酸ナトリウム、蟻酸カリウム、n−ヘキシルアミン、プロピオン酸カリウム、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセンのごとき塩基性化合物、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、アルミニウムトリイソブトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、アルミニウムアセチルアセトナート、過塩素酸アルミニウム、塩化アルミニウム、コバルトオクチレート、コバルトアセチルアセトナート、鉄アセチルアセトナート、錫アセチルアセトナート、ジブトキシ錫オクチレートの如き金属化合物類、p−トルエンスルホン酸、トリクロル酢酸の如き酸性化合物類が挙げられる。硬化触媒の添加量は、コーティング組成物(CC)100重量部に対して0.01〜10重量部であることが好ましい。
金属酸化物の具体例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化セリウム酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化鉄などが挙げられる。特に、耐擦傷性を目的とした硬化剤とする場合には、コロイダルシリカ(シリカゾル)が好適である。硬化剤として使用する場合の金属酸化物の添加量は、コーティング組成物(CC)100重量部に対して5〜500重量部、特に10〜200重量部であることが好ましい。これらの金属酸化物の存在下に縮合反応を行っても良く、また縮合反応後に加えても良い。
本発明におけるコーティング組成物(CC)を熱硬化性アクリル樹脂からなるプライマー塗膜層(B)上に塗装する方法は、塗装される成形品の形状や塗装目的に応じて、刷毛、ロール、ディッピング、流し塗り、スプレー、ロールコーター、フローコーター、遠心コーター、超音波コーター、スクリーンプロセス、電着塗装、蒸着塗装等がある。
プライマー塗膜層(B)上にコーティング組成物(CC)を塗布後、硬化して形成される硬化皮膜層(C)の厚さは、好ましくは1〜10μmである。硬化皮膜層の厚さが1μm未満であると表面硬化の効果が不十分になりやすく、10μmを超えても表面硬化の効果は更には向上し難く、コスト的に不利である。皮膜層(C)の厚さは、より好ましくは2〜8μmである。
本発明では、強化樹脂層(A)とプライマー塗膜層(B)、プライマー塗膜層(B)と硬化皮膜層(C)との線膨張係数の差が、それぞれ32×10-5/℃以下であることが好ましい。それぞれの線膨張係数の差が32×10-5/℃以下であると、長期間にわたり各層間の密着性が保たれ、耐擦傷性や耐候性に優れた合成樹脂積層体(D)を得ることができる。
また本発明の積層体は、透明合成樹脂に対して屈折率の差が0.015以下であるガラスフィラー1〜60重量%、及びポリカプロラクトン1〜60重量%を混合混練してなる強化樹脂組成物を射出成形により強化樹脂成形体を成形し、該強化樹脂成形体の少なくとも一方の面に、熱硬化性アクリル樹脂からなるプライマー塗料を塗膜厚み1〜10μmとなるように塗布してプライマー塗膜層を形成し、該プライマー塗膜層上に多官能アルコキシシランからなるコーティング組成物を塗膜厚み1〜10μmとなるように塗布し、硬化させて該プライマー塗膜層上に硬化被膜層を形成することにより製造することができる。
射出成形により形成される強化樹脂層(A)は、厚みが2〜70mmであることか好ましい。特に、本発明の合成樹脂積層体(D)が自動車用窓ガラスに用いられる場合の強化樹脂層(A)の厚みは、剛性、重量、透明性等の点より、好ましくは2〜10mmであり、より好ましくは2.5〜8mmである。強化樹脂層(A)の厚みが70mmを超えると外観が低下したり、成形時間が長くなるので好ましくない。また、強化樹脂層(A)の成形法としては、厚肉成形品のヒケを小さくでき、成形歪みや反りを低減でき、さらに、高度な面精度を出しやすい射出圧縮成形により形成することが特に好ましい。
強化樹脂層(A)の面、すなわちプライマー塗装層(B)と強化樹脂層(A)との間に、あるいは硬化皮膜層(C)の面には、グラビヤ印刷、平板印刷、フレキソ印刷、ドライオフセット印刷、パット印刷およびスクリーン印刷等の通常の印刷工法により、熱線回路、アンテナ、文字、マーク、ブラックアウト等の印刷部を有することができる。印刷部に熱線回路が形成される場合、通常、印刷ペーストを用いて印刷する。印刷ペーストとしては、好ましくは、銀、カーボン、銅、ニッケル、クロムまたは金を含むペーストが用いられ、低抵抗性、コスト、印刷性の点から、より好ましくは、銀を含むペーストあるいは銀とカーボンを含むペーストが好ましい。印刷インキの密着性を向上させるためには、印刷インキに不飽和ポリエステル樹脂を溶剤で溶かした溶液を混入したインキを回路印刷の上に再度印刷することも可能である。印刷インキとしては、例えば、十條化工(株)製、商品名:HIPETインキ#9390が挙げられ、不飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、東洋紡績(株)製、商品名:バイロン200が挙げられ、溶剤としては、例えば、メチルエチルケトンが挙げられる。印刷インキと溶液の混合比率は、例えば、重量比で3:1である。また印刷回路の酸化防止性を向上させるために、カーボン等の印刷インキを回路印刷の上に印刷することもできる。
以下、本発明を実施例によってさらに詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。また、特に断らない限り、以下に記す「部」及び「%」はそれぞれ「重量部」及び重量%を意味する。本実施例で用いた評価、試験方法は次の通りである。
(1)曲げ弾性率:成形品からサンプルを切り出し、ASTM D−790に準じた。
(2)硬化皮膜層の密着性:JIS K5400に準拠し、サンプルをカミソリの刃で2mm間隔に6本ずつ切れ目をいれて25個の碁盤目をつくり、市販のセロテープ(登録商標)をよく密着させた後、90°手前方向に急激に剥がした時、塗膜が全く剥離しないものを「○」、1個以上の碁盤目の剥離したものを「×」で表示した。
(3)ヘイズ:日本電色工業(株)製ヘイズメーターNDH−2000にてヘイズ(%)を測定した。
(4)テーバー摩耗性:ASTM−D1044に準拠し、テーバー摩耗性試験機にて摩耗輪CS−10Fを装着し、荷重500g下で500回転後のヘイズ(%)を測定し、試験前のヘイズを引いた値ΔH(%)を示した。
(5)落錘衝撃強度:試験は、筒の中にある重量5kgの錘を所定の高さまでワイヤで持ち上げた後、サンルーフ積層体から切り出して固定してある150mm×150mm(厚み5mm)のサンプル上に落下させ、破壊するまでの高さを評価した。尚、錘は、評価サンプルの硬化皮膜層(C)側に落下させた。
(6)耐煮沸性:評価サンプルを100℃の沸騰水に2時間浸漬した後の外観変化、密着性を評価し、変化のないものを「○」とした。
(7)耐熱性:評価サンプルを130℃の熱風循環乾燥機中に1時間放置下の外観変化、密着性を評価し、変化のないものを「○」とした。
(8)耐候性:JIS K5400に準拠し、カーボンアーク式サンシャインウェザーメーターにて促進試験を行い密着性で剥離する迄の時間を求めた。
製造例1(強化樹脂層(A)の製造)
強化樹脂組成物として、粘度平均分子量21000で、屈折率1.585のポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、商品名ユーピロンS−3000)63重量%、屈折率1.579のガラス繊維(旭ファイバーグラス(株)製、ECRガラス、平均繊維径16μm)(屈折率差0.006)を30重量%、数平均分子量10000のポリカプロラクトン(ダイセル化学工業(株)製 プラクセルH1P)を7重量%の含有量にて、押出機(田辺プラスチック(株)製、商品名VS−40)によりペレットを製造した。このペレットを熱風乾燥機で120℃で5時間以上乾燥した後、射出圧縮成形機(三菱重工(株)製1600MMIIIW、240オンス)にサンルーフ形状(600mm×400mm、厚み5mm)のモデル型を装備し、可動金型部を操作して型締めし、そして、溶融樹脂の温度を300℃、金型温度を70゜C、金型の保持圧力を50MPaに設定した後、射出速度200mm/secにてキャビティ内に溶融樹脂を射出した。そして、キャビティ内の樹脂を冷却、固化させ、次いで、型開きを行って強化樹脂層(A)となる成形体を取り出した。評価結果を表1に示した。
製造例2(プライマー塗膜層(B)用プライマー塗料の製造)
プライマー塗料の調製ジムロート型コンデンサー付500mlセパラブルフラスコにγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン40部、メチルメタクリレート40部、エチルアクリレート5部、酢酸ビニル5部、グリシジルメタクリレート10部、エチレングリコールジメタクリレート0.2部及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを0.5部並びに溶剤としてジアセトンアルコール20部、エチレングリコールモノメチルエーテルを80部仕込み、窒素気流下にて80〜90℃で5時間攪拌した。得られた熱硬化性アクリル樹脂溶液の粘度は38500cst、また該共重合体中のアルコキシル基含有量は40重量%であった。次に、得られた樹脂溶液を不揮発分(JIS K5407)10%となるように、ジアセトンアルコールとエチレングリコールモノメチルエーテルの比率を20/80とした混合溶液にて調製した。この調製にて得られたプライマー塗料組成物の粘度は20〜40cstであった。こうして得られたプライマー塗料組成物中に紫外線吸収剤として2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン(シプロ化成(株)製、シーソーブ106)を塗料中の不揮発分100部に対して15部添加し、十分溶解させてプライマー塗料を製造した。
製造例3(プライマー塗膜層(B)用プライマー塗料の製造)
プライマー塗料の調製ジムロート型コンデンサー付500mlセパラブルフラスコにγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン40部、メチルメタクリレート40部、エチルアクリレート5部、酢酸ビニル5部、グリシジルメタクリレート10部、エチレングリコールジメタクリレート0.2部及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを0.5部並びに溶剤としてジアセトンアルコール20部、エチレングリコールモノメチルエーテルを80部仕込み、窒素気流下にて80〜90℃で5時間攪拌した。得られた熱硬化性アクリル樹脂溶液の粘度は38500cst、また該共重合体中のアルコキシル基含有量は40重量%であった。次に、得られた樹脂溶液を不揮発分(JIS K5407)10%となるように、ジアセトンアルコールとエチレングリコールモノメチルエーテルの比率を20/80とした混合溶液にて調製した。この調製にて得られたプライマー塗料組成物の粘度は20〜40cstであった。こうして得られたプライマー塗料組成物中に紫外線吸収剤として2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン(シプロ化成(株)製、シーソーブ106)およびN−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン(クライリアント(株)製、サンドバー3058)を塗料組成物中の不揮発分100部に対して、それぞれ15部、1部添加し、十分溶解させてプライマー塗料を製造した。
合成例1(有機共重合体(f−1)の合成)
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20部に、これと共重合可能な単量体としてメチルメタクリレート58部、エチルアクリレート6部、酢酸ビニル5部、グリシジルメタクリレート11部、エチレングリコール・ジメタクリレート0.2部及び重合触媒としてのアゾビスイソブチロニトリル0.5部、ジアセトンアルコール100部を配合し、窒素気流下に80〜90℃で5時間加熱撹拌し、粘度42,200cpsで、アルコキシシリル基20重量%を含有する有機共重合体(f−1)を得た。
合成例2(有機共重合体(f−2)の合成)
メチルメタクリレート58部、エチルアクリレート6部、酢酸ビニル5部、グリシジルメタクリレート31部、エチレングリコール・ジメタクリレート0.2部及び重合触媒としてのアゾビスイソブチロニトリル0.5部、ジアセトンアルコール100部を配合し、窒素気流下に80〜90℃で5時間加熱撹拌し、粘度50,200cpsで、アルコキシシリル基を含有しない有機共重合体(f−2)を得た。
参考例1(コーティング組成物1〜4の製造)
表1に示すようにメチルトリメトキシシラン(d−1)と3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(d−2)の配合率を変化させ、酢酸1部を混合した後、氷浴で冷却し攪拌を行いながら温度を0〜10℃に保持し、次いでスノーテックス30(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO230wt%、平均粒径10〜20nm)84部を滴下した。滴下後温度を10℃に保持し4時間攪拌を行った後、更にスノーテックスIBA−ST(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO225〜26wt%、平均粒子径10〜20nm)84部を滴下し、20℃で12時間攪拌を行い熟成を行った。
次に、酢酸セロソルブ45部、イソブチルアルコール50部及びKP−341(信越化学工業(株)製ポリオキシアルキレングリコールジメチルシロキサン共重合体)0.02部を滴下混合し、更に硬化触媒としてテトラメチルアンモニウムアセテートを2部滴下し混合しコーティング組成物を調製した。調製後、高分子タイプの紫外線吸収剤(一方社油脂工業(株)製XL−183 50wt%)を該組成物中の樹脂分100部に対して10部添加しコーティング組成物を製造した。
参考例2(コーティング組成物5〜8の製造)
参考例1の13,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(d−2)をジメチルジメトキシシラン(d−4)に替えて配合率を表2のように変えた以外は、参考例1と全く同一条件でコーティング組成物を製造した。
参考例3(コーティング組成物9〜12の製造)
参考例1の3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(d−2)に替えてプロピルトリメトキシシラン(d−6)を使用し配合率を表3のように変えた以外は、参考例1と全く同一条件でコーティング組成物を製造した。
参考例4(コーティング組成物13〜15の製造)
メチルトリメトキシシラン(d−1)100部に、酢酸1部を混合した後、氷浴で冷却し攪拌を行いながら温度を0〜10℃に保持し、次いで表4に示した平均粒径のコロイダルシリカ(e)84部を滴下した。滴下後温度を10℃に保持し4時間攪拌を行った後、更にコロイダルシリカ(e)を84部を滴下し、20℃で12時間攪拌を行い熟成を行った。以後、参考例1と同一条件でコーティング組成物を製造した。
参考例5(コーティング組成物16〜20の製造)
メチルトリメトキシシラン(d−1)100部と酢酸1部を混合した後、氷浴で冷却し攪拌を行いながら温度を0〜10℃に保持し、次いでスノーテックス30(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO230wt%、平均粒径10〜20nm)84部を滴下した。滴下後温度を10℃に保持し4時間攪拌を行った後、更にスノーテックスIBA−ST(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO225〜26wt%、平均粒子径10〜20nm)84部を滴下し、20℃で12時間攪拌を行い熟成を行った。その後、上記合成例1〜2の有機共重合体(f−1)及び有機共重合体(f−2)を、表5〜表6に示した比率で配合し、次に、酢酸セロソルブ45部、イソブチルアルコール50部及びKP−341(信越化学工業(株)製ポリオキシアルキレングリコールジメチルシロキサン共重合体)0.02部を滴下混合し、更に硬化触媒としてテトラメチルアンモニウムアセテートを2部滴下し混合しコーティング組成物を調製した。調製後、高分子タイプの紫外線吸収剤(一方社油脂工業(株)製XL−183 50wt%)を該組成物中の樹脂分100部に対して10部添加しコーティング組成物を製造した。
参考例6(コーティング組成物21の製造)
メチルトリメトキシシラン(d−1)100部に、酢酸1部を混合した後、氷浴で冷却し攪拌を行いながら温度を0〜10℃に保持し、次いでスノーテックス30(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO230wt% 平均粒径10〜20nm)10部を滴下した。滴下後温度を10℃に保持し4時間攪拌を行った後、更にスノーテックスIBA−ST(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO225〜26wt%、平均粒子径10〜20nm)10部を滴下し、20℃で50時間攪拌を行い熟成を行った。
次に、酢酸セロソルブ45部、イソブチルアルコール50部及びKP−341(信越化学工業(株)製ポリオキシアルキレングリコールジメチルシロキサン共重合体)0.02部を滴下混合し、更に硬化触媒としてテトラメチルアンモニウムアセテートを2部滴下し混合しコーティング組成物を調製した。調製後、紫外線吸収剤として2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンを該組成物中の樹脂分100部に対して10部添加し比較例用コーティング組成物を製造した。
実施例1〜4
前記製造例1で製造した透明合成樹脂層(A)上に、前記製造例2で製造したプライマー塗料を、硬化塗膜として2〜5μmになるようにフローコーティング法にて塗布し、約120℃にて約30分硬化させてプライマー塗膜層(B)を積層した。その後、プライマー塗膜層(B)上に前記参考例1で調製したコーティング組成物(CC)を硬化塗膜として3〜6μmになるようにフローコーティング法にて塗布し、室温で20分間自然乾燥させた後、130℃、1時間硬化させて硬化皮膜層(C)を形成させて合成樹脂積層体(D)を得た。評価結果を表1に示した。
実施例5
前記製造例1で製造した透明合成樹脂層(A)上に、前記製造例3で製造したプライマー塗料を、硬化塗膜として2〜5μmになるようにフローコーティング法にて塗布し、約120℃にて約30分硬化させてプライマー塗膜層(B)を積層した。その後、プライマー塗膜層(B)上に前記参考例1で調製したコーティング組成物(CC)を硬化塗膜として3〜6μmになるようにフローコーティング法にて塗布し、室温で20分間自然乾燥させた後、130℃、1時間硬化させて硬化皮膜層(C)を形成させて合成樹脂積層体(D)を得た。評価結果を表1に示した。
(表1)
Figure 2006035593
実施例6〜9
コーティング組成物として、参考例2のコーティング組成物を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表2に示した。
(表2)
Figure 2006035593
実施例10〜13
コーティング組成物として、参考例3のコーティング組成物を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表3に示した。
(表3)
Figure 2006035593
実施例14〜16
コーティング組成物として、参考例4に調製したコーティング組成物13〜15を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表4に示した。
(表4)
Figure 2006035593
実施例17〜20
コーティング組成物として、参考例5に調製した表5に示すコーティング組成物16〜20において、有機共重合体(f−1)を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表5に示した。
比較例1
コーティング組成物として、参考例5に調製した表5に示すコーティング組成物20において有機共重合体(f−1)を表5に示す配合量を添加した以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表5に示した。
Figure 2006035593
実施例21〜23
コーティング組成物として、参考例5に調製したコーティング組成物16〜20において有機共重合体(f−2)を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表6に示した。
比較例2
コーティング組成物として、参考例5に調製したコーティング組成物21において有機共重合体(f−2)を表6に示す配合量を添加した以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表6に示した。
Figure 2006035593
比較例3
コーティング組成物として、参考例6に調製したコーティング組成物21を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価した結果、初期密着性と耐煮沸性、耐熱性は○、ヘイズは34%、テーバー摩耗性ΔHは2.8%、落錘衝撃高さは430mm、耐候性は1300時間であった。
実施例25
コーティング組成物として、参考例4に調製したコーティング組成物14を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表7に示した。
比較例4
プライマー塗膜層(B)を設けず、コーティング組成物として参考例4に調製したコーティング組成物14を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表7に示した。
比較例5
プライマー塗膜層(B)の膜厚を20μmに設定し、コーティング組成物として参考例4に調製したコーティング組成物14を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表7に示した。
比較例6
硬化被膜層(C)を設けず、プライマー塗膜層(B)のみを設けた以外は、実施例1、2と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表7に示した。
比較例7
コーティング組成物として参考例4に調製したコーティング組成物14を、該膜厚を15μmに設定した以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表7に示した。
Figure 2006035593
実施例26
コーティング組成物として、参考例4で調製したコーティング組成物14を用いた以外は、実施例1、2と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表8に示した。
実施例27
前記製造例1の強化樹脂層(A)の製造例において、ガラス繊維の添加量を10重量%に変えた樹脂組成物を射出成形して成形体とした。コーティング組成物として、参考例4のコーティング組成物14を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表8に示した。
比較例8
前記製造例1の強化樹脂層(A)の製造例において、ポリカプロラクトンを添加しない樹脂組成物を射出成形して成形体とした。コーティング組成物として、参考例4のコーティング組成物14を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表8に示した。
比較例9
前記製造例1の強化樹脂層(A)の製造例において、ポリカプロラクトンの添加量を65部とした樹脂組成物を射出成形して成形体とした。コーティング組成物として、参考例4のコーティング組成物14を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表8に示した。
比較例10
前記製造例1の強化樹脂層(A)の製造例においてガラス繊維の添加量を65重量%に代えた樹脂組成物を調製し押出機から押し出したがペレット化ができなかった。
Figure 2006035593
本発明の強化樹脂層の表面にプライマー塗膜層及び硬化被膜層を形成したポリカーボネート樹脂積層体からなる自動車用サンルーフの成形品の概要を示す平面図である。 図1のA−A切断断面の説明図である。
符号の説明
1 強化樹脂層
2 プライマー塗膜層
3 硬化皮膜層
4 ブラックアウト印刷部

Claims (16)

  1. 透明合成樹脂に対して屈折率の差が0.015以下であるガラスフィラー1〜60重量%、及びポリカプロラクトン1〜60重量%を含有する強化樹脂組成物を射出成形により形成してなる強化樹脂層(A)の少なくとも一方の面に、熱硬化性アクリル樹脂からなる塗膜厚み1〜10μmのプライマー塗膜層(B)が形成されており、該プライマー塗膜層(B)上に多官能アルコキシシランからなる塗膜厚み1〜10μmの硬化被膜層(C)が形成されてなることを特徴とする合成樹脂積層体(D)。
  2. 透明合成樹脂が、熱可塑性ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項1の合成樹脂積層体(D)。
  3. プライマー塗膜層(B)が、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンを含むベンゾフェノン系紫外線吸収剤を塗料中の不揮発分100重量部に対して5〜30重量部添加された熱硬化性アクリル樹脂からなることを特徴とする請求項1または2記載の合成樹脂積層体(D)。
  4. プライマー塗膜層(B)が、更に分子内に1個以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤を塗料中の不揮発分100重量部に対して0.1〜5重量部添加された熱硬化性アクリル樹脂からなる請求項1〜3のいずれかに記載の合成樹脂積層体(D)。
  5. 硬化皮膜層(C)は、下記多官能アルコキシシランコーティング組成物(CC)からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の合成樹脂積層体(D)。
    (イ)下記式(1)で示されるオルガノアルコキシシラン(d)
    (化1)
    1 nSi(OR24-n (1)
    (式中、R1は炭素数1〜8の置換または非置換の炭化水素基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは1または2)
    (ロ)無水ケイ酸含有量が10〜50重量%で、粒径が4〜20nmのコロイダルシリカ(e)
    (ハ)50重量%以下のアルコキシシリル基を含有するアクリル系および/またはビニル系有機共重合体(f)
    (二)アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)
    および
    (ホ)シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)からなり、かつ(ロ)の配合量が(イ)100重量部に対して、50〜200重量部であり、(ハ)の配合量が、(イ)と(ロ)の合計100重量部に対して、0〜20重量部であり、(二)の配合量が、(イ)、(ロ)および(ハ)の合計量100重量部に対して、1.0〜5.0重量部であり、(ホ)の配合量が、(イ)、(ロ)、(ハ)および(二)の合計100重量部に対して、0〜35重量部である。
  6. オルガノアルコキシシランが、上記式(1)において、n=1、R1は炭素数1〜8の置換基又は非置換の一価の炭化水素基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−1)であることを特徴とする請求項5記載の合成樹脂積層体(D)。
  7. オルガノアルコキシシランが、上記式(1)において、n=1、R1がアルキル基であるオルガノアルコキシシラン(d−2)を80〜97重量部と、R1が3,3,3−トリフルオロプロピル基であるオルガノアルコキシシラン(d−3)を20〜3重量部とからなることを特徴とする請求項5記載の合成樹脂積層体(D)。
  8. オルガノアルコキシシランが、上記式(1)でn=1のアルキルトリアルコキシシラン(d−4)を99〜97重量部と、n=2のジアルキルジアルコキシシラン(d−5)を1〜3重量部とからなるオルガノアルコキシシランであることを特徴とする請求項5記載の合成樹脂積層体(D)。
  9. オルガノアルコキシシランが、上記式(1)において、n=1で、R1が炭素数1または2のアルキル基で、R2が炭素数1〜5のアルキル基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−6)を80〜97重量部と、R1が炭素数3または4のアルキル基で、R2が炭素数1〜5のアルキル基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−7)を20〜3重量部とからなることを特徴とする請求項5記載の合成樹脂積層体(D)。
  10. 無水ケイ酸を10〜50重量%含有し、かつ平均粒径が4〜7nmのコロイダルシリカ(e)からなるコーティング組成物(C)であることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の合成樹脂積層体(D)。
  11. 強化樹脂層(A)とプライマー塗膜層(B)、プライマー塗膜層(B)と硬化被膜層(C)との線膨張係数の差が、それぞれ32×10-5/℃以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の合成樹脂積層体(D)。
  12. 射出成形により形成される強化樹脂層(A)の厚みが、2〜70mmであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の合成樹脂積層体(D)。
  13. プライマー塗装層(B)と強化樹脂層(A)との間に、あるいは硬化被膜層(C)の面に印刷部を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の合成樹脂積層体(D)。
  14. 透明合成樹脂に対して屈折率の差が0.015以下であるガラスフィラー1〜60重量%、及びポリカプロラクトン1〜60重量%を混合混練してなる強化樹脂組成物を射出成形により強化樹脂層を構成する強化樹脂成形体を成形し、該強化樹脂成形体の少なくとも一方の面に、熱硬化性アクリル樹脂からなるプライマー塗料を塗膜厚み1〜10μmとなるように塗布してプライマー塗膜層を形成し、該プライマー塗膜層上に多官能アルコキシシランからなるコーティング組成物を塗膜厚み1〜10μmとなるように塗布し、硬化させて該プライマー塗膜層上に硬化被膜層を形成することを特徴とする合成樹脂積層体の製造方法。
  15. 透明強化樹脂成形体を、射出圧縮成形により形成することを特徴とする請求項14に記載の合成樹脂製積層体の製造方法。
  16. 請求項1〜13のいずれかに記載の合成樹脂積層体(D)からなる車輌用窓ガラス。
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