JP4502111B2 - 防汚性コーティング剤及び被覆物品 - Google Patents

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Description

本発明は、直鎖状ジオルガノシロキサン鎖が片末端で分子中に固定されており、同一分子中に加水分解性シリル基あるいはシラノール基を有するオリゴマー状あるいは高分子状の有機ケイ素化合物を必須成分とし、耐久性に優れた防汚性被膜を形成し得る防汚性コ−ティング剤及びこのコーティング剤の硬化被膜が形成された被覆物品に関する。
基材表面に、撥水性、撥油性に優れた被膜を形成し、汚染防止性、汚染物質除去性、指紋付着防止性等の防汚性を付与する試みは、過去より種々なされている。
フッ素化アルキル置換シランあるいはフッ素化ポリエーテル置換シランを用いた検討は多い。例えば、フッ素化アルキル置換アルコキシシランあるいはそのシラザン(特許文献1:特開平10−7438号公報)、パーフルオロポリエーテル基置換シラン(特許文献2:特開2000−143991号公報)、フッ素化アルキル置換アルコキシシランとテトラアルコキシシランとの酸性加水分解物(特許文献3:特開2000−351938号公報)、2種類のフッ素含有シランとフッ素非含有シランとの加水分解縮合物(特許文献4:特開2002−53804号公報)等を示すことができる。これらの系は、優れた撥水性、撥油性を与え、耐久性も高いので好ましいが、原料のシラン化合物が高価である点で経済的に不利であり、更にこれらフッ素原子を含むシラン化合物あるいはその硬化物(被膜)は、廃棄時に焼却すると有害なHFが生成するため、安全性の点で懸念が生じる場合がある。
シリコーン系の表面処理剤も、経済的観点及び安全性の観点から検討されているが、単純なシリコーンレジン系のコーティング剤では、耐擦傷性は優れるものの、撥水性、撥油性の能力が不足している。そこで、ジオルガノシロキサン鎖を含有する系が検討されている。例えば、直鎖状シリコーンを3個有するシラン化合物に、スペーサーを介して、Si−ClあるいはSi−NCO基等の加水分解性の極めて高い加水分解性シリル基を有する特定の化合物及び/又はその部分加水分解物(特許文献5:特開2000−129247号公報)、シリカマトリックス中に両末端に加水分解性シリル基を含有するジメチルシリコーンを分散させた系(特許文献6:特開2003−206160号公報)、基材に含フッ素シラン化合物を含有する層を設け、その上に加水分解性シリル基を有する直鎖状シリコーン化合物を含有する層を積層した系(特許文献7:特開2001−205747号公報)を示すことができる。
最初の系では、ガラス表面への単分子層での固定を狙ったもので基材が限定され、また疎水性基が嵩高いため固着が十分に起こらず、トルエン等のシリコーンに対して良溶剤で表面汚れを除去しようとすると簡単に被膜が脱落し、耐久性に劣る欠点がある。2番目の系では、加水分解性シリル基を両末端に有するジメチルシリコーン成分がシリカマトリックスとの相溶性に欠けるため、相分離(上部に浮遊)する結果、被膜形成時ハジキが生じたり、またしっかり固定されていないため、トルエン等の溶剤洗滌で容易に除去されてしまう欠点がある。3番目の系では、前記シリコーン化合物を、加水分解せずに含フッ素シラン層の上に処理しており、やはり同様に固着性に劣り、耐久性が不十分であり、更に含フッ素シランを処理するため、安全性に懸念が生じる場合がある。
特開平10−7438号公報 特開2000−143991号公報 特開2000−351938号公報 特開2002−53804号公報 特開2000−129247号公報 特開2003−206160号公報 特開2001−205747号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、表面保護機能に優れ、耐久性のある防汚、撥水性被膜を形成し得、しかも安全性の高い防汚性コーティング剤及び基材にこのコーティング剤の硬化被膜が形成された被覆物品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、これまでに知られていなかった片末端封鎖ジオルガノポリシロキサン基を有し、同一分子中に縮合硬化可能なシリル基を含む新規な下記有機ケイ素化合物(I)を含む防汚性コーティング剤を基材表面に処理すると、上記従来の問題点を解決した、トルエン等の溶剤で洗滌しても脱落しないような耐久性に優れ、撥水性及び防汚性に富む保護被膜を形成することを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、
下記一般組成式(I)で表される有機ケイ素化合物を含有する防汚性コーティング剤。
Figure 0004502111
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を示し、各Rは同一であっても異なっていてもよい。Xは水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシルオキシ基又はアルケノキシ基、又は−NCO基を示し、Yは−O−、又は炭素数2〜10のアルキレン基、アリーレン基又はこれらが結合した基を示す。aは1〜100の整数、m、p、qは、0.01≦m<1、0≦p<1、0.5≦q<3、0.51≦m+p+q<4を満足する数である。)
この場合、有機ケイ素化合物(I)は、(a)下記一般式(II)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解物と、(b)下記一般式(III)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解物とを、(a)成分と(b)成分をモル比(a)/(b)=1/99〜99/1の割合で用いて、これら成分を(部分)共加水分解・縮合することによって得られたものであることが好ましく、また、
(i)上記一般式(II)で表される有機ケイ素化合物を加水分解する、
(ii)そこに、上記一般式(III)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解物を添加する、
(iii)この混合物を(部分)共加水分解・縮合する
という工程を経て調製されるものであることが好ましい。
Figure 0004502111
(式中、R、aは上記と同様の意味を示し、Zはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシルオキシ基又はアルケノキシ基、又は−NCO基を示し、bは0,1又は2である。またnは0,1又は2である。)
なお、上記防汚性コーティング剤は、シリコーン樹脂用縮合触媒及び/又は有機溶剤を含んでもよい。
また、本発明は、プラスチック、金属、ガラス、セラミック等の基材に、直接又は他の層(特に、金属酸化物又はSi−X基(Xは上記の通り)を含有する樹脂層)を介して、上記防汚性コーティング剤の硬化被膜が防汚性保護膜として形成された被覆物品を提供する。この場合、該被覆物品は、光学部品用の透明物品とすることができる。
本発明の防汚性コーティング剤は、有機ケイ素化合物(I)が、分子末端に縮合硬化性に富む基を多く含んでいるため、基材表面を強固に被覆し、保護することができ、優れた表面保護機能を与える。
また、同一分子中に片末端封鎖ジオルガノポリシロキサン基を有しているため、被覆時、基材側に加水分解性基あるいはSiOH基を有する部分が固着し、ジオルガノシロキサンが外側に配向しやすいので、その硬化被膜は良好な撥水性及び汚染防止性(汚染除去性)を示す。しかも、強固に固着しているため、トルエン等の溶剤を用いた拭き取り操作によっても被膜は維持され、その性能は耐久性に優れるものである。
第3の特徴は、フッ素原子を含まない点である。含フッ素化合物は、優れた撥水性、撥油性を示すが、燃焼すると有毒なフッ化水素を発生するため、廃棄する場合に問題が生じる場合があるが、本発明による化合物は、そのような有害物の発生がなく、安全である。
従って、本発明の防汚性コーティング剤は、自動車、電車のプラスチック製及びセラミックス製窓ガラス、コンピューター、テレビ、プラズマディスプレイ、携帯電話、デジタルカメラ等の各種ディスプレイ、液晶表示装置等の保護フィルム/板、各種計器カバー等の光学部品の表面に、耐久性のある防汚性(汚染防止、汚染物質除去、指紋付着防止性)保護被膜を形成するのに好適に使用できる。
本発明の防汚性コーティング剤は、表面保護機能に優れ、耐久性のある防汚性被膜を形成でき、安全性も高いものである。
本発明の防汚性コーティング剤は、下記一般組成式(I)で表される有機ケイ素化合物を含有する。
Figure 0004502111
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を示し、各Rは同一であっても異なっていてもよい。Xは水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシルオキシ基又はアルケノキシ基、又は−NCO基を示し、Yは−O−、又は炭素数2〜10のアルキレン基、アリーレン基又はこれらが結合した基を示す。aは1〜100の整数、m、p、qは、0.01≦m<1、0≦p<1、0.5≦q<3、0.51≦m+p+q<4を満足する数である。)
ここで、Rの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基等を例示することができる。メチル基を用いると、良好な防汚性が得られ、経済的にも有利なので好ましい。
Xの具体例としては、OH基、Cl等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基、イソプロペノキシ基等のアルケノキシ基、アセトキシ基等のアシルオキシ基、−NCO基(イソシアネート基)等を挙げることができる。
Yは、片末端封鎖ジオルガノポリシロキサン基を加水分解性基を有するオリゴマー状有機ケイ素化合物に結合させるためのスペーサー基を示す。
Yの具体例としては、エーテル性酸素(この場合シロキサン結合を意味する)、−(CH22−、−(CH26−、−(CH28−、−(CH210−、−(CH22−C64−(CH22−、−(CH22−C610−等を挙げることができる。経済的有利性からエーテル性酸素、あるいは−(CH22−が好ましく、特に耐光性を求める場合には、全ての基本骨格がシロキサン結合で形成されているエーテル性酸素であるのが好ましい。
片末端封鎖ジオルガノポリシロキサン基の置換度を表すmは、0.01≦m<1の範囲を満たすのがよい。mが0.01未満では十分な防汚性が得られず、1以上では硬化性が悪くなるため、共に好ましくない。特に好ましくは、0.02≦m≦0.7を満たすのがよい。
pは置換基Rの置換度を示し、0≦p<1の範囲を満たすのがよい。1以上では、硬化被膜の架橋密度が低くなるため被膜の強度が低下し、耐久性が劣るため好ましくない。特に好ましくは、0≦p≦0.7を満たすのがよい。
qは、OH基あるいは加水分解性基の置換度を表わし、0.5≦q<3の範囲を満たすのがよい。0.5未満では、硬化被膜の架橋密度が低くなるため被膜の強度が低下し、耐久性が劣るため好ましくない。3以上では、実質的には有機ケイ素化合物のモノマーを意味し、片末端封鎖ジオルガノポリシロキサン基が処理表面でうまく外側に配向せず、良好な防汚性が得られないため好ましくない。特に好ましくは、1≦q≦2.5を満たすのがよい。
また、m+p+qは、0.51≦m+p+q<4であるが、好ましくは0.6≦m+p+q≦3、特に好ましくは0.8≦m+p+q≦2.5である。
ジオルガノシロキシ単位の重合度を表すaは、a=1〜100の範囲を満たすのがよい。aが1未満では、ジオルガノシロキサン鎖長が短くて十分な防汚性が得られないため好ましくない。aが100を超過すると、処理時に表面での配向が上手く進行しないため満足すべき防汚性が得られず、また表面固定も十分とはいえず耐久性も不足するため好ましくない。より好ましくは、a=1〜50の範囲を満たすのがよい。
これらの条件を満たすものであれば、如何なるものでも使用することができるが、この場合、数平均分子量(Mw)は500〜50,000、特に1,000〜20,000が好ましい。
上記有機ケイ素化合物(I)は、(a)下記一般式(II)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解物と、(b)下記一般式(III)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解物とを、(a)成分と(b)成分をモル比(a)/(b)=1/99〜99/1の割合で用いて、これら成分を(部分)共加水分解・縮合することによって得ることができる。
Figure 0004502111
(式中、R、aは上記と同様の意味を示し、Zはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシルオキシ基又はアルケノキシ基、又は−NCO基を示し、bは0,1又は2である。またnは0,1又は2である。)
なお、本発明において、(部分)加水分解物とは、部分加水分解物又は完全加水分解物又はこれらの混合物であるということを意味する。
ここで、Zは加水分解性基を表し、具体的には、Cl等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基、イソプロペノキシ基等のアルケノキシ基、アセトキシ基等のアシルオキシ基、−NCO基(イソシアネート基)等を挙げることができる。メトキシ基、エトキシ基のシラン化合物が取り扱いやすく、加水分解時の反応の制御もしやすいため、好ましい。
上記一般式(II)に示される有機ケイ素化合物の具体例としては下記のものが挙げられる。
Figure 0004502111
Figure 0004502111
上記一般式(II)に示される有機ケイ素化合物は、下記に示すような、従来公知の方法で合成することができる。
(A)R3Si−(O−R2Si−)a-1−R2Si−Y’−CH=CH2で表される末端に不飽和二重結合を有する化合物(但し、Y’はYから−CH=CH2を除いた残基)と、H−SiRb3-bとを、ヒドロシリル化触媒の存在下、ヒドロシリル化反応を行う方法。
(B)R3Si−(O−R2Si−)a-1−R2Si−Hで表される末端にSi−H基を有する化合物と、
CH2=CH−Y’−SiRb3-bとを、ヒドロシリル化触媒の存在下ヒドロシリル化反応を行う方法。
(C)R3Si−(O−R2Si−)a-1−R2Si−OHで表される末端にSiOH基を有する化合物と、過剰のSiRb4-bとを縮合させ、その後過剰のシランモノマーを減圧下除去する方法。
上記一般式(III)に示される有機ケイ素化合物の具体例としては、SiCl4、Si(OCH34、Si(OC254、Si(OC374、Si(OC494、Si(OCOCH34、Si(NCO)4、(C49O)2Si(OCOCH32、CH3SiCl3、CH3Si(OCH33、CH3Si(OC253、CH3Si(OC373、CH3Si(OC493、CH3Si(OCOCH33、CH3Si(OC(CH3)=CH23、CH3Si(NCO)3、C65Si(OCH33、C611Si(OCH33、C613Si(OCH33、(CH32SiCl2、(CH32Si(OCH32、(CH32Si(OC252、(CH32Si(OC372、(CH32Si(OC492、(CH32Si(OCOCH32、(CH32Si(NCO)2、(C652Si(OCH32等を挙げることができる。
上記一般式(II)の有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解物(a)と上記一般式(III)の有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解物(b)の配合比は、(a)/(b)=1/99〜99/1の範囲のモル比で使用するのがよい。1/99未満では、防汚性を発現する(a)成分の割合が低くなりすぎ、十分な防汚性が得られないため好ましくない。また、99/1を超えると、十分な架橋密度が達成されないため、耐久性が不十分となるため好ましくない。更に好ましくは、(a)/(b)=2/98〜70/30、特に好ましくは、(a)/(b)=3/97〜50/50の範囲で使用するのが好ましい。
なお、前記有機ケイ素化合物以外に、求める諸特性に影響を与えない範囲内において、基材に対する密着性を向上させる目的で、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤類等の化合物を併用、(部分)共加水分解して用いることができる。
これらの化合物を使用する場合、その使用量は、化合物(I)100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましい。
有機ケイ素化合物(II)及び/又はその(部分)加水分解物と、有機ケイ素化合物(III)及び/又はその(部分)加水分解物から選ばれる1種類以上とを、(部分)共加水分解・縮合する方法としては、下記に示したような従来公知の方法を採用できる。
(イ)2種類の原料を混合し、共(部分)加水分解する。必要に応じて(部分)縮合させる。
(ロ)有機ケイ素化合物(II)を加水分解し、ここに有機ケイ素化合物(III)、及び/又はその(部分)加水分解物を加え、共(部分)加水分解する。必要に応じて(部分)縮合させる。
(ハ)有機ケイ素化合物(II)を加水分解したものと、有機ケイ素化合物(III)を加水分解したものとを混合する。必要に応じて(部分)縮合させる。
以上のいずれの方法に準じてもよい。有機ケイ素化合物(II)の加水分解速度がやや遅いため、事前に有機ケイ素化合物(II)を加水分解する(ロ)の方法を採用すると、2種類の成分が均一に組み込まれるため、特に好ましい。即ち、好適な方法は、
(i)上記一般式(II)で表される有機ケイ素化合物を加水分解する、
(ii)そこに、上記一般式(III)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解物を添加する、
(iii)この混合物を(部分)共加水分解・縮合する
という工程を経る方法である。
加水分解・縮合を行うに際して、溶剤を使用してもよい。その具体例としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸エチル等のエステル類、キシレン、トルエン等を示すことができる。
また、加水分解・縮合を行うに際して、従来公知の種々の加水分解・縮合用触媒を使用することができる。具体的には、以下のものを例示することができる。即ち、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、マレイン酸、メタンスルフォン酸等の酸類、NaOH、アンモニア、トリエチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン等のアミン化合物、及びアミン化合物の塩類、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩等の塩基類、フッ化カリウム、フッ化ナトリウムのようなフッ化塩、固体酸性触媒あるいは固体塩基性触媒(例えばイオン交換樹脂触媒等)、鉄−2−エチルヘキソエート、チタンナフテート、亜鉛ステアレート、ジブチル錫ジアセテート等の有機カルボン酸の金属塩、テトラブトキシチタン、テトラ−i−プロポキシチタン、ジブトキシ−(ビス−2,4−ペンタンジオネート)チタン、ジ−i−プロポキシ(ビス−2,4−ペンタンジオネート)チタン等の有機チタンエステル、テトラブトキシジルコニウム、テトラ−i−プロポキシジルコニウム、ジブトキシ−(ビス−2,4−ペンタンジオネート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ(ビス−2,4−ペンタンジオネート)ジルコニウム等の有機ジルコニウムエステル、アルミニウムトリイソプロポキシド等のアルコキシアルミニウム化合物、アルミニウムアセチルアセトナート錯体等のアルミニウムキレート化合物等の有機金属化合物、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノアルキル置換アルコキシシランが例示され、これらを単独で又は混合して使用してもよい。また、これらの触媒は、緻密で強固な硬化被膜を得る目的で、コーティングする際、本防汚性コーティング剤に配合して使用してもよい。
この場合、上記成分(a),(b)の加水分解・縮合を行うに際し、加水分解・縮合用触媒の添加量は、原料100質量部に対して、0.001〜10質量部が好ましい。
加水分解・縮合を行う条件は、室温(25℃)から100℃の温度域で、1分から10日程度反応を行えばよい。前記(ハ)の2種類の加水分解物を混合する系でも、室温で長時間保持している間に、適度に縮合が進行し、均一化するので、事前に十分経時保存すれば、混合する場合でも十分均一化する。
本発明の防汚性コーティング剤は、上記式(I)の有機ケイ素化合物に加え、シリコーン樹脂用縮合触媒及び有機溶剤を含有してもよいが、この場合、本発明の防汚性コーティング剤中の式(I)の有機ケイ素化合物の含有量は、0.01〜10質量%、特に0.1〜5質量%である。また、シリコーン樹脂用縮合触媒としては、上記加水分解・縮合触媒で挙げたものを使用することができるが、その含有量は、防汚性コーティング剤中、0.001〜1質量%、特に0.002〜0.1質量%である。有機溶剤としては、上記加水分解・縮合において挙げた有機溶剤と同様のものが使用し得、その含有量はコーティング剤中90〜99.99質量%、特に92〜99質量%である。
本発明の防汚性コーティング剤に、更に有機系及び無機系の紫外線吸収剤、レベリング剤、系内のpHをシラノール基が安定に存在しやすいpH2〜7に制御するための緩衝剤、例えば、酢酸−酢酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム−クエン酸等の任意成分が含まれていてもよい。
本発明の防汚性コーティング剤によって基材表面に形成される硬化被膜は単分子層以上の膜厚であれば機能する。通常膜厚は0.1nm〜100nm、好ましくは0.5〜30nmとされる。本組成物を基材表面にコーティングする方法としては、ディッピング法、スピンコート法、フローコート法、ロールコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法等特に限定されるものではないが、膜厚の制御を容易に行うことができることから、ディッピング法、スプレー法及びロールコート法で所定の膜厚になるように行うのが好ましい。使用する場合に、前記した反応時に使用可能な溶剤で稀釈して使用することができる。濃度としては0.1〜10質量%まで適用できる。
なお、コーティング膜の硬化条件としては、室温〜300℃の温度で4分〜1週間硬化させると良い。
本発明の防汚性コーティング剤を塗装する透明基材は、ガラス、各種セラミックス、金属、各種プラスチックが好適である。プラスチックの具体例としては、光学的特性に優れるものであれば全て適用可能であるが、ポリカーボネート系樹脂、PET等のポリアルキレンテレフタレート樹脂、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート等の液晶性樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、トリメチルペンテン、ポリビニルノルボルネン等のポリオレフィン樹脂、硫黄を含有する高屈折率樹脂、及びこれらの複合化樹脂を例示することができるが、これに限定されるものではない。特に好ましくは、ポリカーボネート樹脂、PET等のポリアルキレンテレフタレート樹脂、トリアセチルセルロース樹脂である。透明基材は、成型部品、板状、フィルム状いずれでもよい。
本発明の防汚性コーティング剤を塗装する基材表面が、事前に、金属酸化物層あるいはSi−X基(Xは上記の通り)を含有する樹脂層が積層されたものを使用してもよい。プラスチック基材に適用すると、優れた密着性が得られるため、適当である。金属酸化物としては、SiO2、TiO2、ZrO2、InO2、Al23、ZnO、CeO2、SnO2、HfO2、Sb25が好ましい。これらの金属酸化物は、CVD等の蒸着法、スパッタリング、ゾル−ゲル法等によるコーティング等で、基材表面に積層すればよい。また、Si−X基を含有する樹脂としては、シリコーン樹脂で変性したアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の各種有機樹脂、不飽和二重結合を有する加水分解性シラン化合物を共重合したアクリル樹脂、あるいは、Si−X基を含む有機ケイ素オリゴマー、シリコーン樹脂等を使用することができる。なお、金属酸化物層、Si−X基を含有する樹脂層の厚さは、0.01μm〜10μm、特に好ましくは0.1〜5μmである。
本発明の防汚性コーティング剤を被覆した透明基材は、特に光学部品用として好適に利用できるものである。
以下、合成例、及び実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は質量%、部は質量部、本明細書中における平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(以下、GPCという。)によるポリスチレン換算の数平均分子量を示す。
[調製例1]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた3リットルフラスコに、下記有機ケイ素化合物(i)を175g(0.20モル)、t−ブタノール700g、及び固体酸触媒8gを仕込み、25℃で撹拌混合した。ここに、イオン交換水36g(2.0モル)を10分で滴下した。滴下直後は白濁していたが、徐々に発熱し、1時間後には加水分解は完了し、系は透明になった。ここに、テトラエトキシシラン832g(4.0モル)を加えた。1時間室温で撹拌した後、イオン交換水288g(16.0モル)を30分で滴下した。徐々に発熱し、内温は最大55℃まで発熱した。滴下終了後、室温で24時間撹拌した。その後濾過して触媒の固体酸触媒を除去し、コーティング液(1)を調製した。
このものをGPC分析したところ、数平均分子量が9,730であり、単一ピークのものであった。29Si−NMRの解析結果、各構成単位の比率が、M/D/Q−1/Q−2/Q−3/Q−4≒4/36/7/18/21/14であることから、一般式(I)における各パラメーターが、m=0.07、a=9、p=0、q=0.78で表されるレジンの溶液が得られた(但し、R=CH3、Y=O、X=OH、OCH3)。
Figure 0004502111
[調製例2]
有機ケイ素化合物(i)の代わりに、下記有機ケイ素化合物(ii)を488.4g(0.20モル)を使用する以外は、調製例1と同様にして、コーティング液(2)を調製した。
このものをGPC分析したところ、数平均分子量が12,900であり、単一ピークのものであった。一般式(I)における各パラメーターが、m=0.06、a=30、p=0、q=0.80で表されるレジンの溶液が得られた(但し、R=CH3、Y=CH2CH2、X=OH、OCH3、OC25)。
Figure 0004502111
[調製例3]
有機ケイ素化合物(i)の代わりに下記有機ケイ素化合物(iii)を67.6g(0.20モル)、テトラエトキシシラン(4.0モル)の代わりにテトラエトキシシラン20.8g(0.10モル)とメチルトリメトキシシラン13.6g(0.1モル)の混合物を使用する以外は、調製例1と同様にしてコーティング液(3)を調製した。
このものをGPC分析したところ、数平均分子量が3,450であり、単一ピークのものであった。一般式(I)における各パラメーターが、m=0.50、a=1、p=0.25、q=0.76で表されるレジンの溶液が得られた(但し、R=CH3、Y=CH2CH2、X=OH、OCH3、OC25)。
Figure 0004502111
[調製例4]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに、有機ケイ素化合物(i)を175g(0.20モル)、t−ブタノール700gを仕込み、25℃で撹拌混合した。ここに、0.1N塩酸水36g(2.0モル)を10分で滴下した。滴下直後は白濁していたが、徐々に発熱し、1時間後には加水分解は完了し、系は透明になった。これをコーティング液(4)−Aとする。
別の撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた1リットルフラスコに、テトラエトキシシラン832g(4.0モル)を仕込んだ。ここに、0.25N酢酸水288g(16.0モル)を30分で滴下した。徐々に発熱し、内温は最大55℃まで発熱した。滴下終了後、室温で24時間撹拌し、コーティング液(4)−Bを調製した。
この両者を十分混合した後、室温で1週間保存し、コーティング液(4)を調製した。
このものをGPC分析したところ、数平均分子量が8,120であり、単一ピークのものであった。一般式(I)における各パラメーターが、m=0.07、a=9、p=0、q=0.78で表されるレジンの溶液が得られた(但し、R=CH3、Y=O、X=OH、OCH3、OC25)。
[調製例5]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに、下記有機ケイ素化合物(iv)を338g(0.20モル)、t−ブタノール700g、及び固体酸触媒8gを仕込み、25℃で撹拌混合した。ここに、イオン交換水10.8g(0.6モル)を5分で滴下した。滴下直後は白濁していたが、徐々に発熱し、1時間後には加水分解は完了し、系は透明になった。ここにテトラエトキシシラン166.4g(0.8モル)を加えた。1時間室温で撹拌した後、イオン交換水4.2g(0.23モル)を加えた。滴下終了後、60℃で6時間加熱撹拌した。その後濾過して触媒の固体酸触媒を除去し、コーティング液(5)を調製した。
このものをGPC分析したところ、数平均分子量が2,750であり、分子末端がアルコキシ基であり、一般式(I)における各パラメーターが、m=0.20、a=20、p=0、q=1.43で表されるレジンの溶液が得られた(但し、R=CH3、Y=O、X=OH、OCH3、OC25)。
Figure 0004502111
[比較調製例1]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた3リットルフラスコに、上記有機ケイ素化合物(i)を175g(0.20モル)、t−ブタノール700g、及び固体酸触媒8gを仕込み、25℃で撹拌混合した。ここに、イオン交換水36g(2.0モル)を10分で滴下した。滴下直後は白濁していたが、徐々に発熱し、1時間後には加水分解は完了したが、系はやや不透明のままであった。更に、室温で24時間撹拌した。その後濾過して触媒の固体酸触媒を除去し、コーティング液(6)を調製した。
このものをGPC分析したところ、数平均分子量が1,290であり、単一ピークのものであった。一般式(I)における各パラメーターが、m=1.00、a=9、p=0、q=2.1で表されるレジンの溶液が得られた(但し、R=CH3、Y=O、X=OH、OCH3)。
[比較調製例2]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコに、酢酸ブチル97.0g、下記3分岐型有機ケイ素化合物(v)を3.00g(0.0030モル)仕込み、25℃で24時間撹拌混合し、コーティング液(7)を調製した。
Figure 0004502111
[比較調製例3]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに、テトラエトキシシラン312g(1.5モル)とエタノール450gを仕込み、30分間撹拌混合した。ここに、0.004N硝酸水216g(12モル)とエタノール20gを混合したものを添加し、室温で15時間撹拌することにより、シリカゾル溶液を調製した。
下記有機ケイ素化合物(vi)12.5g(0.0032モル)を酢酸エチルに溶解させた(10%)溶液125gとメチルエチルケトン3,500gとを撹拌混合した溶液を、上記シリカゾル溶液に添加し、室温で15時間撹拌してコーティング液(8)を調製した。
Figure 0004502111
[実施例1]
コーティング液(1)100gに、硬化触媒としてアルミニウム・アセチルアセトナートを0.5g、更にエタノールを4900g加えて稀釈し、十分撹拌混合して処理液(1)を準備した。この処理液に、表面を清浄に洗滌したガラス板を浸漬し、250mm/分の速度で引き上げ、塗布した。10分間風乾した後、80℃×60分加熱硬化し、ガラス基板上に硬化被膜を形成した。
得られた硬化被膜に、黒色油性マジックでマーキングを行い、その後ティッシュペーパーで拭き取りを行ったところ、綺麗に拭取れ、汚染物が容易に除去できることが確認できた。次いで、トルエンを含浸させた脱脂綿を用いて、被膜表面を繰返し擦る操作を往復10回行った。新たなトルエンを含浸させた脱脂綿に交換し、同様な操作を合計3回行った。その後、再度黒マジックインキ試験を行ったが、綺麗に拭取れ、この被膜に耐久性があることが確認できた。
この硬化被膜の水接触角を測定したところ、103°と良好な撥水性を示した。この被膜に、前記と同様なトルエン含浸脱脂綿拭取り処理を実施した後、水接触角を測定したところ、103°と同じ値を示した。また、往復式引掻き試験機((株)ケイエヌテー製)にネル布を装着し、荷重1.2kgf/cm2下で、500往復させた後、再度水接触角を測定したところ、103°と同じ値を示した。このように、本硬化被膜は耐久性のある優れた撥水性を示すことが確認された。
[実施例2〜5、比較例1〜3]
コーティング液(1)の代わりに、コーティング液(2)〜(6)を用いて、下記の配合に基づき、実施例1と同様な試験を行った。コーティング液(7),(8)については、そのままコーティングを行った。その結果を表1に纏める。
表中、触媒の欄のAlはアルミニウム・アセチルアセトナートを意味し、Pは無水リン酸を意味する。但し、添加量は同量である。
耐マジックインキ性の欄の○は容易に除去できたことを示し、×は完全に除去できずに跡が残ったことを示す。
Figure 0004502111
[実施例6]
ポリカーボネート板に、アクリル樹脂系プライマーPC−7A(商品名、信越化学工業(株)製)を、硬化膜厚=3μmになるように塗布、硬化させた。この上に、コーティング液(1)を実施例1と同様に稀釈・配合を行い、新たに調製したコーティング液を用いて、被覆処理を行った。実施例1と同様な試験を行った結果を表2に示す。
Figure 0004502111

Claims (11)

  1. 下記一般組成式(I)で表される有機ケイ素化合物を含有する防汚性コーティング剤。
    Figure 0004502111
    (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を示し、各Rは同一であっても異なっていてもよい。Xは水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシルオキシ基又はアルケノキシ基、又は−NCO基を示し、Yは−O−、又は炭素数2〜10のアルキレン基、アリーレン基又はこれらが結合した基を示す。aは1〜100の整数、m、p、qは、0.01≦m<1、0≦p<1、0.5≦q<3、0.51≦m+p+q<4を満足する数である。)
  2. 有機ケイ素化合物(I)が、(a)下記一般式(II)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解物と、(b)下記一般式(III)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解物とを、(a)成分と(b)成分をモル比(a)/(b)=1/99〜99/1の割合で用いて、これら成分を(部分)共加水分解・縮合することによって得られたものである請求項1記載の防汚性コーティング剤。
    Figure 0004502111
    (式中、R、aは上記と同様の意味を示し、Zはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシルオキシ基又はアルケノキシ基、又は−NCO基を示し、bは0,1又は2である。またnは0,1又は2である。)
  3. 有機ケイ素化合物(I)が、
    (i)上記一般式(II)で表される有機ケイ素化合物を加水分解する、
    (ii)そこに、上記一般式(III)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解物を添加する、
    (iii)この混合物を(部分)共加水分解・縮合する
    という工程を経て調製される請求項2記載の防汚性コーティング剤。
  4. ジオルガノシロキシ単位(−O−SiR2−)の重合度aが1〜50である請求項1,2又は3記載の防汚性コーティング剤。
  5. 有機置換基Rが全てメチル基である請求項1〜4のいずれか1項記載の防汚性コーティング剤。
  6. 更に、シリコーン樹脂用縮合触媒を含む請求項1〜5のいずれか1項記載の防汚性コーティング剤。
  7. 更に、有機溶媒を含む請求項1〜6のいずれか1項記載の防汚性コーティング剤。
  8. 基材に直接又は他の層を介して請求項1〜7のいずれか1項記載の防汚性コーティング剤の硬化被膜が防汚性保護膜として形成された被覆物品。
  9. 他の層が、金属酸化物層又はSi−X基(Xは水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシルオキシ基又はアルケノキシ基、又は−NCO基を示す。)を含有する樹脂層からなる請求項8記載の被覆物品。
  10. 基材がプラスチック、金属、ガラス又はセラミックである請求項8又は9記載の被覆物品。
  11. 光学部品用の透明物品である請求項8,9又は10記載の被覆物品。
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