JP2001131467A - エポキシ樹脂塗料組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂塗料組成物

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JP2001131467A
JP2001131467A JP2000239693A JP2000239693A JP2001131467A JP 2001131467 A JP2001131467 A JP 2001131467A JP 2000239693 A JP2000239693 A JP 2000239693A JP 2000239693 A JP2000239693 A JP 2000239693A JP 2001131467 A JP2001131467 A JP 2001131467A
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epoxy resin
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JP2000239693A
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Shinji Iida
眞司 飯田
Masatetsu Kurokawa
雅哲 黒川
Yoshimitsu Adachi
良光 安達
Tadashi Nakano
正 中野
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温条件下でもスプレー塗装可能で、平滑
性、硬化性、塗膜物性、耐食性に優れた塗膜を形成す
る、ポットライフが長いエポキシ−アミン系塗料組成物
を提供すること。 【解決手段】 (A)粘度が25℃で3,000mPa
・s以下である液状エポキシ樹脂、及び(B)下記式 【化1】 式中、Yはk価の有機基又は直接結合を表し、kは2以
上の整数である、で示されるポリアミン化合物のアミノ
基が、ジアルキルケトンによってブロック化されてな
り、かつ粘度が25℃で500mPa・s以下であるケ
チミン化合物、をビヒクル成分として含有することを特
徴とする塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温条件下におい
てもスプレー塗装可能で、仕上り外観に優れ、塗膜物
性、耐食性に優れた塗膜を形成でき、しかもポットライ
フに優れたエポキシ樹脂塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、エポキシ樹脂とアミ
ン系硬化剤を主要ビヒクル成分とする塗料組成物が知ら
れている。この塗料組成物は、粘度が比較的高く、通常
ではスプレー塗装が困難である。一方、ハケやローラー
によって塗装すると、流動性が悪いため、得られる塗膜
は平滑性に欠け仕上がり性が悪くなったり、希釈して塗
装するとタレが発生するといった問題がある。特に、気
温が10℃以下のような低温条件下においては、著しい
粘度上昇があり、塗装性、仕上り性が著しく低下する。
【0003】他方、塗膜の塗装性、仕上がり性を向上さ
せるため、該塗料組成物に多量の反応性希釈剤や非反応
性希釈剤を配合して塗料の粘度を低下させると、塗膜の
硬化性が急激に低下し、安定した塗膜物性や耐食性をも
つ塗膜を形成することが困難となる。
【0004】また、上記従来のエポキシ−アミン系塗料
組成物は、二液型であり、使用時にエポキシ樹脂とアミ
ン系硬化剤とが混合されると、両者の反応に伴う発熱と
熱の滞留により、両者の反応が加速され、混合後、わず
かの時間の間に硬化反応が急速に進んで塗料混合物が、
著しく増粘、固化してしまったり、激しい場合には混合
物が燃焼・発煙するなどするため、塗装作業が困難とな
ったり作業安全上危険な状態になったりすることがあ
る。
【0005】本発明の目的は、反応性希釈剤や非反応性
希釈剤を多量に配合しなくても粘度が低く、低温条件下
においてもスプレー塗装可能であり、ハケやローラーな
どの塗装方法でも塗装部位の制約を受けずに平滑性に優
れ、仕上り性が良好な塗膜を形成できるエポキシアミン
系塗料組成物を提供することである。
【0006】また、本発明の目的は、硬化性に優れ、塗
膜物性や耐食性に優れた塗膜を形成できるエポキシ−ア
ミン系塗料組成物を提供することである。
【0007】さらに、本発明の目的は、塗料貯蔵中にお
ける反応の進行がほとんどなく、混合後の塗料組成物の
ポットライフが長く、塗装中における塗料の発熱がない
かわずかであって、短時間に粘度が急激に上昇すること
がなく、連続した塗装作業を安定に行うことができるエ
ポキシ−アミン系塗料組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を行った結果、今回、低粘度の液状エポキシ樹脂を、第
1級の炭素原子に結合する第1級アミノ基を有するアミ
ン化合物のアミノ基をジアルキルケトンによってブロッ
ク化してなる低粘度のケチミン化合物と組み合わせて塗
料化することによって上記目的を達成できることを見出
し本発明を完成するに至った。
【0009】かくして、本発明は、(A)一分子中に平
均して1個より多いエポキシ基を有し、粘度が25℃で
3,000mPa・s以下である液状エポキシ樹脂、及
び(B)下記式
【0010】
【化4】
【0011】式中、Yはk価の有機基又は直接結合を表
し、kは2以上の整数を表す、で示されるポリアミン化
合物のアミノ基が、ジアルキルケトンによってブロック
化されてなり、かつ粘度が25℃で500mPa・s以
下であるケチミン化合物、をビヒクル成分として含有す
ることを特徴とする塗料組成物を提供するものである。
【0012】また、本発明は、上記塗料組成物を、溶剤
で希釈することなく、被塗物上にスプレー塗装すること
を特徴とする塗装方法を提供するものである。
【0013】さらに、本発明は、上記塗料組成物を錆が
残存している鋼材表面に塗装し、該塗膜を硬化させて錆
を固定化することを特徴とする塗装方法を提供するもの
である。
【0014】さらにまた、本発明は、上記塗料組成物
を、無機質ジンクリッチペイントの塗膜が形成された鋼
材表面に塗装することを特徴とする塗装方法を提供する
ものである。
【0015】以下、本発明組成物及び本発明塗装方法に
ついてさらに詳細に説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明組成物は、以下に述べる液
状エポキシ樹脂(A)及びケチミン化合物(B)をビヒ
クル成分として含有する塗料組成物である。
【0017】液状エポキシ樹脂(A) 本発明組成物における(A)成分である液状エポキシ樹
脂は、1分子当り平均してエポキシ基を1個より多く、
好ましくは2個以上有し、且つ粘度が25℃で3,00
0mPa・s(ミリパスカル秒)以下、好ましくは2,
000mPa・s以下、より好ましくは500〜1,5
00mPa・sの範囲内にある液状エポキシ樹脂が使用
される。
【0018】そのような液状エポキシ樹脂(A)の代表
例としては、例えば、アルキルジフェノールとエピクロ
ルヒドリンから誘導されるエポキシ樹脂、アルキルフェ
ノールノボラックとエピクロルヒドリンから誘導される
エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール
F型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂を挙げることがで
きる。なかでもアルキルジフェノールとエピクロルヒド
リンから誘導されるエポキシ樹脂が好適であり、例えば
下記式(1)
【0019】
【化5】
【0020】式中、R1は炭素原子数1〜8のアルキル
基を表し、nは0〜2の整数、好ましくは1である、で
示される化合物を主成分として含んでなるエポキシ樹脂
を挙げることができる。
【0021】上記式におけるR1で表される「アルキル
基」は直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよく、例
えば、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、
n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、
n−オクチル、2−エチルヘキシルなどを挙げることが
でき、なかでもt−ブチルが好適である。
【0022】液状エポキシ樹脂(A)としては、それ自
体既知のものを使用することができ、例えば、エピクロ
ンEXA−7120、同EXA−6200(以上、いず
れも大日本インキ化学工業(株)製、商品名)などのア
ルキルジフェノール型エポキシ樹脂;エピクロンEXA
−6188(大日本インキ化学工業(株)製、商品名)
などのアルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂;
エピコート806、同806L、同1750(以上、い
ずれもで油化シェルエポキシ(株)製、商品名)などの
ビスフェノールF型エポキシ樹脂;エピコートYL66
63(油化シェルエポキシ(株)製、商品名)などの水
添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;エピコートYL6
753(油化シェルエポキシ(株)製、商品名)などの
水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂などの市販品を用
いることができる。
【0023】ケチミン化合物(B) 本発明において使用されるケチミン化合物(B)は、上
記液状エポキシ樹脂(A)の硬化剤であり、下記式
(2)
【0024】
【化6】
【0025】式中、Yはk価の有機基又は直接結合を表
し、kは2以上、好ましくは2〜4の整数である、で示
されるポリアミン化合物のアミノ基が、ジアルキルケト
ンによってブロック化されてなり、かつ粘度が25℃で
500mPa・s以下、好ましくは10〜400mPa
・s、さらに好ましくは30〜300mPa・sの範囲
内にあるケチミン化合物である。
【0026】上記式(2)で示されるポリアミン化合物
は、1分子中に第1級炭素原子に結合する第1級アミノ
基を2個以上有する化合物であって、上記式中Yによっ
て表される「k価の有機基」としては、k価の脂肪族、
脂環族、芳香族系又は芳香脂肪族炭化水素基が包含され
る。該ポリアミン化合物は、一般に、約2,000以
下、好ましくは約30〜約1,000、さらに好ましく
は50〜500の範囲内の第1級アミノ基当量を有する
ことが有利であり、また、一般に約5,000以下、好
ましくは約60〜約3,000の、さらに好ましくは約
100〜約1,500範囲内の数平均分子量を有するこ
とが好適である。
【0027】上記ポリアミン化合物の具体例としては、
例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘ
キサミンなどの脂肪族ポリアミン類;メタキシリレンジ
アミン、ジアミノジフェニルメタン、フェニレンジアミ
ンなどの芳香族ポリアミン類;1,3−ビス(アミノメ
チル)シクロヘキサン、イソホロンジアミンなどの脂環
族ポリアミン類等が挙げられる。
【0028】上記ポリアミン化合物の中でも、分子中に
第2級アミノ基を実質的に有しない、即ち、活性水素原
子を有するアミノ基として、カルボニル化合物でブロッ
ク化されうる第1級アミノ基のみを有するポリアミン化
合物が、エポキシ樹脂と混合後の貯蔵安定性が良いこと
から特に好適である。分子中に第2級アミノ基を有する
ケチミン化合物を使用する場合には、第2級アミノ基を
エポキシ化合物と反応させて第2級アミノ基を消費させ
たアダクト化合物として使用することが望ましい。
【0029】上記ポリアミン化合物の第1級アミノ基を
ブロック化するのに用いられるジアルキルケトンとして
は、硬化性と貯蔵安定性との両者のバランスの点から、
特に、下記式(3)
【0030】
【化7】
【0031】式中、R2は炭素原子数1〜6のアルキル
基を表し、R3及びR4は同一又は異なって水素原子、メ
チル又はエチル基を表す、で示される化合物が好適であ
る。
【0032】上記式(3)において、R2で表される炭
素原子数1〜6のアルキル基は直鎖状又は分岐鎖状のい
ずれであってもよく、具体的には例えば、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、n−ヘキシルなどを挙げることができ、なかでも
炭素原子数1〜3のアルキル基が好適である。
【0033】かくして、上記式(3)で表されるジアル
キルケトンとしては、例えば、メチルエチルケトン、メ
チルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メ
チルt−ブチルケトン、メチルsec−ブチルケトン、
メチルヘキシルケトンなどを挙げることができ、なかで
もメチルイソプロピルケトンが好適である。
【0034】前記ポリアミン化合物と上記ジアルキルケ
トンとの反応は、それ自体公知のシッフ塩基形成反応に
よって行うことができ、その際、ポリアミン化合物中に
存在する実質的にすべての第1級アミノ基が、ジアルキ
ルケトンと反応するような量的割合及び反応条件で反応
(脱水反応)させることが望ましい。
【0035】前記式(2)のポリアミン化合物と上記式
(3)で表されるケトンとの反応によって得られるケチ
ミン化合物は、下記式(4)
【0036】
【化8】
【0037】式中、Yはk価の有機基又は直接結合を表
し、kは2以上の整数を表し、繰り返し単位中におい
て、各R2は同一又は異なる炭素原子数1〜6のアルキ
ル基を表し、各R3は同一又は異なってメチル又はエチ
ル基を表し、R4は同一又は異なって水素原子、メチル
又はエチル基を表す、で示すことができる。
【0038】本発明組成物において、上記ケチミン化合
物(B)は、一般に、前記エポキシ化合物(A)中のエ
ポキシ基1当量に対して、ケチミン化合物(B)からケ
トンが脱離して生成する遊離第1級アミノ基に結合する
活性水素が0.5〜3.0当量、好ましくは0.8〜
1.5当量、さらに好ましくは0.8〜1.2当量の範囲
内になるような割合で含有されていることが塗膜の硬化
性、非粘着性、防食性の観点から望ましい。
【0039】塗料組成物 本発明塗料組成物は、前記液状エポキシ樹脂(A)及び
ケチミン化合物(B)を必須成分として含有するもので
あり、さらに必要に応じて、反応性希釈剤、脱水剤、有
機溶剤;エポキシ基を有さない変性エポキシ樹脂、キシ
レン樹脂、トルエン樹脂、ケトン樹脂、クマロン樹脂、
石油樹脂、アルキド樹脂、ボイル油、スタンド油などの
改質用樹脂成分;亜鉛粉末、アルミニウム粉末などの金
属粉;着色顔料、体質顔料、防錆顔料などの顔料類;増
粘剤、可塑剤、充填剤、分散剤等の塗料用添加剤などを
含有することができる。
【0040】本発明組成物中に必要に応じて含有せしめ
られる反応性希釈剤としては、例えば、分子中に1個の
エポキシ基を有する低粘度の化合物を挙げることができ
る。反応性希釈剤の代表例としては、例えば、n−ブチ
ルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2
−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシ
ジルエーテルなどの1分子中に1個のグリシジル基を有
するグリシジルエーテル類;グリシジルメタクリレート
などの1分子中に1個のグリシジル基を有するグリシジ
ルエステル類;スチレンオキサイドなどを挙げることが
できる。
【0041】反応性希釈剤の市販品としては、例えば、
カージュラE(シェル化学社製、商品名、高級分岐脂肪
酸のグリシジルエステル)、エピクロン703(大日本
インキ化学工業(株)製、商品名、高級アルコールのグ
リシジルエーテル)、エピクロン520(大日本インキ
化学工業(株)製、商品名、ブチル化フェノールのグリ
シジルエーテル)などを挙げることができる。
【0042】反応性希釈剤の使用量は、塗料組成物の固
形分の重量を基準にして、30重量%以下、好ましくは
20重量%以下の範囲内であることが塗膜の硬化性、物
性、防食性、耐水性などの面から適当である。
【0043】本発明組成物中に必要に応じて含有せしめ
られる脱水剤としては、それ自体既知の脱水剤を使用す
ることができ、その代表例としては、例えば、オルトギ
酸メチル、オルトギ酸エチル、ジメトキシプロパンなど
を挙げることができる。これらの脱水剤は、単独で又は
2種以上組み合わせて使用することができ、その使用量
は、特に限定されるものではないが、一般的には塗料組
成物の重量を基準にして、15重量%以下、好ましくは
0.5〜10重量%の範囲内であることが適当である。
【0044】本発明の塗料組成物は溶剤を含有しない無
溶剤型塗料であってもよいが、塗装性の向上などを目的
に、必要に応じて、有機溶剤を含有することができる。
有機溶剤としては、液状エポキシ樹脂(A)及びケチミ
ン化合物(B)を溶解ないしは分散できるものであれ
ば、特に制限なく使用することができる。有機溶剤の一
部としてケトン系溶剤を配合することによって塗料貯蔵
中におけるケチミン化合物の分解によるアミノ基の生成
を抑制することができ、一液型塗料とする場合に有利で
ある。塗料中における有機溶剤の含有量は、硬化性など
の点から、通常、30重量%以下、特に20重量%以下
の量であることが好適である。
【0045】本発明塗料組成物は、塗装時の粘度が5,
000mPa・s以下、好ましくは5〜3,000mP
a・s、より好ましくは10〜500mPa・sの範囲
内にあることが適当であり、塗料形態は一液型であって
も二液型であってもよい。また、本発明塗料組成物は、
有機溶剤を含有しない場合にも、かなり粘度を低くする
ことができるので、溶剤で希釈することなく、被塗物上
にスプレー塗装可能とすることができる。
【0046】塗装 本発明組成物は、金属(鉄、アルミニウム、亜鉛等)、
木材、プラスチック、石材、スレート、コンクリート、
モルタルなどの素材面又はこれらの素材上の旧塗膜面、
錆が残存している鋼材表面、無機質ジンクリッチペイン
トの塗膜が形成された鋼材表面などに塗装できる。塗装
方法としては、特に制限はなく、例えば、ハケ塗り、ス
プレー塗装、各種コーター塗装などの一般的な方法を用
いることができる。
【0047】本発明組成物は、粘度が低く、錆が残存し
ている鋼材表面に塗装すると、錆に十分に浸透して硬化
することによって錆を固定化して、その機械的強度を補
い、さらには錆の下の鋼材素地面に対して強力かつ安定
に付着して、錆とともに強固な塗膜を形成するという優
れた効果を発揮することができる。
【0048】また、本発明組成物は、無機質ジンクリッ
チペイントの塗膜が形成されている鋼材表面に塗装する
と、無機質ジンクリッチペイント塗膜内に十分に浸透し
て無機質ジンクリッチペイント塗膜中に多数存在する空
隙(ボイド)を埋めることができるので空隙中の空気に
よる塗膜の発泡やピンホールなどの欠陥の発生を防止す
るという効果を発揮することができる。
【0049】本発明組成物の塗付量は、特に限定される
ものではなく、塗装目的などに応じて変えることができ
るが、一般には、クリヤ塗料の場合には、乾燥膜厚で約
10〜約150μm、好ましくは約10〜約100μm
の範囲内、顔料を含有するエナメル塗料の場合には、乾
燥膜厚で約10〜約500μm、好ましくは約25〜約
300μmの範囲内が適当である。
【0050】また、本発明組成物を塗装、乾燥させた塗
膜の上に、必要に応じて上塗塗料を塗装することができ
る。この上塗塗料としては、特に制限はなく、それ自体
既知の上塗塗料を使用でき、例えば、アルキド樹脂系、
塩化ゴム系、エポキシ樹脂系、シリコンアルキド樹脂
系、ウレタン樹脂系、シリコンアクリル樹脂系、フッ素
樹脂系などの塗料を使用することができる。
【0051】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって、本発明を
更に具体的に説明する。実施例中、「部」及び「%」は
別記しない限り「重量部」及び「重量%」を示す。
【0052】実施例1 「エピクロンEXA−7120」(注1)100部、二
酸化チタン50部、ケイ酸マグネシウム75部、キシレ
ン8部を順次仕込み、混合したものをサンドミルにて分
散度(JIS K5400 4.7.1)が60μmに
なるまで顔料分散を行い、分散ベースを得た。ついで、
この分散ベースに後記表1に示す硬化剤Aを25部加え
混合して塗料組成物を得た。
【0053】(注1)「エピクロンEXA−712
0」:大日本インキ化学工業(株)製、アルキルジフェ
ノール型液状エポキシ樹脂、粘度1,600mPa・s
(25℃)、前記式(1)において、2個のR1のいず
れもがt−ブチル基である構造を有する。
【0054】
【表1】
【0055】表1における(註)は下記の意味を有す
る。 (注2)エピコート828:油化シェルエポキシ(株)
製、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、粘度13,
500mPa・s(25℃)を有する。
【0056】実施例2〜7及び比較例1〜3 実施例1において、配合組成を後記表2に示すとおりと
する以外は、実施例1と同様に行い各塗料組成物を得
た。各塗料組成物の性状を表2に示す。
【0057】表2における(註)は、それぞれ下記の意
味を有する。
【0058】(注3)エピクロンEXA−6200:大
日本インキ化学工業(株)製、アルキルジフェノール型
液状エポキシ樹脂、粘度630mPa・s(25℃)を
有する。
【0059】(注4)エピクロンEXA−6188:大
日本インキ化学工業(株)製、アルキルフェノールノボ
ラック型液状エポキシ樹脂、粘度1,800mPa・s
(25℃)を有する。
【0060】
【表2】
【0061】上記実施例1〜7及び比較例1〜3で得た
各塗料組成物について下記試験方法に基いて各種試験を
行った。その試験結果を後記表3に示す。
【0062】試験方法 乾燥性:塗料組成物を隙間200μmのフィルムアプリ
ケータで、ブリキ板上に塗布し、温度20℃、湿度65
%RHの雰囲気中に放置し、塗膜表面が半硬化の状態に
至るまでの時間を指触により評価した。
【0063】ポットライフ:硬化剤を添加、混合して塗
料組成物とした後、20℃の室内において、ゲル化に至
るまでの時間(硬化剤混合時からの時間)を評価した。
【0064】錆への浸透性:(1)ろ紙浸透法……幅1
cmの短冊状のろ紙を吊り下げ、各試料を満たした容器
に深さ1cm埋没させ、1時間後、初期と比較して試料
がろ紙に浸透した距離(cm)を確認する。
【0065】(2)付着性……海浜地区で3ケ月バクロ
し、全面に錆が発生た鋼板(ショットブラスト板、厚さ
3.2mm)を使用する。そのごく表層の脆弱な錆層を
除去するために3種ケレンを行い、この素材に各塗料組
成物を4ミルの厚さになるように引き塗りを行う。20
℃で7日間養生後、エルコメータ社製のアドヒージョン
試験機を用いて、付着力を調べる。このときの剥離箇所
も記録する。剥離箇所において、「塗膜」は塗膜層内で
の凝集破壊、「膜/錆」は塗膜と錆との間の層間剥離、
「錆」は錆層内での剥離を意味する。
【0066】塗装時の消泡効果:厚膜(75μm)の無
機質ジンクリッチ塗膜に各塗料組成物を無希釈のまま、
無機質ジンクリッチ塗膜がみえなくなるまで(スケがな
くなるまで)エアスプレーにて塗装し、ついで室温(2
0℃)で24時間養生した後、JIS K5551(エ
ポキシ樹脂塗料)に規定の2種下塗塗料に該当するエポ
キシ樹脂塗料を乾燥膜厚が40μmとなるように塗装し
た際の、塗面からの泡の発生有無を確認する。泡の発生
が無い場合を○(良好)、発生が有る場合を×(不良)
と判定する。
【0067】エアレス適性:日本グレイ社製のエアレス
チップ519を用い、各塗料を無希釈でエアレス塗装し
た際の、塗膜の造膜性及び微粒化などの塗装作業性を総
合的に評価し、○(良好)、△(やや不良)、×(不
良)と判定する。
【0068】耐水性:サンドペーパー#240で研磨し
たミガキ軟鋼板に、乾燥膜厚が40μmとなるように塗
装し、20℃で7日間養生した後、40℃の純水中に7
日間浸漬する。ついで引き上げた後、塗膜にフクレ及び
錆の塗膜欠陥の有無を目視判定する。この塗膜欠陥の無
い場合を○(良好)とする。
【0069】塗膜伸び率:厚さ100μm、幅5mm、
長さ20mmの短冊状フィルムを作成し、東洋ボールド
ウイン社製のテンシロンを用いて塗膜が破壊する際の塗
膜伸び率(%)を測定する。
【0070】デュポン式耐衝撃試験:厚さ6mmの軟鋼
板に乾燥膜厚100μmとなるようにスプレー塗装し、
20℃で7日間養生した。この塗装板に、JIS K5
400 8.3.2(1990)に規定のデュポン式耐
衝撃試験を行い、塗膜のワレの有無を調査する。試験条
件は、重りの荷重500g、落下高さ30cm、撃芯の
尖端直径1/2インチとする。ワレの無い場合を○(良
好)とする。
【0071】防食性:サンドブラスト板に乾燥膜厚10
0μmとなるようにスプレー塗装し、20℃で7日間養
生後、幅1mmの素地に達する60度クロスカットを入
れる。このクロスカット塗板に塩水噴霧試験を1000
時間行い、塗膜の状態をカット部の錆及びふくれのうち
大きい方のカット部からの片方の幅で評価する。
【0072】 ○:片方の幅が1mm未満 △:片方の幅が1mm以上で3mm未満 ×:片方の幅が3mm以上。
【0073】
【表3】
【0074】
【発明の効果】以上に述べた試験結果から明らかなとお
り、本発明塗料組成物は、反応性希釈剤や非反応性希釈
剤を多量に配合しなくても粘度が低く、低温条件下にお
いてもスプレー塗装可能で、ハケやローラーなどの塗装
方法でも塗装部位の制約を受けずに、平滑性に優れ、仕
上り性が良好で、硬化性に優れ、塗膜物性や耐食性に優
れた塗膜を形成できる。
【0075】さらに、本発明塗料組成物は、塗料貯蔵中
における反応の進行がほとんどなく、塗料組成物のポッ
トライフが長く、良好で、塗装中における塗料の発熱が
ないかわずかであって、短時間に粘度が急激に上昇する
ことがなく、連続した塗装作業を安定に行うことができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安達 良光 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 中野 正 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 Fターム(参考) 4J038 DB061 DB071 DB081 JB04 JB05 JB07 JB18 KA06 MA15 NA01 NA03 NA23 NA26 PA06 PB05 PC01 PC02 PC04 PC06 PC08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一分子中に平均して1個より多い
    エポキシ基を有し、粘度が25℃で3,000mPa・
    s以下である液状エポキシ樹脂、及び(B)下記式 【化1】 式中、Yはk価の有機基又は直接結合を表し、kは2以
    上の整数を表す、で示されるポリアミン化合物のアミノ
    基が、ジアルキルケトンによってブロック化されてな
    り、かつ粘度が25℃で500mPa・s以下であるケ
    チミン化合物、をビヒクル成分として含有することを特
    徴とする塗料組成物。
  2. 【請求項2】 液状エポキシ樹脂(A)が下記式(1
    a) 【化2】 式中、R1は炭素原子数1〜8のアルキル基を表す、で
    示される化合物を主成分として含んでなる請求項1に記
    載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 ケチミン化合物(B)が下記式(3) 【化3】 式中、R2は炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、R3
    及びR4は同一又は異なって水素原子、メチル又はエチ
    ル基を表す、で示されるジアルキルケトンによってブロ
    ック化されてなるケチミン化合物である請求項1又は2
    に記載の塗料組成物。
  4. 【請求項4】 ジアルキルケトンがメチルイソプロピル
    ケトンである請求項3に記載の塗料組成物。
  5. 【請求項5】 反応性希釈剤をさらに含有することを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗料組成
    物。
  6. 【請求項6】 無溶剤型塗料である請求項1〜5のいず
    れか一項に記載の塗料組成物。
  7. 【請求項7】 一液型塗料である請求項1〜6のいずれ
    か一項に記載の塗料組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一項に記載の塗
    料組成物を、溶剤で希釈することなく、被塗物上にスプ
    レー塗装することを特徴とする塗装方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれか一項に記載の塗
    料組成物を錆が残存している鋼材表面に塗装し、該塗膜
    を硬化させて錆を固定化することを特徴とする塗装方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜7のいずれか一項に記載の
    塗料組成物を、無機質ジンクリッチペイントの塗膜が形
    成された鋼材表面に塗装することを特徴とする塗装方
    法。
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