JPH1158654A - 耐候性に優れたポリカーボネート樹脂積層体 - Google Patents

耐候性に優れたポリカーボネート樹脂積層体

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JPH1158654A
JPH1158654A JP22495197A JP22495197A JPH1158654A JP H1158654 A JPH1158654 A JP H1158654A JP 22495197 A JP22495197 A JP 22495197A JP 22495197 A JP22495197 A JP 22495197A JP H1158654 A JPH1158654 A JP H1158654A
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weight
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polycarbonate resin
coating
resin laminate
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JP22495197A
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Toshikazu Hirota
俊積 広田
Fumiaki Kanzaki
文彰 神崎
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は表面の耐擦傷性、耐候性に優れたポ
リカーボネート樹脂積層体を提供する。 【解決手段】 ポリカーボネート樹脂基板の少なくとも
一面に、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾ
フェノンを含むベンゾフェノン系紫外線吸収剤を塗料中
の不揮発分100重量部に対して8〜17重量部添加さ
れた熱硬化性アクリル樹脂からなるプライマー塗料を塗
布・硬化させ、次いで該被膜上に2,2’,4,4’−
テトラヒドロキシベンゾフェノンを塗料中の不揮発分1
00重量部に対して1〜4重量部添加されたコロイダル
シリカ含有ポリオルガノシロキサンからなるトップ塗料
を塗布・硬化させてなる耐候性に優れたポリカーボネー
ト樹脂積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスに代わる構
造部材として建物の採光用や車両等の窓用、計器カバー
等種々の用途に用いられる耐擦傷性、耐候性に優れたポ
リカーボネート樹脂積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリカーボネート樹脂は、透明
性、耐衝撃性、耐熱性等に優れていることからガラスに
代わる構造部材として建物の採光用や車両等の窓用、計
器カバー等種々の用途に用いられている。しかし、ガラ
スと比較して耐擦傷性、耐候性などの表面特性に劣るこ
とから、ポリカーボネート樹脂成形品の表面特性を改良
することが切望されており、近年、車両の窓や道路用遮
音壁では屋外曝露15年でも耐えうるものが要望されて
いる。
【0003】ポリカーボネート樹脂成形品の耐候性を改
良する手段としては、ポリカーボネート樹脂基材の表面
に耐候性に優れたアクリル系樹脂フィルムなどをラミネ
ートする方法や共押出等によりポリカーボネート樹脂基
材の表面に紫外線吸収剤を含有した樹脂層を設ける方法
が提案されている。
【0004】また、ポリカーボネート樹脂成形品の耐擦
傷性を改良する方法として、ポリオルガノシロキサン
系、メラミン系などの熱硬化性樹脂をコーティングする
方法や多官能アクリル系の光硬化性樹脂をコーティング
する方法が提案されている。
【0005】一方、耐候性および耐擦傷性を併せ持つ透
明体を製造する方法としては、特開昭56−92059
号公報及び特開平1−149878号公報などに、多量
の紫外線吸収剤を添加したプライマー塗料層を介してコ
ロイダルシリカ含有ポリオルガノシロキサン塗料の保護
被膜を設けた紫外線吸収透明基板が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プライ
マー塗料層に多量の紫外線吸収剤を添加した場合、保護
被膜との密着性が悪くなったり、屋外で長期間にわたっ
て用いられた場合に紫外線吸収剤がブリードアウトして
白化を生じたり、またコロイダルシリカ含有ポリオルガ
ノシロキサンからなる保護被膜には耐擦傷性の面から紫
外線吸収剤を多量に添加できないという問題があり、耐
候性も屋外曝露で10年程度が限界であった。本発明は
上記問題を解決し、屋外曝露15年という長期間の屋外
使用でも耐擦傷性等の初期の性能を維持できるポリカー
ボネート樹脂積層体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討した結果、ポリカーボネート樹
脂基板の少なくとも一面に、2,2’,4,4’−テト
ラヒドロキシベンゾフェノンを含むベンゾフェノン系紫
外線吸収剤を添加された熱硬化性アクリル樹脂からなる
プライマー塗料を塗布・硬化させ、次いで該塗膜上に
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン
を添加されたコロイダルシリカ含有ポリオルガノシロキ
サンからなるトップ塗料を塗布・硬化させてなるポリカ
ーボネート樹脂積層体が耐候性が大幅に改善されること
を見い出した。その上、プライマー塗料に、さらに分子
内に1個以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安
定剤を添加させることによって、さらに耐候性が改善さ
れ、屋外曝露15年でも初期性能を維持しうることを見
い出し、本発明に到達した。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、ポリカーボネート樹脂
基板の少なくとも一面に、2,2’,4,4’−テトラ
ヒドロキシベンゾフェノンを含むベンゾフェノン系紫外
線吸収剤を塗料中の不揮発分(JIS K6833)1
00重量部に対して8〜17重量部添加された熱硬化性
アクリル樹脂からなるプライマー塗料を塗布・硬化さ
せ、次いで該塗膜上に2,2’,4,4’−テトラヒド
ロキシベンゾフェノンを塗料中の不揮発分(JIS K
6833)100部に対して1〜4重量部添加されたコ
ロイダルシリカ含有ポリオルガノシロキサンからなるト
ップ塗料を塗布・硬化させてなるポリカーボネート樹脂
積層体および該プライマー塗料に、さらに分子内に1個
以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤を塗
料中の不揮発分(JIS K6833)100重量部に
対して0.2〜2.5重量部添加されてなるポリカーボ
ネート樹脂積層体である。
【0009】本発明のプライマー塗料に使用される熱硬
化性アクリル樹脂は、メチルメタクリレート、ブチルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等の
アルキルメタクリレート類、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、ブチルアクリレート等のアルキルアク
リレート類、グリシジルメタクリレート、アクリルアミ
ド、アクリルニトリル、酢酸ビニル、エチルビニルエー
テル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル
等のビニルエーテル類、スチレン、エチレングリコール
ジメタクリレートで例示されるビニル単量体の少なくと
も1種に、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス
(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリン
グ剤の少なくとも1種を2〜50重量%含有させたもの
から誘導されるものであり、上記単量体及びシランカッ
プリング剤を含有する溶液にジクミルパーオキサイド、
ベンゾイルパーオキサイド等のパーオキサイド類または
アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物から選択さ
れるラジカル重合用開始剤を加え加熱下に反応させるこ
とにより容易に得られる。
【0010】上記プライマー塗料には溶剤が使用され
る。この溶剤としては、ジアセトンアルコール、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−
ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、キシレ
ン、トルエン等が挙げることができる。このプライマー
塗料は、通常、上記溶剤で希釈され、熱硬化性アクリル
樹脂の5〜10重量%の溶液として使用される。
【0011】本発明で上記プライマー塗料に使用される
紫外線吸収剤としては、熱硬化性アクリル樹脂と相容性
の良好なベンゾフェノン系紫外線吸収剤がよく、2,
2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロ
キシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2,2’−
ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジエトキシベンゾ
フェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジプロ
ポキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,
4’−ジブトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロ
キシ−4−メトキシ−4’−エトキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4’−プロポ
キシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メ
トキシ−4’−ブトキシベンゾフェノン、2,3,4−
トリヒドロキシベンゾフェノン等が例示される。更に、
紫外線吸収性能、プライマー塗料との相溶性、揮散性の
点から2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフ
ェノンが好適に用いられる。
【0012】上記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の添加
量としては、熱硬化性アクリル樹脂塗料中の不揮発分
(JIS K6833、以下同じ)100重量部に対し
て8〜17重量部、さらに好ましくは10〜15重量部
が良い。17重量部よりも多いと塗膜上に析出し外観不
良となり、さらに熱硬化性アクリル樹脂の安定性が低下
する。また8重量部よりも少ないと所望の耐候性が得ら
れない。しかし、2,2’,4,4’−テトラヒドロキ
シベンゾフェノンの量が増えると、初期の黄色度が高く
なるので、それを改善するためには2,2’,4,4’
−テトラヒドロキシベンゾフェノンの一部を熱硬化性ア
クリル樹脂と相溶性の良好な他のベンゾフェノン系紫外
線吸収剤に置き換えることが好ましく、2,2’,4,
4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンは、プライマー
塗料に添加されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤の10
〜100重量%の範囲内で使用される。しかし、2,
2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの配
合割合が、10重量%未満であると十分な耐候性が得ら
れない。
【0013】更に、上記プライマー塗料に、分子内に1
個以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤を
添加することにより、耐候性が大幅に向上できる。使用
される光安定剤としては、プライマー塗料に用いた溶剤
に溶解し、かつ熱硬化性アクリル樹脂との相溶性が良
く、また低揮散性のものが良い。添加量は熱硬化性アク
リル塗料中の不揮発分100重量部に対して0.2〜
2.5重量部が良く、2.5重量部を超えて添加すると
塗膜の密着性が低下する。
【0014】具体例としては、3−ドデシル−1−
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)
ピロリジン−2,5−ジオン(市販品としては商品名:
サンドバー3055、クラリアント(株)製)、N−メ
チル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン
(市販品としては商品名:サンドバー3056、クラリ
アント(株)製)、N−アセチル−3−ドデシル−1−
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)
ピロリジン−2,5−ジオン(市販品としては商品名:
サンドバー3058、クラリアント(株)製)、セバシ
ン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)(市販品としては商品名:スミソーブ577、住
友化学工業(株)製)、セバシン酸ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(市販品とし
ては商品名:サノールLS−765、三共(株)製)、
テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレー
ト(市販品としては商品名:アデカスタブLA−57、
旭電化工業(株)製)、テトラキス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−
ブタンテトラカルボキシレート(市販品としては商品
名:アデカスタブLA−52、旭電化工業(株)製)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,
6,6−テトラメチル−ピペリジノールとトリデカノー
ルとの縮合物(市販品としては商品名:アデカスタブL
A−67、旭電化工業(株)製)、1,2,3,4−ブ
タンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジノールとトリデカノールとの縮合物
(市販品としては商品名:アデカスタブLA−62、旭
電化工業(株)製)、8−アセチル−3−ドデシル−
7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザ
スピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン(市販品とし
ては商品名:サノールLS−440、三共(株)製)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,
β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)
ジエタノールとの縮合物(市販品としては商品名:アデ
カスタブLA−63または63P、旭電化工業(株)
製)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,
β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)
ジエタノールとの縮合物(市販品としては商品名:アデ
カスタブLA−68LD、旭電化工業(株)製)等が挙
げられ、これらの光安定剤は2種以上併用しても良い。
【0015】本発明において上記熱硬化性アクリル樹脂
からなるプライマー塗料を塗布する基板に用いるポリカ
ーボネート樹脂は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)アルカンや2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジハロゲノフェニル)アルカンで代表されるビスフ
ェノール化合物から周知の方法で製造された重合体が用
いられ、その重合体骨格に脂肪酸ジオールに由来する構
造単位が含まれていても、エステル結合を持つ構造単位
が含まれていても良い。分子量についても特に限定しな
いが、押出成形性や機械的強度の観点から、粘度平均分
子量で2万〜3万のものが好ましい。基板の厚みについ
ては特に制限はないが、シートとして成形可能な厚みで
ある0.1〜15mm程度が好ましい。
【0016】本発明において上記プライマー塗料を被覆
したポリカーボネート樹脂基板を得るには、スプレー、
浸漬、カーテンフロー、ロールコーティング等公知の方
法を適宜用いれば良く、被膜の厚みとしては、硬化塗膜
として1〜10μm、好ましくは2〜5μmが良い。そ
の後、硬化条件100〜120℃にて30〜60分間加
熱硬化することにより硬化被膜が得られる。
【0017】本発明において上記プライマー塗膜層の上
に形成させるためのコロイダルシリカ含有ポリオルガノ
シロキサンからなるトップ塗料は、メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキ
シシラン、メチルトリス(2−メトキシエトキシ)シラ
ン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シラン等のオルガノトリアルコキシシランの加水分解物
20〜90重量部と粒径1〜100nmのシリカ微粒子
10〜80重量部の合計100重量部をアルコール、水
または水混和性溶媒を用いて不揮発分(JIS K68
33、以下同じ)が15〜20重量%になるようにし、
さらに常温で3〜5日間、もしくは40〜60℃で10
〜15時間熟成させたものである。この際、シリカ微粒
子は水またはメタノール、エタノール、イソブタノー
ル、ジアセトンアルコール等のアルコールに分散させた
コロイダルシリカとして添加される。
【0018】上記オルガノトリアルコキシシランの加水
分解は、例えば酸触媒存在下該オルガノトリアルコキシ
シランの低級アルコール溶液に水を添加して行われる。
低級アルコールとしてはメタノール、エタノール、イソ
プロパノール、ブタノール等が例示される。また、上記
加水分解の際にコロイダルシリカの水性分散液を酸触媒
とともに添加しても良い。
【0019】本発明のコロイダルシリカ含有ポリオルガ
ノシロキサンからなるトップ塗料には、最適の耐摩耗性
が得られるように、緩衝液を加えた硬化触媒を添加する
ことが好ましい。硬化触媒としては、ジメチルアミン、
酢酸エタノールアミン、蟻酸ジメチルアニリン、安息香
酸、テトラエチルアンモニウム塩、酢酸ナトリウム、プ
ロピオン酸ナトリウム、蟻酸ナトリウム、酢酸ベンゾイ
ルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。この硬化
触媒の添加量はコロイダルシリカ含有ポリオルガノシロ
キサン塗料中の不揮発分100重量部に対して、0.1
〜2重量部使用される。
【0020】本発明のコロイダルシリカ含有ポリオルガ
ノシロキサンに添加する紫外線吸収剤としては、塗料中
の溶剤に容易に溶解し、また樹脂との相容性が良く、加
熱硬化中に揮散しにくいので、2,2’,4,4’−テ
トラヒドロキシベンゾフェノンが好適に用いられる。添
加量としては、コロイダルシリカ含有ポリオルガノシロ
キサン塗料中の不揮発分100重量部に対して1〜4重
量部が好ましい。4重量部よりも多いと耐擦傷性が低下
し、また1重量部より少ないと所望の耐候性が得られな
い。
【0021】本発明のコロイダルシリカ含有ポリオルガ
ノシロキサンからなるトップ塗料の塗装方法は、プライ
マー塗料と同様にスプレー、浸漬、カーテンフロー、ロ
ールコーティング等公知の方法を適宜用いれば良い。膜
厚としては乾燥塗膜として、一般に1〜10μmであ
り、好ましくは2〜5μmである。1μmより薄いと表
面保護効果が少なく、また10μmより厚いと加熱硬化
時にクラックが発生しやすくなる。加熱硬化条件は、1
20〜130℃にて約1時間程度が好ましい。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。尚、実施例中の「部」は重量基準を表す。
【0023】尚、実施例及び比較例に用いた紫外線吸収
剤、ヒンダードアミン系光安定剤の略号は以下の通りで
ある。 <紫外線吸収剤> UVA−1:2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベ
ンゾフェノン UVA−2:2,4−ジヒドロキシベン
ゾフェノン <ヒンダードアミン系光安定剤> HALS−1:サンドバー3058(クラリアント
(株)製) HALS−2:アデカスタブLA−62(旭電化工業
(株)) また、実施例中の各種物性の測定及び評価は以下の方法
で行った。 耐候性試験:JIS K5400に準拠し、カーボン
アーク式サンシャインウエザーメーターにて促進試験を
行って、5000時間後(屋外曝露15年相当)の黄変
度と密着性を調べ、黄変度7以下で密着性良好なものを
合格とした。。 耐擦傷性試験:ASTM1044に準拠し、テーバー
摩耗試験機にて摩耗輪CS−10Fを装着し、荷重50
0g下で1000回転後の曇価を測定した。テーバー摩
耗性(%)は(試験後の曇価)−(試験前の曇価)で示
した。 硬化被膜の密着性:JIS K5400に準拠し、サ
ンプルをサンプルをカミソリの刃で1mm間隔に縦横1
1本ずつ切り目を入れて100個のゴバン目をつくり、
市販セロテープをよく密着させた後、90゜手前方向に
急激にはがした時、被膜が剥離せずに残存したます目数
(X)をX/100で表示した。
【0024】実施例1 (1)プライマー塗料の調製 ジムロート型コンデンサー付500mlセパラブルフラ
スコにγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
40部、メチルメタクリレート40部、エチルアクリレ
ート5部、酢酸ビニル5部、グリシジルメタクリレート
10部、エチレングリコールジメタクリレート0.2部
及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを
0.5部並びに溶剤としてジアセトンアルコール20
部、エチレングリコールモノメチルエーテルを80部仕
込み、窒素気流下にて80〜90℃で5時間攪拌した。
得られた熱硬化性アクリル樹脂溶液の粘度は38500
cst、また該共重合体中のアルコキシル基含有量は4
0重量%であった。 次に、得られた樹脂溶液を不揮発
分(JIS K6833)10%となるように、ジアセ
トンアルコールとエチレングリコールモノメチルエーテ
ルの比率を20/80とした混合溶液にて調製した。こ
の調製して得られたプライマー塗料の粘度は20〜40
cstであった。こうして得られたプライマー塗料中に
紫外線吸収剤としてUVA−1を塗料中の不揮発分10
0重量部に対して15重量部添加し、十分溶解させてプ
ライマー塗料を作製した。
【0025】(2)トップ塗料の調製 1リットルのセパラブルフラスコにメチルトリエトキシ
シラン164部、イソブタノール46部を仕込み、氷冷
下に攪拌しながら5℃以下に維持し、ここに5℃以下と
した水に分散されたコロイダルシリカ(SiO2 :20
重量%含有)138部を添加して氷冷下で2時間、さら
に20〜25℃で8時間攪拌した後、ジアセトンアルコ
ールを45部、イソブタノールを50部添加した。次い
で10%プロピオン酸ナトリウム水溶液を1.5部加
え、さらに酢酸にてpHを6〜7に調整した。そして、
不揮発分(JIS K6833)が17重量%となるよ
うにイソブタノールで調整し、常温で5日間熟成して得
られたコロイダルシリカ含有ポリオルガノシロキサン塗
料の粘度は約5cst、不揮発分の数平均分子量は約1
000であった。このようにして得られたトップ塗料に
紫外線吸収剤としてUVA−1を塗料中の不揮発分10
0重量部に対して3重量部添加し、十分溶解させてトッ
プ塗料を作製した。
【0026】(3)表面被覆成形物の作製 上記で得られたプライマー塗料を厚み0.5mmのポリ
カーボネートシート(商品名:ユーピロンシートNF2
000U、三菱ガス化学(株)製)に硬化塗膜として2
〜5μmになるようにフローコーティング法にて塗布
し、約120℃にて約30分硬化させた後、その上に上
記で得られたトップ塗料を塗布し、硬化塗膜として2〜
5μmになるようにフローコーティング法にて塗布し、
約120℃にて約1.0時間硬化した。このようにして
得られた表面被覆成形物の物性評価結果を表2に示し
た。
【0027】実施例2〜10及び比較例1〜8 表1に示す配合組成にて各塗料を実施例1と同様な方法
で調製し、厚み0.5mmのポリカーボネートシート
(商品名:ユーピロンシートNF2000U、三菱ガス
化学(株)製)の上に実施例1と同様な手法で塗布、硬
化させることによって、硬化被膜で表面が保護されたシ
ートを得た。このようにして得られた各表面被覆成形物
の物性評価結果を表2に示した。
【表1】
【表2】
【0028】また、実施例4と比較例7の硬化後のトッ
プ塗料中の各紫外線吸収剤の残存量を液体クロマトグラ
フィーにより定量した。その結果を紫外線吸収剤の添加
量で割り残存率として表3に示した。
【表3】
【0029】
【発明の効果】本発明により得られたポリカーボネート
樹脂積層体は、透明性、耐擦傷性、耐候性、耐薬品性に
優れることから、車両、飛行機など運送機の窓、風防、
建物の窓、道路の遮音壁等屋外で使用される用途に特に
有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 27/30 B32B 27/30 A C09D 183/04 C09D 183/04 // C08L 69:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂基板の少なくとも
    一面に、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾ
    フェノンを含むベンゾフェノン系紫外線吸収剤を塗料中
    の不揮発分(JIS K6833)100重量部に対し
    て8〜17重量部添加された熱硬化性アクリル樹脂から
    なるプライマー塗料を塗布・硬化させ、次いで該塗膜上
    に2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノ
    ンを塗料中の不揮発分(JIS K6833)100重
    量部に対して1〜4重量部添加されたコロイダルシリカ
    含有ポリオルガノシロキサンからなるトップ塗料を塗布
    ・硬化させてなることを特徴とする耐候性に優れたポリ
    カーボネート樹脂積層体。
  2. 【請求項2】 プライマー塗料に、さらに分子内に1個
    以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤を塗
    料中の不揮発分(JIS K6833)100重量部に
    対して0.2〜2.5重量部添加されてなる請求項1記
    載の耐候性に優れたポリカーボネート樹脂積層体。
  3. 【請求項3】 プライマー塗料に含有されるベンゾフェ
    ノン系紫外線吸収剤の10〜100重量%が2,2’,
    4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンである請求
    項1記載の耐候性に優れたポリカーボネート樹脂積層
    体。
  4. 【請求項4】 プライマーの硬化塗膜の厚さが1〜10
    μmである請求項1記載の耐候性に優れたポリカーボネ
    ート樹脂積層体。
  5. 【請求項5】 トップの硬化塗膜の厚さが1〜10μm
    である請求項1記載の耐候性に優れたポリカーボネート
    樹脂積層体。
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