JPH08269342A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JPH08269342A
JPH08269342A JP7010495A JP7010495A JPH08269342A JP H08269342 A JPH08269342 A JP H08269342A JP 7010495 A JP7010495 A JP 7010495A JP 7010495 A JP7010495 A JP 7010495A JP H08269342 A JPH08269342 A JP H08269342A
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JP
Japan
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group
compound
fluorine
reacting
functional
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JP7010495A
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English (en)
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Hidefumi Sasakura
英史 笹倉
Hirotsugu Yamamoto
博嗣 山本
Mika Shirasaki
美加 白崎
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】(A)反応性シリル基含有有機重合体、およ
び、(B)(1)ポリフルオロアルキル基を1〜3個有
し、かつ、水酸基等の官能基を1個有する含フッ素化合
物と(2)該官能基と反応しうる官能基を少なくとも2
個有する多官能性化合物、を反応させて得られる化合
物、からなる硬化性組成物。 【効果】低モジュラスで初期タックの少ない硬化体を与
え、しかも長期耐汚染性が良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は湿分により硬化し、シー
リング材、防水剤、コーティング剤として有用な表面特
性の改善された室温硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】加水分解によりシロキサン結合を形成
し、高分子量化または架橋しうるシラノール基や加水分
解性シリル基などの反応性シリル基を有する有機重合体
としていくつかの例が知られている(たとえば、特開平
3−47820、特開平3−72027、特開平3−7
9627、特公昭61−49332、特公昭46−30
711、特公昭45−36319、特公昭46−175
53など)。
【0003】しかしこれらの有機重合体やそれを含有す
る組成物は、硬化体または組成物硬化体のモジュラスを
低くすると、硬化が終了した後も表面のべとつき、すな
わちタックが残り、たとえばシーリング材等として用い
た場合、ほこりの付着等の目地汚染をひきおこし建築物
の外観を損なう原因となっていた。
【0004】このタックを防止する目的で、たとえば特
公平3−3710では、反応性シリル基を有する有機重
合体にフッ素系界面活性剤を添加した組成物が開示され
ている。しかし本発明者の検討によれば、この組成物で
は硬化後もフッ素系界面活性剤が系全体に分散されて存
在し、表面への移行が不十分であるため、表面のタック
を低減するためには高価なフッ素系界面活性剤を多量に
使用する必要があり、シーリング部周辺の汚染を引き起
こしたり、耐水性や接着性への悪影響が大きく、実用面
での使用が大きく制限されていた。
【0005】また特開平1−188558には反応性シ
リル基を有する有機重合体と含フッ素炭化水素基含有シ
リコン化合物からなる組成物が開示されている。この組
成物においては含フッ素炭化水素基含有シリコン化合物
は硬化時に有機重合体架橋体の中に組み込まれるため、
周辺の汚染や接着性への悪影響は少ないが、やはり表面
への移行性が不十分なためタック低減効果が少なく、実
用的ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはそこで反
応性シリル基を有する有機重合体に対して、周辺の汚染
や物性への悪影響がなく、少量の添加で効果的に表面タ
ックを低減する添加剤を検討した結果、本発明に到達し
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(A)加水分解により架橋しうる反応性シリル基を分子
内に少なくとも1個有する有機重合体、および、(B)
下記(b−1)含フッ素化合物と(b−2)多官能性化
合物とを反応して得られる含フッ素化合物、からなる硬
化性組成物である。 (b−1)ポリフルオロアルキル基(以下、Rf 基とも
いう)を1〜3個有し、かつ、(b−2)と反応しうる
官能基(Y)を1個有する含フッ素化合物。 (b−2)官能基(Y)と反応しうる官能基(Z)を少
なくとも2個有する多官能性化合物。
【0008】[有機重合体]本発明における加水分解に
より架橋しうる反応性シリル基を分子内に少なくとも1
つ有する有機重合体(以下、反応性シリル基含有有機重
合体ともいう)としては、ポリオキシアルキレン、ポリ
エステルおよびポリカーボネートから選ばれる有機重合
体から誘導される有機重合体であって、末端に反応性シ
リル基を導入した有機重合体が挙げられる。またアクリ
ル酸エステル、メタアクリル酸エステル、ビニルアルキ
ルエーテル、イソブチレン、ブタジエン、クロロプレン
等のジエン類、トリフルオロクロロエチレン、テトラフ
ルオロエチレン、エチレンまたはプロピレン等のビニル
モノマーと反応性シリル基含有モノマーを共重合して得
られる反応性シリル基含有ビニル系重合体などが例示し
うる。
【0009】特にポリオキシアルキレン、ポリエステル
およびポリカーボネートから選ばれる有機重合体から誘
導される有機重合体であることが好ましく、そのうちで
も特にポリオキシアルキレンから誘導される反応性シリ
ル基含有ポリオキシアルキレンが好ましい。
【0010】ポリオキシアルキレンは、触媒の存在下、
活性水素を含有するイニシエータにアルキレンオキシド
を開環重合反応させて得ることができる。アルキレンオ
キシドとしてはプロピレンオキシド、エチレンオキシ
ド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン、スチレン
オキシド、アリルグリシジルエーテルなどがある。また
オキセタン、テトラヒドロフランなども使用できる。
【0011】イニシエータとしては、多価アルコール、
多価カルボン酸、多価アミン等の多価活性水素化合物、
末端不飽和基含有モノオール、不飽和フェノール、不飽
和カルボン酸等の不飽和基含有活性水素化合物が挙げら
れる。触媒としてはナトリウム、カリウム、セシウム等
のアルカリ金属、複合金属シアン化物錯体、金属ポルフ
ィリン錯体を使用できる。
【0012】反応性シリル基含有ポリオキシアルキレン
は、水酸基含有ポリオキシアルキレンから誘導されるこ
とが特に好ましい。
【0013】加水分解により架橋しうる反応性シリル基
(以下単に反応性シリル基ともいう)とは、シラノール
基や加水分解性シリル基のように、湿分や硬化触媒等に
より縮合反応をおこし有機重合体の架橋によって高分子
量化を促進しうるものであり、好ましくは式(1)によ
り示される。
【0014】−R−SiXa1 3-a・・・(1)
【0015】式中、Rは2価の有機基、R1 は炭素数1
〜20の置換または非置換の1価の炭化水素基、Xは水
酸基または加水分解性基、aは1、2または3である。
【0016】式(1)中のRは2価の有機基である。R
1 は炭素数1〜20の置換または非置換の1価の炭化水
素基であり、好ましくは炭素数8以下のアルキル基、フ
ェニル基やフルオロアルキル基である。特に好ましく
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキ
シル基、シクロヘキシル基、フェニル基等である。
【0017】式(1)中のXは水酸基または加水分解性
基である。加水分解性基としては、たとえばハロゲン原
子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミド基、アミノ
基、アミノオキシ基、ケトキシメート基またはヒドリド
基が挙げられる。これらのうち炭素原子を有する加水分
解性基の炭素数は6以下、特には4以下、が好ましい。
好ましいXは炭素数4以下の低級アルコキシ基、特にメ
トキシ基、エトキシ基またはプロポキシ基である。式
(1)中のaは1、2または3であり、2または3が好
ましい。
【0018】本発明における反応性シリル基含有有機重
合体の製造方法としては、たとえば下記の(イ)〜
(ヘ)があるがこれらに限定されない。なお、(イ)〜
(ニ)は、反応性シリル基含有ポリオキシアルキレンの
製造例であり、(ホ)〜(ヘ)は反応性シリル基含有ビ
ニル系重合体の製造例である。
【0019】(イ)イソシアネート基と反応性シリル基
を有する有機ケイ素化合物を末端水酸基含有ポリオキシ
アルキレンと反応させる方法。
【0020】具体的な有機ケイ素化合物としては、化1
の化合物を示しうる。
【0021】
【化1】(C25 O)3 Si(CH23 NCO (CH3 O)3 Si(CH23 NCO (CH3 O)2 (CH3 )Si(CH23 NCO (CH3 O)3 SiNCO (CH3 O)2 Si(NCO)2
【0022】(ロ)式HSiXa1 3-a(式中R1
X、aは前記に同じ)で示される水素化ケイ素化合物
と、末端に不飽和基を導入したポリオキシアルキレンと
を反応させる方法。
【0023】ここで不飽和基を導入する方法としては、
末端水酸基含有ポリオキシアルキレンのOHをOM(M
はアルカリ金属)とした後、塩化アリル等の不飽和基含
有ハロゲン化炭化水素と反応させる方法、あるいは不飽
和基および水酸基と反応しうる官能基を有する化合物を
末端水酸基含有ポリオキシアルキレンと反応させて、エ
ステル結合、ウレタン結合、カーボネート結合などを介
して不飽和基を導入する方法がある。
【0024】また末端水酸基含有ポリオキシアルキレン
の製造においてアルキレンオキシドを重合する際に、ア
リルグリシジルエーテルなどの不飽和基含有アルキレン
オキシドを共重合させることにより側鎖に不飽和基を導
入する方法や、開始剤として末端不飽和基含有モノオー
ルを用いて製造した水酸基含有ポリオキシアルキレンも
使用することにより末端に不飽和基を導入する方法があ
る。
【0025】(ハ)水酸基含有ポリオキシアルキレンの
末端にトリレンジイソシアネートなどのポリイソシアネ
ート化合物を反応させてイソシアネート基末端とした
後、該イソシアネート基に式(2)で示されるケイ素化
合物のW基を反応させる方法。
【0026】W−R2 −SiXa1 3-a ・・・(2)
【0027】ただし、式中R1 、X、aは前記に同じで
あり、R2 は2価炭化水素基、Wは水酸基、カルボキシ
ル基、メルカプト基およびアミノ基(1級または2級)
から選ばれる活性水素含有基である。
【0028】(ニ)末端に不飽和基を導入したポリオキ
シアルキレンの不飽和基と、Wがメルカプト基である式
(2)で示されるケイ素化合物のメルカプト基を反応さ
せる方法。
【0029】(ホ)反応性シリル基を有するビニルモノ
マーまたはそのオリゴマーと他のビニルモノマーまたは
そのオリゴマーとを共重合させる方法。
【0030】ビニルモノマーとは、たとえば式(3)で
示される化合物の単独または2種以上の混合物である。
【0031】CR3 2=CR45 ・・・(3)
【0032】式中R3 は水素原子、ハロゲン原子または
1価の炭化水素基であり、R4 、R5 は1価の有機基で
ある。R3 は水素原子または1価の炭化水素基であるこ
とが好ましく、R4 、R5 は水素原子、ハロゲン原子、
1価の炭化水素基、フェニル基、アルコキシ基、カルボ
キシル基、アルコキシカルボニル基、グリシドキシカル
ボニル基、ニトリル基、アルケニル基、アシルオキシ
基、アミド基またはピリジル基から選ばれる基であるこ
とが好ましい。
【0033】ビニルモノマーとしては、スチレンやα−
メチルスチレン等のスチレン系モノマー、アクリル酸、
メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリル
系、メタクリル系モノマー、アクリロニトリル、2,4
−ジシアノブテン−1等のシアノ基含有モノマー、酢酸
ビニル等のビニルエステル系モノマー、イソプレン、ブ
タジエンその他のジエン系モノマー、イソブチレン等の
オレフィン、不飽和エステル類、ハロゲン化オレフィ
ン、ビニルエーテルなどが例示できる。
【0034】また反応性シリル基を有するビニルモノマ
ーとしては式(4)で示される化合物が用いられる。
【0035】X1 3-n−SiR6 n7 ・・・(4)
【0036】式中R6 は1価の炭化水素基またはハロゲ
ン化炭化水素基であり、X1 は水酸基、またはハロゲン
原子、アルコキシ基、アシロキシ基、アミド基、アミノ
基、アミノキシ基、ケトキシメート基等の加水分解性基
であり、R7 は重合性不飽和基を有する有機残基であ
り、nは0、1または2である。
【0037】式(4)で示される化合物としては化2の
化合物等が例示される。
【0038】
【化2】CH2 =C(CH3 )COO(CH23 Si
(CH3 )(OCH32 CH2 =C(CH3 )Si(CH3 )(OCH32
【0039】(ヘ)反応性シリル基を含有する連鎖移動
剤の存在下で上記ビニルモノマーを重合させる方法。
【0040】反応性シリル基を含有する連鎖移動剤とし
ては具体的には化3の化合物等が例示される。
【0041】
【化3】HS(CH23 Si(OCH33 HS(CH23 Si(CH3 )(OCH32
【0042】反応性シリル基含有有機重合体(A)の分
子量は1000〜50000、特に5000〜3000
0、さらには8000〜30000が好ましい。
【0043】[含フッ素化合物]本発明においては
(B)下記(b−1)含フッ素化合物と(b−2)多官
能性化合物とを反応して得られる含フッ素化合物を使用
する。 (b−1)Rf 基を1〜3個有し、かつ、(b−2)と
反応しうる官能基(Y)を1個有する含フッ素化合物。 (b−2)官能基(Y)と反応しうる官能基(Z)を少
なくとも2個有する多官能性化合物。
【0044】含フッ素化合物(b−1)において、Rf
基は、アルキル基の水素原子の2個以上がフッ素原子に
置換された基を意味する。Rf 基の炭素数は2〜40、
特には1〜20、さらには4〜16、が好ましい。Rf
基の構造は、直鎖状でも分岐状でもよい。
【0045】Rf 基中のフッ素原子の割合は、(Rf
中のフッ素原子数)/(Rf 基に対応する同一炭素数の
アルキル基中に含まれる水素原子数)で表した場合に6
0%以上が好ましく、80%がより好ましく、特に実質
的に100%である場合が好ましい。Rf 基は、塩素原
子を含んでいてもよく、また、炭素−炭素結合の間にエ
ーテル性の酸素原子またはチオエーテル性のイオウ原子
が挿入されていてもよい。Rf 基には水素原子または塩
素原子が存在してもよいが、Rf 基はパーフルオロアル
キル基である方が好ましい。
【0046】官能基(Y)は、エポキシ基、イソシアネ
ート基、カルボキシル基、水酸基またはアミノ基である
ことが好ましい。
【0047】含フッ素化合物(b−1)としては式
(5)で示される化合物が好ましい。
【0048】Rf p8 −Y1 ・・・(5)
【0049】式中、Rf は前記に同じであり、Y1 はエ
ポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基、水酸基
またはアミノ基等の官能基であり、R8 は結合手または
炭素数30以下の置換もしくは非置換の(p+1)価の
有機基であって、かつフッ素原子またはケイ素原子を含
まない基である。pは1、2または3であり、R8 が結
合手である場合にはpは1である。
【0050】R8 は結合手または炭素数10以下、特に
5以下の炭化水素基であることが好ましい。pは1であ
ることが好ましい。
【0051】含フッ素化合物(b−1)としては具体的
には下記のエポキシ基含有含フッ素化合物、イソシアネ
ート基含有含フッ素化合物、カルボキシル基含有含フッ
素化合物、水酸基含有含フッ素化合物およびアミノ基含
有含フッ素化合物が例示されるが、これらに限定されな
い。
【0052】
【化4】〈エポキシ基含有含フッ素化合物〉 F(CF2m (CH2n −Q (m=6,8,10,12,14、n=0,1,2,
3,4) F(CF2s (CH2m O(CH2n −Q (s=6,8,10,12,14、m=0,1,2,
3,4、n=0,1,2,3,4)
【0053】ただし、「−Q」は化5で示される基であ
る(以下、同じ)。
【0054】
【化5】
【0055】
【化6】〈イソシアネート基含有含フッ素化合物〉 F(CF2m (CH2n NCO (m=6,8,10,12,14、n=0,1,2,
3,4)
【0056】
【化7】〈カルボキシル基含有含フッ素化合物〉 F(CF2n COOH (n=6,8,10,12,14) F(CF2m (CH2n COOH (m=6,8,10,12,14、n=1,2,3,
4) H(CF2n COOH (n=6,8,10,12,14) H(CF2m (CH2n COOH (m=6,8,10,12,14、n=1,2,3,
4) CF3 O[CF(CF3 )CF2 O]n CF(CF3
COOH (n=2,4,6)
【0057】
【化8】〈水酸基含有含フッ素化合物〉 F(CF2m (CH2n OH (m=6,8,10,12,14、n=1,2,3,
4) H(CF2m (CH2n OH (m=6,8,10,12,14、n=1,2,3,
4)
【0058】
【化9】〈アミノ基含有含フッ素化合物〉 F(CF2m (CH2n NH2 (m=6,8,10,12,14、n=1,2,3,
4)
【0059】(b−2)官能基(Y)と反応しうる官能
基(Z)を少なくとも2個有する多官能性化合物として
は、比較的低分子量の化合物が好ましく、分子量500
以下、特に300以下、が好ましい。官能基(Z)の数
は2個〜10個、特に2〜5個、が好ましい。多官能性
化合物としては具体的には式(6)で示される化合物が
好ましい。
【0060】R91 q ・・・(6)
【0061】式中、Z1 はエポキシ基、イソシアネート
基、カルボキシル基、水酸基またはアミノ基等の官能基
と反応しうる官能基であり、R9 はq価の有機基であ
り、qは2〜10である。
【0062】R9 としては、特に分子量500以下、特
に300以下の有機基であることが好ましい。具体的に
は、2〜10価の脂肪族/脂環族/芳香族の炭化水素
基、2〜10価のポリオキシアルキレン基、または2〜
10価のポリエステル基などがある。特に2〜5価であ
ることが好ましい。
【0063】官能基(Z)は官能基(Y)と対応して、
決まるものである。官能基(Z)と官能基(Y)の好ま
しい組み合せについて、表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】1分子中に含有される2個以上の官能基
(Z)はすべてが同じ基であっても、それぞれ異なる基
であってもよく、すべてが同じ基であることが好まし
い。
【0066】(b−2)多官能性化合物としては、具体
的には下記する多価アルコール、多価アミン、多価エポ
キシド、多価イソシアネート、または多価カルボン酸な
どが例示できるが、これらに限定されない。(b−2)
多官能性化合物としては、特に多価アルコールまたは多
価アミンが好ましい。
【0067】〈多価アルコール〉多価アルコールとして
は、水酸基を2〜8個有する多価アルコールが好まし
く、比較的低分子量の多価アルコールの他のポリオキシ
アルキレンポリオールやポリエステルポリオールなどが
ある。
【0068】ポリオキシアルキレンポリオールは、活性
水素を2個以上有する化合物にアルキレンオキシドを反
応させて得られる。ポリエステルポリオールは、低分子
量の多価アルコールと多価カルボン酸を縮合反応させ
て、またはラクトン類を開環重合させて得られる。
【0069】多価アルコールはハロゲン原子、ハロゲン
化アルキル基、アルケニル基、アルコキシアルキル基、
アシルオキシ基またはアシルオキシアルキル基またはエ
ステル基を含んでいてもよいが、それらを含まない方が
好ましい。
【0070】多価アルコールの具体例としては以下のも
のが挙げられる。グリセロール、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、グルコー
ス、シュークロース、および化10の化合物。
【0071】
【化10】 HO(CH2 CH2 O)n H (n=1〜20) HO(CH2 CH(CH3 )O)n H (n=1〜20) HO(CH2n OH (n=2〜20)
【0072】〈多価アミン〉多価アミンは、1級アミノ
基を2〜8個有する多価アミンが好ましく、比較的低分
子量の多価アミンの他、前記ポリオキシアルキレンポリ
オールやポリエステルポリオールの末端をアミン変性さ
せて得られるアミン変性体も使用できる。多価アミンは
ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、
アルコキシアルキル基、アシルオキシ基またはアシルオ
キシアルキル基またはエステル基を含んでいてもよい
が、それらを含まない方が好ましい。
【0073】多価アミンの具体例としては以下のものが
挙げられる。トリレンジアミン、4,4’−ジフェニル
メタンジアミン、キシリレンジアミン、ジシクロヘキシ
ルメタンジアミン、シクロヘキシルジアミン、1,2,
5−トリアミノペンタン、末端アミノ基変性ポリオキシ
アルキレン、および炭素数2〜20の直鎖状α,ω−ジ
アミン。
【0074】〈多価エポキシド〉多価エポキシドの具体
例としては化11の化合物が挙げられる。ただし、「−
Q」は前述のとおりである。
【0075】
【化11】 Q−(CH2n −Q (n=0,2,4,6) Q−O(CH2n O−Q (n=2,4,6,8) Q−CH2 O(CH2n OCH2 −Q (n=2,4,6,8)
【0076】〈多価イソシアネート〉多価イソシアネー
トの具体例としては以下のものが挙げられる。トリレン
ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、ポリメリックMDI、キシリレンジイソシ
アネート、ナフチレンジイソシアネート、パラフェニレ
ンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘ
キシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、リジンジイソシアネート、イソプロピリデンビ
ス(4−イソシアネートシクロヘキサン)、水添キシレ
ンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネー
ト、トリジンジイソシアネート。
【0077】〈多価カルボン酸〉多価カルボン酸の具体
例としては以下のものが挙げられる。マレイン酸、フマ
ル酸、シトラコン酸、メサコン酸、ショウノウ酸、フタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸、および炭素数4〜22
の飽和直鎖状α,ω−ジカルボン酸。
【0078】また、1分子中に含有される2個以上の官
能基(Z)がそれぞれ異なる基である多官能性化合物と
しては、水酸基とカルボキシル基を有する化合物、水酸
基とアミノ基を有する化合物などがあり、具体的にはモ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアミノ
アルコールおよび化12の化合物などがある。
【0079】
【化12】 HO[(CH2s OCO(CH2m CO]n OH (s、m、nはそれぞれ2〜20) HO[(CH2m CO]n OH (m、n=2〜20)
【0080】含フッ素化合物(B)は1種単独使用でも
2種以上併用でもよい。さらに直鎖状でも分岐状でもよ
く、また含フッ素化合物(B)としては融点が70℃以
下のものが好ましい。
【0081】(A)に対する(B)の添加量は特に制限
はなく、0.1〜5.0重量%が好ましい。0.1重量
%未満では、タック改良効果が充分ではなく、5.0重
量%を超えて添加してもあまり意味がなく、経済的に不
利である。
【0082】本発明の硬化性組成物には、有効成分であ
る(A)および(B)以外に、各種充填剤、可塑剤、硬
化促進触媒、接着性改良剤、脱水剤、溶剤、エポキシ樹
脂、その硬化剤、空気酸化硬化性化合物、光重合性化合
物、老化防止剤、チキソ性付与剤、滑剤、顔料などが必
要に応じて添加される。
【0083】充填剤としては公知の充填剤が使用でき
る。充填剤の使用量は反応性シリル基含有有機重合体に
対して0〜100重量%が好ましい。充填剤の具体例と
しては以下のものが挙げられる。これらの充填剤は単独
で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0084】炭酸カルシウム、フュームシリカ、沈降性
シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸およびカーボンブラッ
ク、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレ
ー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナ
イト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバル
ーン、木粉、パルプ、木綿チップ、マイカ、くるみ穀
粉、もみ穀粉、グラファイト、アルミニウム微粉末、フ
リント粉末等の粉体状充填剤、石綿、ガラス繊維、ガラ
スフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレ
ンファイバー等の繊維状充填剤。
【0085】このうちでも特に炭酸カルシウムが好まし
い。通常用いられる炭酸カルシウム充填剤としては、表
面を脂肪酸または樹脂酸系有機物で表面処理したものや
さらにこれを微粉末化した平均粒径1μm以下の膠質炭
酸カルシウム、1〜3μmの沈降法により製造したいわ
ゆる軽質炭酸カルシウム、1μm〜20μmの重質炭酸
カルシウム等が挙げられる。
【0086】可塑剤としては、公知の可塑剤が使用でき
る。可塑剤の使用量は反応性シリル基含有有機重合体に
対して0〜100重量%が好ましい。可塑剤の具体例と
しては以下のものが挙げられる。
【0087】フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、
フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル類;アジ
ピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸
ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エス
テル;ペンタエリスリトールエステルなどのアルコール
エステル類;リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル
等のリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、4,5−エ
ポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシステ
アリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤;塩素化パラフィ
ン;2塩基酸と2価アルコールとのポリエステル類など
のポリエステル系可塑剤、ポリオキシプロピレングリコ
ールやその誘導体等のポリエーテル類、ポリ−α−メチ
ルスチレン、ポリスチレン等のポリスチレンのオリゴマ
ー類、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル
共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブ
テン、水添ポリブテン、エポキシ化ポリブタジエン等の
オリゴマー類等の高分子可塑剤。
【0088】さらに本発明の硬化性組成物には湿気との
硬化を促進させる目的で反応性シリル基の硬化反応を促
進する硬化促進触媒を使用してもよい。硬化促進触媒の
具体例としては次のものがある。使用量は反応性シリル
基含有有機重合体に対して0〜10重量%が好ましい。
【0089】アルキルチタン酸塩、有機ケイ素チタン酸
塩、ビスマストリス−2−エチルヘキソエート等の金属
塩、リン酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸等の酸
性化合物、n−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、n
−デシルアミン、n−ラウリルアミン、ジブチルアミ
ン、ジヘキシルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシ
ルアミン等の1級、2級、3級アミン類、エチレンジア
ミン、ヘキサンジアミン等の脂肪族ジアミン、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンペンタミン等の脂肪族ポリアミン類、ピペリジン、ピ
ペラジン等の複素環式アミン類、メタフェニレンジアミ
ン等の芳香族アミン類、エタノールアミン類、エポキシ
樹脂の硬化剤として用いられる各種変性アミン等のアミ
ン化合物。
【0090】以下に示す有機錫塩類(ただしacacは
アセチルアセトナト配位子を示す)も硬化促進触媒とし
て使用できる。
【0091】(n-C4H9)2Sn(OCOC11H23-n)2 、(n-C8H17)2
Sn(OCOC11H23-n)2、(n-C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOOC4H9-n)
2 、(n-C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2、(n-C8H17)2Sn(OCO
CH=CHCOOC4H9-n)2、(n-C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2
(n-C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOC8H17-iso)2 、(n-C4H9)2Sn
(OC8H17-iso)2、(n-C8H17)2Sn(OCH3)2 、Sn(OCOC7H15-
n)2 、(n-C4H9)2Sn(acac)2、(n-C8H17)2Sn(acac)2 、(n
-C4H9)2(C8H17O)Sn(acac) 、(n-C4H9)2Sn(SCH2COO)、(n
-C8H17)2Sn(SCH2COO) 、(n-C8H17)2Sn(SCH2CH2COO)、(n
-C8H17)2Sn(SCH2COOCH2CH2OCOCH2S)、(n-C8H17)2Sn(SCH
2COOC4H8OCOCH2S)、(n-C4H9)2Sn(SCH2COOC8H17-iso)2
(n-C8H17)2Sn(SCH2COOC8H17-iso)2 、(n-C8H17)2Sn(SCH
2COOC8H17-n)2 、(n-C8H17)2Sn(SCH2COOC12H25-n)2等。
【0092】さらに、以下に示すものも硬化促進触媒と
して使用できる。(n-C4H9)2SnO、(n-C8H17)2SnO 等の有
機錫オキシドおよび有機錫オキシドとエチルシリケー
ト、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイ
ン酸ジオクチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジオクチル等のエステル化合物との反応生
成物。上記これらの有機錫化合物と上記アミン類との混
合物。
【0093】本発明において接着性改良剤としてシラン
カップリング剤が使用できる。シランカップリング剤と
しては(メタ)アクリロキシ基含有シラン類、アミノ基
含有シラン類、メルカプト基含有シラン類、エポキシ基
含有シラン類、カルボキシル基含有シラン類ならびにア
ミノ基含有シラン類と(メタ)アクリロキシ基含有シラ
ン類との反応物、エポキシ基含有シラン類とメルカプト
基含有シラン類の反応物、メルカプト基含有シラン類同
士の反応物などが挙げられる。使用量は反応性シリル基
含有有機重合体に対して0〜30重量%が好ましい。
【0094】(メタ)アクリロキシ基含有シラン類とし
ては具体的には、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン等がある。
【0095】アミノ基含有シラン類としては具体的に
は、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシ
シラン、N−(N−ビニルベンジル−β−アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ニリノプロピルトリメトキシシラン等がある。
【0096】メルカプト基含有シラン類としては具体的
には、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカ
プトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルメチルジエトキシシラン等がある。
【0097】エポキシ基含有シラン類としては具体的に
はγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリエトキシシラン等がある。
【0098】カルボキシル基含有シラン類としては具体
的にはβ−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−
カルボキシエチルフェニルビス(β−メトキシエトキ
シ)シラン、N−(N−カルボキシルメチル−β−アミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等
がある。
【0099】また本発明の硬化性組成物にはさらに貯蔵
安定性を改良するために脱水剤を添加してもよい。具体
的にはオルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル等のオルト
ギ酸アルキル類、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル
等のオルト酢酸アルキル類、メチルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン等の加水分解性有機ケイ素化合物、
加水分解性有機チタン化合物等を使用しうる。使用量は
反応性シリル基含有有機重合体に対して0〜30重量%
が好ましい。
【0100】また本発明の組成物を硬化性組成物として
用いる場合、粘度の調整、(B)の保存安定性向上を目
的として、溶剤を添加することもできる。かかる溶剤と
しては脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン
化炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、
エーテル類、ケトンアルコール類、エーテルアルコール
類、ケトンエーテル類、ケトンエステル類、エステルエ
ーテル類を使用できる。使用量は反応性シリル基含有有
機重合体に対して0〜10量%が好ましい。
【0101】本発明組成物には、場合によってはエポキ
シ樹脂を添加してもよい。また必要に応じてエポキシ樹
脂硬化剤と併用してもよい。本発明の組成物に添加しう
るエポキシ樹脂としては、一般のエポキシ樹脂が挙げら
れる。具体的には以下のものが例示できる。使用量は反
応性シリル基含有有機重合体に対して0〜100重量%
が好ましい。
【0102】エピクロロヒドリン−ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、エピクロロヒドリン−ビスフェノールF
型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグリ
シジルエーテルなどの難燃型エポキシ樹脂、ノボラック
型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物のグリ
シジルエーテル型エポキシ樹脂、4−グリシジルオキシ
安息香酸グリシジル、フタル酸ジグリシジル、テトラヒ
ドロフタル酸ジグリシジル、ヘキサヒドロフタル酸ジグ
リシジルなどのジグリシジルエステル系エポキシ樹脂、
m−アミノフェノール系エポキシ樹脂、ジアミノジフェ
ニルメタン系エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹
脂、各種脂環式エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジルア
ニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、トリ
グリシジルイソシアヌレート、ポリアルキレングリコー
ルジグリシジルエーテル、グリセリンなどの多価アルコ
ールのグリシジルエーテル、ヒダントイン型エポキシ樹
脂、石油樹脂などのごとき不飽和重合体のエポキシ化物
等の一般に使用されているエポキシ樹脂やエポキシ基を
含有するビニル系重合体等。
【0103】また本発明組成物に上記エポキシ樹脂の硬
化剤(または硬化触媒)を併用してもよい。このような
硬化剤としては一般に用いられるエポキシ樹脂用硬化剤
が挙げられる。具体的には以下のものが例示できる。使
用量はエポキシ樹脂に対して0.1〜300重量%が好
ましい。
【0104】トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミ
ノエチルピペラジン、m−キシリレンジアミン、m−フ
ェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミ
ノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、2,4,
6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のア
ミン類またはそれらの塩類、ポリアミド樹脂、イミダゾ
ール類、ジシアンジアミド類、三フッ化ホウ素錯化合物
類、無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テト
ラヒドロフタル酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、
ピロメリット酸無水物等のカルボン酸無水物、フェノキ
シ樹脂、カルボン酸類、アルコール類等、エポキシ基と
反応しうる基を平均して分子内に少なくとも1個有する
ポリアルキレンオキシド系重合体(末端アミノ化ポリオ
キシプロピレングリコール、末端カルボキシル化ポリオ
キシプロピレングリコール等) 、末端が水酸基、カルボ
キシル基、アミノ基等で修飾されたポリブタジエン、水
添ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体、アクリル系重合体等の液状末端官能基含有重合体
等。
【0105】また塗料の密着性や表面タックを長期にわ
たり改善する目的で、空気酸化硬化性化合物や光硬化性
化合物を添加することもある。空気酸化硬化性化合物の
使用量は反応性シリル基含有有機重合体に対して0〜5
0重量%、光硬化性化合物の使用量は反応性シリル基含
有有機重合体に対して0〜50重量%が好ましい。
【0106】このような空気酸化硬化性化合物としては
桐油、あまに油等に代表される乾性油や、該化合物を変
成して得られる各種アルキッド樹脂、乾性油により変性
されたアクリル系重合体、シリコーン樹脂、ポリブタジ
エン、炭素数5〜8のジエンの重合体や共重合体などの
ジエン系重合体、さらには該重合体や共重合体の各種変
性物(マレイン化変性、ボイル油変性等)などが挙げら
れる。光硬化性化合物としては、多官能アクリレート類
が通常用いられる。
【0107】また、老化防止剤としては、一般に用いら
れている老化防止剤、ヒンダードアミン系、ベンゾトリ
アゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シア
ノアクリレート系、アクリレート系、ヒンダードフェノ
ール系、リン系、硫黄系の各化合物を適宜使用できる。
【0108】チキソ性付与剤としては水添ヒマシ油、脂
肪族アミド等が使用できる。
【0109】本発明において、室温硬化性組成物の調整
方法には特に限定はなく、たとえば(A)、(B)およ
びその他の液状の配合物を混合し、その中に粉体状の化
合物を加えて、ミキサーやロールやニーダーなどを用い
て常温または加熱下で混練したり、溶剤を少量使用して
成分を溶解させて混合したりするなどの通常の方法が採
用されうる。またこれらの成分を適当に組み合わせるこ
とにより、1液型や2液型の配合物を調製できる。
【0110】本発明の室温硬化性組成物は、室温で湿分
存在下で硬化する。建築用途等の接着剤、シーリング
材、防水剤等に適する。特に弾性シーリング材用として
有用である。
【0111】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明するが、
本発明はこれらの実施例に限られるものではない。部は
重量部を示す。
【0112】なお実施例に使用した反応性シリル基含有
ポリオキシアルキレンの製造法を参考製造例1に、また
実施例に使用した(B)含フッ素化合物の製造法を製造
例1〜5に示す。また、ポリオールの分子量は水酸基価
から換算した。すなわち、(分子量)=(56100×
ポリオールの水酸基数)/(水酸基価)である。
【0113】[参考製造例1]ジエチレングリコールを
開始剤として亜鉛ヘキサシアノコバルテート触媒にてプ
ロピレンオキシドの重合を行い、ポリオキシプロピレン
ジオールを得た。これにナトリウムメトキシドのメタノ
ール溶液を加え、メタノールを除去した後、塩化アリル
を加えて末端の水酸基をアリルオキシ基に変換した。メ
チルジメトキシシランを白金触媒の存在下に反応させて
アリル基をメチルジメトキシシリルプロピル基に変換
し、末端に平均1.4個の反応性シリル基を含む分子量
17000のポリオキシアルキレン(P1)を得た。
【0114】[製造例1]三フッ化ホウ素エーテレート
を触媒として、1,1,1,2,2,3,3,4,4,
5,5,6,6,7,7,8,8−ヘプタデカフルオロ
−10,11−エポキシウンデカンの2当量に対してポ
リオキシエチレングリコール(分子量1000)の1当
量を反応させ含フッ素化合物(F1)を得た。
【0115】[製造例2]濃硫酸を触媒としてパーフル
オロオクタン酸の4当量に対してペンタエリスリトール
の1当量を脱水縮合させ、含フッ素化合物(F2)を得
た。
【0116】[製造例3]三フッ化ホウ素エーテレート
を触媒として、1,1,1,2,2,3,3,4,4,
5,5,6,6,7,7,8,8−ヘプタデカフルオロ
デカン−10−オールの2当量に対してエチレングリコ
ールジグリシジルエーテルの1当量を反応させて含フッ
素化合物(F3)を得た。
【0117】[製造例4]1,1,1,2,2,3,
3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘプタ
デカフルオロデカン−10−オールの2当量に対してヘ
キシレンイソシアネートの1当量を反応させて含フッ素
化合物(F4)を得た。
【0118】[製造例5]1,1,1,2,2,3,
3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘプタ
デカフルオロデカン−10−オールの2当量に対してア
ジピン酸の1当量を脱水縮合させ含フッ素化合物(F
5)を得た。
【0119】[実施例1〜5]ポリオキシアルキレン
(P1)100部に対し、表2に示す含フッ素化合物
(F1〜5)を3部、エピコート828(油化シェルエ
ポキシ(株)製のビスフェノールA型エポキシ樹脂)6
部、白艶化CCR(白石工業(株)製炭酸カルシウム)
70部、ホワイトンSB(白石工業(株)製炭酸カルシ
ウム)120部、フタル酸ジオクチル50部、アロニッ
クスM309(東亜合成化学工業(株)製オリゴエステ
ルアクリレート)5部、酸化チタン3.5部、チヌビン
327(チバガイギー製、紫外線吸収剤)の1部、イル
ガノックス1010(チバ・ガイギー製、酸化防止剤)
の1部および水添ヒマシ油5部、エチルメチルケトン2
0部を加え、三本ロールにて混合したのち、50℃にて
1時間処理し組成物を得た。
【0120】さらに反応性シリル基の硬化促進触媒とし
て(n−C492 (C817O)Sn(acac)
[ここでC817は2−エチルヘキシル基である]を
1.5部加え、混合したのち、縦30mm、横100m
m、厚さ10mmのアルミニウム製容器に充填し、20
℃、65%湿度下に置き、1日後、7日後および14日
後の表面タックを指触にて評価した。
【0121】タックの判定基準は、◎:べとつきが認め
られない、○:べとつきがわずかに認められる、△:べ
とつきが認められる、×:非常に強いべとつきが認めら
れる、とした。結果を表2に示す。
【0122】また同じ組成物よりJIS A5758に
準じてH型サンプルを作成し、このものの50%引っ張
りモジュラス(M50、単位:kg/cm2 )、破断強度
(E、単位:%)および伸び(Ts 、単位:kg/cm
2 )を測定した。結果を表2に示す。
【0123】[比較例1]含フッ素化合物を含まないこ
と以外は実施例1〜5と全く同様にして組成物を作成
し、実施例1と同様の方法で物性等を評価した。結果を
表3に示す。
【0124】[比較例2]実施例で用いたF1〜F5成
分のかわりにCm2m+1COO- NH4 +(mの平均値
9)なる構造式で示されるフッ素系界面活性剤(C1)
を3部用いたこと以外は実施例1と同様に行った。物性
等の評価結果を表3に示す。
【0125】[比較例3]実施例で用いたF1〜F5の
かわりにC817CH2 CH2 Si(OCH33
る構造式で表される加水分解性シリル基を含む含フッ素
炭化水素化合物(C2)の化合物を3部用いたこと以外
は実施例1と同様に行った。物性等の評価結果を表3に
示す。
【0126】実施例1〜5と比較例1の比較からわかる
とおり、(A)反応性シリル基含有有機重合体対し、
(B)F1〜F5を加えた化合物は、加えなかった場合
に比較して硬化物の初期タックの低減効果に優れ、長期
汚染性にも優れる。
【0127】また比較例2に示すとおり、(B)のかわ
りに、フッ素系界面活性剤(C1)を添加したものは、
実施例1の(B)を含む組成物に比して、初期タックの
低減効果に乏しい。
【0128】また、比較例3に示すとおり、(B)のか
わりに加水分解性シリル基を含む含フッ素化合物(C
2)を添加したものは、(B)成分を含む組成物に比し
て、早期のタックの低減効果に乏しく、しかも組成物の
モジュラスを高くする傾向があり、柔軟性が要求される
シーラント組成物の用途においては使用に制限を受ける
ことが明かになった。
【0129】
【表2】
【0130】
【表3】
【0131】
【発明の効果】以上に示したとおり、反応性シリル基含
有有機重合体(A)と特定の含フッ素化合物(B)から
なる本発明の硬化性組成物は、低モジュラスで初期タッ
クの少ない硬化体を与え、しかも長期耐汚染性が良好で
あり、弾性シーリング材、防水剤として最適である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)加水分解により架橋しうる反応性シ
    リル基を分子内に少なくとも1個有する有機重合体、お
    よび、(B)下記(b−1)含フッ素化合物と(b−
    2)多官能性化合物とを反応して得られる含フッ素化合
    物、からなる硬化性組成物。 (b−1)ポリフルオロアルキル基を1〜3個有し、か
    つ、(b−2)と反応しうる官能基(Y)を1個有する
    含フッ素化合物。 (b−2)官能基(Y)と反応しうる官能基(Z)を少
    なくとも2個有する多官能性化合物。
  2. 【請求項2】官能基(Y)が、エポキシ基、イソシアネ
    ート基、カルボキシル基、水酸基またはアミノ基であ
    る、請求項1の組成物。
  3. 【請求項3】多官能性化合物が多価アルコールまたは多
    価アミンである、請求項1の組成物。
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