JP3354428B2 - 水性塗料組成物 - Google Patents
水性塗料組成物Info
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Description
係るものであり、詳しくは、抗菌作用と化学物質吸着・
分解作用を合わせ持ち、長期にわたり効果が持続可能な
塗膜を形成しうる水性塗料組成物に係るものである。
どっている。
向上したため、気密性が高く、密閉された状態であり、
空気の対流が少ない環境となっている。このような、環
境下にもかかわらず、室内は化学建材の使用頻度が高
く、それら建材用の接着剤に含まれているホルムアルデ
ヒドや、ビニルクロスに使われている有機リン系の可塑
剤などの、人体に有害な揮発性化学物質(以下、「化学
物質」という。)が、施工後徐々に室内に放散され、住
人が頭痛やめまい・吐き気等を催すシックビル(シック
ハウス)症候群が社会問題となっている。
に保たれていることが多いため、細菌やかびの繁殖に対
しても良好な環境となってしまい、室内に細菌やかびが
大量に発生することになってしまった。そして、その高
い気密性の為に細菌やかびは逃げ場をうしない、室内に
留まることとなる。これらの微生物は、アレルギー性疾
患や感染症の原因となっており、特に病院などでは、激
症肝炎やメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(以下、「MR
SA」という。)による感染症などの院内感染も問題視
されるようになってきた。
よる塗装が行われている。例えば、室内の化学物質を除
去するために、ゼオライトやシリカゲル、活性炭、リン
酸塩化合物などを吸着剤として塗料中に配合したものが
あるが、このような吸着剤入り塗料によって形成された
塗膜は、初期においては化学物質をよく吸着するもの
の、その吸着剤が飽和吸着状態になるとそれ以上は吸着
できなくなるので、効果に持続性がないという欠点を持
っている。
有機薬剤類(例えばジンクピリチオンやチアゾール、イ
ソチアゾールなどのチアゾール系薬剤や、フェノール系
薬剤、ブロム系薬剤、ヨウド系薬剤など)を含有した塗
料があるが、塗膜形成後、有機薬剤類が塗膜表面から溶
出しながら抗菌効果を維持していくため、抗菌機能が短
期間の内に低下又は消失してしまうという問題がある。
一方、銀・銅・亜鉛などの無機の金属類は、抗菌効果が
あるといわれており、有機薬剤類よりも抗菌効果に持続
性があり、安全性が高いものとして注目されている。こ
のような金属類を塗料に配合することも試みられてはい
るものの、銀・銅を含む塗料によって形成された塗膜
は、抗菌効果は高いものの、変色しやすいという問題を
抱えている。その変色を抑えるために、ゼオライトやシ
リカゲル、チタンの粉末に、銀や亜鉛、銅などを担持さ
せたものを用いることにより金属類の添加量を抑えるこ
とも行われているが、ゼオライトやシリカゲル、チタン
の粉末に単に金属を担持させて水性塗料に添加した場合
には、塗膜形成後経時的に担持させた金属が溶出してし
まい、結果として抗菌効果の持続性は得られなかった。
両方を目的として、光触媒機能を有する酸化チタンを基
材面にコーティングするものや、光触媒機能を有する酸
化チタンを塗料に添加したものなどがある。光触媒機能
を持つ酸化チタンは、光線照射により化学物質を酸化分
解する機能と、表面に酸素と水が存在する際に光照射に
よりOHラジカルを生成することによる抗菌機能を併せ
持っている。しかし、光触媒機能を有する酸化チタンを
直接基材にコーティングする技術は、高温下などの特殊
な条件下でしか行えないので、基材の種類が限定された
り現場施工が出来ないなどの制約が多く、特に塗り替え
などの際には応用できないという欠点がある。さらに、
光触媒機能を有する酸化チタンを塗料に添加したもの
は、酸化チタンの物質分解能が高すぎるため、塗料中の
樹脂自体を分解してしまい、塗膜物性が極端に悪くなる
ので実用化には至っていない。また、光触媒は光が当た
らないところでは機能できないので、光照射の無い塗膜
面では効果が得られないという欠点がある。
剤を予め複合したものや、更に銀を複合したものを塗料
中に配合することにより、化学物質吸着・分解能と抗菌
性を得ることも知られているが、実際には、抗菌性はあ
るものの、化学物質の吸着能がそれほど高くなくないの
で、実用性は乏しい。
点を全て補うような塗料組成物は開発されていないのが
現状である。従って、本発明の解決しようとする課題
は、 1.人体に悪影響を及ぼす空気中の化学物質を吸着・分
解することが出来る 2.感染症の原因となる細菌類の繁殖を押さえる 3.経時において、表面変色がない の3点をすべて満足する塗膜を形成することが可能な水
性塗料組成物を提供することである。
成物に係るものである。 1.(A)光触媒機能を有する酸化チタンに銀を付着さ
せた平均粒子径が3〜500nmのコロイド状の抗菌剤
と(B)結晶性層状リン酸化合物によって形成される吸
着剤を含有する水性塗料組成物であり、その含有量が塗
料の樹脂固形分100重量部に対して (A)固形分で0.1〜3重量部 (B)固形分で3〜55重量部であり、かつ顔料体積濃
度(以下、「PVC」という。)が20%〜60%であ
ることを特徴とする建築物内部塗装用水性塗料組成物。 2.結晶性層状リン酸化合物がオキシリン酸ジルコニウ
ムであることを特徴とする1.記載の建築物内部塗装用
水性塗料組成物。
基づき詳細に説明する。 (A)抗菌剤 本発明の水性塗料組成物では、(A)光触媒機能を有す
る酸化チタンに銀を付着させたものであり、平均粒子径
3〜500nmのコロイド状の抗菌剤(以下、「(A)
成分」という。)を含有する。(A)成分は、銀成分が
酸化チタンと混合物または化合物の形で微粒子を形成す
るか、あるいは、銀成分が酸化チタンの表面に結合して
いるものを使用する。
造よりアナターゼ型とルチル型に分類されるが、両者と
もに光触媒機能を有していることから、どちらの構造体
をとっていても構わないが、より触媒効果の高いアナタ
ーゼ型の結晶構造を取ることが望ましい。
形分を基準として0.1〜25重量%の範囲であること
が望ましい。銀成分が0.1重量%以下である場合は、
抗菌作用が十分に発現されない。また、銀成分が25重
量%以上になると、25重量%の場合と比較して抗菌性
作用に大差がなく、また、銀成分は結合量が多くなると
変色しやすいという弊害が生じやすいので好ましくな
い。
径3〜500nmのものを使用する。平均粒子径が50
0nm以上になると、塗膜中における(A)成分の分散
性が悪くなり、抗菌効果を維持する事が困難となるので
好ましくない。また、平均粒子径が3nm以下になると
コロイド溶液としての安定性が悪くなる。
として添加する。コロイド溶液の濃度は調整可能である
が、安定性から言えば、1〜30重量%が望ましい。
いが、例として以下の方法により製造が可能である。な
お、特にこの方法に限定されるものではない。硫酸チタ
ンの水溶液に、アンモニア水を徐々に添加して、白色ス
ラリーを作る。このスラリーをろ過し、含水チタン酸の
ケーキを得る。そして、このケーキを再度、純水で希釈
し、さらに過酸化水素を加え80℃で14時間加熱し
て、過酸化水素を加熱分解する。次に、酸化銀をアンモ
ニア水で溶解し、銀のアンミン錯塩水溶液を作った。こ
の水溶液に炭酸ジルコニウムアンモニウムの水溶液を添
加して、混合液とした。この混合液に、前記チタン酸水
溶液を加え、さらにシリカゾルを添加し、150℃で4
8時間加熱する。その後常温にて48時間放置し、淡乳
白色透明のコロイド溶液である(A)成分を作製した。
該コロイド溶液は限界ろ過膜を用いて任意に濃縮が可能
である。
り、銀の溶出を押さえることができるので持続した抗菌
性を得ることができる。また、銀を添加した際に見られ
る塗料及び塗膜の変色をおこさない(A)成分を添加す
ることにより、表面変色がなく、各種物性にすぐれた水
性塗料組成物とすることができる。また、(A)成分を
添加することにより、空気汚染の原因となる化学物質を
分解することが可能になり、感染症の原因となる微生物
類の繁殖を押さえることができるものである。
化合物の吸着剤(以下、「(B)成分」という。)を添
加する。(B)成分は、結晶体の構造が層状であるリン
酸化合物であれば特に限定はされないが、例えば一般式
M(HPO4 )2 ・nH2 O(式中、MはZr、Ti、
Ceのいずれかであり、nは整数)で示される結晶性層
状リン酸塩や、AlH2P3O10・2H2Oで示されるト
リポリリン酸アルミニウムなどが例示できる。これらの
うち、オキシリン酸ジルコニウムは化学物質の吸着性能
が特に高いため、好適に使用できる。このような(B)
成分のうち、ヒドラジンを添着処理したり、アニリンの
ハロゲン化物の酸性塩やスルファニルアミドの酸性塩を
添着処理するほか、アミン塩を付着させるなど、化学物
質の吸着機能を向上させる前処理を施すことも可能であ
り、このような前処理をしたほうがより望ましい。
び(B)成分を水性塗料中に配合するものであるが、該
水性塗料は通常一般に使用される水性塗料であれば特に
限定はされない。該水性塗料の樹脂形態も特に限定する
ものではなく、水溶液形、水分散形いずれでも構わな
い。樹脂成分としても、特に制限はなく、従来公知の樹
脂を使用できる。例えば、アルキド樹脂、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シ
リコン樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹
脂、ウレタン樹脂及びこれらの変性樹脂が例示できる。
しかし、フェノール樹脂や塩化ビニル樹脂等のように、
樹脂自体からホルムアルデヒドを放散するものや、アミ
ノ樹脂などのようにアミンやアンモニアなどが遊離する
ものは望ましくない。このような樹脂のうち、カルボニ
ル基とヒドラジン基を反応による架橋形エマルション
や、該エマルションと水性ウレタン樹脂との併用や、水
性アクリルシリコン樹脂、水性フッ素樹脂などが耐薬品
性や耐汚染性の点から好適に使用できる。
ン白、ベンガラ、オーカ、カーボンブラック、フタロシ
アニンブルー、アゾ系レッド及びイエローなどの着色
剤、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、クレー、
マイカ、シリカなどの体質顔料など)の他、充填剤、骨
材、分散剤、硬化触媒、粘性調整剤、消泡剤、可塑剤、
造膜助剤、防腐剤、防錆剤などの通常塗料分野で使用さ
れている塗料添加剤類を、必要に応じて適宜添加するこ
とができる。ただし、有機りん系可塑剤や錫系硬化促進
剤のように、有害なVOCが放散する添加剤の使用は好
ましくない。
に用いられる有機薬剤、たとえばジンクピリチオンやチ
アゾールやイソチアゾール系薬剤、フェノール系薬剤、
ブロム系薬剤、ヨウド系薬剤についても塗料及び塗膜が
変色しない範囲で添加しても良い。
ても良い。例えば、メチルベンゾトリアゾールやメチル
ベンゾトリアゾールのカリウム塩、3−ベンゾトリアゾ
ール−5−t−ブチル−4−ヒドロキシプロピオン酸メ
チルなどが挙げられる。
金属、例えば銅、亜鉛、錫、鉛等を塗料及び塗膜が変色
しない程度に添加してしてもよい。さらに、これら金属
類を酸化チタンの表面に吸着させたコロイド溶液を添加
することも可能である。
合比率は、塗料の樹脂固形分100重量部に対して、 (A)成分が固形分で0.1〜3重量部(好ましくは
0.15〜1.5重量部) (B)成分が固形分で3〜55重量部(好ましくは10
〜35重量部) となるように含有することにより、塗料及び塗膜として
変色がなく且つ、長期に亘り安定した抗菌性作用と化学
物質吸着・分解作用のある塗膜を提供することができ
る。
ば、抗菌効果が得られにくくなり、光触媒作用が得られ
なくなるため、(B)成分により吸着した化学物質を分
解できなくなり、化学物質吸着・分解作用が長続きしな
くなるので好ましくない。逆に、(A)成分が3重量部
より多くなると、塗料や塗膜の変色がみられるようにな
る。また、光触媒作用が強くなるため、塗膜中の樹脂自
体を劣化させる作用が強くなるので、結果として塗膜の
耐久性が低下することとなり好ましくない。
化学物質吸着能力が少なくなり、(A)成分による有害
化学物質の分解速度よりも早く(B)成分の吸着量が飽
和に達してしまうため、効率よく化学物質を取り除くこ
とができなくなる。また、(B)成分が55重量部より
多くなると、塗料粘度が急激に上がるため、作業性が悪
く、さらに塗料安定性も悪くなるので好ましくない。
スよく配合することにより、(A)成分による抗菌性を
維持するとともに、(B)成分が化学物質を吸着し
(A)成分の光触媒効果により化学物質を分解するとい
う作用を持続できる塗膜を形成可能な塗料組成物となる
のである。特に、(A)成分と(B)成分を同時に配合
することにより、吸着した化学物質を分解することが可
能となり、長期間持続して化学物質吸着・分解能を有す
る塗膜とすることが可能になるのである。
顔料体積濃度(以下、「PVC」という。)が20%〜
60%であることが好ましい。PVCとは、乾燥塗膜中
の顔料の体積濃度であり、
は、塗膜表面が樹脂成分で覆われることになり、(A)
成分が微生物と接触する率が少なくなるため抗菌効果が
低下する傾向にある。また、有害化学物質の吸着機能も
低下する傾向にある。また、60%をこえると、塗膜と
しての耐久性が低下し、さらに塗膜の汚染性についても
低下する傾向にある。
方法例えば、スプレー,刷毛,ローラー等により現場に
て塗装が可能である。また、予め、使用する乾式ボード
やスレート板、珪酸カルシウム板等に、工場にてプレコ
ートすることもできる。本発明の塗料組成物は、建築物
の内外装壁や天井、床、階段に適用できる他、家具や日
用品などの塗装にも適用可能である。
ンを純水に溶解し、TiO2 換算で1.0重量%を含む
水溶液を得る。この水溶液を攪拌しながら、15重量%
アンモニア水を徐々に添加し、白色のスラリーを得る。
このスラリーを濾過、洗浄し、含水チタン酸のケーキを
得る。このケーキ31.4gに水溶液濃度が1.0重量
%になるようの純水を加えて希釈し、更に33重量%過
酸化水素219.8gを加えた後、80℃で14時間加
熱し、過酸化水素を加熱分解させ、TiO2 として1.
0重量%の溶液3136gを得た。このチタン酸溶液は
黄褐色透明で、pHは、8.2であった。次いで、酸化
銀0.68gを15重量%アンモニア水21.3g、純
水618.1g中で溶解して、銀のアンミン錯塩水溶液
とし、この水溶液に炭酸ジルコニウムアンモニウム1
5.4gを純水169.9gに溶解したものを添加し
た。この混合水溶液を前記チタン酸水溶液に加え、次
に、20重量%のシリカゾル38.7gを加えた後、1
50℃で48時間加熱した。この溶液は、初期黄褐色液
であったが、48時間後に淡乳白色透明なコロイド溶液
となった。この複合酸化物コロイド溶液のpHは、7.
5で、固形分濃度1.0重量%であり、コロイド粒子の
平均粒子径は、5.0nmであった。このコロイド溶液
を限外濾過膜を用いて4.0重量%の濃度に濃縮し抗菌
剤1とした。
び硝酸銀結晶6.8gを蒸留水1リットルに溶解し、こ
の水溶液に30重量%の硫酸チタン溶液192.0gを
添加し、pH約1の混合液を調整した。この混合液は、
0.04モルのAgイオン、0.12モルのZnイオ
ン、0.24モルのTiイオンを含んでいる。前記混合
液に室温下で、攪拌しながら15重量%のりん酸溶液約
330gを滴下したところ、白色沈殿物が生成した。白
色沈殿物が生成した混合液をそのまま室温下、一昼夜攪
拌した。その後、白色沈殿物を含有する混合液に、15
重量%の水酸化ナトリウム溶液を室温下にて攪拌しなが
ら、pH7.0になるまで滴下すると、さらに白色沈殿
物が生成した。さらに、室温下で攪拌を継続をした。こ
の際、pHが低下した場合には、さらに15重量%の水
酸化ナトリウム溶液を添加することにより、pHを7.
0に保持した。pHの低下が認められなくなるまで攪拌
を継続し、Ag−Zn−Tiを含む白色混合沈殿物が生
成した(A液)。次いで、A液に酸化チタンゾル(Ti
O2 として30重量%を含む)320gを滴下するとと
もに、並行して15重量%の水酸化ナトリウム溶液をp
H7に保持するように滴下したところ、Ag−Zn−T
i−TiO2 の混合沈殿物が生成した。生成した白色沈
殿物を吸引濾別し、温脱イオン水で十分に洗浄した後、
40℃で乾燥し、乾燥粉末を10μm以下に粉砕するこ
とにより、Ag−Zn−Ti−TiO2を含む白色の粉
末を得た。
て、表2に示す配合に従い水性塗料組成物を作製した。
すなわち、着色顔料167重量部に対して、水80重量
部を加え充分に攪拌した後、アクリルエマルション20
0重量部(固形分で100重量部)と各種添加剤類を6
6重量部加え、更に攪拌する。その後、体質顔料153
重量部を加えて攪拌し、水性塗料ペーストを作製した。
作製した水性塗料ペーストに、抗菌剤1を7.0重量部
(固形分で0.28重量部)と、結晶性層状リン酸ジル
コニウムを13.5重量部添加し、充分に攪拌し水性塗
料組成物とした。作製した塗料のPVCは51.5%で
あった。作製した水性塗料組成物について、以下のよう
な試験を行った。
を塗付量が250g/m2 なるように塗付し、気温20
℃、湿度65%(以下、「標準状態」という。)で7日
間養生したものを試験体とする。試験を行う菌は、黄色
ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、カンジタ菌の4種とす
る。
する。これをそれぞれ200mlの生理食塩水に加え、
モルトン栓付試験管に10ml分注した後、30℃で保
温しておく。この、菌懸濁液を普通寒天培地に塗付し、
28℃で48時間培養後の菌数を測定し、ブランクとし
た。 試験体の濾紙を1.0×4.0cmに切り取り試験片
(4枚)とする。 で作製した試験管の中に試験片を入れ、24時間振
盪培養を行う。 振盪培養した液を生理食塩水にて100培希釈したも
のをスパイラルプレーターで普通寒天培地に塗付し、2
8℃で48時間培養後の菌数を測定し、ブランクとの対
比により、滅菌率を計算した。結果は表4に示す。
水性塗料組成物を250g/m2 アプリケーターで塗付
し、標準状態で7日間養生し試験板とした。作製した試
験板を5.0×5.0cmの大きさに切断したものを試
験体とした。抗菌性試験を行う菌は、黄色ぶどう球菌と
緑膿菌とする。
で24時間前培養した。培養した各種菌を取り、滅菌生
理食塩液で希釈して約106 /ml菌液を作製した。試験
体の表面に、上記菌液0.5mlを接種し、その上に滅
菌フィルムを被せて菌液を充分に接触させ、35℃、相
対湿度90%以上で24時間静置後、フィルムに付着し
ている菌をSCDLP培地10mlで十分に洗い出し、
この溶液1ml中の生残菌数を測定し、ブランクと対照
して、滅菌率を計算した。なお、生残菌数は標準寒天培
地を用いて48時間培養で測定し、ブランクはシャーレ
に0.5mlを入れ、滅菌フィルムを被せて菌液を充分
に接触させた後、同様の試験を行いブランクとした。結
果は、表4に示す。
50g入れ、50℃±2℃に設定した恒温槽に10日間
放置し、塗料としての安定性(粘度変化、色相変化)を
評価した。結果は表5に示す。
性塗料組成物を塗付量250g/m2 にてアプリケータ
ーで塗付し、標準状態で7日間養生乾燥させて試験板と
した、作製した試験板を、水道水に7日間浸漬し、塗膜
の表面状態(変色、膨れ、割れなど)を目視にて評価し
た。結果は、表5に示す。
性塗料組成物を塗付量250g/m2 にてアプリケータ
ーで塗付し、標準状態で7日間養生乾燥して試験板とし
た。作製した試験板を、JIS K 5400(1990) 9.7.2耐光性
試験(水銀ランプ式)に準じて、退色試験用ランプで1
00時間照射し、その塗膜の変色性を評価した。結果は
表5に示す。
た水性塗料組成物を塗付量250g/m2 にてアプリケ
ーターで塗付し、標準状態で7日間養生乾燥して試験体
とした。3Lのにおい袋に試験体を1枚入れた後に、中
の空気を除去し密封を行う。そのにおい袋に、ホルムア
ルデヒドが20ppmの濃度に調整した空気を充満させ
る。これを2個用意し、1個は蛍光燈をつけた室内に、
もう1個を暗室に置き30分毎に検知管にてホルムアル
デヒド濃度を測定しながら2時間放置した。2時間測定
した後、1度におい袋の中の空気を全て除去し、再度ホ
ルムアルデヒドが20ppmの濃度に調整した空気を充
満させ、同様の試験を行う。ホルムアルデヒドを充満さ
せる→30分毎にホルムアルデヒド濃度を測定しながら
2時間放置→気体除去を1サイクルとして、7回繰り返
した。結果は、5サイクルから7サイクルについて、に
おい袋中のホルムアルデヒド濃度をグラフ化して、図1
に示した。
使用して、表2の配合の如く、実施例1に準じて水性塗
料組成物を作製した。作製した塗料組成物について、実
施例1と同様に評価を行い、結果を表4、表5、図2〜
図7に示した。
を使用して、表3の配合の如く、実施例1に準じて水性
塗料組成物を作製した。作製した塗料組成物について、
実施例1と同様に評価を行い、結果を表4、表5、図8
〜図16に示した。なお、比較例10については、塗料
組成物作製中にゲル化してしまい、評価はできなかっ
た。
は、抗菌剤の配合されていない比較例1は抗菌効果が得
られず、複合剤を使用した比較例8および、ルチル型酸
化チタンに銀を担持させたものを抗菌剤として使用した
比較例9は、抗菌効果が劣る結果となった。貯蔵安定性
試験では、ゼオライトに銀を担持させた抗菌剤を使用し
た比較例5は、粘度上昇および変色(グレー)が見られ
た。活性炭を配合した比較例6は、粘度上昇がみられ、
塗料自体がグレーがかった色をしており実用性に欠ける
ものとなった。さらに、ルチル型酸化チタンに銀を担持
させた抗菌剤を使用した比較例4は、変色が見られた。
チル型酸化チタンに銀を担持させた抗菌剤を使用した比
較例4・比較例9、ゼオライトに銀を担持させた抗菌剤
を使用した比較例5は耐水性試験において、塗膜が黒く
変色するという結果となった。その他、ルチル型酸化チ
タンに銀を担持させた抗菌剤を使用した比較例4や、ゼ
オライトに銀を担持させた抗菌剤を使用した比較例5
は、紫外線照射試験で僅かにグレーに変色した。さら
に、活性炭を配合した比較例6は、塗膜が最初からグレ
ーであり実用性に欠ける結果となった。
れるように本発明による範囲にて配合されたものについ
ては、図1〜図7に示すように光照射があれば継続的に
吸着効果を維持することができることが明らかとなっ
た。これに対し、比較例1、比較例5のように光触媒機
能を持つ成分が入っていないものは、経時で吸着効果の
低下がみられた。また、光触媒作用があるチタンを併用
してもチタンの粒子径の大きい比較例4では、ほとんど
触媒作用による吸着効果の持続性はみられなかった。さ
らに、吸着剤を添加していない比較例2では、塗膜表面
に若干の物理吸着が見られる以外は吸着効果は見られな
かった。次に、吸着剤として活性炭を使用した比較例
6、シリカゲルを使用した比較例7は、吸着効果は見ら
れるが、吸着効果自体が低く、且つ実施例に見られるよ
うな持続性も見られなかった。さらに、予め抗菌剤と吸
着剤を複合した複合剤を添加した比較例8については、
光照射により、吸着効果が若干良くなるが、顕著な効果
がみられなかった。また、総合的な吸着効果も低いもの
であった。
を、特定の配合比率で配合することにより初めて、抗菌
性があり、貯蔵安定に優れ、耐水性、耐光性に優れた塗
膜が得られる水性塗料組成物となることが明らかとなっ
た。さらに、化学物質を分解する機能を合わせ持つ塗膜
で、長期にわたって人体に有害な化学物質類を吸着・分
解し、環境浄化を行うことが可能な塗膜を得られる水性
塗料組成物となることが明らかになった。
す危険性のある化学物質の吸着及び分解が可能であり、
長期にわたって環境浄化を行うことが可能な塗膜を提供
することができ、さらに感染症や塗膜表面の汚染の原因
となっている微生物類の繁殖を抑えることが可能な塗膜
を提供することができる。さらに、経時において塗膜表
面の変色がなく、塗料の貯蔵安定性・各種物性にも優れ
た水性塗料組成物を提供できるものである。
Claims (2)
- 【請求項1】(A)光触媒機能を有する酸化チタンに銀
を付着させた平均粒子径が3〜500nmのコロイド状
の抗菌剤と(B)結晶性層状リン酸化合物によって形成
される吸着剤を含有する水性塗料組成物であり、その含
有量が塗料の樹脂固形分100重量部に対して (A)固形分で0.1〜3重量部 (B)固形分で3〜55重量部であり、かつ顔料体積濃
度(以下、「PVC」という。)が20%〜60%であ
ることを特徴とする建築物内部塗装用水性塗料組成物。 - 【請求項2】結晶性層状リン酸化合物がオキシリン酸ジ
ルコニウムであることを特徴とする請求項1記載の建築
物内部塗装用水性塗料組成物。
Priority Applications (1)
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