JP4884646B2 - 接着層形成用組成物および光触媒担持構造体 - Google Patents

接着層形成用組成物および光触媒担持構造体 Download PDF

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Description

本発明は、担体と、該担体上に形成された接着層と、および該接着層上に形成された光触媒層とを有する光触媒担持構造体の接着層の形成に用いる接着層形成用組成物、およびこの接着層形成用組成物から形成されてなる接着層を有する光触媒担持構造体に関する。
従来から、担体上に、接着層を介して光触媒層が形成された光触媒担持構造体が知られている。かかる光触媒担持構造体は、通常担体表面に、接着層形成用塗布液(接着層形成用組成物)を塗布して接着層を形成し、さらにこの接着層上に光触媒成分を含有する光触媒層形成用塗布液を塗布、硬化させることにより光触媒層を形成することにより製造されている(特許文献1、2等)。このような光触媒担持構造体は、レンズ、窓ガラス、粘着フィルム、化粧シート、壁紙、カーテン、ブラインド等のような各種建築材料やインテリア製品等に利用されている。
しかしながら、従来の光触媒担持構造体は、耐候性が要求される場所、特に、長期間に亘って風雨にさらされる場合がある屋外で使用する場合に、光触媒層が部分的あるいは全面的に担体から剥離して充分な光触媒活性を発揮できなくなることがあり、問題となっていた。
WO97/00134号公報 WO03/033144号公報
本発明は、かかる従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、担体と、該担体上に形成された接着層と、および該接着層上に形成された光触媒層とを有する光触媒担持構造体において、耐候性に優れる光触媒担持構造体を得ることができる接着層形成用組成物および光触媒担持構造体を提供することを課題とする。
本発明者らは、耐候性を向上させるためには、接着層形成用組成物中にシリカの含有量を増加させる必要があると考えた。しかしながら、接着層形成用組成物中におけるシリカの含有量を高くすると、担体と光触媒層との層間密着性が低下するという新たな問題が生じた。そこで、鋭意研究した結果、接着層形成用組成物にシランカップリング剤の所定量を添加すると、シリカの含有量が高くても、優れた層間密着性と耐候性を有する接着層を形成することができ、光触媒の活性も良好な光触媒担持構造体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)担体と光触媒層とを接着する接着層形成用組成物であって、(a)シリコン変性樹脂、及び/又は(b)式(1)
Figure 0004884646
〔式中、Rは、(アミノ基、カルボキシル基または塩素原子で置換されていてもよい)炭素数1〜8のアルキル基を表し、Rは、アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表し、nは0〜2の整数を表し、n及びnはそれぞれ独立して0または1を表し、nは2〜4の整数を表し、かつn+n+n+n=4である。〕で表される化合物の重縮合反応生成物、並びにシランカップリング剤を含有してなり、Siの総含有量が、SiOに換算して接着層の全固形分に対して55〜95重量%であることを特徴とする接着層形成用組成物、
(2)前記接着層形成用組成物が、シランカップリング剤を、(a)シリコン変性樹脂及び(b)前記式(1)で表される化合物の重縮合反応生成物に対して、1〜10重量%含有してなることを特徴とする(1)記載の接着層形成用組成物、
(3)前記式(1)で表される化合物が、Si(OCH、Si(OC、Si(OC、Si(OC、Si(OC11、Si(OC13、SiCH(OCH、SiCH(OC、SiCH(OC、SiCH(OC、SiCH(OC、SiCl(OCH、SiCl(OC、SiCl(OC、SiCl(OC、SiCl(OC13、SiCl(OH)(OCH、SiCl(OH)(OC、SiCl(OH)(OC、SiCl(OH)(OC、SiCl(OCH、及びSiCl(OCからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(1)または(2)に記載の接着層形成用組成物、
(4)前記シリコン変性樹脂が、アクリルシリコン樹脂であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の接着層形成用組成物、
(5)前記式(1)で表される化合物の重縮合反応生成物が、炭素数1〜5のアルコキシ基を少なくとも1個有するシリコンアルコキシドの重縮合反応生成物であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の接着層形成用組成物、を提供する。
また、本発明は、
(6)担体と、該担体上に形成された接着層と、該接着層上に形成された光触媒層とを有する光触媒担持構造体であって、前記接着層が、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の接着層形成用組成物から形成されたものであることを特徴とする光触媒担持構造体、
(7)前記光触媒層が、光触媒及びシリカを含有する光触媒複合体からなることを特徴とする(6)に記載の光触媒担持構造体、
(8)前記光触媒層が、光触媒、シリカ、並びにジルコニウム化合物およびアルミニウム化合物から選ばれる少なくとも1種を含有する光触媒複合体からなることを特徴とする(6)または(7)に記載の光触媒担持構造体、
(9)前記シリカが、球状コロイダルシリカ粒子が細長い鎖状に結合してなる鎖状コロイダルシリカ粒子であることを特徴とする(7)または(8)に記載の光触媒担持構造体、
(10)前記球状コロイダルシリカ粒子が、粒子径が10〜50nmである球状コロイダルシリカ粒子であることを特徴とする(9)に記載の光触媒担持構造体、
(11)前記鎖状コロイダルシリカ粒子が、長さ50〜400nmの鎖状コロイダルシリカ粒子であることを特徴とする(9)または(10)に記載の光触媒担持構造体、
(12)前記鎖状コロイダルシリカ粒子が、動的光散乱法による測定粒子径(D1)が40〜300nmであり、D1と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)の比(D1/D2)が5以上であって、電子顕微鏡観察による5〜20nmの範囲内の一様な太さで一平面内のみの伸長を有する非晶質コロイダルシリカ粒子であることを特徴とする(9)〜(11)のいずれかに記載の光触媒担持構造体、
(13)前記ジルコニウム化合物が、ジルコニウムの、酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、オキシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド及び該アルコキシドの加水分解物からなる群から選ばれる1種または2種以上の混合物であることを特徴とする(8)に記載の光触媒担持構造体、
(14)前記アルミニウム化合物が、アルミニウムの、酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、オキシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド及び該アルコキシドの加水分解物からなる群から選ばれる1種または2種以上の混合物であることを特徴とする(8)または(13)に記載の光触媒担持構造体、
(15)前記ジルコニウム化合物および/またはアルミニウム化合物が、150℃で乾燥後の比表面積が100m /g以上の多孔質ゲルであることを特徴とする(8)、(13)または(14)に記載の光触媒担持構造体、
(16)前記光触媒層が、光触媒複合体全体に対して、シリカを5〜50重量%、光触媒を5〜60重量%含有する層であることを特徴とする(7)〜(15)のいずれかに記載の光触媒担持構造体、
(17)前記光触媒層が、光触媒複合体全体に対して、ジルコニウム化合物を、酸化物に換算して5〜40重量%含有することを特徴とする(8)〜(16)のいずれかに記載の光触媒担持構造体、
(18)前記光触媒層が、光触媒複合体全体に対して、アルミニウム化合物を、酸化物に換算して20〜90重量%含有することを特徴とする(8)〜(17)のいずれかに記載の光触媒担持構造体、
(19)前記接着層の厚さが、0.1〜200μmであることを特徴とする(6)〜(18)のいずれかに記載の光触媒担持構造体、
(20)前記光触媒層の厚さが、0.1〜200μmであることを特徴とする(6)〜(19)のいずれかに記載の光触媒担持構造体、
(21)前記接着層と光触媒層とを合計した、波長550nmの光の全光線透過率が70%以上であることを特徴とする(6)〜(20)のいずれかに記載の光触媒担持構造体。
(22)紫外線強度3mW/cm のブラックライトの光を、温度40℃、相対湿度90%のもとで500時間照射した後の、JIS K5400の碁盤目テープ法による付着性の評価点数が、6点以上であることを特徴とする(6)〜(21)のいずれかに記載の光触媒担持構造体、を提供する。

本発明の接着層形成用組成物によれば、優れた層間密着性と耐候性を有する接着層を形成することができる。
本発明の光触媒担持構造体は、接着層により光触媒が担体に強固に接着されており、光触媒活性が非常に高く、しかも光触媒作用により担体が劣化したり、光触媒が脱離したりすることがない。
本発明の光触媒担持構造体は耐候性に優れているため、高温多湿の環境下や屋外の環境下でも長期間使用することができる。
以下、本発明を、1)接着層形成用組成物と2)光触媒担持構造体に項分けして詳細に説明する。
1)接着層形成用組成物
本発明の接着層形成用組成物は、担体と光触媒層とを接着する接着層形成用組成物であって、(a)シリコン変性樹脂及び/又は(b)前記式(1)で表される化合物の重縮合反応生成物を含有する樹脂、並びにシランカップリング剤を含有してなり、Siの総含有量が、SiOに換算して接着層の全固形分に対して55〜95重量%であることを特徴とする。
(a)シリコン変性樹脂
シリコン変性樹脂としては、シリコンを含有する樹脂であれば特に制約はない。
樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
シリコンを樹脂に導入する方法としては特に制約はなく、エステル交換反応、シリコンマクロマーや反応性シリコンモノマーを用いたグラフト反応、ヒドロシリル化反応、ブロック共重合法等が挙げられる。
シリコン変性樹脂としては、アクリルシリコン樹脂、エポキシシリコン樹脂、ポリエステルシリコン樹脂、アルキドシリコン樹脂、ウレタンシリコン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、アクリルシリコン樹脂、エポキシシリコン樹脂、ポリエステルシリコン樹脂が好ましく、成膜性、強靭性、担体との密着性の点から、アクリルシリコン樹脂がより好ましい。これらの樹脂は、溶液状であってもエマルジョンタイプであってもどちらでも使用できる。また、架橋剤等の添加物が含まれていてもよい。
(b)前記式(1)で表される化合物の重縮合反応生成物を含有する樹脂
前記式(1)中、Rは、(アミノ基、カルボキシル基又は塩素原子で置換されていてもよい)炭素数1〜8のアルキル基を表す。
具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、アミノメチル基、アミノエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、クロロメチル基、クロロエチル基、クロロプロピル基等が挙げられる。
は、アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表す。
具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の炭素数1〜8のアルキル基;メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、プロポキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基等のアルコキシ基で置換された炭素数1〜8のアルキル基等が挙げられる。
は0〜2の整数を表し、n及びnは0〜の整数を表し、nは2〜4の整数を表し、かつn+n+n+n=4である。
前記式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」という。)の具体例としては、Si(OCH、Si(OC、Si(OC、Si(OC、Si(OC11、Si(OC13、SiCH(OCH、SiCH(OC、SiCH(OC、SiCH(OC、SiCH(OC、SiCl(OCH、SiCl(OC、SiCl(OC、SiCl(OC、SiCl(OC13、SiCl(OH)(OCH、SiCl(OH)(OC、SiCl(OH)(OC、SiCl(OH)(OC、SiCl(OCH、SiCl(OC等が挙げられる。
化合物(1)の重縮合反応生成物としては、接着性の観点から、炭素数1〜5のアルコキシ基を少なくとも1個有するシリコンアルコキシドの重縮合反応生成物であるのが好ましく、炭素数1〜5のアルコキシ基を少なくとも1個有するシリコンアルコキシドの加水分解物あるいは該加水分解物から生成されるものであるのが好ましい。
化合物(1)の重縮合反応生成物(加水分解物あるいは該加水分解物から生成されるもの)を含有させる樹脂としては特に制約はなく、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂等が挙げられる。これらの中でも、耐久性、耐アルカリ性の観点から、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂又はこれらの混合樹脂が好ましい。
化合物(1)の重縮合反応生成物(加水分解物あるいは該加水分解物から生成されるもの)を樹脂に含有させる方法としては特に制約はない。具体的には、(i)化合物(1)をモノマーの状態で樹脂溶液と混合し、接着層形成時に空気中の水分で加水分解させる方法、(ii)予め化合物(1)の部分加水分解物を樹脂と混合し、更に、接着層形成時に空気中の水分で加水分解する方法等が挙げられる。
また、化合物(1)の加水分解速度を調整するために、酸や塩基触媒を少量添加してもよい。
化合物(1)の重縮合反応生成物の粒子径は10nm以下が望ましい。粒子径が10nmを越えるものであると、分散性が悪くなり、接着層の透光性が低下するため接着層と光触媒層の合計の波長550nmの全光線透過率は70%未満となる場合がある。
(シランカップリング剤)
本発明において用いるシランカップリン剤は、無機物と反応する加水分解基と有機物と反応する官能基を一分子中に持った有機ケイ素化合物である。
シランカップリング剤としては、式:RSi(X)で表される化合物又は式:(R)Si(X)で表される化合物が挙げられる。
前記式中、Rは有機性官能基を表す。有機性官能基としては、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル基、γ−クロロプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、γ−アミノプロピル基、γ−アクリロキシプロピル基等のγ−置換プロピル基;等が挙げられる。
Xは、塩素原子又はアルコキシ基を表す。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、β−メトキシエトキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基が挙げられる。
シランカップリング剤の具体例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
これらのシランカップリング剤は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが商品名:NUCA−187として、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが商品名:NUCA189として、3−アミノプロピルトリエトキシシランが商品名:NUCA1100として、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランが商品名:NUCA1160として、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランが商品名:NUCA1120として、いずれも日本ユニカー(株)から市販されている。
シランカップリング剤の配合量は、(a)シリコン変性樹脂及び/又は(b)シリコンアルコキシド(1)の重縮合反応生成物を含有する樹脂(以下、「シリコン変性樹脂等」という。)に対して、1〜10重量%であるのが好ましい。
本発明の接着層形成用組成物のSiの総含有量は、SiOに換算して接着層の全固形分に対して55〜95重量%である。Siの含有量をこの範囲に設定することで、光触媒層及び担体との接着性が良好な接着層が得られ、この接着層を用いると耐候性の優れた光触媒担持構造体を得ることができる。
本発明の接着層形成用組成物は、前記シリコン変性樹脂等の溶媒溶液に、所定量のシランカップリング剤を添加・混合して調製することができる。
用いる有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル,酢酸ブチル、乳酸メチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;水;及びこれらの溶媒の2種以上からなる混合溶媒;等が挙げられる。
なお、接着層形成用組成物を調製するにあたっては、前記シリコン変性樹脂等の溶媒溶液に、所定量のシランカップリング剤を添加・混合して得られる溶液を適当な濃度に濃縮したり、適当な溶媒で希釈することで、固形分濃度を調整することもできる。
また、接着層形成用組成物には光触媒作用による劣化を抑える目的で、光安定化剤及び/又は紫外線吸収剤をさらに添加することができる。
光安定化剤としては、ヒンダードアミン系光安定化剤が挙げられる、紫外線吸収剤としては、トリアゾール系紫外線吸収剤等が挙げられる。
光安定化剤及び/又は紫外線吸収剤の添加量は、用いる樹脂に対して、0.005重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%である。
このようにして得られる接着層形成用組成物を用いることにより、優れた層間密着性と耐候性を有する接着層を形成することができる。
2)光触媒担持構造体
本発明の光触媒担持構造体は、担体と、該担体上に形成された接着層と、該接着層上に形成された光触媒層とを有する光触媒担持構造体であって、前記接着層が、本発明の接着層形成用組成物から形成されたものであることを特徴とする。
(1)担体
本発明に用いる担体としては、接着剤層を介して光触媒を担持可能な材質のものであれば特に限定されない。例えば、セラミックス、無機質材料の他、熱をかけられない有機高分子体、熱や水等により酸化腐食し易い金属等からなるものであってもよい。
担体の形状としては、特に制限されず、フィルム状、シート状、板状、管状、繊維状、網状等どのような複雑な形状のものであってもよい。
担体の厚みは、特に制限されないが、光触媒層を強固に担持することができるためには、10μm以上であるのが好ましい。
また、本発明においては、担体と接着層との密着性を良くするために、表面が放電処理やプライマー処理等の易接着処理が施された担体を使用することもできる。
(2)接着層
接着層は、担体を光触媒作用による劣化から保護し、光触媒層を担体に強固に固定する役目を有する。本発明において用いる接着層は、本発明の接着層形成用組成物から形成される。
接着層を担体上に形成する方法としては、本発明の接着層形成用組成物を印刷法、シート成形法、スプレー吹き付け法、ディップコーティング法、スピンコーティング法等でコート、乾燥、硬化させる方法が挙げられる。
乾燥温度は、溶媒や樹脂の種類によっても異なるが、一般的に50℃〜300℃程度が好ましい。
接着層の厚みは、特に制限されないが、光触媒層との良好な接着を得るためには0.1〜200μmであるのが好ましく、1〜50μmであるのがより好ましい。接着層の厚みが0.1μm以下であると、光触媒層を強固に接着させる働きが弱くなる。一方、厚みが200μm以上の場合は特に問題はないものの、実際の塗布加工を考慮すると200μm以上にするメリットは少ない。
(3)光触媒層
本発明の光触媒担持構造体の光触媒層は、少なくとも光触媒を含み、光触媒活性を示すものであれば、その構成成分は特に制約されないが、光触媒及びシリカを含有する光触媒複合体からなるものが好ましく、光触媒、シリカ、並びにジルコニウム化合物およびアルミニウム化合物から選ばれる少なくとも1種を含有する光触媒複合体からなるものがより好ましい。
光触媒は、乾燥・硬化したときに接着層と固着して光触媒活性を示すものであれば特に制約はない。
光触媒としては、具体的にはTiO、ZnO、SrTiO、CdS、GaP、InP、GaAs、BaTiO、KNbO、Fe、Ta、WO、SnO、Bi、NiO、CuO、SiC、SiO、MoS、InPb、RuO、CeO等が挙げられる。
これらの光触媒には、Pt、Rh、RuO、Nb、Cu、Sn、Ni、Fe等の金属もしくはこれらの金属の金属酸化物を添加してもよい。
これらの中でも、耐久性、コスト、光触媒活性の観点から、酸化チタン(TiO)を主成分とするものが好ましく、アナターゼ型酸化チタンが特に好ましい。
また、太陽光のような紫外線を多く含む光で触媒活性を示す酸化チタンのみならず、貴金属をドープ等して紫外線の少ない室内光においても触媒活性を示す酸化チタンを用いることができる。
光触媒は、粉末状、ゾル状、溶液状等いずれであってもよいが、ゾル状であって平均粒子径が50nm以下、好ましくは20nm以下のものは、光触媒層の透明性が向上し直線透過率が高くなるため、透明性を要求されるガラス基板やプラスチック成形体に塗布する場合に好ましい。
平均粒子径が50nm以上では直線透過率が減少し、ヘイズ率が高くなる。ここで、ヘイズ率は、関係式:ヘイズ率=(全光透過率−直線透過率)/全光透過率で求められる値である。例えば、トイレの窓ガラスは、トイレ内を明るくするために全光透過率の高いもので、かつ、内部がはっきりと見えないようにヘイズ率が高いものである必要がある。
前記光触媒複合体中の光触媒の含有量は、光触媒複合体全体に対して、酸化物に換算して5重量%〜60重量%が好ましい。5重量%未満になると光触媒活性が著しく低下する。一方、60重量%を越える場合には光触媒活性は高くなるものの、接着層との接着性が乏しくなる。
シリカとしては、球状コロイダルシリカ粒子が細長い鎖状に結合してなる鎖状コロイダルシリカ粒子であるのが好ましい。その形状は、球状コロイダルシリカ粒子をパールネックレスのパールにみたてると、パールネックレスの一部のような形状である。具体的には、球状コロイダルシリカ粒子を3個以上、好ましくは5個以上、更に好ましくは7個以上連結したものを例示することができる。
球状コロイダルシリカ粒子一つ一つの形状は明確である必要はなく、部分的に筒状に連続して細長い形状をしているものでもよい。また、球状コロイダルシリカ粒子は結合していなくてもよく、全体として細長い鎖状であればよい。
球状コロイダルシリカ粒子の粒子径は、10〜50nmであるのが好ましい。
鎖状コロイダルシリカ粒子の長さは、50〜400nmであるのが好ましく、太さが10〜50nmであるのが好ましく、全体にわたって太さが均一なものが好ましい。また、鎖状コロイダルシリカ粒子の細長い形状は、ある球状コロイダルシリカ粒子を起点に2次元方向に伸長しているのが好ましい。また、全体として細長い形状であれば、分岐構造を有するものでも構わない。
以上のような特性を有する鎖状コロイダルシリカ粒子として、具体的には、動的光散乱法による測定粒子径(D1)が40〜300nmであり、D1と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)の比(D1/D2)が5以上であって、電子顕微鏡観察による5〜20nmの範囲内の一様な太さで一平面内のみの伸長を有する非晶質コロイダルシリカ粒子を例示することができる。
このような鎖状コロイダルシリカ粒子が分散したゾルの製造方法として、特開平1−317115号公報、特開平7−118008号公報に記載されている方法を例示することができる。
シリカの含有量は特に制限されないが、光触媒複合体全体に対して、5〜50重量%であるのが好ましい。
本発明に用いられるジルコニウム化合物は、光触媒複合体の耐アルカリ性を向上させる目的で添加される。
ジルコニウム化合物としては、ジルコニウムの、酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、硝酸塩、オキシ硝酸塩、炭酸塩、オキシ炭酸塩、蓚酸塩、オキシ蓚酸塩、酢酸塩、オキシ酢酸塩、炭素数1〜6のアルコキシド、及び炭素数1〜6のアルコキシドの加水分解生成物からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物が挙げられる。これらの中でも、ジルコニウムの、酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、オキシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド及び該アルコキシドの加水分解生成物からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物が好ましい。
ジルコニウムの化合物の好ましい具体例としては、酸化ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、水和酸化ジルコニウム、オキシ水酸化ジルコニウム、水和硝酸ジルコニウム、水和オキシ塩化ジルコニウム、蓚酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ジルコニウムジブトキシドアセチルアセトナート、ジルコニウムジブトキシドラクテート、ジルコニウムブトキシドの加水分解生成物、ジルコニウムイソプロポキシドの加水分解生成物等が挙げられる。
アルミニウムの化合物は、光触媒複合体の耐アルカリ性をさらに向上させ、ヘイズ率を下げる目的で添加される。
アルミニウム化合物としては、アルミニウムの、酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、硝酸塩、オキシ硝酸塩、炭酸塩、オキシ炭酸塩、蓚酸塩、オキシ蓚酸塩、酢酸塩、オキシ酢酸塩、炭素数1〜6のアルコキシド及び該アルコキシドの加水分解生成物からなる群から選ばれた1種又は2種以上の混合物が挙げられる。これらの中でも、アルミニウムの、酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、オキシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド及び該アルコキシドの加水分解生成物からなる群から選ばれた1種又は2種以上の混合物が好ましい。
アルミニウムの化合物の好ましい具体例としては、酸化アルミニウム、酸化水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水和酸化アルミニウム、ベーマイト、硝酸アルミニウム、オキシ硝酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、オキシ炭酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、オキシ蓚酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、オキシ酢酸アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムブトキシドアセチルアセトナート、アルミニウムブトキシドラクテート、アルミニウムブトキシドの加水分解生成物、アルミニウムイソプロポキシドの加水分解生成物等が挙げられる。
ジルコニウム化合物及びアルミニウム化合物はゾルの形で用いるのが好ましい。ゾルの形で用いる場合には、安定化のために光触媒複合体中に酸やアルカリの解膠剤を添加してもよい。また、接着性や操作性を良くする目的で、光触媒に対して5重量%以下の界面活性剤等を添加することもできる。
ジルコニウム化合物又はアルミニウム化合物のゾルは、平均粒子径が2nm〜50nm、好ましくは2nm〜20nmであるのが好ましい。
この範囲の粒子径のものを使用すると、光触媒層の透明性が向上し、直線透過率が高くなるため、特に透明性を要求されるガラス基板やプラスチック成形体に塗布する場合に好ましい。透明な光触媒層は、下地の担体に色や模様が印刷されたものの場合に、下地の色や柄を損なうことがなく好ましい。平均粒子径が50nm以上のものを用いると、直線透過率が減少し、ヘイズ率が高くなる。
前記光触媒複合体中のジルコニウム化合物又はアルミニウム化合物は、150℃で乾燥後の比表面積が100m/g以上の多孔質ゲルであるのが好ましい。多孔質ゲルは吸着性を有しており、光触媒活性を高める効果を有する。
前記光触媒複合体中のジルコニウム化合物の含有量は、光触媒複合体全体に対して、酸化物に換算して5〜40重量%であるのが好ましい。5重量%未満では得られる光触媒層の耐アルカリ性に乏しくなる。一方、40重量%を越えると得られる光触媒層の透明性が悪くなる。
前記光触媒複合体中のアルミニウム化合物の含有量は、光触媒複合体全体に対して、酸化物に換算して20〜90重量%であるのが好ましい。20重量%未満では得られる光触媒層のヘイズ率の上昇を抑制する効果及び耐アルカリ性を高める効果に乏しくなる。一方、添加量が90重量%を越えると光触媒活性が低下する。
前記光触媒複合体中のジルコニウム化合物及びアルミニウム化合物の総含有量は、これらの酸化物に換算して40〜95重量%であるのが好ましい。40重量%未満では光触媒層と接着層との接着が不十分となる。一方、95重量%を越えると、添加できる光触媒の量が減少するため光触媒活性の低下が著しい。
光触媒層は、光触媒層形成用組成物を担体上に形成された接着層上に塗布し、乾燥・硬化することにより形成することができる。
光触媒層形成用組成物は、例えば、前記光触媒、鎖状コロイダルシリカ粒子、ジルコニウム化合物及び/又はアルミニウム化合物等を溶媒中に均一に懸濁又は分散させて製造することができる。
具体的には、(a)光触媒、鎖状コロイダルシリカゾル、ジルコニウム化合物及び/又はアルミニウム化合物のゾル溶液を混合する方法、(b)ジルコニウム化合物及び/又はアルミニウム化合物のゾルの前駆体溶液に、光触媒と鎖状コロイダルシリカゾルを混合する方法、(c)ジルコニウム化合物及び/又はアルミニウム化合物のゾルの前駆体溶液中に、光触媒粒子又はゾル、及び鎖状コロイダルシリカゾル等を分散し、塗布する際に加水分解又は中和分解してゾル化させる方法等によって製造することができる。
用いる溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジエチルエーテル、メチルセルソルブ、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素;等を挙げることができる。
これらは1種単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、水−アルコール系溶媒の使用が特に好ましい。
光触媒層形成用組成物に含まれる各成分量は、組成物全体に対して、固形分として酸化物換算で、球状コロイダルシリカ粒子が細長い形状に結合した鎖状コロイダルシリカ粒子が分散したシリカゾルが0.3〜5重量%、光触媒粒子及び/又はゾルを固形分として0.3〜6重量%、ジルコニウム化合物が0.3〜5重量%、アルミニウム化合物が1〜9重量%であるのがそれぞれ好ましい。
前記光触媒層形成用組成物を接着層表面に塗布する方法としては、印刷法、シート成形法、スプレー吹き付け法、ディップコーティング法、スピンコーティング法等が挙げられる。
乾燥・硬化する温度は、担体材質及び接着層中の樹脂材質によるが、通常50℃〜300℃である。
光触媒層の厚みは特に制限されないが、0.1μm〜20μmであるのが好ましい。光触媒層の厚みは厚い方が光触媒活性は高くなるが、20μmを越えると光触媒活性は飽和し、塗布加工が困難となる場合が多く、また光触媒層の光透過率が低下する。一方、光触媒層の厚さが0.1μm未満になると、透光性は良くなるものの、光触媒が利用する紫外線をも透過してしまうために高い活性は望めない。
以上のようにして得られる本発明の光触媒担持構造体は、前記接着層と光触媒層とを合計した、波長550nmの光の全光線透過率が70%以上である。
また、紫外線強度3mW/cmのブラックライトの光を、温度40℃、相対湿度90%の下で500時間照射した後でのJIS K5400に規定された碁盤目テープ法による付着性の評価点数が、6点以上である。
例えば、光触媒層の厚さを0.1μm〜20μmとし、平均粒子が50nm以下の光触媒粒子、及びアルミニウムの酸化物もしくは水酸化物のゲルを用いることにより、光触媒層と接着層の合計の波長550nmの全光線透過率は80%以上で、ヘイズ率が2%以下のものを得ることができる。かかる光触媒担持構造体は、透明な担体を用いる場合、透過した可視光線を照明として利用でき、また担体が不透明な場合でも、担体上の色や柄を損なうことがないので装飾性の上でも優れたものとなる。
本発明の光触媒担持構造体は、建築用資材、壁紙、窓ガラス、ブラインド、カーテン、カーペット、照明器具、照明灯、道路灯、トンネル照明灯、高速道や新幹線の遮音壁、ブラックライト、船底・漁網防汚資材、水処理用充填剤、農ビフィルム、防草シート、包装資材等に使用できる。特に高温多湿の環境下や屋外の環境下で使用される場合に、その優れた耐候性や透明性などの特性を発揮する。
次に、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものでない。
1)光触媒担持構造体の製造
下記のようにして、第1表に示すような構成を有する実施例1〜7、および比較例1の光触媒担持構造体を製造した。
(1)担体
(TA)ソーダライムガラス板を用いた。
(2)接着層
・シリコン変性樹脂等(PS−1、PS−2)を樹脂溶液(J−1、J−2)に含有させたものを用いた。
(PS−1)コルコート製ポリエトキシシロキサン商品名エチルシリケート40
(PS−2)コルコート製ポリメトキシシロキサン商品名メチルシリケート56
(J−1)シリコン含有量3重量%のアクリルシリコン樹脂キシレン溶液
(J−2)シリコン含有量10重量%のアクリルシリコン樹脂のキシレンイソプロパノール溶液
なお、シリコン含有量は樹脂固形分中のSiOに換算して表示した。
・シランカップリング剤としては次のものを使用した。
(SC−1)シランカップリング剤(日本ユニカー(株)製、A−1120)
シリコン変性樹脂等樹脂溶液を混合し、濃度調整し、シランカップリング剤を3重量%添加混合して接着層形成用組成物を得た。接着層は、担体上に接着層塗布液をディッピング法で塗布し、120℃で乾燥することにより、厚み2μmで形成した。
(3)光触媒層
光触媒は次のものを使用した。
(T−1)硝酸酸性酸化チタンゾル(結晶粒子径8nm)
シリカゾルは次のものを使用した。
(S−1)ネックレス状コロイダルシリカ(日産化学(株)製、スノーテックスPS)
アルミニウム化合物は次のものを使用した。
(A−1)酸化水酸化アルミニウム(ベーマイト)微粒子(川研ファインケミカル(株)製、アルミゾル10)
ジルコニウム化合物は次のものを使用した。
(Z−1)オキシ硝酸ジルコニウム6水和物(和光純薬(株)製、試薬特級)を水に溶解して10%水溶液とした後、12時間加熱して半量の水を常圧で留去して得られた液をオキシ硝酸ジルコニウム液として使用した。
上記光触媒、シリカゾル、アルミニウム化合物及びジルコニウム化合物を、pH1.5〜9の適当な範囲に調製して混合し、所定量の界面活性剤を加えて光触媒複合体溶液(光触媒層形成用組成物)を得た。
得られた光触媒複合体溶液をディッピング法で、上記接着層上に塗工形成した。光触媒層は、接着層を乾燥するのと同じ温度で乾燥して、厚み1μmで形成した。
Figure 0004884646
2)光触媒担持構造体の性能試験
上記1)で得られた光触媒担持構造体を用いて、以下の性能試験を行った。
(1)光触媒活性の評価試験
上記1)で得られた光触媒担持構造体を、大きさ70mm×70mmに切り出し、試料として用いた。
各試料を容量4リットルのパイレックス(登録商標)製ガラス容器中に設置した。この容器中に空気とアルデヒドの混合ガスを、アルデヒド濃度が200ppmとなるように加えた。次いで、試料に紫外線強度2mW/cmのブラックライト(FL15BLB、東芝ライテック製)の光を3時間照射後、容器内部のアルデヒドガス濃度をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、優れた光触媒活性を有していた。
(2)ヘイズ率の測定
接着層及び光触媒層を担持する前の担体をリファレンスとして、各試料の、波長550nmの全光線透過率、及びヘイズ率を自記分光光度計(日立製作所(株)製U−4000型)で測定した。測定結果を下記第2表に示す。
(3)テープ剥離試験
各試料表面に、切り傷によって2mmの間隔で25個のマス目を形成し、JIS K5400に規定する碁盤目テープ法試験により付着性の評価を行った。剥離しなかったものを○、少しでも剥離したものを×として評価した。評価結果を下記第2表に示す。
(4)指摩擦試験
試料表面を、指で摩擦し、剥離しなかったものを○、少しでも剥離したものを×として評価した。評価結果を下記第2表に示す。
(5)耐久性試験
試料表面に、ブラックライトで紫外線強度3mW/cmの光を、温度40℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽内で1500時間照射後、テープ剥離試験及び指摩擦試験をして、耐久性の評価とした。評価結果を下記第2表に示す。
Figure 0004884646
第2表より、実施例1〜7の光触媒担持構造体は、促進耐候性試験においても、優れた耐久性を有していた。それに比して、シランカップリング剤を添加しているが、Si含有量が、SiOに換算して55重量%未満である接着層形成用組成物から形成された接着層を有する比較例1の光触媒担持構造体は、促進耐候性試験の結果、耐候性に劣る結果であった。

Claims (22)

  1. 担体と光触媒層とを接着する接着層形成用組成物であって、
    (a)シリコン変性樹脂、及び
    (b)式(1)
    Figure 0004884646
    〔式中、Rは、(アミノ基、カルボキシル基または塩素原子で置換されていてもよい)炭素数1〜8のアルキル基を表し、Rは、アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表し、nは0〜2の整数を表し、n及びnはそれぞれ独立して0または1を表し、nは2〜4の整数を表し、かつn+n+n+n=4である。〕で表される化合物の重縮合反応生成物、並びにシランカップリング剤を含有してなり、Siの総含有量が、SiOに換算して接着層の全固形分に対して55〜95重量%であることを特徴とする接着層形成用組成物。
  2. 前記接着層形成用組成物が、シランカップリング剤を、(a)シリコン変性樹脂及び(b)式(1)
    Figure 0004884646
    (式中、R、R、n〜nは前記と同じ意味を表す。)で表される化合物の重縮合反応生成物に対して、1〜10重量%含有してなることを特徴とする請求項1記載の接着層形成用組成物。
  3. 前記式(1)で表される化合物が、Si(OCH、Si(OC、Si(OC、Si(OC、Si(OC11、Si(OC13、SiCH(OCH、SiCH(OC、SiCH(OC、SiCH(OC、SiCH(OC、SiCl(OCH、SiCl(OC、SiCl(OC、SiCl(OC、SiCl(OC13、SiCl(OH)(OCH、SiCl(OH)(OC、SiCl(OH)(OC、SiCl(OH)(OC、SiCl(OCH、及びSiCl(OCからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の接着層形成用組成物。
  4. 前記シリコン変性樹脂が、アクリルシリコン樹脂であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の接着層形成用組成物。
  5. 前記式(1)で表される化合物の重縮合反応生成物が、炭素数1〜5のアルコキシ基を少なくとも1個有するシリコンアルコキシドの重縮合反応生成物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の接着層形成用組成物。
  6. 担体と、該担体上に形成された接着層と、該接着層上に形成された光触媒層とを有する光触媒担持構造体であって、前記接着層が、請求項1〜5のいずれかに記載の接着層形成用組成物から形成されたものであることを特徴とする光触媒担持構造体。
  7. 前記光触媒層が、光触媒及びシリカを含有する光触媒複合体からなることを特徴とする請求項6に記載の光触媒担持構造体。
  8. 前記光触媒層が、光触媒、シリカ、並びにジルコニウム化合物およびアルミニウム化合物から選ばれる少なくとも1種を含有する光触媒複合体からなることを特徴とする請求項6または7に記載の光触媒担持構造体。
  9. 前記シリカが、球状コロイダルシリカ粒子が細長い鎖状に結合してなる鎖状コロイダルシリカ粒子であることを特徴とする請求項7または8に記載の光触媒担持構造体。
  10. 前記球状コロイダルシリカ粒子が、粒子径が10〜50nmである球状コロイダルシリカ粒子であることを特徴とする請求項9に記載の光触媒担持構造体。
  11. 前記鎖状コロイダルシリカ粒子が、長さ50〜400nmの鎖状コロイダルシリカ粒子であることを特徴とする請求項9または10に記載の光触媒担持構造体。
  12. 前記鎖状コロイダルシリカ粒子が、動的光散乱法による測定粒子径(D1)が40〜300nmであり、D1と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)の比(D1/D2)が5以上であって、電子顕微鏡観察による5〜20nmの範囲内の一様な太さで一平面内のみの伸長を有する非晶質コロイダルシリカ粒子であることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の光触媒担持構造体。
  13. 前記ジルコニウム化合物が、ジルコニウムの、酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、オキシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド及び該アルコキシドの加水分解物からなる群から選ばれる1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項8に記載の光触媒担持構造体。
  14. 前記アルミニウム化合物が、アルミニウムの、酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、オキシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド及び該アルコキシドの加水分解物からなる群から選ばれる1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項8または13に記載の光触媒担持構造体。
  15. 前記ジルコニウム化合物および/またはアルミニウム化合物が、150℃で乾燥後の比表面積が100m/g以上の多孔質ゲルであることを特徴とする請求項8、13または14に記載の光触媒担持構造体。
  16. 前記光触媒層が、光触媒複合体全体に対して、シリカを5〜50重量%、光触媒を5〜60重量%含有する層であることを特徴とする請求項7〜15のいずれかに記載の光触媒担持構造体。
  17. 前記光触媒層が、光触媒複合体全体に対して、ジルコニウム化合物を、酸化物に換算して5〜40重量%含有することを特徴とする請求項8〜16のいずれかに記載の光触媒担持構造体。
  18. 前記光触媒層が、光触媒複合体全体に対して、アルミニウム化合物を、酸化物に換算して20〜90重量%含有することを特徴とする請求項8〜17のいずれかに記載の光触媒担持構造体。
  19. 前記接着層の厚さが、0.1〜200μmであることを特徴とする請求項6〜18のいずれかに記載の光触媒担持構造体。
  20. 前記光触媒層の厚さが、0.1〜200μmであることを特徴とする請求項6〜19のいずれかに記載の光触媒担持構造体。
  21. 前記接着層と光触媒層とを合計した、波長550nmの光の全光線透過率が70%以上であることを特徴とする請求項6〜20のいずれかに記載の光触媒担持構造体。
  22. 紫外線強度3mW/cmのブラックライトの光を、温度40℃、相対湿度90%のもとで500時間照射した後の、JIS K5400の碁盤目テープ法による付着性の評価点数が、6点以上であることを特徴とする請求項6〜21のいずれかに記載の光触媒担持構造体。
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