JP2021161184A - 被覆材 - Google Patents

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Abstract

【課題】多種多様な下地に対し、優れた密着性等の適性を示す被覆材を提供する。【解決手段】本発明の被覆材は、エポキシ樹脂、アミン硬化剤、顔料、及び非水系溶剤を含有する被覆材であって、前記非水系溶剤が、アニリン点12〜70℃の非水系溶剤を含み、顔料体積濃度が1〜30%であり、円筒形マンドレル法による耐屈曲性試験においてマンドレル直径5mm以下の耐屈曲性を示すことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、新規な被覆材に関するものである。
建築物、土木構築物等に対し塗装を施す場合は、これらを構成する基材に対し、密着性等を確保するために被覆材として下塗材を施した後に、上塗材を塗装している。
また最近は、経年劣化した既存塗膜面(旧塗膜面)に対して塗装を施す場合が多くなっている。このような場合、既存塗膜面の劣化状態等に合わせ、密着性等を確保するために下塗材を選定して施した後に、上塗材を塗装している。
ここで使用される下塗材は、基材や既存塗膜面等(以下、これらを総称して「下地」ともいう)と、上塗材の密着性等を高める大きな役割を担う。
従来、このような下塗材としては、下地の種類や状態に合わせて適切な下塗材が選定されてきた。例えば、特許文献1、2に記載されているようなエポキシ系下塗材は汎用的に使用されてきた下塗材の一つである。
特開2000−319582号公報 特開平11−199648号公報
しかし近年、建築物、土木構築物等の多種多様化に合わせて、下地の種類も増加しており、例えば硬質ないし弾性の種々の下地に対応する必要が生じている状況であり、下塗材の選定も煩雑化してきている。さらに、高耐久性や汚染防止性等の高機能を有する塗膜面も登場し、既存の下塗材では、これらの塗膜面に対応しきれなくなってきている。
本発明者は、このような問題に対し鋭意検討した結果、エポキシ樹脂、アミン硬化剤に加え、顔料及び非水系溶剤を特定条件で含み、さらに特定の耐屈曲性を具備する被覆材に想到し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記の特徴を有するものである。
1.エポキシ樹脂、アミン硬化剤、顔料、及び非水系溶剤を含有する被覆材であって、
前記非水系溶剤が、アニリン点12〜70℃の非水系溶剤を含み、
顔料体積濃度が1〜30%であり、
円筒形マンドレル法による耐屈曲性試験においてマンドレル直径5mm以下の耐屈曲性を示す
ことを特徴とする被覆材。
2.不揮発分が30〜90重量%であることを特徴とする1.記載の被覆材。
3.前記エポキシ樹脂と前記アミン硬化剤との配合比が、[(アミン硬化剤の配合量/アミン硬化剤の活性水素当量)/(エポキシ樹脂の配合量/エポキシ樹脂のエポキシ当量)]で、1.0以下であることを特徴とする1.または2.に記載の被覆材。
本発明の被覆材は、多種多様な下地に対し、優れた密着性等の適性を示す。
本発明被覆材は、エポキシ樹脂、アミン硬化剤、顔料、及び非水系溶剤を含有する。
エポキシ樹脂とアミン硬化剤は、塗膜形成時に硬化反応を生じ、樹脂成分として作用するものである。このうち、エポキシ樹脂としては、例えば、可とう性エポキシ樹脂、硬質エポキシ樹脂等が挙げられ、本発明では、少なくとも可とう性エポキシ樹脂を含む態様が望ましい。
可とう性エポキシ樹脂としては、例えば、脂肪族変性エポキシ樹脂、ブタジエン系エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、チオール系エポキシ樹脂、アミン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ポリオール変性エポキシ樹脂、脂肪酸変性エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。この中でも、脂肪酸変性エポキシ樹脂が好適である。
本発明被覆材のエポキシ樹脂中に占める可とう性エポキシ樹脂の比率(固形分換算)は、下地への追従性、密着性等の観点から、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70〜100重量%である。
脂肪酸変性エポキシ樹脂は、脂肪族多塩基酸化合物をエポキシ樹脂に付加反応させて得られるものである。付加反応には、例えば、エステル化反応等が使用できる。ここで用いられるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、その他後述の硬質エポキシ樹脂等で例示するような各種エポキシ樹脂が使用できる。脂肪族多塩基酸化合物としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドカン2酸、ダイマー酸等が挙げられる。この中でも、ダイマー酸が好適である。
ダイマー酸は、不飽和脂肪酸の二量体である。ダイマー酸を構成する不飽和脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレイン酸、アラキドン酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸等が挙げられる。
ダイマー酸をエポキシ樹脂に付加反応させて得られるダイマー酸変性エポキシ樹脂は、本発明被覆材のエポキシ樹脂として好適なものである。本発明被覆材のエポキシ樹脂中に占めるダイマー酸変性エポキシ樹脂の比率(固形分換算)は、下地への追従性、密着性等の観点から、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70〜100重量%である。
硬質エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型ビスフェノールAエポキシ樹脂、フェノールノボラック型ビスフェノールFエポキシ樹脂等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グシシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロ型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
本発明で使用するエポキシ樹脂は、エポキシ当量(固形分当たり)が好ましくは300〜3000g/eq、より好ましくは400〜2000g/eq、さらに好ましくは450〜1500g/eq、特に好ましくは500〜1100g/eqである。エポキシ当量が上記下限以上であることにより、下地への追従性、密着性等の点で好適である。エポキシ当量が上記上限以下であることにより、耐膨れ性、密着性、上塗材適性等の点で好適である。なお、エポキシ当量とは、エポキシ樹脂の分子量をエポキシ基の数で除した値である。本発明において、「α〜β」は「α以上β以下」と同義である。
アミン硬化剤としては、例えば、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、複素環状ポリアミン、脂肪族ポリアミド、脂環式ポリアミド、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミドアミン、脂環式ポリアミドアミン、芳香族ポリアミドアミン等のポリアミン化合物等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。本発明では、この中でも、脂肪族ポリアミン、脂肪族ポリアミド、脂肪族ポリアミドアミンから選ばれる1種以上の脂肪族アミン硬化剤を好適に使用することができる。
本発明で使用するアミン硬化剤は、活性水素当量(固形分当たり)が好ましくは40〜200g/eq、より好ましくは50〜120g/eq、さらに好ましくは60〜95g/eqである。活性水素当量が上記範囲内であることにより、密着性等において十分な効果を得ることができる。なお、活性水素当量とは、アミン硬化剤の分子量をアミノ基の水素原子数で除した値である。
本発明では、このようなエポキシ樹脂とアミン硬化剤について、アミン硬化剤の活性水素当量とエポキシ樹脂のエポキシ当量が、[アミン硬化剤の活性水素当量/エポキシ樹脂のエポキシ当量]で、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.01〜0.3、さらに好ましくは0.03〜0.25、特に好ましくは0.05〜0.2の組み合わせになるように各材料を設定して使用することができる。エポキシ樹脂、アミン硬化剤として、このような条件を満たす材料を組み合わせて使用することにより、密着性等の点でより好ましい効果を得ることができる。
エポキシ樹脂とアミン硬化剤の配合比は、[(アミン硬化剤の配合量/アミン硬化剤の活性水素当量)/(エポキシ樹脂の配合量/エポキシ樹脂のエポキシ当量)]で1.0以下となるように設定することが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0、さらに好ましくは0.5〜0.98、特に好ましくは0.6〜0.95、最も好ましくは0.7〜0.9である。なお、アミン硬化剤の配合量及び活性水素当量、並びにエポキシ樹脂の配合量及びエポキシ当量は、いずれも固形分を基準とするものである。エポキシ樹脂とアミン硬化剤の配合比が上記上限以下であることにより、密着性、下地追従性、上塗材適性等の点で好適であり、上記下限以上であることにより、硬化性、密着性等の点で好適である。
本発明において、顔料は、密着性等に寄与する成分である。顔料としては、例えば、着色顔料、体質顔料、防錆顔料等が使用できる。
具体的に、着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、カーボンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、鉄−クロム複合酸化物、マンガン−ビスマス複合酸化物、マンガン−イットリウム複合酸化物、鉄−マンガン複合酸化物、鉄−銅−マンガン複合酸化物、鉄−クロム−コバルト複合酸化物、銅−クロム複合酸化物、銅−マンガン−クロム複合酸化物、べんがら、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、クロムグリーン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット、アルミニウム顔料、パール顔料等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
体質顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、珪藻土、含水微粉珪酸、タルク、バライト粉、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ粉、水酸化アルミニウム等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
防錆顔料としては、例えば、リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等のリン酸化合物;亜リン酸亜鉛、亜リン酸鉄、亜リン酸アルミニウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸マグネシウム等の亜リン酸化合物;ポリリン酸亜鉛、ポリリン酸鉄、ポリリン酸アルミニウム等のポリリン酸化合物;モリブデン酸亜鉛、モリンブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸バリウム、リンモリブデン酸アルミニウム等のモリブデン酸化合物;酸化バナジウム等のバナジウム化合物;ホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム等のホウ酸化合物;シアナミド亜鉛、シアナミド亜鉛カルシウム等のシアナミド化合物等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
本発明被覆材の顔料体積濃度は1〜30%であり、好ましくは3〜25%、より好ましくは5〜23%、特に好ましくは8〜20%である。顔料体積濃度が上記範囲内であることにより、下地の形状を活かしつつ、密着性に優れた塗膜を形成することができる。例えば、下地が凹凸模様を有する場合は、その凹凸に沿って被覆材を満遍なく塗着でき、凹凸模様を活かしつつ、仕上り性、密着性等に優れた塗膜を形成することが可能となる。また、下地が平坦である場合は、平滑性を有する一様な塗膜が形成でき、密着性等においても優れた性能を発揮することができる。顔料体積濃度が上記値を満たさない場合は、上述の効果が得られ難くなる。
顔料体積濃度は、乾燥塗膜中に含まれる顔料の体積百分率であり、被覆材を構成する樹脂成分(エポキシ樹脂及びアミン硬化剤)と顔料の重量部数及び比重から計算により求められる値である。なお、樹脂成分の比重は1とする。
非水系溶剤としては、例えば、n−へプタン、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン等の脂肪族炭化水素溶剤、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素溶剤、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素含有混合溶剤、石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ、ケロシン等の石油系溶剤等の他、イソパラフィン系溶剤、アルコール系溶剤、エーテルアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、エーテルエステル系溶剤、ケトン系溶剤等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
本発明被覆材は、非水系溶剤として、アニリン点12〜70℃の非水系溶剤を含む。このような非水系溶剤は、下地に浸透する作用、既存塗膜を若干膨潤ないし溶解する作用等により、密着性向上に寄与するものである。アニリン点12〜70℃の非水系溶剤としては、例えば、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素含有混合溶剤、石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ、ケロシン等の石油系溶剤等から選ばれる1種以上が好適である。なお、アニリン点は、JIS K2256の方法で測定される値である。
本発明の被覆材は、上記成分に加え、シラン化合物を含むことができる。本発明では、シラン化合物の配合により、密着性等をいっそう高めることができる。
シラン化合物としては、例えば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラブトキシシラン等の4官能アルコキシシラン化合物;
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリブトキシシラン等の3官能アルコキシシラン化合物;
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン等の2官能アルコキシシラン化合物;
テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン等のクロロシラン化合物;
テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン等のアセトキシシラン化合物;
γ−グリシドキシプロピルトリメキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロペニルオキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイミノオキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリイソプロペニルオキシシランとグリシドールとの付加物等のエポキシ基を含有するシラン化合物;
N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基を含有するシラン化合物;
γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリロキシ基を含有するシラン化合物;等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
本発明では、特に、エポキシ基を含有するシラン化合物、アミノ基を含有するシラン化合物から選ばれる1種以上を好適に使用することができる。
シラン化合物の混合比率は、樹脂成分(エポキシ樹脂及びアミン硬化剤)の固形分100重量部に対し、好ましくは3重量%以下、より好ましくは0.1〜2.8重量部、さらに好ましくは0.2〜2.5重量部である。シラン化合物の混合比率がこのような範囲内であることにより、密着性をいっそう高めることができるとともに、エポキシ樹脂、アミン硬化剤の混合直後に塗装する場合だけでなく、混合して時間経過した後に塗装する場合でも、優れた密着性を示すことができる。シラン化合物の使用は、無機質塗膜、有機無機複合塗膜、フッ素樹脂塗膜等の既存塗膜に対する密着性向上化等の点でも好適である。
本発明被覆材においては、上述の成分の他、必要に応じ、例えば、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、界面活性剤、増粘剤、沈降防止剤、たれ防止剤、艶消し剤、触媒、硬化促進剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等を、本発明の効果が著しく阻害されない範囲内で混合することができる。
本発明被覆材は、以上のような各成分を常法により均一に撹拌・混合して製造することができる。被覆材の形態は、流通時には、エポキシ樹脂を含む主剤とアミン硬化剤を含む硬化剤とからなる2液型の形態としておき、これらを塗装時に混合して使用することが望ましい。
本発明被覆材は、円筒形マンドレル法による耐屈曲性試験においてマンドレル直径5mm以下(好ましくは4mm以下、より好ましくは3mm以下)の耐屈曲性を示す。このような特性によって、広範な下地に対する密着性、追従性等の適性が高まり、例えば、シーリング目地部を含む下地に対しても十分な性能を示すことができる。
円筒形マンドレル法は、JIS K5600−5−1:1999「塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第1節:耐屈曲性(円筒形マンドレル法)」に規定される方法で測定される。試験板としては、厚さ0.3mmの磨き鋼板(SPCC−SB)に、乾燥膜厚が35μmとなるように被覆材を刷毛塗りし、標準状態(気温23℃・相対湿度50%)で7日間乾燥したものを使用する。試験は、標準状態において、タイプ1の試験装置を用いて行い、塗膜の割れ及び素地からの塗膜はがれを目視にて検分する。「マンドレル直径ammの耐屈曲性を示す」とは、直径amm以上のマンドレルを用いて試験を行った場合に、塗膜の割れ及び素地からの塗膜はがれが認められないことを言う。
耐屈曲性は、例えば、使用するエポキシ樹脂の種類やエポキシ当量、アミン硬化剤の種類や活性水素当量、エポキシ樹脂とアミン硬化剤との配合比、顔料体積濃度等により設定することができる。
本発明被覆材の不揮発分は、好ましくは30〜90重量%であり、より好ましくは40〜80重量%、さらに好ましくは45〜75重量%である。被覆材の不揮発分がこのような範囲内であることにより、下地に対し、被覆材を満遍なく一様に塗着させやすくなり、密着性向上化の点で好適である。特に、下地が凹凸模様を有する場合は、その凹凸に沿って、下塗材を満遍なく塗着することができ、凹凸模様を活かしつつ、仕上り性、密着性等に優れた塗膜を形成することが可能となる。なお、不揮発分は、JIS K5601−1−2の方法にて測定される値であり、加熱温度は105℃、加熱時間は60分である。
本発明被覆材において、被覆材の不揮発分中に占める樹脂固形分(エポキシ樹脂とアミン硬化剤との合計固形分)の比率は、好ましくは20〜85重量%、より好ましくは30〜80重量%、さらに好ましくは40〜75重量%である。被覆材の不揮発分中に占める顔料の比率は、好ましくは15〜80重量%、より好ましくは20〜70重量%、さらに好ましくは25〜60重量%である。不揮発分中の樹脂固形分や顔料の比率が上記範囲内であることにより、下地の形状を活かしつつ、密着性に優れた塗膜を形成する効果を高めることができる。
本発明被覆材は、例えば、建築物や土木構造物の壁面(内壁面、外壁面等)、床面、天井面等への塗装における下塗材として好適に用いられる。具体的には、例えば、モルタル、コンクリート、窯業系サイディングボード、セラミック系サイディングボード、金属系サイディングボード、押出成形板、スレート板、ケイ酸カルシウム板、ALC板、金属、木材、ガラス、陶磁器、合成樹脂等の基材、あるいはこのような基材上(基材の表面)に形成された多種多様な既存塗膜等の下地に適用する下塗材として好適に用いられる。このような下地(基材や既存塗膜)の形状としては、例えば、平坦なもの、各種凹凸模様(例えば石材調、レンガ・タイル調、木目調、ボーダー調、塗り壁調、吹付け調等)を有するもの等が挙げられる。
本発明被覆材は、シーリング目地部を含む下地に対して適用することもできる。シーリング目地部を構成するシーリング材としては、例えば、シリコーン系シーリング材、変性シリコーン系シーリング材、ポリサルファイド系シーリング材、変性ポリサルファイド系シーリング材、アクリルウレタン系シーリング材、ポリウレタン系シーリング材、SBR系シーリング材、ブチルゴム系シーリング材等が挙げられる。シーリング目地部は、弾性を有する乾式目地材等によって構成されたものであってもよい。
本発明被覆材は、経年劣化した既存塗膜面の改修(塗り替え)に好ましく適用できる。すなわち、本発明被覆材は、既存塗膜を有する下地の改修用下塗材として好適であり、例えば、既存塗膜が設けられたサイディングボード等の改修時の下塗材として使用できる。既存塗膜面の経年劣化の程度は、特に限定されるものではないが、塗膜形成後概ね5年以上(さらには8年以上)使用されたものは、塗装対象とすることができる。
塗装対象となる既存塗膜面がシーリング目地部を含む場合は、既存のシーリング材をそのまま残しておいてもよいし、本発明被覆材の塗装前に新たなシーリング材を打設することもできる。
既存塗膜は、上記基材上に、現場塗装、あるいは工場塗装(ライン塗装)等により既に塗装されている種々の塗膜であり、例えば、有機質塗膜、無機質塗膜、有機無機複合塗膜等から選ばれる少なくとも1種の塗膜が挙げられる。また、既存塗膜としては、着色塗膜(エナメル系塗膜、印刷塗膜等)、クリヤー塗膜、あるいはこれらの積層塗膜等が挙げられ、各種コーティング材を基材に塗装して形成された塗膜である。このようなコーティング材は、例えば、常温乾燥型、常温硬化型、焼付け硬化型、紫外線(UV)硬化型、電子線硬化型等のいずれであってもよい。
このようなコーティング材の結合材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂等の有機質結合材、あるいはシリコン樹脂、アルコキシシラン、コロイダルシリカ、ケイ酸塩等の無機質結合材、アクリルシリコン樹脂等の有機無機複合結合材等が挙げられる。
本発明は、既存塗膜が、無機質塗膜(上記無機質結合材を含む塗膜)、有機無機複合塗膜(上記有機無機複合結合材を含む塗膜)、フッ素樹脂塗膜(上記フッ素樹脂を含む塗膜)等から選ばれる1種以上である場合にも適用できる。このような既存塗膜は、光触媒酸化チタン等を含むものであってもよい。
本発明被覆材の塗装においては、例えば、刷毛塗装、ローラー塗装、スプレー塗装等の種々の方法を採用することができる。また、工場内で塗装する場合は、上記以外にもロールコーター、フローコーター等を用いて塗装することもできる。
被覆材の塗付け量は、好ましくは0.03〜0.5kg/m(より好ましくは0.05〜0.3kg/m)程度である。被覆材の塗回数は、下地の状態によって適宜設定すればよいが、好ましくは1〜2回である。被覆材の乾燥温度は、好ましくは−10〜50℃、より好ましくは−5℃〜40℃である。本発明被覆材は、常温硬化型として好ましいものである。被覆材塗装後の乾燥時間は、好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上14日以内である。
本発明では、上記被覆材の塗膜面の上に、上塗材を塗装することができる。上塗材の塗装によって、仕上げ表面の保護、あるいは、美観性の向上等を図ることができる。上塗材は、1種または2種以上使用できる。
本発明被覆材により形成された塗膜は、多種多様な上塗材に対し優れた密着性を発揮することができる。上塗材としては、一般的に建築物等の塗装に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、その結合材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂等の有機質結合材、あるいはシリコン樹脂、アルコキシシラン、コロイダルシリカ、ケイ酸塩等の無機質結合材、アクリルシリコン樹脂等の有機無機複合結合材等が挙げられる。
上塗材の構成成分としては、上記結合材の他に、例えば、着色顔料、体質顔料、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、湿潤剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、吸着剤、カップリング剤、繊維、架橋剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、触媒、溶剤、水等が挙げられる。
具体的に、上塗材としては、例えば、建築用耐候性上塗り塗料(JIS K5658:2010)、鋼構造物用耐候性塗料(JIS K5659:2008)、つや有合成樹脂エマルションペイント(JIS K5660:2008)、建築用防火塗料(JIS K5661:1970)、合成樹脂エマルションペイント(JIS K5663:2008)、路面標示用塗料(JIS K5665:2011)、多彩模様塗料(JIS K5667:2003)、合成樹脂エマルション模様塗料(JIS K5668:2010)、アクリル樹脂系非水分散形塗料(JIS K5670:2008)、鉛・クロムフリーさび止めペイント(JIS K5674:2008)、屋根用高日射反射率塗料(JIS K5675:2011)、建物用床塗料(JIS K5970:2008)、建築用塗膜防水材(JIS A6021:2011)、建築用仕上塗材(JIS A6909:2014)、等が挙げられる。
上塗材は公知の方法で塗装することができ、例えば、刷毛塗り、スプレー塗装、ローラー塗装、ロールコーター、フローコーター等種々の方法により塗装することができる。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明の特徴をより明確にする。
○主剤の製造
(主剤1)
エポキシ樹脂a{ダイマー酸変性エポキシ樹脂溶液、固形分:60重量%、エポキシ当量(固形分当たり):780g/eq、媒体:ミネラルスピリット(アニリン点42℃)及びソルベントナフサ(アニリン点13℃)}75重量部、酸化チタン(比重:4.2)15重量部、タルク(比重2.7)2重量部、ソルベントナフサ(同上)4重量部、添加剤(分散剤、増粘剤、及び消泡剤)4重量部を常法にて均一に混合し、主剤1を製造した。
(主剤2)
エポキシ樹脂a(同上)67重量部、酸化チタン(同上)15重量部、重質炭酸カルシウム(比重2.7)5重量部、タルク(同上)5重量部、ソルベントナフサ(同上)4重量部、添加剤(分散剤、増粘剤、及び消泡剤)4重量部を常法にて均一に混合し、主剤2を製造した。
(主剤3)
エポキシ樹脂a(同上)61重量部、酸化チタン(同上)15重量部、重質炭酸カルシウム(同上)8重量部、タルク(同上)8重量部、ソルベントナフサ(同上)4重量部、添加剤(分散剤、増粘剤、及び消泡剤)4重量部を常法にて均一に混合し、主剤3を製造した。
(主剤4)
エポキシ樹脂a(同上)65重量部、ソルベントナフサ(同上)29重量部、添加剤(増粘剤、及び消泡剤)6重量部を常法にて均一に混合し、主剤4を製造した。
(主剤5)
エポキシ樹脂b{フェノールノボラック型ビスフェノールAエポキシ樹脂溶液、固形分:60重量%、エポキシ当量(固形分当たり):600g/eq、媒体:ミネラルスピリット(アニリン点42℃)及びソルベントナフサ(アニリン点13℃)}67重量部、酸化チタン(同上)15重量部、重質炭酸カルシウム(同上)5重量部、タルク(同上)5重量部、ソルベントナフサ(同上)4重量部、添加剤(分散剤、増粘剤、及び消泡剤)4重量部を常法にて均一に混合し、主剤5を製造した。
(主剤6)
エポキシ樹脂a(同上)38重量部、酸化チタン(同上)15重量部、重質炭酸カルシウム(同上)15重量部、タルク(同上)15重量部、ソルベントナフサ(同上)12重量部、添加剤(分散剤、増粘剤、及び消泡剤)5重量部を常法にて均一に混合し、主剤6を製造した。
○硬化剤の製造
(硬化剤1)
アミン硬化剤a{脂肪族ポリアミドアミン、固形分100重量%、活性水素当量(固形分)80g/eq}15重量部、シラン化合物{N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン}4重量部、アルコール系溶剤16重量部、ソルベントナフサ(同上)65重量部を常法にて均一に混合し、硬化剤1を製造した。
(硬化剤2)
アミン硬化剤a(同上)15重量部、アルコール系溶剤16重量部、ソルベントナフサ(同上)69重量部を常法にて均一に混合し、硬化剤2を製造した。
(硬化剤3)
アミン硬化剤b{脂肪族ポリアミドアミン、固形分100重量%、活性水素当量(固形分)180g/eq}25重量部、シラン化合物(同上)4重量部、アルコール系溶剤11重量部、ソルベントナフサ(同上)60重量部を常法にて均一に混合し、硬化剤3を製造した。
(硬化剤4)
アミン硬化剤b(同上)38重量部、アルコール系溶剤6重量部、ソルベントナフサ(同上)56重量部を常法にて均一に混合し、硬化剤4を製造した。
(実施例1)
上記主剤1(100重量部)と上記硬化剤1(25重量部)とを均一に混合して、実施例1の被覆材を作製した。この被覆材の各特性値は表1に示す通りであり、エポキシ樹脂とアミン硬化剤の配合比[(アミン硬化剤の配合量/アミン硬化剤の活性水素当量)/(エポキシ樹脂の配合量/エポキシ樹脂のエポキシ当量)](表1では「配合比」と表記)が0.81、顔料体積濃度が8%、被覆材の不揮発分(表1では「不揮発分」と表記)が54重量%、被覆材の不揮発分中に占める樹脂固形分の比率(表1では「樹脂比率」と表記)が72重量%、被覆材の不揮発分中に占める顔料の比率(表1では「顔料比率」と表記)が25重量%であり、円筒形マンドレル法による耐屈曲性試験(表1では「耐屈曲性」と表記)においてマンドレル直径2mm以下の耐屈曲性を示すものである。
(実施例2)
上記主剤2(100重量部)と上記硬化剤1(20重量部)とを均一に混合して、実施例2の被覆材を作製した。この被覆材の各特性値は、表1に示す通りである。
(実施例3)
上記主剤3(100重量部)と上記硬化剤1(22重量部)とを均一に混合して、実施例3の被覆材を作製した。この被覆材の各特性値は、表1に示す通りである。
(実施例4)
上記主剤2(100重量部)と上記硬化剤1(23重量部)とを均一に混合して、実施例4の被覆材を作製した。この被覆材の各特性値は、表1に示す通りである。
(実施例5)
上記主剤2(100重量部)と上記硬化剤1(30重量部)とを均一に混合して、実施例5の被覆材を作製した。この被覆材の各特性値は、表1に示す通りである。
(実施例6)
上記主剤2(100重量部)と上記硬化剤2(20重量部)とを均一に混合して、実施例6の被覆材を作製した。この被覆材の各特性値は、表1に示す通りである。
(実施例7)
上記主剤2(100重量部)と上記硬化剤3(28重量部)とを均一に混合して、実施例7の被覆材を作製した。この被覆材の各特性値は、表1に示す通りである。
(比較例1)
上記主剤4(100重量部)と上記硬化剤3(28重量部)とを均一に混合して、比較例1の被覆材を作製した。この被覆材の各特性値は、表1に示す通りである。
(比較例2)
上記主剤5(100重量部)と上記硬化剤4(24重量部)とを均一に混合して、比較例2の被覆材を作製した。この被覆材の各特性値は、表1に示す通りである。
(比較例3)
上記主剤6(100重量部)と上記硬化剤4(12重量部)とを均一に混合して、比較例3の被覆材を作製した。この被覆材の各特性値は、表1に示す通りである。
以上の方法で得られた各被覆材について、次の試験を行った。
○試験1
既存塗膜面として、屋外曝露により劣化した窯業系サイディングボート(表面にタイル目地調の凸部と凹部(目地)、凸部にはさらに不定形の凹凸模様を有し、最表層塗膜として無機質クリヤー被膜を有するもの)を用意した。この既存塗膜面を鉛直方向に設置し、その全面に対し、上記被覆材を塗付け量0.1kg/mにてスプレー塗装し、3時間乾燥後、上塗材(淡褐色アクリルシリコン樹脂塗料)を塗付け量0.2kg/mにてスプレー塗装し、7日間乾燥養生することにより、試験体を作製した。なお、塗装ないし養生の工程は、すべて標準状態(気温23℃、相対湿度50%)下で行った。
上記方法で作製した試験体について、水中に7日間浸漬した後、凹凸模様の各部位の被膜にカッターナイフでクロスカットを入れ、このクロスカット部分にテープを貼り付けて剥ぐことにより密着性を評価した。評価は、どの部位でも剥れが認められなかったものを「A」、剥れが多く認められたものを「D」とする4段階(優:A>B>C>D:劣)で行った。
○試験2
既存塗膜面として、屋外曝露により劣化した窯業系サイディングボート(表面にタイル目地調の凸部と凹部(目地)、凸部にはさらに不定形の凹凸模様を有し、最表層塗膜としてフッ素樹脂クリヤー被膜を有するもの)を用意した。この既存塗膜面を用いて、試験1と同様の方法で試験体を作製し、密着性を評価した。
○試験3
既存塗膜面として、屋外曝露により劣化した窯業系サイディングボート(表面にタイル目地調の凸部と凹部(目地)、凸部にはさらに不定形の凹凸模様を有し、最表層塗膜としてアクリル樹脂被膜を有するもの)を用意した。この既存塗膜面を用いて、試験1と同様の方法で試験体を作製し、密着性を評価した。
○試験4
試験基材として、スレート板上にポリウレタン系シーリング材が厚さ5mmで打設されたものを用意した。この試験基材に対し、上記被覆材を塗付け量0.1kg/mにて刷毛塗り、3時間乾燥後、上塗材(淡褐色アクリルシリコン樹脂塗料)を塗付け量0.2kg/mにてスプレー塗装し、7日間乾燥養生することにより、試験体を作製した。なお、塗装ないし養生の工程は、すべて標準状態下で行った。
上記方法で作製した試験体の塗膜にカッターナイフでクロスカットを入れ、このクロスカット部分にテープを貼り付けて剥ぐことにより密着性を評価した。評価は、剥れが認められなかったものを「A」、剥れが多く認められたものを「D」とする4段階(優:A>B>C>D:劣)で行った。
○試験5
上記試験4と同様の方法で作製した試験体について、水浸漬18時間・−20℃3時間放置・50℃3時間放置を1サイクルとする温冷繰返し試験を合計10サイクル行った後、塗膜外観を確認し、不具合(膨れ、剥れ、割れ等)の発生の状態を評価した。評価は、不具合発生が認められなかったものを「A」、明らかに不具合発生が認められたものを「D」とする4段階(優:A>B>C>D:劣)で行った。
試験結果を表2に示す。実施例1〜7の被覆材、とりわけ実施例1〜4の被覆材については、比較例1〜3に比べ総じて良好な結果が得られた。
Figure 2021161184
Figure 2021161184

Claims (3)

  1. エポキシ樹脂、アミン硬化剤、顔料、及び非水系溶剤を含有する被覆材であって、
    前記非水系溶剤が、アニリン点12〜70℃の非水系溶剤を含み、
    顔料体積濃度が1〜30%であり、
    円筒形マンドレル法による耐屈曲性試験においてマンドレル直径5mm以下の耐屈曲性を示す
    ことを特徴とする被覆材。
  2. 不揮発分が30〜90重量%であることを特徴とする請求項1記載の被覆材。
  3. 前記エポキシ樹脂と前記アミン硬化剤との配合比が、[(アミン硬化剤の配合量/アミン硬化剤の活性水素当量)/(エポキシ樹脂の配合量/エポキシ樹脂のエポキシ当量)]で、1.0以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の被覆材。

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