JP3107202B2 - 光化学活性を有する塗膜の形成方法 - Google Patents

光化学活性を有する塗膜の形成方法

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JP3107202B2
JP3107202B2 JP09058210A JP5821097A JP3107202B2 JP 3107202 B2 JP3107202 B2 JP 3107202B2 JP 09058210 A JP09058210 A JP 09058210A JP 5821097 A JP5821097 A JP 5821097A JP 3107202 B2 JP3107202 B2 JP 3107202B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱臭機能、抗菌機
能、防汚機能、大気の浄化機能を発揮する多機能塗膜の
形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、家屋やビル等の天井や内壁、床面
等に塗装される塗料には、脱臭、抗菌等の機能を同時に
有する塗料は皆無であり、脱臭塗料としては、鉄化合
物、エチレンジアミン四酢酸及びミョウバンを含有する
塗料、抗菌塗料としては、銀シリカゲル系抗菌剤を含有
する塗料などが知られているが、脱臭機能、抗菌機能を
併せ有する塗料については、確立していないのが現状で
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記課題を
解決し、脱臭機能、抗菌機能を併せ持ち、さらに防汚機
能、大気の浄化機能にも優れる多機能塗膜の形成方法を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため研究を行った結果、下地処理を施した基
材に、加水分解性ケイ素化合物又は溶剤可溶型フッ素樹
脂に光触媒活性を有する酸化チタン及び亜鉛末を特定量
配合した塗料を塗布し、さらに表面を研磨して、表層に
活性面を出すことにより、脱臭機能、抗菌機能、防汚機
能、大気の浄化機能に優れるという知見を得た。本発明
は、かかる知見に基づき完成されたものである。
【0005】すなわち、本発明は、下地処理を施した基
材に(A)加水分解性を有するシリル基含有ビニル系共
重合体、オルガノシランの加水分解物及びオルガノシラ
ンの加水分解物の部分縮合物からなる群より選ばれた少
なくとも1種の加水分解性ケイ素化合物又は溶剤可溶性
フッ素樹脂、(B)光触媒活性を有する酸化チタン及び
(C)亜鉛末を配合してなり、該酸化チタンのPWCが
45〜85である塗料を塗布し、塗膜を形成することを
特徴とする光化学活性を有する塗膜の形成方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0007】本発明の光化学活性を有する塗膜の形成方
法においては、基材として、その表面に下地処理が予め
施されている金属板、無機質板、木質板、プラスチック
系基材等特に限定されない。金属板としては、例えば、
鋼板、アルミ板、ステンレス板、チタン板等の各種金属
板が挙げられる。このうち、鋼板の例としては、冷延鋼
板、熱延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、合金亜鉛メッキ鋼板、
亜鉛−鉄合金メッキ鋼板、亜鉛−アルミ合金メッキ鋼
板、アルミメッキ鋼板、クロムメッキ鋼板、ニッケルメ
ッキ鋼板、亜鉛−ニッケル合金鋼板、錫メッキ鋼板等が
挙げられ、下地処理としては、水洗、湯洗、酸洗、アル
カリ脱脂、研磨、クロメート処理、リン酸処理、リン酸
亜鉛処理、ブラスト処理、複合酸化被膜処理等を単独又
は組合せて塗装前処理を行い、必要により、ポリエステ
ル系、エポキシ系、ウレタン系のプライマーをロールコ
ーター、カーテンフローコーター、ローラーカーテンコ
ーター、静電塗装機、ブレードコーター、ダイコーター
等で塗装し、次いで常温放置で、あるいは熱風炉、誘導
加熱炉、誘導加熱と熱風の併用炉、近赤外炉、遠赤外
炉、活性エネルギー線照射炉等で常法に従って硬化乾燥
させて、通常、0.5〜30μm程度の膜厚に塗装して
得られる。無機質板としては、例えば、外壁材や内装材
に使用されるスレート板、木片セメント板、パルプセメ
ント板、石綿セメント板、軽量骨材混入セメント板、発
砲コンクリート板、ガラス繊維強化セメント板、珪酸カ
ルシウム板、炭酸マグネシウム板、又はその他の水硬性
板材等が挙げられ、ウレタン系、エポキシ系、ビニル系
等のシーラーを塗布して得られる。木質板としては、目
止め処理、研磨処理、ウッドシーラー塗布等が挙げられ
る。プラスチック系基材としては、各種プラスチック用
プライマー塗布等が挙げられる。
【0008】本発明で用いる加水分解性ケイ素化合物と
は、加水分解性を有するシリル基含有ビニル系共重合
体、オルガノシランの加水分解物及びオルガノシランの
加水分解物の部分縮合物からなる群より選ばれたもので
あって、これらを単独で、又は2種以上組み合わせて使
用することが出来る。
【0009】該シリル基含有ビニル系共重合体は、一般
式(I):>C=C<の基を少なくとも1個含むエチレ
ン性不飽和単量体少なくとも1種と、下記一般式(II)
のシリル基含有単量体少なくとも1種とを含む共重合体
である。
【0010】RSiXn1 (3-n) (II)
【0011】(式中、Rはビニル基を含む1価の有機
基、R1 は炭素原子数1〜10個のアルキル基、アリー
ル基又はアラルキル基、Xはハロゲン、アルコキシ、ア
ルコキシアルコキシ、アシロキシ、ケトキシメート、ア
ミノ、酸アミド、アミノオキシ、メルカプト、アルケニ
ルオキシ基からなる群から選ばれる加水分解性基、nは
1〜3の整数である。)
【0012】前記シリル基含有単量体の例を挙げると、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(2−メトキシ
エトキシシラン等がある。
【0013】又、前記シリル基含有ビニル系共重合体の
製造に適したエチレン性不飽和単量体の例を挙げると、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルア
クリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルメタクリ
レート、2−メチルヘキシルメタクリレート、ラウリル
メタクリレート等のアルキルアクリレート;スチレン、
ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族
炭化水素;塩化ビニル等のハロゲン化ビニル;塩化ビニ
リデン等のハロゲン化ビニリデン;ブタジエン、イソプ
レン等の共役ジエン;炭素原子数1〜12個の飽和脂肪
酸のビニルエステル、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニ
ル等があり、これらを単独で、又は2種以上組み合わせ
て使用することが出来る。
【0014】本発明のシリル基含有ビニル系共重合体を
製造する場合、前記エチレン性不飽和単量体とシリル基
含有単量体とを、任意の割合で用いることが出来るが、
シリル基含有単量体は0.5〜25モル%、エチレン性
不飽和単量体は99.5〜75モル%の割合で用いるの
が好ましい。この共重合体を製造する場合、従来から公
知の方法を用いることが出来る。該シリル基含有ビニル
系共重合体の分子量は、3,000〜1,000,00
0、特に、10,000〜300,000とするのが好
ましい。
【0015】本発明で用いるオルガノシランの加水分解
物は、下記一般式(III-A) 、(III-B) 又は(IV)で示さ
れる化合物である。
【0016】 R2 Si(OR33 (III-A) Si(OR34 (III-B) R2 2Si(OR32 (IV)
【0017】(式中、R2 は炭素原子数1〜8個の有機
基であり、R3 は炭素原子数1〜4個のアルキル基であ
り、各R2 、R3 は同一でも、異なっていてもよい。)
【0018】又、本発明では、一般式(III-A) 、(III-
B) 又は(IV)で示される化合物の部分縮合化合物を使
用することが出来る。本発明においては、このオルガノ
シランの加水分解物又はその部分縮合物はバインダーの
働きをする一成分である。又、部分縮合化合物のポリス
チレン換算分子量は、1,000〜5,000、好まし
くは1,500〜3,000である。
【0019】この加水分解物又はその部分縮合物を使用
する場合、固形分10〜80重量%を含有する溶剤溶液
とするのが好ましい。
【0020】上記一般式(III-A) 、(III-B) 又は(IV)
における有機基R2 の具体例を挙げると、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、i−プロピル基、i−ブチル
基等のアルキル基、γ−クロロプロピル基、ビニル基、
3,3,3−トリフロロプロピル基、γ−グリシドキシ
プロピル基、γ−メタクリルオキシプロピル基、γ−メ
ルカプトプロピル基、フェニル基、3,4−エポキシシ
クロヘキシルエチル基等がある。又、アルキル基R3
具体例を挙げると、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基等がある。
【0021】又、一般式、(III-A) で示されるオルガノ
シランの具体例を挙げると次のとおりである:メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチル
トリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−
プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキ
シシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロ
ピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメト
キシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラ
ン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタ
クリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタク
リルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
フェニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシ
シクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、i−ブチル
トリメトキシシラン、i−ブチルトリエトキシシラン等
であり、特にメチルトリメトキシシラン及びメチルトリ
エトキシシランが好ましい。
【0022】前記一般式(III-B) で示されるオルガノシ
ラン(アルキルシリケート)の具体例を挙げると、テト
ラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラ
−n−プロピルシリケート、テトラ−i−プロピルシリ
ケート、テトラ−n−ブチルシリケート、テトラ−i−
ブチルシリケート、テトラ−sec−ブチルシリケート
等がある。又、前記(IV)のオルガノシランの具体例を
挙げると、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエ
トキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ
−i−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジ
メトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、
ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシ
ラン等があり、特にジメチルジメトキシシラン、ジエチ
ルジエトキシシランが好ましい。本発明では、これらの
加水分解性ケイ素化合物を、単独で、又は2種以上組み
合わせて使用することが出来る。
【0023】これらの一般式(III-A) 、(III-B) 及び
(IV)のオルガノシラン類を併用する場合、オルガノシ
ラン換算で(III-A) 対(III-B) の混合比(重量比)を1
00:0〜30とし(即ち、(III-B) を含有しない場合
もある)、オルガノシラン換算で(III-A) と(III-B) と
の合計量対(IV)の混合比(重量比)を100:5〜1
50、特に100:10〜120とするのが好ましい。
一般式(IV)のオルガノシランの混合比が、前記範囲よ
りも大きい場合には、形成された塗膜に亀裂が入り易
く、逆に前記範囲よりも小さい場合、硬化性が低下し、
かつ塗膜硬度が低下する傾向がある。
【0024】本発明では前記オルガノシランの加水分解
物又はその部分縮合物が用いられるが、この加水分解及
び部分縮合を行うために水を添加する。水の添加量は一
般式(III-A) 、(III-B) 及び(IV)のオルガノシランの
アルコキシ基1当量に対して、通常0.1〜1.0モ
ル、特に0.15〜0.7モルとするのが好ましい。水
の添加モル数が前記範囲よりも小さいと貯蔵安定性が悪
くなる傾向があり、又水の添加モル数が前記範囲よりも
大きいと硬化乾燥が遅くなる傾向がある。又、この様な
オルガノシランの縮合物を生成させるために生成促進剤
を用いてもよい。
【0025】この様な促進剤としては、一般式(V):
M(OR)x で表わされる化合物や鉱酸等を用いること
が出来る。一般式(V)において、MはTi,Al,
B,Zr等の金属であり、Rは炭素原子数2〜5個のア
ルキル基であり、xは2〜4の整数である。
【0026】一般式(V)の具体例を挙げると、テトラ
−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタ
ン、トリ−i−プロポキシアルミニウム、モノ−sec
−ブトキシ−ジ−i−プロポキシアルミニウム、ジエト
キシホウ素、ジ−n−プロポキシホウ素、テトラ−n−
ブトキシジルコニウム等、及び鉱酸として塩酸、硫酸等
がある。その添加量はオルガノシラン100重量部に対
して0.05〜2.0重量部の範囲にするのが好まし
い。
【0027】本発明で用いる溶剤可溶型フッ素樹脂とし
ては、塗料用に通常使用される有機溶剤に溶解するもの
であれば特に制限なく、従来から公知の含フッ素共重合
体が使用出来、それらは硬化剤を使用しないで硬化する
ラッカータイプ、自己架橋タイプのもの、又硬化剤と併
用する常温硬化タイプ、焼付硬化タイプのもの等、特に
制限なく使用出来る。
【0028】具体的には、例えば特開昭57−3410
7号、特開昭57−78270号、特開昭59−102
961号、特開昭59−120661号、特開昭59−
197471号、特開昭60−28458号、特開昭6
1−12760号、特開昭61−43667号、特開昭
61−57609号、特開昭61−115967号、特
開昭61−200145号、特開昭61−247727
号、特開昭61−258852号、特開昭62−841
37号等に記載の含フッ素共重合体、該共重合体の変性
物等が代表的な含フッ素共重合体として挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0029】共重合体の具体的一例を挙げるとフルオロ
オレフィン、官能基を有するビニルエーテル、官能基を
含まないビニルエーテル及び/又はカルボン酸ビニルエ
ステルとその他共単量体を必須成分とした共重合体;フ
ルオロオレフィン、シクロアルキルビニルエーテル、ア
ルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエー
テルを必須成分とする共重合体;フルオロオレフィン、
アルキルビニルエーテル及びヒドロキシビニルエーテル
の共重合体に二塩基酸無水物を反応させて一部をカルボ
キシル化した共重合体;テトラフルオロエチレン及びク
ロロトリフルオロエチレンから選ばれた少なくとも1種
のパーハロオレフィン、フッ化ビニリデン、ビニルエス
テル及び他の単量体との共重合体を加水分解した水酸基
含有共重合体;テトラフルオロエチレン及びクロロトリ
フルオロエチレンから選ばれた少なくとも1種のパーハ
ロオレフィン、α−オレフィン、ヒドロキシアルキルビ
ニルエーテル及び他の共単量体からなる共重合体;クロ
ロトリフルオロエチレン、テトラフルオロプロピルビニ
ルエーテル及び官能基として水酸基、グリシジル基又は
アミノ基を有するビニルエーテルの1種又は2種以上か
らなる共重合体;ジフルオロエチレンとヒドロキシル
基、グリシジル基又はカルボキシル基等の官能基を有す
る単量体とテトラフルオロエチレン又はクロロトリフル
オロエチレンの共重合体等が挙げられ、かかる市販品と
してはルミフロンLF100、ルミフロンLF200、
ルミフロンLF210、ルミフロンLF300、ルミフ
ロンLF400、ルミフロンLF500、ルミフロンL
F554、ルミフロンLF916(以上旭硝子社製商品
名);フルオネートJZ−111−60、フルオネート
HZ−1148−60、フルオネートK−700、フル
オネートK−702、フルオネートK−703、フルオ
ネートK−704(以上大日本インキ化学工業社製商品
名);セントラル硝子社製セフラルコート;三菱レイヨ
ン社製ダイヤナールLR−2504、ダイヤナールAR
−2126;東レ社製コータックスFX−68、コータ
ックスFX−96、コータックスFX−145等が代表
的なものとして挙げられる。
【0030】又、本発明の溶剤可溶型樹脂はキシレン、
トルエン等の単独で、かつ極性の低い有機溶剤に可溶で
あるが、必要によっては他の有機溶剤を混合して使用す
ることも可能である。他の有機溶剤としては、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;酢酸エチル、
酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の
ケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ピリジン等の含窒素溶剤;1,1,1−トリクロロ
エタン、トリクロロエチレン等の含ハロゲン溶剤等が挙
げられる。
【0031】本発明の溶剤可溶型フッ素樹脂は、通常の
ラジカル開始剤の存在下、溶液重合により製造すること
が出来る。
【0032】本発明で用いる光触媒活性を有する酸化チ
タンとはTiO2 ゾルを基板材料に塗布して薄膜を形成
し、この薄膜に触媒機能を有する金属塩の水溶液又は金
属の微粉末の懸濁液を塗布もしくは含浸して、次いでル
チル型TiO2 への相転移点以下の温度である800℃
以下の温度で熱処理してアナターゼ型TiO2 薄膜に前
記金属を固定化して作られる。
【0033】上記のTiO2 ゾルとは、例えば硝酸、塩
酸等の酸性水溶液又はアンモニア等の塩基性水溶液中に
平均粒径0.01〜0.05μm程度のアナターゼ型T
iO 2 がゾル状態で数%〜数十%存在しているものであ
る。触媒機能を有する金属としては、Cu,Ag,F
e,Pd,Pt等が挙げられ、塩としては硝酸塩、硫酸
塩、酢酸塩等でよい。
【0034】本発明で用いられる亜鉛末の平均粒子径は
1〜20μm、好ましくは1〜10μmである。又、亜
鉛末は、亜鉛と他の金属、例えば、鉄、カルシウム、ナ
トリウム、カリウム、アルミニウムとの合金であっても
よい。
【0035】該亜鉛末は、Noxの除去を目的に添加さ
れる。
【0036】光触媒活性を有する酸化チタン及び亜鉛末
の配合割合は、80:20〜99:1、好ましくは8
5:15〜95:5である。亜鉛末の配合割合が、20
重量%を超えると、亜鉛が酸化チタンを覆ってしまい光
触媒効果を低下させるので好ましくない。逆に1重量%
未満では、添加効果が認められないため好ましくない。
【0037】本発明の塗料組成物は、前記(A)成分、
(B)成分及び(C)成分よりなり、PWCが45〜8
5、好ましくは50〜80になるように配合する。
【0038】ここでPWCとは、Pigment We
ight Concentration(顔料重量濃
度)のことであり、以下の式により算出される。
【0039】
【0040】PWCが45未満では、光触媒効果が十分
に発揮されない。逆に85を越えると成膜性が低下し、
割れ、剥離等が発生し、好ましくない。
【0041】又、本発明の光触媒活性を有する酸化チタ
ンの一部を活性炭、シリカゲル、ゼオライト、リン酸カ
ルシウムからなる群より選ばれた少なくとも1種と置換
えることが可能である。前記リン酸カルシウムとして
は、α−リン酸三カルシウム、β−リン酸三カルシウ
ム、リン酸四カルシウム、リン酸八カルシウム、ハイド
ロキシアパタイト等が挙げられるが、特にハイドロキシ
アパタイトが好ましい。
【0042】本発明の塗料組成物は、以上説明した塗料
組成物に、必要に応じ各種顔料、有機溶剤あるいは添加
剤等を配合し塗料として使用可能となる。
【0043】顔料としては、通常塗料用として利用され
ている顔料がそのまま使用可能である。具体的には酸化
チタン、亜鉛華、酸化鉄、黄鉛等の着色無機顔料、フタ
ロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の着色有機顔
料、石英粉、酸化アルミナ、沈降性硫酸バリウム等の体
質顔料、ステンレス粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、ブロ
ンズ粉、雲母粉等の金属粉等が代表的なものとして挙げ
られる。
【0044】又、有機溶剤としては、トルエン、キシレ
ン等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエ
ステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶
剤;メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコー
ル系溶剤等が代表的なものとして挙げられる。
【0045】又、添加剤としては、表面調整剤、分散
剤、紫外線吸収剤、増粘剤、反応調整触媒等の通常塗料
用添加剤として知られている添加剤が挙げられる。
【0046】このようにして得られる塗料は、鋼板、ス
テンレス板、アルミ板等の各種金属材料はもちろん、モ
ルタル、コンクリート、ガラス等の無機材料、プラスチ
ック、木材等の塗装にも適用可能である。
【0047】塗装方法としてはエアースプレー、エアレ
ススプレー、静電スプレー、シャワーコート、ディップ
塗装、ハケ塗装、ロール塗装等の従来から一般に行なわ
れている方法がそのまま採用出来る。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。
【0049】実施例中「部」、「%」は重量基準で示
す。
【0050】<オルガノアルコキシシランの加水分解縮
合物溶液の調製>メチルトリエトキシシリケート40部
とイソプロピルアルコール54部を40℃で撹拌混合
し、次いでこれに0.1N−塩酸0.3部と水5.7部
からなる混合物を90分間かけて滴下した。滴下後40
℃でさらに4時間撹拌し、不揮発分40%のメチルトリ
エトキシシリケートの加水分解縮合物溶液「以下加水分
解縮合物A−1という」を得た。なお、該縮合物のポリ
スチレン換算重量平均分子量は、10,000であっ
た。
【0051】<テトラアルコキシシリケートの加水分解
縮合物溶液の調製>テトラエトキシシリケート[「エチ
ルシリケート40」(日本コルコート社製商品名)]3
5部とイソプロピルアルコール61部を40℃で撹拌混
合し、次いでこれに1N−塩酸1部と水3部からなる混
合物を90分間かけて滴下した。滴下後40℃でさらに
4時間撹拌し、不揮発分35%のテトラエトキシシリケ
ートの加水分解縮合物溶液[以下加水分解縮合物A−2
という]を得た。なお、該縮合物のポリスチレン換算重
量平均分子量は、13,000であった。
【0052】<シリル基含有ビニル系樹脂溶液の調製>
キシレン45部、イソブタノール40部を加え混合し
後、撹拌しながら85℃に加熱した。次に、イソブチル
メタクリレート50部、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート35部、γ−メタクリロキシプロピルメトキシシラ
ン15部とアゾビスイソバレロニトリル1.5部の混合
溶液を85℃で3時間かけて滴下し、その後90℃に昇
温し2時間維持し反応を終了させて不揮発分55%のシ
リル基含有ビニル系樹脂溶液[以下ビニル系樹脂Bとい
う]を得た。なお、該ビニル系樹脂は、重量平均分子量
は14,000であり、ポリマー1分子あたり平均約7
個のシリル基を有している。
【0053】<塗料の調製>表1に示す成分を混合し、
ペイントシェーカーでガラスビーズを分散媒として塗料
を調製した。
【0054】<下塗塗料>メチルメタクリレート/ブチ
ルアクリレート/2−ヒドロキシメチルアクリレート=
70/20/10からなるアクリル共重合体:10部、
ヘキサメチレンジイソシアネートトリメチロールプロパ
ンアダクト:4部、トリレンジイソシアネートトリマー
体:3部、チタン白:15部、カオリン:8部、マイ
カ:8部、硫酸バリウム:4部、酢酸ブチル:20部及
びキシレン:28部からなる組成物。
【0055】[実施例1〜、比較例1〜3] スレート板(50×100mm、厚さ5mm)に下塗塗
料を施した表面に表1で示す塗料に硬化促進剤(ジブチ
ルチンラウレート)をワニス100部に対して0.1部
添加し、さらに100℃にて10分間乾燥させて乾燥膜
厚約30μmとなるように塗膜を形成させ、各種試験を
行い、その結果を表2に示す。
【0056】<アセトアルデヒド減少率>アセトアルデ
ヒド濃度1000ppmの雰囲気中で資料5cmに対し
てブラックライトを使用して4.0mW/cm2 の強度
で紫外線を照射する。15分間隔で雰囲気中のガス濃度
を測定してアセトアルデヒドの減少率を求める。
【0057】<NOx除去率>試験方法、条件を下記及
び図1に示す。 [試験方法]
【0058】 曝露容器 12×24cm 曝露窓 パイレックスガラス パネル 10×10cm2 パネル−曝露窓間隔 0.5cm 光源 東芝ブラックライト(15W;20cmL;2本) 照射距離 20cm 主波長 354nm UV−A量 0.4mW/cm2 入り口ガス組成 NOx 6ppm+空気 ガス流速 流量 3リットル/min 線速度 8.3cm/sec NOxメーター 島津製作所 CLM−500 化学発光式 感度 フルスケール 10ppm±0.2ppm 状態調整 暗所雰囲気にて上記ガスを2時間流通
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】注1)溶剤可溶フッ素樹脂;不揮発分60
±1%(旭硝子社製商品名) 注2)光触媒酸化チタン;SSP−20(堺化学工業社
製商品名、平均粒径≒0.7μm、比表面積170m2
/g) 注3)亜鉛末;本荘ケミカル社製商品名 注4)無黄変型イソシアネート;不揮発分100%(日
本ポリウレタン社製商品名) 注5)NOx除去率(%)=(1−出口NOx濃度/入
口NOx濃度)×100
【0062】
【発明の効果】本発明の塗膜の形成方法は、脱臭機能、
抗菌機能を併せ持ち、さらに防汚機能、大気の浄化機能
にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】NOx除去率の測定方法を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C01B 33/152 C01B 33/152 B C09D 5/16 C09D 5/16 (56)参考文献 特開 平10−195333(JP,A) 特開 平9−613(JP,A) 特開 平7−171408(JP,A) 特開 平10−265713(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 5/14 C09D 5/16 B01J 21/06 B01J 23/06 B01J 35/02 B05D 5/00 C01B 33/152 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地処理を施した基材に(A)加水分解
    性を有するシリル基含有ビニル系共重合体、オルガノシ
    ランの加水分解物及びオルガノシランの加水分解物の部
    分縮合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の加水
    分解性ケイ素化合物又は溶剤可溶性フッ素樹脂、(B)
    光触媒活性を有する酸化チタン及び(C)亜鉛末を配合
    してなり、該酸化チタンのPWCが45〜85である塗
    料を塗布し、塗膜を形成することを特徴とする光化学活
    性を有する塗膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 光触媒活性を有する酸化チタン及び亜鉛
    の配合割合は、80:20〜99:1であることを特
    徴とする請求項1記載の塗膜の形成方法。
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