JP3444012B2 - 無機塗料塗膜の形成方法 - Google Patents

無機塗料塗膜の形成方法

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JP3444012B2 JP06549495A JP6549495A JP3444012B2 JP 3444012 B2 JP3444012 B2 JP 3444012B2 JP 06549495 A JP06549495 A JP 06549495A JP 6549495 A JP6549495 A JP 6549495A JP 3444012 B2 JP3444012 B2 JP 3444012B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無機塗料塗膜の形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】有機の樹脂に抗菌剤を含有した抗菌性有
機塗料にあっては、長期間使用すると樹脂が劣化し、特
に屋外で使用した場合には、表面に汚れが付着したり、
紫外線による劣化から、塗膜の抗菌性能が低下し易い欠
点があった。そこで、ケイ酸塩系、リン酸塩系、ジルコ
ニウム系の無機組成物に抗菌剤を含有した無機塗料が知
られているが、前記無機塗料は有機塗料より耐久性は良
好となるが、いずれも200℃以上の高温で焼き付けを
する必要があるため使用できる範囲が限られ、建材やプ
ラスチックへ直接塗布するのに不適切であった。なお、
ケイ酸塩系の無機塗料は長期間使用するとアルカリが表
面に溶出して白華現象を起こしやすい欠点があった。ま
た、特開昭62−57470号公報に、金属アルコキシ
ドを含有した無機塗料が開示されているが、この無機塗
料は200℃以下で硬化するものの、塗膜に柔軟性がな
く、クラックが入りやすい問題があった。近年、多種多
様な材料に塗料を用いる必要性から、長期間使用しても
抗菌性能を持続し、且つ、クラックがない、200℃以
下の温度で焼き付けできる塗料が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等
は、特願平6−205835で抗菌剤として、光触媒機
能を有する成分である光触媒を含有した抗菌性無機塗料
を提案した。ところが、光触媒を基材に担持する場合、
基材の制約や密着性に難点があり、塗料を用いて、光触
媒を塗膜化した場合、有機系塗料では、光触媒の持つ酸
化作用で塗膜自身が劣化してしまい性能が低下し易く、
無機塗料を用いた場合、無機塗料中に光触媒が、沈降し
てしまい、光触媒の性能が発揮され難いという傾向があ
った。
【0004】本発明は上述の事実に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、光触媒を表面に担持し、
高い光触媒性能を有する無機塗料塗膜の形成方法を提供
することにある。
【0005】
〔前記の一般式〜一般式中、R1 、R2 は1価の炭化水素基を示す。〕
本発明の請求項2に係る無機塗料塗膜の形成方法は、前
記光触媒機能を有する粉末が、酸化チタン、酸化ジルコ
ニウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、酸化ス
ズ、酸化タングステン、酸化鉄及び酸化ビスマスの群か
ら選択される少なくとも1種であることを特徴とする。
【0006】本発明の請求項3に係る無機塗料塗膜の形
成方法は、前記混合液に、沸点100℃〜300℃の化
合物をも添加した混合品を基材に塗布後、前記化合物の
沸点より高い温度で焼成することを特徴とする。
【0007】本発明の請求項4に係る無機塗料塗膜の形
成方法は、前記混合液に、さらにアクリルシリコンをも
添加することを特徴とする。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
係る無機塗料塗膜の形成方法は、無機塗料と光触媒機能
を有する粉末とを混合した混合液を基材に塗布後、酸又
はアルカリにより処理する塗膜の形成方法で、溶媒は、
メタノール、アセトン、エタノール、プロパノール、イ
ソプロピルアルコール等いずれでもよいが、使用する無
機塗料中のアルコキシドの炭化水素基(R)の交換反応
を考えると無機塗料中のRに合わせることが望ましい。
【0009】前記ケイ素化合物は下記の一般式で表さ
れる。 R2 n Si(OR1 4-n −−−−−− 〔前記の一般式中、nは0〜3の整数、R1 、R2
1価の炭化水素基を示す。〕 前記の一般式中のR1 、R2 は1価の炭化水素基を示
す限り限定はされないが、R2 として炭素数1〜8の置
換または非置換の炭化水素基を示す、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル
基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基等
のアラルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール
基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、クロロメチ
ル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロ
ピル基等のハロゲン置換炭化水素基、及び、γ−メタク
リロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカ
プトプロピル基等の置換炭化水素基が挙げられる。なか
でも合成の容易さ、または、入手の容易さから炭素数1
〜4のアルキル基、及び、フェニル基が好ましい。
【0010】前記の一般式中のR1 には炭素数1〜4
のアルキル基を主原料にするものが用いられる。特に、
n=0のテトラアルコキシシランとしては、テトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン等が例示され、n=
1のオルガノトリアルコキシシランとしては、メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチル
トリイソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、3,3,3-トリフルオロ
プロピルトリメトキシシラン等が例示される。さらに、
n=2のジオルガノジアルコキシシランとしては、ジメ
チルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジ
フェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ン、メチルフェニルジメトキシシラン等が例示され、n
=3のトリオルガノアルコキシシランとしては、トリメ
チルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリ
メチルイソプロポキシシラン、ジメチルイソブチルメト
キシシラン等が例示される。
【0011】前記の一般式〜一般式中のR1 、R2
は、同一の炭化水素基でもよいし、異なっていてもよ
い。前記無機塗料の作製は、例えば、前記の一般式、
前記の一般式、前記の一般式で表されるケイ素化合
物を溶剤で希釈し、硬化剤として水または触媒を添加
し、加水分解、及び、重縮合反応を行い調製される。こ
れらケイ素化合物の重量平均分子量(Mw)はポリスチ
レン換算で算出される。この調製の際に、無機塗料の重
量平均分子量(Mw)をポリスチレン換算で900以上
にする。重量平均分子量(Mw)がポリスチレン換算で
900未満であると、重縮合反応の際に硬化収縮が大き
くなり、焼き付けした無機塗料の塗膜にクラックが発生
し易くなる。
【0012】前記無機塗料は、前記の一般式で表され
るケイ素化合物と併用、または、代わりにコロイド状シ
リカを成分とすることができる。前記コロイド状シリカ
は、水に分散した水分散性のコロイダルシリカ、又は、
アルコール等の非水系の有機溶媒に分散した有機溶媒分
散性のコロイダルシリカである。前記コロイダルシリカ
は固形分としてのシリカを20〜50重量%含有してい
る。無機塗料の調製の際に、前記水分散性のコロイダル
シリカは、固形分外の成分として存在する水を硬化剤と
して用いることができる。また、有機溶媒分散性のコロ
イダルシリカは有機溶媒を水と置換することで容易に調
製できる。前記コロイダルシリカが分散している有機溶
媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級
脂肪族アルコール類、エチレングリコール、エチレング
リコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコール
モノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体、ジ
エチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル等のジエチレングリコールの誘導体、及び、ジ
アセトンアルコール等が挙げられ、これらの1種、もし
くは2種以上が用いられる。さらに、親水性の有機溶媒
と併用してトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メ
チルエチルケトオキシム等も用いることができる。な
お、前記コロイダルシリカの前記配合量は、分散媒も含
んだ重量である。
【0013】無機塗料を作製する際に硬化剤として水が
汎用されるが、この水の量は、無機塗料中に45%以下
が好ましく、25%以下がより好ましい。
【0014】無機塗料を作製する際に用いられる有機溶
剤は、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族
アルコール類、エチレングリコール、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエ
チルエーテル等のエチレングリコール誘導体、ジエチレ
ングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル等のジエチレングリコールの誘導体、及び、ジアセト
ンアルコール等が挙げられ、これらの1種、もしくは2
種以上が用いられる。さらに、親水性の有機溶媒と併用
してトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエ
チルケトオキシム等も用いることができる。
【0015】前記無機塗料の調製の際は、無機塗料のp
Hを3.8〜6とすることが望ましい。このpH範囲で
あると無機塗料の保存性が良く、このpH範囲外である
と調製期間から塗布できる期間が限られてしまう。この
pHの調整方法は限定しないが、例えば、材料を混合し
た際にpHが3.8未満となった場合、アンモニア等の
塩基性試薬を添加して調整すればよく、pHが6を超え
た場合、塩酸等の酸性試薬を添加して調整すればよい。
また、pHによっては分子量が小さい状態で反応の進行
が遅くなった場合、加熱して反応を促進してもよいし、
酸性試薬でpHを下げて反応を進めた後に、塩基性試薬
を添加して所定のpHとしてもよい。
【0016】前記の光触媒としては、例えば、酸化チタ
ン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチ
ウム、酸化スズ、酸化タングステン、酸化鉄、酸化ビス
マスからなる群から選択される少なくとも1種を用いる
のが好ましい。前記の光触媒として、光触媒機能を有す
る粉末を用い、この粉末を、無機塗料の機能耐候性を損
なわない範囲で、無機塗料と混合して混合液を得る。こ
の混合液を基材に塗布して、無機塗料塗膜を形成する。
【0017】また、前記光触媒に金属を担持してもよ
い。この金属として、例えば、金、銀、銅、鉄、亜鉛、
ニッケル、コバルト、白金、ルテニウム、パラジウム、
ロジウムからなる群から選択される少なくとも1種を用
いる。これらの金属の担持により、光触媒の電荷分離が
促進され、光触媒作用が発揮される。すなわち、光の存
在下で酸化性能を有し、この酸化性能によって脱臭、抗
菌等の効果を奏する。さらに、光触媒を層間に担持した
粘土架橋体を用いてもよい。これらの光触媒を層間に導
入することで、酸化物が微粒子に担持され光触媒性能が
向上する。
【0018】前記無機塗料塗膜を酸又はアルカリで処理
することにより、無機塗料のみを溶かし、光触媒が無機
塗料塗膜の表面に出てくるので、光触媒の触媒効果が向
上する。前記酸又はアルカリは光触媒を溶かしたり、光
触媒と反応したりするものでなければよく、例えば、
0.1〜1重量%程度の硝酸水溶液や水酸化ナトリウム
等が挙げられる。
【0019】前記混合液に、沸点100℃〜300℃の
化合物をも添加して混合品を得る。前記沸点100℃〜
300℃の化合物としては、例えば、ホルムアミド、ジ
メチルホルムアミド、アセトニトリル、ジオキサン及び
ノルマルヘプタンからなる群より選ばれる少なくとも1
種が挙げられる。前記混合品を基材に塗布することで、
光触媒の分散性を高めるとともに、乾燥の工程で、前記
化合物の沸点より高い温度で焼成することにより、多孔
質な無機塗料塗膜が得られる。
【0020】前記混合液に、アクリルシリコンをも添加
することにより、ポアの多い多孔膜が形成されるので、
光触媒が空気に接触する面積が多くなるため、光触媒機
能が発現し易い無機塗料塗膜が得られる。
【0021】
【作用】本発明の請求項1に係る無機塗料塗膜の形成方
法では、前記組成(A)、(B)及び(C)を原料と
し、これらの原料から調整される重量平均分子量がポリ
スチレン換算で900以上である無機塗料と光触媒機能
を有する粉末とを混合した混合液を基材に塗布後、酸又
はアルカリにより処理することにより、無機塗料のみが
溶解されるので、光触媒が無機塗料塗膜の表面に露出し
て空気に触れている状態の光触媒が多くなる。すなわ
ち、光触媒機能をもった化合物の表面が露出することに
より、その機能が十分に発揮しやすい状況になる。
【0022】本発明の請求項2に係る無機塗料塗膜の形
成方法では、前記光触媒機能を有する粉末が、酸化チタ
ン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチ
ウム、酸化スズ、酸化タングステン、酸化鉄及び酸化ビ
スマスの群から選択される少なくとも1種であるので、
光触媒機能に優れる。
【0023】本発明の請求項3に係る無機塗料塗膜の形
成方法では、前記混合液に、沸点100℃〜300℃の
化合物をも添加した混合品を基材に塗布後、前記化合物
の沸点より高い温度で焼成することにより、ミクロな細
孔が形成されるので、光触媒が空気に接触する面積が多
くなる。すなわち、光触媒が光触媒機能を発現しやすい
状態で、塗膜に担持される。
【0024】本発明の請求項4に係る無機塗料塗膜の形
成方法では、前記混合液に、さらにアクリルシリコンを
も添加することにより、ポアの多い多孔膜が形成される
ので、光触媒が空気に接触する面積が多くなるため、光
触媒機能が発現し易い。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって、
具体的に説明する。
【0026】(実施例1)前記の一般式で表されるケ
イ素化合物としてテトラエトキシシラン、コロイド状シ
リカとしてIPAオルガノシリカゾル(触媒化成社製:
商品名OSCAL1432)、前記の一般式で表され
るケイ素化合物としてメチルトリメトキシシラン、前記
の一般式で表されるケイ素化合物としてジメチルジメ
トキシシランを用いた。メチルトリメトキシシラン10
0重量部(以下部と記す)に、テトラエトキシシランを
10部、IPAオルガノシリカゾルを90部、ジメチル
ジメトキシシランを30部、イソプロピルアルコール
(以下IPAと記す)を100部混合した後に、水90
部と光触媒としてTiO2 (日本アエロジル社製:商品
名P−25)42部とを添加し、撹拌した。これを、6
0℃の恒温槽中で重量平均分子量(以下Mwと記す)を
1500に調製し、光触媒含有無機塗料を得た。得られ
た無機塗料を、アルミナ基板にスプレーした後、温度1
00℃で1時間焼成して塗膜を得た。得られた塗膜を、
さらに1重量%水酸化ナトリウム水溶液に24時間浸漬
して無機塗料塗膜を得た。
【0027】この無機塗料塗膜の光触媒作用を評価する
ために、アセトアルデヒド除去率を測定し、表1に示し
た。ここで、アセトアルデヒド除去率が大きいほど、光
触媒作用が大きいことを示している。なお、アセトアル
デヒド除去率は、無機塗料塗膜を形成したアルミナ基板
を容器中に入れ、この容器に50ppm のアセトアルデヒ
ドを注入し、10W のブラックライトを30分間照射
し、ガスクロマトグラフィーを用いて測定した。
【0028】(実施例2)実施例1において、1重量%
水酸化ナトリウム水溶液に代えて、1重量%硝酸水溶液
を用いた以外は、実施例1と同様にして、無機塗料塗膜
を得て、アセトアルデヒド除去率を測定し、表1に示し
た。
【0029】(実施例3)実施例1において、水90部
と光触媒としてTiO2 (日本アエロジル社製:商品名
P−25)42部とともに、沸点153℃のジメチルホ
ルムアミドを30部添加し、温度200℃で1時間焼成
し、1重量%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬しなかった
以外は、実施例1と同様にして、無機塗料塗膜を得て、
アセトアルデヒド除去率を測定し、表1に示した。
【0030】(実施例4)実施例1において、水90部
と光触媒としてTiO2 (日本アエロジル社製:商品名
P−25)42部とともに、アクリルシリコン(鐘淵化
学工業社製:商品名ゼムラック)を30部添加し、1重
量%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬しなかった以外は、
実施例1と同様にして、無機塗料塗膜を得て、アセトア
ルデヒド除去率を測定し、表1に示した。
【0031】(実施例5)実施例1で光触媒として使用
したTiO2 の代わりに、ZnO(堺化学社製:商品名
FINEX50)を用いた以外は、実施例1と同様にし
て、無機塗料塗膜を得て、アセトアルデヒド除去率を測
定し、表1に示した。
【0032】(実施例6)実施例1で光触媒として使用
したTiO2 の代わりに、以下のように作製した光触媒
機能粘土層間架橋体を用いた以外は、実施例1と同様に
して、無機塗料塗膜を得て、アセトアルデヒド除去率を
測定し、表1に示した。2規定(N)塩酸を10重量部
に対して、チタン酸イソプロポキシドを1重量部の割合
で配合し、チタン酸イソプロポキシドを塩酸で解こうし
て溶液を得た。この溶液を予め水に分散した粘土鉱物
(クニミネ社製:商品名モンモリロナイト)の1重量%
水溶液に添加し、60℃、1.5時間反応させて、粘土
が1重量部に対して、TiO2が0.6重量部の光触媒
機能粘土層間架橋体を得た。
【0033】(比較例1)メチルトリメトキシシラン1
00部に、テトラエトキシシランを10部、IPAオル
ガノシリカゾルを90部、ジメチルジメトキシシランを
30部、イソプロピルアルコール(IPA)を100部
混合した後に、水90部を添加し、撹拌した。これを、
60℃の恒温槽中で重量平均分子量(以下Mwと記す)
を1500に調製し、この溶液に光触媒であるTiO2
(日本アエロジル社製:商品名P−25)を20部添加
して無機塗料を得た。この無機塗料を、アセトンで洗浄
したアルミナ基板に塗布し、温度100℃で1時間乾燥
し、無機塗料塗膜を得て、アセトアルデヒド除去率を測
定し、表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】表1に示すように、実施例は、比較例に比
べて無機塗料塗膜のアセトアルデヒド除去率が大きく、
光触媒作用による酸化性能に優れ、脱臭、抗菌等の効果
が大きいことが確認できた。
【0036】
【発明の効果】本発明の請求項1及び請求項2に係る無
機塗料塗膜の形成方法によると、光触媒が無機塗料塗膜
の表面に露出して空気に触れている状態の光触媒が多く
なり、その機能が十分に発揮しやすい状況になるため、
高い酸化性能等の光触媒性能を有した無機塗料塗膜が得
られる。
【0037】本発明の請求項3に係る無機塗料塗膜の形
成方法によると、光触媒が光触媒機能を発現しやすい状
態で、塗膜に担持されるため、さらに高い酸化性能等の
光触媒性能を有した無機塗料塗膜が得られる。
【0038】本発明の請求項4に係る無機塗料塗膜の形
成方法によると、ポアの多い多孔膜が形成されるので、
光触媒が空気に接触する面積が多くなるため、光触媒機
能が発現し易いため、より高い酸化性能等の光触媒性能
を有した無機塗料塗膜が得られる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−337437(JP,A) 特開 昭62−149380(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 7/12,183/02,183/04 B05D 3/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記組成(A)、(B)及び(C)を原
    料とし、これらの原料から調整される重量平均分子量が
    ポリスチレン換算で900以上である無機塗料と光触媒
    機能を有する粉末とを混合した混合液を基材に塗布後、
    酸又はアルカリにより処理することを特徴とする無機塗
    料塗膜の形成方法。 (A)下記の一般式で表されるケイ素化合物及び/又
    はコロイド状シリカを20〜200重量部、 Si(OR1 4 −−−−−− (B)下記の一般式で表されるケイ素化合物を100
    重量部、 R2 Si(OR1 3 −−−−−− (C)下記の一般式で表されるケイ素化合物を0〜6
    0重量部、 R2 2Si(OR1 2 −−−−−− 〔前記の一般式〜一般式中、R1 、R2 は1価の炭
    化水素基を示す。〕
  2. 【請求項2】 前記光触媒機能を有する粉末が、酸化チ
    タン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロン
    チウム、酸化スズ、酸化タングステン、酸化鉄及び酸化
    ビスマスの群から選択される少なくとも1種であること
    を特徴とする請求項1記載の無機塗料塗膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記混合液に、沸点100℃〜300℃
    の化合物をも添加した混合品を基材に塗布後、前記化合
    物の沸点より高い温度で焼成することを特徴とする請求
    項1又は請求項2記載の無機塗料塗膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記混合液に、さらにアクリルシリコン
    をも添加することを特徴とする請求項1乃至請求項3い
    ずれかに記載の無機塗料塗膜の形成方法。
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