JP6557856B2 - 樹脂組成物およびその製造方法、それを用いた製品 - Google Patents

樹脂組成物およびその製造方法、それを用いた製品 Download PDF

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Description

本発明は、撥水性があり、長寿命な樹脂組成物とその製造方法、それを用いた製品に関するものである。
ガラスや金属材料、樹脂材料は、粒状、板状、繊維状あるいはブロック状など様々な形状に成形され、製品の一部を構成している。
製品によっては、製品の表面に、撥水性や撥油性が要求される場合がある。一般的な手段としては、これらの製品の表面に表面処理剤を塗布し処理することで、製品に撥水性、撥油性を付与することで対応されている。代表的な例としては、疎水性官能基含有のアルコキシシランによる表面処理や、4フッ化エチレン樹脂に代表されるフッ素系樹脂の表面への塗布が知られている。
ところが、シランカップリング剤による表面処理は簡便ではあるものの、分子層一層による薄い処理のため耐久性に問題がある。
また、フッ素系樹脂は、一般的な溶媒には不溶であり、また、軟化点が高く取り扱いが困難である。
よって、簡便に耐久性の撥水膜を形成することが出来ないという課題がある。このような課題を解決する手段として、特許文献1では、シロキサン化合物をガラス表面に塗布または浸漬し塗膜を形成する。
特許文献2では、フルオロアルキルシラン化合物を出発原料とし、ガラス上において、ゾルゲル法または化学吸着法により、フッ素含有アルキル酸化ケイ素膜をガラス表面に形成させて撥水性を得る技術が開示されている。
また、特許文献3では、フッ素原子含有のアルコキシシラン化合物の層でガラスを被覆する方法が開示されている。
特開平1−126244号公報 特開平4−338147号公報 特許第4022598号公報
以上のような課題解決に向けた取組みは知られているものの、以上の方法では加熱処理や化学吸着作業などが必要であり、簡便に撥水膜を形成することができない。
本発明の課題は、加熱処理や化学吸着作業などをせず、簡便に撥水膜を形成し、長寿命な樹脂組成物とその製造方法、それを用いた製品を提供することである。
上記課題を解決するため、反応性有機官能基の重合鎖で繋がった複数の第一の金属アルコキシドと、複数の第一の金属アルコキシドと脱水縮合した第二の金属アルコシキドと、第二の金属アルコシキドに結合した少なくとも1個以上のフッ素原子を含有した有機官能基と、を含む樹脂組成物を用いる。
反応性有機官能基を有する第一の金属アルコキシドの反応性有機官能基を予め重合させる重合工程と、重合工程の重合物を、少なくとも1個のフッ素原子を含有する有機官能基を有する第二の金属アルコキシドに膨潤させ、膨潤液のゾルゲル反応をさせるゾルゲル工程と、を含む樹脂組成物の製造方法を用いる。
さらに、上記樹脂組成物をその表面に有する製品を用いる。
本発明の樹脂組成物は、反応性有機官能基を有するアルコキシシラン化合物の少なくとも一種類を原料とし、反応性有機官能基同士の重合と、シロキサン骨格と、フッ素原子が結合した官能基と、からなる架橋密度の高い重合体である。
このため、加熱処理や化学吸着作業を必要とせず、撥水性と耐久性が高く、基材表面にコーティング膜として形成することで長寿命な撥水膜とすることが出来る。
以下、本発明の実施の形態を細に説明する。
(実施の形態1)
(1)原料
樹脂組成物の原料としては、限定するものではないが、少なくとも1種類の反応性有機官能基を有する第1のアルコキシシランを出発原料とする。
出発原料として、非反応性有機官能基を有するアルコキシシランを適宜配合してもよい。実施の形態における樹脂硬化物は、アルコキシシランのシリコン原子に結合した反応性有機官能基の反応と、それに続くアルコキシ基の加水分解と脱水縮合により形成される。つまり、液相中でのゾル−ゲル法によって形成される。
反応性有機官能基としては、光や熱などにより重合反応するものであれば限定するものではなく、複数種類の反応性有機官能基の組合せでもよい。しかし、本実施の形態1例では、反応性有機官能基がグシリドキシプロピル基(化1)であり、アルコキシ基がメトキシ基であるグリシドキシプロピルトリメトキシシランとしている。
Figure 0006557856
(2)オリゴマー化とゾル溶液の調整
まず、グリシドキシプロピルトリメトキシシランを低濃度の塩基性触媒の存在下で、グリシドキシ基同士を開環重合させ、オリゴマー(化2)とする。
Figure 0006557856
次に、オリゴマーに、第二のアルコキシシランを添加する。オリゴマーがゲル状態となっている場合には、第二のアルコキシシランにオリゴマーを膨潤させることで膨潤液とする。
第二のアルコキシシランは、2種類以上のアルコキシシランの液体の混合物でも良いが、少なくとも1種類にはフッ素原子が結合した有機官能基が結合している。加水分解を促進するため、酸性触媒を添加してもよい。上記手法により調整した液体をゾル溶液とする。
(3)塗布と硬化
上記の様にして得られたゾル溶液を限定するものではないが、例えば、ゾル溶液を、ガラスや樹脂、金属などの固体表面に塗布し、大気中で乾燥させる。塗布後、液体は空気中の水に触れることとなり、ゾル溶液中のアルコキシ基の加水分解とそれによって生じるシラノール同士の脱水縮合反応を進行させる。
このことにより、ゾルゲル硬化物を得ることができる。このようにして作製された硬化物は、シロキサン骨格を基本とした硬化物であり、シロキサン骨格中のシリコン原子に結合した反応性有機官能基同士も、また、反応し重合した硬化物であり、かつ、一部のシリコン原子にはフッ素原子が結合した有機官能基が結合している(化3)。化3で、Rはフッ素原子が結合した有機官能基を示す。
Figure 0006557856
<第一のアルコキシシラン>
ここで、第一のアルコキシシランは反応性有機官能基を有するという観点から、p、q、r、l、m、nがいずれも整数であり、且つp+q+rおよびl+m+nがいずれも1〜3の整数であり、かつp+q+r+l+m+n=4として、XSi(OR(OR(ORにより表されるアルコキシシランである。
X、Y、Zは限定するものではないが、たとえばグリシドキシプロピル基や、エポキシシクロヘキシル基などの環状エーテルおよびその誘導体含有基、スチリル基、アクリレート基、メチルメタクリレート基、ビニル基、アルキニル基やこれら2重結合または3重結合含有構造の誘導体やそれらの含有基、チオールプロピル基、アミノプロピル基などとすることができる。
光反応、熱反応あるいはそれらの組合せなど重合反応誘起方法を適宜選択することが出来る。
また、これらのX、Y、Zは互いに異なる官能基であっても良い。特に、チオールプロピル基やアミノプロピル基は、グリシドキシプロピル基を重合させることができることから、グリシドキシプロピル基と好適に混合し用いることができる。
ゾルゲル硬化体の重合は、一般に、アルコキシシランの場合、そのアルコキシ基の加水分解により生成するシラノール基同士の脱水縮合によって行われる。しかし、アルコキシシランの分子に上記反応性官能基が結合していると、シラノール基同士の脱水縮合とは別に、反応性有機官能基が重合することで最終的に形成されるゾルゲル硬化体の架橋密度が高くなることとなり、耐久性の高い有機−無機ハイブリッド材料となる。
例えば、グリシドキシプロピル基やエポキシシクロヘキシル基など環状エーテル基の場合には、加熱により3員環の開環重合でポリエーテル構造を形成することが出来る。
また、スチリル基、アクリレート基、メチルメタクリレート基、ビニル基およびその誘導体の場合には、ラジカル重合によりゾルゲル硬化体中にポリオレフィン構造を形成することができる。
チオールプロピル基やアミノプロピル基の場合には、グリシドキシプロピル基と併用することにより、グリシドキシプロピル基の重合を促進させることができる。
、R、Rは限定するものではないが、炭素数1〜5のアルキル基とすることができ、OR、OR、ORとして具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペントキシ基およびこれらの異性体等が挙げられる。
中でも加水分解が容易に起こり、反応を制御し易いという観点から炭素数1のメトキシシラン及び炭素数2のエトキシシランが好ましい。炭素数が6より大きいと、アルコキシ基が大きくなることによる立体障害のために分子同士が接近しにくくなり、反応性有機官能基同士の重合が妨げられる。
<第二のアルコキシシラン>
ここで、第二のアルコキシシランとしては、p、q、r、l、m、nがいずれも整数であり、且つp+q+rおよびl+m+nがいずれも1〜3の整数であり、かつp+q+r+l+m+n=4として、ESi(OR(OR(ORにより表されるアルコキシシランである。
、R、Rは、上記と同様の炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。
E、F、Gとしては限定するものではないが、少なくとも1個のフッ素原子が含有されている有機官能基とすることができ、一般式C2s+1−2t−4uで表される官能基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子に置き換えられたものである。
sは1〜20とすることがでる。フッ素原子が含有されていれば、最終的に撥水膜とすることが可能であるという観点からsは1より大きいと良いが、sが20より大きい官能基では、立体障害が大きくなり重合によりゾルゲル硬化体が形成される際に重合が阻害され、重合体の形成が困難となるためである。
tは、官能基中の2重結合と環構造の数の合計である。
uは、3重結合の数である。
E、F、Gは、すべて同一でも異なっていても良い。具体的にはパーフルオロオクチルエチル基、トリフルオロプロピル基や、メチル基、エチル基、ビニル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、アリル等の炭化水素基の少なくとも1個の水素原子がフッ素原子に置き換わったフルオロ炭化水素基等が挙げられる。
また、第二のアルコキシシランとしては、上記条件を満たすアルコキシシラン同士の混合物であってもよいし、少なくとも1種類のアルコキシシランが上記条件をみたしていれば、他のアルコキシシランはフッ素原子を含有していなくても良い。
その際、フッ素原子を含有しないアルコキシシランとしては、限定するものではないが、上記アルコキシシランの水素原子がフッ素原子に置き換わっていないものとすることができる。
<樹脂組成物の製造方法>
実施の形態1の製造プロセスとしては、例えば、次に説明するような、工法が可能である。まずは、反応性有機官能基を有する第一のアルコキシシランからオリゴマーを調整し、次に、これに第二のアルコキシシランを添加し、ゾル溶液を調整する。
具体的な製法を以下に述べる。
(1)オリゴマーの調製
反応性有機官能基として、グリシドキシ基を有するグリシドキシプロピルトリメトキシシラン30g(第一のアルコキシシラン)と、アミン触媒1gとの混合溶液を作製する。密閉系において、24時間室温で放置する。グリシドキシプロピル基同士の重合を促進させ、オリゴマーとした。
反応性有機官能基としては限定するものではなく、他に、エポキシシクロヘキシル基、スチリル基、アクリレート基、メチルメタクリレート基、ビニル基、チオールプロピル基、アミノプロピル基などとすることが出来、2種類以上の組合せでも良い。
スチリル基、アクリレート基、メチルメタクリレート基、ビニル基およびその誘導体の場合には、ラジカル重合によりゾルゲル硬化体中にポリオレフィン構造を形成することができるのでよい。
チオールプロピル基やアミノプロピル基の場合には、グリシドキシプロピル基と併用することにより、グリシドキシプロピル基の重合を促進させることができるのでよい。
アミン触媒は、グリシドキシ基を開環重合させることのできるものであれば限定するものではない。たとえば、鎖状脂肪族アミンとして、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロプレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、環状脂肪族アミンとして、N−アミノエチルピペラジン、メンセンジアミン、イソフオロジアミン、芳香族アミンとして、m−キシレンジアミン、アミンブラック、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどとすることができる。
(2)ゾル溶液の調製
室温でオリゴマー12.0gに、第二のアルコキシシランとしてトリフルオロプロピルトリメトキシシランを16.4g添加する。密閉系において、24時間放置し、ゾル溶液とする。
(3)ゾルゲル硬化物の形成
ゾル溶液を、例えば、ガラスなどの表面に適量滴下し、大気中において少なくとも1時間以上放置し硬化させる。滴下されたゾル溶液において、原料であるアルコキシシラン由来のアルコキシ基が大気中の水分子により加水分解されシラノール基となる。さらに、シラノール基同士の脱水縮合により、シロキサン骨格が形成される。
結果として、上記プロセス(1)において形成された反応性有機官能基同士の重合鎖と、シロキサン骨格とが混在し、トリフルオロプロピル基が一部のシリコン原子に結合したものとなる。結果、全体として架橋点密度が高い3次元ネットワークポリマー構造となり、硬化物中のフッ素原子の存在により撥水性の高いゾルゲル硬化物になる。
<比較例>
比較例として、トリフルオロプロピルトリメトキシシランにより表面処理したガラス面を作製した。すなわち、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン3mlと水0.85mlと酢酸46.6ulとを混合した液を、エタノール15mlで希釈し、処理液を作製する。この処理液を、ガラス上で塗布乾燥させ、105℃の環境下において、1時間硬化させた表面を作製した。
<評価>
形成されたゾルゲル硬化物被膜上において、接触角を測定した場合、本実施例の硬化物では、初期において、接触角80度、比較例の硬化物では85度となった。
これらの表面を気温85℃、湿度85%において100hr放置後に再び接触角を測定したところ、本実施例では79度、比較例では62度となった。つまり、本実施例では比較例より長寿命に撥水性が維持されており、信頼性の高い撥水面であるといえる。
(実施の形態2)
実施の形態1と異なるところは、出発原料の少なくとも一つである反応性有機官能基を有する第一のアルコキシシランにおける反応性有機官能基がラジカル重合性官能基であることであり、その他は実施の形態1と同様である。
(1)オリゴマーの調製
反応性有機官能基としてスチリル基を有するスチリルトリメトキシシラン(化4)30gと、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.1gの混合溶液を作製した。溶液に紫外線を約1分間照射し、スチリル基同士のラジカル重合を促進させ、オリゴマー(化5)とした。
Figure 0006557856
Figure 0006557856
<反応性有機官能基>
反応性有機官能基としてはラジカル重合が可能なものであれば限定するものではない。他のラジカル重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニルアリール基、ビニルエーテル基、ビニルオキシカルボニル基等のラジカル重合性基を1分子内に1つ以上有する化合物等を挙げることができる。2種類以上の組合せでも良い。
本実施形態において重合開始剤は添加してもよく、添加しなくともよい。
<重合開始剤>
重合開始剤としては、限定するものではないが公知の熱重合開始剤、光重合開始剤などのラジカル重合を誘起するものを使用することができる。
熱重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾ化合物(アゾ系ラジカル重合開始剤)などが挙げられる。有機過酸化物としては、ケトンパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類(過酸化ベンゾイルなど)、パーカーボネート類、ハイドロパーオキシド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類などが例示される。アゾ化合物としては、例えば、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチルなどが挙げられる。
これらの中でも、有機過酸化物、特にラジカル重合性樹脂組成物を硬化させる際に気泡が発生しないという観点から過酸化ベンゾイル等のジアシルパーオキシド類などのパーオキシド系ラジカル重合開始剤を好適に使用することができる。
光重合開始剤としては、例えば、ジメトキシアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケトン、アセトフェノンベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ジフェニルジサルファイト、ジメトキシフェニルアセトフェノン等を挙げることができ、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性樹脂組成物に重合開始剤を添加する場合、その添加量としては、ラジカル重合性樹脂組成物中のラジカル重合性化合物(ラジカル重合性樹脂と他のラジカル重合性化合物の総重量)に対して0.01〜50重量%程度である。
重合度と第二のアルコキシシランへの膨潤速度が適当であるという観点から、その添加量は、好ましくは0.1〜20重量%程度である。
重合開始剤の添加量が0.01重量%より小さいと、反応性有機官能基を十分に重合させることができず、50重量%より大きいと反応性有機官能基の重合が進みすぎ、第二のアルコキシシランへの膨潤が困難となる。
尚、その添加量が、0.1〜20重量%の場合を、0.01重量%以上0.1重量%未満の場合と比較すると、反応性有機官能基の重合が進んでおり、後述するゾルゲル硬化物の形成の際に3次元架橋がより進み、より強固で信頼性の高いゾルゲル硬化物となる。
また、その添加量が、0.1〜20重量%の場合を、20重量%より大きく50重量%以下の場合と比較すると、重合が進みすぎておらず、20重量%以上50重量%以下の場合と比較し、膨潤時間を約24時間以内とすることができる。
(2)ゾル溶液の調製
室温でオリゴマー12.0gに第二のアルコキシシランとしてパーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン4.0gとジメチルジメトキシシラン4.0gの混合液体を添加し、密閉系において24時間放置し、ゾル溶液とする。
(3)ゾルゲル硬化物の形成
ゾル溶液を例えばガラスなどの表面に適量滴下し、大気中において少なくとも1時間以上放置し硬化させる。滴下されたゾル溶液において、原料であるアルコキシシラン由来のアルコキシ基が大気中の水分子により加水分解されシラノール基となり、さらにシラノール基同士の脱水縮合により、シロキサン骨格が形成される。
結果として、上記プロセス(1)において形成された反応性有機官能基同士の重合鎖とシロキサン骨格が混在し、パーフルオロオクチルエチル基が一部のシリコン原子に結合した全体として架橋点密度が高い3次元ネットワークポリマー構造からなり、硬化物中のフッ素原子の存在により撥水性の高いゾルゲル硬化物によって表面が被覆されることとなる。
<比較例>
比較例として、公知の方法でパーフルオロオクチルエチルトリメトキシシランにより表面処理したガラス面を作製した。すなわちトリフルオロプロピルトリメトキシシラン3mlを、水0.42mlと酢酸46.6ulで処理した液をエタノール15mlで希釈した処理液を作製し、この処理液をガラス上で塗布乾燥させ、105℃環境下において1時間硬化させた表面を作製した。
<評価>
形成されたゾルゲル硬化物被膜上において、接触角を測定した場合、本実施例では初期において接触角84度、比較例では87度となった。これらの表面を気温85℃、湿度85%において100hr放置後に再び接触角を測定したところ、本実施例では83度、比較例では69度となった。つまり、本実施例では比較例より長寿命に撥水性が維持されており、信頼性の高い撥水面であるといえる。
(なお書き)
実施の形態は組み合わせることができる。上記は、アルコキシドが、アルコキシシラン(金属がケイ素)の場合を説明したが、ケイ素が、例えば、チタンやジルコニウムの場合も同様である。
上記樹脂組成物は、部品、機器、製品の表面に形成され、それら表面の撥水性、耐久性を改善できる。
広く機器、製品の表面処理のコート剤として利用される。さらに、部品、部材の表面処理のコート剤として利用される。

Claims (2)

  1. 反応性有機官能基を有する第一のアルコキシシランの反応性有機官能基を予め重合させる重合工程と、
    前記重合工程の重合物を、少なくとも1個のフッ素原子を含有する有機官能基を有する第二のアルコキシシランに膨潤させ、膨潤液のゾルゲル反応をさせるゾルゲル工程と、を含む樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記ゾルゲル工程では、溶剤を用いず、前記重合物を、前記第二のアルコキシシランに膨潤させる請求項1記載の樹脂組成物の製造方法。
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