JP7128144B2 - 水性被覆材 - Google Patents
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Description
1.水溶性エポキシ樹脂及び/またはエポキシ樹脂水分散体(A)、アミノ基含有樹脂(B)、エポキシ基含有アクリル樹脂エマルション(C)、及びアミノ基含有シラン化合物(M)、を含み、
上記水溶性エポキシ樹脂及び/またはエポキシ樹脂水分散体(A)は、芳香族エポキシ 樹脂を含み、
上記アミノ基含有樹脂(B)は、ポリアミン樹脂を含み、
上記アミノ基含有シラン化合物(M)は、アミノ基含有シランカップリング剤を含み、
上記水溶性エポキシ樹脂及び/またはエポキシ樹脂水分散体(A)の固形分100重量部に対し、固形分換算で上記アミノ基含有樹脂(B)を1~50重量部、上記エポキシ基含有アクリル樹脂エマルション(C)を5~100重量部、上記アミノ基含有シラン化合 物(M)を10~80重量部含むことを特徴とする記載の水性被覆材。
2.さらにシラン化合物(N)(ただし、上記アミノ基含有シラン化合物(M)を除く)を含み、
上記シラン化合物(N)は、グリシジル基含有シランカップリング剤、又はアルキルア ルコキシシランを含むことを特徴とする1.に記載の水性被覆材。
3.上記芳香族エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD 型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂から選ば れる1種以上であることを特徴とする1.または2.に記載の水性被覆材。
4.上記ポリアミン樹脂が、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、 複素環状アミン及びこれらポリアミン樹脂のアミノ基を変性してなる変性ポリアミン樹脂 から選ばれる1種以上であることを特徴とする1.~3.のいずれかに記載の水性被覆材 。
5.サイディングボード改修用下塗材であることを特徴とする1.~4.のいずれかに記 載の水性被覆材。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ステアリルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸アルカリ金属塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等の硫酸エステルアルカリ金属塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー等が挙げられる。
乳化剤の配合量としては、樹脂固形分に対して好ましくは0.1~15重量%(より好ましくは0.1~10重量%、さらに好ましくは0.5~5重量%)の範囲内である。
(I)XA/YB>1(好ましくは>1.5、より好ましくは>2.0)
(但し、
XA:水性エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量、
YB:アミノ基含有樹脂(B)の活性水素当量)
を満たすことが好ましい。その上限値は、好ましくはXA/YB<10(より好ましくは<8、さらに好ましくは<5)である。このような範囲を満たす場合、本発明の効果を十分に発揮することができる。なお、上記XA、上記YBは混合時の配合部数から求められるものであり、具体的に、上記XAは、水性被覆材に含まれる水性エポキシ樹脂(A)の配合量(固形分重量部)を、水性エポキシ樹脂のエポキシ当量xaで除した値である。また、上記YBは、水性被覆材に含まれるアミノ基含有樹脂(B)の配合量(固形分重量部)を、アミノ基含有樹脂の活性水素当量ybで除した値である。また、(A)成分、(B)成分をそれぞれ2種以上組み合わせて使用する場合は、各成分の配合部数から求められた値の合計値[XA=XA1+XA2+・・、XB=XB1+XB2+・・]である。
・エポキシ基含有モノマー、及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー群の重合体、
・エポキシ基含有モノマー、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び芳香族モノマーを含むモノマー群の重合体、
等が挙げられる。本発明では、上記(A)成分、上記(B)成分に加えて、上記(C)成分を含むことにより、種々の基材、及び塗膜に対して、十分な密着性を確保することができる。
(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデン、α-シアノエチル(メタ)アクリレート等のニトリル基含有モノマー;
マレイン酸アミド、(メタ)アクリルアミド、N-モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N、N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド、2-(ジメチルアミノ)エチル(メタクリレート)、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミド、ビニルアミド等のアミド基含有モノマー;
アクロレイン、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン等のカルボニル基含有モノマー;
アミノメチルアクリレート、アミノエチルアクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノ-n-ブチル(メタ)アクリレート、ブチルビニルベンジルアミン、ビニルフェニルアミン、p-アミノスチレン、N-メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー;
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー;
フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系モノマー;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、ビニルエーテル、ビニルケトン、シリコーンマクロマー等が挙げられる。
γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ-アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ-ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-ビニルベンジル-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)-8-アミノオクチルトリメトキシシラン、γ-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロビルアミン等が挙げられる。
このような(M)成分としては、アルコキシシリル基の一部ないし全部がシラノール基の状態となったものも使用することができる。
(II)YM/YB>0.8(好ましくは>1.0、より好ましくは>1.5)
(但し、
YB:アミノ基含有樹脂(B)の活性水素当量、
YM:アミノ基含有シラン化合物(M)の活性水素当量)
を満たすことが好ましい。その上限値は、好ましくはYM/YB<5(より好ましくは<4、さらに好ましくは<3)である。このような場合、基材、塗膜への付着発現性、密着性に優れた効果を発揮することができる。 なお、上記YB、上記YMは混合時の配合部数から求められるものであり、具体的に、上記YBは上述の通りであり、上記YMは、水性被覆材に含まれるアミノ基含有シラン化合物(M)の配合量(固形分重量部)を、アミノ基含有シラン化合物の活性水素当量ymで除した値である。
(III)XA/(YB+YM)>0.5(より好ましくは>0.55、さらに好ましくは>0.6)
(但し、
XA:水性エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量、
YB:アミノ基含有樹脂(B)の活性水素当量、
YM:アミノ基含有シラン化合物(M)の活性水素当量)
を満たすことが好ましい。その上限値は、好ましくはXA/(YB+YM)<5(より好ましくは<4、さらに好ましくは<3)である。このような範囲を満たす場合、基材、塗膜への付着発現性、密着性がよりいっそう向上する。さらには、水性被覆材の安定性、可使時間を高めることができる。
なお、上記XA、YB、YMは、混合時の配合部数から求められるものであり、上述の通りである。
(IV)(XA+XN1)/(YB+YM)>0.5(より好ましくは>0.55、さらに好ましくは>0.6)
(但し、
XA:水性エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量、
YB:アミノ基含有樹脂(B)の活性水素当量、
YM:アミノ基含有シラン化合物(M)の活性水素当量、
XN1:グリシジル基含有シラン化合物(N1)のエポキシ当量)
を満たすことが好ましい。その上限値は、好ましくは(XA+XN1)/(YB+YM)<5(より好ましくは<4、さらに好ましくは<3)である。このような場合、基材、塗膜への付着発現性が高まり、密着性がよりいっそう向上する。さらには、水性被覆材の安定性、可使時間を高めることができる。なお、上記XA、XN1、YB、YMは混合時の配合部数から求められるものである。具体的に、上記XA、YB、YMは、上述の通りであり、上記XN1は、水性被覆材に含まれるグリシジル基含有シラン化合物(N1)の配合量(固形分重量部)を、グリシジル基含有シラン化合物のエポキシ当量xn1で除した値である。
等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、または2種以上が混合されて用いられてもよい。
・(A)成分、(B)成分、(C)成分、(M)成分を含む1液型、
・(A)成分を含む主剤と、(B)成分、(C)成分、(M)成分を含む硬化剤からなる2液型、
・(A)成分、(B)成分を含む主剤と、(C)成分、(M)成分を含む硬化剤からなる2液型、
・(A)成分、(C)成分を含む主剤と、(B)成分、(M)成分を含む硬化剤からなる2液型、
・(A)成分、(M)成分を含む主剤と、(B)成分、(C)成分を含む硬化剤からなる2液型、
・(A)成分、(C)成分を含む主剤と、(B)成分と、(M)成分とからなる3液型、
等が挙げられる。相互に反応可能な成分を共存させる場合は、例えば、マスキング、ブロッキング等の処方を採用することができる。本発明では、上記(A)成分及び上記(C)成分を含む主剤と、上記(B)成分及び上記(M)成分を含む硬化剤からなる2液型の水性被覆材とすることが好ましい。
表1に示す配合に従い、(A)成分、(C)成分、(N)成分、(P)成分、添加剤、及び水を常法により混合し主剤を調製した。また、(B)成分及び(M)成分を混合し硬化剤とした。上記主剤と、上記硬化剤を混合したものを水性被覆材1~22とし、混合後の水性被覆材の固形分等を表1に示す。なお、原料としては以下のものを使用した。
(a1)水性エポキシ樹脂[ビスフェノールA型エポキシ樹脂(固形型)水分散体、固形分46重量%、エポキシ当量xa508]
(a2)水性エポキシ樹脂[ビスフェノールA型エポキシ樹脂(液状型)水分散体、固形分50重量%、エポキシ当量xa:215]
(C-1)エポキシ基含有アクリル樹脂エマルション[スチレン/2-エチルヘキシルアクリレート/グリシジルメタクリレート共重合体、固形分:33重量%、グリシジルメタクリレート含有量:9重量%、平均粒子径:70nm]
(C-2)エポキシ基含有アクリル樹脂エマルション[スチレン/2-エチルヘキシルアクリレート/グリシジルメタクリレート/アクリロニトリル共重合体、固形分:33重量%、グリシジルメタクリレート含有量:13重量%、平均粒子径:83nm]
(M)アミノ基含有シラン化合物[N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、活性水素当量ym:103]
(N1)グリシジル基含有シラン化合物[β-3,4-エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、エポキシ当量xn1:246]
(N2-1)アルキルアルコキシシラン化合物[フェニルトリメトキシシラン]
(N2-2)アルキルアルコキシシラン化合物[ジメトキシメチルフェニルシラン]
(P)触媒[有機錫化合物分散液、固形分:10重量%]
・添加剤:消泡剤、増粘剤、造膜助剤等
<可使時間>
主剤と硬化剤を表1に示す混合比にて混合後、流動性が失われるまでの時間を測定した。評価基準は、以下の通りである。結果は、表1に示す。
A:240分以上
B:120分以上240分未満
C:30分以上120分未満
D:30分未満
既存塗膜として無機質クリヤー塗膜が形成されたサイディングボード上に、主剤と硬化剤を表1に示す混合比にて混合して得られた水性被覆材を塗付け量0.1kg/m2となるように混合直後に塗付し、標準状態(気温23℃、相対湿度50%)で4時間乾燥させ、次いで、水性上塗材(アクリルシリコン樹脂エマルション塗料)を塗付け量0.1kg/m2となるように塗付し、50℃環境下で、1日間乾燥させた試験体[I]とした。
作製した試験体[I]を、JIS K 5600-5-6に準じた碁盤目テープ法にて密着性を評価した。評価基準は、以下の通りである。
AA:欠損部面積が5%未満
A:欠損部面積が5%以上10%未満
AB:欠損部面積が10%以上25%未満
B:欠損部面積が25%以上40%未満
C:欠損部面積が40%以上55%未満
D:欠損部面積が55%以上
(試験体作製2)
既存塗膜として無機質クリヤー塗膜が形成されたサイディングボード上に、主剤と硬化剤を表1に示す混合比にて混合して得られた水性被覆材を塗付け量0.1kg/m2となるように混合直後に塗付し、標準状態(気温23℃、相対湿度50%)で4時間乾燥させ、次いで、水性上塗材(アクリルシリコン樹脂エマルション塗料)を塗付け量0.1kg/m2となるように塗付し、標準状態で、1日間乾燥させた試験体[II]、4日間乾燥させた試験体[III]、7日間乾燥させた試験体[IV]を作製した。結果は表1に示す。
(試験体作製3)
既存塗膜として無機質クリヤー塗膜が形成されたサイディングボード上に、主剤と硬化剤を表1に示す混合比にて混合して得られた水性被覆材を塗付け量0.1kg/m2となるように混合直後に塗付し、50℃環境下で7日間乾燥させ、次いで、水性上塗材(アクリルシリコン樹脂エマルション塗料)を塗付け量0.1kg/m2となるように塗付し、標準状態で、1日間乾燥させた試験体[V]を作製した。結果は表1に示す。
Claims (5)
- 水溶性エポキシ樹脂及び/またはエポキシ樹脂水分散体(A)、アミノ基含有樹脂(B)、エポキシ基含有アクリル樹脂エマルション(C)、及びアミノ基含有シラン化合物(M)、を含み、
上記水溶性エポキシ樹脂及び/またはエポキシ樹脂水分散体(A)は、芳香族エポキシ 樹脂を含み、
上記アミノ基含有樹脂(B)は、ポリアミン樹脂を含み、
上記アミノ基含有シラン化合物(M)は、アミノ基含有シランカップリング剤を含み、
上記水溶性エポキシ樹脂及び/またはエポキシ樹脂水分散体(A)の固形分100重量部に対し、固形分換算で上記アミノ基含有樹脂(B)を1~50重量部、上記エポキシ基含有アクリル樹脂エマルション(C)を5~100重量部、上記アミノ基含有シラン化合 物(M)を10~80重量部含むことを特徴とする記載の水性被覆材。 - さらにシラン化合物(N)(ただし、上記アミノ基含有シラン化合物(M)を除く)を含み、
上記シラン化合物(N)は、グリシジル基含有シランカップリング剤、又はアルキルア ルコキシシランを含むことを特徴とする請求項1に記載の水性被覆材。 - 上記芳香族エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型 エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂から選ばれ る1種以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水性被覆材。
- 上記ポリアミン樹脂が、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、複 素環状アミン及びこれらポリアミン樹脂のアミノ基を変性してなる変性ポリアミン樹脂か ら選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の水性 被覆材。
- サイディングボード改修用下塗材であることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれ かに記載の水性被覆材。
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