JP2004051842A - プライマー組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面の強度を高める加工を施したコンクリート面や、タイル面であっても、表面に機械的なダメージを与える前処理を施すことなく、そのまま、あるいは、必要に応じて簡単な洗浄作業を行うのみで、良好な密着性を確保し得るプライマー組成物を提供すること。
【解決手段】少なくとも、エポキシ樹脂と、アミン硬化剤と、溶剤と、を含むプライマー組成物であって、前記アミン硬化剤が、下記構造式Aで表されるアミン硬化剤を含むことを特徴とするプライマー組成物である。
構造式A
【化1】
Figure 2004051842

上記構造式A中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、または、炭素数1〜5のアルキル基、または−R−NHを表し、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキレン基を表す。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、床面や壁面、屋根面等を塗装するためのプライマー組成物に関し、特に表面の強度を高める加工を施したコンクリート面や、タイル面を塗装するのに適したプライマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種工場、倉庫、店舗、展示場、病院、駅舎などの大型建造物の床面や壁面は、意匠性や実用性の観点から、塗装が施されることがある。塗装に際しては、床面や壁面と表面塗装層との密着を高めるため、一般にプライマー塗料による下塗り塗装が施される。
【0003】
ところで、機械工場などの工場や、倉庫では、重量物を扱うことが多く、フォークリフト等の運搬装置や工作装置が行き交い、また物を落としたりすることも想定されるため、特に床面を強化することが行われており、そのための特殊なコンクリートが用いられたり、コンクリートの表面に特殊な表面加工を施したりしている。
【0004】
このように表面に何らかの加工が施されたコンクリート面や、タイル面等は、表面が緻密であり、プライマー塗料が付着しづらく、そのままでは密着性を確保するのが困難であった。したがって、通常、表面を機械的に研磨して粗面を形成したり、緻密な層を敢えて削り取ったり等の処理の後にプライマー塗料を塗布することで、密着性を高めることが行われている。
しかし、プライマー塗料を塗布する前のこれら機械的な前処理は、極めて労力を有し、しかも特殊な加工が施された表面にダメージを与えてしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、表面の強度を高める加工を施したコンクリート面や、タイル面であっても、表面に機械的なダメージを与える前処理を施すことなく、そのまま、あるいは、必要に応じて簡単な洗浄作業を行うのみで、良好な密着性を確保し得るプライマー組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、少なくとも、エポキシ樹脂と、アミン硬化剤と、溶剤と、を含むプライマー組成物であって、
前記アミン硬化剤が、下記構造式Aで表されるアミン硬化剤を含むことを特徴とするプライマー組成物である。
【0007】
・構造式A
【化2】
Figure 2004051842
【0008】
上記構造式A中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、または、炭素数1〜5のアルキル基、または−R−NHを表し、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキレン基を表す。
【0009】
上記構造式Aで表されるアミン硬化剤(以下、「特定のアミン硬化剤」という場合がある。)は、化学構造中のNH基とOH基とが、塗布対象となる基材表面の無機元素とキレートするものと推定される。したがって、当該特定のアミン硬化剤を含む本発明のプライマー組成物によれば、表面の強度を高める加工を施したコンクリート面や、タイル面等、緻密な表面状態の基材に対しても、高い密着性を確保することができるものと推定される。
【0010】
本発明のプライマー組成物において、より高い基材との密着性を確保するためには、さらに、シランカップリング剤を含むことが好ましい。該シランカップリング剤としては、イソシアネート基、エポキシ基、メタクリル基、メルカプト基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1の基を有するシランカップリング剤であることが好ましい。
【0011】
本発明のプライマー組成物において、塗膜に耐水性を付与したい場合には、前記アミン硬化剤として、疎水性のアミン硬化剤を含ませることが好ましい。このとき前記特定のアミン硬化剤(A)と、疎水性のアミン硬化剤(B)との混合比(A/B)としては、質量基準で、4/1〜1/15の範囲内とすることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のプライマー組成物を、必須成分と任意成分とに分けて説明した上で、用途について言及する。
【0013】
A:必須成分
<アミン硬化剤>
既述の如く、本発明においては、アミン硬化剤として特定のアミン硬化剤、すなわち下記構造式Aで表されるアミン硬化剤を含むことを特徴とする。
【0014】
・構造式A
【化3】
Figure 2004051842
【0015】
上記構造式A中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、または、炭素数1〜5のアルキル基、または−R−NHを表し、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキレン基を表す。
【0016】
構造式Aにおいて、RおよびRは、水素、または、炭素数1〜5のアルキル基であるが、アルキル基の場合、不飽和結合を有していてもよい。RおよびRとしては、水素、または、炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、炭素数が少ないほどより好ましい。RおよびRとして好ましい構造を例示すると、H、CH、C、C等が挙げられる。
【0017】
構造式Aにおいて、RおよびRは、不飽和結合を有していてもよい。RおよびRとしては、炭素数1〜3のアルキレン基であることが好ましく、炭素数が少ないほどより好ましい。RおよびRとして好ましい構造を例示すると、CH、C等が挙げられる。
構造式Aの中には、−NH基が少なくとも1つは含まれるが、2つ以上であること(すなわちRおよび/またはRが−R−NHであること)が好ましい。
【0018】
上記特定のアミン硬化剤は、親水性が高いため、これのみをアミン硬化剤として用いた本発明のプライマー塗料を、耐水性が要求される環境に適用した場合には、十分な耐水性が得られない場合がある。したがって、耐水性が要求される環境に適用する場合には、前記アミン硬化剤として、疎水性のアミン硬化剤を含ませることが好ましい。
【0019】
ここで疎水性のアミン硬化剤とは、イミダゾリン環を有さず、疎水性を示す各種アミン硬化剤を指し、例えば、芳香族アミン、脂肪族アミン、芳香族ポリアミドアミン、脂肪族ポリアミドアミン、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド等が挙げられる。
【0020】
疎水性のアミン硬化剤における疎水性の指標としては、煮沸接触角試験を用いることができる。煮沸接触角試験において60゜以上となるものを指す。疎水性のアミン硬化剤は、煮沸接触角試験において60゜以上となるものが好ましく、70゜以上となるものがより好ましく、75゜以上となるものがさらに好ましい。
【0021】
煮沸接触角試験は、以下のようにして行う。
まず、測定対象物としてのアミン硬化剤を、アミン当量=1:1になるようにビスフェノ―ルA型エポキシ樹脂(例えば、後述の実施例1において用いたもの)に混合して、これをブリキ板に5ミルアプリケータ塗布し(ウェット膜厚125μm)、18時間室温乾燥させたものを供試体とした。
この供試体を沸騰水に浸漬させ、4時間煮沸して取り出して水分を拭い取り、5分後に、常法通り水との接触角を測定した。
【0022】
疎水性のアミン硬化剤の好ましい具体例としては、旭電化社製アデカハードナーEH451B、HE−4602、EH−3136、EH−551、EH−322、EH−4163、コグニスジャパン社製バーサミドJP232XB60、富士化成工業(株)製トーマイド437、トーマイド423等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
【0023】
また、具体的な接触角の値の一例を以下に示す。商品名の直後の数値が煮沸接触角試験による接触角の値であり、括弧内は当該試験において、上記供試体を煮沸する前に測定した接触角の値である。
・EH−3136: 70゜(75゜)
・バーサミドJP232XB60: 92゜(61゜)
・トーマイド437: 89゜(70゜)
・トーマイド423: 92゜(66゜)
参考までに、本発明で用いられる特定のアミン硬化剤(以降の実施例1で用いたアミン硬化剤X)の接触角についても明示しておく。
・アミン硬化剤X: 81゜(54゜)
【0024】
前記特定のアミン硬化剤(A)と、疎水性のアミン硬化剤(B)との混合比(A/B)としては、の範囲内とすることが好ましく、3/2〜3/7の範囲内とすることがより好ましい。疎水性のアミン硬化剤(B)の割合が多すぎると、本発明の主要な効果である基材との密着性がやや低くなる場合があり、疎水性のアミン硬化剤(B)の割合が少なすぎると、疎水性のアミン硬化剤を添加することによる耐水性向上効果がほとんど得られなくなり、共に好ましくない。
【0025】
本発明のプライマー塗料において、以上説明したアミン硬化剤の含有量としては、エポキシ当量に対して、アミンの活性水素当量で60〜140の範囲から選択され、80〜120の範囲が好ましい。
【0026】
<エポキシ樹脂>
本発明で用いるエポキシ樹脂は、一般にビスフェノール型のものが用いられる。用途により適宜適当なエポキシ当量(エポキシ基1mol当たりの質量:g/eq)のものを選択して使用できるが、一般的にはエポキシ当量が180g/eq以上1500g/eq以下、好ましくは230g/eq以上1000g/eq以下のものが推奨される。エポキシ当量が180g/eq未満では加工性、耐食性、硬化性が劣り、1500g/eqを越えると高粘度になり溶剤希釈性、浸透性、作業性が損なわれ、共に好ましくない。これらビスフェノール型エポキシ樹脂の中でも特にビスフェノールA型エポキシ樹脂が最も汎用され、高反応性でかつ低価格であり好ましい。
【0027】
<溶剤>
本発明のプライマー組成物は、上記エポキシ樹脂と、前記アミン硬化剤と、さらに必要に応じて後述の任意成分と、を適当な溶剤に溶解・分散させることにより調製することができる。当該溶剤の種類としては、水以外の公知の溶剤を使用することができる。具体的には、脂肪族または芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、エステル類、アルコールエーテル類などが用いられるが、これらに限定されるものではない。ただし、このとき溶剤に水分が含まれると、上記本発明のエポキシ樹脂硬化剤用添加剤が加水分解を起こし、貯蔵安定性を損ねる場合があるため注意が必要である。
【0028】
好ましい溶剤の具体例としては、例えば、キシレン、トルエン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノプロピルエーテル等が挙げられる。
【0029】
本発明のプライマー組成物における固形分濃度としては、液としての保存性が確保され、かつ、プライマーとしての塗布適性が良好であれば、特に制限はないが、プライマー組成物全量に対して、5〜80質量%の範囲から選択され、10〜50質量%の範囲が好ましく、15〜30質量%の範囲がより好ましい。
【0030】
B:任意成分
本発明のプライマー組成物においては、各種目的に応じ、シランカップリング剤や、従来公知のその他の成分を、任意成分として添加することができる。
(1)シランカップリング剤
本発明のプライマー組成物において、より高い基材との密着性を確保するためには、さらに、シランカップリング剤を含むことが好ましい。該シランカップリング剤としては、イソシアネート基、エポキシ基、メタクリル基、メルカプト基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1の基を有するシランカップリング剤であることが好ましい。
【0031】
好ましい具体的なシランカップリング剤としては、上記官能基のいずれかを有するものであれば、市販されている各種のものが問題なく使用できるが、例えば日本ユニカー株式会社の商品を例に挙げると、以下のものが例示される。
【0032】
(イソシアネート基を有するシランカップリング剤)
・A−1310{化学構造:O=C=NCSi(OC
・Y−5187{化学構造:O=C=NCSi(OCH
【0033】
(エポキシ基を有するシランカップリング剤)
・A−186{化学構造は、下記}
【0034】
【化4】
Figure 2004051842
【0035】
・A−187{化学構造は、下記}
【0036】
【化5】
Figure 2004051842
【0037】
(メタクリル基を有するシランカップリング剤)
・A−174{化学構造:CH=C(CH)COOCSi(OCH
【0038】
(メルカプト基を有するシランカップリング剤)
・A−189{化学構造:HSCSi(OCH
・A−1289{化学構造:(CO)SiCSi(OC
・AZ−6129{化学構造:HSCSi(OCH
【0039】
(アミノ基を有するシランカップリング剤)
・A−1100{化学構造:HNCSi(OC
・A−1102{化学構造:HNCSi(OC
・A−1106{A−1100の水溶液}
・A−1122{化学構造:HNCNHCSi(OCH
・Y−9669{化学構造は、下記}
【0040】
【化6】
Figure 2004051842
【0041】
これらシランカップリング剤の添加量としては、プライマー組成物全量に対して、35質量%以下であることが好ましく、1〜25質量%の範囲であることがより好ましく、2〜15質量%の範囲であることがより好ましい。シランカップリング剤の添加量が多すぎると、経済的に不利なばかりか、塗膜の強度が低くなり、却って付着力が低下してしまう場合があるため、好ましくない。
【0042】
(2)その他の成分
本発明において、任意成分として添加可能なその他の成分は、その目的や性質に応じて、硬化促進剤、粘度調整剤、可塑剤、レベリング剤、消泡剤、沈殿防止剤、着色剤、安定剤、防錆剤、防黴剤、蛍光剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの添加剤、セルロースアセテートブチレートなどの繊維系樹脂、その他の充填剤等が挙げられる。また、隠蔽性、防錆性、緻密性の向上を目的にフィラーを添加することもできる。該フィラーの種類は、特に限定されないが、一般的な塗料に使用される酸化チタン、黄色酸化鉄、カーボンブラックなどの着色顔料、シリカ、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの体質顔料、亜鉛、燐酸アルミニウムなどの防錆顔料が使用できる。
【0043】
<用途>
本発明のプライマー組成物は、既述のように各種成分を混合して塗料を調製した後、ハケ、ローラーバケ等を用いた手による塗装が通常行われるが、機械によるスプレー吹き付け塗装も可能であり、このようにして塗装された塗液は、エポキシ樹脂がアミン硬化剤により硬化して、充分な付着力を示す塗膜となる。
【0044】
本発明のプライマー組成物は、既述の如く特定のアミン硬化剤を用いているため、無機材と化学結合を形成すると推定され、アンカー効果の期待できない、タイルや表面に加工を施したコンクリートにも付着が良好である。
【0045】
被塗面としては、コンクリート、モルタル、タイル、木材等の床面または壁面が挙げられる。特に密着性が問題となりやすい、表面の強度を高める加工を施したコンクリート面や、タイル面に対して本発明のプライマー組成物は、高い効果を発揮する。
【0046】
ここで、表面の強度を高める加工を施したコンクリート面とは、鉱物系や金属系の骨材を含む無機系仕上剤により表面を改質したもの等、各種処理により表面が通常のコンクリート面よりも高強度ないし緻密になっているものを言う。例えば、日本塗り床工業会編「塗り床ハンドブック」p.85〜p.91に、モノリシック工法、浸透形塗り床工法、テラゾー工法等として記載されている。具体的には、例えば株式会社エービーシー商会製のフェロコン(登録商標)、フェロコン(登録商標)ハードS、フェロコン(登録商標)ハードC、カラクリート(登録商標)、カラーハードEM、ベスコン(登録商標)カラー、ハードナモリタL、セラミキュア等によるコンクリート処理面が挙げられる。
【0047】
本発明のプライマー組成物により形成された塗膜の上には、通常、上塗り塗装が施される。上塗り塗装に使用可能な塗料に制限はなく、本発明のプライマー組成物により形成された塗膜は、如何なる上塗り塗膜とも密着性に優れるが、特にエポキシ樹脂系の上塗り塗料が相性が極めて良好であり、密着性にも特に優れ、好ましい。
なお、本発明のプライマー組成物により形成された塗膜のみとし、上塗り塗装を施さない使用態様も勿論可能であり、特に屋内使用では、ある程度の塗膜耐久性を示す。
【0048】
【実施例】
次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
<実施例1>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:450〜500g/eq、商品名:アラルダイトAER6071×75(旭チバ(株)製)42質量部と、顔料(商品名:富士タルク工業製タルクFMおよび石原産業製タイペークR930=2:1(質量基準))30質量部と、アミン硬化剤として下記構造式で示されるアミン硬化剤X31質量部と、
【0049】
【化7】
Figure 2004051842
【0050】
を、溶剤(トルエン、キシレンおよびエチレングリコールモノプロピルエーテルの1:1:1混合溶剤)125質量部に混合し、十分に攪拌して、実施例1のプライマー組成物を調製した。得られたプライマー組成物の固形分濃度は、68質量%であった。
【0051】
<実施例2>
実施例1において、さらにシランカップリング剤(A−187、日本ユニカー株式会社製)を、他の塗料成分100質量部に対して、5質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2のプライマー組成物を調製した。
【0052】
<実施例3〜14>
実施例2において、シランカップリング剤として、A−187に代えて、それぞれ下記表1に示すシランカップリング剤(以上、全て日本ユニカー株式会社製)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例3〜14のプライマー組成物を調製した。
【0053】
<実施例15〜19>
実施例2において、シランカップリング剤A−187の添加量(5質量部)を、それぞれ下記表1に示す添加量(1〜30質量部)に変えたこと以外は、実施例2と同様にして実施例15〜19のプライマー組成物を調製した。
【0054】
<比較例1>
実施例1において、アミン硬化剤としてのアミン硬化剤Xを、疎水性のアミン硬化剤Y(コグニスジャパン社製バーサミドJP232XB60、脂肪族ポリアミドアミン)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1のプライマー組成物を調製した。
【0055】
<実施例20〜24>
実施例1において、アミン硬化剤を、実施例1で用いたアミン硬化剤Xと、比較例1で用いた疎水性のアミン硬化剤Yとの、下記表2に示す混合割合の物に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1のプライマー組成物を調製した。
【0056】
[プライマー塗膜の形成]
得られた実施例1〜24および比較例1のプライマー組成物を、試験用のタイル片(片面が鏡面状、10×10cm)の鏡面にハケ塗り法で0.1kg/m(WET質量)の塗布量で塗布し、室温で3時間風乾させてプライマー塗膜を形成した。
【0057】
(上塗り塗膜の形成)
実施例1〜24および比較例1のプライマー組成物を用いて形成されたそれぞれのプライマー塗膜のさらに上層として、溶剤型エポキシ系塗料(アトミクス(株)製、フロアトップ#8500)をハケ塗り法で0.15kg/m(WET質量)の塗布量で塗布し、室温で7日間風乾させて上塗り塗膜を形成した。
【0058】
[密着性試験]
実施例1〜24および比較例1のプライマー組成物を用いて得られたタイル片の塗膜面に、2mm角の碁盤目をカッターナイフで刻み、その上からセロハンテープ(ニチバン社製、セロテープ(登録商標)Lパック)を用いて、通常のセロハンテープ剥離と同様の手法で、テープ剥離を実施した(1次密着)。
さらに、実施例1〜19および比較例1のプライマー組成物を用いて得られたタイル片を8時間煮沸し、室温で自然冷却・乾燥した翌日、上記同様テープ剥離を実施した(2次密着)。
【0059】
なお、密着性試験の評価指標は以下の通りである。
◎:テープ剥離後の残存碁盤目の数が、98個以上。
○:テープ剥離後の残存碁盤目の数が、95〜97個。
△:テープ剥離後の残存碁盤目の数が、80〜94個。
×:テープ剥離後の残存碁盤目の数が、79個以下。
これらの結果は、表1にまとめて示す。
【0060】
表1
【表1】
Figure 2004051842
【0061】
[耐水性試験]
実施例1、実施例20〜24、および比較例1のプライマー組成物を用いて得られたタイル片を24時間煮沸し、室温で自然冷却・乾燥した翌日、上記密着性試験同様テープ剥離を実施した。
【0062】
なお、耐水性試験の評価指標は以下の通りである。
◎:テープ剥離後の残存碁盤目の数が、95個以上。
○:テープ剥離後の残存碁盤目の数が、80〜95個。
△:テープ剥離後の残存碁盤目の数が、70〜80個。
×:テープ剥離後の残存碁盤目の数が、69個以下。
これらの結果は、表2にまとめて示す。
【0063】
表2
【表2】
Figure 2004051842
【0064】
以上の結果からわかるように、本発明のプライマー組成物を用いて塗装を施した場合には、タイルのように密着性に不利な緻密な表面状態であっても高い密着性を確保することができる。特に、シランカップリング剤を用いると、その種類によっては一層密着性の高いものとなる。さらに、アミン硬化剤として、特定のアミン硬化剤と疎水性のアミン硬化剤とを混合して使用することにより、耐水性を一段と向上させることができることがわかる。
以上のことは、タイルよりは密着性の点で不利ではない、表面の強度を高める加工を施したコンクリート面についても、同様に論ずることができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、表面の強度を高める加工を施したコンクリート面や、タイル面であっても、表面に機械的なダメージを与える前処理を施すことなく、そのまま、あるいは、必要に応じて簡単な洗浄作業を行うのみで、良好な密着性を確保し得るプライマー組成物を提供することができる。

Claims (5)

  1. 少なくとも、エポキシ樹脂と、アミン硬化剤と、溶剤と、を含むプライマー組成物であって、
    前記アミン硬化剤が、下記構造式Aで表されるアミン硬化剤を含むことを特徴とするプライマー組成物。
    ・構造式A
    Figure 2004051842
    上記構造式A中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、または、炭素数1〜5のアルキル基、または−R−NHを表し、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキレン基を表す。
  2. さらに、シランカップリング剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のプライマー組成物。
  3. 前記シランカップリング剤が、イソシアネート基、エポキシ基、メタクリル基、メルカプト基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1の基を有するシランカップリング剤であることを特徴とする請求項2に記載のプライマー組成物。
  4. 前記アミン硬化剤として、疎水性のアミン硬化剤を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のプライマー組成物。
  5. 構造式Aで表されるアミン硬化剤(A)と、疎水性のアミン硬化剤(B)との混合比(A/B)が質量基準で、4/1〜1/15の範囲内であることを特徴とする請求項4に記載のプライマー組成物。
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