JPH08143763A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JPH08143763A
JPH08143763A JP22835195A JP22835195A JPH08143763A JP H08143763 A JPH08143763 A JP H08143763A JP 22835195 A JP22835195 A JP 22835195A JP 22835195 A JP22835195 A JP 22835195A JP H08143763 A JPH08143763 A JP H08143763A
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JP
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group
formula
fluorine
polyether
compound
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Application number
JP22835195A
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English (en)
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Hirotsugu Yamamoto
博嗣 山本
Mika Shirasaki
美加 白崎
Takao Doi
孝夫 土居
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】組成物の貯蔵安定性に優れ、低硬度でタックの
少ない硬化体を与える硬化性組成物を提供する。 【解決手段】(A)分子内に少なくとも1つの反応性シ
リル基を含有するポリエーテル、および(B)C817
CH=CH2 等の含フッ素炭化水素基を有する含フッ素
化合物、からなる硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は湿分により硬化し、
シーリング材、防水材、コーティング剤として有用な表
面特性の改善された室温硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】加水分解によりシロキサン結合を形成
し、高分子量化または架橋しうる反応性シリル基を有す
る有機重合体は公知である(特開平3−47820、特
開平3−72027、特開平3−79627、特公昭6
1−49332、特公昭46−30711、特公昭45
−36319、特公昭46−17553等)。
【0003】しかしこれらの有機重合体は、重合体硬化
体または組成物硬化体のモジュラスを低くすると、硬化
が終了した後も表面のべとつきすなわちタックが残り、
たとえばシーリング材等のベースポリマーに用いた場合
ほこりの付着等の目地汚染をひきおこし建築物の外観を
損なう原因となっていた。
【0004】このタックを防止する目的で反応性シリル
基を有する有機重合体にフッ素系界面活性剤を添加する
技術が開示されている(特公平3−3710)。しかし
本発明者の検討では、この組成物では、硬化後もフッ素
系界面活性剤が系全体に分散されて存在し、表面への移
行が不充分であるため、表面のタックを低減するために
は高価なフッ素系界面活性剤を多量に使用する必要があ
り、シーリング部周辺の汚染をひきおこしたり、耐水性
や接着性への悪影響が大きく、実用面での使用が大きく
制限されていた。
【0005】また、反応性シリル基を有する有機重合体
と含フッ素炭化水素基含有シリコン化合物からなる組成
物が開示されている(特開平1−188558)。この
組成物においては含フッ素炭化水素基含有シリコン化合
物は硬化時に重合体架橋体中に組み込まれるため、周辺
の汚染や、接着性への悪影響は少ないが、やはり表面へ
の移行性が不充分なためタック低減効果が少なく、実用
的ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは反応性シ
リル基を有するポリエーテルに対して、周辺の汚染や物
性への悪影響がなく、少量の添加で効果的に表面タック
を低減する添加剤を検討した結果、本発明に到達した。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、下記
の発明である。加水分解により架橋可能な反応性シリル
基を分子内に1つ以上含有するポリエーテル(A)、お
よび下記(a)〜(d)から選ばれる含フッ素化合物
(B)、からなる硬化性組成物。
【0008】(含フッ素化合物(B)) (a)炭素数2〜40のパーフルオロ炭化水素。
【0009】(b)下記式(1)で表される化合物。 Rf1−R1 −R2 ・・・・(1)
【0010】式中、Rf1は1価のポリフルオロ炭化水素
基であり、R1 は結合手または2価の炭化水素基であ
り、R2 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロ
ゲン化アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アル
コキシカルボニル基、アシルオキシ基、グリシジル基、
またはグリシジルオキシ基である。
【0011】(c)下記式(2)で表される化合物。 [Rf2−R3 −(O)h −]n4 ・・・・(2)
【0012】式中、Rf2は1価のポリフルオロ炭化水素
基であり、R3 は結合手または2価の炭化水素基であ
り、R4 はn価の置換または非置換の炭化水素基であ
り、hは0または1であり、nは2、3または4であ
る。n個のRf2、R3 はそれぞれ同一でも異なっていて
もよい。
【0013】(d)下記式(3)で表される化合物。 (R5 −R6 −)pf3・・・・(3)
【0014】式中、Rf3はp価のポリフルオロ炭化水素
基であり、R6 は結合手または2価の炭化水素基であ
り、R5 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロ
ゲン化アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アル
コキシカルボニル基、アシルオキシ基、グリシジル基、
またはグリシジルオキシ基であり、pは2、3または4
である。
【0015】
【発明の実施の形態】
(ポリエーテル(A))本発明において使用される、加
水分解により架橋可能な反応性シリル基を分子内に1つ
以上含有するポリエーテル(A)は、たとえば、特開平
3−47825、特開平3−72527に記載されてい
る。
【0016】ポリエーテル(A)は、たとえば開始剤の
存在下、触媒を用いてモノエポキシドやテトラヒドロフ
ランなどの開環重合を行い水酸基含有ポリエーテルを得
た後、分子末端の水酸基の一部または全部を反応性シリ
ル基に変換することによって得られる。
【0017】触媒としては、KOH触媒、セシウム触媒
等のアルカリ触媒、ポルフィリン触媒、亜鉛ヘキサシア
ノコバルテート触媒等の複合金属シアン化物錯体触媒な
どが挙げられる。
【0018】モノエポキシドとしては、エチレンオキシ
ド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、
エピクロロヒドリン等の脂肪族アルキレンオキシド、ス
チレンオキシドのような芳香族アルキレンオキシド、ア
リルグリシジルエーテル等が挙げられる。特にプロピレ
ンオキシドが好ましい。
【0019】開始剤としては、多価アルコール、多価カ
ルボン酸、多価アミン等の多価活性水素化合物、末端不
飽和基含有モノオール、不飽和フェノール、不飽和カル
ボン酸等の不飽和基含有活性水素化合物が挙げられる。
【0020】加水分解により架橋可能な反応性シリル基
(以下単に反応性シリル基ともいう)とは、シラノール
基や加水分解性シリル基のように、湿分や硬化触媒等に
より縮合反応をおこしポリエーテルの架橋によって高分
子量化を促進しうるものであり、好ましくは式(4)に
より表される。
【0021】−R7 −SiXa8 3-a・・・・(4)
【0022】式中、R7 は2価の有機基であり、R8
炭素数1〜20の置換または非置換の1価の炭化水素基
であり、Xは水酸基または加水分解性基であり、aは
1、2または3である。
【0023】式(4)中、R8 は炭素数1〜20の置換
または非置換の1価の炭化水素基であり、好ましくは炭
素数8以下のアルキル基、フェニル基やフルオロアルキ
ル基である。特に好ましくは、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、
フェニル基である。
【0024】式(4)中のXは水酸基または加水分解性
基であり、加水分解性基としてはたとえばハロゲン原
子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミド基、アミノ
基、アミノオキシ基、ケトキシメート基またはヒドリド
基がある。これらのうち炭素原子を有する加水分解性基
の炭素数は6以下、特には4以下、が好ましい。好まし
いXは炭素数4以下の低級アルコキシ基、特にメトキシ
基、エトキシ基またはプロポキシ基が例示できる。式
(4)中のaは1、2または3であり、2または3が好
ましい。
【0025】本発明におけるポリエーテル(A)の製造
方法としては、たとえば、下記の(イ)〜(ヘ)を例示
するがこれらに限定されない。
【0026】(イ)イソシアネート基と反応性シリル基
を有する有機ケイ素化合物を水酸基含有ポリエーテルと
反応させる方法。
【0027】具体的な有機ケイ素化合物としては、化1
の化合物を示しうる。
【0028】
【化1】(C25 O)3 Si(CH23 NCO、
(CH3 O)3 Si(CH23 NCO、(CH3 O)
2 (CH3 )Si(CH23 NCO、(CH3 O)3
SiNCO、(CH3 O)2 Si(NCO)2
【0029】(ロ)式HSiXa8 3-a(式中R8
X、aは前記に同じ)で表される水素化ケイ素化合物
と、末端に不飽和基を導入したポリエーテルとを反応さ
せる方法。
【0030】ここで不飽和基を導入する方法としては、
水酸基含有ポリエーテルのOHをOM(Mはアルカリ金
属)とした後、塩化アリル等の不飽和基含有ハロゲン化
炭化水素と反応させる方法、またはアリルイソシアネー
トのような不飽和基および水酸基と反応しうる官能基を
有する化合物を水酸基含有ポリエーテルと反応させて、
エステル結合、ウレタン結合、カーボネート結合等を介
して不飽和基を導入する方法がある。
【0031】また水酸基含有ポリエーテルの製造におい
てアルキレンオキシドを重合する際に、アリルグリシジ
ルエーテル等の不飽和基含有アルキレンオキシドを共重
合させることにより側鎖に不飽和基を導入する方法や、
開始剤として末端不飽和基含有モノオールを用いて製造
した水酸基含有ポリエーテルを使用することにより末端
に不飽和基を導入する方法もある。
【0032】(ハ)水酸基含有ポリエーテルの末端にト
リレンジイソシアネート等のポリイソシアネート化合物
を反応させてイソシアネート基末端とした後、該イソシ
アネート基に式(5)で表されるケイ素化合物のW基を
反応させる方法。
【0033】W−R9 −SiXa8 3-a・・・・(5)
【0034】ただし、式中R8 、X、aは前記に同じで
あり、R9 は2価の炭化水素基であり、Wは水酸基、カ
ルボキシル基、メルカプト基およびアミノ基(1級また
は2級)から選ばれた活性水素含有基である。
【0035】(ニ)末端に不飽和基を導入したポリエー
テルの不飽和基と、Wがメルカプト基である式(5)で
表されるケイ素化合物のメルカプト基を反応させる方
法。
【0036】ポリエーテル(A)の分子量は原料の水酸
基含有ポリエーテルの水酸基価から計算して1000〜
50000、特には5000〜30000、さらには8
000〜30000が好ましい。
【0037】(含フッ素化合物(B))本発明におい
て、下記(a)〜(d)から選ばれる含フッ素化合物
(B)を使用する。
【0038】(a)炭素数2〜40のパーフルオロ炭化
水素。
【0039】(b)下記式(1)で表される化合物。 Rf1−R1 −R2 ・・・・(1)
【0040】式中、Rf1は1価のポリフルオロ炭化水素
基であり、R1 は結合手または2価の炭化水素基であ
り、R2 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロ
ゲン化アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アル
コキシカルボニル基、アシルオキシ基、グリシジル基、
またはグリシジルオキシ基である。
【0041】(c)下記式(2)で表される化合物。 [Rf2−R3 −(O)h −]n4 ・・・・(2)
【0042】式中、Rf2は1価のポリフルオロ炭化水素
基であり、R3 は結合手または2価の炭化水素基であ
り、R4 はn価の置換または非置換の炭化水素基であ
り、hは0または1であり、nは2、3または4であ
る。n個のRf2、R3 はそれぞれ同一でも異なっていて
もよい。
【0043】(d)下記式(3)で表される化合物。 (R5 −R6 −)pf3・・・・(3)
【0044】式中、Rf3はp価のポリフルオロ炭化水素
基であり、R6 は結合手または2価の炭化水素基であ
り、R5 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロ
ゲン化アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アル
コキシカルボニル基、アシルオキシ基、グリシジル基、
またはグリシジルオキシ基であり、pは2、3または4
である。
【0045】含フッ素化合物(B)はケイ素置換基、イ
オン性親水基または非イオン性親水基は含まない。ケイ
素置換基の存在は本発明の組成物のタック低減効果を低
下させる。またアニオン残基、カチオン残基、アルコー
ル性残基、オキシエチレン鎖等の親水性基の存在はポリ
エーテル(A)に対する分散性を助けるが、やはり本発
明の組成物のタック低減効果を低下させる、したがって
本発明における含フッ素化合物(B)はケイ素置換基ま
たは親水性基を持たないことを必須とする。
【0046】(a)炭素数2〜40のパーフルオロ炭化
水素について説明する。パーフルオロ炭化水素は、炭化
水素の水素原子のすべてがフッ素原子に置換された炭化
水素を意味する。パーフルオロ炭化水素の炭素数は2〜
40、特には2〜22、さらには4〜18が好ましい。
最も好ましくは6〜14である。
【0047】パーフルオロ炭化水素の構造は、直鎖状で
も分岐状でもよく、直鎖状が好ましい。
【0048】パーフルオロ炭化水素は炭素−炭素結合の
間にエーテル性の酸素原子またはチオエーテル性の硫黄
原子が挿入されていてもよい。また、炭素−炭素不飽和
二重結合などの不飽和基を有していてもよい。
【0049】(b)、(c)、(d)におけるポリフル
オロ炭化水素基について説明する。ポリフルオロ炭化水
素基は、炭化水素基の水素原子の2個以上がフッ素原子
に置換された基を意味する。ポリフルオロ炭化水素基の
炭素数は2〜40、特には2〜22、さらには4〜18
が好ましい。最も好ましくは6〜14である。
【0050】ポリフルオロ炭化水素基中のフッ素原子の
数は、未置換炭化水素基の水素原子数に対する置換フッ
素原子の数の割合が50%以上、好ましくは60%以上
がよい。80%がより好ましく、特に実質的に100%
である場合が好ましい。さらに、置換されていない水素
原子の一部または全部が、塩素原子で置換されていても
よい。
【0051】ポリフルオロ炭化水素基の構造は、直鎖状
でも分岐状でもよく、直鎖状が好ましい。ポリフルオロ
炭化水素基は1〜4価、特に1〜3価であることが好ま
しく、特に1価または2価であることが好ましい。
【0052】ポリフルオロ炭化水素基は炭素−炭素結合
の間にエーテル性の酸素原子またはチオエーテル性の硫
黄原子が挿入されていてもよい。また、炭素−炭素不飽
和二重結合などの不飽和基を有していてもよい。
【0053】なお、ポリフルオロ炭化水素基が他の基と
結合する連結部分であってフッ素原子を含まない炭化水
素基である部分は連結基という。ポリフルオロ炭化水素
基はフッ素原子を含む炭素原子からフッ素原子を含む炭
素原子までをいう。
【0054】ポリフルオロ炭化水素基の具体例を化2
に、連結基を含むポリフルオロ炭化水素基含有基の具体
例を化3に示す。
【0055】化2、化3において、mは2〜40であ
り、4〜18が好ましく、6〜14が特に好ましい。p
は0〜38であり、2〜16が好ましく、4〜12が特
に好ましい。qは0〜19であり、1〜8が好ましく、
2〜6が特に好ましい。rは0〜18であり、0〜7が
好ましく、1〜5が特に好ましい。
【0056】
【化2】F(CF2m −、H(CF2m −、−(C
2m −、(CF32 CF(CF2p −、CF3
O[CF(CF3 )CF2 O]q CF(CF3 )−、C
37 O[CF(CF3 )CF2 O]r CF(CF3
−、(CF32 C=CF−、CF3 CHFO(CF
23 −。
【0057】
【化3】F(CF2m CH2 −、F(CF2m CH
2 CH2 −、F(CF2m CH2 CH2 CH2 −、F
(CF2m (CH26 −、H(CF2m CH2
−、F(CF2m CH=CHCH2 −、F(CF2
m CH2 CHICH2 −、F(CF2m CH2 CH
(OH)CH2 −、F(CF2m CH2 CH2 OCH
2 CH2 −、F(CF2m (CH26 OCH2 CH
2 −、F(CF2m OCH2 CH(OH)CH2 −、
(CF32 CF(CF2p CH2 CH2 −、(CF
32 CF(CF2p CH2 CHICH2 −、(CF
32 CF(CF2p CH2 CH(OH)CH2 −、
CF3 O[CF(CF3 )CF2 O]q CF(CF3
CH2 −、(CF32 CH−、(CF32 C(CH
3 )CH2 −、CF3 CHFCF2 CH2 −、F(CF
23 OCF(CF3 )CH2 −、CHF2 CF2 OC
2 CH2 −、CHF2 CF2 OCH2 CH(OCF2
CF2 H)CH2 −、−CH2 CH2 −(CF2m
CH2 CH2 −、−CH2 CH(OH)CH2 O(CF
2m OCH2 CH(OH)CH2 −。
【0058】(b)について説明する。(b)は下記式
(1)で表される化合物である。 Rf1−R1 −R2 ・・・・(1)
【0059】式中、Rf1は上記説明したポリフルオロ炭
化水素基のうち1価のものである。R1 が炭化水素基で
ある場合は炭素数1〜20、特に炭素数1〜10である
ことが好ましい。R2 のうち炭素を有するものは炭素数
1〜20、特に炭素数1〜10であることが好ましい。
【0060】(c)について説明する。(c)は下記式
(2)で表される化合物である。 [Rf2−R3 −(O)h −]n4 ・・・・(2)
【0061】式中、Rf2は上記説明したポリフルオロ炭
化水素基のうち1価のものである。R3 はが炭化水素基
である場合は炭素数1〜20、特に炭素数1〜10であ
ることが好ましい。R4 は炭素数1〜20特に炭素数1
〜10である炭化水素基であり、好ましくは2〜3価で
ある。nはR4 の価数に対応し、好ましくは2または3
である。
【0062】(d)について説明する。(d)は下記式
(3)で表される化合物である。 (R5 −R6 −)pf3・・・・(3)
【0063】式中、Rf3は上記説明したポリフルオロ炭
化水素基のうち2〜4価、好ましくは2価のものであ
る。R6 は炭素数1〜20、特に炭素数1〜10である
ことが好ましい。R5 のうち炭素を有するものは炭素数
1〜20、特に炭素数1〜10であることが好ましい。
pはRf3の価数に対応し、2が好ましい。
【0064】含フッ素化合物(B)の具体例を化4に挙
げるが、これらに限定されない。ただし、Qはグリシジ
ル基である。
【0065】
【化4】(CF32 CF(CF2m-2 CF(CF
32 、(CF32 CFCF=C(CF3 )CF(C
32 、Cm2m+1I、Cm2m+1CH2 CH2 I、
m2m+1CH=CH2 、CH2 =CH(CF2m
H=CH2 、Cm2m+1CH2 OCH3 、Cm2m+1
2 CH2 OCH3 、Cm2m+1(CH26 OCH
3 、CHF2 CF2 OCH2 CH2 OCF2 CF2 H、
CHF2 CF2 OCH2 CH(OCF2 CF2 H)CH
2 OCF2 CF2 H、Cm2m+1COOCH3 、Cm
2m+1COOCH2 CH3 、Cm2m+1COOCH2 CH
2 CH3 、HCF2 (CF2m COOCH2 CH2
3 、CF3 O[CF(CF3 )CF2 O]q CF(C
3 )COOCH3 、Cm2m+1CH2 CH2 OCOC
3 、Cm2m+1−Q、Cm2m+1O−Q。
【0066】含フッ素化合物(B)は1種単独または2
種以上を使用できる。含フッ素化合物(B)としては融
点が70℃以下のものが好ましい。含フッ素化合物
(B)はポリエーテル(A)と相溶性を有する必要性は
なく、シーラント用組成物として、安定な微分散状態に
あればよい。
【0067】ポリエーテル(A)100重量部に対する
含フッ素化合物(B)の添加量は特に制限はないが、
0.1〜5.0重量部が好ましい。0.1重量部未満で
は、タック改良効果が充分ではなく、5.0重量部を超
えて添加しても技術的意味がなく、経済的に不利であ
る。
【0068】(配合剤)本発明の室温硬化性組成物に
は、有効成分であるポリエーテル(A)、含フッ素化合
物(B)以外に、各種充填剤、チキソ性付与剤、可塑
剤、硬化促進触媒、接着性改良剤、脱水剤、溶剤、エポ
キシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂用硬化
触媒、老化防止剤、空気酸化硬化性化合物、光重合性化
合物、滑剤、顔料、などが必要に応じて添加される。
【0069】(充填剤)本発明の組成物において用いら
れる充填剤としては、炭酸カルシウムが好ましい。炭酸
カルシウムとしては、表面を脂肪酸または樹脂酸系有機
物で表面処理したものやさらにこれを微粉末化した平均
粒径1μm以下の膠質炭酸カルシウム、沈降法により製
造した平均粒径1〜3μmの軽質炭酸カルシウム、平均
粒径1〜20μmの重質炭酸カルシウム等が挙げられ
る。
【0070】さらに必要であれば、炭酸カルシウム以外
の充填剤も配合できる。これらの充填剤としては公知の
充填剤が使用でき、具体的には、次のものが例示でき
る。これらの充填剤は単独で用いてもよく、2種以上併
用してもよい。
【0071】フュームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ
酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、炭酸マグネシウ
ム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チ
タン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、
酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバルーン、木粉、パル
プ、木綿チップ、マイカ、くるみ穀粉、もみ穀粉、グラ
ファイト、アルミニウム微粉末、フリント粉末等の粉体
状充填剤、石綿、ガラス繊維、ガラスフィラメント、炭
素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等の繊
維状充填剤。
【0072】炭酸カルシウムを使用する場合のポリエー
テル(A)に対する炭酸カルシウムの使用割合は、必要
とされる硬化体の物性にもよるが、50〜500重量
%、特に100〜250重量%が好ましい。炭酸カルシ
ウムと他の充填剤を併用する場合は炭酸カルシウムと他
の充填剤の合計で、ポリエーテル(A)に対して50〜
800重量%、特に100〜300重量%用いるのが好
ましい。炭酸カルシウムのみを使用することが好まし
い。
【0073】(可塑剤)可塑剤としては、公知の可塑剤
が使用でき、具体的には次のものが例示できる。可塑剤
の使用割合は、ポリエーテル(A)に対して0〜100
重量%が好ましい。
【0074】フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、
フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル類;アジ
ピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸
ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エス
テル;ペンタエリスリトールエステルなどのグリコール
エステル類;リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル
等のリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、4,5−エ
ポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシステ
アリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤;塩素化パラフィ
ン;2塩基酸と2価アルコールとのポリエステル類など
のポリエステル系可塑剤、ポリオキシプロピレングリコ
ールやその誘導体等のポリエーテル類、ポリ−α−メチ
ルスチレン、ポリスチレン等のポリスチレンのオリゴマ
ー類、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル
共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブ
テン、水添ポリブテン、エポキシ化ポリブタジエン等の
オリゴマー類等。
【0075】(硬化触媒)ポリエーテル(A)の硬化触
媒は必要な配合剤の一つである。硬化触媒の具体的な例
としては次のものが挙げられる。それらの1種または2
種以上が使用される。硬化触媒の使用量はポリエーテル
(A)に対して0〜10重量%が好ましい。
【0076】アルキルチタン酸塩、有機ケイ素チタン酸
塩、ビスマストリス−2−エチルヘキソエート等の金属
塩、リン酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸等の酸
性化合物、エチレンジアミン、ヘキサンジアミン等の脂
肪族ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族ポリア
ミン類、ピペリジン、ピペラジン等の複素環式アミン
類、メタフェニレンジアミン等の芳香族アミン類、エタ
ノールアミン類、トリエチルアミン、エポキシ樹脂の硬
化剤として用いられる各種変性アミン等のアミン化合
物。
【0077】ジオクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレー
ト、ジオクチル錫ジラウレートおよび下記に挙げるカル
ボン酸型有機錫化合物およびこれらのカルボン酸型有機
錫化合物と上記のアミン類との混合物。 (n-C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2、(n-C4H9)2Sn(OCOCH=CH
COOC4H9-n)2 、(n-C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2 、(n-C
8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOC4H9-n)2、(n-C8H17)2Sn(OCOCH=C
HCOOC8H17-iso)2
【0078】下記の含硫黄型有機錫化合物。 (n-C4H9)2Sn(SCH2COO)、(n-C8H17)2Sn(SCH2COO) 、(n-C
8H17)2Sn(SCH2CH2COO)、(n-C8H17)2Sn(SCH2COOCH2CH2OC
OCH2S)、(n-C4H9)2Sn(SCH2COOC8H17-iso)2、(n-C8H17)2
Sn(SCH2COOC8H17-iso)2 、(n-C8H17)2Sn(SCH2COOC8H17-
n)2 、(n-C4H9)2SnS。
【0079】(n-C4H9)2SnO、(n-C8H17)2SnO 等の有機錫
オキシド、およびこれらの有機錫オキシドとエチルシリ
ケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マ
レイン酸ジオクチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエ
チル、フタル酸ジオクチル等のエステル化合物との反応
生成物。
【0080】下記等のキレート錫化合物およびこれらの
錫化合物とアルコキシシランとの反応生成物(ただし、
acacはアセチルアセトナト配位子)。 (n-C4H9)2Sn(acac)2、(n-C8H17)2Sn(acac)2 、(n-C4H9)
2 (C8H17O)Sn(acac)。
【0081】下記の錫化合物。 (n-C4H9)2(CH3COO)SnOSn(OCOCH3)(n-C4H9)2 、(n-C4H9)
2(CH3O)SnOSn(OCH3)(n-C4H9)2
【0082】(接着性改良剤)さらに接着性を改良する
目的で接着性改良剤が用いられる。これらの接着性改良
剤としては(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン
類、アミノ基含有シラン類、メルカプト基含有シラン
類、エポキシ基含有シラン類、カルボキシル基含有シラ
ン類等がある。
【0083】(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン
類としては、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン等がある。
【0084】アミノ基含有シラン類としては、γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−
γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β
−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−
(N−ビニルベンジル−β−アミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピル
トリメトキシシラン等がある。
【0085】メルカプト基含有シラン類としては、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメ
チルジエトキシシラン等がある。
【0086】エポキシ基含有シラン類としては、γ−グ
リシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリ
シジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グ
リシジルオキシプロピルトリエトキシシラン等がある。
【0087】カルボキシル基含有シラン類としてはβ−
カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシ
エチルフェニルビス(β−メトキシエトキシ)シラン、
N−(N−カルボキシルメチル−β−アミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等がある。
【0088】また2種以上のシランカップリング剤を反
応させて得られる反応物を用いてもよい。反応物の例と
してはアミノ基含有シラン類とエポキシ基含有シラン類
との反応物、アミノ基含有シラン類と(メタ)アクリロ
イルオキシ基含有シラン類との反応物、エポキシ基含有
シラン類とメルカプト基含有シラン類の反応物、メルカ
プト基含有シラン類どうしの反応物等が挙げられる。こ
れらの反応物は該シランカップリング剤を混合し室温〜
150℃の温度範囲で1〜8時間撹拌することによって
容易に得られる。
【0089】上記の化合物は単独で使用してもよく、2
種類以上併用してもよい。接着性改良剤の使用量はポリ
エーテル(A)に対して0〜30重量%が好ましい。
【0090】(溶剤)また本発明の組成物を硬化性組成
物として用いる場合、粘度の調整、組成物の保存安定性
向上を目的として、溶剤を添加することもできる。溶剤
の使用量はポリエーテル(A)に対して0〜100重量
%が好ましい。
【0091】かかる溶剤としては脂肪族炭化水素類、芳
香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール
類、ケトン類、エステル類、エーテル類、エステルアル
コール類、ケトンアルコール類、エーテルアルコール
類、ケトンエーテル類、ケトンエステル類、エステルエ
ーテル類を使用できる。特にアルコール類を用いた場
合、特に本発明組成物を長期に保存する場合、保存安定
性が向上するので好ましい。アルコール類としては、炭
素数1〜10のアルキルアルコールが好ましく、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、イソアミルアル
コール、ヘキシルアルコール等が用いられる。
【0092】(脱水剤)また本発明の硬化性組成物の貯
蔵安定性をさらに改良するために、硬化性や柔軟性に悪
影響を及ぼさない範囲で少量の脱水剤を添加できる。脱
水剤の使用量はポリエーテル(A)に対して0〜30重
量%が好ましい。
【0093】具体的には、オルトギ酸メチル、オルトギ
酸エチル等のオルトギ酸アルキル、オルト酢酸メチル、
オルト酢酸エチル等のオルト酢酸アルキル、メチルトリ
メトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメ
トキシシラン、テトラエトキシシラン等の加水分解性有
機シリコン化合物、加水分解性有機チタン化合物等を使
用しうる。ビニルトリメトキシシラン、テトラエトキシ
シランがコスト、効果の点から特に好ましい。
【0094】(チキソ性付与剤)また垂れ性の改善のた
めチキソ性付与剤を使用してもよい。このようなチキソ
性付与剤としては水添ひまし油、脂肪族アミド等が用い
られる。
【0095】(老化防止剤)また、老化防止剤として
は、一般に用いられている、ヒンダードアミン系、ベン
ゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート
系、シアノアクリレート系、アクリレート系、ヒンダー
ドフェノール系、リン系、硫黄系の各化合物を適宜使用
できる。
【0096】(エポキシ樹脂)本発明組成物には、場合
によってはエポキシ樹脂を添加してもよい。また必要に
応じてエポキシ樹脂硬化剤と併用してもよい。
【0097】本発明の組成物に添加しうるエポキシ樹脂
としては、一般のエポキシ樹脂が挙げられる。例えば以
下のものなどが挙げられる。
【0098】エピクロロヒドリン−ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、エピクロロヒドリン−ビスフェノールF
型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグリ
シジルエーテル、ノボラック型エポキシ樹脂、水添ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ポリオキシアルキレング
リコールジグリシジルエーテル、グリセリンなどの多価
アルコールのグリシジルエーテル、ビスフェノールAプ
ロピレンオキシド付加物のグリシジルエーテル系エポキ
シ樹脂、ジグリシジル−p−オキシ安息香酸、フタル酸
ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシ
ジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエス
テルなどのジグリシジルエステル系エポキシ樹脂、m−
アミノフェノール系エポキシ樹脂、ジアミノジフェニル
メタン系エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、各
種脂環式エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジルアニリ
ン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、トリグリ
シジルイソシアヌレート、ヒダントイン型エポキシ樹
脂、石油樹脂などのごとき不飽和重合体のエポキシ化物
等の一般に使用されているエポキシ樹脂やエポキシ基を
含有するビニル系重合体。
【0099】また本発明組成物に上記エポキシ樹脂用の
硬化剤または硬化触媒を併用してもよい。エポキシ樹脂
用硬化剤または硬化触媒として具体的には、以下のもの
などが挙げられる。
【0100】トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミ
ノエチルピペラジン、m−キシリレンジアミン、m−フ
ェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミ
ノジフェニルスルフォン、イソホロンジアミン、2,
4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等
のアミン類、3級アミン塩類、ポリアミド樹脂、イミダ
ゾール類、ジシアンジアミド類、三フッ化ホウ素錯化合
物類、無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テ
トラヒドロフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒド
ロフタル酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ピロメ
リット酸無水物等のカルボン酸無水物、フェノキシ樹
脂、カルボン酸類、アルコール類、エポキシ基と反応し
うる基を平均して分子内に少なくとも1個有するポリア
ルキレンオキシド系重合体(末端アミノ化ポリオキシプ
ロピレン、末端カルボキシル化ポリオキシプロピレン
等) 、末端が水酸基、カルボキシル基またはアミノ基で
修飾されたポリブタジエン、水添ポリブタジエン、アク
リロニトリル−ブタジエン共重合体またはアクリル系重
合体等の末端官能基含有液状重合体。
【0101】(その他)また塗料の密着性や表面タック
を長期にわたり改善する目的で、空気酸化硬化性化合物
や光硬化性物質を添加することもある。このような空気
酸化硬化性化合物としては桐油、あまに油等に代表され
る乾性油や、該化合物を変性して得られる各種アルキッ
ド樹脂、乾性油により変性されたアクリル系重合体、シ
リコーン樹脂、1, 2−ポリブタジエン、1,4−ポリ
ブタジエン、C5 〜C8 ジエンの重合体や共重合体など
のジエン系重合体、さらには該重合体や共重合体の各種
変性物(マレイン化変性、ボイル油変性等)などが挙げ
られる。光硬化性物質としては、多官能アクリレート類
が通常用いられる。
【0102】(調製方法)本発明における硬化性組成物
の調製方法には特に限定はなく、たとえばポリエーテル
(A)と含フッ素化合物(B)およびその他の液状の配
合物を混合し、その中に粉体状の化合物を加えて、ミキ
サーやロールやニーダーなどを用いて常温または加熱下
で混練したり、溶剤を少量使用して成分を溶解させて混
合したりするなどの通常の方法が採用されうる。またこ
れらの成分を適当に組み合わせることにより、1液型や
2液型の配合物を調製できる。
【0103】(用途)本発明の硬化性組成物は、室温で
湿分存在下で硬化し、特に弾性シーラント用として有用
である。
【0104】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。使
用したポリエーテルP1〜P3の製造法を製造例1〜3
に示す。また、使用した含フッ素化合物F1〜F5、添
加剤C1〜C6は表7に示した化合物である。なお、以
下、部は重量部を示す。
【0105】[製造例1]ジエチレングリコールを開始
剤として亜鉛ヘキサシアノコバルテート触媒にてプロピ
レンオキシドの重合を行い、ポリオキシプロピレンジオ
ールを得た。これにナトリウムメチラートのメタノール
溶液を加え、メタノールを除去した後、塩化アリルを加
えて末端の水酸基をアリルオキシ基に変換した。ついで
得られた末端アリル基含有ポリオキシアルキレン化合物
にメチルジメトキシシランを白金触媒の存在下に反応さ
せてアリル基をメチルジメトキシシリルプロピル基に変
換し、末端に平均1.4個の加水分解性シリル基を含む
ポリエーテル(P1)を得た。このポリエーテルのポリ
オキシプロピレンジオールの水酸基価から計算した平均
分子量17000であった。
【0106】[製造例2]数平均分子量4000のポリ
オキシプロピレンジオールに粉末苛性ソーダを加え、次
いでジブロモメタンとブロモクロロメタンと反応させ
た。さらに末端水酸基を塩化アリルと反応させて、末端
アリルオキシ基とした後、さらに塩化白金酸を触媒とし
てメチルジメトキシシランを付加反応させ、末端に平均
1.3個の加水分解性シリル基を含むポリエーテル(P
2)を得た。このポリエーテルのポリオキシプロピレン
ジオール水酸基価から計算した平均分子量は9000で
あった。
【0107】[製造例3]グリセリンを開始剤として亜
鉛ヘキサシアノコバルテート触媒にてプロピレンオキシ
ドの重合を行い、ポリオキシプロピレントリオールを得
た。これにナトリウムメチラートのメタノール溶液を加
え、メタノールを除去した後、塩化アリルを加えて末端
の水酸基をアリルオキシ基に変換した。ついで得られた
末端アリル基含有ポリオキシアルキレン化合物にメチル
ジメトキシシランを白金触媒の存在下に反応させてアリ
ル基をメチルジメトキシシリルプロピル基に変換し、末
端に平均2.4個の加水分解性シリル基を含むポリエー
テル(P3)を得た。このポリエーテルのポリオキシプ
ロピレントリオールの水酸基価から計算した平均分子量
は17000であった。
【0108】[例1]ポリエーテルP1の100部に対
し、含フッ素化合物F1を3部、エピコート828(油
化シェルエポキシ社製ビスフェノールA型エポキシ樹
脂)6部、白艶化CCR(白石工業社製炭酸カルシウ
ム)70部、ホワイトンSB(白石工業社製炭酸カルシ
ウム)120部、フタル酸ジオクチル50部、アロニッ
クスM309(東亜合成化学工業社製オリゴエステルア
クリレート)5部、酸化チタン3.5部、紫外線吸収剤
チヌビン327の1部、酸化防止剤イルガノックス10
10の1部、水添ヒマシ油5.0部、エチルメチルケト
ン20部を加え、三本ロールにて混合したのち、50℃
にて1時間処理し組成物を得た。
【0109】さらにネオスタンU−220(日東化成社
製ジブチル錫ビスアセチルアセトナート)を触媒として
1.5部加え、混合したのち、縦30mm、横100m
m、厚さ10mmのアルミニウム製容器に充填し、20
℃、65%相対湿度下に置き、1日後、7日後、14日
後の表面タックを指触にて評価した。ただし、タックの
判定基準は、◎:べとつきが認められない、○:べとつ
きがわずかに認められる、△:べとつきが認められる、
×:非常に強いべとつきが認められる、とした。結果を
表1に示す。
【0110】また同じサンプルの14日後の硬度を高分
子計器社製CII型硬度計の硬度により評価した。結果を
表1に示す。
【0111】さらに、上記組成物の70℃における貯蔵
安定性を評価するため、BS型粘度計(7号ロータ、1
0.5回転/分)により初期と14日後の粘度を測定し
た。結果を表1に示す。ただし、粘度の単位は104
Pである。
【0112】[例2〜16]表1〜3に示す組成のポリ
エーテル100部と表1〜3に示す含フッ素化合物(F
1〜F5)を表1〜3に示す使用量(部)用いたこと以
外は、例1と全く同様にして組成物を調製し、例1と同
様の方法で表面タック、硬度および貯蔵安定性の評価し
た。結果を表1〜3に示す。
【0113】[例17〜21]含フッ素化合物を含まな
いこと以外は例1〜16と全く同様にして組成物を作成
し、タック、硬度および貯蔵安定性を評価した。結果を
表4に示す。
【0114】[例22〜29]例1〜16で用いた含フ
ッ素化合物(F1〜F5)のかわりにフッ素系界面活性
剤(C1〜C4)を表5〜6に示す使用量(部)用いた
こと以外は例1〜16と同様にして組成物を作成し、タ
ック、硬度および貯蔵安定性を評価した。結果を表5〜
6に示す。
【0115】[例30〜33]例1〜16で用いた含フ
ッ素化合物(F1〜F5)のかわりに加水分解性シリル
基を含む含フッ素化合物(C5〜C6)を表6に示す使
用量(部)用いたこと以外は例1〜16と全く同様にし
て組成物を作成し、タック、硬度および貯蔵安定性を評
価した。結果を表6に示す。
【0116】以上、例1〜16までは実施例、例17〜
33までは比較例である。例1〜16と例17〜21の
比較からわかるとおり、ポリエーテル(A)に対し、本
発明における特定の構造の含フッ素化合物(B)を添加
した組成物は添加しなかった場合に比較して硬化物の初
期タックの低減効果に優れ、貯蔵安定性にも悪影響を与
えない。
【0117】一方、例22〜29は含フッ素化合物
(B)のかわりに、イオン性および非イオン性の親水基
を含むフッ素系界面活性剤C1〜C4を添加した組成物
であり、含フッ素化合物(B)を添加した組成物に比し
て、タックの低減効果に乏しく、しかも組成物の貯蔵安
定性が大幅に悪化している。
【0118】また、例30〜33は含フッ素化合物
(B)のかわりに加水分解性シリル基を含む含フッ素化
合物を添加した組成物である。この組成物は貯蔵安定性
は問題ないが、含フッ素化合物(B)を添加した組成物
に比して、早期のタックの低減効果に乏しく、しかも組
成物の硬度を高くする傾向があり、柔軟性が要求される
シーラント組成物の用途においては使用に制限を受け
る。
【0119】
【表1】
【0120】
【表2】
【0121】
【表3】
【0122】
【表4】
【0123】
【表5】
【0124】
【表6】
【0125】
【表7】
【0126】
【発明の効果】以上に示したとおり、本発明の硬化性組
成物は、組成物の貯蔵安定性に優れ、低硬度でタックの
少ない硬化体を与え、弾性シーリング材、防水材として
最適である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加水分解により架橋可能な反応性シリル基
    を分子内に1つ以上含有するポリエーテル(A)、およ
    び下記(a)〜(d)から選ばれる含フッ素化合物
    (B)、からなる硬化性組成物。 (含フッ素化合物(B)) (a)炭素数2〜40のパーフルオロ炭化水素。 (b)下記式(1)で表される化合物。 Rf1−R1 −R2 ・・・・(1) 式中、Rf1は1価のポリフルオロ炭化水素基であり、R
    1 は結合手または2価の炭化水素基であり、R2 は水素
    原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル
    基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニ
    ル基、アシルオキシ基、グリシジル基、またはグリシジ
    ルオキシ基である。 (c)下記式(2)で表される化合物。 [Rf2−R3 −(O)h −]n4 ・・・・(2) 式中、Rf2は1価のポリフルオロ炭化水素基であり、R
    3 は結合手または2価の炭化水素基であり、R4 はn価
    の置換または非置換の炭化水素基であり、hは0または
    1であり、nは2、3または4である。n個のRf2、R
    3 はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。 (d)下記式(3)で表される化合物。 (R5 −R6 −)pf3・・・・(3) 式中、Rf3はp価のポリフルオロ炭化水素基であり、R
    6 は結合手または2価の炭化水素基であり、R5 は水素
    原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル
    基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニ
    ル基、アシルオキシ基、グリシジル基、またはグリシジ
    ルオキシ基であり、pは2、3または4である。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017008186A (ja) * 2015-06-22 2017-01-12 パナソニックIpマネジメント株式会社 樹脂組成物およびその製造方法、それを用いた製品

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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