JPH0784570B2 - 透明導電性塗料組成物 - Google Patents

透明導電性塗料組成物

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JPH0784570B2
JPH0784570B2 JP62314780A JP31478087A JPH0784570B2 JP H0784570 B2 JPH0784570 B2 JP H0784570B2 JP 62314780 A JP62314780 A JP 62314780A JP 31478087 A JP31478087 A JP 31478087A JP H0784570 B2 JPH0784570 B2 JP H0784570B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は優れた導電性(帯電防止性を含む概念を意味す
る:以下同じ)を有する常乾性の透明導電性塗料組成物
に関し、詳細には常乾タイプでありながら耐熱性、耐沸
水性、耐摩耗性、表面硬度等の優れた透明被膜を与え、
しかも液状の塗料組成物としても安定性の良好な透明導
電性塗料組成物に関するものである。
[従来の技術] 電子機器部材自体あるいはその包装袋や包装容器等、半
導体ウエハー保存容器、更には半導体製造工場の床材や
壁材等においては、静電気障害を防止するため導電性を
保有することが要求され、またその用途によっては更に
透明性が要求されることも多い。こうした用途に適用さ
れる透明導電性塗料としては、たとえば特開昭57−8586
6号、同58−91777号、同59−122561号、同60−15474
号、同60−55065号等の各公報にも開示されている如く
色々のものが知られている。これらの透明導電性塗料
は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の高分子材料か
らなる造膜成分に導電性微粉末を配合し適当な溶剤中で
均一に混合することによって調製される。この場合塗膜
に透明性を与えるには、導電性微粉末として比表面積径
(BET法によって測定される値を意味する:以下同じ)
が0.1μm程度以下のものを使用しなければならないと
ころから、従来はこうした粒度特性を満足する限られた
種類の導電性金属酸化物微粉末(酸化錫系、酸化インジ
ウム系等)が選択使用されている。
しかしながらこれらの導電性金属酸化物微粉末は、導電
性粉末として汎用されている導電性酸化亜鉛粉末に比べ
ると非常に高価であり、透明導電性塗料の値段を高める
最大の原因となっている。但し現在市販されている導電
性酸化亜鉛粉末の比表面積径は殆んどが1〜2μm程度
以上であり、最も微細なものでもせいぜい0.2μm程度
までであるため透明性において適性を欠き、前述の如き
高価な導電性金属酸化物微粉末を使用せざるを得ない状
況にある。またこれらの導電性金属酸化物は充填補強材
としての効果も有効に発揮し、表面硬度や耐摩耗性にお
いても優秀な塗膜が得られている。一方構造成分につい
ても前述の公開公報に開示されている如く様々の高分子
物質が使用されており、用いられる高分子物質の種類に
応じた種々の物理的・化学的性能を持った塗膜を得てい
る。またこれらの塗膜を形成するものとしては常乾タイ
プの物が知られているが、作業性等の観点からすれば前
者が好まれている。
ところが常乾タイプのものは概して塗膜性能が悪く、耐
熱性、耐沸水性、耐摩耗性、表面硬度等の要求を十分に
満たしているとは言えない。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明はこの様な状況に鑑みてなされたものであり、そ
の目的は、安価な導電性酸化亜鉛微粉末を使用し、且つ
造膜成分の種類を特定することによって、優れた透明
性、導電性並びに常温乾燥性を有し、且つ常乾タイプで
ありながら耐熱性、耐沸水性、耐摩耗性、表面硬度等の
優れ、しかも保存安定性の料京な透明導電性塗料組成物
を提供しようとするものである。
[問題点を解決するための手段] 上記の目的を達成することのできた本発明に係る塗料組
成物の構成は、導電性付与成分として、BET法により測
定される比表面積径が0.1μm以下であり、且つ100Kg/c
m2の加圧状態で測定される体積抵抗率が104Ωcm以下で
ある導電性酸化亜鉛微粉末を乾燥被膜の固形分換算で0.
25〜50重量%含み、且つ造膜成分としてポリオルガノシ
ロキサンの他グリシジルアクリレート或はグリシジルメ
タアクリレートを含み、安定剤としてアセチルアセトン
を含有するところに要旨を有するものである。
[作用] 本発明で用いられる導電性酸化亜鉛微粉末は、比表面積
径が0.1μm以下で且つ体積抵抗率(100Kg/cm2の加圧状
態で測定される値:以下同じ)が104Ωcm以下である導
電性微粉末であり、これらは造膜成分の透明性を阻害す
ることなく塗膜に導電性を与えるための成分であり、そ
の比表面積径は、可視光線の透過を許す様該可視光線の
約1/2波長以下である0.1μmよりも小さなものでなけれ
ばならず、しかも乾燥塗膜に十分な導電性を与えるには
体積抵抗率が104Ωcm以下のものを使用しなければなら
ない。
尚比表面積径及び体積抵抗率がこの様に小さい導電性酸
化亜鉛微粉末は現在のところ市販されていないが、この
様な酸化亜鉛微粉末は本願出願人の一人によって先に出
願されている方法(願番未定)によって容易に製造する
ことができる。この方法は、非導電性酸化亜鉛、導
電性付与成分として作用するアルミニウム化合物、酸
化亜鉛崩壊剤として作用する炭酸アンモニウム、の3成
分を、比表面積径が0.1μm以下である無機質微粉末
(コロイダルシリカ等)の存在下に水分散系で処理し、
脱水、乾燥後非酸化水性雰囲気下に比較的低い温度で加
熱処理するものであり、崩壊剤による酸化亜鉛の微細
化と、無機質微粉末の凝集防止効果、及び最終工程に
おける加熱処理温度を低く抑えることによる融着乃至凝
集抑制効果が相まって、比表面積径が0.1μm以下であ
る非常に微細な酸化亜鉛微粉末を得ることができる。し
かもこの方法によれば、アルミニウム化合物によるド
ーピング作用が非酸化性雰囲気下の加熱処理で有効に発
揮され、体積抵抗率が104Ωcm以下という優れた導電性
を示すものとなる。もっとも本発明はこの様な導電性酸
化亜鉛微粉末の製法には一切制約を受けないので、要は
前記比表面積径と体積抵抗率の要求を満たすものであれ
ば、上記以外の方法で製造したものであっても支障なく
用いることができる。
尚上記の導電性酸化亜鉛微粉末の導電性付与効果を有効
に発揮させるには、該微粉末を乾燥塗膜の固形分換算で
0.25重量%以上配合しなければならず、これ未満では塗
膜に十分な導電性あるいは帯電防止性を与えることがで
きない。塗膜の導電性は当該微粉末の配合率を高めれば
高めるほど良好となるので、その配合率は求められる導
電性の程度に応じて適宜選定すればよい。但し該微粉末
の全乾燥被膜中に占める量が50重量%を超えると、塗膜
の透明性が悪化しもはや透明塗膜とは言い難いものとな
るので、該微粉末の配合率は50重量部以下に抑えなけれ
ばならない。該微粉末のより好ましい配合率は0.5〜30
%である。
次に本発明では常乾タイプのもの、従って実質的に熱処
理を施こすことなく硬質塗膜を形成し得る様な塗料を得
るため、造膜成分(導電性酸化亜鉛微粉末のバインダと
しての作用も勿論有している)として、オルガノポリシ
ロキサンにグリシジルポリアクリレート[又はグルシジ
ルメタアクリレート:以下グルシジル(メタ)アクリレ
ートということがある]を併用する。オルガノボリシロ
キサンの好ましいものとしては、一般式 で表わされるものであり、R,R1は同一もしくは異なって
炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、フェニル基または
置換フェニル基を意味するものであるが、少なくとも0.
5〜7重量%、より好ましくは2〜3重量%程度のシラ
ノール含量が保障されるに充分な数の水酸基を含むもの
を使用すべきである。なぜならば、本発明ではオルガノ
ポリシロキサン自身の造膜作用だけを利用するものでは
なく、後述するグリシジルポリ(メタ)アクリレート等
との併用により常乾タイプでありながら優れた塗膜特性
を確保するところに1つの特徴を有するものであり、こ
れらの併用による相剰効果を発揮させるには、グリシジ
ルポリ(メタ)アクリレートと共に架橋して硬化塗膜を
形成し得る量の水酸基が分子中に含まれていなければな
らないからである。
この様なオルガノポリシロキサンは、たとえばモノ(ジ
またはトリ)メチルクロロシリコーン、モノ(ジまたは
トリ)フェニルクロロシリコーン、モノ(ジまたはト
リ)プロピルクロロシリコーン、モノ(ジまたはトリ)
アミルクロロシリコーン等の1種または2種以上を加水
分解した後、適度のシラノール含量を確保し得る程度ま
で縮重合させる、等の方法によって製造することができ
る。
またグリシジルポリ(メタ)アクリレートとは炭素数1
〜12程度のアルキル基を有するグリシジルポリ(メタ)
アクリレートを包含するものであり、塗料組成物に常温
硬化特性を与えると共に塗膜の物性を高めるうえで重要
な成分であり、特に好ましいのは、ポリ(メタ)アクリ
レートの1モノマー単位当たり1個のグリシジル基を含
むものである。またより良好な塗膜物性を得るうえで
は、ガラス転移点が20〜50℃程度のものが好ましく、分
子量は数平均分子量で2000〜20,000程度、重量平均分子
量で10,000〜100,000程度のものが好ましい。
これらの造膜成分は、前述の様な導電性酸化亜鉛微粉末
や後に詳述するアセチルアセトン、あるいは必要に応じ
て添加されるその他の成分と共にトルエン等の溶媒に均
一に溶解乃至分散させて塗料組成物とされるが、このう
ち造膜成分、導電性酸化亜鉛微粉末およびアセチルアセ
トンは夫々独立した機能を個々に発揮するばかりでな
く、以下に示す様な相互作用も発揮して塗料組成物とし
ての性能を高める。
まず導電性酸化亜鉛微粉末は、塗料組成物中に微量の亜
鉛イオンの他アルミニウム等の多価金属イオンを溶出せ
しめ、これらの多価金属イオンは組成物中に共在するオ
ルカノポリシロキサンのシラノール基と反応し、グリシ
ジルポリ(メタ)アクリレートとの架橋反応を加速する
作用を示して、常温下での硬化反応を可能とする。即ち
導電性酸化亜鉛微粉末は、導電性付与成分としての作用
に加えて造膜成分の硬化促進剤としての作用も発揮し、
塗料組成物を常乾タイプに改質すると共に塗膜性能の向
上に寄与する。
ところで導電性酸化亜鉛微粉末の硬化促進剤としての作
用が液状の塗料組成物の段階で発揮されると、この組成
物は直ちに増粘してゲル状に硬化し塗料としての機能を
失なう。ところが塗料組成物中に適量のアセチルアセト
ンを安定剤として含有させておくと、組成物中に溶出し
た前述の多価金属イオンと錯化合物を形成して、該金属
イオンが架橋反応の触媒として作用するのを阻止し、塗
料組成物は安定に保持される。そしてこのアセチルアセ
トンは乾燥段階で溶剤成分と共に揮発するので、その後
は遊離した多価金属イオンが硬化触媒としての作用を発
揮し、常温下でもすみやかに強固な塗膜を形成すること
となる。尚多価金属イオンと錯化合物を形成し得る安定
剤はアセチルアセトン以外にも種々考えられるが、本発
明においてこの安定剤は、たとえば酢酸の様に酸化亜鉛
と反応して亜鉛塩を形成する様なものであってはなら
ず、また常温下で揮発し得るものでなければならず、し
かも塗装作業性等を考えた場合刺激臭等を生じないもの
であることが望まれ、これらに経済性を加味すると、こ
うした要求をすべて満たす安定剤はアセチルアセトンに
限定される。
上記必須構成々分のうち導電性酸化亜鉛微粉末について
は、乾燥塗膜に対する固形分換算で0.25〜50重量%(よ
り好ましくは0.5〜30%)配合する必要があることを既
に明らかにしたが、その他の成分の好ましい配合割合は
次の通りである。まずオルガノポリシロキサンは造膜成
分の主成分となるものであり、乾燥塗膜に対する固形分
換算で30〜50重量%、特に35〜40重量%の範囲が好まし
く、またグリシジルポリ(メタ)アクリレートは主に常
温硬化性を与えると共に塗膜性能を高める機能を果たす
もので、同じく乾燥塗膜に対する固形分換算で1〜40重
量%、殊に3〜30重量%となる様に配合するのがよい。
安定剤として配合されるアセチルアセトンは、使用する
溶剤あるいは塗料組成物の濃度等によって好適配合量は
若干変わってくるが、オルガノポリシロキサンの配合量
を基準にして0.2〜10重量%添加すれば、安定な塗料組
成物を得ることができる。
これらの必須構成々分を均一に混合するための溶剤は種
々考えられるが、最も一般的なのはトルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素系溶剤;酢酸エチルエステル、酢酸
ブチルエステル等のエステル系溶剤;アセトン、メチル
エチルケトン等のケトン系溶剤等である。
本発明の透明導電性塗料組成物を構成する必須成分は以
上の通りであるが、このほか塗装性や塗膜性能を更に高
めるための補助成分として、分散剤、界面活性剤、沈降
防止剤、湿潤剤、たれ止め剤、レベリング剤、消泡剤、
カップリング剤、酸化防止剤、等の1種もしくは2種以
上を必要に応じて適量配合することができ、また用途に
よってはカーボンブラック、金属粉、イオン導電剤、酸
化亜鉛以外の導電性金属酸化物微粉末等を併用して導電
性を更に高めることも可能であり、更には塗膜の透明性
や導電性を阻害しない範囲で着色顔料、染料等を少量添
加することも有効である。
また該塗料組成物の濃度は、目標とする塗膜厚さや塗装
方法等に応じて任意に決めればよいが、一般的なのは5
〜20重量%程度である。この組成物の塗装方法にも格別
特殊な技術が要求される訳ではなく、含浸塗布、刷毛塗
り、ロールコート、スプレーコート等によって基材表面
に塗布して風乾する方法を採用すればよく、本発明の塗
料組成物は常乾タイプであるから原則として加熱は不要
であるが、乾燥時間の短縮等を目的として熱風乾燥法を
採用することを否定するものではない。また該顔料組成
物中に含まれる導電性酸化亜鉛は前述の如く非常に微細
なものであるから、1コート法でも十分な透明性を得る
ことができるが、2コート法を採用し、たとえば本発明
組成物よりなる塗装面にクリアラッカー等を上塗りする
と、本発明組成物表面の酸化亜鉛微粉末に起因する微細
な凹凸がクリアラッカー等により埋められて乱反射が更
に抑えられ、後記実施例にも示す如く1コートで透過率
50%程度の半透明であったものが、透過率70%程度の透
明なものとなる。たとえば導電性酸化亜鉛微粉末の含有
率(対乾燥塗膜)を30〜50重量%程度としたときの1コ
ートは塗膜は半透明であるが、この上にクリアラッカー
を塗布すると透明な塗膜が得られる。尚クリアラッカー
としては通常の市販品、たとえばアクリル樹脂等を使用
することもできるが、より好ましいのは、上記本発明組
成物の中から導電性酸化亜鉛微粉末のみを除いた同質の
透明被膜形成組成物である。該クリアラッカー塗布によ
る表面抵抗の上昇はせいぜい1桁程度であって、導電膜
あるいは帯電防止膜としての性能にはそれほど悪影響を
及ぼすことはないので、2コート法は非常に有利な塗装
法として賞用される。
[実施例] 実施例1 オルガノポリシロキサンの50%トルエン溶液(大八化学
社製、商品名「Siコート801」: 500重量部、 グリシジル(メタ)アクリレートの40%トルエン溶液
(日本油脂社製、商品名「ブレンマーG」、重量平均分
子量1422): 100重量部、 導電性酸化亜鉛微粉末(白水化学工業社製、比表面積
径:0.017μm、体積抵抗率:230Ωcm):10重量部(乾燥
塗膜の固定分換算で3.3重量%)、 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(酸化亜
鉛とオルガノポリシロキサンとのカップリング剤):4
重量部、 アセチルアセトン: 7重量部、 トルエン: 200重量部 を5容量のサンドミル内へ装入して2時間混合し、乳
白色状の均一な塗料組成物を得た。
この塗料組成物を透明のガラス板上に、乾燥膜厚が10μ
mとなる様にバーコーターにて塗装し、温風乾燥器内へ
入れて30℃で1時間乾燥して透明な導電性塗膜を形成し
た。
得られた塗装ガラス板の光学特性、表面抵抗、耐熱性、
耐沸水性等は第1表に示す通りであり、光学特性、導電
性、塗膜物性共に非常に優れたものであった。
尚各試験法は下記の通りとした。
(全光線透過率、平行光線透過率および散乱光透過率) 日本電測工業社製の光線透過率測定器「ヘーズメータ
ー」を用いて測定した。
(表面抵抗) 乾燥塗膜の表面に銅箔を接着し、横河ヒュレットパッカ
ード社製の超絶縁計「YHP4329A」を用いて塗膜の表面抵
抗を測定した。
(耐熱性) 200℃で20時間加熱保持した後の導電性の変化の有無に
より判定した。
(耐沸水性) 沸騰水中に20時間浸漬した後の導電性の変化の有無によ
り判定した。
(表面硬さ) 鉛筆硬度により判定した。
実施例2 導電性酸化亜鉛微粉末(同前)の量を0.6重量部(乾燥
塗膜の固形分換算で0.2重量%)〜150重量部(乾燥塗膜
の固形分換算で33.8重量%)の範囲で種々変えた他は実
施例1と実質的に同様にして塗料組成物の調製、及び塗
膜性能試験を行なった。尚導電性酸化亜鉛微粉末を0.2
〜60重量部以上配合したものについては、溶剤(トルエ
ン)の使用量を適宜増加し、フォードカップ4号により
測定した粘度が18〜20秒の範囲に収まる様に調整した。
結果を第2表に一括して示す。
第2表からも明らかである様に、導電性酸化亜鉛微粉末
の配合量が乾燥塗膜の固形分換算で0.25〜50重量%に収
まっているもの(No.2〜6)では、光線透過率及び導電
性共に良好な値が得られているのに対し、規定範囲に満
たない実験No.1の例では表面抵抗が極端に高くなってお
り、帯電防止効果も得られ難い。一方導電性酸化亜鉛微
粉末が50重量%を越える実験No.7の例では、表面抵抗は
小さく優れた導電性は得られているものの、酸化亜鉛微
粉末の絶対量が多過ぎるため光線透過率が極端に低下し
ており、もはや透明塗膜とは言い難い。
尚実験No.5の乾燥塗膜は光線透過率がやや低く1コート
塗装では半透明であるが、この上にクリアラッカーを塗
布すると、酸化亜鉛微粉末に起因する表面の微細な凹凸
がクリアラッカーによって埋められて乱反射が抑えら
れ、平行光線透過率で6.6%から11.6%に上昇し、ほぼ
透明になることが確認された。
比較例 上記実験No.3に示した配合組成[但し導電性酸化亜鉛微
粉末の配合量は10重量部(固形分換算で3.3重量%)に
設定]を基本とし、必須成分の一部を省略した場合につ
いて各塗料組成物の性能等を調べた。
まず導電性酸化亜鉛微粉末を配合しなかった場合、硬化
触媒が含まれていないため30℃の風乾条件では塗膜の硬
化が十分に進まず、30℃×1時間後の乾燥塗膜の表面硬
さは鉛筆硬度でB以下と劣悪であった。しかもこの塗膜
は導電性成分が含まれていないため、導電性を示さなか
った。
次にグリシジルポリ(メタ)アクリレートを配合しなか
った場合、乾燥塗膜が得られなかった。
またアセチルアセトンの添加を省略した場合、塗料組成
物は調製後直ちに増粘をはじめ、調製直後から増粘しは
じめ、2時間後にはゲル状に固まって塗装不能となっ
た。これに対しアセチルアセトンを配合した本発明の塗
料組成物は、密封状態で1か月以上日放置した後も粘度
上昇は殆んど認められなかった。
[発明の効果] 本発明は以上の様に構成されており、その効果を要約す
ると次の通りである。
導電性付与成分は安価な導電性酸化亜鉛微粉末であ
り、透明導電性塗料組成物の低価格化が可能となる。
常乾タイプであって取扱いや塗装作業性が良好である
ばかりでなく保存安定性を極めて高い。
乾燥塗膜は透明で優れた導電性を有しており、且つ耐
熱性、耐沸水性、表面硬さ等も優れたものであるので、
様々の用途に幅広く活用することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性付与成分として、BET法により測定
    される比表面積径が0.1μm以下であり、且つ100Kg/cm2
    の加圧状態で測定される体積抵抗率が104Ωcm以下であ
    る導電性酸化亜鉛微粉末を乾燥被膜の固形分換算で0.25
    〜50重量%含み、且つ造膜成分としてポリオルガノシロ
    キサンの他グリシジルアクリレートまたはグリシジルメ
    タアクリレートを含むほか、安定剤としてアセチルアセ
    トンを含有することを特徴とする透明導電性塗料組成
    物。
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