JP3951366B2 - 水系分散体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水系分散体に関わり、さらに詳しくは、ポリオルガノシロキサン成分とビニル系重合体成分とを含有する重合体、および光触媒能を有する半導体を含有し、特にコーティング材として有用な水系分散体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、コーティング剤は様々な分野で使用されており、その適用範囲は拡大の一途をたどっているが、それに伴い、コーティング剤に対する要求性能もますます高度化しており、近年では、密着性、耐薬品性、耐湿性、耐候性、耐(温)水性、汚染回復性等の性能バランスに優れ、かつ硬度の高い塗膜を形成しうるコーティング剤が求められている。
このような要求の一部を満たすコーティング剤として、オルガノシランの部分縮合物、コロイダルシリカの分散液およびシリコーン変性アクリル樹脂からなる組成物(特開昭60−135465号公報)、あるいはオルガノシランの縮合物、ジルコニウムアルコキシドのキレート化合物および加水分解性シリル基含有ビニル系樹脂からなる組成物(特開昭64−1769号公報)などが提案されている。
しかしながら、これらのコーティング剤はいずれも溶剤型であり、近年における低公害、省資源、安全衛生などの観点から、脱溶剤化への要請が強く、水性系コーティング剤へと移行しつつある。
そのような中で、耐水性、耐薬品性等の性能の向上を期待できるものとして、反応型樹脂エマルジョンの開発が鋭意検討され、その一つに加水分解性シリル基を有する樹脂エマルジョンが提案されており、その例として、特開平7−26035号公報に、加水分解性シリル基とアミンイミド基とを有するビニル系重合体を含有する反応型樹脂エマルジョンが、また特開平7−91510号公報に、アルコキシシリル基を有するビニル系重合体の水分散体と錫化合物の水分散体からなる水性塗料組成物が開示されている。
しかしながら、これらの加水分解性シリル基含有樹脂エマルジョンは、保存安定性に劣り、特にこのエマルジョンを長期間保存した場合、ゲル化したり、また長期間保存後のエマルジョンから得られる塗膜の性能が、製造直後のエマルジョンから得られる塗膜とは異なり、安定した品質を確保できないという欠点があり、実用性の面で問題があるか、あるいは保存安定性が比較的良好な場合にも、密着性、耐薬品性、耐湿性、耐候性、耐(温)水性、耐汚染性等を総合した性能バランスの面では満足できないものであった。
また近年、光触媒成分を配合したコ−ティング用組成物が数多く提案されており、例えば、チタン酸化物、加水分解性珪素化合物(アルキルシリケートまたはハロゲン化珪素)の加水分解物、および溶媒(水またはアルコール)からなる光触媒用酸化チタン塗膜形成性組成物(特開平8−164334公報)、少なくとも2個のアルコキシ基を有するケイ素化合物、少なくとも2個のアルコキシ基を有するチタン化合物またはジルコニウム化合物、およびグアニジル基を有するアルコキシシランおよび/またはポリシロキサンで処理された酸化チタン等の親水性無機粉末からなる、抗菌防黴性を付与するための表面処理組成物(特開平8−176527公報)等が提案されている。
しかしながら、これらの組成物は、本質的に光触媒成分あるいはグアニジル基を有するアルコキシシランおよび/またはポリシロキサン成分に基づく抗菌・防黴性や有害物質の分解を意図したものであり、またアルコールなどの有機溶媒や低分子成分を含んでおり、環境に対して好ましいものとは言えない。しかも、これらの組成物をコーティング材に応用しようとしても、塗膜が非常にもろく、厚膜化が不可能であるとともに、長期耐久性、特に光、水あるいは熱の存在下での耐クラック性にも乏しいという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術における前記問題点を背景になされたもので、その課題は、保存安定性が極めて優れており、また密着性、耐候性、耐アルカリ性、耐有機薬品性、耐(温)水性、耐汚染性等の長期耐久性に優れるとともに、硬度が高く厚膜化が可能な塗膜を形成でき、環境に優しいコーティング材として有用な水系分散体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、
(A)ポリオルガノシロキサン(a)成分とビニル系重合体(b)成分とを含有する重合体、(B)光触媒能を有する半導体の微粒子および/またはゾル、(C)ジルコニウム、チタンおよびアルミニウムの群から選ばれる有機金属化合物、並びに(D)一般式
10 COCH 2 COR 11
(式中、R 10 は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示し、R 11 は炭素数1〜6の1価の炭化水素基または炭素数1〜16のアルコキシ基を示す。)で表されるβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類が、水系媒体中に分散してなる水系分散体、
からなる。
【0005】
以下、本発明を詳細に説明する。
(A)成分
本発明における(A)成分は、ポリオルガノシロキサン(a)成分とビニル系重合体(b)成分とを含有する重合体(以下、「重合体(A)」ともいう。)である。ここで、「ポリオルガノシロキサン(a)成分とビニル系重合体(b)成分とを含有する」とは、当該両成分が相互に分離して存在するか、あるいは当該両成分が相互に化学的に結合していることを意味する。
以下、重合体(A)におけるポリオルガノシロキサン(a)およびビニル系重合体(b)について、順次説明する。
【0006】
〈ポリオルガノシロキサン(a)〉
重合体(A)の一方の構成成分であるポリオルガノシロキサン(a)としては、下記一般式(1)で表されるオルガノシラン(以下、「オルガノシラン(a1)」という。)が重縮合した構造を有する成分が好ましい。
(R1)n Si(OR2)4-n ・・・(1)
(式中、R1 は炭素数1〜8の有機基、R2 は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示し、nは0〜2の整数である。)
一般式(1)において、R1 の炭素数1〜8の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等のアルキル基のほか、γ−クロロプロピル基、γ−ブロモプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−(メタ)アクリルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、γ−アミノプロピル基、γ−ジメチルアミノプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、ビニル基、フェニル基等が挙げられる。
また、R2 の炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられ、炭素数1〜4のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。
【0007】
このようなオルガノシラン(a1)の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等のアルコキシシラン類;テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジエチルジアセトキシシラン等のアシルオキシシラン類等が挙げられ、好ましくはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランである。
これらのオルガノシラン(a1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0008】
本発明において、オルガノシラン(a1)は、そのままあるいは加水分解物および/またはその部分縮合物として使用される。この場合、重合体(A)を製造する際に、オルガノシラン(a1)の重縮合反応によりポリオルガノシロキサン鎖を形成しつつ、オルガノシラン(a1)の加水分解により生成したヒドロキシシリル基と後述するビニル系重合体(b)中のヒドロキシシリル基とが、ミクロ的に分散して混在するか、あるいは相互に縮合反応を生起することができる。
オルガノシラン(a1)の前記部分縮合物のポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは800〜100,000、さらに好ましくは1,000〜50,000である。
【0009】
〈ビニル系重合体(b)〉
重合体(A)の他方の構成成分であるビニル系重合体(b)としては、主鎖がビニル系重合体からなり、その重合体分子鎖の末端および/または側鎖に、加水分解性シリル基および/またはヒドロキシシリル基(以下、これらの基をまとめて「加水分解性シリル基等」という。)を1個以上、好ましくは2〜20個有する重合体(以下、「ビニル系重合体(b1)」という。)が好ましい。
ビニル系重合体(b1)における加水分解性シリル基等は、一般に、下記一般式(2)で表される。
【0010】
【化1】
Figure 0003951366
【0011】
(式中、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基等の加水分解性基または水酸基を示し、R3 は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数〜10のアラルキル基を示し、mは1〜3の整数である。)
加水分解性シリル基等は、ビニル系重合体(b1)中に1種以上存在することができる。
ビニル系重合体(b1)は、例えば、
(イ)炭素・炭素二重結合を有するビニル系(共)重合体(以下、「不飽和重合体」という。)の該炭素−炭素二重結合に、加水分解性シリル基等を有するヒドロシラン化合物を付加反応させる方法、
(ロ)加水分解性シリル基等を有するビニル系単量体を、場合により他のビニル系単量体と共に、(共)重合する方法
等により製造することができる。
前記(イ)の方法に使用される不飽和重合体は、例えば、下記のようにして製造することができる。
即ち、(イ−1)ビニル系単量体の(共)重合体中の適当な官能基(以下、「相補的官能基(α)」という。)に、相補的官能基(α)との反応性を有する官能基(以下、「相補的官能基(β)」という。)と炭素・炭素二重結合とを有する不飽和化合物を反応させることにより、重合体分子鎖の側鎖に炭素−炭素二重結合を有する官能性不飽和重合体を製造することができる。
また、(イ−2)相補的官能基(α)を有するラジカル重合開始剤(例えば4,4−アゾビス−4−シアノ吉草酸等)を使用し、あるいはラジカル重合開始剤と連鎖移動剤の双方に相補的官能基(α)を有する化合物(例えば4,4−アゾビス−4−シアノ吉草酸とジチオグリコール酸等)を使用して、ビニル系単量体を(共)重合して、重合体分子鎖の片末端あるいは両末端にラジカル重合開始剤や連鎖移動剤に由来する相補的官能基(α)を有する前駆(共)重合体を合成したのち、該前駆(共)重合体中の相補的官能基(α)に、相補的官能基(β)と炭素・炭素二重結合とを有する不飽和化合物を反応させることにより、重合体分子鎖の片末端あるいは両末端に炭素−炭素二重結合を有する官能性不飽和重合体を製造することができる。
さらに、(イ−3)前記(イ−1)と(イ−2)の組み合せによっても、不飽和重合体を製造することができる。
(イ−1)および(イ−2)の方法における相補的官能基(α)と相補的官能基(β)との反応の例としては、カルボキシル基と水酸基とのエステル化反応、カルボン酸無水物基と水酸基との開環エステル化反応、カルボキシル基とエポキシ基とのエステル化反応、カルボキシル基とアミノ基とのアミド化反応、カルボン酸無水物基とアミノ基との開環アミド化反応、エポキシ基とアミノ基との開環付加反応、水酸基とイソシアネート基とのウレタン化反応等が挙げられる。
(イ−1)の方法に使用される相補的不飽基(β)と炭素・炭素二重結合とを有する不飽和化合物としては、例えば、前記親水性ビニル系単量体のうちの不飽和カルボン酸類、不飽和カルボン酸無水物類、水酸基含有ビニル系単量体あるいはアミノ基含有ビニル系単量体のほか、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有不飽和化合物、前記水酸基含有ビニル系単量体とジイソシアネート化合物とを等モルで反応させることにより得られるイソシアネート基含有不飽和化合物等が挙げられる。
【0012】
また、(イ)の方法に使用される加水分解性基等を有するヒドロシラン化合物としては、例えば、メチルジクロルシラン、フェニルジクロルシラン、トリクロルシラン等のハロゲン化シラン類;メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン等のアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシラン、トリアセトキシシラン等のアシロキシシラン類;ジメチル・アミノキシシラン、メチルジアミノキシシラン、トリアミノキシシラン等のアミノキシシラン類;メチルジフェノキシシラン、トリフェノキシシラン等のフェノキシシラン類;メチルジ(チオメトキシ)シラン、トリ(チオメトキシ)シラン等のチオアルコキシシラン類;メチル・ジアミノシラン、トリアミノシラン等のアミノシラン類等が挙げられる。これらのヒドロシラン化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0013】
次に、前記(ロ)の方法に使用される加水分解性シリル基等を有するビニル系単量体は、一般に、下記一般式(3)で表される。
【0014】
【化2】
Figure 0003951366
【0015】
(式中、X、R3 およびmはそれぞれ一般式(2)と同義であり、R4 は重合性炭素・炭素二重結合を有する有機基を示す。)
このような加水分解性シリル基等を有するビニル系単量体の具体例としては、
CH2 =CHSi(CH3)(OCH3)2 、CH2 =CHSi(OCH3)3
CH2 =CHSi(CH3)Cl2 、CH2 =CHSiCl3
CH2 =CHCOO(CH2)2 Si(CH3)(OCH3)2
CH2 =CHCOO(CH2)2 Si(OCH3)3
CH2 =CHCOO(CH2)3 Si(CH3)(OCH3)2
CH2 =CHCOO(CH2)3 Si(OCH3)3
CH2 =CHCOO(CH2)2 Si(CH3)Cl2
CH2 =CHCOO(CH2)2 SiCl3
CH2 =CHCOO(CH2)3 Si(CH3)Cl2
CH2 =CHCOO(CH2)3 SiCl3
CH2 =C(CH3)COO(CH2)2 Si(CH3)(OCH3)2
CH2 =C(CH3)COO(CH2)2 Si(OCH3)3
CH2 =C(CH3)COO(CH2)3 Si(CH3)(OCH3)2
CH2 =C(CH3)COO(CH2)3 Si(OCH3)3
CH2 =C(CH3)COO(CH2)2 Si(CH3)Cl2
CH2 =C(CH3)COO(CH2)2 SiCl3
CH2 =C(CH3)COO(CH2)3 Si(CH3)Cl2
CH2 =C(CH3)COO(CH2)3 SiCl3
【0016】
【化3】
Figure 0003951366
【0017】
【化4】
Figure 0003951366
【0018】
【化5】
Figure 0003951366
【0019】
【化6】
Figure 0003951366
【0020】
が挙げられる。
これらの加水分解性シリル基等を有するビニル系単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0021】
(イ)の方法に使用される不飽和重合体を構成するビニル系単量体、および(ロ)の方法において使用される他のビニル系単量体としては、例えば、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸i−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸i−ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸i−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸i−ノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸i−デシル、(メタ)アクリル酸n−ウンデシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸エステル類;
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(エチレングリコール単位数は例えば2〜20)、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート(プロピレングリコール単位数は例えば2〜20)等のアルコキシ(ポリ)アルキレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル類;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレングリコール単位数は例えば2〜20)、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(プロピレングリコール単位数は例えば2〜20)等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;
コハク酸ジ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、アジピン酸ジ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸ジ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の非重合性多塩基酸と(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルとのエステル類;
(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−クロロメチルアクリロニトリル、α−トリフルオロメチルアクリロニトリル、α−メトキシアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアノ基含有ビニル系単量体;
(メタ)アクリルアミド、α−エチルアクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメトキシ(メタ)アクリルアミド、N−エトキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエトキシ(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、イタコン酸ジアミド等のアミド基含有ビニル系単量体;
グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有ビニル系単量体や、
スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのほか、
下記する親水性ビニル系単量体、カルボニル基含有ビニル系単量体
等が挙げられる。
【0022】
前記親水性ビニル系単量体は、例えば、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、水酸基、アミノ基、アミンイミド基等の親水性官能基を有するビニル系単量体からなる。このような親水性官能基は、ビニル系単量体中に1種以上存在することができるが、例えば、カルボキシル基、水酸基あるいはアミンイミド基の何れか2種以上が共存することが好ましい。
親水性ビニル系単量体としては、例えば、
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、α−クロロアクリル酸、α−クロロメチルアクリル酸、α−トリフルオロメチルアクリル酸、α−メトキシアクリル酸、α−エトキシアクリル酸、コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、アジピン酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等のカルボキシル基含有ビニル系単量体;
無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸無水物類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロシエチル)(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、(メタ)アリルアルコール等の水酸基含有ビニル系単量体;
2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、2−アミノエチルビニルエーテル、N,N−ジメチルアミノ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノ(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有ビニル系単量体;
1,1,1−トリメチルアミン(メタ)アクリルイミド、1−メチル−1−エチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2−ヒドロキシプロピル)アミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2’−フェニル−2’−ヒドロキシエチル)アミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2’−ヒドロキシ−2’−フェノキシプロピル)アミン(メタ)アクリルイミド等のアミンイミド基含有ビニル系単量体
等が挙げられる。
これらの親水性ビニル系単量体のうち、不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物の群では、特に(メタ)アクリル酸が好ましく、水酸基含有ビニル系単量体としては、特に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましく、アミノ基含有ビニル系単量体およびアミンイミド基含有ビニル系単量体の群では、特に1,1−ジメチル−1−(2−ヒドロキシプロピル)アミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2’−フェニル−2’−ヒドロキシエチル)アミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2’−ヒドロキシ−2’−フェノキシプロピル)アミン(メタ)アクリルイミド等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸アミドイミドが好ましい。
【0023】
また、前記カルボニル基含有ビニル系単量体は、ホルミル基あるいはケト基からなるカルボニル基を1種以上有するビニル系単量体からなる。
カルボニル基含有ビニル系単量体のうち、ホルミル基を有するビニル系単量体としては、例えば、(メタ)アクロレイン、クロトンアルデヒド、ホルミルスチレン、ホルミル−α−メチルスチレン、(メタ)アクリルアミドピバリンアルデヒド、3−(メタ)アクリルアミドメチル−アニスアルデヒドや、下記一般式(4)で表されるβ−(メタ)アクリロキシ−α,α−ジアルキルプロパナール類等が挙げられる。
【0024】
【化7】
Figure 0003951366
【0025】
(式中、R5 は水素原子またはメチル基を示し、R6 は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、R7 は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R8 は炭素数1〜4のアルキル基を示す。〕
一般式(4)で表されるβ−(メタ)アクリロキシ−α,α−ジアルキルプロパナール類の具体例としては、β−(メタ)アクリロキシ−α,α−ジメチルプロパナール(即ち、β−(メタ)アクリロキシピバリンアルデヒド)、β−(メタ)アクリロキシ−α,α−ジエチルプロパナール、β−(メタ)アクリロキシ−α,α−ジプロピルプロパナール、β−(メタ)アクリロキシ−α−メチル−α−ブチルプロパナール、β−(メタ)アクリロキシ−α,α,β−トリメチルプロパナール等が挙げられる。
また、ケト基を有するビニル系単量体としては、例えば、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン類(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニル−n−プロピルケトン、ビニル−i−プロピルケトン、ビニル−n−ブチルケトン、ビニル−i−ブチルケトン、ビニル−t−ブチルケトン等)、ビニルフェニルケトン、ビニルベンジルケトン、ジビニルケトン、ジアセトン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート−アセチルアセテート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート−アセチルアセテート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート−アセチルアセテート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート−アセチルアセテート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート−アセチルアセテート、ブタンジオール−1,4−(メタ)アクリレート−アセチルアセテート等が挙げられる。
これらのカルボニル基含有ビニル系単量体のうち、特にアクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ビニルメチルケトン等が好ましい。
本発明において、前記ビニル系単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0026】
ビニル系重合体(b1)が親水性ビニル系単量体の(共)重合体である場合、ビニル系重合体(b1)中の該ビニル系単量体の含有量は、好ましくは0.05〜50重量%、さらに好ましくは0.05〜40重量%である。
また、本発明においては、ビニル系重合体(b1) 中の親水性ビニル系単量体の特に好ましい含有量は、該ビニル系単量体の種類によって変わる。即ち、
(i)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物の合計含有量は、特に0.5〜10重量%が好ましく、
(ii)水酸基含有ビニル系単量体の含有量は、特に5〜30重量%が好ましく、
(iii)アミノ基含有ビニル系単量体および/またはアミンイミド基含有ビニル系単量体の合計含有量は、特に0.05〜3重量%が好ましい。
親水性ビニル系単量体の含有量を前記範囲内とすることにより、親水性ビニル系単量体の(共)重合体からなるビニル系重合体(b1)を用いて得られる水系分散体の保存安定性が特に優れたものとなる。
また、親水性ビニル系単量体の(共)重合体からなるビニル系重合体(b1)においては、前記(i)、(ii)および(iii)に示したビニル系単量体のいずれか2種以上を併用することが好ましく、特に前記(i)、(ii)および(iii)に示したビニル系単量体のそれぞれ1種以上を組み合せて使用することが好ましい。
【0027】
また、ビニル系重合体(b1)がカルボニル基含有ビニル系単量体の(共)重合体である場合、ビニル系重合体(b1)中の含有量は、好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%、特に好ましくは5〜15重量%である。この場合、カルボニル基含有ビニル系単量体の含有量が0.5重量%未満では、塗膜の耐溶剤性、耐損傷性等が低下する傾向があり、一方30重量%を超えると、塗膜の耐水性等が低下する傾向がある。
【0028】
本発明におけるビニル系重合体(b) のポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)は、好ましくは2,000〜100,000、さらに好ましくは4,000〜50,000である。
本発明において、ビニル系重合体(b) は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明におけるビニル系重合体(b) の使用量は、オルガノシラン(a1)100重量部に対して、通常、2〜900重量部、好ましくは10〜400重量部、さらに好ましくは20〜200重量部である。この場合、ビニル系重合体(b) の使用量が2重量部未満では、水系分散体から形成される塗膜の耐アルカリ性が低下する傾向があり、一方900重量部を超えると、塗膜の耐候性が低下する傾向がある。
【0029】
重合体(A)は、ポリオルガノシロキサン(a)とビニル系重合体(b)とが水系媒体中に分散できる限り、如何なる方法によっても製造することができるが、好ましくは
(ハ)オルガノシラン(a1)とビニル系重合体(b1) とを、後述する有機金属化合物および触媒量の水の存在下、有機溶媒中で加水分解および/または部分縮合させたのち、反応溶液を水系媒体中に分散させ、次いで有機溶媒を除去する方法により製造することができる。
前記(ハ)の方法において、加水分解および/または部分縮合時に存在する水の量は、オルガノシラン(a1)1モルに対して、通常、0.5〜3.0モル、好ましくは0.7〜2.0モル程度である。
また、前記(ハ)の方法において、水系媒体は、本質的に水からなるが、場合によりアルコール等の有機溶媒を数重量%程度まで含まれていてもよく、反応生成物を該水系媒体中に分散させる際には、乳化剤、pH調整剤等を使用することができる。
前記乳化剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリール硫酸エステル塩、アルキルりん酸エステル塩、脂肪酸塩等のアニオン系界面活性剤;アルキルアミン塩、アルキル四級アミン塩等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ブロック型ポリエーテル等のノニオン系界面活性剤;カルボン酸型(例えばアミノ酸型、ベタイン型等)、スルホン酸型等の両性界面活性剤等の何れでも使用可能である。これらの乳化剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記(ハ) の方法に使用される有機溶媒としては、例えば、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類等が好適である。これらの有機溶媒の一部は、反応溶液を水系媒体中に分散させる前に除去しておくこともできる。
前記(ハ)の方法における加水分解および/または部分縮合時の反応条件は、温度が、通常、40〜70℃であり、反応時間は、通常、1〜8時間である。
【0030】
前記(ハ)の方法において、ビニル系重合体(b1) がカルボキシル基やカルボン酸無水物基等の酸性基を有する場合は、加水分解および/または部分縮合後に少なくとも1種の塩基性化合物を添加してpHを調節することが好ましく、またビニル系重合体(b1) がアミノ基やアミンイミド基等の塩基性基を有する場合は、加水分解および/または部分縮合後に少なくとも1種の酸性化合物を添加してpHを調節することが好ましく、さらにビニル系重合体(b1) が該酸性基と該塩基性基とを有する場合は、加水分解および/または部分縮合後に、これらの基の割合に応じて少なくとも1種の塩基性化合物あるいは酸性化合物を添加して、pHを調節することにより、得られた特定重合体の親水性を高めて、該特定重合体の乳化分散性を向上させることができる。
前記塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール等のアミン類:カセイカリ、カセイソーダ等のアルカリ金属水酸化物等が挙げられ、また前記酸性化合物としては、例えば、塩酸、りん酸、硫酸、硝酸等の無機酸類;ぎ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、しゅう酸、くえん酸、アジピン酸、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の有機酸類が挙げられる。
前記pH調節時のpH値は、通常、6〜10、好ましくは7〜8である。
【0031】
本発明の水系分散体において、重合体(A)は水系媒体中に、例えば、粒子状あるいは水性ゾル状に、分散している。この場合、粒子状の重合体(A)の平均粒子径は、通常、0.01〜100μmである。
【0032】
(B)成分
本発明における(B)成分は、光触媒能を有する半導体の粒子および/またはゾルからなる。
光触媒能を有する半導体としては、例えば、TiO2 、TiO3 、SrTiO3
FeTiO3 、WO3 、SnO2 、Bi23 、In23 、ZnO、Fe23
RuO2 、CdO、CdS、CdSe、GaP、GaAs、CdFeO3 、MoS2
LaRhO3 等が挙げられ、好ましくはTiO2 、ZnOである。
これらの半導体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明においては、前記半導体の光触媒能により、微弱な光によっても短時間で塗膜表面が親水性化され、その結果他の塗膜性能を実質的に損なうことなく、塗膜の耐汚染性を著しく改善できることが明らかとなった。しかも、本発明の水系分散体から得られる塗膜中では、該半導体が前記(A)成分等と共縮合しており、塗膜の親水性、耐汚染性が長期にわたり持続される。
(B)成分を水系媒体中に分散させる前の存在形態には、粒子状の粉体、微粒子が水中に分散した水系ゾル、微粒子がメタノールやイソプロピルアルコ−ル等の極性溶媒やトルエン等の非極性溶媒中に分散した溶媒系ゾルの3種類がある。溶媒系ゾルの場合、半導体微粒子の分散性によってはさらに水や溶媒で希釈して用いてもよい。これらの存在形態における半導体微粒子の平均粒子径は、光触媒能の観点では小さいほど好ましく、通常、1μm以下、好ましくは0.5μm以下である。また、水系ゾルおよび溶媒系ゾルの場合、微粒子の安定性や分散性を向上させるために、予め界面活性剤、分散剤、有機金属化合物で表面処理を行なっておいてもよい。
(B)成分が水系ゾルあるいは溶媒系ゾルである場合の固形分濃度は、50重量%以下が好ましく、さらに好ましくは40重量%以下である。
(B)成分を水系分散体中に分散させる方法としては、(A)成分と後述する(C)〜(K)成分等とを含有する水系分散体の調製後に添加してもよく、あるいは該水系分散体の調製時に添加し、(B)成分の存在下でオルガノシラン(a)、ビニル系重合体(b1)等を加水分解・部分縮合させることもできる。(B)成分を水系分散体の調製時に添加すると、(B)成分中の半導体化合物をオルガノシラン(a)、ビニル系重合体(b1)等と共縮合させることができ、得られる水系分散体の保存安定性を向上させることができるとともに、塗膜の防汚染性の長期耐久性をより改善することができる。また、(B)成分が水系ゾルである場合は、水系分散体の調製時に添加するのが好ましく、また後述する(E)成分および/または(F)成分の配合により系内の粘性が上昇する場合にも、(B)成分を水系分散体の調製時に添加する方が好ましい。
本発明における(B)成分の使用量は、オルガノシラン(a1)100重量部に対して、固形分で、通常、1〜500重量部、好ましくは5〜400重量部である。
【0033】
(C)成分
(C)成分は、ジルコニウム、チタンおよびアルミニウムの群から選ばれる有機金属化合物からなる。
前記有機金属化合物は、前記オルガノシラン(a1)およびビニル系重合体(b1) の加水分解および/または部分縮合反応を促進する作用をなすものと考えられる。
このような有機金属化合物の例としては、一般式
Zr(OR9)p (R10COCHCOR11)4-p(但し、p=0〜4)、
Ti(OR9)q (R10COCHCOR11)4-q(但し、q=0〜4)または
Al(OR9)r (R10COCHCOR11)3-r(但し、r=0〜3)
で表される化合物、あるいはこれらの化合物の部分加水分解物が挙げられる。
前記一般式において、R9 およびR10は、それぞれ独立に炭素数1〜6の1価の炭化水素基、具体的には、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基等を示し、またR11は、R9 およびR10と同様の炭素数1〜6の1価の炭化水素基のほか、炭素数1〜16のアルコキシ基、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ラウリルオキシ基等を示す。
【0034】
前記有機金属化合物の具体例としては、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム等のジルコニウム化合物;テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタン等のチタン化合物;トリエトキシアルミニウム、トリ−i−プロポキシアルミニウム、モノ−2−ブトキシ・ジ−i−プロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、ジ−i−プロポキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム等のアルミニウム化合物等が挙げられる。これらの化合物のうち、トリ−n−ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムが好ましい。
これらの有機金属化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記有機金属化合物は、好ましくは有機溶媒に溶解して使用される。この場合の有機溶媒としては、例えば、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類等が好適である。
【0035】
本発明における(C)成分の使用量は、オルガノシラン(a1)100重量部に対して、好ましくは0.01〜50重量部、さらに好ましくは0.1〜50重量部、特に好ましくは0.5〜10重量部である。この場合、(C)成分の使用量が0.01重量部未満では、オルガノシラン(a1)とビニル系重合体(b1)との共縮合物の形成が不充分となり、水系分散体から得られる塗膜の耐候性が低下する傾向があり、一方50重量部を超えると、水系分散体の保存安定性が低下したり、塗膜にクラックが発生しやすくなる傾向がある。
【0036】
(D)成分
(D)成分は、下記一般式
10COCH2 COR11
(式中、R10およびR11はそれぞれ、(C)成分の有機金属化合物を表す前記一般式におけるR10およびR11と同義である。)で表されるβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類からなる。
(D)成分の具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸i−プロピル、アセト酢酸n−ブチル、アセト酢酸sec−ブチル、アセト酢酸t−ブチル、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、2,4−ノナンジオン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオン等が挙げられる。これらのうち、アセチルアセトン、アセト酢酸エチルが好ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。
本発明における(D)成分の使用量は、(C)成分1モルに対して、通常、2モル以上、好ましくは3〜20モルである。この場合、(D)成分の使用量が2モル未満では、得られる水系分散体の保存安定性の向上効果が低下する傾向がある。
【0037】
さらに、本発明の水系分散体には、下記する(E)〜(J)成分を配合することができる。
(E)成分
(E)成分は、前記(B)成分以外の無機化合物の粒子および/またはゾルもしくはコロイドからなり、塗膜の硬度をより高める等の塗膜の所望の特性に応じて配合される。
(E)成分をなす無機化合物の具体例としては、SiO2 、Al23
Al(OH)3 、Sb25 、Si34 、Sn−In23
Sb−In23 、MgF、CeF3 、CeO2 、Al23
3Al23 ・2SiO2 、BeO、SiC、AlN、Al23 、Fe、
Fe23 、Co、Co−FeOX 、CrO2 、Fe4 N、Baフェライト、
SmCO5 、YCO5 、CeCO5 、PrCO5 、Sm2 CO17
Nd2 Fe14B、ZrO2 、Al43 、AlN、SiC、BeO等を挙げることができる。
これらの無機化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
(E)成分を水系分散体に配合する前の存在形態には、粒子状の粉体、微粒子が水中に分散した水系のゾルもしくはコロイド、微粒子がイソプロピルアルコ−ル等の極性溶媒やトルエン等の非極性溶媒中に分散した溶媒系のゾルもしくはコロイドがある。溶媒系のゾルもしくはコロイドの場合、半導体微粒子の分散性によってはさらに水や溶媒にて希釈して用いてもよい。
(E)成分が水系のゾルもしくはコロイドおよび溶媒系のゾルもしくはコロイドである場合の固形分濃度は、40重量%以下が好ましい。
(E)成分のうち、コロイド状シリカは、例えば、スノーテックス、メタノールシリカゾル、イソプロパノールシリカゾル(以上、日産化学工業(株)製);カタロイドSN、オスカル(以上、触媒化成工業(株)製);Ludex(米国デュポン社製);Syton(米国モンサント社製);Nalcoag(米国ナルコケミカル社製)等の商品名で、また前記コロイド状アルミナは、例えば、アルミナゾル−100、アルミナゾル−200、アルミナゾル−520(以上、日産化学工業(株)製)、アルミナクリヤーゾル、アルミナゾル10、アルミナゾル132(以上、川研ファインケミカル(株)製)等の商品名で、市販されている。
(E)成分を本発明の水系分散体中に配合する方法としては、前記(A)〜(D)成分、後述する(F)〜(J)成分等を含有する水系分散体の調製後に添加してもよく、あるいは該水系分散体の調製時に添加し、(E)成分の存在下でオルガノシラン(a1)、ビニル系重合体(b1)等を加水分解・部分縮合させることもできる。
本発明における(E)成分の使用量は、オルガノシラン(a1)100重量部に対して、固形分で、通常、0〜500重量部、好ましくは0.1〜400重量部である。
【0038】
(F)成分
(F)成分は、塗膜の着色、意匠性あるいは厚膜化を発現させ、また防蝕性、耐候性等をより高めるための他の充填材からなる。
このような他の充填材としては、例えば、金属や合金;金属の酸化物、水酸化物、炭化物、窒化物、硫化物等の化合物;有機顔料、無機顔料等の非水溶性顔料等を挙げることができる。これらの成分は、粒子状、繊維状、ウイスカー状もしくは鱗片状の形態で使用される。
他の充填材の具体例としては、鉄、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、銅、銀、カーボンブラック、黒鉛、ステンレス鋼、酸化第二鉄、フェライト、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化クロム、顔料用酸化ジルコニウム、顔料用酸化チタン、酸化ジルコニウム、二酸化珪素、亜酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、亜酸化銅、水酸化第二鉄、水酸化アルミニウム、消石灰、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸鉛、塩基性硫酸鉛、硫酸バリウム、石膏、二硫化モリブデン、硫化鉛、硫化銅、珪酸鉛、鉛酸カルシウム、ほう酸銅、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素、フタル酸鉛、合成ムライト、クレー、珪藻土、タルク、ベントナイト、雲母、緑土、コバルト緑、マンガン緑、ビリジャン、ギネー緑、コバルトクロム緑、シューレ緑、緑土、クロム緑、亜鉛緑、ピグメントグリーン、群青、岩群青、紺青、コバルト青、セルリアンブルー、モリブデン青、コバルト紫、マルス紫、マンガン紫、ピグメントバイオレット、ジンクエロー、クロム黄、カドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、リサージ、ピグメントエロー、黄土、カドミウム赤、セレン赤、クロムバーミリオン、ベンガラ、鉛亜鉛華、バンチソン白、マンガン白、ボーン黒、ダイヤモンドブラック、サーマトミック黒、植物性黒等を挙げることができる。
これらの他の充填材は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における(F)成分の使用量は、(A)〜(E)成分の固形分合計100重量部に対して、通常、300重量部以下である。この場合、(F)成分の使用量が300重量部を超えると、塗膜の密着性が低下する傾向がある。
さらに、必要に応じて、オルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、テトラエトキシシラン等の脱水剤や、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、染料、顔料、分散剤、増粘剤、粘着剤、レベリング剤、防かび剤、防腐剤、老化防止剤、酸化防止剤、防曇剤、難燃剤等を配合することもできる。
【0039】
(G)成分
(G)成分は、前記(C)成分以外の硬化促進剤からなる。
このような(G)成分を使用することにより、本発明の水系分散体から形成された塗膜の硬化速度を高めることができ、比較的低い温度で硬化させるためには、(G)をさらに添加する方が効果的である。
(G)成分としては、例えば、ナフテン酸、オクチル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸等のアルカリ金属塩;エチレンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ピペリジン、ピペラジン、メタフェニレンジアミン、エタノールアミン、トリエチルアミン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシランや、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる各種変性アミン等のアミン系化合物;
(C49)2 Sn(OCOC1123)2
(C49)2 Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2
(C49)2 Sn(OCOCH=CHCOOC49)2
(C817)2Sn(OCOC1123)2
(C817)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2
(C817)2Sn(OCOCH=CHCOOC49)2
(C817)2Sn(OCOCH=CHCOOC817)2
Sn(OCOCC817)2等のカルボン酸型有機錫化合物;
(C49)2 Sn(SCH2 COOC817)2
(C49)2 Sn(SCH2 CH2 COOC817)2
(C817)2Sn(SCH2 COOC817)2
(C817)2Sn(SCH2 CH2 COOC817)2
(C817)2Sn(SCH2 COOC1225)2
(C817)2Sn(SCH2 CH2 COOC1225)2
【0040】
【化8】
Figure 0003951366
等のメルカプチド型有機錫化合物;
【0041】
(C49)2 Sn=S、(C817)2Sn=S、
【0042】
【化9】
Figure 0003951366
【0043】
等のスルフィド型有機錫化合物;
(C49)2 SnO、(C817)2SnO等の有機錫オキサイドや、これらの有機錫オキサイドとエチルシリケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオクチル等のエステル化合物との反応生成物等を挙げることができる。
これらの硬化促進剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における(G)成分の使用量は、オルガノシラン(a1)100重量部に対して、通常、0〜100重量部、好ましくは0.1〜80重量部、さらに好ましくは0.5〜50重量部である。
【0044】
(H)成分
(H)成分は、分子中に2個以上のヒドラジノ基を有する多官能性ヒドラジン誘導体からなり、重合体(A)を構成するビニル系重合体(b)がカルボニル基を含有する場合に配合することが好ましい。該多官能性ヒドラジン誘導体は、本発明の水系分散体の施工後の乾燥過程で、そのヒドラジノ基が重合体(A)中に含有されるカルボニル基と反応して網目構造を生成し、塗膜を架橋させる作用を有するものである。
前記多官能性ヒドラジン誘導体としては、例えば、
しゅう酸ジヒドラジド、 マロン酸ジヒドラジド、こはく酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等の合計炭素数2〜10、特に合計炭素数4〜6のジカルボン酸ジヒドラジド類;
クエン酸トリヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、エチレンジアミン四酢酸テトラヒドラジド等の3官能以上のヒドラジド類;
エチレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−1,2−ジヒドラジン、ブチレン−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラジン、ブチレン−2,3−ジヒドラジン等の合計炭素数2〜4の脂肪族ジヒドラジン類
等の水溶性ジヒドラジンが好ましい。
さらに、これらの水溶性ジヒドラジンの少なくとも一部のヒドラジノ基を、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、ジアセトンアルコール等のカルボニル化合物と反応させることによりブロックした化合物(以下、「ブロック化多官能性ヒドラジン誘導体」という。)、例えば、アジピン酸ジヒドラジドモノアセトンヒドラゾン、アジピン酸ジヒドラジドジアセトンヒドラゾン等も使用することができる。このようなブロック化多官能性ヒドラジン誘導体を使用することにより、水系分散体の架橋反応の進行を適度に抑えることができるため、特に印刷インキとして重要な再分散性をさらに改良することができる。
これらの多官能性ヒドラジン誘導体のうち、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジドジアセトンヒドラゾン等が好ましい。
前記多官能性ヒドラジン誘導体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0045】
本発明における(H)成分の使用量は、重合体(A)中のカルボニル基と(H)成分中のヒドラジノ基との当量比が、通常、1:0.1〜5、好ましくは1:0.5〜1.5、さらに好ましくは1:0.7〜1.2の範囲となる量である。この場合、ヒドラジノ基がカルボニル基1当量に対して、0.1当量未満であると、塗膜の耐溶剤性、耐損傷性等が低下する傾向があり、一方5当量を超えると、塗膜の耐水性、透明性等が低下する傾向がある。但し、多官能性ヒドラジン誘導体として、ブロック化多官能性ヒドラジン誘導体を使用する場合の前記当量比は、カルボニル基とブロックする前の多官能性ヒドラジン誘導体中のヒドラジノ基との当量比によるものとする。
(H)成分は、本発明の水系分散体を調製する適宜の工程で配合することができるが、重合体(A)の製造時における凝固物の発生を抑え、重合安定性を維持するためには、(H)成分の全量を、重合体(A)の製造後に配合することが望ましい。
【0046】
(I)成分
(I)成分は、樹脂状添加剤からなる。
前記樹脂状添加剤としては、例えば、水性塗料に通常使用されている水溶性ポリエステル樹脂、水溶性あるいは水分散性エポキシ樹脂、水溶性あるいは水分散性アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体等のカルボキシル基含有芳香族ビニル系樹脂、ウレタン樹脂等を挙げることができる。
これらの樹脂状添加剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における(I)成分の使用量は、水系分散体の全固形分100重量部に対して、通常、50重量部以下、好ましくは30重量部以下である。
【0047】
(J)成分
)成分は、成膜性や濡れ性を向上させる有機溶剤からなる。
前記有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、n−ヘキシルアルコール等のアルコール類や、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリブトキシメチルフォスフェート等を挙げることができる。
これらの有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における()成分の使用量は、全水系分散体の、通常、50重量%以下、好ましくは20重量%以下である。
さらに、本発明の水系分散体には、所望により、増粘剤、分散剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、レベリング剤、染料、防かび剤、防腐剤、老化防止剤、酸化防止剤、粘着剤、防曇剤、難燃剤等の他の添加剤を配合することもできる。
【0048】
本発明の水系分散体を調製するに際しては、(C)成分と(D)成分を使用しない場合は、各成分の混合方法は特に限定されないが、(C)成分と(D)成分を使用する場合は、(A)〜(D)成分のうち(D)成分を除いた混合物を得たのち、これに(D)成分を添加する方法、具体的には下記(i) ii) の方法が好ましい。なお、本発明における残りの各成分や他の添加剤の混合方法は特に限定されない。
(i) (A)成分を構成するオルガノシラン(a1)、(B)成分および(C)成分からなる混合物に、所定量の水を加えて加水分解・部分縮合反応を行ったのち、(D)成分を添加する方法。
ii) (A)成分を構成するオルガノシラン(a1)および(B)成分からなる混合物に、所定量の水を加えて加水分解・部分縮合反応を行い、次いで(C)成分を加えて混合したのち、(D)成分を添加する方法。
また、本発明の水系分散体は、場合により、
iii) (A)〜(D)成分のうち(B)成分を除いた各成分を用いて前記(i)あるいは ii) の方法を実施したのち、(B)成分を添加する方法
によっても調製することができる。
【0049】
本発明の水系分散体の全固形分濃度は、通常、5〜80重量%、好ましくは5〜50重量%であり、使用目的に応じて適宜調整される。例えばコーティング材として、薄膜形成および/または基材への含浸を主目的とする場合は、全固形分濃度が、通常、5〜20重量%であり、また厚膜形成や充填剤を配合する場合は、全固形分濃度が、通常、20〜45重量%、好ましくは25〜40重量%である。
【0050】
本発明の水系分散体は、特にコーティング材として有用であり、着色成分を含まないクリーおよび着色成分を含むエナメルの双方に使用することができる。 本発明の水系分散体からなるコーティング材を基材に塗布する際には、刷毛、ロ−ルコ−タ−、フロ−コ−タ−、遠心コ−タ−、超音波コ−タ−等を用いたり、ディップコート、流し塗り、スプレ−、スクリ−ンプロセス、電着、蒸着等の塗布方法により、1回塗りで厚さ0.5〜40μm程度、2〜3回塗りでは厚さ1〜80μm程度の塗膜を形成することができる。その後、常温で乾燥するか、あるいは30〜200℃程度の温度で加熱して乾燥することにより、各種の基材に塗膜を形成することができる。
本発明の水系分散体からなるコーティング材を適用しうる基材としては、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属;セメント、コンクリ−ト、ALC、フレキシブルボ−ド、モルタル、スレ−ト、石膏、セラミックス、レンガ等の無機窯業系材料;フェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリカ−ボネ−ト、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)等のプラスチック成型品;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコ−ル、ポリカ−ボネ−ト、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリウレタン、ポリイミド等のプラスチックフィルムや、木材、紙、ガラス等を挙げることができる。また、本発明の水系分散体からなるコーティング材は、劣化塗膜の再塗装にも有用である。
これらの基材には、下地調整、密着性向上、多孔質基材の目止め、平滑化、模様付け等を目的として、予め表面処理を施すこともできる。
例えば、金属系基材に対する表面処理としては、例えば、研磨、脱脂、メッキ処理、クロメ−ト処理、火炎処理、カップリング処理等を挙げることができ、プラスチック系基材に対する表面処理としては、例えば、ブラスト処理、薬品処理、脱脂、火炎処理、酸化処理、蒸気処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、イオン処理等を挙げることができ、無機窯業系基材に対する表面処理としては、例えば、研磨、目止め、模様付け等を挙げることができ、木質基材に対する表面処理としては、例えば、研磨、目止め、防虫処理等を挙げることができ、紙質基材に対する表面処理としては、例えば、目止め、防虫処理等を挙げることができ、さらに劣化塗膜に対する表面処理としては、例えば、ケレン等を挙げることができる。
【0051】
本発明の水系分散体からなるコーティング材による塗布操作は、基材の種類や状態、塗布方法によって異なる。例えば、金属系基材の場合、防錆の必要があればプライマ−を用い、無機窯業系基材の場合、基材の特性(表面荒さ、含浸性、アルカリ性等)により塗膜の隠蔽性が異なるため、通常はプライマ−を用い、有機樹脂系基材の場合も、通常プライマーを用いる。また劣化塗膜の再塗装の場合、旧塗膜の劣化が著しいときはプライマ−を用いる。
それ以外の基材、例えば、防錆を必要としない金属、タイルやガラス等の場合は、用途に応じてプライマ−を用いても用いなくてもよい。
プライマ−の種類は特に限定されず、基材とコ−ティング材との密着性を向上させる作用を有するものであればよく、基材の種類、使用目的に応じて選択する。プライマ−は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、また顔料等の着色成分を含むエナメルでも、該着色成分を含まいクリーでもよく、また専用の硬化促進剤を添加してもよい。
プライマ−の種類としては、コーティング材がエナメルである場合は、プライマーと光触媒成分((B)成分)を含有する塗膜との界面における有機物分解が起こりにくいため、通常プライマーとして用いられている密着性のよい有機樹脂を使用してもよく、例えば、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、アクリルシリコン樹脂、アクリルエマルジョン、エポキシエマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、ポリエステルエマルジョン、シリコンアクリルエマルジョン、ポリシロキサン等を挙げることができる。また、コーティング材がクリーである場合は、プライマーと光触媒成分((B)成分)を含有する塗膜との界面における有機物分解が起こりやすいため、プライマーとしては、耐酸化性の高い有機樹脂、例えば、シリコンアクリルエマルジョン、アクリルシリコン樹脂、ポリシロキサン、ふっ素樹脂、アルコキシシリル変性ポリエステル、アクリルウレタン樹脂、前記(A)成分と(B)成分とからなる組成物等が好ましい。
また、これらのプライマーには、厳しい条件での基材と塗膜との密着性が必要な場合、各種の官能基を付与することもできる。このような官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基、アミン基、グリシジル基、アルコキシシリル基、アルキルシリル基、エ−テル結合、エステル結合等を挙げることができる。
【0052】
本発明の水系分散体からなるコーティング材を基材に適用した形態には、次のようなものがある。
[ ] 基材/コーティング材(クリア−、エナメル)
[II] 基材/コーティング材(エナメル)/コーティング材(クリア−)
[III] 基材/光触媒成分を含まないコーティング材(クリア−、エナメル)/コ ーティング材(クリア−)
なお、前記 [ ] [III]の場合、必要に応じて、基材に予め前処理および/またはプライマー処理を施すことができるのは前述したとおりである。
本発明の水系分散体からなるコーティング材から形成した塗膜の表面には、塗膜の耐摩耗性や光沢をさらに高めることを目的として、例えば、米国特許第3,986,997号明細書、米国特許第4,027,073号明細書等に記載されたコロイダルシリカとシロキサン樹脂との安定な分散液のようなシロキサン樹脂系塗料等からなるクリア層を形成することもできる。
本発明の水系分散体からなるコーティング材は、幅広い用途に有用であるが、特に、包装材料、磁気テープ、写真フィルム、オーバーヘッドプロジェクター用フィルム、情報記録カード、被印刷材等の表面や、コンクリート構造物、木質建材、合成建材、プレキャスト材、建築物の内外装、自動車の内外装、缶等の塗装に極めて好適に使用することができる。さらに、本発明の水系分散体からなるコーティング材は、抗菌性、防カビ性、防藻性、脱臭性、帯電防止性等を有する機能性コーティング材としても使用することができる。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて本発明の実施の形態をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の部および%は、特に断らない限り重量基準である。
実施例および比較例における測定・評価は、下記のようにして行った。
MwおよびMn
下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した。
試料溶液 : 試料1gあるいは0.1gをそれぞれ100ccのテトラヒドロ フランに溶解した溶液、
標準ポリスチレン: 米国プレッシャーケミカル社製、
装置 : 米国ウオーターズ社製の高温高速ゲル浸透クロマトグラム(モデ ル150−C ALC/GPC)、
カラム : 昭和電工(株)製のSHODEX A−8M(長さ50cm)、
測定温度 : 40℃、
流速 : 1cc/分。
保存安定性
硬化促進剤を添加しない組成物を、ガラス製ビン内に、常温で3ヶ月密栓保存して、分散状態および透明性を目視により判定した。
硬度
JIS K5400による鉛筆硬度に拠った。
密着性
JIS K5400による碁盤目テスト(ます目100個)により、テープ剥離試験を3回実施し、その平均に拠った。
耐候性
JIS K5400により、サンシャインウエザーメーターで3,000時間照射試験を実施して、塗膜の外観(割れ、はがれ等)を目視により観察した。
耐アルカリ性
塗膜上に、濃度1〜40%の水酸化ナトリウム水溶液を1cc滴下し、蓋付きシャーレ中で6時間静置後、水洗したのち、塗膜の状態を目視により観察して、塗膜に異常のない水酸化ナトリウム水溶液の最大濃度を求めた。
耐有機薬品性
塗膜上にイソプロピルアルコールを2cc滴下し、5分後に布で拭き取ったのち、塗膜の状態を目視により観察した。
耐温水性
無機質基材を用いた試験片を、60℃の温水中に14日間浸漬したのち、塗膜の状態を目視により観察した。
親水性
塗膜に、0.05mW/cm2 ブラックライト蛍光灯で5時間照射したのち、水の接触角を測定した。水の接触角が低いほど、耐汚染性が良好であることを意味する。
【0054】
参考例1〈オルガノシラン(a1)の部分縮合物の調製〉
還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、メチルトリメトキシシラン100部、ジメチルジメトキシシラン30部、イオン交換水12部、0.1規定塩酸0.01部およびi−プロピルアルコール10部を加えて混合したのち、攪拌しながら60℃に加温し、同温度で3時間反応させて、固形分濃度44%のオルガノシラン(aI)の部分縮合物の溶液を得た。この部分縮合物のMwは12,000であった。
【0055】
参考例2〈ビニル系重合体(b1)の製造〉
還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、メチルメタクリレート70部、n−ブチルアクリレート40部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20部、アクリル酸5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート13部、1,1,1−トリメチルアミンメタクリルイミド2部およびi−プロピルアルコール130部を加えて混合したのち、攪拌しながら80℃に加温し、この混合物にアゾビスイソバレロニトリル4部をキシレン10部に溶解した溶液を30分間かけて滴下したのち、80℃で5時間反応させて、固形分濃度50%のビニル系重合体(b1)の溶液を得た。このビニル系重合体(b1)は、Mnが12,000であり、重合体1分子当たり平均6個のシリル基を有していた。このビニル系重合体(b1)を、ビニル系重合体(b1-1) とする。
【0056】
参考例3〈ビニル系重合体(b1)の製造〉
反応処方を、表1に示すとおりとした以外は、参考例2と同様にして、ビニル系重合体(b1-2)の溶液を得た。
【0057】
参考例6〈プライマーの調製〉
還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、メチルトリメトキシシラン100部、ジメチルジメトキシシラン50部、参考例2で得たビニル系重合体(b1-1) 50部と、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム25部をi−プロピルアルコール50部に溶解した溶液とを混合したのち、イオン交換水40部を加え、60℃で4時間反応させた。次いで、反応液を室温まで冷却したのち、アセチルアセトン15部、アセト酢酸エチル15部を添加して、プライマーを得た。
【0058】
【実施例】
実施例1
〈重合体(A)溶液の調製〉
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、メチルトリメトキシシラン100部、参考例2で得たビニル系重合体(b1-1) 50部、および酸化チタンの水系ゾル120部(酸化チタン含量40%、水40%、アルコール20%)と、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム20部(0.07モル当量)をi−プロピルアルコール40部に溶解した溶液とを混合したのち、イオン交換水30部を加え、60℃で4時間反応させた。次いで、反応液を室温まで冷却したのち、アセチルアセトン20部(0.2モル当量)を添加して、酸化チタンが分散した重合体(A)溶液を得た。
〈乳化分散〉
前記重合体(A)溶液に、30℃以下の温度で、乳化剤であるアルキル硫酸エステル塩2部と10%アンモニア水5部とを加えよく混合して、pH7.5に調節した。次いで、i−プロピルアルコール200部で希釈し、得られた溶液をイオン交換水500部中に、2時間かけて徐々に加えてエマルジョンとした。次いで、このエマルジョンから、減圧下、50℃以下の温度で、i−プロピルアルコール、水を除去したのち、全固形分濃度を35%に調整して、本発明の水系分散体Aを調製した。
水系分散体Aの保存安定性の評価結果を、表2に示す。
【0059】
実施例2〜5
酸化チタンの量あるいは種類を表2に示すとおりに変えた以外は、実施例1と同様にして、本発明の水系分散体B〜Eを調製した。
各水系分散体の保存安定性の評価結果を、表2に示す。
【0061】
実施例7〜9および比較例1
配合処方を表2あるいは表3に示すとおりに変えた以外は、実施例1と同様にして、本発明の水系分散体G〜Iおよび比較用の水系分散体Jを調製した。
水系分散体G〜Jの保存安定性の評価結果を、表2および表3に示す。
【0062】
試験例1〜5および7〜10
実施例1〜5および7〜9の水系分散体A〜EおよびG〜Iおよび比較例1の水系分散体Jに、硬化促進剤として水系ジブチル錫ジラウレートを2%(固形分)添加し、混合してコーティング材(クリヤー)を調製した。
マイティエポシーラー〔大日本塗料(株)製エポキシ樹脂系シーラー〕を乾燥重量で50g/m2 塗布して乾燥したスレート板(JIS A5043F)に、参考例6で得たプライマーを乾燥重量で30g/m2 塗布したのち、さらに前記各コーティング材を乾燥重量で50g/m2 塗布し、120℃で10分間加熱して、試験片を作製した。
得られた各試験片について、各種の評価を行った。評価結果を、表4に示す。
【0063】
試験例11〜13
実施例1〜3の水系分散体A〜Cを用い、表5に示す配合処方の混合物を、サンドミルにより練合して、組成物を得たのち、これらの組成物に、硬化促進剤として水系ジブチル錫ジラウレートを2%(固形分)添加し、混合してコーティング材(エナメル)を調製した。
マイティエポシーラー〔大日本塗料(株)製エポキシ樹脂系シーラー〕を乾燥重量で50g/m2 塗布して乾燥したスレート板(JIS A5043F)に、前記各コーティング材を乾燥重量で50g/m2 塗布し、120℃で10分間加熱して、試験片を作製した。
得られた各試験片について、各種の評価を行った。評価結果を、表5に示す。
【0064】
【表1】
Figure 0003951366
【0065】
【表2】
Figure 0003951366
【0066】
【表3】
Figure 0003951366
【0067】
【表4】
Figure 0003951366
【0068】
【表5】
Figure 0003951366
【0069】
【発明の効果】
本発明の水系分散体は、光触媒能を有するにも係わらず、保存安定性が極めて優れており、しかも密着性、耐候性、耐アルカリ性、耐有機薬品性、耐温水性、耐汚染性等の長期耐久性に優れ、かつ硬度が高く厚膜化が可能な塗膜を形成することができ、環境に優しいコーティング材として極めて好適に使用することができる。

Claims (1)

  1. (A)ポリオルガノシロキサン(a)成分とビニル系重合体(b)成分とを含有する重合体、(B)光触媒能を有する半導体の微粒子および/またはゾル、(C)ジルコニウム、チタンおよびアルミニウムの群から選ばれる有機金属化合物、並びに(D)一般式
    10 COCH 2 COR 11
    (式中、R 10 は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示し、R 11 は炭素数1〜6の1価の炭化水素基または炭素数1〜16のアルコキシ基を示す。)で表されるβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類が、水系媒体中に分散してなる水系分散体。
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