JP2574061C - - Google Patents

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JP2574061C
JP2574061C JP2574061C JP 2574061 C JP2574061 C JP 2574061C JP 2574061 C JP2574061 C JP 2574061C
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Matsushita Electric Works Ltd
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、有機溶液型コーティング用組成物に関し、さらには詳しくは、ス
テンレスなどの鋼板;アルミニウムなどの非鉄金属;コンクリート、スレートな
どの無機建材;またはプラスチック基材などの表面にコートし、常温放置もしく
は低温加熱処理することにより硬化可能で、硬度が高く、耐熱性、耐候性に優れ
た被膜を形成しうる有機溶液型コーティング用組成物に関する。さらに、この発
明は、高硬度かつ耐候性に優れた、コーティング用組成物の硬化層を有する、塗
装された無機質硬化体およびその製造方法に関するものである。 [従来の技術] 従来、ステンレスなどの鋼板;アルミニウムなどの非鉄金属;コンクリート、
スレートなどの無機建材;またはプラスチック基材等の表面保護を目的とした耐
久性被膜を形成しうるコーティング剤として、加水分解性オルガノシランを加水
分解もしくは部分加水分解 して得られるコーティング剤、あるいは該コーティング用組成物にコロイダルシ
リカを混合したコーティング剤が知られている。 たとえば、特開昭51−2736号公報、特開昭51−2737号公報、特開昭53−130732
号公報,特開昭63−168470号公報には、オルガノアルコキシシラン、該オルガノ
アルコキシシランの加水分解物および/またはその部分縮合物およびコロイダル
シリカとからなり、過剰の水でアルコキシ基をシラノールに変換してなるコーテ
ィング剤が提案されている。しかしながら、これらのコーティング剤により得ら
れる被膜は硬度が高く、耐候性も良く基材保護用として優れているものの、所要
の被膜特性を得るためには約100℃以上の高温もしくは長時間の加熱処理による
焼付けが必要であり、基材の成型方法や寸法、耐熱性または屋外などの場所によ
っては適用できない場合があるなどの不都合があった。また、これらのコーティ
ング用組成物はアルコキシシランの加水分解により得られるシラノールの活性が
高く、常温でも徐々にそれらの縮合反応が起こり、ゲル化し易いために安定性が
悪いという問題があった。特に、これらのコーティング用組成物をビヒクルとし
て顔料を加えて塗料化しようとするとさらに安定性が悪くなり、塗料化できない
などの欠点があった。 また、特開昭64−168号公報のように塗装直前に、アルコキシシランの部分加
水分解、部分縮合物に硬化剤と称して水と触媒とを加え、アルコキシ基をシラノ
ールに変換するコーティング剤が提案されている。しかしながら、この様にして
得られるコーティング剤は貯蔵安定性が良く、顔料を加えて塗料化しても比較的
安定であるが、所要の被膜特性を得るためには約100℃以上の高温もしくは長時
間の加熱処理による焼付けが必要であり、基材の成型方法や寸法、耐熱性または
屋外などの場所によっては適用できない。 このような欠点を解消する目的で、特開昭63−268772号公報にはケイ素アルコ
キシドを主体としたプレポリマーと硬化触媒および水からなり常温近傍で硬化す
るコーティング剤が提案されているが塗装性が悪く、コーティング剤の硬化性が
悪く、コーティング剤の硬化性が湿度に影響されやすいなどの欠点があった。 一方、耐熱塗料あるいは耐候性塗料用のビヒクルとしてシリコーンレジンが知
られている。これらの多くはシラノール基合有ポリシロキサンからなっており、
一般にこのようなシラノール基合有オルガノポリシロキサンはオルガノクロロシ
ラン類を加水分解してトルエンあるいはキシレン溶液にしている場合が多く、ま
たオルガノアルコキシシランを用いてもその加水分解物がトルエンあるいはキシ
レンに溶解するまで、シラノール基を縮合反応させている。このようにして得ら
れたシリコーンレジン溶液は顔料を練り込んで塗料にしても、その塗料の安定性
はよいものの、加熱硬化被膜を形成するのに高温で長時間処理しなければならな
いという欠点があり、さらには長時間加熱処理してもその被膜硬度を高 めるには限界があり、耐久性被膜としては不十分な特性であった。 ところで、上述したコンクリートやセメント基材等の無機質硬化体は耐熱性お
よび耐久性に優れた素材であるが、その表面を塗装しないでおくとへ水分が侵入
してしまい、また一方で、耐汚染性や耐酸性に劣るという欠点を有している。更
に未塗装の外観は多くの場合、美観を伴うものではない。 これらの問題点を解決するため、その表面に有機系の塗料をコートすることが
行なわれてきた。しかし、有機系の塗料は耐候性に劣り、また、被膜硬度が低い
ために傷付きやすいという不都合がある。 そこで有機系塗料に代わって水ガラス系などの無機コーティング剤の適用が試
みられたが、エフロレッセンスの発生や多孔性といった点で満足のいく結果が得
られなかった。 上記欠点のない無機コーティング剤としてケイ素アルコキシド系コーティング
剤が検討されている。しかし、ケイ素アルコキシド系コーティング剤を用いると
、基材であるセメント系基材からのアルカリ発生の問題や、基材の寸法変化が比
較的大きいことに加えて、コーティング剤の基材に対する密着性が不十分である
ため、雨水や温度変化などの影響を受けて亀裂や剥離が生じやすいという問題が
ある。そこで、プライマーを介してケイ素アルコキシド系コーティング剤を塗装
する例が、特開昭63−262203号公報、特開平1−83580号公報等で示されているが
、プライマー層の上に塗装されるケイ素アルコキシド系コーティング剤は100℃
以上の加熱処理が必要でその時間もかなり長いのが実情である。よって、建設現
場での塗装や耐熱性の低い基材への塗装、また、セメント系基材でも、さね加工
や凹凸等の模様を有している基材については、板厚のうすい所を有するものは、
処理時にクラック等が発生しやすかった。 [発明が解決しようとする課題] この発明は、 常温で硬化乾燥すると同時に比較的低温における加熱促進による硬化も可能
で、しかも得られた被膜が硬度が高く、耐候性に優れ、平滑性の良い有機溶液型
コーティング用組成物、 顔料を加えて塗料化する場合に安定なビビクルとして使用でき、このため、
任意に着色できる、耐候性、平滑性、光沢性に優れた有機溶液型コーティング用
組成物、 貯蔵安定性が良く、長期的に安定しての性能を得ることができる有機溶液
型コーティング用組成物、 をそれぞれ提供する事を課題とする。 さらに、この発明は、コンクリート、セメント等の無機質硬化体の表面に、高
硬度かつ耐候性に優れたケイ素アルコキシド系無機コーティング剤の硬化層を長
期にわたってクラックや剥離を生じさせることなく、建設現場で塗装した、ある
いは、耐熱性の低い基材、あるいは、さね加工や凹凸の摸様を有する基材の中で
板厚の薄い所があるような基材でもクラックの発生の心配のない処理で行った無
機系コーティング層を有する、塗装された無機質硬化体、および、その製造方法
を提供することを課題とする。 [課題を解決するための手段] 本発明者らは、上記従来のコーティング剤の問題点の解決法を鋭意検討した結
果、有機溶媒あるいは水に分散されたコロイダルシリカ中でアルコキシシランを
部分加水分解したシリカ分散オリゴマーとシラノール基含有オルガノポリシロキ
サン及び触媒からなるコーティング用組成物が、上記従来のコーティング剤の問
題点を全て解決することを見いだし本発明を完成するにいたった。すなわち、本
発明のコーティング用組成物は、上記の性能を得るために、 (A)一般式 R1nSiX4-n … (I) (式中、R1は同一または異種の置換もしくは非置換の炭素数1〜8の1価炭化
水素基を示し、nは0〜3の整数、Xは加水分解性基を示す。) で表わされる加水分解性オルガノシランを有機溶媒または水に分散されたコロイ
ダルシリカ中でX1モルに対し水0.001モル以上0.5モル未満を使用する
条件下で部分加水分解してなる、加水分解性基が残存しているオルガノシランの
シリカ分散オリゴマー有機溶剤溶液と、 (B)平均組成式 R2 aSi(OH)b(4-a-b)/2 … (II) (式中、R2は同一または異種の置換もしくは非置換の炭素数1〜8の1価の炭
化水素基を示し、aおよびbはそれぞれ0.2≦a≦2,0.0001≦b≦3
,a+b<4の関係を満たす数である。) で表わされる、分子中にシラノール基を含有するポリオルガノシロキサンの有機
溶剤溶液と、 (C)触媒 を必須成分とし、実質的に水を含まない、有機溶液型のものである。 この発明のコーティング用組成物は、上記の性能を得るために、(B)成分
のポリス チレン換算重量平均分子量が700以上、かつ、20000以下であるものとされること
ができる。 この発明のコーティング用組成物は、上記の性能を得るために、(A)成分
のpHが2.0〜7.0であるものとされることができる。 また、本発明者らは、上記従来の塗装された無機質硬化体の問題点の解決法を
鋭意検討した結果、溶媒分散性コロイダルシリカ中でアルコキシシランを部分加
水分解したシリカ分散オリゴマーとシラノール基含有オルガノポリシロキサンお
よび触媒からなるコーティング用組成物を、プライマー層を介してセメント系等
の基材に塗布し硬化被膜を形成させることで、上記問題を全て解決することを見
いだし本発明を完成するに至った。 すなわち、この発明の塗装された無機質硬化体は、無機質硬化体の表面にプラ
イマー層を有するとともに、そのプライマー層の上に上記この発明のコーティン
グ用組成物の硬化体からなる被膜を有する。 さらに、この発明の塗装された無機質硬化体の製造方法は、無機質硬化体の表
面にプライマー層を形成する第1の工程と、同プライマー層の上に上記この発明
のコーティング用組成物を塗布し、常温ないし低温加熱により乾燥させて硬化し
た無機コーティング層を形成する第2の工程を有する。 この発明で用いられる(A)成分のシリカ分散オリゴマーは被膜形成に際して
、硬化反応に預かる官能性基としての加水分解性基(X)を有するベースポリマ
ーの主成分である。これは有機溶媒または水(有機溶媒と水との混合溶媒も含む
)に分散されたコロイダルシリカに、一般式(I)で表される加水分解性オルガ
ノシランの1種または2種以上を加え、コロイダルシリカ中の水あるいは別途添加
された水で、該加水分解性オルガノシランを部分加水分解することで得られる。 一般式(I)で表される加水分解性オルガノシラン中の基R1は炭素数1〜8の置
換または非置換の1価の炭化水素基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などのア
ルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;2−
フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基などのアラ
ルキル基;フェニル基、トリル基のようなアリール基;ビニル基、アリル基のよ
うなアルケニル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフ
ルオロプロピル基のようなハロゲン置換炭化水素基およびγ−メタクリロキシプ
ロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル
基、γ−メルカプトプロピル基などの置換炭化水素基などを例示することができ
る。これらの中でも合成の容易さ、あるいは入手の容易さから炭素数1〜4のアル
キル基 およびフェニル基が好ましい。 加水分解性基のXとしてはアルコキシ基、アセトキシ基、〔ここで、R,R’およびR”は、たとえば、それぞれ、独立に水素または1価
の炭化水素基などである〕 などが挙げられる。入手の容易さおよびシリカ分散オリゴマー溶液を調製しやす
いことからアルコキシ基が好ましい。 このような加水分解性オルガノシランとしては、一般式(I)中のnが0〜3
の整数であるモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−の各官能性のアルコキシシラン類
、アセトキシシラン類、オキシムシラン類、エノキシシラン類、アミノシラン類
、アミノキシシラン類、アミドシラン類などが挙げられる。入手の容易さおよび
シリカ分散オルガノシランオリゴマー溶液を調製しやすいことからアルコキシシ
ラン類が好ましい。 特に、n=0のテトラアルコキシシランとしてはテトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシランなどが例示でき、n=1のオルガノトリアルコキシシランとしては
、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロ
ポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3
,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどが例示できる。また、n
=2のジオルガノジアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジ
メチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシ
シラン、メチルフェニルジメトキシシランなどが例示でき、n=3のトリオルガノ
アルコキシシランとしてはトリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラ
ン、トリメチルイソプロポキシシラン、ジメチルイソブチルメトキシシランなど
が例示できる。さらに一般にシランカップリング剤とよばれるオルガノシラン化
合物も アルコキシシラン類に含まれる。 これらの一般式(I)で表される加水分解性オルガノシランのうち50モル%
以上がn=1で表される三官能性の物であることが好ましく、より好ましくは60
モル%以上であり、最も好ましくは70モル%以上である。これが50モル%未満で
は十分な塗膜硬度が得られないと共に、乾燥硬化性が劣り易いことがある。 (A)成分中のコロイダルシリカは本願発明のコーティング用組成物の硬化被
膜の硬度を高くするために必須のものである。このようなコロイダルシリカとし
ては水分散性あるいはアルコールなどの非水系の有機溶媒分散性コロイダルシリ
カが使用できる。一般にこの様なコロイダルシリカは固形分としてのシリカを20
〜50重量%含有しており、この値からシリカ配合量を決定できる。また、水分散
性コロイダルシリカを使用する場合、固形分以外の成分として存在する水は(A
)成分の有機ケイ素化合物の加水分解に用いることができる。これらは通常水ガ
ラスから作られるが、このようなコロイダルシリカは市販品を容易に入手するこ
とができる。また有機溶媒分散コロイダルシリカは前記水分散性コロイダルシリ
カの水を有機溶媒と置換することで容易に調製することができる。このような有
機溶剤分散コロイダルシリカも水分散コロイダルシリカ同様に市販品として容易
に入手する事ができる。コロイダルシリカが分散している有機溶媒の種類は、例
えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPAとも言う)、n−ブ
タノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、
エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエ
ーテル等のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル等のジエチレングリコールの誘導体及びジアセトンア
ルコール等を挙げることができ、これらからなる群より選ぱれた1種もしくは2種
以上のものを使用することができる。これらの親水性有機溶剤と併用してトルエ
ン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、メチルエチルケトオキシムなども用いることができる。 (A)成分中においてコロイダルシリカはシリカ分として好ましくは5〜95重
量%の範囲で含有される。より好ましくは10〜90重量%、最も好ましくは20〜85
重量%の範囲である。含有量が5重量%未満であると所望の被膜硬度が得られず
、また95重量%を超えるとシリカの均一分散が困難となり、(A)成分がゲル化
などの不都合を招来することがある。 (A)成分のシリカ分散オリゴマーは、通常、加水分解性オルガノシランを水
分散コロイダルシリカまたは有機溶媒分散コロイダルシリカ中で部分加水分解し
て得る事ができる。加水分解性オルガノシランに対する水の使用量は、加水分解
性基(X)1モルに対し て水0.001モル以上0.5モル未満である。その割合が0.001モル未満だと十分な
部分加水分解物が得られず、0.5モルを越えると部分加水分解物の安定性が悪く
なることがある。部分加水分解する方法は特に限定されず、加水分解性オルガノ
シランとコロイダルシリカとを混合して、必要量の水を添加配合すればよく、こ
のとき部分加水分解反応は常温で進行する。部分加水分解反応を促進させるため
60〜100℃に加温してもよい。さらに部分加水分解反応を促進させる目的で、塩
酸、酢酸、ハロゲン化シラン、クロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロ
ン酸、蟻酸、プロピオン酸、グルタル酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸
、トルエンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸および無機酸を触媒に用いてもよ
い。 (A)成分は長期的に安定して性能を得るためには、液のpHを2.0〜7.0、
より好ましくはpH2.5〜6.5、さらにより好ましくはpH3.0〜6.0にするとよ
い。pHがこの範囲外であると、特に水の使用量がX1モルに対し0.3モル以上で
(A)成分の長期的な性能低下が著しくなることがある。(A)成分のpHがこ
の範囲外にあるときは、この範囲より酸性側であれば、アンモニア、エチレンジ
アミン等の塩基性試薬を添加して調整すれば良く、塩基性側のときも塩酸、硝酸
、酢酸等の酸性試薬を用いて調整すれば良い。しかし、その調整方法は特に限定
されるものではない。 (B)成分のシラノール基含有ポリオルガノシロキサンの有機溶剤溶液は本発
明の特徴をなす重要な成分である。このような(B)成分のポリオルガノシロキ
サンは平均組成式 R2 aSi(OH)b(4-a-b)/2 … (II) (式中、R2は同一または異種の置換もしくは非置換の炭素数1〜8の1価の炭
化水素基を示し、aおよびbはそれぞれ0.2≦a≦2,0.0001≦b≦3
,a+b<4の関係を満たす数である。) で表すことが出来る。式中R2としては上記(I)中のR1と同じものが例示され
るが、好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビニル基、γ−グリ
シドキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−アミノプロピル基、
3,3,3−トリフルオロプロピル基などの置換炭化水素基、より好ましくはメチ
ル基およびフェニル基である。また、式中aおよびbはそれぞれ上記の関係を満た
す数であり、aが0.2末満またはbが3を超えると硬化被膜にクラックを生じるな
どの不都合があり、また、aが2を超え4以下の場合またはbが0.0001未満では硬
化がうまく進行しない。 このようなシラノール基含有ポリオルガノシロキサンは、たとえぱ、メチルト
リクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェ
ニルジクロロシラン、もしくはこれらに対応するアルコキシシランの1種もしく
は2種以上の混合物を公知の 方法により大量の水で加水分解することで得ることができる。シラノール基含有
ポリオルガノシロキサンを得るのに、アルコキシシランを用いて公知の方法で加
水分解した場合、加水分解されないアルコキシ基が微量に残る場合がある。つま
りシラノール基と極微量のアルコキシ基が共存するようなポリオルガノシロキサ
ンが得られる事もあるが、この発明では、この様なポリオルガノシロキサンを用
いても差支えない。 この本発明の(C)成分である硬化触媒は、上記(A)成分と(B)成分との
縮合反応を促進し、被膜を硬化させるものである。このような触媒としては、ア
ルキルチタン酸塩、オクチル酸錫およびジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫
ジマレエート等のカルボン酸の金属塩;ジブチルアミン−2−ヘキソエート、ジ
メチルアミンアセテート、エタノールアミンアセテート等のアミン塩;酢酸テト
ラメチルアンモニウム等のカルボン酸第4級アンモニウム塩;テトラエチルペン
タミンのようなアミン類;N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン等のアミン系シランカップリング剤;p−トルエンスルホン酸、フタル酸、塩
酸等の酸類;アルミニウムアルコキシド、アルミニウムキレート等のアルミニウ
ム化合物、水酸化カリウムなどのアルカリ触媒;テトライソプロピルチタネート
、テトラブチルチタネート、チタニウムテトラアセチルアセトネート等のチタニ
ウム化合物、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルモ
ノクロロシラン等のハロゲン化シラン等があるが、前記触媒の他に(A)成分お
よび(B)成分との縮合反応に有効なものであればとくに制限はない。 (A)成分および(B)成分の配合割合は、(A)成分1〜99重量部に対して
(B)成分99〜1重量部が好ましく、より好ましくは(A)成分5〜95重量部に対
して(B)成分95〜5重量部、最も好ましくは(A)成分10〜90重量部に対して
(B)成分90〜10重量部である(ただし、(A)成分と(B)成分の合計は100
重量部である)。(A)成分が1重量部未満であると常温硬化性に劣り、また十
分な被膜硬度が得られないし、一方、99重量部を超えると硬化性が不安定でかつ
良好な塗膜が得られないことがある。 また、(C)成分の添加量は(A)成分と(B)成分との合計100重量部に対
して0.0001〜10重量部であることが好ましい。より好ましくは0.0005〜8重量
部であり、最も好ましくは0.0007〜5重量部である。0.0001重量部未満だと常
温で硬化しないことがあり、また、10重量部を越えると耐熱性、耐候性が悪くな
ることがある。 (A)成分のシリカ分散オリゴマーに含有される加水分解性基と(B)成分の
シラノール基とは、(C)成分の硬化触媒存在下で、常温もしくは低温(たとえ
ば、温度100℃以下)加熱することにより縮合反応して硬化被膜を形成する。従
って、湿気硬化タイプの コーティング用組成物のように、この発明のコーティング用組成物は常温で硬化
するときにも湿度の影響をほとんど受けない。また加熱処理により縮合反応を促
進して硬化被膜を形成することができる。 本発明のコーティング用組成物に顔料を加えて塗料化する場合は(B)成分の
該ポリオルガノシロキサンの分子量は700〜20,000がよい。なお、ここでいう分
子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定による標準ポ
リスチレン換算による重量平均分子量である。分子量700未満の場合、できあが
った塗膜の硬化性が遅くまたクラックが発生しやすい。また、20,000を超える
と顔料を添加された塗料からできた塗膜に光沢がなくまた平滑性もよくない。た
だし、重量平均分子量が10000よりも大きく、20000以下の場合に塗膜に光沢を持
たせたり、平滑性をより良くしたりするためには、顔料の分散条件および/また
は添加剤などを工夫する必要がある。たとえば、顔料の分散条件は、分散時の回
転数を上げたり、分散のための処理時間を長くしたりするのである。また、添加
剤としては、たとえば、カップリング剤、分散助剤などを、その種類にもよるが
、顔料に対して0.3%以上の重量比で使用するのである。 添加する顔料種は、カーボンブラック、キナクリドン、ナフトールレッド、シ
アニンブルー、シアニングリーン、ハンザエロー等の有機顔料、酸化チタン、硫
酸バリウム、弁柄、複合金属酸化物等の無機顔料がよく、これらの群から選ばれ
る1種もしくは2種以上を組み合わせて使用しても差し支えない。顔料の添加量は
、顔料の種類により隠ぺい性が異なるので特に限定はないが(A)成分と(B)
成分の混合物の固形分100重量部に対して、好ましくは5〜80重量部がよい。5重
量部未満の場合、隠ぺい性がでず、80重量部を超えると塗膜の平滑性が悪くなる
ことがある。 顔料の分散は、通常の方法で行えばよい。また、その際、分散剤、分散助剤、
増粘剤、カップリング剤等の使用が可能である。さらには、レベリング剤、染料
、金属粉、ガラス粉、抗酸化剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。 本発明のコーティング組成物は、取扱いの容易さから各種有機溶媒で希釈され
て使用できる。有機溶媒の種類は、(A)成分あるいは(B)成分の一価炭化水
素基の種類もしくは分子量の大きさによって選定することができる。このような
有機溶媒としてはコロイダルシリカの分散溶媒として示したもの等を挙げること
ができ、これらからなる群より選ばれた1種もしくは2種以上のものを使用するこ
とができる。これらの親水性有機溶剤と併用してトルエン、キシレン、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチル
ケトオキシムなども例示することができる。 本発明のコーティング用組成物の保存方法としては、(A)、(B)および(
C)成分を それぞれ保存する3包装形をとるのが一般的であるが、(A)成分と(C)成分
の混合成分と(B)成分とを分けて2包装形としておき、使用時に両者を混合す
るか、すべての成分を混合して一容器内に保存する1包装形とすることも可能で
ある。但し、(A)成分と(C)成分を混合して保存する場合は、(A)成分の
pHを2〜7に調製した後(C)成分を加える方が好ましく、さらには(A)成分
のオルガノシランの加水分解性基X1モルに対する水の使用量は0.3モル以下の
方が好ましい。 この発明のコーティング用組成物は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、
ABS樹脂などのプラスチック、アルミニウム、ステンレス、銅、鉄、ジュラル
ミンなどの金属あるいは紙、木材、ガラス,セメント・石膏などで作られた壁材
など、さらにはアクリル系、アルキッド系、ポリエステル系、エポキシ系、ウレ
タン系塗料等の表面保護用にも適用できる。 また、被膜の厚みは特に制限は無く、0.1〜100μmであれば良いが、塗膜が長
期的に安定に密着、保持され、クラックやハガレが発生しないためには、1〜80
μmがより好ましく、さらに好ましくは1〜50μmである。 本発明のコーティング用組成物は通常の塗布方法でコーティングすることがで
き、例えば刷毛塗り、スプレー、浸漬、フロー、ロール、カーテン、ナイフコー
ト等の各種塗布方法を選択することができる。また有機溶媒での希釈割合は特に
制限はなく必要に応じて希釈割合を決定すれば良い。 またこの発明のコーティング用組成物には、必要に応じてレベリング剤、増粘
剤、顔料、染料、アルミペースト、ガラスフリット、金属粉、坑酸化剤、紫外線
吸収剤等を本願発明に影響を与えない範囲内で添加することができる。 この発明に用いる無機質硬化体の一例としては、下記のようなものである。 無機質硬化体の原料となる水硬性を有する無機質膠着材としては、特に限定は
されず、例えば、ポルトランドセメント、高炉セメント、高炉スラグ、ケイ酸カ
ルシウム、石膏等から選ばれた一種あるいは複数種を使用できる。 上記膠着材には、通常、無機充填材、繊維質材料等が配合される。それらは、
特に限定はされないが、無機充填材としては、フライアッシュ、ミクロシリカ、
珪砂等が、繊維質材料としては、パルプ、合成繊維、アスベスト等の無機繊維、
スチールファイバー等の金属繊維等が選ばれ、単独で、あるいは、複数種を併せ
て用いられる。 このようにして構成される無機質硬化体原料は、押出成形、注形成形、抄造成
形、プレス成形等の方法により成形された後、特に限定はされないが、オートク
レーブ養生、蒸気養生、常温養生等が適している。 得られる無機質硬化体は、嵩密度が0.5g/cm3以上で、その飽和吸水時から絶
乾までの寸法変化が0.5%以下のものである事が好ましく、さらに好ましくは、
嵩密度0.7g/cm3以上、同上寸法変化0.4%以下が選ばれる。嵩密度0.5g/cm3
未満であると、プライマーおよびこの発明のコーティング用組成物(ケイ素アル
コキシド系コーティング剤)の吸い込みが激しいために、密着性能が発揮されに
くいことに加え、塗膜外観も悪くなる恐れがある。また、同上寸法変化が0.5%
を越えると、プライマー層は基材の動きに追随できてもケイ素アルコキシド系コ
ーティング層は充分に追随できず、クラックや剥離発生の原因となる傾向が見ら
れる。 また、プライマー組成物の基材への塗装に先立ち、基材の種類に応じて溶剤系
、水溶性あるいはエマルジョン系のシーラーにより目止めを行い、基材の表面の
吸い込みのバラツキを調整してもよい。使用されるシーラーとしては、特に限定
はされず、アクリル系、ラテックス系等が使用できる。 コーティング層の構成としては、プライマー組成物に顔料等の着色成分を添加
しておいて形成したプライマー層の上にクリヤーの無機コーティング層を設けて
もよいし、顔料等の着色成分を含まないプライマー層の上に顔料等の着色成分を
添加した無機コーティング層を設けてもよい。また、更にその上に、クリヤーの
無機コーティング層を設けることも可能である。どの方法を採るかについては、
使用する目的に応じて選択される。また、上述において、顔料等の着色成分を添
加した無機コーティング層をトップコートとする場合において、光沢性のある塗
膜を望む場合には、上述したように、上記(B)成分のポリスチレン換算の重量
平均分子量が700以上、20000以下がよい。 次に、プライマー層について説明する。プライマー層は、たとえば、 (a) 分子中に2個以上のイソシアネート基を含有するが、ウレタン結合は含有
しないイソシアネートプレポリマー100重量部 (b) 分子中に1個以上のメルカプト基および2個以上のアルコキシ基を含有する
有機ケイ素化合物1〜100重量部 (c) エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂100重量部以下(固形分として) (d) 有機錫化合物および/または錫の有機酸塩0.01〜30重量部 の各成分が配合されてなるプライマー組成物から形成される。好ましくは、(a
)成分が、分子中に2個以上のイソシアネート基を含有するが、ウレタン結合は
含有しないイソシアネートプレポリマーのイソシアネート基が、ベンゼン環に直
結していない方がよい。また、前記プライマー組成物は、上述した顔料を含んで
いてもよい。 一般にイソシアネート基は、水酸基、水等と反応してウレタン型、尿素型等の
化学結合 を生成する反応性基であるため、そのようなイソシアネート基を有する(a)の
イソシアネートプレポリマーは、基材表面の水酸基等と反応し、化学的な結合に
より強固な被膜を形成することができる。このようなイソシアネートプレポリマ
ーとしては、たとえば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネート、m−キシリレンジイソシアネート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソ
シアネート等のイソシアネートの部分加水分解生成物や三量化物、さらにこれら
のイソシアネート混合物の反応生成物等が挙げられる。 上述したようなイソシアネートプレポリマーのなかでも、この発明において使
用されるプライマー組成物を構成するイソシアネートプレポリマーは、耐候性と
いった観点から、分子中に2個以上のイソシアネート基を含有するが、ウレタン
結合は含有しないものであることが必要である。そのようなイソシアネートプレ
ポリマーとしては、具体的には、下記(1)あるいは(2)のようなビュレット結
合を有するもの、下記(3)〜(6)のようなイソシアヌレート環を有するもの等が
挙げられる。 これらは単独で、あるいは、複数種を併せて使用される。また、特に光により
変色しないことが要求される場合には、プレポリマー中のイソシアネート基がベ
ンゼン環に直結していないことが好ましい。 分子中に1個以上のメルカプト基および2個以上のアルコキシ基を含有する有機
ケイ素化合物(b)は、有機材料と結合する有機官能性基としてのメルカプト基
と、無機材料と反応する加水分解性基としてのアルコキシ基とを同一分子内に持
つシランカップリング剤であり、接着性向上剤として作用する。さらに、プライ
マー組成物中の上記(a)イソシアネートプレポリマーや以下に述べる(c)のエ
ポキシ樹脂変性シリコーン樹脂との反応により、強靭かつ耐候性に優れた被膜を
形成させる成分である。このような有機ケイ素化合物としては、たとえば、 HS(CH23Si(OCH33、 HS(CH23Si(OC253、 HS(CH22Si(OCH33、 HS(CH22Si(OC253、 HS(CH23Si(CH3)(OCH32 等のシランおよびそれらの加水分解縮合物が挙げられる。これらは、単独で用い
ても、あるいは、複数種を併用してもよい。 上記(b)有機ケイ素化合物の配合量は、(a)プレポリマーの粘度等にもよる
が、プレポリマー100重量部に対し1〜100重量部、好ましくは、3〜50重量部であ
る。上記割合が1重量部未満であると、その接着性が充分に発揮されず、被膜の
強度も劣る恐れがあり、100重量部を越えると、却って接着機能が低下する傾向
にある。 (c)のエポキシ樹脂変性シリコーン樹脂は、添加されなくても、この発明に
おける目的は充分に達成されうるが、プライマーの接着性および耐紫外線性の向
上に貢献する成分である。 上記(c)の変性樹脂の、シリコーン樹脂成分とエポキシ樹脂成分の割合は任
意であって、特に限定はされないが、接着性、耐水性、耐候性のバランスを鑑み
て、シリコーン樹脂15〜70重量%、エポキシ樹脂30〜85重量%であることが好ま
しい。シリコーン樹脂成分は、通常、平均式; 〔R3 hSi(OR4ijk …(III) (式中、R3は1価の炭化水素基、R4は水素原子または1価の炭化水素基、hは1.
0〜1.7の数字、iは0.05〜0.2の数字、jは(4−h−i)/2で表される数字、k
は2以上の数字) で示される多官能性シロキサン単位からなるポリオルガノシロキサンであること
が好ましい。 上記(III)式におけるR3の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル
基等のアルケニル基;フェニル基等のアリール基などが例示されるが、耐水性や
耐候性に優れ、エポキシ樹脂との相溶性が良いこと、合成が容易であること等の
観点から、メチル基とフェニル基の混成であること、すなわち、ポリメチルフェ
ニルシロキサンであることが好ましい。R4としては、水素原子、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。 上記(III)式における数値hは1.0〜1.7、iは0.05〜0.2であることが好ま
しい。hが1.0未満であると、適度の重合度をもつポリオルガノシロキサンのエ
ポキシ樹脂との相溶性が劣る傾向にあり、1.7を越えると、樹脂被膜の強靭性が
低下する恐れがある。iが0.05未満であっても、樹脂被膜の強靭性が低下し、0
.2を越えると、保存中に粘度増加やゲル化が生じやすい傾向がみられる。また
、被膜形成性や貯蔵中の安定性から、数値kは2以上であることが好ましい。 エポキシ樹脂成分は、グリシジル基、3,4−オキシシクロヘキシル基のような
オキシラン酸素をもつ化合物を含む低量体ないし重合体であり、硬化剤として、
各種酸無水物、アミン類等を使用してもよい。それらの硬化剤成分は、特に限定
はされず、一般的なエポキシ樹脂用硬化剤を適用できるが、溶液中で他成分と安
定に共存し、かつ、常温付近で硬化を起こして被膜を形成させるためには、酸無
水物系硬化剤を使用することが推奨される。そのような酸無水物としては、フタ
ル酸無水物、マレイン酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ピロメリット酸
無水物、トリメリット酸無水物、ドデシルコハク酸無水物等が例示でき、これら
は単独で、あるいは、複数種を併せて使用される。 上述のシリコーン樹脂成分とエポキシ樹脂成分とは、互いに相溶性を有する範
囲内で単に混合して使用してもよいし、あるいは、加熱により化学的に結合させ
て用いてもよい。そして、通常は、トルエン、キシレン等の有機溶剤の溶液とし
て用いられる。 以上のようにして得られる(c)エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂の使用量は
、(a)イソシアネートプレポリマー100重量部に対し、固形成分として100重量
部以下であり、3〜50重量部であることが好ましい。上記割合が100重量部を越え
ると、耐候性や接着性を損なう恐れがあるばかりでなく、系の安定性の点からも
好ましくない。 (d)の有機スズ化合物および/またはスズの有機酸塩は、他のプライマー成
分に含まれるイソシアネート基やアルコキシシリル基、シラノール基等の反応に
対して触媒効果を有するものであり、形成されるプライマー硬化被膜の基材に対
する接着性、および、プラ イマー硬化被膜に対する、この発明のコーティング用組成物の接着性を強固なも
のにして、耐候性や耐水性等を付与する重要な成分である。そのようなスズ化合
物としては、特に限定はされず、オクチル酸スズ等のカルボン酸スズ、ジブチル
スズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレート、ジブ
チルスズジフタレート等の有機スズカルボン酸塩およびこれらの化合物とテトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン等のアルコキシシランとの脱エステル化
反応生成物、ジブチルスズオキサイド等の有機スズ酸化物およびそのエステルと
の反応物などが例示できる。 上記(d)スズ化合物の配合量は、(a)のプレポリマー100重量部に対して0.
01〜30重量部であり、好ましくは0.05〜10重量部である。その配合量が0.01重
量部未満であると、接着性、特に接着の耐水性が低下する恐れがあり、30重量部
を越えると、プライマー組成物の硬化速度が大きくなりすぎて、その塗布作業性
に問題を生じる傾向がある。 以上のような各成分により構成されるプライマー組成物は、その塗布作業を容
易にし、また、保存安定性を与える目的で、有機溶剤で適宜希釈されていてもよ
い。そのような溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル等のカルボン酸エステル
系;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系;トルエン、キシレン、ベンゼ
ン等の芳香族化合物系;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
のエーテルあるいは酸素を含む複素環式化合物系等の化合物が使用できる。これ
らの溶剤は、単独で用いても、複数種を併用してもよい。 さらにこの発明におけるプライマー組成物は、酸化チタン、カーボンブラック
、酸化鉄等の着色顔料などのその他の添加剤を含んでいてもよい。それらの添加
剤は、この発明における効果を阻害しない量の範囲内で使用される。 プライマー組成物の保存方法としては、(a)のイソシアネートプレポリマー
、(b)の有機ケイ素化合物および必要に応じて添加される(c)のエポキシ樹脂
変性シリコーン樹脂からなる混合成分と、(d)のスズ化合物とを分けて、2包装
形としておき、使用前に両者を混合するのが一般的であるが、すべての成分を混
合して一容器内に保存する1包装形とすることも可能である。 次に無機質硬化体に第一工程として、プライマーを塗装、硬化させる工程につ
いて説明する。 使用する無機質硬化体の表面には、ゴミや油分がない事が原則である。また、
基材の水分は、各基材の飽和含水率の80%未満、好ましくは70%未満である事が
望ましい。ゴミや油分がついていたり基材の含水率が高いと密着性が低下する。 プライマーの塗装方法は、特に限定せず、用途、目的にあわせてスプレー、ロ
ール、フ ローコーター等が採用される。また、塗布膜厚は0.5μm以上50μm未満が好まし
い。0.5μm未満では、均一な塗膜が得にくく50μm以上では、発泡の恐れがある
。どうしても、50μm以上の塗膜厚を得たい場合は、一度乾燥工程をとり、重ね
塗りをするのがよい。 また、プライマーの乾燥条件は、5℃以上150℃以下が好ましく、より好ましく
は10℃以上100℃以下である。5℃未満では、硬化が遅く、150℃を超えると発泡
の恐れがある。温度、塗布量によっても処理時間は異なるが、概ね3分から24時
間の範囲で処理される。工場などの工程で行う場合は、生産性を加味すると3分
から60分がよい。例えば、熱風乾燥機を利用した場合、設定温度80℃風速が垂直
流で4m/秒の場合、10から20分で処理できる。 また、プライマーに顔料を添加する事も可能であるがビビクル固形成分100重
量部に対して顔料の添加量を60重量部未満にする事が望ましい。60重量部を超え
ると密着力が低下したり、ケイ素アルコキシド系塗膜の耐クラック性が低下した
りすることがある。 次にプライマー層の上に第二工程として、この発明のコーテイング用組成物を
塗装するが、直接クリヤーを塗装してもよいし、顔料入り着色塗料を塗装しても
よいし、複数回着色層を塗装し、更にその上にクリヤーを塗装しても、しなくて
もよく、目的に応じて選ぱれる。たとえぱ、レンガ模様やタイル模様の基材を使
用する場合、凹部と凸部を異なる色で塗装し、その上にクリヤーを塗装してもよ
い。凹部と凸部を塗り分ける一例としては、まずスプレーで全体を塗装し凸部を
ロールで塗装して塗りわける事ができる.また、全体に斑点状の模様を付けるに
は、スプレーで行ってもブラシ状ロールを使用しても斑点状の模様付けができる
。 この発明のコーティング用組成物を塗装するに際しては、特に塗装方法は限定
されるものではなく、上述の塗装方法などから目的にあわせて行えばよい。塗装
膜厚としては、0.1から100μm、好ましくは1から80μm、より好ましくは1から5
0μm、更に望むらくは3から25μmの範囲がよい。所定膜厚未満であれば連続した
塗膜にならないことがあり、所定膜厚を超えるとクラック、発泡の恐れがある。
また、乾燥条件は、5℃以上200℃以下好ましくは、10℃以上150℃以下が好まし
い。5℃未満では、硬化が遅く、200℃を超えるとクラック、発泡の恐れがある。
温度、塗布量によっても処理時間は異なるが、概ね3分から24時間の範囲で処理
される。工場などの工程で行う場合は、生産性を加味すると3分から60分がよい
。例えば、熱風乾燥機を利用した場合、設定温度80℃風速が垂直流で4m/秒の場
合、10分から20分で処理できる。 また、従来からある焼き付け硬化型(脱水縮合反応タイプ)のケイ素アルコキ
シド系コーティング剤の場合、凹凸やさね加工のある基材に対しては処理中に場
合によっては基 材にクラックがはいる為、基材の模様、さね形状に制限があった。また、耐熱性
のないプラスチックなどの場合、処理によって変形したりした。そのような問題
は、本発明のコーティング用組成物を使用する事で解決する。 〔実施例〕 以下に、この発明の具体的な実施例および比較例を示すが、この発明は下記実
施に限定されない。なお、以下では、「部」はすべて「重量部」を、「%」はす
べて「重量%」を表す。 まず(A)成分の調製方法の例を説明する。 (調製例A−1) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサーおよび温度計を取付けたフラスコ中に
IPA−ST(イソプロパノール分散コロイダルシリカゾル:粒子径10〜20mμ
、固形分30%、H2O0.5%、日産化学工業社製)100部、メチルトリメトキシシ
ラン68部、水10.8部を投入して撹拌しながら65℃の温度で約5時間かけて部分加
水分解反応を行い冷却して(A)成分を得た。このものは、室温で48時間放置し
たときの固形分が36%であった。ここで得た(A)成分をA−1と称する。A−1の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …4×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量 ……47.3% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% …100モル% (調製例A−2) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサーおよび温度計を取付けたフラスコ中に
XBA−ST(キシレン・ブタノール分散コロイダルシリカゾル:粒子径10〜20
mμ,固形分30%,H2O0.2%、日産化学工業社製)100部、メチルトリメトキ
シシラン68部、フェニルトリメトキシシラン49.5部,水14.4部、無水酢酸0.1
部を投入して撹拌しながら80℃の温度で約3時間かけて部分加水分解反応を行い
冷却して(A)成分を得た。このものは、室温で48時間放置したときの固形分が
41%であった。ここで得た(A)成分をA−2と称する。A−2の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …4×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量 ……31.3% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% …100モル% (調製例A−3) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサーおよび温度計を取付けたフラスコ中に
NBA− ST(n−ブタノールコロイダルシリカゾル:粒子径10〜20mμ,固形分20%,H
2O0.5%、日産化学工業社製)150部メチルトリエトキシシラン178部、3,3,3
−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン21.4部、ジメチルジメトキシシラ
ン12部、水26部、無水酢酸0.2部を投入して撹拌しながら80℃の温度で約8時間
かけて部分加水分解反応を行い冷却して(A)成分を得た。このものは、室温で
48時間放置したときの固形分が31%であった。ここで得た(A)成分をA−3と
称する。A−3の調製条件: ・加氷分解性基1モルに対する水のモル数 …4×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量 ……25.2% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% …92モル% (調製例A−4) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサーおよび温度計を取付けたフラスコ中に
メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン100部、つぎにNBA−ST
(n−ブタノールシリカゾル:粒子径10〜20mμ,固形分20%,H2O0.5%、日
産化学工業社製)100部と水9部の混合物を撹拌しながら加え室温で約8時間かけ
て部分加水分解反応を行い冷却して(A)成分を得た。このものは、室温で48時
間放置したときの固形分が31%であった。ここで得た(A)成分をA−4と称す
る。A−4の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …5×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量 ……47.3% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% …100モル% (調製例A−5) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー及び温度計を取り付けたフラスコ中に
、XBA−ST(キシレン・nブタノール分散コロイダルシリカゾル:粒子径10
〜20mμ、固形分30%、H2O0.2%日産化学工業社製)100部、メチルトリメト
キシシラン68部を投入して撹拌しながら65℃の温度で約5時間かけて部分加水分
解反応を行い冷却して(A)成分を得た。このものは、室温で48時間放置したと
きの固形分が36%であった。ここで得た(A)成分をA−5と称する。A−5の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …7×10-3 ・(A)成分のシリカ分含有量 ……47.2% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% …100モル% (調製例A−6) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー及び温度計を取り付けたフラスコ中に
、IPA−ST(イソプロピルアルコール分散コロイダルシリカゾル:粒子径10
〜20mμ、固形分30%、H2O0.5%日産化学工業社製)100部、メチルトリメト
キシシラン68部、ジメチルジメトキシシラン18部、水2.7部、無水酢酸0.1部を
投入して撹拌しながら80℃の温度で約3時間かけて部分加水分解反応を行い冷却
して(A)成分を得た。このものは、室温で48時間放置したときの固形分が36%
であった。ここで得た(A)成分をA−6と称する。A−6の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …1×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量 ……40.2% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% …77モル% (調製例A−7) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー及び温度計を取り付けたフラスコ中に
、IPA−ST(イソプロパノール分散コロイダルシリカゾル:粒子径10〜20m
μ、固形分30%、H2O0.5%日産化学工業社製)100部、メチルトリメトキシシ
ラン68部、フェニルトリメトキシシラン49.5部、水7.7部を投入して撹拌しな
がら65℃の温度で約5時間かけて部分加水分解反応を行い冷却して(A)成分を
得た。このものは、室温で48時間放置したときの固形分が36%であった。ここで
得た(A)成分をA−7と称する。A−7の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …2×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量 ……31.3% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% …100モル% (調製例A−8) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー及び温度計を取り付けたフラスコ中に
、IPA−ST(イソプロピルアルコール分散コロイダルシリカゾル:粒子径10
〜20mμ、固形分30%、H2O0.5%日産化学工業社製)100部、メチルトリメト
キシシラン68部、トリメチルメトキシシラン5部、水2.3部、無水酢酸0.1部を
投入して撹拌しながら80℃の温度で約3時間かけて部分加水分解反応を行い冷却
して(A)成分を得た。このものは、室温で48時間放置したときの固形分が36%
であった。ここで得た(A)成分をA−8と称する。A−8の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …1×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量 ……44.5% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% …91.2モル% なお、室温とは、25±2℃、60±5%RHである。 次に(B)成分の調製方法の例を説明する。 (調製例B−1) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロートおよび温度計を取付けた
フラスコにメチルトリイソプロポキシシラン220部(1モル)とトルエン150部と
の混合液を計り取り、1%塩酸水溶液108部を上記混合液に20分で滴下してメチル
トリプロポキシシランを加水分解した。滴下40分後に撹拌を止め、二層に分離し
た少量の塩酸を含んだ下層の水・イソプロピルアルコールの混合液を分液し、次
に残ったトルエンの樹脂溶液の塩酸を水洗で除去し、さらにトルエンを減圧除去
し後、イソプロピルアルコールで希釈し平均分子量約2000のシラノール基含有オ
ルガノポリシロキサンのイソプロピルアルコール40%溶液を得た。これをB−1
と称する。なお、分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)
により、測定機種名HLC−802UR(東ソー株式会社製)を用いて、標準ポリ
スチレンで検量線を作成し、測定したものである。以後の分子量も同様の方法で
測定した。 (調製例B−2) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロートおよび温度計を取付けた
フラスコに水1000部、アセトン50部を計り取り、その混合溶液中に、メチルトリ
クロロシラン44.8部(0.3モル),ジメチルジクロロシラン38.7部(0.3モル
)、フェニルトリクロロシラン84.6部(0.4モル)をトルエン200部に溶解した
ものを撹拌下に滴下しながら加水分解した。滴下40分後に撹拌を止め、反応液を
分液ロートに移し入れて静置した後、二層に分離した下層の塩酸水を分液除去し
、次に上層のオルガノポリシロキサンのトルエン溶液中に残存している水、およ
び塩酸を滅圧ストリッピングにより過剰のトルエンと共に留去して除去し、平均
分子量約3000のシラノール基含有オルガノポリシロキサンのトルエン60%溶液を
得た。これをB−2と称する。 (調製例B−3) ジメチルジクロロシラン19.4部(0.15モル)をジフェニルジクロロシランに
変え、トルエンをキシレンに変えたほかはB−2と同様な方法で得たシラノール
基含有オルガノポリシロキサンのキシレン溶液を得た。さらに前記シラノール基
含有オルガノポリシロキサンの脱水縮合反応を温度150℃で16時間反応牟せ行い
、平均分子量約30万のキシレン50%のB−3を得た。 (調製例B−4) 上層のオルガノポリシロキサンのトルエン溶液に残存している水、および塩酸
を過剰のトルエンと共に減圧除去し樹脂濃度80%にして、さらにイソプロピルア
ルコールで60%の樹脂濃度にしたほかはB−1と同様にして平均分子量約3000の
シラノール基含有オルガノポリシロキサンのトルエン・イソプロピルアルコール
60%溶液のB−4を得た。 まず、この発明のコーティング用組成物がクリヤータイプの塗料である場合の
実施例および比較例を示す。 −実施例1〜9および比較例1,2− 第1表に示す成分を同表に示す割合で混合してコーティング用組成物を得た。
なお、比較例1、2では、スプレー塗装しやすいように希釈溶剤にIPAを用いた
。 実施例および比較例で得られたコーティング用組成物をアルミニウム熔射した
テストピース(アルスター:商品名 日本テストパネル製)にスプレー塗装で硬
化被膜厚で約10μmになるように塗布して、硬化温度140℃で30分間硬化させて被
膜(塗膜)を形成し、被膜特性を試験した。 なお、被膜特性の試験は以下の評価方法に拠った。 ・密着性:基材への密着性を碁盤目粘着テープ(セロハンテープ使用)剥離試験 ・被膜硬度:鉛筆硬度試験法(JIS K5400に準ずる。) ・耐溶剤性:トルエンを含ませたガーゼで塗膜を軽く押さえて往復で100回擦り
、そのときの塗膜の状態を観察して変化のないものを硬化性良好とした。 ・耐沸騰水性:水道水煮沸、1.6時間試験後、試験片を1時間放置して塗膜の状態
を観察して変化のないものを良好とした。 ・耐候性:サンシャインウエザオメーター(JIS K5400に準ずる。)で2500
時間照射後塗膜状態を観察して変化のないものを良好とした。 上記実施例1〜9および比較例1,2のコーティング用組成物の配合条件と被膜硬
度の評価結果をまとめて第1表に示す。 −比較例3− A−6の100部とN−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン0.5部とを混合し、これに塗装直前に水3部を加え比較例3のコーティング
用組成物を得た。これをスプレー塗装しやすいように希釈溶剤にIPAを用いた
以外は実施例1と同様にして試験片を作成し被膜特性を試験した。結果を第1表に
示した。 第1表に見るように、本発明のコーティング用組成物は、比較例のものに比べ
て密着性、被膜硬度、耐溶剤性(硬化性)、耐沸騰水性および耐候性いずれも良
好であった。 次に、この発明のコーティング用組成物が、顔料、その他の任意成分を含有し
ている場合の実施例および比較例を示す。 −実施例10〜14− 第2表に示されている成分(B)と白色顔料の酸化チタン(石原産業製「R−8
20」)との混合物をサンドグラインダーにより酸化チタンを分散させて白色塗料
を調製して、さらに、第2表に示されている成分(A)および成分(C)(触媒
)を加えてコーティング用組成物を得た。 −実施例15,16− 第2表に示す量のA−3に白色顔料の酸化チタン(石原産業製「R−820」)と
の混合物をサンドグラインダーで酸化チタンを分散させて白色塗料を調製して、
さらに、第2表に示されている成分(C)を加えて同表に示されている成分(B
)と組み合わせてコーティング用組成物を得た。 −比較例4− 硬化触媒を用いなかったこと以外は実施例10と同様の方法でコーティング用組
成物を調製した。 実施例10〜16および比較例4のコーティング用組成物をスレート板にスプレー
塗装で硬化被膜(塗膜)厚みで約20μmになるように塗布して、室温で1週間放置
し、室温乾燥の硬化被膜を形成し、試験片とした。これらの塗膜特性を第2表に
示した。 被膜の常温での硬化乾燥性をJIS−K−5400に準じる方法で指触乾燥と、硬
化乾燥時間を測定した。さらにそれぞれの試験片を60℃の温水に200時間連続で
浸漬させた後の塗膜の状態を観察した。他は実施例1と同様に塗膜特性を試験し
た。結果を第2表に示した。 第2表にみるように、実施例のコーティング用組成物で形成した塗膜は、比較
例のものと比べると、常温での硬化乾燥性が良く、塗膜硬度、硬化性、耐候性の
いずれもが優れていた。 −実施例17〜20− 第3表に示した配合組成で実施例17〜20のコーティング用組成物を得て、第3表
に示す基体にスプレー塗装を膜厚10μmとなるように実施し、第3表に示す硬化
条件で約10μm厚の硬化被膜を形成して試験片とした。上に述べたのと同様に
して塗膜特性の評価結果を第3表に示した。なお、第3表において、チヌビンPは
、チバガイギー社のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の商品名である。 第3表にみるように、密着性、塗膜硬度、硬化性、耐候性が良好であった。 次に、この発明のコーティング用組成物が顔料をも含有している場合であって
、光沢の良い被膜を形成する場合の、実施例、参考実施例および比較例を示す。 −実施例21〜28および参考実施例1〜4− まず、(A)成分の調製方法の例を説明する。 (調製例GA−1) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサーおよび温度計を取付けたフラスコ中に
IPA−ST(イソプロパノール分散コロイダルシリカゾル:粒子径10〜20mμ
、固形分30%、H2O0.5%、日産化学工業社製)100部、メチルトリメトキシシ
ラン68部、水5.4部を投入して撹拌しながら65℃の温度で約5時間かけて部分加
水分解反応を行い冷却して(A)成分を得た。このものは、室温で48時間放置し
たときの固形分が36%であった。ここで得た(A)成分をGA−1と称する。GA−1の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …2×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量 ……47.2% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% …100モル% (調製例GA−2) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサーおよび温度計を取付けたフラスコ中に
ME−ST(メタノール分散コロイダルシリカゾル:粒子径10〜20mμ、固形分3
0%、H2O0.5%、日産化学工業社製)150部、メチルトリメトキシシラン136部
、ジメチルジメトキシシラン36部、IPA75部、水19.4部を投入して撹拌しな
がら60℃の温度で約6時間かけて部分加水分解反応を行い冷却して(A)成分を
得た。このものは、室温で48時間放置したときの固形分が32%であった。ここで
得た(A)成分をGA−2と称する。GA−2の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …3×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量 ……33.5% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% …76.9モル% (調製例GA−3) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサーおよび温度計を取付けたフラスコ中に
IPA−ST(イソプロパノール分散コロイダルシリカゾル:粒子径10〜20mμ
、固形分30%、H2O0.5%、日産化学工業社製)100部、メチルトリメトキシシ
ラン68部、ジメチルジメトキシ シラン18部、水2.7部、無水酢酸0.1部を投入して撹拌しながら80℃の温度で約
3時間かけて部分加水分解反応を行い冷却して(A)成分を得た.このものは、
室温で48時間放置したときの固形分が36%であった。ここで得た(A)成分をG
A−3と称する。GA−3の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …1×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量 ……40.2% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% …77モル% 次に(B)成分の調製方法の例を説明する。 (調製例GB−1) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロートおよび温度計を取付けた
フラスコにメチルトリイソプロポキシシラン220部(1モル)とトルエン150部と
の混合液を計り取り、1%塩酸水溶液108部を上記混合物に20分で滴下してメチル
トリイソプロポキシシランを加水分解した。滴下30分後に撹拌を止め、二層に分
離した少量の塩酸を含んだ下層の水・イソプロピルアルコールの混合液を分液し
、次に残ったトルエンの樹脂溶液の塩酸を水洗で除去し、さらにトルエンを減圧
除去し後、イソプロピルアルコールで希釈し平均分子量約1000のシラノール基含
有オルガノポリシロキサンのイソプロピルアルコール40%溶液を得た。これをG
B−1と称する。なお、分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー)により、HLC802AおよびHLC8020(東ソー株式会社製)を用いて、
標準ポリスチレンで検量線を作成し、測定したものである。以後の分子量も同様
の方法で測定した。 (調製例GB−2) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロートおよぴ温度計を取付けた
フラスコにメチルトリイソプロポキシシラン220部(1モル)とトルエン150部と
の混合液を計り取り、1,5%塩酸水溶液108部を上記混合物に20分で滴下してメ
チルトリイソプロポキシシランを加水分解した。滴下60分後に撹拌を止め、二層
に分離した少量の塩酸を含んだ下層の水・イソプロピルアルコールの混合液を分
液し、次に残ったトルエンの樹脂溶液の塩酸を水洗で除去し、さらにトルエンを
減圧除去し後、イソプロピルアルコールで希釈し平均分子量約3000のシラノール
基含有オルガノポリシロキサンのイソプロピルアルコール40%溶液を得た。これ
をGB−2と称する。 (調製例GB−3) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロートおよび温度計を取付けた
フラスコにメチルトリイソプロポキシシラン220部(1モル)とトルエン150部と
の混合液を計り取 り、2%塩酸水溶液108部を上記混合物に20分で滴下してメチルトリイソプロポキ
シシランを加水分解した。滴下120分後に撹拌を止め、二層に分離した少量の塩
酸を含んだ下層の水・イソプロピルアルコールの混合液を分液し、次に残ったト
ルエンの樹脂溶液の塩酸を水洗で除去し、さらにトルエンを減圧除去し後、イソ
プロピルアルコールで希釈し平均分子量約7000のシラノール基含有オルガノポリ
シロキサンのイソプロピルアルコール40%溶液を得た。これをGB−3と称する
。 (調製例GB−4) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロートおよび温度計を取付けた
フラスコに水1000部、アセトン50部を計り取り、その混合溶液中に、メチルトリ
クロロシラン44.9部(0.3モル)、ジメチルジクロロシラン38.7部(0.3モル
)、フェニルトリクロロシラン84.6部(0.4モル)をトルエン200部に溶解した
ものを撹拌下に滴下しながら加水分解した。滴下40分後に撹拌を止め、反応液を
分液ロートに移し入れて静置した後、二層に分離した下層の塩酸水を分液除去し
、次に上層のオルガノポリシロキサンのトルエン溶液中に残存している水、およ
び塩酸を減圧ストリッピングにより遇剰のトルエンと共に留去して除去し、平均
分子量約3000のシラノール基含有オルガノポリシロキサンのトルエン60%溶液を
得た。これをGB−4と称する。 (調製例GB−5) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロートおよび温度計を取付けた
フラスコにメチルトリイソプロポキシシラン220部(1モル)とトルエン150部と
の混合液を計り取り、0.2%塩酸水溶校108部を上記混合物に20分で滴下してメ
チルトリイソプロポキシシランを加水分解した。滴下30分後に撹拌を止め、二層
に分離した少量の塩酸を含んだ下層の水・イソプロピルアルコールの混合液を分
液し、次に残ったトルエンの樹脂溶液の塩酸を水洗で除去し、さらにトルエンを
減圧除去した後、イソプロピルアルコールで希釈し平均分子量約500のシラノー
ル基含有オルガノポリシロキサンのイソプロピルアルコール40%溶液を得た。こ
れをGB−5と称する。 (調製例GB−6) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロートおよび温度計を取付けた
フラスコにメチルトリイソプロポキシシラン220部(1モル)とトルエン150部と
の混合液を計り取り、5%塩酸水溶液108部を上記混合物に20分で滴下してメチル
トリイソプロポキシシランを加水分解した。滴下150分後に撹拌を止め、二層に
分離した少量の塩酸を含んだ下層の水・イソプロピルアルコールの混合液を分液
し、次に残ったトルエンの樹脂溶液の塩酸を水洗で除去し、さらにトルエンを滅
圧除去し後、イソプロピルアルコールで希釈し平均分 子量約13000のシラノール基含有オルガノポリシロキサンのイソプロピルアルコ
ール40%溶液を得た。これをGB−6と称する。 (調製例GB−7) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロートおよび温度計を取付けた
フラスコに水1000部、アセトン50部を計り取り、その混合溶液中に、メチルトリ
クロロシラン44.8部(0.3モル)、ジメチルジクロロシラン19.4部(0.15モ
ル)、ジフェニルジクロロシラン38.0部(0.15モル)、フェニルトリクロロシ
ラン84.6部(0.4モル)をトルエン200部に溶解したものを撹拌下に滴下しなが
ら加水分解した。滴下40分後に撹拌を止め、反応液を分液ロートに移し入れて静
置した後、二層に分離した下層の塩酸水を分液除去し、次に上層のオルガノポリ
シロキサンのトルエン溶液中に残存している水、および塩酸を減圧ストリッピン
グにより過剰のトルエンと共に留去して除去し、シラノール基含有オルガノポリ
シロキサンのキシレン溶液を得た。これをさらに150℃、8時間で脱水縮合反応さ
せ平均分子量約10万のシラノール基含有オルガノポリシロキサンの50%キシレン
溶液を得た。これををGB−7と称する。 (顔料の分散) 上記GA−1からGA−3の各溶液(A液)に、白色顔料の酸化チタン(石原産業
株式会社製「R−820」)99部、弁柄(戸田工業(株)製)1部およびカーボンブ
ラック(HCC)0.1部からなる混合物(顔料)をグレンミルで分散させた。さ
らに、顔料分散後、24時間室温放置した後、触媒としてA液100部に対してN−
β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン5部、ジブチル錫ジ
ラウレート1部を加えて顔料分散させたA’液を調製した。添加する顔料の量は
第4,5表に示すように変えた。 また、実施例28および参考実施例3,4では、GA−1液に上述の顔料を分散さ
せる時に、サンドミルで60分間処理(実施例28および参考実施例4)およぴ20分
間処理(参考実施例3)したこと以外は同じ条件で行った。 その後、A液とB液が50部:50部の割合になるように、A’液とB液を組み合
わせ、第4,5表に示す実施例21〜28および参考実施例1〜4のコーティング用組成
物を得た。使用時には、A’液とB液とを混合して用いた。 得られたコーティング用組成物をアルミニウム熔射したテストピース(アルス
ター:商品名 日本テストパネル社製)にスプレー塗装で硬化被膜厚で約10μm
になるように塗布して、硬化温度100℃で20分間硬化させて被膜特性を試験した
。 基材への密着性を碁盤目粘着テープ(セロハンテープ使用)剥離試験、被膜の
硬さを鉛筆硬度(JIS K5400に準ずる)、光沢を光沢計(60度グロス)で、
硬化性を耐トルエン性 (耐溶剤性)および耐沸騰水性(耐煮沸性。水道水沸騰、1時間)で観察した。 また、耐候性は、デューサイクルテスト(500時間)後の光沢保持率で判断し
た。 試験は、硬化処理後、常温で1週間放置後、行った。 なお、耐溶剤性はトルエンを含ませたガーゼで塗膜をかるく押さえて往復で10
0回擦り、その時の塗膜の状熊を観察して変化のないものを良好とした。 耐沸騰水性は、沸騰した水道水に1時間浸漬させた後、テストピース(試験片
)を1時間放置して塗膜の状態を観察して変化のないものを良好とした。結果を
第4,5表に示した。 −比較例5− テトラエトキシシラン10部、メチルトリメトキシシラン100部、ジメチルジメ
トキシシラン35部、IPAシリカゾル(触媒化成工業製、H2O0.5%、固形分3
0%)80部、イソプロパノール50部、1N−塩酸0.4部、水6部を25℃雰囲気下で5
00rpmで30分間撹拌した後、3日間常温で貯蔵した。さらに、調製液の固形分に対
して酸化チタン(石原産業製)50部、アエロジル(日本アエロジル(株)製二酸
化ケイ素)1.0部を添加し、サンドミルを用いて1000rpmで20分間処理した。得
られた液をC−A液と称する。使用時、C−A液100部に水30部、IPA30部お
よび1N−塩酸0.2部を加えてコーティング液C−1を得た。C−1液の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …使用前 1×10-1 …使用時 2×101 ・(A)成分のコロイドシリカの固形分 ……24.4% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% …68.5モル% この、C−1液について上記実施例21〜28と同様にして試験を行い、結果を第6
表に示した。 第4,5表にみられるように、実施例のコーティング用組成物は、耐候性および
密着性に優れ、硬度が高く、光沢が良好である。また、耐溶剤性および耐沸騰水
性もよい。これに対し、参考実施例1のコーティング用組成物は、耐候性、密着
性、硬度および耐沸騰水性の劣った被膜を形成した。参考実施例2〜4のコーティ
ング用組成物は、光沢度の劣った塗膜を形成した(他の性能は実施例21〜28と同
等であった)。比較例5のコーティング用組成物は、(B)成分を含んでおらず
、その代わりに水、塩酸などが加えられているため、焼き付けタイプのコーティ
ング材であり、耐候性、密着性および硬度の劣った塗膜を形成した。 −実施例29− 上記GA−2の溶液700部にカラー用ブラック(HCC)17.2部を混合してグ
レンミルでカーボンブラックを分散させた黒色塗料を調製し、さらにN−β−ア
ミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン6部、ジブチル錫ジラウレ
ート1.2部を加えてA’液を調製した。 次にこのA’液356.8部に対してGB−1液を150部混合してコーティング用組
成物を得た。 これをセメント基材〔アスク社製、硬質スレート板(嵩密度1.7g/cm3でその
飽和吸水時から絶乾までの寸法変化が0.1〜0.15%である)〕にスプレー塗装
して硬化被膜が約20μm厚になるようにして室温で1週間硬化させた後、被膜特性
を上記のようにして試験した。結果を第7表に示した。 −比較例6− フラスコ中にスノーテックO(水分散シリカゾル、粒子径10〜20mμ、固形分
(SiO2)20%=日産化学工業(株)製)150部、メチルトリメトキシシラン136
部を混合して65℃の温度をかけ、約5時間かけて加水分解させてメチルトリメト
キシシランの部分縮合したシラノール溶液を得た。このものをイソプロピルアル
コールで固形分20%になるように希釈した。さらに、この溶液500部にカラー用
ブラック(HCC)5部を混合してグレンミルでカーボンブラックを分散させて
黒色塗料を調製し、さらにN−β−アミノエチル−γ−アミルプロピルトリメト
キシシラン3部、ジブチル錫ジラウレート0.6部を加えて比較用のコーティング
材を得た。 ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …2.2 ・(A)成分中のコロイドシリカの固形分 …30.9% ・(I)式で表される加水分解性オルガノシラン中、n=1のときの加水分解性オ
ルガノシランのモル% …100モル% この比較用のコーティング材について実施例29と同様に被膜特性を試験し、結
果を第7表に示した。 実施例29のコーティング材は、常温硬化により、耐候性、密着性が優れ、硬度
が高く、光沢度が良く、耐溶剤性および耐沸騰水性の良い塗膜を形成した。これ
に対し、比較例6のコーティング材は (B)成分を含んでいないため、焼き付
けタイプのコーティング材であり、耐侯性、密着性および硬度の劣った塗膜を形
成した。 実施例21〜29で得られた塗料(A’液)、比較例6で得られた塗料を密閉した
容器に取り、50℃での加熱促進試験により安定性を評価した。その結果、比較例
6の塗料は1日でゲル化したのに対して実施例21〜29のものは7日間たっても若干
増粘しただけであった。 次に、この発明のコーティング用組成物が貯蔵安定性の良好な場合の実施例お
よび参考実施例を示す。 (調製例A−9) 第8表に示す(A)成分を密栓したポリエチレン容器中で48時間保存し、それ
にエチレンジアミン(無水)をIPAで10%に希釈したものを(A)成分のpH
をモニターしながら滴下して、種々のpHに調製した。以下、これらをA−9と言
う。 また、同様に調製されたものを3ヶ月間密栓したポリエチレン容器中に保存し
た。 −実施例30〜34および参考実施例5,6− 第8表に示す種々のpHで調製されたA−9を60部、B−1を40部、及び
硬化触媒としてN−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン0.5部とを混合して本発明のコーティング用組成物を得た。以下、この製
造直後(初期)のコーティング用組成物を用いて、実施例1と同様にして試験片
を作成し被膜硬度試験を行った。同様にして、3ケ月保存したコーティング用組
成物についても試験片を作成し被膜硬度試験を行った。それらの被膜硬度の評価
結果を第8表に示す。 −実施例35− 調製例A−6で得られた(A)成分を密栓したポリエチレン容器中で48時間
保存し、それにエチレンジアミン(無水)をIPAで10%に希釈したものを(
A)成分のpHをモニターしながら滴下して、pH=5.2に調製した。以下、こ
の液をA−10と言う。このA−10の60部に(C)成分としてN−β−アミノエ
チル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン0.5部とを混合してC−2と
し、C−2にB−1成分40部を混合したのち、直ちに、実施例1と同様にして試験
片を作成し被膜硬度試験を行った。また、C−2を3ケ月間保存し同様にして試験
片を作成し被膜硬度試験を行った。試験結果を第9表に示す。 −参考実施例7− pHを1.6に調製したほかは実施例35と同様にして試験片を作成し被膜硬度試
験を行った。試験結某を第9表に示す。 第8,9表にみるように、(A)成分のpHを2〜7に調整することによって、良
好な貯蔵安定性が得られた。 この発明のコーティング用組成物は、(A)成分のpHを2〜7の範囲に調整す
ることによって、貯蔵安定性がよく、長期的に安定した性能を得ることができる
。 以下は、この発明の塗装された無機質硬化体およびその製造方法の実施例およ
び比較例である。 −実施例36〜41および比較例7−プライマーの調製 エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂溶液の調製 (溶液S−1) ジメチルジクロロシラン7部、メチルトリクロロシラン40部、ジフェニルジク
ロロシラン48部およびフェニルトリクロロシラン78部をトルエン95部と混合し、
これを、還流冷却器付の容器に入った水350部−メタノール50部混合液中に、温
度を50℃以下に保ちながら撹拌しつつ滴下し、加水分解、縮合を行った。 生成したポリメチルフェニルシロキサンを水で洗浄し、副生した塩化水素を除
去した。これを、減圧下で加熱し、溶剤の一部として残存する水を除去し、濃度
50%のシリコーン樹脂トルエン溶液を得た。 ついで、エポキシ当量250のビスフェノールAエピクロルヒドリン型エポキシ
樹脂70部、フタル酸無水物5部、アマニ油脂肪酸10部およびトルエン75部からな
る溶液を調製し、トルエンを除去しつつ撹拌下にて徐々に昇温し、230℃に達し
た時点でその温度を保ちつつ、さらに5時間加熱を続けた。ここに、先のシリコ
ーン樹脂トルエン溶液50部、および、全体を固形分50%にする量のトルエンを加
え、溶液が透明になるまで撹拌し、エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂のトルエン
溶液S−1を得た。 (溶液S−2) ジメチルジクロロシラン51部、メチルトリクロロシラン15部、ジフェニルジク
ロロシラン44部およびフェニルトリクロロシラン52部をキシレン50部と混合し、
温度を40℃〜60℃に保ちながら水320部中に撹拌しつつ滴下し、以下溶液S−1と
同様にして、濃度60%のシリコーン樹脂キシレン溶液を得た。 ついで、エポキシ当量500のビスフェノールAエピクロルヒドリン型エポキシ
樹脂54部およびドデシルコハク酸無水物25部をキシレン23部に溶解し、ここに、
先のシリコーン樹脂キシレン溶液51部を加え、還流温度で3時間の加熱撹拌を行
ってエポキシ樹脂とシリコーン樹脂とを反応させた。さらに、所要量のキシレン
を追加して、エポキシ樹脂変性シ リコーン樹脂の50%キシレン溶液S−2を得た。 (溶液S−3) ジメチルジクロロシラン49部、フェニルトリクロロシラン84部およびジフェニ
ルジクロロシラン103部を混合し、ここに、温度を25℃以下に保ちながら、メタ
ノール40部−水15部混合液を2時間かけてゆっくり滴下した。ついで、撹拌しつ
つ70℃〜75℃に昇温して1時間加熱還流を行い、その後冷却してメタノール40部
を加え、分液した。 採取したポリオルガノシロキサン層に炭酸カルシウム2部を加えて副生塩化水
素を中和した後、減圧下で加熱して、メタノールと低沸点化合物を除去し、液状
のポリオルガノシロキサンを得た。 このポリオルガノシロキサン50部にキシレン100部、エポキシ当量180のノポラ
ック型エポキシ樹脂45部およびフタル酸無水物3.5部を加え、キシレン還流下で
3時間加熱した。冷却、ろ過後、エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂の50%キシレ
ン溶液S−3を得た。 プライマー組成物の調製 主成分が前記化学式(3)で表されるイソシアネートプレポリマー混合物の75
%酢酸ブチル溶液I−1、主成分が前記化学式(1)で表されるイソシアネートプ
レポリマー混合物の75%酢酸ブチル溶液I−2、および、主成分が前記化学式(5
)で表されるイソシアネートプレポリマー混合物の50%酢酸エチル溶液I−3に
第10表に示した割合で、エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂、メルカプト基含有ケ
イ素化合物、有機スズ化合物および溶媒を加え、プライマー組成物P−1〜P−5
を調製した。コーティング用組成物の調製 (A)成分として、上記A−5およびA−6を用いた。 (B)成分として、上記B−1、B−2およびGB−1を用いるとともに、下記
B−6を用いた。 (調製例B−6) 1.5%塩酸水溶液を用いて、滴下後撹拌を止めるまでの時間を40分にしたこと
以外は、上記GB−1と同様にして乎均分子量約3000のシラノール基含有オルガ
ノポリシロキサンのイソプロピルアルコール40%溶液を得た。これをB−6と称
する。 (顔料の添加) 第11表に示されている(A)成分と白色顔料の酸化チタン(石原産業株式会社
製「R−820」)との混合物を、サンドグラインダーにかけて酸化チタンを分散
させ、白色塗料を調製した。これに、第11表に示されている成分(C)を加えて
、次に同表に示されている(B)成分を配合し、コーティング用組成物を得た。 (調製例コーティング液C−3) メチルトリメトキシシラン100部、テトラエトキシシラン20部、IPAシリカ
ゾル(触媒化成工業(株)製OSCAL1432、SiO2含量30%)105部、ジメチ
ルジメトキシシラン5部およびIPA100部を混合した。この混合溶液に、触媒の
1N−塩酸1部と水4.5部を加え、A液とした。なお、配合は、25℃で、500rpmで
30分間撹拌しながら行った。 調製されたA液を、25℃で1週間以上密栓状態で保存し、使用時には、A液100
部に対して42部の水と42部のIPAを加えて25℃下、500rpmで10分間撹拌し、コ
ーティング液C−3とした。C−3の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …使用前 0.1 …使用時 3.3 ・(A)成分のコロイドシリカの固形分 ……35.1% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% …84.2モル% 無機質硬化体としては、松下電工(株)製「マルチサイディング」(嵩密度1
.0g/cm3でその飽和吸水時から絶乾までの寸法変化が0.3%である、アクリル
エマルションシーラー塗装セメント系板)を使用した。このものは、第1〜3図に
示すような形状のものであり、表面に、長手方向(第1図のたて方向)の溝21と
幅方両(第1図のよこ方向)の溝22が形成されて凹凸模様を有しているとともに
、幅方向の両端(第1,2図に示す板の右端と左端)に、さね加工(相じゃくり加
工)が施されている。無機質硬化体の板1同士をこの相じゃくり加工の施された
部分で幅方向に継ぎ合わせるようになっている。寸法は、a=465mm、b=15mm、c
=5mm、d=7mm、e=7mm、f=3mm、g=5mm、h=3mm、i=2mm、j=3mmである。第2
図において、無機質硬化体の板1の右端のひさし状に突き出た部分32には、溝22
が形成されていて、厚みが一番薄くなっている(図中、厚みj)。 用いたプライマー、コーティング用組成物については、第10表、第11表に示し
た。また、処理条件としては、プライマーは、エアスブレーで膜厚が10μmにな
るように「マルチサイディング」に塗装し、室温(25±2℃、60±5%RH)で30
分間放置してプライマー層を形成した。 そのプライマー層の上に、コーティング用組成物をエアスプレーで中塗りの場
合10μm厚、上塗りの場合8μm厚になるよう塗装し、室温(25±2℃、60±5%R
H)で1週間放置して硬化させた。その後、各試験を行った。 なお、被膜特性の試験は以下の評価方法に拠った。 ・密着性:基材への密着性を碁盤目粘着テープ(セロハンテープ使用)剥離試験 ・耐温水性:60℃の温水に8時間浸漬した後、室温(25±2℃、60±5%RH)で1
6時間風乾するという操作を1サイクルとして10サイクル行い、塗膜の状態をみた
。 ・耐候性:サンシャインウェザオメーター(JISK5400に準ずる)で2500時間
照射後塗膜の状態を観察して変化のないものを良好とした。 結果を第12表に示した。 −実施例42− 前記「マルチサイディング」に、プライマーP−1をエアスプレーで膜厚が10
μmになるように塗装し、60℃×30分処理した。 その後、コーティング用組成物M−4をエアスプレーで膜厚が10μmになるよう
に塗装し、60℃×30分処理した.更に、その上にコーティング用組成物M−1を
エアスプレーで膜厚が8μmになるように塗装し、60℃×30分処理した。 −比較例8− 前記「マルチサィディング」にプライマーP−1を塗装した。条件は、エアス
プレーで膜厚が10μmになるように塗装し、60℃で30分処理するというものであ
った。 その後、コーティング用組成物C−1をエアスプレーで膜厚が10μmになるよう
に塗装し、130℃×30分処理した。更に、その上にコーティング用組成物C−3を
エアスプレーで膜厚が8μmになるように塗装し、130℃×30分処理した。 実施例42および比較例8の各塗装された無機質硬化体について、第3図に一点鎖
線の円で囲んだ部分を観察すると、比較例8では基材にクラックが発生していた
が、実施例42では異常がなかった。 以下の実施例は、重ね塗りにより、無機質硬化体に高級な外観を付与する場合
の例である。 −実施例43,44− 第11表に示される(A)成分(A−6)100部に次の顔料No.1またはNo.2の
60部を添加して色顔料入りのコーティング用組成物M−6およぴM−7を調製した
。分散は、サンドミルで60分間処理して行った。顔料No.1: 白色顔料(石原産業(株)製 酸化チタンCR13)………61% 黄色顔料(大日精化工業(株)製 ダイピロカラー#9151)…22% 黒色顔料(大日精化工業(株)製 ダイピロカラー#9512)…17%顔料No.2: 白色顔料(石原産業(株)製 酸化チタンCR13)………77% 黄色顔料(大日精化工業(株)製 ダイビロカラー#9151)…13% 黒色顔料(大日精化工業(株)製 ダイピロカラー#9512)…5% 茶色顔料(大日精化工業(株)製 ダイピロカラー#9270)…5% また、第10表に示されるプライマーP−1によ記の顔料No.1を添加して色顔
料入りのプライマー組成物を調製した。分散は、サンドミルで60分間処理して行
った。顔料No.1 は、S−1に添加した。顔料添加量は、P−1のビヒクル固形分100部に対して25
部になるようにした。このプライマー組成物をP−Gとする。 −実施例45− 無機質硬化体として、上述の「マルチサイディング」を使用した。プライマー
P−Gをエアスプレーで膜厚が20μmになるように塗装し、50℃×30分処理した
。 その後、コーティング用組成物M−7をロールコータで凸部に膜厚10μmになる
ように塗装し、50℃×30分処理した。更に、その上にコーティング用組成物M−
1をエアスプレーで膜厚が10μmになるように塗装し、60℃×30分処理した。 その結果、凸部と凹部の色が異なり、光沢のある外観が得られた。また、基材
にクラック等の発生は認められなかった。また、上記一連の性能評価に対しても
良好な結果であった。 −実施例46− 無機質硬化体として、上述の「マルチサイディング」を使用した。プライマー
P−1をロールコータで膜厚が10μmになるように塗装し、50℃×30分処理した。 その後、コーティング用組成物M−6をエアスプレーで膜厚10μmになるように
塗装し、50℃×30分処理した。更に、その上にコーティング用組成物M−7をロ
ールコータで凸部に膜厚が10μmになるように塗装し、40℃×15分処理した後、
コーティング用組成物M−1をエアスプレーで膜厚が10μmになるように塗装し、
60℃×30分処理した。 その結果、凸部と凹部の色が異なり、光沢のある外観が得られた。また、基材
にクラック等の発生は認められなかった。また、上記一連の性能評価に対しても
良好な結果であった。 〔発明の効果〕 この発明のコーティング用組成物は、少なくとも上記特定の(A)、(B)お
よび(C)成分からなり、実質的に水を含まない有機溶液型であるので、乾燥が
速く、しかもその硬化被膜は硬度が高く、密着性、耐溶剤性(硬化性)、耐沸騰
水性および耐候性いずれもが優れたものである.さらに、この発明のコーティン
グ用組成物は常温硬化も可能であり、加熱硬化も可能であるため、幅広い乾燥条
件範囲(環境)また温度範囲で使用できる。したがって、耐熱性のない基体に対
して塗装でき、熱のかけられない作業現場で塗装できることから、その工業的、
産業的価値は極めて大きい。 この発明のコーティング用組成物は、顔料分散配合によって任意に着色でき、
(B)成分の平均分子量を上記のように制限することによって優れた平滑性、密
着性、耐溶剤性(硬化性)、耐沸騰水性および耐候性を得ることができる。 上述のように、この発明の塗装された無機質硬化体は、セメント等の無機質硬
化体の表面に、この発明のコーティング用組成物の硬化層を有している。この硬
化層は、高硬度かつ耐候性に優れており、長期に渡ってクラックや剥離を生じる
事がない。 この発明の塗装された無機質硬化体の製造方法によれば、前記のような硬化層
を建設現場などでも形成でき、また、耐熱性の低い基材あるいはさね加工や凹凸
の模様を有する基材の中で板厚の薄い所があるような基材でもクラックの発生が
ないように硬化層を形成できる。これらのことから、この発明の工業的価値は極
めて大である。 また、前記硬化層により、無機質硬化体に高級な外観を付与することができる
【図面の簡単な説明】 第1図は、実施例36〜46および比較例7,8で用いた無機質硬化体の一部分の平
面図、第2図は、そのA−A断面図、第3図は、そのB−B断面の一部を表す図で
ある。 1…無機質硬化体の板

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1) (A)一般式 R1 nSiX4-n … (I) (式中、R1は同一または異種の置換もしくは非置換の炭素数1〜8の1価炭化
    水素基を示し、nは0〜3の整数、Xは加水分解性基を示す。) で表わされる加水分解性オルガノシランを有機溶媒または水に分散されたコロイ
    ダルシリカ中でX1モルに対し水0.001モリ以上0.5モル未満を使用する
    条件下で部分加水分解してなる、加水分解性基が残存しているオルガノシランの
    シリカ分散オリゴマー有機溶剤溶液と、 (B)平均組成式 R2 aSi(OH)b(4-a-b)/2 … (II) (式中、R2は同一または異種の置換もしくは非置換の炭素数1〜8の1価の炭
    化水素基を示し、aおよびbはそれぞれ0.2≦a≦2,0.0001≦b≦3
    ,a+b<4の関係を満たす数である。) で表わされる、分子中にシラノール基を含有するポリオルガノシロキサンの有機
    溶剤溶液と、 (C)触媒 とを必須成分とし、実質的に水を含まない、有機溶液型コーティング用組成物。 (2)(A)成分がシリカを固形分として5〜95重量%含有している請求項1
    記載のコーティング用組成物。 (3)(A)成分がシリカを固形分として20〜85重量%含有している請求項
    1記載のコーティング用組成物。 (4)加水分解性オルガノシランの少なくとも50モル%がn=1のオルガノシ
    ランである請求項1記載のコーティング用組成物。 (5)(A)成分1〜99重量部に対して(B)成分99〜1重量部(ただし、
    (A)成分と(B)成分の合計100重量部)を配合する請求項1記載のコーテ
    ィング用組成物。 (6)(D)顔料をも必須成分とする請求項1記載のコーティング用組成物。 (7)(B)成分のポリスチレン換算重量平均分子量が700〜20000であ
    る請求項6記載のコーティング用組成物。 (8)(A)成分のpHが2.0〜7.0である請求項1記裁のコーティング用
    組成物。 (9)無機質硬化体の表面に第1層としてプライマー層を有し、その上に第2層
    として、請求項1から8までのいずれかに記載のコーティング用組成物の硬化層
    を有する、塗装された無機質硬化体。 (10)無機質硬化体が、嵩密度0.5g/cm3以上で、その飽和吸水時から
    絶乾までの寸法変化が0.5%以下のものである請求項9記載の塗装された無機
    質硬化体。 (11)無機質硬化体が、さね加工および/または凹凸模様を有するものである
    請求項9記載の塗装された無機質硬化体。 (12)第1層のプライマー層が、 (a)一分子中に2個以上のイソシアネート基を含有するが、ウレタン結合は含
    有しないイソシアネートプレポリマー 100重量部 (b)一分子中に1個以上のメルカプト基および2個以上のアルコキシ基を含有
    する有機ケイ素化合物 1〜100重量部 (c)エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂 100重量部以下(固形分として) (d)有機錫化合物および/または錫の有機酸塩 0.01〜30重量部 の各成分が配合されてなるプライマー組成物の硬化体からなる請求項9記載の塗
    装された無機質硬化体。 (13)プライマー組成物が顔料を含有している請求項12記載の塗装された無
    機質硬化体。 (14)(a)成分の含有するイソシアネート基が、ベンゼン環に直結していな
    い請求項12または13記載の塗装された無機質硬化体。 (15)第2層が少なくとも2種の、顔料を含有するコーティング用組成物の分
    割塗装および/または重ね塗りにより形成された柄模様を有する硬化層である請
    求項9記載の塗装された無機質硬化体。 (16)第2層が少なくとも1種の、顔料を含有するコーティング用組成物の硬
    化層と、さらにその上に形成された顔料不含のコーティング用組成物の硬化層と
    からなるものである請求項9記載の塗装された無機質硬化体。 (17)無機質硬化体表面にプライマー層を形成する第1の工程と、同プライマ
    ー層上に請求項1から8までのいずれかに記載のコーティング用組成物を塗布し
    、常温ないし低温加熱により乾燥させて硬化した無機コーティング層を形成する
    第2の工程とを備えた、塗装された無機質硬化体の製造方法。 (18)プライマー層の形成が、 (a)一分子中に2個以上のイソシアネート基を含有するが、ウレタン結合は含
    有しないイソシアネートプレポリマー 100重量部 (b)一分子中に1個以上のメルカプト基および2個以上のアルコキシ基を含有
    する有機ケイ素化合物 1〜100重量部 (c)エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂 100重量部以下(固形分として) (d)有機錫化合物および/または錫の有機酸塩 0.01〜30重量部 の各成分が配合されてなるプライマー組成物を塗布し、常温ないし低温加熱によ
    り乾燥されることにより行われる請求項17記載の塗装された無機質硬化体の製
    造方法。 (19)プライマー層が顔料を含有している請求項17記載の塗装された無機質
    硬化体の製造方法。 (20)第2工程において顔料不含のコーティング用組成物を最終上塗り塗布す
    る請求項17記載の塗装された無機質硬化体の製造方法。 (21)プライマー層が顔料を含有しており、第2工程においてプライマー層と
    は異なる色の少なくとも1種の、顔料を含有するコーティング用組成物を上記プ
    ライマー層上に重ね塗りして柄模様を形成し、さらにその上に顔料不含のコーテ
    ィング用組成物を上塗り塗装する請求項17記載の塗装された無機質硬化体の製
    造方法。 (22)第2工程において色違いの少なくとも2種の、顔料を含有するコーティ
    ング用組成物を分割塗装および/または重ね塗りして柄模様を形成する請求項1
    7記載の塗装された無機質硬化体の製造方法。

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