JPH07331172A - カラーフィルタ保護膜形成用塗液組成物 - Google Patents

カラーフィルタ保護膜形成用塗液組成物

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JPH07331172A
JPH07331172A JP12766494A JP12766494A JPH07331172A JP H07331172 A JPH07331172 A JP H07331172A JP 12766494 A JP12766494 A JP 12766494A JP 12766494 A JP12766494 A JP 12766494A JP H07331172 A JPH07331172 A JP H07331172A
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JP
Japan
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color filter
group
protective film
forming
coating
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Application number
JP12766494A
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English (en)
Inventor
Yuka Yamaho
有香 山舗
Masaharu Taniguchi
雅治 谷口
Masaya Asano
昌也 浅野
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】シロキサンポリマーと、特定の金属アルコキシ
ドおよび/または該金属アルコキシドから誘導される金
属キレート化合物を含有することを特徴とするカラーフ
ィルタ保護膜形成用塗液組成物。 【効果】本発明のカラーフィルタ保護膜形成用塗液組成
物は、高温高湿耐性、強靭性、塗布性、平坦性に優れた
被膜を得ることができ、かつ、製造方法が簡便である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルコキシシランを加
水分解および縮合させることによって得られるシロキサ
ンポリマーと金属アルコキシドおよび/または該金属ア
ルコキシドから誘導される金属キレート化合物とを含有
するカラーフィルタ保護膜形成用塗液組成物に関するも
のであり、さらに詳しくは、高温高湿耐性、強靭性、塗
布性、平坦性に優れた被膜を得ることができるカラーフ
ィルタ保護膜形成用塗液組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶素子に色分解用カラーフィル
タを組み合わせたカラー液晶表示素子が、多々提案され
ている。一般的なカラーフィルタの構成としては、ガラ
ス等の透明基板上に画素を形成させた上に、保護膜層を
設け、ついでITO透明電極を配するものであるが、こ
の保護膜層には下層を構成する画素、ガラス、さらには
ブラックマトリックス成分として使用されるクロム等と
の接着性、上層を構成するITOとの接着性、画素不純
物成分の遮蔽性、耐熱性、耐光性、耐溶剤性、耐薬品
性、そして、高温高湿耐性、強靭性、平坦性等の幅広い
特性が要求される。このような保護膜を形成せしめる熱
硬化性塗液組成物として、特に耐熱性の見地からシロキ
サンポリマーやシリコーンポリイミド前駆体等の提案が
行われている。
【0003】アルコキシシランを加水分解および縮合さ
せることによって得られるシロキサンポリマーを含有し
た塗液組成物としては、特開昭63−241076号、
特開平3−126612号、特開平3−188179号
公報などに示されるごとく広く知られている。しかし、
得られる被膜には高温高湿耐性がない、つまり、高温高
湿の環境下に長期間保管すると、被膜にピンホール状の
欠陥やマイクロクラックが発生したり、被膜が基板から
の剥離するといった問題点を有していた。
【0004】また、アルコキシシランと他の金属アルコ
キシドを原料として、加水分解および縮合させることに
よって得られるポリマーを含有した塗液組成物も、特開
平3−20377号、特開平3−279210号公報な
どに示されるごとく知られているが、アルコキシシラン
と他の金属アルコキシドの反応性が非常に異なるために
製造が困難であったり、濾過性が悪いという問題点を有
していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高温
高湿耐性、さらには強靭性、塗布性、平坦性に優れた被
膜を得ることができ、かつ、製造方法が簡便なカラーフ
ィルタ保護膜形成用塗液組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
次の(A)成分と(B)成分とを含有することを特徴と
するカラーフィルタ保護膜形成用塗液組成物により達成
される。 (A) 下記一般式(1) RX Si(OR´)4-X (1) (ただし、R、R´は同一もしくは異なっていても良
く、それぞれ水素、アルキル基、アリール基、アルケニ
ル基、またはそれらの置換体を表わす。また、Xは0〜
3の整数である。)で表わされるアルコキシシランを加
水分解および縮合させることによって得られるシロキサ
ンポリマー。 (B) 下記一般式(2) M(OR'')m (2) (ただし、Mはチタン、ジルコニウム、またはアルミニ
ウムの金属原子である。R''は同一もしくは異なってい
ても良く、それぞれ水素、アルキル基、アリール基、ア
ルケニル基、およびそれらの置換体を表わす。また、m
は金属原子Mの原子価を意味する。)で表わされる金属
アルコキシドおよび/または該金属アルコキシドから誘
導される金属キレート化合物。
【0007】本発明者らは、カラーフィルタ保護膜とし
て、可視光領域での透明性が優れていることから、アル
コキシシランを加水分解および縮合させることによって
得られるシロキサンポリマーからなる塗液組成物に着目
した。しかしながら、前述の通り、従来のシロキサンポ
リマーからなる塗液組成物を塗布、製膜することにより
得られるカラーフィルタ保護膜は高温高湿耐性が悪かっ
た。そこで、この不良の原因について本発明者らが検討
を行なったところ、カラーフィルタ保護膜の硬化度が低
いことが主原因であることがわかった。つまり、カラー
フィルタ保護膜が形成される基板であるカラーフィルタ
の耐熱性が300℃程度であるために、カラーフィルタ
保護膜を硬化させる際の加熱温度は通常、300℃以
下、例えば、250〜280℃に設定される。しかしな
がら、従来のカラーフィルタ保護膜はこれらの温度では
十分に硬化が完了しない。そこで、本発明者らは鋭意研
究を重ねた結果、アルコキシシランを加水分解および縮
合させることによって得られるシロキサンポリマーに、
金属アルコキシドあるいは該金属アルコキシドから誘導
される金属キレート化合物を添加することにより、30
0℃以下の硬化温度でも十分に硬化しうるカラーフィル
タ保護膜を見出だした。
【0008】一方、アルコキシシランと他の金属アルコ
キシドを原料として用いた類似組成物として、アルコキ
シシランと他の金属アルコキシドを原料として、共加水
分解し、さらに縮合させることによって得られるポリマ
ーを含有した組成物が知られている。しかし、この組成
物においては、アルコキシシランと他の金属アルコキシ
ドの加水分解反応性が非常に異なるために、これらを共
加水分解することは非常に困難で、ゲル化、沈殿生成な
どの製造上の問題や、濾過性不良といった問題がある。
これに対して、本発明の方法によれば、加水分解反応性
が低いアルコキシシランのみを先に加水分解および縮合
させ、その後、他の金属アルコキシドあるいは該金属ア
ルコキシドから誘導される金属キレート化合物を添加す
るので、これらの問題なく、容易に製造することができ
る。
【0009】従って、高温高湿耐性に優れた被膜を得る
ことができ、かつ製造方法が簡便なカラーフィルタ保護
膜形成用塗液組成物が得られることを見出だし、本発明
に到達したものである。
【0010】以下、本発明の構成を順に説明する。
【0011】成分(A):アルコキシシランを加水分解
および縮合させることによって得られるシロキサンポリ
マー
【0012】本発明に使用されるシロキサンポリマー
は、アルコキシシランに水を反応させて加水分解し、さ
らに加熱または常温での放置により部分的に脱水縮合さ
せることにより高分子量化させたものである。
【0013】本発明に使用されるアルコキシシランは下
記一般式(1)で表わされるものである。 RX Si(OR´)4-X (1) (ただし、R、R´は同一もしくは異なっていても良
く、それぞれ水素、アルキル基、アリール基、アルケニ
ル基、およびそれらの置換体を表わす。また、Xは0〜
3の整数である。)
【0014】Rは、例えば、水素;メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基などのアルキル
基;フェニル基などのアリール基;ビニル基などのアル
ケニル基;β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エ
チル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシド
キシプロピル基、γ−クロロプロピル基、γ−メルカプ
トプロピル基、γ−アミノプロピル基、N−フェニル−
γ−アミノプロピル基、、N−β(アミノエチル)γ−
アミノプロピル基、トリフロオロメチル基、3、3、3
−トリフルオロプロピル基などの置換アルキル基などが
挙げられる。これらの中から、1種、あるいは2種以上
を組み合わせて用いることができる。この選択により、
得られる被膜の特性を調製することが可能である。特
に、被膜の強靭性向上の点から、Rとしてアルコキシ基
を除く、反応性基を有するものであるのが望ましい。例
えば、ビニル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−
グリシドキシプロピル基である。これらを用いることに
より、得られる被膜は、シロキサン骨格のみでなく、こ
れら反応基による架橋形成による骨格形成が成され、膜
の強靭性が向上するのである。
【0015】R´は、例えば、水素;メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、t−ブチル基などのアルキル基;フ
ェニル基などのアリール基;アセチル基、β−メトキシ
エトキシ基などの置換アルキル基などが挙げられる。
【0016】これらのアルコキシシランの具体例として
は、テトラヒドロキシシラン、テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエ
トキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェ
ニルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシ
シラン、トリフルオロメチルトリエトキシシランを挙げ
ることができ、これらのアルコキシシランは単独、また
は2種以上を混合して用いることができる。
【0017】これらのアルコキシシランの加水分解およ
び縮合反応は無溶媒でも良いが、通常は有機溶媒中で行
なわれる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノー
ルなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレ
ングリコールなどのグリコール類;エチレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、
ジエチルエーテルなどのエーテル類;メチルイソブチル
ケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;
エチルアセテート、エチルセロソルブアセテート、3−
メチル−3−メトキシブチルアセテートなどのアセテー
ト類;トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン
などの芳香族あるいは脂肪族炭化水素のほか、N−メチ
ル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルス
ルホキシドを挙げることができる。
【0018】本発明においては、溶媒は除去されること
なく、最終的に得られる塗液の溶剤を兼用することがで
きる。従って、得られる塗液の塗布性向上の点からは、
沸点100〜300℃の液体を用いることが好ましい。
【0019】溶媒の量は任意に選択可能であるが、アル
コキシシラン1重量部に対して、0.1〜10.0重量
部の範囲で用いるのが好ましい。
【0020】加水分解および部分縮合反応をさせるため
に用いる水はイオン交換水が好ましく、その量はアルコ
キシシラン1モルに対して、1〜4倍モルの範囲で用い
るのが好ましい。
【0021】また、加水分解および縮合反応をさせるた
めに必要に応じて、触媒を用いることができる。用いる
触媒としては、塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、
リン酸、硼酸、p−トルエンスルホン酸、イオン交換樹
脂などの酸触媒、トリエチルアミン、ジエチルアミン、
トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどの塩基触媒が挙げられる
が、得られる被膜の強靭性向上の点からは酸触媒が好ま
しい。
【0022】触媒の量は、アルコキシシラン1重量部に
対して、0.001〜0.1重量部の範囲で用いるのが
好ましい。0.1重量部を越えると、塗液の保存安定
性、および平坦性が損なわれる。また、0.001重量
部より少ない場合では、低重合度ポリマーしか得られず
塗布性が損なわれる。
【0023】加水分解および部分縮合の反応温度は凝固
点から沸点の範囲で通常選択されるが、沸点以上の温度
で、副生する低沸点アルコールおよび水を留去させなが
ら、反応を進行させることが塗布性および保存安定性の
点から好ましい。
【0024】成分(B)の金属アルコキシド、あるいは
該金属アルコキシドから誘導される金属キレート化合物
は、保護膜の硬化温度を下げる目的で成分(A)に添加
されるものであり、本発明の特徴ある成分である。
【0025】本発明において用いられる金属アルコキシ
ドは、下記一般式(2)で表わされる。 M(OR'')m (2) (Mはチタン、ジルコニウム、またはアルミニウムの金
属原子である。R''は同一もしくは異なっていても良
く、それぞれ水素、アルキル基、アリール基、アルケニ
ル基、およびそれらの置換体を表わす。また、mは金属
原子Mの原子価を意味する。)
【0026】Mはチタン、ジルコニウム、またはアルミ
ニウムの金属原子である。ボロン、マグネシウムなど
は、反応性がシリコンアルコキシドと同等程度であるた
めに低温硬化に効果がなかったり、あるいは、反応性が
極端に高すぎて実用的でない。チタン、ジルコニウム、
アルミニウムのアルコキシド化合物を用いた場合のみ、
本発明の特徴である被膜の硬化温度を下げる効果が見ら
れ、耐高温高湿耐性に優れた被膜を得ることができ、カ
ラーフィルタ保護膜として適したものであることを掴ん
だ。さらには、チタン、ジルコニウム、アルミニウムの
うち、ジルコニウムを用いた場合は、被膜の強靭性の向
上にも非常に有効であることから、特にジルコニウムア
ルコキシド、あるいはジルコニウムアルコキシドのキレ
ート化合物を用いるのが好ましい。
【0027】R''は、例えば、水素;メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、t−ブチル基などのアルキル基;フ
ェニル基などのアリール基;アセチル基、β−メトキシ
エトキシ基などの置換アルキル基などが挙げられる。
【0028】具体例としては、テトライソプロポキシチ
タン、テトラノルマルブトキシチタン、テトライソプロ
ポキシジルコニウム、テトラノルマルブトキシジルコニ
ウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリノルマル
ブトキシアルミニウムなどが挙げられる。
【0029】また、本発明において用いられる金属キレ
ート化合物は上記一般式(2)で表わされる金属アルコ
キシドから誘導される金属キレート化合物である。
【0030】また、金属キレート化合物は、金属アルコ
キシドにキレート化剤を反応させることにより容易に得
られ、下記一般式(3)に示されるようなものが好まし
い。
【化1】 (ただし、Mはチタン、ジルコニウム、またはアルミニ
ウムの金属原子である。R''は同一もしくは異なってい
ても良く、それぞれ水素、アルキル基、アリール基、ア
ルケニル基、およびそれらの置換体、R1 は同一もしく
は異なっていても良く、それぞれ水素、アルキル基、ア
リール基、アルケニル基、アルコキシ基およびそれらの
置換体を表わす。また、mは金属原子Mの原子価、nは
0〜mの数を意味する。)
【0031】キレート化剤の例としては、アセチルアセ
トン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタンなどの
β−ジケトン;アセト酢酸エチル、ベンゾイル酢酸エチ
ルなどのβ−ケト酸エステルなどを用いることができ
る。
【0032】金属アルコキシドは種々の化学理論量のキ
レート化剤と反応して相当する金属キレート化合物とな
るため、用いるキレート化剤の量は金属アルコキシド1
モルに対して、0.1〜10モルの範囲で、成分(A)
の反応性に応じて決めることが好ましい。すなわち、成
分(A)の反応性が低い場合には、金属アルコキシドあ
るいは低配位の金属キレート化合物を用いることができ
るが、成分(A)の反応性が高い場合には、より加水分
解安定性が高い高配位の金属キレート化合物を用いるの
が好ましい。
【0033】反応溶媒は生成するアルコールと共沸する
ものを用い、脱水処理を施したものを用いるのが好まし
い。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノールなど
のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリ
コールなどのグリコール類;エチレングリコールモノメ
チルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
ルエーテルなどのエーテル類;メチルイソブチルケト
ン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;エチ
ルアセテート、エチルセロソルブアセテート、3−メチ
ル−3−メトキシブチルアセテートなどのアセテート
類;トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンな
どの芳香族あるいは脂肪族炭化水素のほか、N−メチル
−2−ピロリドン、γ−ブチロランクトン、ジメチルス
ルホキシドなどを挙げることができる。溶媒の量は任意
に選択可能であるが、金属アルコキシド1重量に対し
て、1〜50.0重量の範囲で用いるのが好ましい。
【0034】また、反応温度は凝固点から沸点の範囲で
通常選択される。
【0035】なお、反応雰囲気は窒素雰囲気下で行なう
のが好ましい。
【0036】本発明のカラーフィルタ保護膜形成用塗液
組成物においては、成分(A)のシロキサンポリマーと
成分(B)の金属アルコキシド、または該金属アルコキ
シドから誘導される金属キレート化合物とを各々、通
常、有機溶媒、好ましくは沸点100℃以上の有機溶剤
を溶剤として用いた溶液状態で用いる。溶剤は、成分
(A)ではシロキサンポリマーを合成した際の反応溶
媒、成分(B)では金属キレート化合物を合成した際の
反応溶媒をそれぞれ、そのまま溶剤として用いることも
できる。また、必要に応じて、反応後、塗布性向上など
のために溶剤置換を行なうこと、濃度調製のために溶剤
の添加、除去を行なうことも可能である。この時の溶剤
としては、シロキサンポリマーや金属キレート化合物の
合成に用いることができる溶媒として前述した溶剤を単
独、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0037】本発明のカラーフィルタ保護膜形成用塗液
組成物は、これらの成分(A)のシロキサンポリマーの
溶液と成分(B)の金属アルコキシド、あるいは金属キ
レート化合物との溶液を均一に混合することにより得ら
れる。
【0038】混合の割合としては、シロキサンポリマー
100重量部に対し、金属アルコキシド、または金属キ
レート化合物0.1〜20重量部が好ましく、より好ま
しくは、0.5〜5重量部である。
【0039】混合方法としては、常温での混合した後、
1時間〜1日間程度の放置、あるいは、沸点以下での加
熱を数時間行なうのが好ましい。
【0040】さらに、本発明のカラーフィルタ保護膜形
成用塗液組成物には、必要に応じて、膜硬化剤、粘度調
整剤、界面活性剤、安定化剤、着色剤、ガラス質形成剤
などを添加することができる。
【0041】本発明のカラーフィルタ保護膜形成用塗液
組成物から被膜を形成するための塗布方法としては、特
に限定されないが、例えば、スピン塗布、ディッピング
塗布、スプレー塗布、スクリーン塗布、スクリーン印
刷、オフセット印刷などの方法を用いることができる。
【0042】さらに被膜を硬化させるための方法として
は、加熱方法が一般的であり、300℃以下の温度で、
好ましくは250〜280℃で5分〜1時間程度加熱す
れば良い。もちろん、それ以上の温度で加熱することも
可能である。また、他の硬化方法としては、UV照射な
どを行なうこともできる。
【0043】本発明のカラーフィルタ保護膜形成用塗液
組成物から得られる被膜は、カラーフィルタ保護膜のほ
か、半導体素子の保護膜、層間絶縁膜、平坦化膜、導波
路形成用材料、位相シフタ用材料、さらには、各種電子
部品の保護膜として用いることができる。
【0044】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0045】実施例1 成分(A) メチルトリメトキシシラン10モル、フェニルトリメト
キシシラン10モルのアルコキシシランを3−メチル−
3−メトキシブタノール4kgに溶解し、これに、リン
酸水溶液(水60モル、リン酸0.17モル)を攪拌し
ながら加えた。得られた溶液を100℃のオイルバスで
加熱し、低沸点物を留出させながら、2時間反応させ
た。その後、さらに130℃のオイルバスで加熱し、低
沸点物を留出させながら、2時間反応させた。得られた
溶液を3−メチル−3−メトキシブタノールを用いて、
濃度30%に調製した。(以下、濃度は固形分濃度を示
す) 成分(B) テトラブトキシジルコニウム1モルを3−メチル−3−
メトキシブタノール1500gに溶解し、これにアセト
酢酸エチル5モルを攪拌しながら加えた。得られた溶液
を室温で1時間を撹拌しながら、反応させた。(濃度:
4.7%) 次に、成分(A)650gと、成分(B)50gを混合
して、室温にて2時間撹拌し、均一な溶液とし、さらに
3−メチル−3−メトキシブタノールを用いて、固形分
濃度を25%に調製して、カラーフィルタ保護膜形成用
塗液を得た。
【0046】得られた塗液をカラーフィルタ上にスピン
コーターを用いて塗布し、280℃で1時間キュアし、
膜厚2μmで欠陥の有無を調べ、次に、この被膜を12
0℃、100%RHの高温高湿雰囲気下に1日間放置
し、劣化の有無を調べた。
【0047】その結果、高温高湿雰囲気放置前後とも
に、ピンホール状の欠陥やマイクロクラック、剥離など
の問題は発生しなかった。
【0048】また、強靭性は鉛筆硬度試験で5Hという
結果であった。
【0049】実施例2 成分(A) メチルトリメトキシシラン7モル、ジメチルジメトキシ
シラン3モル、フェニルトリメトキシシラン2モルのア
ルコキシシランをプロピレングリコールモノメチルエー
テル1.5kgに溶解し、これに、酢酸水溶液(水33
モル、酢酸0.1モル)を攪拌しながら加えた。得られ
た溶液を100℃のオイルバスで加熱し、低沸点物を留
出させながら、2時間反応させた。その後、さらに13
0℃のオイルバスで加熱し、低沸点物を留出させなが
ら、2時間反応させた。得られた溶液を3−メチル−3
−メトキシブチルアセテートを用いて、濃度30%に調
製した。 次に、成分(A)500gと、実施例1の成
分(B)100gを混合して、室温にて2時間撹拌し、
均一な溶液とし、さらに3−メチル−3−メトキシブタ
ノールアセテートを用いて、固形分濃度を25%に調製
して、カラーフィルタ保護膜形成用塗液を得た。
【0050】得られた塗液をカラーフィルタ上にスピン
コーターを用いて塗布し、280℃で1時間キュアし、
膜厚2μmで欠陥の有無を調べ、次に、この被膜を12
0℃、100%RHの高温高湿雰囲気下に1日間放置
し、劣化の有無を調べた。
【0051】その結果、高温高湿雰囲気放置前後とも
に、ピンホール状の欠陥やマイクロクラック、剥離など
の問題は発生しなかった。
【0052】また、強靭性は鉛筆硬度試験で4Hという
結果であった。
【0053】実施例3 成分(A) メチルトリメトキシシラン1モル、フェニルトリメトキ
シシラン1モル、γ−メタクリロキシプロピルトリエト
キシシラン2モルのアルコキシシランをプロピレングリ
コールモノメチルエーテル1kgに溶解し、これに、リ
ン酸水溶液(水20モル、リン酸0.03モル)を攪拌
しながら加えた。得られた溶液を100℃のオイルバス
で加熱し、低沸点物を留出させながら、2時間反応させ
た。その後、さらに130℃のオイルバスで加熱し、低
沸点物を留出させながら、2時間反応させた。得られた
溶液をプロピレングリコールモノメチルエーテルを用い
て、濃度30%に調製した。
【0054】次に、成分(A)500gと、実施例1の
成分(B)5gを混合して、室温にて2時間撹拌し、均
一な溶液とし、さらに3−メチル−3−メトキシブタノ
ールを用いて、固形分濃度を25%に調製して、カラー
フィルタ保護膜形成用塗液を得た。
【0055】得られた塗液をカラーフィルタ上にスピン
コーターを用いて塗布し、280℃で1時間キュアし、
膜厚2μmで欠陥の有無を調べ、次に、この被膜を12
0℃、100%RHの高温高湿雰囲気下に1日間放置
し、劣化の有無を調べた。
【0056】その結果、高温高湿雰囲気放置前後とも
に、ピンホール状の欠陥やマイクロクラック、剥離など
の問題は発生しなかった。
【0057】また、強靭性は鉛筆硬度試験で5Hという
結果であった。
【0058】実施例4 成分(A) メチルトリメトキシシラン1モル、フェニルトリメトキ
シシラン1モル、ビニルトリエトキシシラン1モルのア
ルコキシシランを3−メチル−3−メトキシブタノール
1000gに溶解し、これに、リン酸水溶液(水9モ
ル、リン酸0.06モル)を攪拌しながら加えた。得ら
れた溶液を100℃のオイルバスで加熱し、低沸点物を
留出させながら、2時間反応させた。その後、さらに1
30℃のオイルバスで加熱し、低沸点物を留出させなが
ら、2時間反応させた。得られた溶液を3−メチル−3
−メトキシブチルアセテートを用いて、濃度30%に調
製した。 次に、成分(A)300gと、実施例1の成
分(B)100gを混合して、室温にて2時間撹拌し、
均一な溶液とし、さらに3−メチル−3−メトキシブタ
ノールを用いて、固形分濃度を25%に調製して、カラ
ーフィルタ保護膜形成用塗液を得た。
【0059】得られた塗液をカラーフィルタ上にスピン
コーターを用いて塗布し、280℃で1時間キュアし、
膜厚2μmで欠陥の有無を調べ、次に、この被膜を12
0℃、100%RHの高温高湿雰囲気下に1日間放置
し、劣化の有無を調べた。
【0060】その結果、高温高湿雰囲気放置前後とも
に、ピンホール状の欠陥やマイクロクラック、剥離など
の問題は発生しなかった。
【0061】また、強靭性は鉛筆硬度試験で5Hという
結果であった。
【0062】実施例5 実施例1において、成分(B)として、テトラノルマル
ブチルジルコニウムの3−メチル−3−メトキシブタノ
ール溶液(濃度:4.7%)を用いて、カラーフィルタ
保護膜形成用塗液を得た。
【0063】得られた塗液をカラーフィルタ上にスピン
コーターを用いて塗布し、280℃で1時間キュアし、
膜厚2μmで欠陥の有無を調べ、次に、この被膜を12
0℃、100%RHの高温高湿雰囲気下に1日間放置
し、劣化の有無を調べた。
【0064】その結果、高温高湿雰囲気放置前後とも
に、ピンホール状の欠陥やマイクロクラック、剥離など
の問題は発生しなかった。
【0065】また、強靭性は鉛筆硬度試験で5Hという
結果であった。
【0066】実施例6 実施例2において、成分(B)として、テトラノルマル
ブチルジルコニウムの3−メチル−3−メトキシブタノ
ール溶液(濃度:4.7%)を用いて、カラーフィルタ
保護膜形成用塗液を得た。
【0067】得られた塗液をカラーフィルタ上にスピン
コーターを用いて塗布し、280℃で1時間キュアし、
膜厚2μmで欠陥の有無を調べ、次に、この被膜を12
0℃、100%RHの高温高湿雰囲気下に1日間放置
し、劣化の有無を調べた。
【0068】その結果、高温高湿雰囲気放置前後とも
に、ピンホール状の欠陥やマイクロクラック、剥離など
の問題は発生しなかった。
【0069】また、強靭性は鉛筆硬度試験で4Hという
結果であった。
【0070】実施例7 実施例3において、成分(B)として、テトラノルマル
ブチルジルコニウムの3−メチル−3−メトキシブタノ
ール溶液(濃度:4.7%)を用いて、カラーフィルタ
保護膜形成用塗液を得た。
【0071】得られた塗液をカラーフィルタ上にスピン
コーターを用いて塗布し、280℃で1時間キュアし、
膜厚2μmで欠陥の有無を調べ、次に、この被膜を12
0℃、100%RHの高温高湿雰囲気下に1日間放置
し、劣化の有無を調べた。
【0072】その結果、高温高湿雰囲気放置前後とも
に、ピンホール状の欠陥やマイクロクラック、剥離など
の問題は発生しなかった。
【0073】また、強靭性は鉛筆硬度試験で5Hという
結果であった。
【0074】実施例8 実施例4において、成分(B)として、テトラノルマル
ブチルジルコニウムの3−メチル−3−メトキシブタノ
ール溶液(濃度:4.7%)を用いて、カラーフィルタ
保護膜形成用塗液を得た。
【0075】得られた塗液をカラーフィルタ上にスピン
コーターを用いて塗布し、280℃で1時間キュアし、
膜厚2μmで欠陥の有無を調べ、次に、この被膜を12
0℃、100%RHの高温高湿雰囲気下に1日間放置
し、劣化の有無を調べた。
【0076】その結果、高温高湿雰囲気放置前後とも
に、ピンホール状の欠陥やマイクロクラック、剥離など
の問題は発生しなかった。
【0077】また、強靭性は鉛筆硬度試験で5Hという
結果であった。
【0078】実施例9 実施例1において、成分(B)として、次のものを用い
て、カラーフィルタ保護膜形成用塗液を得た。
【0079】成分(B) テトライソプロポキシチタン1モルを3−メチル−3−
メトキシブタノール1500gに溶解し、これにアセチ
ルアセトン5モルを攪拌しながら加えた。得られた溶液
を室温で1時間を撹拌しながら、反応させた。(濃度:
3.5%)得られた塗液をカラーフィルタ上にスピンコ
ーターを用いて塗布し、280℃で1時間キュアし、膜
厚2μmで欠陥の有無を調べ、次に、この被膜を120
℃、100%RHの高温高湿雰囲気下に1日間放置し、
劣化の有無を調べた。
【0080】その結果、高温高湿雰囲気放置前後とも
に、ピンホール状の欠陥やマイクロクラック、剥離など
の問題は発生しなかった。
【0081】また、強靭性は鉛筆硬度試験で2Hという
結果であった。
【0082】実施例10 実施例2において、成分(B)として、実施例9の成分
(B)を用いて、カラーフィルタ保護膜形成用塗液を得
た。
【0083】得られた塗液をカラーフィルタ上にスピン
コーターを用いて塗布し、280℃で1時間キュアし、
膜厚2μmで欠陥の有無を調べ、次に、この被膜を12
0℃、100%RHの高温高湿雰囲気下に1日間放置
し、劣化の有無を調べた。
【0084】その結果、高温高湿雰囲気放置前後とも
に、ピンホール状の欠陥やマイクロクラック、剥離など
の問題は発生しなかった。
【0085】また、強靭性は鉛筆硬度試験でHという結
果であった。
【0086】実施例11 実施例3において、成分(B)として、実施例9の成分
(B)を用いて、カラーフィルタ保護膜形成用塗液を得
た。
【0087】得られた塗液をカラーフィルタ上にスピン
コーターを用いて塗布し、280℃で1時間キュアし、
膜厚2μmで欠陥の有無を調べ、次に、この被膜を12
0℃、100%RHの高温高湿雰囲気下に1日間放置
し、劣化の有無を調べた。
【0088】その結果、高温高湿雰囲気放置前後とも
に、ピンホール状の欠陥やマイクロクラック、剥離など
の問題は発生しなかった。
【0089】また、強靭性は鉛筆硬度試験で2Hという
結果であった。
【0090】実施例12 実施例4において、成分(B)として、実施例9の成分
(B)を用いて、カラーフィルタ保護膜形成用塗液を得
た。
【0091】得られた塗液をカラーフィルタ上にスピン
コーターを用いて塗布し、280℃で1時間キュアし、
膜厚2μmで欠陥の有無を調べ、次に、この被膜を12
0℃、100%RHの高温高湿雰囲気下に1日間放置
し、劣化の有無を調べた。
【0092】その結果、高温高湿雰囲気放置前後とも
に、ピンホール状の欠陥やマイクロクラック、剥離など
の問題は発生しなかった。
【0093】また、強靭性は鉛筆硬度試験で2Hという
結果であった。
【0094】実施例13 実施例1において、成分(B)として、次のものを用い
て、カラーフィルタ保護膜形成用塗液を得た。
【0095】成分(B) トリスイソプロポキシアルミニウム1モルをトルエン1
000gに溶解し、これにアセト酢酸エチル4モルを攪
拌しながら加えた。得られた溶液を室温で1時間を撹拌
しながら、反応させた。(濃度:3.0%) 得られた塗液をカラーフィルタ上にスピンコーターを用
いて塗布し、280℃で1時間キュアし、膜厚2μmで
欠陥の有無を調べ、次に、この被膜を120℃、100
%RHの高温高湿雰囲気下に1日間放置し、劣化の有無
を調べた。
【0096】その結果、高温高湿雰囲気放置前後とも
に、ピンホール状の欠陥やマイクロクラック、剥離など
の問題は発生しなかった。
【0097】また、強靭性は鉛筆硬度試験で3Hという
結果であった。
【0098】実施例14 実施例2において、成分(B)として、実施例13の成
分(B)を用いて、カラーフィルタ保護膜形成用塗液を
得た。
【0099】得られた塗液をカラーフィルタ上にスピン
コーターを用いて塗布し、280℃で1時間キュアし、
膜厚2μmで欠陥の有無を調べ、次に、この被膜を12
0℃、100%RHの高温高湿雰囲気下に1日間放置
し、劣化の有無を調べた。
【0100】その結果、高温高湿雰囲気放置前後とも
に、ピンホール状の欠陥やマイクロクラック、剥離など
の問題は発生しなかった。
【0101】また、強靭性は鉛筆硬度試験で2Hという
結果であった。
【0102】実施例15 実施例3において、成分(B)として、実施例13の成
分(B)を用いて、カラーフィルタ保護膜形成用塗液を
得た。
【0103】得られた塗液をカラーフィルタ上にスピン
コーターを用いて塗布し、280℃で1時間キュアし、
膜厚2μmで欠陥の有無を調べ、次に、この被膜を12
0℃、100%RHの高温高湿雰囲気下に1日間放置
し、劣化の有無を調べた。
【0104】その結果、高温高湿雰囲気放置前後とも
に、ピンホール状の欠陥やマイクロクラック、剥離など
の問題は発生しなかった。
【0105】また、強靭性は鉛筆硬度試験で3Hという
結果であった。
【0106】実施例16 実施例4において、成分(B)として、実施例13の成
分(B)を用いて、カラーフィルタ保護膜形成用塗液を
得た。
【0107】得られた塗液をカラーフィルタ上にスピン
コーターを用いて塗布し、280℃で1時間キュアし、
膜厚2μmで欠陥の有無を調べ、次に、この被膜を12
0℃、100%RHの高温高湿雰囲気下に1日間放置
し、劣化の有無を調べた。
【0108】その結果、高温高湿雰囲気放置前後とも
に、ピンホール状の欠陥やマイクロクラック、剥離など
の問題は発生しなかった。
【0109】また、強靭性は鉛筆硬度試験で3Hという
結果であった。
【0110】比較例1 実施例1で用いた成分(A)のみからなる塗液をカラー
フィルタ上にスピンコーターを用いて塗布し、280℃
で1時間キュアし、膜厚2μmで欠陥の有無を調べ、次
に、この被膜を120℃、100%RHの高温高湿雰囲
気下に1日間放置し、劣化の有無を調べた。
【0111】その結果、高温高湿雰囲気放置前は、ピン
ホール状の欠陥やマイクロクラック、剥離などの問題は
発生しなかったものの、高温高湿雰囲気放置後、ピンホ
ール状の欠陥やマイクロクラック、剥離などの問題が発
生した。
【0112】また、強靭性は鉛筆硬度試験でHという結
果であった。
【0113】比較例2 実施例2で用いた成分(A)のみからなる塗液をカラー
フィルタ上にスピンコーターを用いて塗布し、280℃
で1時間キュアし、膜厚2μmで欠陥の有無を調べ、次
に、この被膜を120℃、100%RHの高温高湿雰囲
気下に1日間放置し、劣化の有無を調べた。
【0114】その結果、高温高湿雰囲気放置前は、ピン
ホール状の欠陥やマイクロクラック、剥離などの問題は
発生しなかったものの、高温高湿雰囲気放置後、ピンホ
ール状の欠陥やマイクロクラック、剥離などの問題が発
生した。
【0115】また、強靭性は鉛筆硬度試験でBという結
果であった。
【0116】比較例3 実施例3で用いた成分(A)のみからなる塗液をカラー
フィルタ上にスピンコーターを用いて塗布し、280℃
で1時間キュアし、膜厚2μmで欠陥の有無を調べ、次
に、この被膜を120℃、100%RHの高温高湿雰囲
気下に1日間放置し、劣化の有無を調べた。
【0117】その結果、高温高湿雰囲気放置前は、ピン
ホール状の欠陥やマイクロクラック、剥離などの問題は
発生しなかったものの、高温高湿雰囲気放置後、ピンホ
ール状の欠陥やマイクロクラック、剥離などの問題が発
生した。
【0118】また、強靭性は鉛筆硬度試験で2Hという
結果であった。
【0119】比較例4 実施例4で用いた成分(A)のみからなる塗液をカラー
フィルタ上にスピンコーターを用いて塗布し、280℃
で1時間キュアし、膜厚2μmで欠陥の有無を調べ、次
に、この被膜を120℃、100%RHの高温高湿雰囲
気下に1日間放置し、劣化の有無を調べた。
【0120】その結果、高温高湿雰囲気放置前は、ピン
ホール状の欠陥やマイクロクラック、剥離などの問題は
発生しなかったものの、高温高湿雰囲気放置後、ピンホ
ール状の欠陥やマイクロクラック、剥離などの問題が発
生した。
【0121】また、強靭性は鉛筆硬度試験で2Hという
結果であった。
【0122】比較例5 メチルトリメトキシシラン10モル、フェニルトリメト
キシシラン10モルのアルコキシシランとテトラブトキ
シジルコニウム0.1モルを3−メチル−3−メトキシ
ブタノール4kgに溶解し、これに、リン酸水溶液(水
60モル、リン酸0.17モル)を攪拌しながら加え
た。得られた溶液を100℃のオイルバスで加熱し、低
沸点物を留出させながら、2時間反応させた。その後、
さらに130℃のオイルバスで加熱し、低沸点物を留出
させながら、2時間反応させた。得られた溶液を3−メ
チル−3−メトキシブタノールを用いて、濃度25%に
調製し、カラーフィルタ保護膜形成用塗液を得た。
【0123】しかし、得られた塗液は、0.5μmフィ
ルターで濾過することができず、カラーフィルタ上に塗
布することができなかった。
【0124】比較例6 実施例1において、成分(B)として、次のものを用い
て、カラーフィルタ保護膜形成用塗液を得た。
【0125】成分(B) トリイソプロポキシボロン1モルを3−メチル−3−メ
トキシブタノール1500gに溶解し、これにアセチル
アセトン4モルを攪拌しながら加えた。得られた溶液を
室温で1時間を撹拌しながら、反応させた。(濃度:
1.7%) 得られた塗液をカラーフィルタ上にスピンコーターを用
いて塗布し、280℃で1時間キュアし、膜厚2μmで
欠陥の有無を調べ、次に、この被膜を120℃、100
%RHの高温高湿雰囲気下に1日間放置し、劣化の有無
を調べた。
【0126】その結果、高温高湿雰囲気放置前は、ピン
ホール状の欠陥やマイクロクラック、剥離などの問題は
発生しなかったものの、高温高湿雰囲気放置後、ピンホ
ール状の欠陥やマイクロクラック、剥離などの問題が発
生した。
【0127】
【発明の効果】本発明のカラーフィルタ保護膜形成用塗
液組成物は、高温高湿耐性、強靭性、塗布性、平坦性に
優れた被膜を得ることができ、かつ、製造方法が簡便で
ある。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の(A)成分と(B)成分とを含有する
    ことを特徴とするカラーフィルタ保護膜形成用塗液組成
    物。 (A) 下記一般式(1) RX Si(OR´)4-X (1) (ただし、R、R´は同一もしくは異なっていても良
    く、それぞれ水素、アルキル基、アリール基、アルケニ
    ル基、またはそれらの置換体を表わす。また、Xは0〜
    3の整数である。)で表わされるアルコキシシランを加
    水分解および縮合させることによって得られるシロキサ
    ンポリマー。 (B) 下記一般式(2) M(OR'')m (2) (ただし、Mはチタン、ジルコニウム、またはアルミニ
    ウムの金属原子である。R''は同一もしくは異なってい
    ても良く、それぞれ水素、アルキル基、アリール基、ア
    ルケニル基、およびそれらの置換体を表わす。また、m
    は金属原子Mの原子価を意味する。)で表わされる金属
    アルコキシドおよび/または該金属アルコキシドから誘
    導される金属キレート化合物。
  2. 【請求項2】該金属アルコキシドがジルコニウムアルコ
    キシドであることを特徴とする請求項1記載のカラーフ
    ィルタ保護膜形成用塗液組成物。
  3. 【請求項3】該アルコキシシランがアルコキシ基を除く
    反応性基を有するものであることを特徴とする請求項1
    記載のカラーフィルタ保護膜形成用塗液組成物。
  4. 【請求項4】該反応性基がビニル基、γ−メタクリロキ
    シプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基の中から選
    ばれる1種以上であることを特徴とする請求項3記載の
    カラーフィルタ保護膜形成用塗液組成物。
  5. 【請求項5】アルコキシシランを加水分解および縮合さ
    せる際に、溶剤の一部または全部として、沸点100〜
    300℃の液体を用いることを特徴とする請求項1記載
    のカラーフィルタ保護膜形成用塗液組成物。
  6. 【請求項6】アルコキシシランを加水分解および縮合さ
    せる際に、副生するアルコールおよび水を留出させなが
    ら、反応を進行させることを特徴とする請求項1記載の
    カラーフィルタ保護膜形成用組成物保護膜形成用塗液組
    成物。
  7. 【請求項7】アルコキシシランを加水分解および縮合さ
    せる際に、酸触媒を用いることを特徴とする請求項1記
    載のカラーフィルタ保護膜形成用組成物。
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