JP2009137050A - 離型剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】1回の処理で繰り返し成形できる回数を大幅に増大させることができ、しかも、1回の処理が容易で短時間に行うことができるとともに、追加処理も可能な離型剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)液状化シリコーンレジン、(B)ウレタン樹脂系水性エマルジョンまたはウレタン樹脂系水性分散物、並びに(C1)分子鎖末端に少なくとも1つのエポキシ基を有するシランおよび/またはその部分加水分解物、または(C2)分子鎖末端に少なくとも1つのメタクリロキシプロピル基を有するシランおよび/またはその部分加水分解物を含有する離型剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム、プラスチックなどの成形品の成形型に用いられる離型剤組成物に関する。
従来、ゴム、プラスチック、これらの複合材料などからなる成形品を加熱加圧成形もしくは加硫成形する際には、成形品の金型や樹脂型からの取り出しを容易にするため、離型剤を金型や樹脂型の内面もしくは加硫前の成形品表面に予め塗布することが行われている。
上記離型剤としては、シリコーンエマルジョンや、シリコーンエマルジョンにマイカ、タルクなどの滑性の大きい無機化合物の粉体を添加したものなど、エマルジョン系の離型剤が知られており、使い易いうえに安全性も高いことから、広く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、このような従来のエマルジョン系離型剤は、離型効果が長く持続せず、1回乃至数回程度の成形の繰り返しで、その効果が失われてしまうという問題があった。このため、通常、1回の成形毎、少ない場合でも2、3回の成形毎に離型剤を塗布しているのが実状で、効率が悪いばかりでなく、製品のコストアップの要因にもなっている。
このような問題を解決するため、硬化型のシリコーンを用いて成形型の内面に離型性皮膜を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、その効果が十分でないうえ、皮膜の硬化に時間がかかり、さらに、離型効果が失われた場合の追加処理が困難であるという問題があった。
この問題を解決するため、シリコーンエマルジョン、ウレタン樹脂のエマルジョンなどの有機樹脂エマルジョンとシランなどの組み合わせによる方法が考案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、シリコーンオイルのエマルジョンでは、シリコーンオイルの消耗が激しく、長期間の離型を維持することは困難であった。
特開2002−248630号公報 特開昭59−106948号公報 特開2005−125656号公報
本発明は上記従来の事情に対処してなされたもので、1回の処理で繰り返し成形できる回数を大幅に増大させることができ、しかも、1回の処理が容易で短時間に行うことができるとともに、追加処理も可能な離型剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するべく鋭意検討した結果、液状化シリコーンレジンが簡単な混合撹拌でウレタン樹脂系のエマルジョンまたは水分散物に安定な状態で分散しすることを見出し、この液状化シリコーンレジンの配合により、前記の問題点を解決した優れた性能を有する水系の離型剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(A)液状化シリコーンレジン
(B)ウレタン樹脂系水性エマルジョンまたはウレタン樹脂系水性分散物、並びに
(C1)分子鎖末端に少なくとも1つのエポキシ基を有するシランおよび/またはその部分加水分解物、または(C2)分子鎖末端に少なくとも1つのメタクリロキシプロピル基を有するシランおよび/またはその部分加水分解物
を含有することを特徴とする離型剤組成物である。
本発明の離型剤組成物は、従来のエマルジョン系離型剤のように1回乃至数回程度の成形の繰り返しで離型効果が失われるようなことはなく、1回の処理で多数回繰り返し成形することができる。しかも、従来の硬化型シリコーンを用いる場合のように処理に時間がかかることはなく、追加処理も容易に行うことができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる(A)成分の液状シリコーンレジンは、離型作用を与える成分で塗布後反応し離型皮膜中で均一に分散した状態で固形化する。これにより、離型成分が皮膜中に定着し流出することが防止されため離型耐久性が向上する。
(A)成分の液状シリコーンレジンは、
RSiO3/2 単位(ここでRは互いに同一又は異種の置換または非置換の1価炭化水素基を示す)およびR2SiO2/2 単位(ここでRは、前記と同様の基を示す)からなり(その比率はR2SiO2/2 単位/RSiO3/2 単位で示されるモル比が0〜1.5)、末端が(R1O)aR(3-a)SiO1/2単位(ここで、Rは前記と同様の基、R1は、互いに同一または異種の置換または非置換の1価炭化水素基、aは2または3の整数を示す。)で封止され、25℃における粘度が100〜100,000mPasであるアルコキシ末端ポリオルガノシロキサンおよび
RSiO3/2 単位(ここでRは互いに同一又は異種の置換または非置換の1価炭化水素基を示す)およびR2SiO2/2 単位(ここでRは、前記と同様の基を示す)からなる(その比率はR2SiO2/2 単位/RSiO3/2 単位で示されるモル比が0〜1.5)常温で固形のポリオルガノシロキサンを
一般式RSi(OR1)3
(ここでRおよびR1は前記と同様の基を示す)で示されるシランおよびシランの部分加水分解物により得られる25℃における粘度が10〜100mPasの硬化性オルガノシロキサンオリゴマー
に溶解したものに代表されるもので、更には、
(I):RSiO3/2 単位(ここでRは互いに同一又は異種の置換または非置換の1価炭化水素基を示す)およびR2SiO2/2 単位(ここでRは、前記と同様の基を示す)からなり(その比率はR2SiO2/2 単位/RSiO3/2 単位で示されるモル比が0〜1.5)、末端が(R1O)aR(3-a)SiO1/2単位(ここで、Rは前記と同様の基、R1は、互いに同一または異種の置換または非置換の1価炭化水素基、aは2または3の整数を示す。)で封止され、25℃における粘度が100〜100,000mPasであり、IR(赤外分光法)分析で測定されるシラノール基の吸収ピーク量がCHの吸収ピーク量の1/10に以下に制御されたアルコキシ末端ポリオルガノシロキサン
あるいは
(II):(A-1) RSiO3/2 単位(ここでRは互いに同一又は異種の置換または非置換の1価炭化水素基を示す)およびR2SiO2/2 単位(ここでRは、前記と同様の基を示す)からなり(その比率はR2SiO2/2 単位/RSiO3/2 単位で示されるモル比が0〜1.5)、末端が(R1O)aR(3-a)SiO1/2単位(ここで、Rは前記と同様の基、R1は、互いに同一または異種の置換または非置換の1価炭化水素基、aは2または3の整数を示す。)で封止され、25℃における粘度が100〜100,000mPasであり、IR(赤外分光法)分析で測定されるシラノール基の吸収ピーク量がCHの吸収ピーク量の1/10に以下に制御されたアルコキシ末端ポリオルガノシロキサンを含有するシリコーン樹脂 100重量部
(A-2) 一般式RSi(OR1)3
(ここでRおよびR1は前記と同様の基を示す)で示されるシランの部分加水分解物により得られる25℃における粘度が10〜100mPasの硬化性オルガノシロキサンオリゴマー 0.1〜200重量部
を含有し、その混合液粘度が25℃において50〜5000mPasであるシリコーン樹脂である。
本発明に用いるアルコキシ末端ポリオルガノシロキサンは、3官能シロキサン単位(RSiO3/2 単位)と2官能シロキサン単位(R2SiO2/2単位)からなり、末端に2個または3個のアルコキシ基を有するシロキサン単位( (R1O)aR(3-a)SiO1/2単位)で封止されたポリオルガノシロキサンであり、本発明のシリコーン樹脂組成物の主成分となるものである。ここで、上記シロキサン単位の式において、R は互いに同一または異種の置換または非置換の1価炭化水素基を示し、R としてはメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、1−イソブチル−3,5 −ジメチルヘキシル基、オクタデシル基などのアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ブタジエニル基、ヘキサジエニル基などのアルケニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロ−2,4 −ヘキサジエニル基などのシクロアルケニル基、フェニル基、トリル基、メシチル基、キシリル基、ナフチル基などのアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、スチリル基などのアラルキル基、およびこれらの基の水素原子がハロゲン原子などで置換されたクロロメチル基、 3,3,3−トリフルオロプロピル基、 3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチル基、パークロロフェニル基、 3,4−ジブロモ−1−クロロヘキシル基、2,2,2−トリフルオロトリル基、 2,4−ジブロモベンジル基、ジフルオロモノクロロビニル基、 2,3,3−トリフルオロ−2−クロロシクロブチル基、2−ヨードシクロヘキセニル基などが例示される。これらの中でも、得られる被膜の離型性、撥水性が良好なことから、アルキル基、アリル基、フロロアルキル基が好ましく、特にメチル基、フェニル基が好ましい。またR1はR と同様な基が例示され、中でも得られる組成物の良好な硬化性と貯蔵安定性が得られることから、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基が好ましく、特にメチル基、エチル基が好ましい。またアルコキシ基を有するシロキサン単位において、アルコキシ基の数を示すa は、2または3の整数であり、このようなシロキサン単位で封止したアルコキシ末端ポリオルガノシロキサンを含有することにより、本発明の組成物は硬化触媒を配合した場合でも良好な貯蔵安定性が得られ、また良好な特性を有する被膜が得られる。RSiO3/2 単位とR2SiO2/2単位の比率は、R2SiO2/2単位/RSiO3/2 単位で示されるモル比が0〜1.5 、特に 0.5〜1.0 の範囲にあることが、得られる被膜の耐久性、耐汚染性などが良好なものとなり好ましい。本発明に用いるアルコキシ末端ポリオルガノシロキサンにおいて、R2SiO2/2単位は必ずしも必須ではないが、上記モル比の範囲でRSiO3/2 単位と併用することが好ましい。
本発明のアルコキシ末端ポリオルガノシロキサンは、従来公知の方法によって製造されている水酸基含有ポリオルガノシロキサン樹脂をアルコキシシランと反応させることにより得られる。ここで用いられる水酸基含有ポリオルガノシロキサン樹脂は、本発明のアルコキシ末端ポリオルガノシロキサンのシロキサン単位に対応させて、加水分解性基が2個のシランと3個のシランと2官能シロキサン単位からなる環状シロキサンとを混合して加水分解し縮合させても得られ、あるいはさらにそれぞれのシランまたはシロキサンを別々に加水分解・縮合したのちに、得られたそれぞれの縮合物を混合してさらに縮合させることによっても得られることができる。原料となるシランの加水分解性基としてはハロゲン原子、アルコキシ基、アセトキシ基、オキシム基、アミノキシ基、アミノ基、アミド基などが例示され、加水分解の制御がしやすいことから、アルコキシ基、特にエトキシ基が好ましい。また環状シロキサンとしてはヘキサオルガノシクロトリシロキサン、オクタオルガノシクロテトラシロキサン、デカオルガノシクロペンタシロキサンなどが例示され、特にヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどが好ましく使用される。本発明に用いるアルコキシ末端ポリオルガノシロキサンは、上記のようにして得られる水酸基含有ポリオルガノシロキサン樹脂を、アルコキシ基を3個または4個有するアルコキシシランと反応させ、末端を(R1O)aR(3-a)SiO1/2単位(ここでa は2または3の整数) で封止することにより得られる。アルコキシ基を3個または4個有するアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、メチルトリ(メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、 3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどのトリアルコキシシラン、メチルオルソシリケート、エチルオルソシリケート、プロピルオルソシリケート、ヘキシルオルソシリケートなどのオルソシリケートが例示され、本発明の組成物を硬化させたときに得られる被膜の硬度、離型性が好ましいものとなることから、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルオルソシリケート、エチルオルソシリケートが好ましく、また得られる被膜の撥水性が良好なものとなることから、 3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランが好ましく使用される。アルコキシ末端ポリオルガノシロキサンは、上記のように水酸基含有ポリオルガノシロキサン樹脂とアルコキシシランを反応させることにより得られ、これらの原料の配合量としては、末端封止が効率よく行なわれ、また水酸基含有ポリオルガノシロキサン樹脂のゲル化が起きにくいことから、水酸基含有ポリオルガノシロキサン樹脂 100重量部に対してアルコキシシランを30重量部以上使用することが好ましく、また未反応のアルコキシシランを除去して生成物の樹脂を得る場合の樹脂の収量が良好なものとなることから、70重量部以下とすることが好ましい。特に40〜60重量部とすることが好ましい。
水酸基含有ポリオルガノシロキサン樹脂とアルコキシシランの反応においては、触媒を使用することが好ましい。このような反応触媒としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、あるいは塩基性金属塩類が例示され、具体的には水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の酸化物、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸マグネシウムなどの塩基性金属塩を例示することができる。また、その他の触媒として、アルミニウムキレート化合物、有機チタン化合物、有機スズ化合物、アミノアルキルアルコキシシラン、アンモニウム塩なども使用できる。アルミニウムキレート化合物としてはアルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセテート)アルミニウムトリス(エチルアセトネート)、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートなどが例示される。有機チタン化合物としてはテトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタンなどが例示される。有機スズ化合物としてはジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート、オクトエ酸第一錫、ナフテン酸第一錫、オレイン酸第一錫、イソ酪酸第一錫、リノール酸第一錫、ステアリン酸第一錫、ベンゾール酸第一錫、ナフトエ酸第一錫、ラウリン酸第一錫、o−チム酸第一錫、β−ベンゾイルプロピオン酸第一錫、クロトン酸第一錫、トロパ酸第一錫、p−ブロモ安息香酸第一錫、パルミトオレイン酸第一錫、桂皮酸第一錫、およびフェニル酢酸第一錫のようなカルボン酸の錫塩などが例示される。アミノアルキルアルコキシシランとしてはγ−アミノプロピルトリメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシランなどが例示される。アンモニウム塩としては酸とアミンの塩が例示され、酸としては酢酸、ギ酸などが、またアミンとしてはアリルアミン、2−エチルヘキシルアミン、3−エトキシプロピルアミン、ジイソブチルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、トリ−n−オクチルアミン、t−ブチルアミン、s−ブチルアミン、プロピルアミン、3−メトキシプロピルアミンなどが例示される。これらの反応触媒の中でも、 100℃以下の温度でも良好な触媒活性を示し、工業的に合成が容易であり、反応終了後は 200℃以下の加熱で昇華させることができるために、得られるコーティング剤の貯蔵安定性が良好なものとなることから、アンモニウム塩が好ましく、特にギ酸のジイソブチルアンモニウム塩、ギ酸のt−ブチルアンモニウム塩が好ましい。またアンモニウム塩の場合は、アミンと酸を反応系に別々に添加し、系内で塩を形成させてもよい。反応触媒の添加量は、反応が良好に進行することから、水酸基含有ポリオルガノシロキサン樹脂 100重量部に対して、1重量部以上が好ましく、また得られるコーティング剤の硬化性が良好なものとなることから30重量部以下が好ましく、特に3〜25重量部が好ましい。
シロキサン樹脂中に含まれる水酸基の量はIRにより検出され、その吸収ピークの量(3350cm-1付近)は、シロキサン樹脂のCHの吸収ピーク(2950cm-1付近)と比較され、その水酸基の吸収ピークの長さは、CH基の吸収ピークの長さの1/10以下である。1/10を超える物は、水性離型剤組成物中でシロキサン樹脂の反応が進み、保存中に流動性を失いゲル化あるいは固形化する。
また、アルコキシ末端ポリオルガノシロキサンは、25℃における粘度が100〜 100,000mPasで、好ましくは、300〜3000mPasである。粘度が100mPas未満であると硬化後のコーティングが脆くなるとともに、乳化したポリオルガノシロキサンの反応が速くなりゲル化しやすくなる。100,000mPasを超えるとポリオルガノシロキサンの水酸基のアルコキシ化が困難になるとともに、安定な乳化物の製造が困難となる。水酸基のアルコキシ化の程度は全ての水酸基をアルコキシ化したものが好ましいが、本特許の趣旨を損わない程度に残存したものでもよい。
本発明に用いる(A-2)成分の硬化性オルガノシロキサンオリゴマーは、(A)成分のオルガノポリシロキサンを乳化しやすい粘度となるように希釈する役割をもつ。
(A-2)成分の硬化性オルガノシロキサンオリゴマーは、一般式RSi(OR1)3 で示されるシランを部分加水分解することにより得られるオルガノシロキサンオリゴマーである。このようなオルガノシロキサンオリゴマーを添加することにより、得られるシリコーン樹脂組成物の塗工性、硬化性などが良好なものとなり、さらに硬化触媒を配合した組成物の貯蔵安定性が良好なものとなる。前記の一般式において、R 、R1としてはアルコキシ末端ポリオルガノシロキサンで示したR 、R1と同じものが例示される。オルガノシロキサンオリゴマーは、前記一般式で示されるアルコキシシランとアルコキシ基1モルに対して1/6〜1モルの水を反応させて部分加水分解した後に部分縮合し、さらに未反応のモノマーを除去することにより得られる。このようにして得られるシロキサンオリゴマーはアルコキシ基を含有し、水酸基はほとんど含有しない。本発明においてはアルコキシ基を10〜80重量%、特に40〜60重量%含有するものを配合することが好ましい。またさらにテトラアルキルシリケート、チタン酸エステルなどを共縮合させたもの使用してもよい。
オルガノシロキサンオリゴマーの添加量は、良好な効果が得られることからアルコキシ末端ポリオルガノシロキサン 100重量部に対して 0.1〜200 重量部の範囲で使用することが好ましく、特に30〜100 重量部使用することが好ましい。200重量部を超えると、水性離型剤組成物中のオルガノシロキサンがゲル化しやすくなる。硬化性オルガノシロキサンオリゴマー中の水酸基の含有量も、シロキサン樹脂と同様のOH含有量である。
また、シロキサンオリゴマーの粘度は、10〜100mPas、好ましくは10〜50mPasである。10mPas未満のシロキサンオリゴマーは、水性離型剤組成物中での加水分解性が速く、短時間でゲル化してしまう。また、100mPasを超えるシロキサンオリゴマーは(A-1)成分のポリオルガノシロキサンの粘度低下効果が乏しくなる。
(A-1)成分と(A-2)成分を併用する場合、(A-1)成分のポリオルガノシロキサンの粘度は100〜100,000mPasで、(A-2)成分を配合したときに、50〜5000mPasの範囲にあればよい。本発明で用いる(A-2)成分のシロキサンオリゴマーは、単独で水性離型剤組成物中に添加した場合、ゲル反応が進み長期安定性は得られないが、(A-1)成分との組み合わせにより、ゲル化の進行が抑制され長期間の安定性が保たれる
この液状化シリコーンレジンは、適当な乳化剤を用い機械乳化や乳化重合によりエマルジョン化して配合しても良いが、(B)成分のウレタンエマルジョンに対し容易に分散するので直接配合することも可能である。ウレタンエマルジョンへの添加は、ウレタンエマルジョンの分散力が強い場合は直接添加できるが、界面活性剤を助分散剤として液状化シリコーンレジン配合後添加してもよい。
(B)成分のウレタン樹脂系水性エマルジョンまたはウレタン樹脂系の水性分散物は、上記シリコーン成分を保持するとともに、成形型とくに樹脂あるいはゴム製の成形型に対し接着効果を与えるものである。そして、成形型の表面に積層することで、その離型効果を持続させるものである。ウレタン樹脂系水性エマルジョンとしては、適当な乳化剤を用いて乳化重合や機械乳化したものや、自己乳化タイプの水性エマルジョンが用いられる。具体的には、スーパーフレックスE2000(第一工業製薬社製 商品名)、NeoRezシリーズ(ゼネカ社製 商品名)などが例示される。
(B)成分としては、特に、樹脂分としてポリヒドラジド類およびカルボニル基含有ポリウレタン・ビニル・ハイブリッドポリマーを含む自己架橋性の水性エマルジョンもしくは分散物が好ましい。このような水溶エマルジョンもしくは分散物の具体例としては、Daotanシリーズ(サイテック社製 商品名)などが挙げられる。このタイプのエマルジョンは、自己乳化タイプであるため余分な界面活性剤の使用が少なく、過剰な界面活性剤による皮膜の強度低下が防止に効果的である。さらに、界面活性剤を介さずに直接ウレタンポリマーがシリコーン樹脂を水に分散させるため、シリコーン樹脂の析出を効果的に防止し、さらにシリコーン樹脂の水中での反応を抑制する効果がある。
また(B)成分中の樹脂分(固形分)の割合は、10〜70重量%であることが好ましい。10重量%未満では、皮膜形成効率が悪く、70重量%を超えると、製造が困難である。
このようなウレタン樹脂系エマルジョンまたはウレタン樹脂系水性分散物は、(A)成分のシリコーンエマルジョンのシリコーン分100重量部に対して、固形分で30〜500重量部の割合で配合することが好ましく、50〜200重量部の範囲がより好ましい。30重量部未満では、離型性の持続が不十分となり、逆に500重量部を超えると離型性が低下する。
(C1)成分および(C2)成分は、離型効果の持続性を高めるうえで重要な成分であり、特に被着体への接着性を向上させる。さらに(A)成分中の液状化シリコーンレジンと(B)成分のウレタン樹脂との親和性を高める作用を有する。
また、(D)成分のシリコーンエマルジョンを用いた場合、シリコーンオイルと(B)成分のウレタン樹脂との親和性を高める作用を有する。すなわち、一般にシリコーンとウレタン樹脂は不相溶で、混合してもシリコーンはウレタン樹脂から分離析出する。このため、離型層は、ウレタン樹脂そのものの硬化物とシリコーンオイルの混合物が混在した状態になる。しかしながらこれらの(C1)成分または(C2)成分を配合することにより、シリコーンがウレタン樹脂内に均一に分散するとともに親和性が向上、その結果、ウレタン樹脂内にシリコーンが保持された、オイルブリート性の皮膜が得られる。皮膜の形態はシリコーンの量に応じて、軟質あるいは脆質皮膜、さらには、均質なオイルコンパウンド状となる。このような状態でシリコーンを保持することが可能となることで、離型性の長期持続性が発現すると考えられる。
(C1)成分である分子鎖末端に少なくとも1つのエポキシ基を有するシランとしては、前記一般式で表されるエポキシ基含有アルコキシシランが挙げられる。アルコキシシランは、離型層の型に対する接着性を向上させる効果をもつ。エポキシ基含有シランのなかでも、加水分解性基を有しないものは、形成成分中に取り込まれないとともに、型に対する接着性を有さないので、離型性の持続性を向上させる効果は小さい。
前記一般式で表されるエポキシ基含有アルコキシシランとしては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシランなどが挙げられる。これらのなかでもγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
また、これらのアルコキシシランの部分加水分解物も使用することができる。加水分解物は、前記したエポキシ基含有アルコキシシランの1種または2種以上の混合物を、加水分解条件下(使用するアルコキシシランの種類に応じて適宜決定される)で縮合させることにより得ることができる。この加水分解物の好ましい例としては、前記したエポキシ基含有アルコキシシランが加水分解され縮合された構造のシロキサンおよびポリシロキサンなどが挙げられる。
(C2)成分である分子鎖末端に少なくとも1つのメタクリロキシプロピル基を有するシランとしては、前記一般式で表されるメタクリロキシプロピル基含有アルコキシシランが挙げられる。
前記一般式で表されるメタクリロキシプロピル基アルコキシシランとしては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジプロポキシシランなどが挙げられる。これらのなかでも、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
また、これらのアルコキシシランの部分加水分解物も使用することができる。加水分解物は、前記したメタクリロキシプロピル基含有アルコキシシランの1種または2種以上の混合物を、加水分解条件下(使用するアルコキシシランの種類に応じて適宜決定される)で縮合させることにより得ることができる。この加水分解物の好ましい例としては、前記したメタクリロキシプロピル基含有アルコキシシランが加水分解され縮合された構造のシロキサンおよびポリシロキサンなどが挙げられる。
この(C1)成分または(C2)成分は、(A)成分の液状シリコーンレジン100重量部に対して、0〜100重量部の割合で配合することが好ましく、50重量部未満の範囲がより好ましい。100重量部を超えると離型性が低下する
本発明で用いられる(D)成分のシリコーンエマルジョンは、皮膜に潤滑性と柔軟性を与え、さらに離型作用向上させる成分であり、適当な乳化剤を用い機械乳化や乳化重合により製造される。含有するシリコーン成分としては、離型効果やエマルジョンの安定性などの点から、25℃における粘度が500〜10,000,000mPa・sであるポリジオルガノシロキサンが好ましく、25℃における粘度が500〜200,000mPa・sであるとより好ましい。すなわち、25℃における粘度が500mPa・s未満では離型効果が不十分となり、逆に10,000,000mPa・sを超えると安定したエマルジョン組成物が得られない。
ポリジオルガノシロキサンは、25℃における粘度が上記範囲内であれば、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
また、ポリジオルガノシロキサンは直鎖状であることが好ましいが、部分的に分岐や網目構造があっても差し支えない。ポリジオルガノシロキサンの末端の官能基は、特に制限されないが、メチル基、水酸基、メトキシ基などが例示され、特に水酸基、メトキシ基が好ましい。
ポリジオルガノシロキサン中のケイ素原子に結合した有機基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基のようなアルキル基、ビニル基、プロペニル基のようなアルケニル基、フェニル基のようなアリール基、フェネチル基のようなアラルキル基、およびこれらの炭化水素基の水素原子の一部がハロゲン原子、ニトリル基などで置換されたものが例示されるが、なかでもメチル基が好ましい。
このような(D)成分のシリコーンエマルジョン中のシリコーン含有量は、10〜80重量%であることが好ましい。3重量%未満では塗布効率や離型性が低下し、80重量%を超えると薄膜塗布性や取り扱い性が不良となる。
(D)成分のシリコーンエマルジョンは公知の技術により製造されるものであれば特に制限はない。
(D)成分のシリコーンエマルジョンは、(A)液状化シリコーンレジン100重量部に対し固形分として10〜500重量部配合する。500重量部を超えると皮膜が弱くなり耐久性が損われる。
本発明の離型剤組成物には、弾きや液寄りを防止して塗り斑や塗布量不足が生じないようにするために、アルキルアミンオキサイド系化合物、アルキルベタインなどの両性界面活性剤を配合してもよい。アルキルアミンオキサイド系化合物としては、ジメチルアルキルアミンオキサイドが挙げられ、アルキルベタインとしてアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、そのアルキル基としてはラウリル基、ミリスチル基、ヤシ(ヤシ油などの天然油脂変性基)などが例示される。このアルキルアミンオキサイド系化合物の配合量は、組成物全体の0.5〜10重量%になる範囲が好ましい。0.5重量%未満では、弾きや液寄りを防止する効果が小さく、10重量%を超えると離型性が低下する。
本発明の離型剤組成物には、さらに必要に応じて、消泡剤、顔料、無機粉体、増粘剤、界面活性剤、有機溶剤などを配合することができる。
本発明の離型性組成物は、塗布効率および塗布性から有効成分の濃度が3〜60重量%になるように水で調整することが好ましい。
本発明の特徴として、(A)成分の液状化シリコーンレジンは疎水性で水には分散しないが(B)成分のウレタン樹脂系水性エマルジョンまたは、水性分散物への分散性が高く、一般的な乳化装置を使用することなく簡単な混合撹拌により均一で安定な分散溶液を形成する。(A)成分の液状化シリコーンレジンに少量の界面活性剤を混合して配合すれば、分散性、安定性が向上する。
この特徴により、液状化シリコーンレジンは、予め乳化することなく、配合が可能であるが、乳化物を製造してから添加しても良い。
成分の液状化レジンの配合方法は前述のように直接(B)成分に配合しても良いが、予め乳化剤を用いて乳化したものを使用してもよい、乳化の方法として特公平7-103240に記載された方法が例示される。
(C)成分のオルガノシランは(B)成分のウレタン樹脂水性エマルジョンに容易に分散し安定化するので、簡単な撹拌で(B)成分のエマルジョンに配合できる。
(D)成分のポリオルガノシロキサンエマルジョンは任意に(B)成分のウレタンエマルジョンに配合可能である。
本発明の離型剤組成物は、(A)成分の液状化シリコーンレジンと、(B)成分のウレタン樹脂系水性エマルジョンまたは水性分散物と、(C1)成分の分子鎖末端に少なくとも1つのエポキシ基を有するシランおよび/またはその部分加水分解物、あるいは(C2)成分の分子鎖末端に少なくとも1つのメタクリロキシプロピル基を有するシランおよび/またはその部分加水分解物と、必要に応じて配合される他の成分とを混合し、十分に撹拌することにより得られる。
本発明の離型性組成物は、刷毛塗り、ロールコート、スプレーコート、ナイフコート、ディップコートなどの方法で成形型の表面に塗布した後、常温放置もしくは加熱乾燥させ硬化皮膜を形成する。未加硫ゴムの表面に塗布し、これを成形型の表面に転写し、硬化させるようにしてもよい。
本発明の離型性組成物は、タイヤをはじめ各種のゴム製品やプラスチック製品の離型剤として非常に有用である。
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の記載において、「部」は全て「重量部」を示すものとする。
液状化シリコーンレジンの製造
合成例1
メチルトリイソプロポキシシラン 220部とトルエン 150部をフラスコに仕込み、1%塩酸水溶液 108部を20分間かけて滴下し、該シランを加水分解した。滴下40分後に攪拌を止め、分液後樹脂層を水洗して塩酸を除去し、さらにトルエンを減圧留去して平均分子量12000、軟化点115℃でシラノール基含有1.2%の水酸基含有ポリオルガノシロキサン樹脂であるメチルポリシルセスキオサンP−1を調製した。また、ヘキサメチルシクロトリシロキサン700部、アセトン800部および水180部をフラスコに仕込んで混合攪拌し、さらに活性白土1部を加えて3時間攪拌して重合を行った。その後、活性白土を濾別し、アセトン、水を減圧留去して粘度20cP、平均分子量1200の、水酸基含有ポリオルガノシロキサン樹脂である両末端シラノール基含有ポリジメチルシロキサンQ−1を調製した。P−1の60部、Q−1の40部をフラスコに仕込み、メチルトリメトキシシラン55部を加えて加熱混合した。冷却後、触媒としてイソブチルアミン18部、ギ酸6.5 部を添加して混合攪拌し、2時間加熱還流させてシラノール基をメチルジメトキシシリル化した。シラノール基の存在量の減少が無くなったことをFT−IRで確認し、未反応のメチルトリメトキシシランの生成したメタノールを減圧留去して、粘度720mPas、加熱減量(105℃×60分)が1.5%のアルコキシ末端ポリオルガノシロキサンR−1を調製した。R−1における3官能シロキサン単位(T)と2官能シロキサン単位(D)の比率は、原料比率から計算してD/T=0.60であった。またシラノール基含有量は、シリコーン樹脂を 300℃で2時間加熱時に発生した水分量を電量滴定式水分測定装置CA−06型(三菱化成(株)製)を使用して測定し、計算より求めた。
合成例2
メチルトリメトキシシラン272部(2モル)に水18部(1モル)および加水分解触媒である酢酸0.5部を添加して混合攪拌し、加水分解・縮合を行って、でメトキシ基含有量が50%のアルコキシ基含有オルガノシロキサンオリゴマーS−1で調製した。
調製例1
P−1を50部、S−1を50部、混合撹拌して、粘度が2300mPsの液状化レジンT−1を調製した。
調製例2
P−1を50部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを50部、混合撹拌して粘度が1600mPsの液状化レジンT−2を調製した。
調製例3
P−1を50部、ポリオキシエチレンラウリルエーテルを7部、混合撹拌し、この溶液に水10部を添加し高旋断にて撹拌して高粘度エマルジョンゲル状物を得た。さらにこのエマルジョンゲル状物に水を33部添加して混合撹拌しレジン分50%の粒子径0.5μのエマルジョンU−1を調製した。
実施例1〜7、比較例1〜8
表1に示された組成の本発明の離型剤組成物(実施例1〜7)および比較組成物(比較例1〜8)を、表1に記載した成分を上から順に配合し調製した。
得られた離型剤組成物についての安定性を配合直後(1時間静置後)および40℃で1ヶ月経時後の状態を調べた。
評価基準は以下の通りである。
○:塗布に適する均一な溶液
×:オイル浮きや成分の凝集分離などで塗布に適しない溶液
さらに下記に示す方法で離型性を評価した。
すなわち、離型剤組成物をスプレーにて加硫ブチルゴムシート(5cm×5cm×1cm)の主面上に塗布量5g/mで均一に塗布した。風乾後、150℃で10分間加熱し、離型層被覆ゴムシートを得た。そして、塗布面に未加硫のブチルゴムシートを(5cm×5cm×0.5cm)を重ね、20kgの荷重1分をかけ加硫ゴムと未加硫ゴムを圧着、その後、荷重を2kgに下げた状態で、190℃で20分加熱圧着して、未加硫のブチルゴムシートを加硫させた。この後、2枚のゴムシートを1kgスケールのプッシュプルケージを用いて、剥がす時の剥離力を測定し、初回の剥離力を測定した。ついで、離型処理した加硫ブチルゴムシート新しい未加硫チルゴムシート(5cm×5cm×1cm)を重ね、1枚目の場合と同様に加硫させ。剥離力を測定した。この操作を最大50回または剥離力が0.5kgf/5cmを超えるまで実施した。
1回、5回、11回、21回、40回加硫後の剥離力の測定結果および溶液安定性の結果を表1に示す(剥離力が弱く測定前に剥離したものは測定限界の下限5g以下として<5、測定限界の上限1kgを超えたものは1000<と表記した。)。
Figure 2009137050
表1からも明らかなように、実施例の離型剤組成物は、配合後の安定性もよく1液タイプの離型剤として有効である。また、その離型特性も比較例に比べ、特に離型効果の持続性に優れており、本発明の効果が確認された。

Claims (9)

  1. (A)液状化シリコーンレジン
    (B)ウレタン樹脂系水性エマルジョンまたはウレタン樹脂系水性分散物、並びに
    (C1)分子鎖末端に少なくとも1つのエポキシ基を有するシランおよび/またはその部分加水分解物
    を含有することを特徴とする離型剤組成物。
  2. 前記(C1)成分が、下記一般式で表されるエポキシ基含有シランおよび/またはその部分加水分解物であることを特徴とする請求項1記載の離型剤組成物。
    Figure 2009137050
    (式中、RおよびXはそれぞれ炭素数が1〜4のアルキル基を示し、aおよびbはそれぞれ1≦a≦3、a+b=3の関係を満たす数である。)
  3. 前記(A)成分の液状化シリコーンレジンのシリコーン分100重量部あたり、前記(B)成分を30〜500重量部(固形分)、(C1)成分を0〜100重量部、それぞれ含有することを特徴とする請求項1または2記載の離型剤組成物。
  4. (A)液状化シリコーンレジン
    (B)ウレタン樹脂系水性エマルジョンまたはウレタン樹脂系水性分散物、並びに
    (C2)分子鎖末端に少なくとも1つのメタクリロキシプロピル基を有するシランおよび/またはその部分加水分解物
    を含有することを特徴とする離型剤組成物。
  5. 前記(C2)成分が、下記一般式で表されるメタクリロキシプロピル基含有シランおよび/またはその部分加水分解物であることを特徴とする請求項4記載の離型剤組成物。
    Figure 2009137050
    (式中、RおよびYはそれぞれ炭素数が1〜4のアルキル基を示し、cおよびdはそれぞれ1≦c≦3、c+d=3の関係を満たす数である。)
  6. 前記(A)成分の液状化シリコーンレジンのシリコーン分100重量部あたり、前記(B)成分を30〜500重量部(固形分)、(C2)成分を0〜100重量部、それぞれ含有することを特徴とする請求項1または2記載の離型剤組成物。
  7. 前記(A)成分の液状化シリコーンレジンが、
    (I):(A-1) RSiO3/2 単位(ここでRは互いに同一又は異種の置換または非置換の1価炭化水素基を示す)およびR2SiO2/2 単位(ここでRは、前記と同様の基を示す)からなり(その比率はR2SiO2/2 単位/RSiO3/2 単位で示されるモル比が0〜1.5)、末端が(R1O)aR(3-a)SiO1/2単位(ここで、Rは前記と同様の基、R1は、互いに同一または異種の置換または非置換の1価炭化水素基、aは2または3の整数を示す。)で封止され、25℃における粘度が100〜100,000mPasであり、IR(赤外分光法)分析で測定されるシラノール基の吸収ピーク量がCHの吸収ピーク量の1/10に以下に制御されたアルコキシ末端ポリオルガノシロキサン
    あるいは
    (II):(A-2) RSiO3/2 単位(ここでRは互いに同一又は異種の置換または非置換の1価炭化水素基を示す)およびR2SiO2/2 単位(ここでRは、前記と同様の基を示す)からなり(その比率はR2SiO2/2 単位/RSiO3/2 単位で示されるモル比が0〜1.5)、末端が(R1O)aR(3-a)SiO1/2単位(ここで、Rは前記と同様の基、R1は、互いに同一または異種の置換または非置換の1価炭化水素基、aは2または3の整数を示す。)で封止され、25℃における粘度が100〜100,000mPasであり、IR(赤外分光法)分析で測定されるシラノール基の吸収ピーク量がCHの吸収ピーク量の1/10に以下に制御されたアルコキシ末端ポリオルガノシロキサンを含有するシリコーン樹脂 100重量部
    (A-3)一般式RSi(OR1)3
    (ここでRおよびR1は前記と同様の基を示す)で示されるシランの部分加水分解物により得られる25℃における粘度が10〜100mPasの硬化性オルガノシロキサンオリゴマー 0.1〜200重量部
    を含有し、その混合液粘度が25℃において50〜5000mPasであるシリコーン樹脂
    であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の離型剤組成物。
  8. 前記(B)成分の樹脂分が、ポリヒドラジド類およびカルボニル基含有ポリウレタン・ビニル・ハイブリッドポリマーであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の離型剤組成物。
  9. 請求項項1乃至8のいずれか1項記載の離型剤組成物に(D)25℃における粘度が500〜10,000,000cSt のポリジオルガノシロキサンを10〜80%含有するシリコーンエマルジョンを、(A)液状化シリコーンレジン100重量部に対し固形分として10〜500重量部配合した離型剤組成物。
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