JP4693949B2 - 光触媒層形成用塗布液、光触媒複合体および光触媒構造体 - Google Patents

光触媒層形成用塗布液、光触媒複合体および光触媒構造体 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、浄水、脱臭、防汚、殺菌、排水処理、藻の成育抑制、及び各種化学反応等に用いられる光触媒を担持した構造体、特に耐アルカリ性に優れた屋外環境下でも十分な耐久性を有する光触媒複合体、光触媒層形成用塗布液及び光触媒担持構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光触媒の作用により抗菌、防黴性や有害物質の分解を意図して、光触媒を担体上に担持させてなる光触媒担持構造体が知られている。かかる光触媒担持構造体は、通常担体表面に光触媒成分を含有する光触媒層形成用塗布液を塗布、硬化させることにより光触媒層を形成することにより製造されている。
【0003】
光触媒層形成用塗布液は、二酸化チタン等の金属酸化物からなる光触媒成分及びバインダー樹脂を必須成分として含んでいるが、それ以外にも目的、用途に応じて種々のものが添加される場合がある。
【0004】
例えば、特開平9−40872号公報には、光触媒層の層間密着性を高めるために、酸化チタン及び水性溶媒の他に加水分解可能な有機金属化合物を添加せしめた組成物が記載されている。そして、加水分解可能な有機金属化合物として、リチウム、マグネシウム、アルミニウム等の金属アルコキシドが用いられている。
【0005】
また、特開平9−226040号公報には、複合材が光酸化劣化するのを防止し、表面を超親水化可能とするために、光半導体に加えて光酸化還元反応を阻害する物質を添加した光触媒層を有する複合材が記載されている。そして、該光酸化還元反応を阻害する物質として、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミナ、ジルコニア、シリカ、酸化アンチモン、無定型酸化チタン、アルミニウム、マンガンからなる群から選ばれる1種以上の物質が用いられている。
【0006】
特開平9−241037号公報には、基材表面上にチタニアを含む金属酸化物と、P2O5、B2O3、ベーマイト、γ―Al2O3及びSi2−Al2O3系酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物とからなる被膜を設けた防曇性膜形成基材が記載されている。この基材は防曇性が長く持続することを特徴とするものである。
【0007】
特開平9−227156号公報には、基材表面に、光半導体以外にアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、白金、パラジウム、ルテニウム、アルミナ、ジルコニア、セリア、イットリアのうちの少なくとも1種を含む層を形成した部材が記載されている。この部材は、太陽光や室内照明光等の日常よく使用されている光源によっても、表面が超親水性化されることを特徴とするものである。
【0008】
特開平9−310039号公報には、シリコン化合物を0.001〜5重量%、金属の酸化物及び/又は水酸化物のゾルを固形分として0.1〜3重量%、並びに光触媒の粉末及び/又はゾルを固形分として0.1〜30重量%含有してなる光触媒コーティング剤が記載されている。このコーティング剤は、光触媒層を形成した場合に、光触媒作用により担体が劣化したり、光触媒が脱離したりすることのないものである。
【0009】
特開平10−180118号公報には、Zr/Ti(モル比)が0.3未満となるように二酸化ジルコニウム及びジルコニウム塩のいずれか一方又は両方を添加したチタニアゾルを基材に塗布した後、300〜1000℃で焼成処理する固定化光触媒の製造方法が記載されている。この製造方法によれば、比較的安価な原料を用い、特別な設備及び操作を必要とせず、短い焼成時間で低コストに固定化光触媒を製造することができる。
【0010】
特開平10−337478号公報には、光触媒活性を高めるために、ポリビニルピロリドン、チタン化合物に加えて、ジルコニウム化合物、亜鉛化合物、珪素化合物、ハフニウム化合物、アルミニウム化合物及びホウ素化合物のうち少なくとも1種を含む酸化チタン光触媒用ゾルが記載されている。
【0011】
特開平10−216528号公報においては、バインダーとともに光触媒粒子を基体上に接着させて前記基体上に触媒膜を形成してなる光触媒体において、シリカ及び/又はジルコニアをバインダーとして用いる光触媒担持構造体が記載されている。この発明は、シリカ及び/又はジルコニアをバインダーとして用いることにより、高い光触媒活性と耐水性の皮膜を、350℃以下の低温で形成する事ができることを特徴としている。
【0012】
特開平11−146277号公報には、基板上に、シリカ及び/又はアルミナの微粒子、並びにチタニアと非晶質の金属酸化物を形成するゾル及び/又は微粒子を所定割合で含有する溶液を塗布し、400〜850℃の温度で焼成する、親水性に優れ、かつ耐久性に優れた親水性被膜形成基材及びその製造方法が記載されている。
【0013】
特開平11−179211号公報には、酸化チタン及び結晶質のチタン酸ジルコニウムを主体とし、ジルコニウムとチタンの原子%比(Zr/Ti)が0.001以上0.5以下の酸化チタン系触媒、及びチタン化合物とジルコニウム化合物との反応生成物を大気雰囲気下で焼成する酸化チタン系触媒の製造方法が記載されている。そして、酸化チタン系触媒をかかる構成とすることによって、光触媒活性を向上せしめるものである。
【0014】
特開平11−188270号公報には、複合酸化チタン微粒子と、バインダーとが、水及び/又は有機溶媒からなる溶媒に溶解又は分散してなる透明被膜形成用塗布液であって、[A]前記複合酸化チタン微粒子が、Cu,Ag,Zn,Cd,V,Bi,Cr,Mo,Mn及びFeからなる群から選ばれる1種又は2種以上の元素と、Tiとからなる複合酸化チタン微粒子であり、[B]前記バインダーが、チタン過酸化物、又はCu,Ag,Zn,Cd,Al,Zr,Si,Sn,V,Nb,Sb,Bi,Cr,Mo,W及びFeからなる群から選ばれる1種又は2種以上の元素と、Tiとからなる複合チタン過酸化物と、有機高分子化合物とからなる透明被膜形成用塗布液が記載されている。この塗布液によれば、基材との密着性が強く、より高い光触媒活性を有し、かつ透明性に優れた被膜を低温処理で形成できるものである。
【0015】
さらに特開平11−199860号公報には、全酸化物量に対し、アナターゼ型チタニア粒子を1〜75重量%、チタニアゾルを15〜85重量%、及びシリカゾル及び/又はアルミナゾルを10〜40重量%を含有する防曇性被膜形成用コーティング液が記載されている。
【0016】
以上のように、これまでにも光触媒層の光触媒活性や親水性の向上、光触媒層の形成法の簡略化、層間密着性や膜強度の向上あるいは透明性を高める目的で、光触媒を含有する被膜(層)中に光触媒以外に種々の金属化合物を添加する試みが行われてきた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、担体(基材あるいは基板)表面に光触媒を含有する被膜又は層(以下、「光触媒層」という。)を形成してなる部材(以下、「光触媒担持構造体」という。)を屋外で使用する場合、雨等によってモルタルやコンクリートから溶出した成分を含む溶液にさらされる場合がある。そして、それらの溶液はしばしば5重量%炭酸ナトリウム水溶液よりも強アルカリ溶液となる。このとき、光触媒膜層が耐アルカリ性に劣るものである場合には、部分的にあるいは全面的に担体から剥離して、十分な光触媒活性を発揮されない場合があった。
【0018】
また、光触媒層が強アルカリにさらされた場合は、その透明性が劣化することが知られている。従って、ガラスや透明プラスチックス等のような透明な担体上に光触媒膜層を形成する場合には、下地の色や模様を活かすためにも特に耐アルカリ性に優れた光触媒層を形成することが要求されている。
【0019】
さらに高温多湿の環境下で使用する場合には、例えば、JIS K5400に規定されているような5重量%炭酸ナトリウム水溶液への浸漬後でも光触媒層が剥離しない光触媒担持構造体であることが必要である。
【0020】
しかしながら、従来技術による担持体では300℃以上の高温で焼き付けたものでない限り、こうした厳しい条件を満足する高触媒活性の光触媒担持体が得られたという報告は皆無であった。また、5重量%炭酸ナトリウム水溶液よりも強アルカリである5重量%水酸化ナトリウム水溶液に耐え得るという報告もない。
【0021】
屋外環境で使用される場合の光触媒担持体が解決しなくてはならない課題として、1)5重量%水酸化ナトリウム水溶液に24時間接触させた後でも、光触媒と担体との接着性が良好であり、かつ光触媒塗膜の透明性の変化が大きくないこと、2)光触媒活性が担体上へ担持されることにより大きく低下しないこと、3)屋外の紫外線照射によって担持した光触媒による担体及び接着剤の劣化がおきず、長期にわたって接着強度を維持し耐久性を保っていることの3点が挙げられる。
【0022】
本発明はかかる実状に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、浄水、脱臭、防汚、殺菌、排水処理、藻の成育抑制、及び各種の化学反応に使用可能で、かつ耐アルカリ性が良好な光触媒を担持した構造体を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、後述する構成を有する光触媒複合体及び光触媒担持構造体を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、第1に、光触媒と、ジルコニウム化合物として、ジルコニウムの酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、オキシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド、及び該アルコキシドの加水分解生成物からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物の、ゾル又はゾル前駆体と、
アルミニウム化合物として、アルミニウムの酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、オキシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド、及び該アルコキシドの加水分解生成物からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物の、ゾル又はゾル前駆体とを混合して得られる光触媒層形成用塗布液であって、
前記塗布液全体に対して、前記ジルコニウム化合物を固形分として酸化物換算で0.5〜5重量%、前記アルミニウム化合物を固形分として酸化物換算で2〜9重量%、及び前記光触媒の粒子及び/又はゾルを固形分として0.5〜6重量%含有してなる
光触媒層形成用塗布液を提供する。
【0024】
本発明の第1においては、前記ジルコニウム化合物が、平均粒子径が2nm〜50nmのゾルであることが好ましく、前記アルミニウム化合物が、平均粒子径が2nm〜50nmのゾルであることが好ましい。
【0025】
本発明は第2に、本発明の光触媒層形成用塗布液を、50〜300℃で乾燥・硬化させて得られる光触媒複合体であって、ジルコニウム化合物を光触媒複合体全体に対して、酸化物に換算して5〜50重量%、アルミニウム化合物を光触媒複合体全体に対して、酸化物に換算して20〜90重量%、及び光触媒を光触媒全体に対して、金属酸化物に換算して5〜60重量%含有してなる光触媒複合体を提供する。
【0026】
本発明は第3に、担体表面に接着層が形成され、さらに該接着層表面に光触媒層が形成されてなる光触媒坦持構造体であって、
前記光触媒層が、前記接着層表面に、本発明の光触媒層形成用塗布液を塗付して得られる塗膜を、50〜300℃で乾燥・硬化させることにより形成されたものであって、ジルコニウム化合物を酸化物に換算して5〜50重量%、アルミニウム化合物を酸化物に換算して20〜90重量%、及び光触媒を酸化物に換算して5〜60重量%含有してなる光触媒担持構造体を提供する。
【0027】
本発明の第3においては、前記接着層が、シリコン含有量が酸化物に換算して2〜10重量%のシリコン変性樹脂、コロイダルシリカを酸化物に換算して5〜10重量%含有する樹脂、又は、一般式(I)
【0028】
【化3】
Figure 0004693949
【0029】
〔式中、Rは、(アミノ基、カルボキシル基又は塩素原子で置換されていてもよい)炭素数1〜8のアルキル基、Rは、アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表し、n、n及びnは、0、1又は2を表し、nは2から4の整数を表し、かつn+n+n+n=4である。〕で表される化合物の重縮合反応生成物であるポリシロキサンを酸化物に換算して3〜10重量%含有する樹脂からなるものが好ましく、前記コロイダルシリカを含有する樹脂がシリコン変性樹脂であることが好ましく、前記ポリシロキサンを含有する樹脂がシリコン変性樹脂であることが好ましい。
また、本発明の第3においては、前記接着層が、コロイダルシリカ及び一般式(I)
【0030】
【化4】
Figure 0004693949
【0031】
〔式中、Rは、(アミノ基、カルボキシル基又は塩素原子で置換されていてもよい)炭素数1〜8のアルキル基を表し、Rは、アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表し、n、n及びnは0、1又は2を表し、nは2から4の整数を表し、かつn+n+n+n=4である。〕で表される化合物の重縮合反応生成物であるポリシロキサンを含有するシリコン変性樹脂からなるものが好ましい。
【0032】
この場合においては、前記シリコン変性樹脂が、アクリルシリコン樹脂、エポキシシリコン樹脂、ポリエステルシリコン樹脂又はそれらの混合樹脂であることが好ましく、前記ポリシロキサンが、炭素数1〜5のアルコキシ基を有するシリコンアルコキシドの加水分解物又は該加水分解物生成物であることが好ましく、前記接着層に含まれるコロイダルシリカが、平均粒子径2nm〜50nmの微粒子であることが好ましい。
【0033】
本発明の光触媒担持構造体は、前記接着層及び光触媒層を合わせた波長550nmの全光線透過率が80%以上であるのが好ましく、紫外線強度3mW/cmのブラックライトの光を、温度40℃、相対湿度90%の下で500時間照射した後でのJISK5400に規定された碁盤目テープ法による付着性が、評価点数6点以上であるのがより好ましい。
【0034】
また、本発明の光触媒担持構造体は、紫外線強度3mW/cmのブラックライトの光を、温度40℃、相対湿度90%の下で500時間照射した後での接着層及び光触媒層を合わせた波長550nmの全光線透過率が、80%以上であるのがさらに好ましい。
【0035】
以上のような構成を有する本発明の光触媒担持構造体は、5重量%の水酸化ナトリウム水溶液に24時間接触させた後でも優れた耐久性を示し、かつ紫外線強度3mW/cmのブラックライトの光を、温度40℃、相対湿度90%の下で500時間照射した後でも、JIS K 5400の碁盤目テープ法による付着性が、評価点数6点以上を維持するような高耐久性を示す。
【0036】
さらに、本発明の光触媒構造体は、JIS K5400に規定されたサンシャインカーボンアークウェザーメーターによる促進耐候性試験において、500時間経過後でも、表面の割れ、膨れ、ヒビわれ、剥離、白亜化などがなく、付着性が碁盤目テープ法で評価点数6点以上を維持するような高耐候性を示すものも得られており、前述のような厳しい環境下でも優れた特性を発揮するものとなっている。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の光触媒複合体は、基本的には光触媒成分、ジルコニウム化合物及びアルミニウム化合物を含有してなる。
【0038】
光触媒は、粉末状、ゾル状、溶液状など、乾燥・硬化したときに接着層と固着して光触媒活性を示すものであればいずれも使用することができる。特にゾル状で平均粒子径が50nm以下、好ましくは20nm以下のものを使用する場合には、光触媒層の透明性が向上し直線透過率が高くなるため、透明性を要求されるガラス基板やプラスチック成形体に塗布する場合に好ましい。
【0039】
また、下地の担体に色や模様が印刷されたものの場合に、こうした透明な光触媒層を塗布すると下地の色や柄を損なうことがない。50nm以上では直線透過率が減少し、ヘイズ率が高くなる。ここで、ヘイズ率は、ヘイズ率=(全光透過率−直線透過率)/全光透過率という関係式で求められる値である。例えば、トイレの窓ガラスは、トイレ内が明るいように全光透過率の高いもので、かつ、内部がはっきりと見えてはいけないのでヘイズ率は低いものである必要がある。
【0040】
前記光触媒としては、例えばTiO、ZnO、SrTiO、CdS、GaP、InP、GaAs、BaTiO、KNbO、Fe、Ta、WO、SnO、Bi、NiO、CuO、SiC、SiO、MoS、InPb、RuO、CeO等、及びこれらの光触媒にPt、Rh、RuO、Nb、Cu、Sn、Ni、Fe等の金属もしくは金属酸化物を添加したものを使用することができる。これらの内、耐久性、コスト、光触媒活性を考慮すると酸化チタン(TiO)を主成分とするものが特に好ましい。
【0041】
前記光触媒複合体中の光触媒の含有量は、酸化物に換算して5重量%〜60重量%が好ましい。5重量%未満になると光触媒活性が著しく低下する。一方、60重量%を越える場合には光触媒活性は高くなるものの、接着層との接着性が乏しくなる。
【0042】
ジルコニウム化合物は光触媒複合体の耐アルカリ性を向上させる目的で添加される。用いるジルコニウム化合物としては、ジルコニウムの酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、硝酸塩、オキシ硝酸塩、炭酸塩、オキシ炭酸塩、蓚酸塩、オキシ蓚酸塩、酢酸塩、オキシ酢酸塩、炭素数1〜6のアルコキシド及び該アルコキシドの加水分解生成物からなる群から選ばれた1種又は2種以上の混合物の、ゾル又はゾルの前駆体が好ましい。
【0043】
ジルコニウムの化合物の好ましい具体例としては、酸化ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、水和酸化ジルコニウム、オキシ水酸化ジルコニウム、水和硝酸ジルコニウム、水和オキシ塩化ジルコニウム、蓚酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ジルコニウムジブトキシドアセチルアセトナート、ジルコニウムジブトキシドラクテート、ジルコニウムブトキシドの加水分解生成物、ジルコニウムイソプロポキシドの加水分解生成物を挙げることができる。
【0044】
アルミニウムの化合物は、光触媒複合体の耐アルカリ性をさらに向上させ、ヘイズ率を下げる目的で添加される。用いるアルミニウム化合物としては、アルミニウムの酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、硝酸塩、オキシ硝酸塩、炭酸塩、オキシ炭酸塩、蓚酸塩、オキシ蓚酸塩、酢酸塩、オキシ酢酸塩、炭素数1〜6のアルコキシド、及び該アルコキシドの加水分解生成物からなる群から選ばれた1種又は2種以上の混合物の、ゾル又はゾルの前駆体が好ましい。
【0045】
アルミニウムの化合物の好ましい具体例として、酸化アルミニウム、酸化水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水和酸化アルミニウム、ベーマイト、硝酸アルミニウム、オキシ硝酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、オキシ炭酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、オキシ蓚酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、オキシ酢酸アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムブトキシドアセチルアセトナート、アルミニウムブトキシドラクテート、アルミニウムブトキシドの加水分解生成物、アルミニウムイソプロポキシドの加水分解生成物等を挙げることができる。
【0046】
光触媒と共に用いられるジルコニウム化合物及びアルミニウム化合物は、平均粒子径が2nm〜50nm、好ましくは2nm〜20nmのゾルを使用するのが好ましい。このような粒子径のものを使用する場合には、光触媒層の透明性が向上し、直線透過率が高くなるため、特に透明性を要求されるガラス基板やプラスチック成形体に塗布する場合に好ましい。また、下地の担体に色や模様が印刷されたものの場合に、こうした透明な光触媒層を塗布すると下地の色や柄を損なうことがない。また、平均粒子径が50nm以上のものを用いる場合には、直線透過率が減少し、ヘイズ率が高くなる。
【0047】
前記光触媒複合体中のジルコニウム及びアルミニウムの酸化物、酸化水酸化物、水酸化物のゲルは、150℃で乾燥後の比表面積が100m/g以上の多孔質ゲルを使用するのが好ましい。多孔質ゲルは吸着性を有しており、光触媒活性を高める効果を有する。
【0048】
前記光触媒複合体中のジルコニウム化合物の含有量は、光触媒複合体全体に対して、酸化物に換算して5〜50重量%であるのが好ましい。5重量%未満では光触媒層の耐アルカリ性に乏しくなる。一方、50重量%を越えると透明性が悪くなる。
【0049】
前記光触媒複合体のアルミニウム化合物の含有量は、光触媒複合体全体に対して、酸化物に換算して20〜90重量%であるのが好ましい。20重量%未満では光触媒層のヘイズ率の上昇を抑制する効果及び耐アルカリ性を高める効果に乏しくなる。一方、添加量が90重量%を越えると光触媒活性が低下する。
【0050】
前記光触媒複合体中のジルコニウム化合物及びアルミニウム化合物の含有量は、合計でこれらの酸化合物に換算して40〜95重量%が好ましい。40重量%未満では、接着層との接着が不十分となり、95重量%を越えると、添加できる光触媒の量が減少するため光触媒活性の低下が著しい。
【0051】
またこれらの多成分ゾルに、塗膜強度を向上させる目的で、更にスズ、ニオブ、タンタルの酸化物あるいはこれらの水酸化物を含有させることもできる。その場合においては、光触媒層中のアルミニウムの酸化物、酸化水酸化物もしくは水酸化物のゾルの含有量が前記耐アルカリ性向上のために添加する含有量の範囲内であれば、極めて優れた耐アルカリ性を示すものとすることができる
【0052】
本願の第1発明は光触媒層形成用塗布液であって、塗布液全体に対して、ジルコニウム化合物を固形分として酸化物換算で0.5〜5重量%、アルミニウム化合物を固形分として酸化物換算で2〜9重量%、及び光触媒粒子及び/又はゾルを固形分として0.5〜6重量%含有してなる光触媒層形成用塗布液である。
【0053】
前記光触媒層形成用塗布液に含まれるジルコニウム化合物、アルミニウム化合物及び光触媒の具体例としては、前記光触媒複合体に含まれるジルコニウム化合物、アルミニウム化合物及び光触媒の好ましいものとして列記したものと同様なものを用いることができる。
【0054】
前記ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物及び光触媒はゾルの形で用いるのが好ましい。ゾルを使用する場合には、安定化のために光触媒塗布液中へ酸やアルカリの解膠剤を添加することもできる。またゾル懸濁液中に、接着性や操作性を良くする目的で、光触媒に対して5重量%以下の界面活性剤等を添加することもできる。
【0055】
光触媒層形成用塗布液の調製方法としては、(a)ジルコニウム及びアルミニウムの酸化物、酸化水酸化物もしくは水酸化物のゾル溶液と光触媒とを混合する方法、(b)ジルコニウムおよびアルミニウムの酸化物、酸化水酸化物もしくは水酸化物のゾルの前駆体溶液の状態で光触媒とを混合する方法、(c)ジルコニウム及びアルミニウムの酸化物、酸化水酸化物もしくは水酸化物のゾル溶液と光触媒を形成させるためのゾルや溶液と混合する方法等、光触媒層中に均一に混合される方法であれば、いずれの方法も採用できる。また、(d)ジルコニウム及びアルミニウムの酸化物、酸化水酸化物もしくは水酸化物のゾルの前駆体溶液中に、光触媒粒子又はゾルを分散し、コート時に加水分解や中和分解してゾル化させることもできる。
【0056】
用いられる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジエチルエーテル、メチルセルソルブ、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、サクサンエチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素等を挙げることができる。また、これらの2種以上を混合して用いることもできる。これらの内、水−アルコール系溶媒が特に好ましい。
【0057】
本発明に係る光触媒を担持した構造体は、光触媒層と担体の間に接着層を設けた構造を有する。光触媒層と担体との間に設けた接着層は、下地の担体を光触媒作用による劣化から保護する作用と光触媒層を担体に強固に接着させる作用を有しており、また接着層自身が光触媒作用による劣化を受けにくいという特徴をもつ。
【0058】
前記担体は、接着剤層を介して光触媒を担持可能なものであれば特に限定されない。例えば、セラミックス、無機質材料、担体材質が熱をかけられない有機高分子体や熱や水等により酸化腐食し易い金属であっても、この接着層と光触媒層を設けた構造体を得ることができる。また、担体形状としては、フィルム状、シート状、板状、管状、繊維状、網状等どのような複雑な形状のものも使用可能である。担体の大きさとしては10μm以上のものであれば強固に担持することができるので好ましい。さらに、担体と接着層との密着性を良くするために、表面を放電処理やプライマー処理等の易接着処理を施した担体を用いることができる。
【0059】
接着層の材質としては、(1)シリコン含有量が酸化物に換算して2〜10重量%の(アクリルシリコン樹脂、エポキシシリコン樹脂、ポリエステルシリコン樹脂)等のシリコン変性樹脂、(2)ポリシロキサンを酸化物に換算して3〜10重量%含有する樹脂、又は(3)コロイダルシリカを酸化物に換算して5〜10重量%含有した樹脂を使用することができる。これらの樹脂は光触媒を強固に接着し、担体を光触媒から保護するのに適当である。
【0060】
シリコン含有量が酸化物に換算して2重量%未満のアクリルシリコン樹脂等のシリコン変性樹脂やポリシロキサン含有量が酸化物に換算して3重量%未満の樹脂、コロイダルシリカ含有量が酸化物に換算して5重量%未満の樹脂では、光触媒層との接着が悪くなる。また、接着層が光触媒により劣化し、光触媒層が剥離し易くなる。シリコン含有量が酸化物に換算して10重量%を超えるアクリル−シリコン樹脂等のシリコン変性樹脂やポリシロキサン含有量が酸化物に換算して10重量%を超える樹脂、コロイダルシリカ含有量が酸化物に換算して10重量%を超える樹脂では、5重量%水酸化ナトリウム水溶液のような強アルカリに対する耐久性に劣るものとなる。
【0061】
またシリコンを導入する樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂等を例示することができる。これらの内、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂が、成膜性、強靭性、担体との密着性の点で特に好ましい。これらの樹脂は、溶液状であってもエマルジョンタイプであってもどちらでも使用できる。また、架橋剤等の添加物が含まれていてもよい。
【0062】
前記接着層の樹脂に含まれるポリシロキサンが炭素数1〜5のアルコキシ基を有するシリコンアルコキシドの加水分解物あるいは該加水分解物生成物である場合には、接着性及び耐久性がより向上した担持構造体を得ることができる。シリコンアルコキシドのアルコキシ基の炭素数が6を超えると、加水分解速度が非常に遅いので、樹脂中で硬化させるのが困難になり、接着性や耐久性が悪くなる。また、部分的に塩素を含んだシリコンアルコキシドを加水分解したポリシロキサンを使用することもできるが、塩素を多量に含有したポリシロキサンを使用する場合には、不純物の塩素イオンにより、担体が腐食されたり、接着性が低下するおそれがある。
【0063】
かかるポリシロキサンとしては、例えば、式〔I〕で表される化合物が好ましく使用できる。
【0064】
【化5】
Figure 0004693949
【0065】
ここで、Rはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、アミノメチル、アミノエチル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、クロロメチル、クロロエチル、クロロプロピル基等の(アミノ基、カルボキシル基又は塩素原子で置換されていてもよい)炭素数1〜8のアルキル基を表す。
【0066】
は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル基等の炭素数1〜8のアルキル基、又はメトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、ブトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、プロポキシエチル、メトキシプロピル、メトキシブチル基等のアルコキシ基で置換された炭素数1〜8のアルキル基を表す。またn1、n2及びn3は0、1又は2を表し、n4は2から4の整数を表し、かつn1+n2+n3+n4=4である。
【0067】
前記式〔I〕で表されるシリコンアルコキシドの好ましい具体例としては、Si(OCH,Si(OC,Si(OC,Si(OC,Si(OC11,Si(OC13,SiCH(OCH,SiCH(OC,SiCH(OC,SiCH(OC,SiCH(OC,SiCl(OCH,SiCl(OC,SiCl(OC,SiCl(OCH9),SiCl(OC13,SiCl(OH)(OCH,SiCl(OH)(OC,SiCl(OH)(OC,SiCl(OH)(OC,SiCl(OCH,SiCl(OC等を挙げることができる。
【0068】
これらシリコン変性樹脂のシリコンを導入する方法としは、エステル交換反応、シリコンマクロマーや反応性シリコンモノマーを用いたグラフト反応、ヒドロシリル化反応、ブロック共重合法等種々あるが、どのような方法で得られたものも使用できる。
【0069】
例えば、ポリシロキサンの樹脂への導入方法としては、(1)シリコンアルコキシドをモノマーの状態で樹脂溶液と混合し、接着層形成時に空気中の水分で加水分解させる方法、(2)予めシリコンアルコキシドの部分加水分解物を樹脂と混合し、更に、接着剤層形成時に空気中の水分で加水分解する方法等種々あるが、樹脂と均一に混合できる方法ならどのような方法でも良い。
【0070】
また、シリコンアルコキシドの加水分解速度を調整するために、酸や塩基触媒を少量添加してもよい。ポリシロキサンの樹脂への添加量は、担体に光触媒層を強固に接着させるためには酸化物に換算して3〜60重量%が好ましいが、耐アルカリ性の向上のためには3〜40重量%が好ましく、5重量%水酸化ナトリウム水溶液のような強アルカリに対して耐久性を持たせるには3〜10重量%が特に好ましい。
【0071】
ポリシロキサンを導入させる樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂等どのような樹脂も使用できる。これらのうち、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂又はこれらの混合樹脂は、シリコン変性樹脂とした場合、耐久性や耐アルカリ性の点で好ましい。
【0072】
接着層がコロイダルシリカを含有する場合、コロイダルシリカの粒子径は10nm以下であるのが好ましい。粒子径が10nm以上になると、接着層中の樹脂は光触媒により劣化し易くなるばかりか、光触媒層と接着層との接着も悪くなる。
【0073】
コロイダルシリカを樹脂に導入する方法としては、樹脂溶液とコロイダルシリカ溶液を混合後、塗布・乾燥して保護膜を形成する方法が最も簡便である。その他、コロイダルシリカを分散した状態で樹脂を重合させたものを使用することもできる。
【0074】
また、コロイダルシリカと樹脂との接着性および分散性を良くするために、シランカップリング剤で処理されたコロイダルシリカを用いることもできる。
【0075】
コロイダルシリカの樹脂への添加量は、担体に光触媒層を強固に接着させるためには酸化物に換算して5〜40重量%が好ましいが、耐アルカリ性の向上のためには5〜30重量%がより好ましく、5重量%水酸化ナトリウム水溶液のような強アルカリに対して耐久性を持たせるには5〜10重量%が特に好ましい。
【0076】
コロイダルシリカを導入する樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等どのような物でも使用可能である。これらの樹脂の中で、アクリル樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂が、シリコン変性樹脂とした場合に耐久性や耐アルカリ性に優れたものを得ることができるため特に好ましい。
【0077】
またコロイダルシリカは、珪酸ナトリウム水溶液を陽イオン交換することにより得られるシリカゾルであっても、シリコンアルコキシドを加水分解して得られるシリカゾルであっても、どのようなものでも使用することができる。
【0078】
さらに本発明においては、ポリシロキサン及びコロイダルシリカの両方を含有する樹脂を接着層として使用することができる。その場合、接着層中のポリシロキサンおよびコロイダルシリカの含有量の合計が酸化物に換算して前記耐アルカリ性向上を示す含有量の範囲内であれば、同様に優れた耐アルカリ性を示すものとすることができる
【0079】
接着層に使用する樹脂がコロイダルシリカを含有する樹脂若しくはポリシロキサンを含有する樹脂の場合、そのコロイダルシリカやポリシロキサンの粒子径は10nm以下が望ましい。コロイダルシリカやポリシロキサンの粒子径が10nmを越えるものであると、分散性が悪くなり、接着層の透光性が低下するため接着層と光触媒層の合計の波長550nmの全光線透過率は70%以下となる場合がある。
【0080】
なお接着層樹脂には光触媒作用による劣化を抑える目的で、光安定化剤及び/又は紫外線吸収剤をさらに添加することができる。使用することができる光安定化剤としてはヒンダードアミン系が好ましいが、その他の物でも使用可能である。紫外線吸収剤としてはトリアゾール系等が使用できる。これらの添加量は、樹脂に対して、0.005重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%である。また、接着層上をシラン系もしくはチタン系カップリング剤で処理することにより、光触媒層との接着性を高めることも好ましい。
【0081】
接着層を担体上に形成する方法としては、接着剤樹脂溶液を印刷法、シート成形法、スプレー吹き付け法、ディップコーティング法、スピンコーティング法等でコート、乾燥・硬化させる方法を例示することができる。乾燥温度は、溶媒や樹脂の種類によっても異なるが、一般的に50℃〜300℃程度が好ましい。
【0082】
接着層の厚さは、光触媒層との良好な接着を得るためには0.1μm〜20μm程度が望ましい。接着層の厚みが0.1μm以下であると、光触媒層を強固に接着させる働きが弱くなる。一方、厚みが20μm以上の場合は特に問題はないものの、実際の塗布加工を考慮すると20μm以上にするメリットは少ない。
【0083】
光触媒層は、前記光触媒層形成用塗布液を接着層表面に印刷法、シート成形法、スプレー吹き付け法、ディップコーティング法、スピンコーティング法等でコートし、乾燥・硬化させることにより形成することができる。乾燥・硬化時の好ましい温度は、担体材質及び接着層中の樹脂材質によっても異なるが、通常50℃〜300℃程度である。
【0084】
光触媒層の厚みは厚い方が光触媒活性は高くなるが、20μmを越えると光触媒活性は飽和する一方で、実際の塗布加工において困難となる場合が多く、また光触媒層の光透過率が低下するため20μm以下が好ましい。一方、光触媒の厚さが0.1μm未満になると、透光性は良くなるものの、光触媒が利用する紫外線をも透過してしまうために高い活性は望めなくなる。
【0085】
光触媒層の厚さを0.1μm以上20μm以下とし、しかも平均粒子が50nm以下の光触媒粒子、及びアルミニウムの酸化物もしくは水酸化物の、ゾル又はゾルの前駆体を用いることにより、光触媒層と接着層の合計の波長550nmの全光線透過率は80%以上で、ヘイズ率が2%以下の光触媒担持構造体を得ることができる。かかる光触媒担持構造体は、透明な担体を用いる場合、透過した可視光線を照明として利用でき、また担体が不透明な場合でも、担体上の柄を損なうことがないので装飾性の上でも優れたものとなる。
【0086】
このようにして得られる本発明の光触媒担持構造体は、5重量%水酸化ナトリウム水溶液を20℃で24時間、光触媒構造体表面に接触させた後に、目視によって観察し、接触前と比較して、塗膜の膨れ・割れ・はがれ・穴・軟化が認められず、また透明性に大きな変化は見られないものとなっている。
【0087】
本発明の光触媒を担持した構造体は、建築用塗料、壁紙、窓ガラス、ブラインド、カーテン、カーペット、照明器具、照明灯、道路灯、トンネル照明灯、高速道や新幹線の遮音壁、ブラックライト、船底・漁網防汚塗料、水処理用充填剤、農ビフィルム、防草シート、包装資材等に使用できる。特に高温多湿の環境下や屋外の環境下で使用される場合に、その優れた耐久性や耐アルカリ性などの特性を発揮する。
【0088】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
1)光触媒層形成用塗布液
(1)光触媒光触媒は次のものを使用した。
(C−1)硝酸酸性酸化チタンゾル(結晶粒子径8nm)
【0089】
(2)アルミニウム化合物
アルミニウム化合物は、次の(A1)又は(A2)のゾル溶液又は化合物液を使用した。
(A1)酸化水酸化アルミニウム(ベーマイト)微粒子(川研ファインケミカル製アルミゾル−10、結晶粒子経2〜20nm)
(A2)アルミニウムイソプロポキシドをエタノール中で加水分解し、150℃で乾燥後200℃〜350℃で加熱処理した後、稀硝酸水溶液で解膠したもので、150℃乾燥品の比表面積が50〜100m/gのもの
【0090】
(3)ジルコニウム化合物
ジルコニウム化合物は、次の(Z1)又は(Z2)のゾル溶液又は化合物液を使用した。
(Z1)オキシ硝酸ジルコニウム−1
日本曹達製ジルコニウムテトラブトキシド(TBZR)の10%エタノール溶液をジルコニウム原子の2倍モルの硝酸イオンを有する61%硝酸を添加し、該溶液の1/2量の水を添加して加水分解を完結させた後、有機分を減圧留去して得られたものをオキシ硝酸ジルコニウム液として使用した。
(Z2)オキシ硝酸ジルコニウム−2
和光純薬製試薬特級オキシ硝酸ジルコニウム6水和物を水に溶解し10%水溶液とした後、12時間加熱して1/2量の水を常圧で留去して得られた液をオキシ硝酸ジルコニウム液として使用した。
【0091】
上記ゾル溶液又は化合物液中に、酸化チタン光触媒を使用原料や添加物の種類に応じてpH1.5〜9の適当な範囲に調節して分散させ、所定量の界面活性剤を加えて光触媒層形成用塗布液を得た。
【0092】
2)光触媒担持構造体の製造
(1)担体
担体の材料として次のものを用いた。
(TA)ソーダライム製ガラス板
(TB)プライマー処理ポリエステル製フィルム
(TC)硬質塩化ビニル製シート
(TD)透明アクリル板
(TE)アルミ板
【0093】
(2)接着層
接着層中に含有するポリシロキサンは、次のものを使用した。
(PS1)信越化学製シリコンテトラメトキシドモノマー
(PS2)コルコート製ポリメトキシシロキサン商品名メチルシリケート51
(PS3)コルコート製ポリエトキシシロキサン商品名エチルシリケート40
【0094】
接着層中に含有するコロイダルシリカとして、次のものを使用した。
(KS1)触媒化成(株)製商品名カタロイドSI−350、粒子径7−9nm
(KS2)日産化学(株)製商品名スノーテックスST−XS、粒子径4−6nm
【0095】
ポリシロキサンもしくはコロイダルシリカを導入する樹脂溶液としては次のものを使用した。尚、シリコン含有量は樹脂固形分中のSiOに換算して表示した。
(J1)シリコン含有量3重量%のアクリル−シリコン樹脂キシレン溶液
(J2)シリコン含有量10重量%のアクリル−シリコン樹脂のキシレンイソプロパノール溶液
(J3)シリコン含有量3重量%のアクリル−シリコンエマルジョン樹脂水溶液
(J4)シリコン含有量3重量%のエポキシ−シリコン樹脂メチルエチルケトン溶液
(J5)シリコン含有量3重量%のポリエステル−シリコン樹脂酢酸エチル溶液
(J6)アクリルエマルジョン樹脂水溶液
【0096】
ポリシロキサンもしくはコロイダルシリカを樹脂溶液と混合、濃度調製し、接着層形成用溶液を得た。接着層は、厚さが2μm以下の時や担体形状が平板以外の時はディッピング法で、担体が平板で厚さが2μm以上の場合には、ベーカーアプリケーターにより形成した。なお、接着層の乾燥は、担体の材質が、(TD)、(TE)の場合80℃で、それ以外は120℃で行った。
【0097】
(3)光触媒層
光触媒層は、担体の厚みが2μm以下の場合や担体形状が平板以外の場合は、ディッピング法で、担体が平板で厚みが2μm以上の場合は、バーコーターを用いて、接着剤層表面に塗工形成した。光触媒層の乾燥は、接着層を乾燥するのと同じ温度で行った。
【0098】
3)光触媒担持構造体の性能試験
上記で得られた光触媒を担持した各試料を用いて、以下の性能試験を行った。
(1)光触媒活性の評価試験
大きさ70mm×70mmに切り出した光触媒を担持した試料を、容積4リットルのパイレックス製ガラス容器中に設置した。この容器中に空気とアルデヒドの混合ガスを、アルデヒド濃度が500ppmになるように加えた。次いで、担持試料に紫外線強度2mW/cmのブラックライト(FL 15BL−B 松下電器(株)製)の光を2時間照射後、容器内部のアルデヒドガス濃度をガスクロマトグラフにより測定し、その減少量より光触媒活性を評価した。
【0099】
評価基準は下記の通りである。
2時間照射後のアルデヒドガス濃度評価
50ppm以下 A
50〜200ppm B
200〜300ppm C
300〜450ppm D
450ppm以上 E
【0100】
(2)付着性評価試験
光触媒を担持した試料表面に、切り傷によって2mmの間隔で25個のます目を形成し、JISーK5400に規定する碁盤目テープ法試験により付着性の評価を行った。評価点数は、JIS−K5400に記載の基準で行った。
【0101】
(3)耐アルカリ性試験
大きさ70mm×150mmに切り出した光触媒を担持した試料表面の裏面及び表面の端部から5mmの周囲を市販のタールエポキシ塗料で塗り包み、所定条件で十分乾燥させた試験片2枚を、5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を入れたポリエチレン製ビーカーに下端から120mmまで浸漬し、室温で24時間放置した。その後試料を取り出し、付着している水酸化ナトリウム水溶液を蒸留水で十分洗浄し、脱脂綿で軽く拭き取って2時間室温で乾燥させた。
【0102】
水酸化ナトリウム水溶液と接していた箇所について、原状試験片1枚と比較して膨れ、割れ、剥がれ、ピンホール、軟化の有無を目視により観察した。試験片2枚のいずれにもこれらの異常を認めず、浸漬溶液の濁りや変色もなく、かつ耐アルカリ試験片の透明性の変化が原状試験片と比較して少ないものを耐アルカリ性合格とした。
【0103】
(4)ヘイズ率の測定
接着層及び光触媒層を担持する前の担体をリファレンスとして、担持した試料の波長550nmの全光線透過率、及びヘイズ率を自記分光光度計(日立製作所(株)製 U−4000型)で測定した。
【0104】
(5)耐久性試験
光触媒を担持した試料にブラックライトで紫外線強度3mW/cmの光を、温度40℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽内で500時間照射後、JIS K5400に規定の碁盤目テープ法による付着性を測定し、耐久性の評価とした。評価点数は、付着性評価と同じとした。
【0105】
以下の第1表に各材料の種類や量、厚さ、成膜方法等を変えた実施例及び比較例の態様を、第2表に得られた光触媒担持構造体の性能試験結果をまとめた。
【0106】
【表1】
Figure 0004693949
【0107】
【表2】
Figure 0004693949
【0108】
上記第1表及び第2表中、比較例1は、接着層を設けないで光触媒層を担持した場合である。第2表からわかるように、光触媒層の付着性がほとんど無く、簡単に剥離してしまうばかりか、耐久性試験後のポリエステルフィルムの表面は、光触媒作用により劣化し、穴や亀裂が実体顕微鏡により観察された。
【0109】
また、比較例2は、接着層中にポリシロキサンやコロイダルシリカが含まれない場合である。第2表からわかるように、耐久性試験後の光触媒層の付着性がほとんど無く、簡単に剥離してしまう。比較例3及び4は、接着層中のポリシロキサンやコロイダルシリカ量が多すぎる場合である。これらは、いずれも耐アルカリ性試験後には塗膜の大部分が消失していた。
【0110】
実施例1〜9は、接着層にアクリル−シリコン樹脂を使用し、光触媒層として(C−1)に示す酸化チタンゾルを5〜60重量%、(A1)又は(A2)に示すアルミニウム化合物ゾルを20〜90重量%、及び(Z1)又は(Z2)に示すジルコニウム化合物ゾルを5〜40重量%組成になるよう原料粉末及びゾル溶液を調製して得られる複合体を使用した例である。これらの試料は耐アルカリ性試験による評価は良好であり、耐久性、促進耐候性も良好であった。
【0111】
また、ポリシロキサンを導入した樹脂がシリコン含有量3%のアクリル−シリコン樹脂(実施例1〜4)、及びシリコン含有量10%のアクリル−シリコン樹脂(実施例5〜9)のいずれにおいても、耐アルカリ性試験による評価、耐久性、促進耐候性は良好であった。
【0112】
実施例10〜16は、接着層にポリシロキサンを含有したアクリル−シリコン樹脂を使用し、光触媒層には実施例1と同じ原料粉末を使用し、複合化するゲルを形成させるためのゾル溶液の種類と量を変えて使用したものである。これらの試料は、光触媒活性、耐アルカリ性、耐久性、促進耐候性がいずれも良好であった。
【0113】
実施例11、12は、硬質塩化ビニルシート又は透明アクリル板上に担持した例である。これらの場合にも光触媒活性、付着性、耐アルカリ性、耐久性の良好な物が得られた。
【0114】
また、接着剤層の樹脂として、ポリシロキサンを導入したエポキシ−シリコン樹脂(実施例19)やポリエステル−シリコン樹脂(実施例20)、アクリル樹脂(実施例21)を用いた場合にも良好な性能を示した。
【0115】
これに対し、比較例3に示したように、接着層にポリシロキサンを含有したアクリルシリコン樹脂を使用しても、ポリシロキサンの含有量が20重量%のものでは、耐アルカリ性試験後に塗膜の大部分が剥離消失し、耐アルカリ性に劣るものであった。
【0116】
実施例20〜30は、接着層にコロイダルシリカを含有した樹脂を使用したものであり、触媒活性、耐アルカリ性、耐久性、促進耐候性は良好であった。特に、接着剤層として、コロイダルシリカに、粒子径の微細な物(KS−2)を使用し、更に、コロイダルシリカを導入した樹脂がアクリルシリコンエマルジョン樹脂からなる場合(実施例24〜26)、非常に良好なものが得られた。
【0117】
これに対し、接着層中のコロイダルシリカの含有量が20重量%と多くした場合(比較例4)は、耐アルカリ性試験後には塗膜の大部分が消失していた。
【0118】
比較例5は、光触媒層の酸化チタンゾルの含有割合が多すぎる場合である。第2表からわかるように、耐久性試験後の光触媒層の付着性に劣っていた。
比較例6はジルコニウム化合物ゾルが含まれない場合である。この場合には、1重量%の水酸化ナトリウム水溶液を用いた耐アルカリ性試験には耐えるが、5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を用いた耐アルカリ性試験後には塗膜の大部分が消失していた。
また比較例7は、ジルコニウム化合物ゾルの割合が多すぎる場合である。この場合には、ヘイズ率が4%を超えていた。
【0119】
実施例1〜30で得られた試料で、高温高湿下のブラックライトによる耐久性試験、耐アルカリ性試験及びサンシャインカーボンアークウェザーメーター(スガ試験機(株)製、WEL−SUN−HCH型)による促進耐候性試験に掛けたものを、再度光触媒活性を初期と同様の方法によりアセトアルデヒドの光分解量により調べた。いずれの試料についても初期の光触媒活性を完全に維持していることが分かった。
【0120】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光触媒複合体は光触媒活性が非常に高く、透明性に優れるものである。
【0121】
本発明の光触媒層形成用塗布液は、保存安定性に優れ、簡便に光触媒層を形成することができる。また得られる光触媒層は、可視光を透過する透明なものも得られるので、担体の柄を損なうことがなく触媒を担持することができ、汎用樹脂や天然繊維などの幅広い担体に装飾性を損なうことがなく優れた活性を有する光触媒担持構造体を得ることができる。
【0122】
本発明の光触媒担持構造体は、光触媒が担体に強固に接着されており、光触媒活性が非常に高く、しかも光触媒作用により担体が劣化したり、光触媒が脱離したりすることがない。
【0123】
また、本発明の光触媒担持構造体は、光照射下でも長期間使用できるものである。また、耐アルカリ性試験の評価も良好で、サンシャインカーボンアークウェザーメーターによる促進耐候性試験後においても高い付着性を保っていることから、高温多湿の環境下や屋外の環境下で使用することができる。

Claims (15)

  1. 酸化チタンゾルと、ジルコニウム化合物として、ジルコニウムの酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、オキシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド、及び該アルコキシドの加水分解生成物からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物の、ゾル又はゾル前駆体と、アルミニウム化合物として、アルミニウムの酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、オキシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド、及び該アルコキシドの加水分解生成物からなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物の、ゾル又はゾル前駆体とを混合して得られる光触媒層形成用塗布液であって、前記塗布液全体に対して、前記ジルコニウム化合物を固形分として酸化物換算で0.5〜5重量%、前記アルミニウム化合物を固形分として酸化物換算で2〜9重量%、及び前記酸化チタンゾルを固形分として0.5〜6重量%含有してなる光触媒層形成用塗布液。
  2. 前記ジルコニウム化合物が、平均粒子径が2nm〜50nmのゾルである請求項1に記載の光触媒層形成用塗布液。
  3. 前記アルミニウム化合物が、平均粒子径が2nm〜50nmのゾルである請求項1又は2に記載の光触媒層形成用塗布液。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光触媒層形成用塗布液を、50〜300℃で乾燥・硬化させて得られる光触媒複合体であって、ジルコニウム化合物を光触媒複合体全体に対して、酸化物に換算して5〜50重量%、アルミニウム化合物を光触媒複合体全体に対して、酸化物に換算して20〜90重量%、及び酸化チタンを光触媒複合体全体に対して5〜60重量%含有してなる光触媒複合体。
  5. 担体表面に接着層が形成され、さらに該接着層表面に光触媒層が形成されてなる光触媒坦持構造体であって、
    前記光触媒層が、前記接着層表面に請求項1〜3のいずれかに記載の前記光触媒層形成用塗布液を塗付して得られる塗膜を、50〜300℃で乾燥・硬化させることにより形成されたものであって、ジルコニウム化合物を酸化物に換算して5〜50重量%、アルミニウム化合物を酸化物に換算して20〜90重量%、及び酸化チタンを5〜60重量%含有してなる光触媒担持構造体。
  6. 前記接着層が、シリコン含有量が酸化物に換算して2〜10重量%のシリコン変性樹脂、コロイダルシリカを酸化物に換算して5〜10重量%含有する樹脂、又は、一般式〔I〕
    Figure 0004693949
    〔式中、Rは、(アミノ基、カルボキシル基又は塩素原子で置換されていてもよい)炭素数1〜8のアルキル基、Rは、アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表し、n、n及びnは、0、1又は2を表し、nは2から4の整数を表し、かつn+n+n+n=4である。〕で表される化合物の重縮合反応生成物であるポリシロキサンを酸化物に換算して3〜10重量%含有する樹脂からなる、請求項5に記載の光触媒担持構造体。
  7. 前記ポリシロキサンを含有する樹脂がシリコン変性樹脂である請求項6に記載の光触媒担持構造体。
  8. 前記コロイダルシリカを含有する樹脂がシリコン変性樹脂である請求項6に記載の光触媒担持構造体。
  9. 前記接着層が、コロイダルシリカ及び一般式(I)
    Figure 0004693949
    〔式中、Rは、(アミノ基、カルボキシル基又は塩素原子で置換されていてもよい)炭素数1〜8のアルキル基を表し、R は、アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表し、n、n及びnは0、1又は2を表し、nは2から4の整数を表し、かつn+n+n+n=4である。〕で表される化合物の重縮合反応生成物であるポリシロキサンを含有するシリコン変性樹脂からなる請求項5に記載の光触媒担持構造体。
  10. 前記シリコン変性樹脂が、アクリルシリコン樹脂、エポキシシリコン樹脂、ポリエステルシリコン樹脂又はそれらの混合樹脂である請求項9記載の光触媒担持構造体。
  11. 前記ポリシロキサンが、炭素数1〜5のアルコキシ基を有するシリコンアルコキシドの加水分解物又は該加水分解物生成物である請求項9記載の光触媒担持構造体。
  12. 前記接着層に含まれるコロイダルシリカが、平均粒子径2nm〜50nmの微粒子である、請求項9記載の光触媒担持構造体。
  13. 前記接着層及び光触媒層を合わせた波長550nmの全光線透過率が80%以上である、請求項9に記載の光触媒担持構造体。
  14. 紫外線強度3mW/cmのブラックライトの光を、温度40℃、相対湿度90%の下で500時間照射した後でのJISK5400に規定された碁盤目テープ法による付着性が評価点数6点以上である、請求項9に記載の光触媒担持構造体。
  15. 紫外線強度3mW/cmのブラックライトの光を、温度40℃、相対湿度90%の下で500時間照射した後での接着層及び光触媒層を合わせた波長550nmの全光線透過率が80%以上である、請求項9に記載の光触媒担持構造体。
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