JP2006035591A - 合成樹脂製積層体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アクリル樹脂からなる塗膜厚み1〜10μmのプライマー塗膜層(2)上に下記(イ)〜(ホ)のコーティング組成物からなる塗膜厚み1〜10μmの硬化皮膜層(3)が形成されてなることを特徴とする。(イ)下記式(1)で示されるオルガノアルコキシシラン R1 nSi(OR2)4-n (1)(式中、R1は炭素数1〜8の置換または非置換の炭化水素基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは1または2)(ロ)無水ケイ酸含有量が10〜50重量%で、粒径が4〜20nmのコロイダルシリカ(ハ)50重量%以下のアルコキシシリル基を含有するアクリル系および/またはビニル系有機共重合体(二)アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(ホ)シリコーン含有高分子紫外線吸収剤
【選択図】 図2
Description
ただし、コーティング組成物(CC)は
(イ)下記式(1)で示されるオルガノアルコキシシラン(d)
(化1)
R1 nSi(OR2)4-n (1)
(式中、R1は炭素数1〜8の置換または非置換の炭化水素基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは1または2)
(ロ)無水ケイ酸含有量が10〜50重量%で、粒径が4〜20nmのコロイダルシリカ(e)
(ハ)50重量%以下のアルコキシシリル基を含有するアクリル系および/またはビニル系有機共重合体(f)
(二)アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)
および
(ホ)シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)からなり、かつ(ロ)の配合量が(イ)100重量部に対して、50〜200重量部であり、(ハ)の配合量が、(イ)と(ロ)の合計100重量部に対して、0〜20重量部であり、(二)の配合量が、(イ)、(ロ)および(ハ)の合計量100重量部に対して、1.0〜5.0重量部であり、(ホ)の配合量が、(イ)、(ロ)、(ハ)および(二)の合計100重量部に対して、0〜35重量部である。
ただし、コーティング組成物(CC)は
(イ)下記式(1)で示されるオルガノアルコキシシラン(d)
(化2)
R1 nSi(OR2)4-n (1)
(式中、R1は炭素数1〜8の置換または非置換の炭化水素基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは1または2)
(ロ)無水ケイ酸含有量が10〜50重量%で、粒径が4〜20nmのコロイダルシリカ(e)
(ハ)50重量%以下のアルコキシシリル基を含有するアクリル系および/またはビニル系有機共重合体(f)
(二)アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)
および
(ホ)シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)からなり、かつ(ロ)の配合量が(イ)100重量部に対して、50〜200重量部であり、(ハ)の配合量が、(イ)と(ロ)の合計100重量部に対して、0〜20重量部であり、(二)の配合量が、(イ)、(ロ)および(ハ)の合計量100重量部に対して、1.0〜5.0重量部であり、(ホ)の配合量が、(イ)、(ロ)、(ハ)および(二)の合計100重量部に対して、0〜35重量部である。
本発明において、特に請求項2、請求項4および5の透明合成樹脂層からなる合成樹脂積層体は透明性と共に、より優れた耐候性を示す。また、請求項6〜10記載のオルガノアルコキシシランからなるコーティング組成物による硬化膜層を有する積層体はよりすぐれた密着性を示し、長期間に亘ってより優れた耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性を発現する。また、請求項11は透明合成樹脂層とプライマー層、およびプライマー層と硬化皮膜の線膨張係数の差が小さいので特に密着性に優れ、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性に優れたものである。
本発明における透明合成樹脂層(A)を構成する合成樹脂は、可視領域の光線透過率が高い透明な熱可塑性樹脂であれば特に制限はなく、例えば、3mm厚の板状成形体としたときのJIS R 3106に準じて測定される可視光透過率が50%以上で、JIS K7105に準じて測定されるヘイズが30%以下のものが挙げられる。具体的には、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、塩化ビニル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリ−4−メチルペンテン−1等を挙げることができる。これらの中でも、ポリカーボネートは耐衝撃性に優れるために好ましい。ポリカーボネートとしては、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、芳香族−脂肪族ポリカーボネートを用いることができるが、芳香族ポリカーボネートが好ましい。
(イ)下記式(1)で示されるオルガノアルコキシシラン(d)
(化3)
R1 nSi(OR2)4-n (1)
(式中、R1は炭素数1〜8の置換または非置換の炭化水素基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは1または2)
(ロ)無水ケイ酸含有量が10〜50重量%で、粒径が4〜20nmのコロイダルシリカ(e)
(ハ)50重量%以下のアルコキシシリル基を含有するアクリル系および/またはビニル系有機共重合体(f)
(二)アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)
および
(ホ)シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)からなり、かつ(ロ)の配合量が(イ)100重量部に対して、50〜200重量部であり、(ハ)の配合量が、(イ)と(ロ)の合計100重量部に対して、0〜20重量部であり、(二)の配合量が、(イ)、(ロ)および(ハ)の合計量100重量部に対して、1.0〜5.0重量部であり、(ホ)の配合量が、(イ)、(ロ)、(ハ)および(二)の合計100重量部に対して、0〜35重量部である。
アルコキシシランと共重合可能な他の単量体としては、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどのアルキルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアルキルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、エチレングリコール、ジメタクリレートなどがある。
該有機共重合体(f)は、前記オルガノアルコキシシラン(d)とコロイダルシリカ(e)からなる組成物100重量部に対し、0〜20重量部、好ましくは2〜18重量部が配合される。有機共重合体(f)の配合量が20重量部を超えると、耐煮沸性試験で白化し、密着性も低下し、さらに耐候性試験においても白化し、塗膜が剥離する。
このアミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)は、アルコキシシラン(d)、コロイダルシリカ(e)及び有機共重合体(f)からなる組成物100重量部に対し1.0〜5.0重量部の範囲で、好ましくは1.5〜4重量部使用される。アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)の使用量が1.0重量部より少ないと皮膜の耐摩耗性が低く、5.0重量部を超えると皮膜の透明性が低下するので好ましくない。
(式(2)中、R11は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のアルコキシル基を示す。R12は炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数1〜10のオキシアルキレン基を示し、m1は0又は1を示す。R13は水素原子、又は低級アルキル基を示す。X1はエステル結合、アミド結合、エーテル結合、又はウレタン結合を示す。)
(式(3)中、R21 は水素原子、ハロゲン原子、又はメチル基を示す。R22は水素原子、又は炭素数1〜6の炭化水素基を示す。R23は炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数1〜10のオキシアルキレン基を示し、m21は0又は1を示す。R24は炭素数1〜8のアルキレン基、アミノ基を有する炭素数1〜8のアルキレン基、又はヒドロキシル基を有する炭素数1〜8のアルキレン基を示し、m22は0又は1を示す。R25は水素原子、又は低級アルキル基を示す。X2はエステル結合、アミド結合、エーテル結合、又はウレタン結合を示す。)
(式(4)中、R31は水素原子、又はメチル基を示す。R32は炭素数1〜6のアルキレン基、又は炭素数1〜6のオキシアルキレン基を示し、m31は0又は1を示す。R33は炭素数1〜6のアルキレン基、アミノ基を有する炭素数1〜6のアルキレン基、又はヒドロキシル基を有する炭素数1〜6のアルキレン基を示し、m32は0又は1を示す。nは1〜200の整数を示し、X3はエステル結合又はアミド結合を示す。)
ただし、コーティング組成物(CC)は
(イ)下記式(1)で示されるオルガノアルコキシシラン(d)
(化7)
R1 nSi(OR2)4-n (1)
(式中、R1は炭素数1〜8の置換または非置換の炭化水素基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは1または2)
(ロ)無水ケイ酸含有量が10〜50重量%で、粒径が4〜20nmのコロイダルシリカ(e)
(ハ)50重量%以下のアルコキシシリル基を含有するアクリル系および/またはビニル系有機共重合体(f)
(二)アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)
および
(ホ)シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)からなり、かつ(ロ)の配合量が(イ)100重量部に対して、50〜200重量部であり、(ハ)の配合量が、(イ)と(ロ)の合計100重量部に対して、0〜20重量部であり、(二)の配合量が、(イ)、(ロ)および(ハ)の合計量100重量部に対して、1.0〜5.0重量部であり、(ホ)の配合量が、(イ)、(ロ)、(ハ)および(二)の合計100重量部に対して、0〜35重量部である。
ビスフェノールAを原料とする芳香族ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス製、商品名ユーピロンS-3000、分子量22,000) に、ステアリン酸 (日本油脂製、桜牛脂ステアリン酸)0.1部とペンタエリスリトールテトラステアレート (日本油脂製、ユニスターH476)0.2部、リン系酸化防止剤(旭電化製、アデカスタブ2112)0.03部、窒素原子含有紫外線吸収剤(シプロ化成製、シーソーブ709)0.3部をタンブラーで混合した。各々を一軸のベント式押出機で押し出し、ペレットとした。このペレットを熱風乾燥機で120℃で5時間以上乾燥した後、射出圧縮成形機(三菱重工製1600MMIIIW、240オンス)にサンルーフ形状(600mm×400mm)のモデル型を装備し、可動金型部を操作して型締めし、そして、溶融樹脂の温度を300℃、金型温度を70℃、金型の保持圧力を50MPaに設定した後、射出速度200mm/secにてキャビティ内に溶融樹脂を射出した。そして、キャビティ内の樹脂を冷却、固化させ、次いで、型開きを行って透明合成樹脂層(A)となる成形体を取り出した。
プライマー塗料の調製ジムロート型コンデンサー付500mlセパラブルフラスコにγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン40部、メチルメタクリレート40部、エチルアクリレート5部、酢酸ビニル5部、グリシジルメタクリレート10部、エチレングリコールジメタクリレート0.2部及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを0.5部並びに溶剤としてジアセトンアルコール20部、エチレングリコールモノメチルエーテルを80部仕込み、窒素気流下にて80〜90℃で5時間攪拌した。得られた熱硬化性アクリル樹脂溶液の粘度は38500cst、また該共重合体中のアルコキシル基含有量は40重量%であった。 次に、得られた樹脂溶液を不揮発分(JIS K5407)10%となるように、ジアセトンアルコールとエチレングリコールモノメチルエーテルの比率を20/80とした混合溶液にて調製した。この調製にて得られたプライマー塗料組成物の粘度は20〜40cstであった。こうして得られたプライマー塗料中に紫外線吸収剤として2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン(シプロ化成(株)製、シーソーブ106)を塗料組成物中の不揮発分100部に対して15部添加し、十分溶解させてプライマー塗料を製造した。
プライマー塗料の調製ジムロート型コンデンサー付500mlセパラブルフラスコにγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン40部、メチルメタクリレート40部、エチルアクリレート5部、酢酸ビニル5部、グリシジルメタクリレート10部、エチレングリコールジメタクリレート0.2部及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを0.5部並びに溶剤としてジアセトンアルコール20部、エチレングリコールモノメチルエーテルを80部仕込み、窒素気流下にて80〜90℃で5時間攪拌した。得られた熱硬化性アクリル樹脂溶液の粘度は38500cst、また該共重合体中のアルコキシル基含有量は40重量%であった。次に、得られた樹脂溶液を不揮発分(JIS K5407)10%となるように、ジアセトンアルコールとエチレングリコールモノメチルエーテルの比率を20/80とした混合溶液にて調製した。この調製にて得られたプライマー塗料組成物の粘度は20〜40cstであった。こうして得られたプライマー塗料組成物中に紫外線吸収剤として2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン(シプロ化成(株)製、シーソーブ106)15部、およびN−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン(クラリアントン(株)製、サンドバー3058)1部をそれぞれ塗料中の不揮発分100部に対して添加し、十分溶解させてプライマー塗料を製造した。
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20部に、これと共重合可能な単量体としてメチルメタクリレート58部、エチルアクリレート6部、酢酸ビニル5部、グリシジルメタクリレート11部、エチレングリコール・ジメタクリレート0.2部及び重合触媒としてのアゾビスイソブチロニトリル0.5部、ジアセトンアルコール100部を配合し、窒素気流下に80〜90℃で5時間加熱撹拌し、粘度42,200cpsで、アルコキシシリル基20重量%を含有する有機共重合体(f−1)を得た。
メチルメタクリレート58部、エチルアクリレート6部、酢酸ビニル5部、グリシジルメタクリレート31部、エチレングリコール・ジメタクリレート0.2部及び重合触媒としてのアゾビスイソブチロニトリル0.5部、ジアセトンアルコール100部を配合し、窒素気流下に80〜90℃で5時間加熱撹拌し、粘度50,200cpsで、アルコキシシリル基を含有しない有機共重合体(f−2)を得た。
表1に示すようにメチルトリメトキシシラン(d−1)と3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(d−2)の配合率を変化させ、酢酸1部を混合した後、氷浴で冷却し攪拌を行いながら温度を0〜10℃に保持し、次いでスノーテックス30(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO230wt%、平均粒径10〜20nm)84部を滴下した。滴下後温度を10℃に保持し4時間攪拌を行った後、更にスノーテックスIBA−ST(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO225〜26wt%、平均粒子径10〜20nm)84部を滴下し、20℃で12時間攪拌を行い熟成を行った。次に、酢酸セロソルブ45部、イソブチルアルコール50部及びKP−341(信越化学工業(株)製ポリオキシアルキレングリコールジメチルシロキサン共重合体)0.02部を滴下混合し、更に硬化触媒としてテトラメチルアンモニウムアセテートを2部滴下し混合し塗料を調製した。調製後、高分子タイプの紫外線吸収剤(一方社油脂工業(株)製XL−183 50wt%)を塗料中の樹脂分100部に対して10部添加しコーティング組成物を製造した。
参考例1の3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(d−2)をジメチルジメトキシシラン(d−4)に替えて配合率を表2に示したように変えた以外は、参考例1と全く同一条件でコーティング組成物を製造した。
参考例1の3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(d−2)をプロピルトリメトキシシラン(d−6)に替えて配合率を表3のように変えた以外は、参考例1と全く同一条件でコーティング組成物を製造した。
メチルトリメトキシシラン(d−1)100部に、酢酸1部を混合した後、氷浴で冷却し攪拌を行いながら温度を0〜10℃に保持し、次いで表4に示した平均粒径のコロイダルシリカ(e)84部を滴下した。滴下後温度を10℃に保持し4時間攪拌を行った後、更にコロイダルシリカ(e)84部を滴下し、20℃で12時間攪拌を行い熟成を行った。以後、参考例1と全く同一条件でコーティング組成物を製造した。
メチルトリメトキシシラン(d−1)100部と酢酸1部を混合した後、氷浴で冷却し攪拌を行いながら温度を0〜10℃に保持し、次いでスノーテックス30(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO230wt%、平均粒径10〜20nm)84部を滴下した。滴下後温度を10℃に保持し4時間攪拌を行った後、更にスノーテックスIBA−ST(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO225〜26wt%、平均粒子径10〜20nm)84部を滴下し、20℃で12時間攪拌を行い熟成を行った。その後、上記合成例1〜2の有機共重合体(f−1)及び有機共重合体(f−2)を、表5〜表6に示した比率で配合し、次に、酢酸セロソルブ45部、イソブチルアルコール50部及びKP−341(信越化学工業(株)製ポリオキシアルキレングリコールジメチルシロキサン共重合体)0.02部を滴下混合し、更に硬化触媒としてテトラメチルアンモニウムアセテートを2部滴下し混合し塗料組成物を調製した。調製後、高分子タイプの紫外線吸収剤(一方社油脂工業(株)製XL−183、50wt%)を塗料組成物中の樹脂分100部に対して10部添加しコーティング組成物を製造した。
メチルトリメトキシシラン(d−1)100部に、酢酸1部を混合した後、氷浴で冷却し攪拌を行いながら温度を0〜10℃に保持し、次いでスノーテックス30(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO230wt%、平均粒径10〜20nm)10部を滴下した。滴下後温度を10℃に保持し4時間攪拌を行った後、更にスノーテックスIBA−ST(日産化学工業(株)製コロイダルシリカ SiO225〜26wt%、平均粒子径10〜20nm)10部を滴下し、20℃で50時間攪拌を行い熟成を行った。
次に、酢酸セロソルブ45部、イソブチルアルコール50部及びKP−341(信越化学工業(株)製ポリオキシアルキレングリコールジメチルシロキサン共重合体)0.02部を滴下混合し、更に硬化触媒としてテトラメチルアンモニウムアセテートを2部滴下し混合し塗料組成物を調製した。調製後、紫外線吸収剤として2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンを塗料組成物中の樹脂分100部に対して10部添加しコーティング組成物を製造した。
前記製造例1で製造した透明合成樹脂層(A)上に、前記製造例2で製造したプライマー塗料を、硬化塗膜として2〜5μmになるようにフローコーティング法にて塗布し、約120℃にて約30分硬化させてプライマー塗膜層(B)を積層した。その後、プライマー塗膜層(B)上に前記参考例1〜4で調製した表1に示すコーティング組成物(CC)を硬化塗膜として3〜6μmになるようにフローコーティング法にて塗布し、室温で20分間自然乾燥させた後、130℃、1時間硬化させて硬化皮膜層(C)を形成させて合成樹脂積層体(D)を得た。評価結果を表1に示した。
前記製造例1で製造した透明合成樹脂層(A)上に、前記製造例3で製造したプライマー塗料を、硬化塗膜として2〜5μmになるようにフローコーティング法にて塗布し、約120℃にて約30分硬化させてプライマー塗膜層(B)を積層した。その後、プライマー塗膜層(B)上に前記参考例1で調製した表1に示すコーティング組成物(CC)を硬化塗膜として3〜6μmになるようにフローコーティング法にて塗布し、室温で20分間自然乾燥させた後、130℃、1時間硬化させて硬化皮膜層(C)を形成させて合成樹脂積層体(D)を得た。評価結果を表1に示した。
コーティング組成物として、参考例2で調製した表2に示すコーティング組成物を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表2に示した。
コーティング組成物として、参考例3で調製した表3に示すコーティング組成物を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表3に示した。
コーティング組成物として、参考例4に調製した表4に示すコーティング組成物13〜15を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表4に示した。
コーティング組成物として、参考例5に調製した表5に示すコーティング組成物16〜20において、有機共重合体(f−1)を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表5に示した。
コーティング組成物として、参考例5に調製した表5に示すコーティング組成物20において有機共重合体(f−1)を表5に示す配合量を添加した以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表5に示した。
コーティング組成物として、参考例5に調製したコーティング組成物16〜20において有機共重合体(f−2)を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表6に示した。
コーティング組成物として、参考例5に調製したコーティング組成物20において有機共重合体(f−2)を表6に示す配合量を添加した以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表6に示した。
コーティング組成物として、参考例6に調製したコーティング組成物21を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造した。該積層体を実施例と同様に評価した結果、初期密着性と耐煮沸性、耐熱性は○、ヘイズは0.9%、テーバー摩耗性ΔHは3.1%、落錘衝撃高さは900mm、耐候性は1600時間であった。
コーティング組成物として、参考例4に調製したコーティング組成物14を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表7に示した。
プライマー塗膜層(B)を設けず、コーティング組成物として、参考例4に調製したコーティング組成物14を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表7に示した。
プライマー塗膜層(B)の膜厚を20μmに設定し、コーティング組成物として、参考例4で調製したコーティング組成物14を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表7に示した。
硬化皮膜層(C)を設けず、プライマー塗膜層(B)のみを設けた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表7に示した。
コーティング組成物として、参考例4で調製したコーティング組成物14を用い、該膜厚を15μmに設定した以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表7に示した。
製造例1で製造した透明合成樹脂層(A)に、コーティング組成物として、参考例4のコーティング組成物14用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表8に示した。
製造例1の透明合成樹脂層(A)の製造において、ペンタエリスリトールテトラステアレートの添加量を1.0重量部に変更し、コーティング組成物として、参考例4のコーティング組成物14を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表8に示した。
製造例1の透明合成樹脂層(A)の製造において、ペンタエリスリトールテトラステアレートを蜜ロウに変更し、コーティング組成物として、参考例4のコーティング組成物14を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表8に示した。
製造例1の透明合成樹脂層(A)の製造において、シーソーブ709の添加量を1.3重量部に変更し、コーティング組成物として、参考例4のコーティング組成物14を用いた以外は、実施例1と同一条件でポリカーボネート樹脂積層体を製造し、評価結果を表8に示した。
2 プライマー塗膜層
3 硬化皮膜層
4 印刷部
Claims (16)
- 射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の少なくとも一方の面に、熱硬化性アクリル樹脂からなる塗膜厚み1〜10μmのプライマー塗膜層(B)を有し、該プライマー塗膜層(B)上に下記コーティング組成物(CC)からなる塗膜厚み1〜10μmの硬化皮膜層(C)が形成されてなることを特徴とする合成樹脂製積層体(D)。
ただし、コーティング組成物(CC)は
(イ)下記式(1)で示されるオルガノアルコキシシラン(d)
(化1)
R1 nSi(OR2)4-n (1)
(式中、R1は炭素数1〜8の置換または非置換の炭化水素基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは1または2)
(ロ)無水ケイ酸含有量が10〜50重量%で、粒径が4〜20nmのコロイダルシリカ(e)
(ハ)50重量%以下のアルコキシシリル基を含有するアクリル系および/またはビニル系有機共重合体(f)
(二)アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)
および
(ホ)シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)からなり、かつ(ロ)の配合量が(イ)100重量部に対して、50〜200重量部であり、(ハ)の配合量が、(イ)と(ロ)の合計100重量部に対して、0〜20重量部であり、(二)の配合量が、(イ)、(ロ)および(ハ)の合計量100重量部に対して、1.0〜5.0重量部であり、(ホ)の配合量が、(イ)、(ロ)、(ハ)および(二)の合計100重量部に対して、0〜35重量部である。 - 透明合成樹脂層(A)が、炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸0〜2重部、炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのエステル0.01〜2重量部、リン系酸化防止剤0.001〜1重量部、及び窒素原子含有紫外線吸収剤0.01〜2重量部を含有することを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製積層体(D)。
- 透明合成樹脂層(A)が、熱可塑性ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の合成樹脂製積層体(D)。
- プライマー塗膜層(B)が、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンを含むベンゾフェノン系紫外線吸収剤を塗料中の不揮発分100重量部に対して5〜30重量部添加された熱硬化性アクリル樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
- プライマー塗膜層(B)が、更に分子内に1個以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤を塗料中の不揮発分100重量部に対して0.1〜5重量部添加された熱硬化性アクリル樹脂からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
- オルガノアルコキシシランが、上記式(1)において、n=1であるオルガノトリアルコキシシラン(d−1)であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
- オルガノアルコキシシランが、上記式(1)において、n=1、R1がアルキル基であるオルガノアルコキシシラン(d−2)を80〜97重量部と、R1が3,3,3−トリフルオロプロピル基であるオルガノアルコキシシラン(d−3)を20〜3重量部とからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
- オルガノアルコキシシランが、上記式(1)でn=1のアルキルトリアルコキシシラン(d−4)を99〜97重量部と、n=2のジアルキルジアルコキシシラン(d−5)を1〜3重量部とからなるオルガノアルコキシシランであることを特徴とする請求項1〜5にいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
- オルガノアルコキシシランが、上記式(1)において、n=1で、R1が炭素数1または2のアルキル基で、R2が炭素数1〜5のアルキル基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−6)を80〜97重量部と、R1が炭素数3または4のアルキル基で、R2が炭素数1〜5のアルキル基であるオルガノトリアルコキシシラン(d−7)を20〜3重量部とからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
- コロイダルシリカ(e)が、無水ケイ酸を10〜50重量%含有し、かつ平均粒径が4〜7nmのコロイダルシリカであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
- 射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)とプライマー塗膜層(B)、プライマー塗膜層(B)と硬化皮膜層(C)との線膨張係数の差が、それぞれ32×10-5/℃以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
- 射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の厚みが、2〜70mmであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
- プライマー塗装層(B)と透明合成樹脂層(A)との間に、あるいは硬化皮膜層(C)の面に、印刷部を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の合成樹脂製積層体(D)。
- 射出成形により形成された透明樹脂成形体の少なくとも一方の面に、熱硬化性アクリル樹脂からなるプライマー塗料を塗膜厚が1〜10μmとなるように塗布し、加熱硬化してプライマー塗膜層を形成し、該プライマー塗膜層に下記コーティング組成物を硬化膜厚が1〜10μmとなるように塗布し、硬化させてプライマー塗膜上に硬化皮膜を形成することを特徴とする合成樹脂製積層体の製造方法。
ただし、コーティング組成物(CC)は
(イ)下記式(1)で示されるオルガノアルコキシシラン(d)
(化2)
R1 nSi(OR2)4-n (1)
(式中、R1は炭素数1〜8の置換または非置換の炭化水素基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは1または2)
(ロ)無水ケイ酸含有量が10〜50重量%で、粒径が4〜20nmのコロイダルシリカ(e)
(ハ)50重量%以下のアルコキシシリル基を含有するアクリル系および/またはビニル系有機共重合体(f)
(二)アミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレート(g)
および
(ホ)シリコーン含有高分子紫外線吸収剤(h)からなり、かつ(ロ)の配合量が(イ)100重量部に対して、50〜200重量部であり、(ハ)の配合量が、(イ)と(ロ)の合計100重量部に対して、0〜20重量部であり、(二)の配合量が、(イ)、(ロ)および(ハ)の合計量100重量部に対して、1.0〜5.0重量部であり、(ホ)の配合量が、(イ)、(ロ)、(ハ)および(二)の合計100重量部に対して、0〜35重量部である。 - 射出成形により形成された透明樹脂成形体が、射出圧縮成形により形成することを特徴とする請求項14に記載の合成樹脂製積層体の製造方法。
- 請求項1〜13に記載のいずれかに記載の合成樹脂製積層体からなる自動車用窓ガラス。
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