JPH093360A - プライマー組成物 - Google Patents

プライマー組成物

Info

Publication number
JPH093360A
JPH093360A JP15058795A JP15058795A JPH093360A JP H093360 A JPH093360 A JP H093360A JP 15058795 A JP15058795 A JP 15058795A JP 15058795 A JP15058795 A JP 15058795A JP H093360 A JPH093360 A JP H093360A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
parts
primer
group
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP15058795A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyo Iwabuchi
靖世 岩渕
Norio Sato
則夫 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Momentive Performance Materials Japan LLC
Original Assignee
Toshiba Silicone Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Silicone Co Ltd filed Critical Toshiba Silicone Co Ltd
Priority to JP15058795A priority Critical patent/JPH093360A/ja
Publication of JPH093360A publication Critical patent/JPH093360A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)エポキシ樹脂またはシリコーン樹脂変
性エポキシ樹脂;(B)少なくとも1個の炭素原子を介
してケイ素原子に結合したイソシアナト基またはイソシ
アヌル環を有する加水分解性有機ケイ素化合物;および
(C)硬化触媒を含むプライマー組成物。 【効果】 シリコーン系コーティング材またはシーリン
グ材を、多孔質材や石材に施工する際に優れた接着性を
示し、高温耐水性、耐候性に優れ、温度変化による応力
をよく吸収するプライマーが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコーン系のコーテ
ィング材またはシーリング材用のプライマー組成物に関
する。さらに詳しくは、それらを多孔質基材、特に塩基
性の多孔質基材に施工する際に、良好な接着性、特に高
温下で水と接触させたときの接着耐久性を与えるプライ
マー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】建造物の屋上や外壁などのコーティング
材として室温硬化型シリコーンゴム組成物、シリコーン
レジン組成物およびケイ素アルコキシド系組成物が、ま
た建造物の目地部分のシーリング材として室温硬化型シ
リコーンゴム組成物が、広く用いられている。そして、
これらのコーティング材またはシーリング材組成物を基
材に強く接着させ、また各種の条件に対して接着耐久性
を与えるために、基材の表面に各種のプライマーを塗布
することが、広く行われている。しかしながら、これら
の建造物を構成する基材のうち、モルタル、コンクリー
ト、軽量発泡コンクリートなどのような多孔質材に上述
のようなコーティング材やシーリング材を施工する場合
は、プライマーを塗布しても内部に浸透してしまい、コ
ーティング材やシーリング材の被着面に有効なプライマ
ー被膜が形成されにくく、また、細孔を通って水が浸透
しやすいため、耐水接着性が十分ではない。さらに、こ
れらの基材は一般に塩基性なので、塗布されたプライマ
ー組成物が塩基によって冒されやすく、このこともまた
接着性の耐久性低下の原因となっている。
【0003】これらの問題の解決を目的とした先行技術
としては、各種のアクリル酸エステルの共重合体を用い
る方法(たとえば、特公昭47−26415号公報、特
開昭52−43831号公報および同51−14932
4号公報)、シランカップリング剤およびチタン酸エス
テルからなるプライマー組成物を用いる方法(たとえ
ば、特開昭51−139831号公報)、塩化ゴム含有
プライマー組成物を用いる方法(たとえば、特開昭48
−46650号公報)、およびポリイソシアナートとイ
ソシアナト基に対する反応性を有する活性脂肪族シラン
との反応生成物を用いたプライマー組成物を用いる方法
(たとえば、特開昭52−17519号公報および同5
2−65529号公報)がある。しかし、これらの方法
はいずれも、多孔質基材に適用した場合、接着耐久性、
とりわけ耐水性が不十分であった。
【0004】多孔質基材に有用なプライマーとして、イ
ソシアヌル環およびイソシアナト基を有するプレポリマ
ー、エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂、およびメルカプ
ト基含有アルコキシシランを主成分とし、硬化触媒とし
てスズ化合物を用いる組成物(たとえば、特開昭64−
43571号公報)が提案され、これにより多孔質基材
に対する耐水接着性はかなり改善されている。しかしな
がら、高温で水と接触した状態のような苛酷な条件下に
おいては、経時的に接着機能が失われるので、長時間の
耐久性が得られず、また、メルカプト基含有アルコキシ
シランを用いるので、その臭気のために、屋内や換気の
悪い場所での使用には労働環境上の配慮を必要とすると
いう制約があった。そこで、このような問題を解決し
た、さらに優れたプライマーが求められていた。
【0005】このような多孔質基材用のプライマーとし
て、イソシアナト基含有プレポリマー、メルカプト基含
有アルコキシシランおよびアクリルポリオールを主成分
とし、硬化触媒を用いて硬化させるもの(特開平4−7
6084号公報);ならびにアルコキシシランまたはそ
の部分加水分解縮合物、および不飽和炭化水素にメルカ
プト基含有シランを付加させて得られる有機ケイ素化合
物を主成分とし、チタン酸エステルによって硬化させる
もの(特開平4−300961号公報)が提案され、前
者はアルカリ性の多孔質基材、後者は湿潤状態における
多孔質基材への接着性が大きく改善されたが、いずれも
成分としてメルカプト基含有化合物を用いるので、前述
の特開昭64−473571号公報に記載されたプライ
マー組成物と同様に、臭気による使用上の制約を受ける
ことは解決されていない。
【0006】さらに、分子中に2個以上のイソシアナト
基を有するイソシアナート化合物、メルカプト基または
イソシアナト基を有するケイ素化合物、および硬化触媒
として有機スズ化合物または第三級アミンからなるプラ
イマー組成物(特開平4−300989号公報)が提案
され、特に湿潤状態における多孔質基材への接着性な
ど、優れた接着特性を示すが、メルカプト基含有ケイ素
化合物を用いると、上記の各プライマーと同様な臭気の
問題が残り、またイソシアナト基含有ケイ素化合物を用
いた場合を含めて、高温における耐水接着性を必要とす
る最近の厳しい要求に対しては、まだ満足しうるもので
はない。
【0007】一方、側鎖に加水分解性シリル基を有する
ビニル共重合体と、エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂と
を主成分とするプライマー組成物(特開平5−7862
2号公報)が提案されている。このプライマーは、メル
カプト臭を有さず、強塩基性の多孔質基材に用いて優れ
た耐久性と耐水性を示すが、高温における耐水接着性
は、やはり十分ではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、多孔
質基材にシリコーン系のコーティング材やシーリング材
を施す際に、加熱処理を必要とせず、従来のプライマー
組成物では得られない耐久性、特に塩基性の多孔質基材
に用いても、高温において優れた耐水接着性を持続し、
かつメルカプト基含有化合物のような臭気を生じないプ
ライマー組成物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ケイ素原子に
炭素原子を介して結合したイソシアナト基またはイソシ
アヌル環を有する加水分解性有機ケイ素化合物と、エポ
キシ樹脂またはポリオルガノシロキサン樹脂変性エポキ
シ樹脂とを組み合わせたプライマー組成物によって、そ
の目的を達成しうることを見出して、本発明を完成する
に至った。
【0010】すなわち、本発明は、(A)エポキシ樹脂
またはシリコーン樹脂変性エポキシ樹脂100重量部; (B)ケイ素原子に結合した加水分解性基と、少なくと
も1個の炭素原子を介してケイ素原子に結合したイソシ
アナト基またはイソシアヌル環を有する加水分解性有機
ケイ素化合物1〜400重量部;および(C)硬化触媒
0.01〜30重量部を含むプライマー組成物に関し、
また、さらに、それに加えて、(D)加水分解性ジオル
ガノシランまたはその部分加水分解縮合物1〜300重
量部を含むプライマー組成物に関する。
【0011】本発明に用いられる(A)成分のエポキシ
樹脂またはシリコーン樹脂変性エポキシ樹脂は、本発明
のプライマー組成物に、強い接着性を付与する成分であ
る。
【0012】ここに、エポキシ樹脂とは、分子中に2個
以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物として定義さ
れ、低分子のものから高重合体のものまでをいう。この
ようなエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAジグリ
シジルエーテル、その鎖状重合体、テトラブロモビスフ
ェノールAジグリシジルエーテル、その鎖状重合体、ビ
スフェノールFジグリシジルエーテル、フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂などのグリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒド
ロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル
酸ジグリシジルエステル、3−メチルヘキサヒドロフタ
ル酸ジグリシジルエステルなどのグリシジルエステル型
エポキシ樹脂;ビニルシクロヘキセンジオキシド、3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ
シクロヘキサン)カルボキシラート、3,4−エポキシ
−6−メチルシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ
−6−メチルシクロヘキサン)カルボキシラート、アジ
ピン酸ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキ
シルメチル)などの脂環式エポキシ樹脂が例示され;ま
た一般にはエポキシ樹脂の反応性希釈剤として用いられ
ている、2個以上のエポキシ基を有する液状のエポキシ
化合物、たとえばポリエチレングリコールジグリシジル
エーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエー
テル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、トリメチ
ロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリント
リグリシジルエーテルなどを用いることもできる。これ
らは1種でも、2種以上を併用してもよい。
【0013】これらのエポキシ樹脂のうち、広範囲の基
材に対して優れた接着性を発現し、比較的低粘度の液状
物が容易に得られ、他のエポキシ樹脂に対する反応性希
釈剤としても用いることができ、各種のエポキシ当量の
ものが任意に得られるので、目的に応じて、接着性と、
プライマー処理の作業性、およびプライマー層の可とう
性などの物性との調和を図りやすことから、式(I):
【化1】 (式中、nは0または正の整数を表す)で示されるビス
フェノールAジグリシジルエーテルおよびその鎖状重合
体、すなわちビスフェノールA−エピクロロヒドリン系
エポキシ樹脂が好ましい。また、これにポリアルキレン
グリコールジグリシジルエーテル系エポキシ樹脂を併用
することが、得られたプライマー層の耐屈曲性や耐衝撃
性が優れていることから、特に好ましい。
【0014】また、被膜に可とう性を与えるために、ア
マニ油脂肪酸などの1価の脂肪酸によって変性を行って
もよい。
【0015】本発明においては、(A)成分として、上
述のようなエポキシ樹脂をポリオルガノシロキサン樹脂
で変性したものを用いることができる。このことによっ
て、接着性を損なわずに耐紫外線性を向上させることが
できるので、コーティング材としてクリヤ塗料を用いる
際に、特に有効である。このようなシリコーン変性エポ
キシ樹脂としては、エポキシ樹脂とポリオルガノシロキ
サン樹脂を、相溶性を示す範囲で単に混合したもので
も、相互に共縮合させたものでもよい。
【0016】上記の変性に用いられるシリコーン樹脂
は、通常、平均式(II):
【化2】 (式中、R1 は分子中に1種でも2種以上が存在してい
てもよい1価の炭素水素基を表し;R2 は水素原子また
は炭素数1〜4のアルキル基を表し;aは1.0〜1.
7、bは0.05〜1.0、xは2以上の数である)で
示される、ケイ素官能基OR2 を有するポリオルガノシ
ロキサン樹脂である。R1 としては、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシルなどの
アルキル基;ビニルなどのアルケニル基;2−フェニル
エチル、3−フェニルエチルなどのアラルキル基;およ
びフェニルなどのアリール基が例示され、耐水性や耐候
性が優れ、エポキシ樹脂との相溶性がよく、合成しやす
いことから、メチル基とフェニル基の混成であることが
好ましい。R2 としては、水素原子のほか、メチル、エ
チル、プロピル、ブチルのような低級アルキル基が例示
され、エポキシ樹脂との反応性およびプライマー層の硬
化反応性から、水素原子またはメチル基が好ましい。a
は通常0.5〜2.0、好ましくは1.0〜1.7の範
囲である。0.5未満ではエポキシ樹脂との相溶性のあ
る適度の重合度のシリコーン樹脂が得にくく、また、プ
ライマー層の可とう性が低くなる。また、1.7より大
きいと室温付近での反応性が悪く、2.0を越えると、
エポキシ樹脂と共縮合させた場合でも、被膜を形成する
ことができない。bは通常0.001〜3.0(ただ
し、a+b<4)であり、好ましくは0.05〜1.0
である。bが0.001未満では反応性が劣り、3.0
を越えると保存中の安定性が悪い。また、保存安定性か
ら、xは通常2以上であり、4以上が好ましい。
【0017】シリコーン樹脂変性エポキシ樹脂中のエポ
キシ樹脂分とシリコーン樹脂分の割合は特に限定されな
いが、接着性、耐水性および耐候性のバランス上、エポ
キシ樹脂分30〜85重量%、シリコーン樹脂分15〜
70重量%の範囲が好ましい。
【0018】このようなシリコーン樹脂変性エポキシ樹
脂は、通常、エポキシ樹脂とシリコーン樹脂を、両者を
溶解させる有機溶媒、たとえばトルエン、キシレンなど
の炭化水素系溶媒;またはこれにメチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒やブタノー
ルなどのアルコール系溶媒を配合した混合溶媒中で、単
に混合するか、あるいはさらに、触媒の存在下または非
存在下に加熱して両者を反応させることによって得られ
る。
【0019】本発明に用いられる(B)成分の加水分解
性ケイ素化合物は、ケイ素原子に結合した加水分解性基
を分子中に少なくとも1個有し、かつ、1個以上の炭素
原子を介してケイ素原子に結合したイソシアナト基また
はイソシアヌル環を分子中に少なくとも1個有するケイ
素化合物であり、(A)成分と反応して、プライマー層
の基材に対する接着性をより強固にするとともに、コー
ティング材またはシーリング材との間の接着性を発現さ
せる成分である。
【0020】ケイ素原子に結合した加水分解性基として
は、適度な反応性を有し、腐食性または刺激性の副生物
を生じないことから、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなど、
炭素数1〜6のアルコキシ基;2−メトキシエトキシ、
2−エトキシエトキシ、2−ブチルエトキシなどの置換
アルコキシ基;イソプロペニルオキシなどのアルケニル
オキシ基;およびアセトンオキシム、メチルエチルケト
キシム、メチルイソブチルケトキシムなど、炭素数3〜
6のケトキシム基が好ましく、反応性が高く、合成しや
すいことから、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエト
キシおよびメチルエチルケトキシム基がさらに好まし
い。
【0021】このような加水分解性基の数は、前述のよ
うに分子中に少なくとも1個であるが、良好なプライマ
ー硬化被膜を得るためには、2個以上であることが好ま
しい。
【0022】(B)成分中のイソシアナト基またはイソ
シアヌル環は、(A)成分中のエポキシ樹脂成分と反応
して強靭な被膜を形成させるためのもので、ケイ素原子
に対しては、少なくとも1個の炭素原子を介して結合す
る。ケイ素原子と該イソシアナト基またはイソシアヌル
環との間に介在する炭素原子は、2価の炭化水素基、た
とえばメチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ヘキ
サメチレンのようなアルキレン基が好ましく、化学的安
定性、および合成や取扱いの容易さから、トリメチレン
基が最も好ましい。
【0023】イソシアナト基を有する加水分解性ケイ素
化合物の具体例としては、3−イソシアナトプロピルト
リメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエト
キシシラン、3−イソシアナトプロピルトリス(2−メ
トキシエトキシ)シラン、3−イソシアナトプロピルト
リス(メチルエチルケトキシム)シランなどの三官能性
シラン;および3−イソシアナトプロピルメチルジメト
キシシラン、3−イソシアナトプロピルメチルジメトキ
シシランなどの二官能性シラン;ならびにこれらに対応
するイソシアナトメチル基含有シラン、4−イソシアナ
トブチル基含有シランのようなイソシアナト基含有シラ
ンが例示される。これらの部分加水分解縮合物もまた用
いることができる。
【0024】イソシアヌル環を有する加水分解性ケイ素
化合物としては、たとえば、式(III):
【化3】 (式中、3個のQはたがいに同一でも異なっていてもよ
く、それぞれ−R3 SiR4 c3-c を表し;R3 はアル
キレン基のような2価の炭化水素基を表し;R4は1価
の炭化水素基を表し;Xは1価の加水分解性基を表し、
cは0〜2である)で示される一般式を有するものであ
る。R3 およびXとしては、先に(B)成分全般につい
て述べたものが例示される。R4 としてはメチル、エチ
ルのような低級アルキル基およびビニル基が例示され、
合成が容易なことからメチル基が好ましい。このような
化合物として、具体的には、3個のQがいずれも3−
(トリメトキシシリル)プロピル、3−(トリエトキシ
シリル)プロピル、3−〔トリス(2−メトキシエトキ
シ)シリル〕プロピル、3−〔トリス(メチルエチルケ
トキシム)シリル〕プロピル、3−(メチルジメトキシ
シリル)プロピル、3−(メチルジエトキシシリル)プ
ロピルである化合物;ならびにこれらに対応する4−シ
リルブチル基含有化合物が例示される。
【0025】(B)成分としては、接着耐熱性が優れて
いることから、イソシアヌル環を有する化合物を用いる
ことが好ましい。
【0026】(B)成分の配合量は、(A)成分100
重量部に対して1〜400重量部であり、好ましくは2
0〜300重量部、さらに好ましくは30〜300重量
部である。1重量部未満ではプライマー層と基材の間の
接着性が低く、400重量部を越えると、得られる硬化
被膜が脆い。
【0027】本発明に用いれる(C)成分の硬化触媒
は、(A)成分と(B)成分の間の反応と、それぞれの
重縮合反応を常温付近で行わせて、プライマー組成物を
硬化させるものである。
【0028】このような硬化触媒として、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の水
酸化物;酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどのアル
カリ土類金属の酸化物;塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸マ
グネシウムなどの塩基性金属塩のような無機化合物が例
示される。
【0029】さらに、別の群の硬化触媒として、ジイソ
プロポキシ(エチルアセトアセタト)アルミニウム、ト
リス(エチルアセトアセタト)アルミニウム、トリス
(アセチルアセトナト)アルミニウム、ビス(エチルア
セトアセタト)アセチルアセトナトアルミニウムなどの
アルミニウムキレート化合物;アルミニウムトリイソプ
ロポキシド、アルミニウムトリブトキシドなどのアルミ
ニウムアルコキシド;ジイソプロポキシビス(メチルア
セトアセタト)チタン、ジイソプロポキシビス(エチル
アセトアセタト)チタン、ジイソプロポキシビス(アセ
チルアセトナト)チタン、1,3−プロパンジオキシビ
ス(エチルアセトアセタト)チタン、テトラキス(アセ
チルアセトナト)チタンのようなチタンキレート化合
物;テトライソプロポキシチタン、テトタ−n−ブトキ
シチタン、テトラキス−(2−エチルヘキシルオキシ)
チタンなどのチタンアルコキシド;イソ酪酸第一ズズ、
オクタン酸第一スズ、ナフテン酸第一スズ、ラウリン酸
第一スズ、ステアリン酸第一スズ、オレイン酸第一ス
ズ、パルミトオレイン酸第一スズ、リノール酸第一ス
ズ、β−ベンゾイルプロピオン酸第一スズ、クロトン酸
第一スズ、ケイ皮酸第一スズ、安息香酸第一スズ、p−
ブロモ安息香酸第一スズ、フェニル酢酸第一スズ、トロ
パ酸第一スズなどのカルボン酸スズ塩;ジブチルスズジ
アセタート、ジブチルスズジオクトアート、ジブチルス
ズジラウラートなどの有機スズ化合物のような金属元素
含有有機化合物が例示される。
【0030】さらに、もうひとつの群の硬化触媒とし
て、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチ
ル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−
(ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−ア
ミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ランなどのアミノアルキルアルコキシシラン;および酢
酸またはギ酸などのカルボン酸と、プロピルアミン、3
−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミ
ン、sec −ブチルアミン、tert−ブチルアミン、アリル
アミン、2−エチルヘキシルアミン、ジイソブチルアミ
ン、ビス(2−エチルヘキシル)アミン、3−(ジエチ
ルアミノ)プロピルアミン、3−(ジブチルアミノ)プ
ロピルアミンなどの有機アミンとから得られるアンモニ
ウム塩のような、アミノ基またはアンモニウム基を有す
る化合物が例示される。
【0031】これらの硬化触媒は、単独で用いても、2
種以上を併用してもよい。プライマーに優れた耐熱性を
与えることから、カルボン酸スズ塩が好ましく、高い触
媒活性を有することから、オクタン酸第一スズのような
比較的低級なカルボン酸のスズ塩が特に好ましい。
【0032】本発明のプライマー組成物の全成分を単一
容器内に長期間保存する際の安定性から、硬化触媒のう
ち、チタンアルコキシド、カルボン酸スズまたは有機ス
ズ化合物を用いることが好ましく、さらに、耐水接着性
に優れたプライマー層が得られることから、オクタン酸
スズを用いることが特に好ましい。
【0033】(C)成分の配合量は、触媒としての有効
量であり、触媒の種類や、用いる(A)成分の反応性に
よっても異なるが、(A)成分100重量部に対して
0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜10重量%
である。(C)成分の配合量が0.01重量%未満では
プライマーの硬化が遅く、30重量%を越えて用いると
耐水接着性が低下する。
【0034】コーティング材としてシリコーンレジン系
コーティング材を用いる場合、特にその塗膜を熱硬化に
よって形成させる場合のように、塗膜形成の際の収縮に
よる応力や、塗膜と基材の間の熱膨張係数の差による応
力を、プライマー層によって吸収するのに適した優れた
可とう性が該プライマー層に求められるとき、上述の
(A)、(B)および(C)成分に、さらに必要に応じ
て、(D)成分として加水分解性ジオルガノシランまた
はその部分加水分解縮合物を配合することが好ましい。
【0035】(D)成分は、プライマーの硬化の際に
(A)成分および/または(B)成分と反応して、プラ
イマーに、コーティング材の膨張・収縮に追従して応力
に耐える優れた可とう性を与える成分であり、上記のジ
オルガノシランは、一般式R56 SiY2(式中、R5
およびR6 はそれぞれ独立して1価の炭化水素基を表
し;Yは1価の加水分解性基を表す)で示される。R5
およびR6 としては、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ヘキシル、オクチルなどのアルキル基;ビニル、ア
リルなどのアルケニル基、フェニルなどのアリール基が
例示され、合成が容易で、耐水性や耐候性が優れ、か
つ、(D)成分とエポキシ樹脂との間に優れた相容性を
与えることから、R5 がメチル基でR6 がフェニル基、
またはR5 、R 6 ともフェニル基であることが好まし
い。
【0036】Yとしては、適度な反応性を有し、腐食性
または刺激性の副生物を生じないことから、(B)成分
のケイ素原子に結合した加水分解性基と同様なものが好
ましく、反応性が高く、合成しやすいことから、メトキ
シ、エトキシのような低級アルコキシ基およびメチルエ
チルケトキシム基がさらに好ましい。
【0037】このような(D)成分としては、ジメチル
ジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、
ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジエ
トキシシランなどのジオルガノジアルコキシシラン;お
よびジメチルビス(メチルエチルケトキシム)シラン、
メチルフェニルビス(メチルエチルケトキシム)シラ
ン、ジフェニルビス(メチルエチルケトキシム)シラン
などのジオルガノジケトキシムシラン;ならびにこれら
のシランの1種または2種以上の部分加水分解縮合物が
例示される。
【0038】(D)成分の配合量は、(A)成分100
重量部に対して、好ましくは1〜300重量部以下、さ
らに好ましくは20〜200重量部である。1重量部未
満ではコーティング材の膨張・収縮に追従して応力に耐
えるだけの可とう性が得られず、苛酷な条件で使用する
と、コーティング材にクラックを発生することがある。
一方、(D)成分が300重量部を越えると、プライマ
ー被膜と基材の間の接着性が低下する。
【0039】本発明のプライマー組成物に、必要に応じ
て、エポキシ樹脂の硬化剤を配合してもよい。エポキシ
樹脂の硬化剤としては、無水フタル酸、ドデシル無水コ
ハク酸などの酸無水物;テトラエチレンペンタミン、m
−キシレンジアミンなどのアミン類のような、公知のも
のが用いられる。
【0040】また、(A)、(B)および(C)成分、
あるいはさらに必要に応じて配合される(D)成分およ
びその他の任意成分を均一に溶解させて、良好な塗布作
業性を与えるために、有機溶媒を使用してもよい。有機
溶媒としては、n−ヘキサン、ガソリン、ゴム揮発油、
ミネラルスピリット、灯油などの脂肪族炭化水素系溶
媒;ベンセン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ブタノールなどのアルコール系溶媒;エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの
エーテルアルコール系またはエーテル系溶媒;アセト
ン、メチルエチルケトン、ジエチルケトンなどのケトン
系溶媒;および酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−ブ
チルなどのエステル系溶媒が例示され、プライマー組成
物に用いられる成分に応じて、1種または2種以上が用
いられる。
【0041】有機溶媒の使用量は、(A)、(B)およ
び(C)成分ならびに必要に応じて配合される(D)成
分の総量に対して10〜5,000重量%の範囲が好ま
しい。使用量が10重量%より少ないとプライマーの粘
度が高くなるので、プライマーのエナメル化が困難にな
り、クリヤー処方においても作業性が低下する。逆に、
5,000重量%より多いと何度も重ね塗りを行う必要
性が生じ、やはり作業性が低下するため好ましくない。
【0042】その他、本発明のプライマー組成物に、酸
化チタン、カーボンブラック、酸化鉄などの着色顔料;
酸化防止剤、紫外線吸収剤、タレ防止剤などを配合する
ことができる。
【0043】本発明の組成物は、たとえば、有機溶媒
に、(A)〜(C)成分および必要に応じて配合される
他の成分を溶解させ、均一になるまで攪拌して混合する
ことによって、調製することができる。
【0044】本発明の組成物は、清浄にした基材表面
に、適宜な方法、たとえば刷毛塗りなどの手段で薄く塗
布し、常温で、または加熱により乾燥して、用いた溶媒
を揮発させ、タック状態またはタックフリー状態にする
ことにより、プライマー被膜を形成できる。プライマー
の塗布量は、乾燥後の面積あたり重量として通常10〜
100g/m2、好ましくは20〜50g/m2である。
【0045】このようにして形成されたプライマー被膜
の上に、シリコーン系のコーティング材やシーリング材
を、常法によって施すことができる。適用されるシリコ
ーン系コーティング材としては、室温硬化性シリコーン
ゴム、室温硬化性または加熱硬化性のシリコーンレジ
ン、およびこれらを複合した系、またはアルコキシシラ
ン類などを配合したものならびにこれらをビヒクルとし
て調製された塗料などが例示され;シリコーン系シーリ
ング材としては、室温硬化性シリコーンゴム、たとえば
脱オキシム型、脱酢酸型、脱ヒドロキシルアミン型、脱
アルコール型、脱ケトン型などの硬化機構を有するもの
が例示される。これらのうち、特に塗膜の膨張、収縮に
よる応力を吸収するのに有効なことから、シリコーンレ
ジンを主成分とするシリコーン系コーティング材に適用
するときに、本発明のプライマー組成物、とりわけ
(D)成分を配合したものは、特に優れた効果を発揮す
る。
【0046】本発明のプライマー被膜の上に施工される
塗膜の塗布量は、一般的には特に限定されないが、塗膜
が前述のシリコーンレジン系コーティング材の場合、プ
ライマー組成物として(D)成分を前述の範囲で含有さ
せるか、そうでない場合は、コーティング材の塗布量を
乾燥後の面積あたり重量として150g/m2以下とするこ
とが好ましい。150g/m2を越え、かつプライマー組成
物が(D)成分を含有しない場合は、高温にさらされた
ときのプライマー層による応力吸収が十分でなく、塗膜
に膨れ、割れ、はがれを生じることがある。
【0047】
【発明の効果】本発明によって、従来、接着が困難であ
ったモルタルのような多孔質基材や石材類に優れた接着
性を示し、かつ耐水性、耐候性に優れた強固な被膜を室
温で形成するプライマー組成物が得られる。該組成物に
よって形成されるプライマー層は、浸水直後に引張りな
どの応力を加えても、優れた接着性を保持し、その上に
形成されるコーティング材やシーリング材が容易に剥離
しない。また、温度変化によるコーティング材の膨張・
収縮などによる応力を吸収して、コーティング材の膨れ
・割れ・はがれを生じない。さらに、本発明の組成物に
よって形成されるプライマー層は、ガラス、陶器、金
属、プラスチック、木材、および塗料面が形成されてい
る各種の基材など、広範囲の基材に対しても優れた接着
性を示す。また、本発明のプライマー組成物は、臭気に
よる使用上の制約を受けない。
【0048】したがって、本発明の組成物は、室温硬化
性のシリコーン系コーティング材またはシーリング材を
施工する際、あらかじめ基材の表面に塗布して乾燥し、
被膜を形成することにより、基材とシリコーン系コーテ
ィング材またはシーリング材との間の接着を助けるプラ
イマー(前処理剤)として用いられる。特に基材がモル
タル、コンクリート、ALC、PC、御影石または大理
石である場合に有用なほか、異種の基材を結合するシー
リングやエンキャプシュレーションの際のプライマーと
しても有効である。さらに、本発明の組成物の用途は、
プライマーに限らず、各種基材の防食塗膜およびラッカ
ーとしても有用である。
【0049】
【実施例】以下、本発明を調製例、実施例および比較例
によって、さらに具体的に説明する。これらの例におい
て、特記しないかぎり、部および%は重量基準である。
本発明は、これらの実施例によって限定されるものでは
ない。
【0050】試験法 実施例および比較例における評価には、次のような試験
片を用いた。すなわち、基材として、各50×100×
0.5mmのスレート板および水ガラス塗装スレート板を
用い、調製した各プライマー組成物を、その両面および
側面に塗布した。室温で12時間養生した後、メチルト
リメトキシシランを配合したメチル系常温硬化性シリコ
ーンレジンのキシレン溶液に酸化チタンを配合したエナ
メル塗料をコーティング材として塗布し、室温に1週間
放置して硬化させて、試験片とした。
【0051】このようにして得られた各試験片を用い
て、外観および付着性について、常態の観察および測定
を行った。また、接着耐久性を評価するために、試験片
を100℃の沸騰水に5時間浸漬した後、同様の観察お
よび測定を行った。ただし、一部の実施例では、80℃
の水に浸漬した。試験法は、次のとおりであった。
【0052】外観:JIS K 5400に準じ、塗膜のしわ、膨
れ、割れ、はがれを目視によって観察した。
【0053】付着性:JIS K 5400に準じ、碁盤目テープ
法により測定した。1cm平方の中に1mm平方の碁盤目を
100個切り、これにセロハン粘着テープを圧着してか
ら、テープの一方の端を持って塗面に直角方向に剥離
し、100個のうちの残存数および欠損状態などの観察
結果から、10点満点の評価点数で示した。
【0054】シリコーン樹脂変性エポキシ樹脂を、下記
の調製例1〜4によって調製した。
【0055】調製例1 ジメチルジクロロシラン7部、メチルトリクロロシラン
40部およびジフェニルジクロロシラン78部をトルエ
ン95部に混合して、シラン混液を得た。還流冷却器付
きの容器中の水350部およびメタノール50部の混合
液に、温度を50℃以下に保ち、攪拌しつつ、上記のシ
ラン混液を滴下して共加水分解を行った。加水分解によ
って生成したポリメチルフェニルシロキサンに水を加え
て洗浄し、副生した塩化水素を除いてから脱水し、減圧
下に加熱して、溶剤の一部と残存した水を除去し、濃度
50%のシリコーン樹脂トルエン溶液を調製した。
【0056】エポキシ当量250のビスフェノールA−
エピクロロヒドリン系エポキシ樹脂70部、無水フタル
酸5部およびアマニ油脂肪酸10部をトルエン75部に
溶解させて溶液を調製し、トルエンを留去しつつ攪拌下
に徐々に昇温し、230℃に達してから5時間の加熱を
続けた。常温まで冷却した後、さきのシリコーン樹脂ト
ルエン溶液50部、および全体を固形分50%にする量
のトルエンを加えて、透明な溶液になるまで攪拌し、シ
リコーン樹脂変性エポキシ樹脂のトルエン溶液(A−
1)を得た。
【0057】調製例2 ジメチルジクロロシラン51部、メチルトリクロロシラ
ン15部、ジフェニルジクロロシラン44部およびフェ
ニルトリクロロシラン52部をキシレン50部に混合
し、温度を40〜60℃に保ちながら、320部の水の
中に攪拌しつつ滴下を行い、加水分解によって生成した
ポリメチルフェニルシロキサンを調製例1と同様に処理
して、濃度60%のシリコーン樹脂キシレン溶液を調製
した。
【0058】エポキシ当量500のビスフェノールA−
エピクロロヒドリン系エポキシ樹脂54部とドデシル無
水コハク酸25部をキシレン23部に溶解させた。これ
にさきのシリコーン樹脂キシレン溶液51部を加え、攪
拌しつつ昇温して、130℃において加熱を3時間行っ
てエポキシ樹脂とシリコーン樹脂を反応させた。冷却
後、ろ過を行い、さらに所要量のキシレンを追加して、
シリコーン樹脂変性エポキシ樹脂の50%キシレン溶液
(A−2)を調製した。
【0059】調製例3 ジメチルジクロロシラン49部、フェニルトリクロロシ
ラン84部およびジフェニルジクロロシラン103部を
混合して、シラン混液を得た。該混液の温度を25℃以
下に保持し、攪拌しながら、これにメタノール40部と
水150部の混液を2時間かけて滴下した。ついで、攪
拌しつつ70〜75℃に昇温して1時間還流加熱を行
い、冷却して、さらにメタノール40部を加え、分液し
た。生成したポリオルガノシロキサン層をとり、2部の
炭酸カルシウムを加えて副生塩化水素を中和し、40To
rrで200℃まで減圧加熱して、残存したメタノールと
低沸点物を除去し、液状のポリオルガノシロキサンを得
た。
【0060】このポリオルガノシロキサン50部に、キ
シレン100部、エポキシ当量180のフェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂46.5部および無水フタル酸
3.5部を加えて、キシレンの還流下に3時間の加熱を
行い、冷却、ろ過して、シリコーン樹脂変性エポキシ樹
脂の50%キシレン溶液(A−3)を調製した。
【0061】調製例4 調製例1のビスフェノールA−エピクロロヒドリン系エ
ポキシ樹脂の代わりにエポキシ当量252の3,4−オ
キシシクロヘキシル型エポキシ樹脂70部を用いた以外
は、調製例1と同様にして、シリコーン樹脂変性エポキ
シ樹脂の50%トルエン溶液(A−4)を得た。
【0062】実施例1〜6、比較例1、2 (A)成分として、調製例1〜4で調製したシリコーン
樹脂変性エポキシ樹脂A−1〜A−4を用い、これに、
(B)成分として、N,N′,N″−トリス〔3−(ト
リメトキシシリル)プロピル〕イソシアヌラート(B−
1)またはN,N,N−トリス〔3−(トリエトキシシ
リル)プロピル〕イソシアヌラート(B−2);および
(C)成分としてオクタン酸第一スズ(C−1)、ジブ
チルスズジラウラート(C−2)またはジブチルスズジ
アセタート(C−3)を、表1に示す配合比で配合し、
それぞれ均一になるまで攪拌して、実施例1〜6のプラ
イマー組成物を調製した。また、比較のために、(B)
成分の代わりに、ヘキサメチレンジイソシアナートの加
水分解生成物で、主成分が、
【化4】 で示されるもの(X−1)、または
【化5】 で示されるもの(X−2)を用い、表1に示す配合比で
配合して、同様に比較例1および比較例2のプライマー
組成物を調製した。
【0063】これらのプライマー組成物について、前述
の評価方法によって、常態および沸騰水浸漬後の接着耐
久性の評価を行った。ただし、それぞれの層の乾燥後の
塗布量は、プライマー層が30g/m2、コーティング材層
が100g/m2であった。評価結果は、表1に示すとおり
であった。
【0064】
【表1】
【0065】実施例7〜10 シリコーン樹脂変性エポキシ樹脂A−2、有機ケイ素化
合物B−1、硬化触媒C−1および(D)成分としてジ
フェニルジメトキシシラン(D−1)またはメチルフェ
ニルジメトキシシラン(D−2)を用い、表2に示す配
合比で配合し、均一になるまで攪拌して、実施例7〜1
0のプライマー組成物を調製した。これらについて、コ
ーティング材層の塗布量を200g/m2とした以外は実施
例1〜6と同様にして、プライマーの評価を行った。そ
の結果を表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】実施例11〜16、比較例3、4 シリコーン変性エポキシ樹脂の代わりに、(A)成分と
してビスフェノール型エポキシ樹脂であるエピコート8
12(A−5、Shell Chemical社商品名、エポキシ当
量:150)またはエピコート828(A−6、Shell
Chemical社商品名、エポキシ当量:190)を用いたほ
かは、実施例1〜6、比較例1、2に準じて、表3に示
す配合比で配合し、均一になるまで攪拌して、実施例1
1〜16および比較例3、4のプライマー組成物を調製
した。これらについて、実施例1〜6と同様にして、プ
ライマーの評価を行った。その結果を表3に示す。
【0068】
【表3】
【0069】実施例17〜20 シリコーン変性エポキシ樹脂の代わりに、(A)成分と
してビスフェノール型エポキシ樹脂A−6を用い、表4
に示す配合比で配合し、均一になるまで攪拌して、実施
例17〜20のプライマー組成物を調製した。これらに
ついて、実施例7〜10と同様にして、プライマーの評
価を行った。その結果を表4に示す。
【0070】
【表4】
【0071】実施例21 B−1の代わりに3−イソシアナトプロピルトリメトキ
シシラン80部を用いたほかは実施例1と同様にして、
プライマー組成物を調製した。これを用いて、スレート
板および水ガラス塗装スレート板に、それぞれ実施例1
と同様にプライマー層およびコーティング材層を形成さ
せて、試料を作製した。
【0072】いずれの基板を用いた試料も、常態におい
て、塗膜に膨れ、割れ、はがれが観察されず、前述の試
験法による付着性の評価結果は10であった。また、8
0℃の水中に5時間浸漬した後も、外観に異常がなく、
付着性の評価結果は8であった。
【0073】実施例22 B−1の代わりにN,N′,N″−トリス〔3−(メチ
ルジメトキシシリル)プロピル〕イソシアヌラート80
部を用いたほかは実施例1と同様にして、プライマー組
成物を調製した。これを用いて、スレート板および水ガ
ラス塗装スレート板を基板として、実施例1と同様にし
て試料を作製した。
【0074】いずれの基板を用いた試料も、常態におい
て、塗膜に膨れ、割れ、はがれが観察されず、前述の試
験法による付着性の評価結果は10であった。また、1
00℃の水中に5時間浸漬した後も、外観に異常がな
く、付着性の評価結果は8であった。
【0075】実施例23 実施例22で調製した試料を用いて、コーティング材層
の塗布量を200g/m2とした以外は実施例22と同様に
して試料を作製し、常態および80℃の水中に5時間浸
漬した後の評価を行った。外観および付着性の評価結果
は、実施例22と同様であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 83/06 LRU C08L 83/06 LRU C09D 163/00 PJX C09D 163/00 PJX 175/00 PHV 175/00 PHV

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂またはシリコーン樹
    脂変性エポキシ樹脂100重量部; (B)ケイ素原子に結合した加水分解性基と、少なくと
    も1個の炭素原子を介してケイ素原子に結合したイソシ
    アナト基またはイソシアヌル環を有する加水分解性有機
    ケイ素化合物1〜400重量部;および (C)硬化触媒0.01〜30重量部を含むプライマー
    組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプライマー組成物に、さ
    らに、(D)加水分解性ジオルガノシランまたはその部
    分加水分解縮合物1〜300重量部を含むプライマー組
    成物
  3. 【請求項3】 (B)がイソシアヌル環を有する加水分
    解性有機ケイ素化合物である請求項1または2記載のプ
    ライマー組成物。
JP15058795A 1995-06-16 1995-06-16 プライマー組成物 Withdrawn JPH093360A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15058795A JPH093360A (ja) 1995-06-16 1995-06-16 プライマー組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15058795A JPH093360A (ja) 1995-06-16 1995-06-16 プライマー組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH093360A true JPH093360A (ja) 1997-01-07

Family

ID=15500152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15058795A Withdrawn JPH093360A (ja) 1995-06-16 1995-06-16 プライマー組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH093360A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001187836A (ja) * 2001-02-16 2001-07-10 Nikko Materials Co Ltd エポキシ樹脂組成物用添加剤およびそのエポキシ樹脂組成物
JP2003128779A (ja) * 2001-10-29 2003-05-08 Toagosei Co Ltd 熱硬化性組成物
JP2004051842A (ja) * 2002-07-22 2004-02-19 Atomix Co Ltd プライマー組成物
JP2016117267A (ja) * 2014-12-24 2016-06-30 株式会社セリタ建設 コンクリート表面構造体及びその製造方法
WO2019123731A1 (ja) * 2017-12-22 2019-06-27 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 シロキサン系硬化性樹脂組成物及びハードコーティング液

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001187836A (ja) * 2001-02-16 2001-07-10 Nikko Materials Co Ltd エポキシ樹脂組成物用添加剤およびそのエポキシ樹脂組成物
JP2003128779A (ja) * 2001-10-29 2003-05-08 Toagosei Co Ltd 熱硬化性組成物
JP2004051842A (ja) * 2002-07-22 2004-02-19 Atomix Co Ltd プライマー組成物
JP2016117267A (ja) * 2014-12-24 2016-06-30 株式会社セリタ建設 コンクリート表面構造体及びその製造方法
WO2019123731A1 (ja) * 2017-12-22 2019-06-27 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 シロキサン系硬化性樹脂組成物及びハードコーティング液

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6344520B1 (en) Addition-crosslinkable epoxy-functional organopolysiloxane polymer and coating compositions
US7160962B2 (en) Elastomer-modified epoxy siloxane compositions
US6281321B1 (en) Coating compositions
KR100250342B1 (ko) 코팅용 수지 조성물
JP2574061B2 (ja) 有機溶液型コーティング用組成物、塗装された無機質硬化体およびその製造方法
JP4955771B2 (ja) シリコーン組成物
EP0430156B1 (en) Coating composition, coated inorganic hardened product, and process for producing the product
JPH0138150B2 (ja)
CN115551957A (zh) 组合物
WO2022113437A1 (ja) 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び物品並びに加水分解性オルガノシラン化合物及びその製造方法
EP0941290B1 (en) Coating compositions
JPH09141193A (ja) 耐汚染性塗装板
JPH093360A (ja) プライマー組成物
US7399352B2 (en) Coating composition
JPH10323619A (ja) 硬化体
JPH01286976A (ja) アスベスト含有物体の処理方法
JP4096364B2 (ja) 複合樹脂の製造法
JPH03431B2 (ja)
JP3900453B2 (ja) 有機無機複合樹脂の製造方法及びコーティング組成物
JP3900452B2 (ja) 水性オルガノポリシロキサン溶液の製造方法及びコーティング組成物
JPH06256719A (ja) 耐熱性塗料組成物
JPH10193499A (ja) 積層塗膜およびその形成方法
JPH04295077A (ja) 無機質硬化体表面のコーティング方法
JP2574061C (ja)
JP2006077254A (ja) 常温硬化型水性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020903