JP4096364B2 - 複合樹脂の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規にして有用なる複合樹脂の製造法に関する。さらに詳細には、本発明は、分子中に加水分解性シリル基を有する重合体と、
【0002】
炭素数が4以上なるアルキル基;炭素数が5以上なるシクロアルキル基;アリール基およびアラルキル基よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の有機基と、加水分解性基および/または水酸基とが共に結合した珪素原子を有する珪素化合物とを縮合反応させて得られるという特定の重合体の存在下に、
【0003】
此の珪素化合物を除く、一分子中に少なくとも2個の、珪素原子に結合した加水分解性基を有する珪素化合物の加水分解を行ない、さらに必要に応じて、縮合反応を行なって得られる複合樹脂の製造法に関し、
【0004】
とりわけ、耐候性などのような、いわゆる耐久性などに優れるという塗膜を形成することの出来る複合樹脂の製造法に関する。
【0005】
すなわち、本発明は、それ自体が無機物であると考えられる珪素化合物を母体として、化学結合によってグラフト化し得る官能基を有する有機重合体に、まさしく、複合化せしめた形の、斬新なる樹脂(以下においても亦、複合樹脂という。)の新規にして有用なる製造法に関するというものである。
【0006】
そして、このような本発明の製造法で得られる複合樹脂を含有する塗料は、とりわけ、耐久性ならびに耐酸性などが要求されるというような、主として、自動車上塗り用や、建築外装用などとして、さらには、接着剤用、インク用、繊維・紙の含浸剤用ならびに表面処理剤用などとして、広範囲な用途にも、利用し適用することが出来るというものである。
【0007】
【従来の技術】
これまでにも、珪素化合物を含有した形の複合樹脂というものは、特開平3−41172号公報に開示されていて、すでに、公知のものではあるけれども、こうした従来型の複合樹脂というものは、とりわけ、保存安定性などが劣っているという問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来型技術に従う製造方法によって得られる珪素化合物を含有するという形の複合樹脂は、とりわけ、保存安定性が悪いというために、此の保存安定性が良好なる複合樹脂の登場が、ひいては、その製造方法の登場が、強く、望まれている。
【0009】
そのために、本発明者らは、それ自体が、とりわけ、保存安定性にも優れるという、極めて実用性の高い複合樹脂であって、しかも、こうした有用なる複合樹脂を必須のバインダー成分として含有する形の、とりわけ、光沢保持性ならびに耐酸性などに優れというる、極めて実用性の高い塗料を求めて、鋭意、研究を開始した。
【0010】
したがって、本発明が解決しようとしている課題は、一にかかって、保存安定性が良好なる、新規にして有用なる複合樹脂の製造法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、こうした従来型の複合樹脂における問題点に鑑みて、そして、上述したような、本発明が解決しようとする課題に照準を合わせて、鋭意、検討を重ねた結果、
【0012】
加水分解性シリル基含有重合体と、炭素数が4以上なるアルキル基;炭素数が5以上なるシクロアルキル基;アリール基およびアラルキル基よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の有機基と、加水分解性基および/または水酸基とが共に結合した形の、珪素原子を有する特定の珪素化合物とを縮合反応させて得られる重合体の存在下に、
【0013】
此の珪素化合物を除く、一分子中に少なくとも2個の、珪素原子に結合した加水分解性基を有する珪素化合物の加水分解を行ない、さらに必要に応じて、縮合反応を行なって得られる複合樹脂が、とりわけ、保存安定性などに優れるということを見出し、ひいては、上述したような本発明が解決しようとする課題を、見事に、解決することが出来るということを確信するに及んで、本発明を完成させるに到った。
【0014】
すなわち、本発明は、基本的には、それぞれ、加水分解性シリル基を有する重合体(a−1)と、炭素数が4以上なるアルキル基;炭素数が5以上なるシクロアルキル基;アリール基およびアラルキル基よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の有機基と、加水分解性基および/または水酸基とが共に結合した珪素原子を有する珪素化合物(a−2)とを縮合反応させて得られる重合体(A)の存在下に、
【0015】
該(a−2)を除く、一分子中に少なくとも2個の、珪素原子に結合した加水分解性基を有する珪素化合物(B)の加水分解を行ない、さらに必要に応じて、縮合反応を行なうという実用性の高い複合樹脂の製造法を提供しようとするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、加水分解性シリル基含有重合体(a−1)と、炭素数が4以上なるアルキル基;炭素数が5以上なるシクロアルキル基;アリール基およびアラルキル基よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の有機基と、加水分解性基および/または水酸基とが、共に、結合した形の珪素原子を有する珪素化合物(a−2)とを縮合反応させて得られる重合体(A)の存在下に、該(a−2)を除く、一分子中に少なくとも2個の、珪素原子に結合した加水分解性基を有する珪素化合物(B)の加水分解を行ない、さらに必要に応じて、縮合反応を行なうことから成る、とりわけ、保存安定性に優れるという、極めて実用性の高い複合樹脂の、新規にして有用なる製造法を請求しようとするものである。
【0026】
さらに、本発明は、上記した珪素化合物(a−2)と、上記した珪素化合物(B)との双方における加水分解性シリル基が、共に、アルコキシ基であるという特定の化合物を用いることから成る、複合樹脂の特定の製造法をも請求しようとするものであるし、
【0027】
さらに亦、本発明は、上記した重合体(a−1)に含有される加水分解性シリル基が、アルコキシシリル基であるという特定の化合物を用いることから成る、複合樹脂の特定の製造法をも請求しようとするものであるし、
【0028】
さらには亦、本発明は、上記した珪素化合物(a−2)が、ポリシロキサンであるという特定の化合物を用いることから成る、複合樹脂の特定の製造法をも請求しようとするものであるし、
【0029】
あるいは、本発明は、上記した珪素化合物(a−2)が、アルコキシシラン化合物であるという特定の化合物を用いることから成る、複合樹脂の特定の製造法をも請求しようとするものであるし、
【0030】
あるいは亦、本発明は、上記した珪素化合物(B)が、テトラアルコキシシラン、オルガノトリアルコキシシラン、ジオルガノジアルコキシシラン、それらの部分加水分解縮合物および其等の部分共加水分解縮合物よりなる群から選ばれる、少なくとも1種のアルコキシシランであるという特定の化合物を用いることから成る、複合樹脂の特定の製造法をも請求しようとするものであるし、
【0031】
そして、本発明は、上記した重合体(a−1)が、ビニル系重合体であるという特定の化合物を用いることから成る、複合樹脂の特定の製造法をも請求しようとするものであるし、
【0032】
そして亦、本発明は、上記した重合体(a−1)が、いわゆるアクリル系重合体であるという特定の化合物を用いることから成る、複合樹脂の特定の製造法をも請求しようとするものである。
【0033】
《構成》
【0034】
以下に、本発明を、さらに詳細に、説明することにする。
【0035】
ここにおいて、まず、本発明に係る複合樹脂の一成分である、前記した重合体(A)を調製する際に使用される、加水分解性シリル基を有する重合体(a−1)とは、此の加水分解性シリル基を、一分子当たり、少なくとも1個、有する重合体を指称するものである。
【0036】
こうした重合体(a−1)として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、アクリル系重合体、フルオロオレフィン系重合体、ビニルエステル系重合体または芳香族ビニル系重合体の如き、各種のビニル系重合体;あるいはポリエステル樹脂、アルキド樹脂またはポリウレタン系樹脂などである。
【0037】
これらのうちでも特に望ましいものとしては、アクリル系重合体などのような、いわゆるビニル系重合体などが挙げられる。
【0038】
かかる加水分解性シリル基を有するビニル系重合体は、たとえば、 (i) 加水分解性シリル基を含有するビニル系単量体と、該単量体と共重合可能なる其の他の単量体類とを共重合せしめるというような方法、
【0039】
(ii) 分子中にオレフン性二重結合を有するビニル系重合体に、加水分解性基を有するヒドロシラン化合物を付加せしめるというような方法、 (iii) 予め調製しておいた、必須の官能基として、エポキシ基を有するビニル系重合体に、アミノプロピルトリメトキシシランの如き、各種のアミノ基含有シラン化合物を付加せしめるというような方法、
【0040】
(iv) 予め調製しておいた必須の官能基としてカルボキシル基を有するビニル系重合体に、γ−グリシドキプロピルトリメトキシシランの如きエポキシ基含有シラン化合物を反応せしめるというような方法、
【0041】
(v) 予め調製しておいた、必須の官能基として、水酸基含有ビニル系重合体に、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランの如き、各種のイソシアナート基含有シラン化合物を反応せしめるというような方法などのような、公知慣用の種々の方法を利用し適用することが出来るが、
【0042】
これらのうちでも、特に、加水分解性シリル基含有ビニル系単量体を共重合せしめるというような、上記(i)なる方法によるのが、より簡便であると言い得よう。
【0043】
そして、上掲したような種々の方法に従って、斯かる重合体(a−1)を調製する際に使用し得る加水分解性シリル基含有単量体とは、次の一般式[I]
【0044】
【化1】
【0045】
(ただし、式中のR1 は、アルキル基、アリール基またはアラルキル基なる1価の有機基を、また、R2 は水素原子もしくはハロゲン原子またはアルコキシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、イミノオキシ基もしくはアルケニルオキシ基を表わすものとし、さらに、aは0あるいは1または2なる整数であるものとする。)
【0046】
で示されるような、加水分解されてシラノール基を生成するという、いわゆる加水分解性シリル基を有する形のビニル系単量体類を指称するものである。
【0047】
このような加水分解性シリル基含有単量体として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリメトキシシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、2−トリエトキシシリルエチルビニルエーテル、2−メチルジメトキシシリルエチルビニルエーテル、3−トリメトキシシリルプロピルビニルエーテルもしくは3−トリエトキシシリルプロピルビニルエーテル、
【0048】
または3−メチルジメトキシシリルプロピルビニルエーテル、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランもしくはγ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジクロロシランなどである。
【0049】
かかる加水分解性シリル基含有単量体のうちでも、就中、アルコキシシリル基を有するというようなものが、特に望ましい。
【0050】
そして、前述したような種々の方法に従って、斯かる重合体(a−1)を調製する際に使用し得る、此の加水分解性シリル基含有ビニル系単量体と共重合可能なる其の他のビニル系単量体として特に代表的なるもののみを例示するにとどめることにすれば、
【0051】
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートもしくはラウリル(メタ)アクリレートの如き、C1 〜C22なる各種のアルキルアルコールと(メタ)アクリル酸との種々のエステル類である、いわゆるアルキル(メタ)アクリレート類;
【0052】
ベンジル(メタ)アクリレートもしくは2−フェニルエチル(メタ)アクリレートの如き、各種のアラルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレートもしくはイソボロニル(メタ)アクリレートの如き、各種のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレートもしくは4−メトキシブチル(メタ)アクリレートの如き、各種のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;
【0053】
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートもしくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの如き、各種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチルビニルエーテルもしくは4−ヒドロキシブチルビニルエーテルの如き、水酸基含有ビニルエーテル類;
【0054】
2−ヒドロキシエチルアリルエーテルの如き、水酸基含有アリルエーテル類;ポリエチレングリコールなどで以て代表されるような、種々のポリエーテルポリオールと(メタ)アクリル酸などで以て代表されるような、種々の不飽和カルボン酸とから得られるポリオキシアルキレングリコールのモノエステル類;
【0055】
前掲したような各種の水酸基含有単量体類と、ε−カプロラクトンなどで以て代表されるような、種々のラクトン類との付加物;またはグリシジル(メタ)アクリレートなどで以て代表されるような、種々のエポキシ基含有不飽和単量体と、酢酸などで以て代表されるような、種々の酸類との付加物などであるし、
【0056】
さらには、(メタ)アクリル酸などで以て代表されるような、種々の不飽和カルボン酸類と、「カーデュラ E」(オランダ国シェル社製品)などで以て代表されるような、α−オレフィンのエポキサイド以外の、種々のモノエポキシ化合物との付加物などのような、種々の水酸基含有単量体類;
【0057】
あるいは(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸またはフマル酸の如き、各種の不飽和カルボン酸類;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノブチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノブチルの如き、不飽和ジカルボン酸類と、飽和1価アルコール類との各種のモノエステル類(ハーフ・エステル類);
【0058】
アジピン酸モノビニルまたはコハク酸モノビニルの如き、各種の飽和ジカルボン酸のモノビニルエステル類;無水コハク酸、無水グルタル酸、無水フタル酸または無水トリメリット酸の如き、各種の飽和ポリカルボン酸の無水物類と、前掲したような各種の水酸基含有ビニル系単量体類との付加反応生成物;さらには亦、前掲したような各種のカルボキシル基含有単量体類と、ラクトン類とを付加反応せしめて得られるような種々の単量体類:
【0059】
無水マレイン酸もしくは無水イタコン酸の如き、各種の不飽和ポリカルボン酸の無水物類;無水アクリル酸もしくは無水メタクリル酸の如き、各種の不飽和モノカルボン酸の無水物類;さらには亦、アクリル酸もしくはメタクリル酸の如き、各種の不飽和カルボン酸と、酢酸、プロピオン酸もしくは安息香酸などのような各種の飽和カルボン酸との混合酸無水物;
【0060】
2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジ−n−プロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、4−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレートあるいはN−[2−(メタ)アクリロイルオキシ]エチルモルホリンの如き、各種の3級アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;あるいは亦、ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルキノリンもしくはN−ビニルピペリジンの如き、各種の3級アミノ基含有芳香族ビニル系単量体類;
【0061】
N−(2−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジ−n−プロピルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、N−(4−ジメチルアミノ)ブチル(メタ)アクリルアミドあるいはN−[2−(メタ)アクリルアミド]エチルモルホリンの如き、各種の3級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド類;
【0062】
N−(2−ジメチルアミノ)エチルクロトン酸アミド、N−(2−ジエチルアミノ)エチルクロトン酸アミド、N−(2−ジ−n−プロピルアミノ)エチルクロトン酸アミド、N−(3−ジメチルアミノ)プロピルクロトン酸アミドあるいはN−(4−ジメチルアミノ)ブチルクロトン酸アミドの如き、各種の3級アミノ基含有クロトン酸アミド類;
【0063】
2−ジメチルアミノエチルビニルエーテル、2−ジエチルアミノエチルビニルエーテル、3−ジメチルアミノプロピルビニルエーテルあるいは4−ジメチルアミノブチルビニルエーテルの如き、各種3級アミノ基含有ビニルエーテル類;
【0064】
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、もしくはビニルトルエンの如き、各種の芳香族ビニル系単量体類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、もしくは安息香酸ビニルの如き、各種のカルボン酸ビニルエステル類;
【0065】
クロトン酸メチルもしくはクロトン酸エチルの如き、クロトン酸のアルキルエステル類;ジメチルマレート、ジブチルマレート、ジメチルフマレート、ジブチルフマレート、ジメチルイタコネートもしくはジブチルイタコネートの如き、各種の不飽和二塩基酸の種々のジアルキルエステル類;
【0066】
(メタ)アクリロニトリルもしくはクロトノニトリルの如き、各種のシアノ基含有単量体類;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチエレンもしくはヘキサフルオロプロピレンの如き、各種のフルオロオレフィン類;塩化ビニルもしくは塩化ビニリデンの如き、各種のクロル化オレフィン類;エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテンもしくは1−ヘキセンの如き、各種のα−オレフィン類;
【0067】
エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルもしくはn−ヘキシルビニルエーテルの如き、各種のアルキルビニルエーテル類;シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルもしくはメチルシクロヘキシルビニルエーテルの如き、各種のシクロアルキルビニルエーテル類;アクロレインもしくはメチルビニルケトンの如き、各種のカルボニル基含有単量体類;
【0068】
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドもしくはN−メチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−ビニルフォルムアミドまたはN−ビニルピロリドンの如き、各種のアミド基含有単量体類;
【0069】
グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテルもしくはアリルグリシジルエーテルの如き、各種のエポキシ基含有単量体類;「ブレンマー PME」[日本油脂(株)製品]の如き、各種の含ポリエーテル含有単量体類;「ライトエステル PMもしくはPA」[共栄社油脂化学工業(株)製品]の如き、各種の燐酸エステル基含有単量体類;またはスチレンスルホン酸ないしはビニルスルホン酸の如き、各種のスルホン酸基含有単量体類などである。
【0070】
前掲したような種々の単量体類のうちでも、炭素原子に結合した水酸基、カルボキシル基あるいはアミド基などのような官能基を有する単量体類は、必ずしも使用する必要はないけれども、こうした類の単量体類を併用することによって、目的とする複合樹脂中に、こうした、炭素原子に結合した水酸基、カルボキシル基あるいはアミド基などのような種々の官能基を導入せしめるということが出来るので、必要ならば、斯かる方法によることを推奨するものである。
【0071】
そして、このような官能基を有する複合樹脂から、諸性能のバランスに優れる硬化物を与えるという、極めて実用性の高い目的塗料を得ることが出来る。
【0072】
以上に掲げられたような種々の単量体を用いて、当該重合体(a−1)を調製するには、就中、溶液重合法、非水分散重合法または塊状重合法などのような、公知慣用の種々の重合法を適用することが出来るが、それらのうちでも、特に、有機溶剤中でのラジカル重合法、つまり、いわゆる溶液ラジカル重合法によるのが、一層、簡便である。
【0073】
此の溶液ラジカル重合法を利用し適用する際に使用できる重合開始剤としては、勿論、公知慣用の種々の化合物が使用できるけれども、それらのうちでも特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)もしくは2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)の如き、各種のアゾ化合物類;
【0074】
またはtert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイドもしくはジイソプロピルパーオキシカーボネートの如き、各種の過酸化物類などである。
【0075】
また、此の溶液ラジカル重合法を適用する際に使用できる有機溶剤としては、公知慣用の有機溶剤のうちの、いずれをも使用することが出来るし、しかも、それらは単独使用でも、2種類以上の併用でもよいことは、勿論である。
【0076】
それらのうちでも特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ホワイト・スピリットまたはミネラル・スピリットの如き、それ自体が、種々の炭化水素からなる混合物や、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタンもしくはシクロオクタンの如き、各種の脂肪族系ないしは脂環式系の炭化水素類;
【0077】
トルエン、キシレンもしくはエチルベンゼンの如き、各種の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートまたはエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートの如き、各種のエステル類;
【0078】
メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール(i−プロパノール)、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、i−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルまたはエチレングリコールモノブチルエーテルの如き、各種のアルコール類などであるし、
【0079】
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンまたはシクロヘキサノンの如き、各種のケトン類;ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテルまたはジ−n−ブチルエーテルの如き、各種のエーテル類などであるし、さらには、クロロホルム、メチレンクロライド、四塩化炭素、トリクロロエタンまたはテトラクロロエタンの如き、各種の塩素化炭化水素類;あるいはN−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミドまたはエチレンカーボネートなどである。
【0080】
以上に掲げたような、それぞれ、単量体類、重合開始剤類および有機溶剤類を使用して、公知慣用の溶液ラジカル重合法を利用し適用するということにより、目的とする加水分解性シリル基含有ビニル系重合体(a−1)を調製することが出来る。
【0081】
かくして得られる当該ビニル系重合体(a−1)中に導入されるべき加水分解性シリル基量としては、当該重合体の固形分1,000グラム(g)当たり、約0.005〜約3モルなる範囲内が適切であり、好ましくは、0.01〜2モルなる範囲内が適切であるし、さらに一層好ましくは、0.05〜1モルなる範囲内が適切である。
【0082】
約0.005モル未満の場合には、当該ビニル系重合体(a−1)と珪素原子に結合した水酸基および/または珪素原子に結合した加水分解性基を有する珪素化合物(a−2)との縮合反応が進行しずらくなり、ひいては、得られる硬化物の耐久性などを低下するようになるし、一方、約3モルを超えて多くなる場合には、前記した縮合反応時の溶液粘度が上昇し、ひいては、ゲル化が起きてしまうなど不都合があるので、いずれの場合も好ましくない。
【0083】
また、当該ビニル系重合体(a−1)の数平均分子量としては、大約300〜大約100,000なる範囲内が適切であるし、好ましくは、600〜50,000なる範囲内が適切であるし、一層好ましくは、600〜30,000なる範囲内が適切である。
【0084】
約300未満の場合には、どうしても、本発明の複合樹脂を含有する、本発明に係る塗料の、とりわけ、硬化性や硬化物の機械的強度などが劣るというようになり易いし、一方、約100,000を超えて余りにも高くなる場合には、どうしても、得られる組成物の不揮発分が著しく低くなり易いし、ひいては、塗装作業性にも劣るというようになるので、いずれの場合も好ましくない。
【0085】
さらに、当該ビニル系重合体(a−1)として、重合性不飽和二重結合(重合性二重結合)を有する、ポリエステル樹脂またはアルキド樹脂などのような、ビニル系重合体以外の重合体の存在下に、加水分解性シリル基含有単量体を必須成分とする、種々のビニル系単量体を、ラジカル重合せしめることによって得られる、加水分解性シリル基を併有するビニル系重合体セグメントをグラフト化せしめた形の、ポリエステル樹脂またはアルキド樹脂などを使用することも出来る。
【0086】
本発明において用いられるべき、前記した重合体(A)を調製する際に使用される、もう一方の必須成分たる、炭素数が4以上なるアルキル基;炭素数が5以上なるシクロアルキル基;アリール基およびアラルキル基よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の有機基と、加水分解性基および/または水酸基とが共に結合した珪素原子を有する珪素化合物(a−2)とは、一般的に、シラノール基と呼称されるような、珪素原子に結合した水酸基および/または珪素原子に結合した加水分解性基を有するという形のシラン化合物およびポリシロキサンを指称するものである。
【0087】
ここにおいて、上記した、珪素原子に結合した加水分解性基とは、此の珪素原子に結合した、それぞれ、水素原子もしくはハロゲン原子またはアルコキシ基、置換アルコキシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、イミノオキシ基もしくはアルケニルオキシ基などのような、加水分解されて、珪素原子に結合した水酸基を生成する基を指称するというものである。
【0088】
かかる珪素化合物(a−2)として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、炭素数が4以上なるアルキル基;炭素数が5以上なるシクロアルキル基;アリール基およびアラルキル基よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の有機基の少なくとも1個と、加水分解性基の少なくとも2個とが共に結合した珪素原子を、一分子中に少なくとも1個、有するようなシラン化合物、
【0089】
あるいは、こうした、炭素数が4以上なるアルキル基;炭素数が5以上なるシクロアルキル基;アリール基およびアラルキル基よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の有機基の少なくとも1個と、加水分解性基の少なくとも1個とが共に結合した珪素原子を、一分子中に少なくとも2個、有するようなシラン化合物、
【0090】
さらには、これらの種々のシラン化合物を加水分解縮合せしめることによって調製される、いわゆる加水分解縮合物たるポリシロキサン;あるいは斯かるシラン化合物を部分加水分解縮合せしめるということによって調製されるような、いわゆる部分加水分解縮合物たるポリシロキサンなどである。
【0091】
このようなシラン化合物として特に代表的なるもののみを例示するにとどめるならば、下記する一般式[II]で示されるような部類、各種のモノシラン化合物、あるいは(CH3CH2O)2SiC6H5OCH2CH2OSiC6H5(OCH2CH3)2 または(CH3CH2O)2SiC6H5OCH2CH2CH2 OSiC6H5(OCH2CH3)2 で示されるような、一分子中に2個以上の珪素原子を有するシラン化合物などである。
【0092】
【化2】
【0093】
(ただし、式中のR1 は、炭素数が4以上なるアルキル基;炭素数が5以上なるシクロアルキル基;アリール基およびアラルキル基よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の有機基を、R2 は置換基を有していても有していなくてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルケニル基よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の1価の有機基を、R3 は水素原子もしくはハロゲン原子またはアルコキシ基、置換アルコキシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、イミノオキシ基もしくはアルケニルオキシ基を表わすものとし、また、aは0または1なる整数であるものとする。)
【0094】
前掲したような一般式で示されるシラン化合物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシランもしくはフェニルトリブトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシランもしくはシクロヘキシルトリメトキシシランの如き、各種のオルガノトリアルコキシシラン類;
【0095】
メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、エチルフェニルジメトキシシラン、エチルフェニルジエトキシシラン、n−ヘキシルメチルジメトキシシランもしくはn−ヘキシルメチルジエトキシシランまたはジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシランもしくはシクロヘキシルメチルジメトキシシランの如き、各種のジオルガノジアルコキシシラン類;
【0096】
フェニルトリクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、n−ペンチルトリクロロシラン、n−ヘキシルトリクロロシラン、n−オクチルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジ−n−ブチルジクロロシランもしくはメチルフェニルジクロロシランの如き、各種のモノオルガノ−ないしはジオルガノクロロシラン類;あるいはフェニルトリアセトキシシラン、メチルフェニルジアセトキシシランもしくはジフェニルジアセトキシシランの如き、モノオルガノ−ないしはジオルガノアセトキシシラン類などである。
【0097】
前記したような各種のモノシラン化合物またはジシラン化合物を、加水分解縮合ないしは部分加水分解縮合せしめるということによって、当該珪素化合物(a−2)の一つとして使用される、加水分解縮合物ないしは部分加水分解縮合物を得るということが出来るが、その際には、触媒を使用してもよいし、使用しなくてもよいが、これらの縮合反応を容易に進行させるという上からは、触媒を使用することが望ましい。
【0098】
ここにおいて、触媒を使用する場合には、公知慣用の触媒の、いずれをも使用することが出来るし、しかも、それらは単独使用でも、2種類以上の併用でもよいことは、勿論である。
【0099】
かかる触媒として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、塩酸、硫酸または燐酸の如き、各種の無機酸類;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、燐酸モノイソプロピル、蓚酸または酢酸の如き、各種の有機酸類;
【0100】
水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの如き、各種の無機塩基類;テトライソプロピルチタネートまたはテトラブチルチタネートの如き、各種のチタン酸エステル類;ジブチル錫ジラウレートまたはオクチル酸錫の如き、各種の錫カルボン酸塩類;
【0101】
鉄、コバルト、マンガンまたは亜鉛の如き、各種金属の種々のナフテン酸塩あるいはオクチル酸塩の如き、各種の金属カルボン酸塩類;アルミニウムトリスアセチルアセトネートもしくはアルミニウムトリスエチルアセトアセテートの如き、各種のアルミニウム化合物;
【0102】
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリ−n−ブチルアミンもしくはジメチルベンジルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾールもしくは1,4−ジエチルイミダゾールの如き、各種のアミン化合物類;
【0103】
またはテトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、トリメチル(2−ヒドロキシルプロピル)アンモニウム塩、シクロヘキシルトリメチルアンモニウム塩、テトラキス(ヒドロキシルメチル)アンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩もしくはo−トリフルオロメチルフェニルトリメチルアンモニウム塩の如き、各種の4級アンモニウム塩類などであって、
【0104】
対アニオンとして特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、クロライド、ブロマイド、カルボキシレートもしくはハイドロオキサイドなどを有するような種々の4級アンモニウム塩類などである。
【0105】
使用される触媒量としては、加水分解ないしは部分加水分解に供される珪素化合物に対して、約0.0001〜約5重量%なる範囲内が、好ましくは、0.0005〜3重量%なる範囲内が、特に好ましくは、0.0005〜1重量%なる範囲内が適切である。
【0106】
前述した反応に用いられる水の量としては、それぞれ、完全加水分解に供される珪素化合物の珪素原子に結合している加水分解性基の1モルに対しては、約0.5モル以上が、好ましくは、0.75モル以上が適切であるし、さらに好ましくは、1モル以上が適切であるし、部分加水分解に供される珪素化合物の珪素原子に結合している加水分解性基の1モルに対しては、約0.01〜約1モルなる範囲内が、好ましくは、0.05〜0.75モルなる範囲内がが適切であるし、さらに好ましくは、0.1〜O.5モルなる範囲内がが適切である。
【0107】
約0.01モル未満の場合には、どうしても、加水分解の速度が著しく遅くなってしまうようになり易く、実用上、好ましくないけれども、此の水の量が、約5モル、約10モルというように、珪素原子に結合している加水分解性基の1モルに対して、過剰に使用することは、一向に支障がない。
【0108】
そして、これらの触媒および水の添加は、一括添加でも、分割添加でもよく、また、触媒と水とを混合し、併用した形で以て添加しても、あるいは別々に、添加してもよいことは、勿論である。
【0109】
かかる反応における反応温度としては、約0℃〜約150℃程度が適切であるし、好ましくは、20℃〜100℃程度が適切であるし、一方、これらの反応の圧力としては、常圧、加圧または減圧下の、いずれの条件においても行なうことが出来る。
【0110】
そして、かかる反応の副生成物であるアルコールや水などが、引き続いて行なわれる重合体(a−1)と珪素化合物(a−2)との縮合反応や、得られる硬化性樹脂組成物の安定性などに問題を起こすようであれば、蒸留などの手段によって、系外に除くことが出来るし、問題が無ければ、そのまま、系内に存在させておいて、一向に支障は無い。
【0111】
また、かかる反応にあっては、有機溶剤を使用してもよいし、使用しなくてもよいが、攪拌などが容易に行なえるというようにするためにも、有機溶剤を使用することが望ましい。
【0112】
ここにおいて、有機溶剤を使用する場合には、公知慣用の有機溶剤のいずれをも使用することが出来るし、しかも、それらは単独使用でも、2種類以上の併用でもよいことは、勿論である。
【0113】
その際に使用される有機溶剤としては、すでに、ビニル系重合体(a−1)を調製する際に使用できるものとして前掲して来たうなものを使用することが出来る。
【0114】
そして、かかる有機溶剤を使用して、珪素化合物(a−2)のうちの加水分解縮合物ないしは部分加水分解縮合物を調製する際には、炭素数が4以上なるアルキル基;炭素数が5以上なるシクロアルキル基;アリール基およびアラルキル基よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の有機基と、加水分解性基の少なくとも2個とが共に結合した珪素原子を、一分子中に少なくとも1個、有するシラン化合物、あるいは炭素数が4以上なるアルキル基;炭素数が5以上なるシクロアルキル基;アリール基およびアラルキル基よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の有機基の少なくとも1個と、加水分解性基の少なくとも1個とが共に結合した珪素原子を、一分子中に少なくとも2個、有するシラン化合物、の前記有機溶剤中における濃度としては、約5重量%程度以上にすることが望ましい。
【0115】
前述した各種の珪素化合物のなかで、珪素化合物(a−2)として特に特に好ましいものは、フェニルトリアルコキシシラン、メチルフェニルジアルコキシシラン、エチルフェニルジアルコキシシランまたはジフェニルジアルコキシシランの如きジもしきはトリアルコキシシラン化合物、それらの加水分解縮合物または其等の部分共加水分解縮合物でなどである。
【0116】
そして前記したような加水分解縮合物あるいは部分加水分解縮合物としては、「TSR−160もしくは165」[東芝シリコーン(株)製品]、「SH−6018」[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製品]または「KR−215、216もしくは9218」[信越化学工業(株)製品]などにより代表されるような、線状ないしは分岐状(分枝状)またはラダー構造を有する形の、市販されている種々のポリシロキサン化合物を使用することも出来る。
【0117】
次に、前記した重合体(a−1)と、前記した珪素化合物(a−2)との縮合反応による重合体(A)の調製ついて述べることにする。
【0118】
当該縮合反応において重合体(a−1)と、珪素化合物(a−2)の使用割合は、それらの重量割合が約20:80〜約99:1程度になるように、好ましくは、60:40〜95:5程度になるよう、さらに好ましくは、70:30〜90:10に設定するのがよい。
【0119】
(a−2)としてシラン化合物を用いて(a−1)との縮合反応を行なう場合、この反応をスムーズに進行なさせるために、触媒を添加することが出来、触媒としては、前記したようなシラン化合物の加水分解縮合物あるいは部分加水分解縮合物を調製する際に使用した触媒類がそのまま使用できる。また、(a−2)として当該シラン化合物の加水分解縮合物ないしは部分加水分解縮合物を使用した場合の縮合反応に際しては、ことさら触媒を添加せずとも、前記したような処方で調製された加水分解縮合物ないしは部分加水分解縮合物の中に残留している触媒のみでも当該縮合反応を促進することは可能である。
【0120】
使用される触媒量としては、加水分解性シリル基含有重合体(a−1)と珪素化合物(a−2)の合計量に対して、約0.0001〜約5重量%なる範囲内が、好ましくは、0.0005〜3重量%なる範囲内が、特に好ましくは、0.0005〜1重量%なる範囲内が適切である。
【0121】
また、加水分解性シリル基含有重合体(a−1)と、珪素化合物(a−2)とのあいだの縮合反応をスムーズに進行せしめるというためには、重合体(a−1)に含有される加水分解性シリル基と、珪素化合物(a−2)に含有される珪素原子に結合した加水分解性基との加水分解を円滑に進行せしめることが望ましく、したがって、当該縮合反応を、水の存在下において行なうということが、特に望ましい。
【0122】
水の存在下に、斯かる縮合反応を行なうには、重合体(a−1)と、珪素化合物(a−2)との混合物に水を加えて、重合体(a−1)中に含有される加水分解性シリル基と、化合物(a−2)中に含有される珪素原子に結合した加水分解性基とを加水分解せしめ、しかるのち、引き続いて、いわゆる脱水反応を行なうということで以て、目的とする此の縮合反応が達成できるし、
【0123】
また、珪素化合物(a−2)として、シラン化合物の加水分解縮合物ないしは部分加水分解縮合物を用いるという場合には、ことさらに、水を加えずに、此の加水分解縮合物もしくは部分加水分解物中に残存している水を利用して、重合体(a−1)中に含有される加水分解性シリル基と、珪素化合物(a−2)中に含有される珪素原子に結合した加水分解性基を加水分解せしめ、しかるのち、引き続いて、脱水反応を行なうということで以て、目的とする此の縮合反応が達成できる。
【0124】
さらに、珪素化合物(a−2)と、水と、加水分解縮合触媒との存在下において、前掲したような加水分解性シリル基含有単量体を共重合反応せしめるということにより、重合体(a−1)成分を調製すると同時に、珪素化合物(a−2)との縮合反応をも行なわせるということによって、当該重合体(A)を調製するということも出来る。
【0125】
斯かる縮合反応を行なう際に、添加される水の量は、任意に選択できるし、触媒および水の添加方法は、一括添加でも、分割添加でもよく、また、触媒と水とを混合し、併用した形で以て添加しても、あるいは別々に、添加してもよいことは、勿論である。
【0126】
こうした縮合反応の反応温度としては、約0℃〜約150℃程度が適切であるし、好ましくは、20℃〜100℃程度が適切であるし、一方、これらの反応の圧力としては、常圧、加圧または減圧下の、いずれの条件においても行なうことが出来る。
【0127】
また、斯かる縮合反応の副生成物であるアルコールや水などが、重合体(A)中に含有されるために、本発明に係る複合樹脂の安定性などに問題を起こすようであれば、蒸留などの手段によって、これらを系外に除くことが出来るし、問題が無ければ、そのまま、系内に存在させておいて、一向に支障は無い。
【0128】
さらに、斯かる縮合反応にあっては、有機溶剤を使用してもよいし、使用しなくてもよいが、攪拌などが容易に行なえるというようにするためには、珪素化合物(a−2)として、シラン化合物の加水分解縮合物ないしは部分加水分解縮合物を調製する際に使用できるものとして、すでに掲げたような部類の有機溶剤類を使用することが望ましい。
【0129】
ここにおいて、有機溶剤を使用する場合には、それらは単独使用でも、2種類以上の併用でもよいことは、勿論である。
【0130】
また、有機溶剤の存在下において、斯かる縮合反応を行なうというような場合の加水分解性シリル基含有重合体(a−1)と、珪素化合物(a−2)との、有機溶剤中における濃度としては、(a−1)および(a−2)なる両原料成分の合計量を基準として、約5重量%程度以上にするということが望ましい。
【0131】
次いで、本発明に係る複合樹脂を調製する際に使用される他方の成分である、珪素化合物(a−2)を除く、一分子中に少なくとも2個の、珪素原子に結合した加水分解性基を有する珪素化合物(B)とは、前記したような珪素原子に結合した加水分解性基を有するシラン化合物およびポリシロキサンであって、既述して来たような此の珪素化合物(a−2)以外の化合物を指称するというものである。
【0132】
斯かる珪素化合物(B)としては、公知慣用の種々の化合物が、いずれも、使用できるけれども、それらのうちでも特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、次のような一般式[III]
【0133】
【化3】
【0134】
(ただし、式中のR1 は、それぞれ、置換基を有していても有していなくてもよい、炭素数が3以下のアルキル基またはアルケニル基なる1価の有機基を、また、R2 は水素原子もしくはハロゲン原子またはアルコキシ基、置換アルコキシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、イミノオキシ基もしくはアルケニルオキシ基を表わすものとし、さらに、aは0あるいは1または2なる整数であるものとする。)
【0135】
で示される、既述した珪素化合物(a−2)以外のモノシラン化合物;前掲した一般式[III]で示されるシラン化合物の1種を部分加水分解縮合せしめるということによって得られる部分加水分解縮合物;あるいは前掲した一般式[III]で示されるシラン化合物の2種以上の部分加水分解縮合によって得られる部分共加水分解縮合物などであるし、
【0136】
さらには、(CH3CH2O)3 SiOCH2CH2OSi(OCH2CH3)3 または(CH3CH2O)3 SiOCH2CH2CH2 OSi(OCH2CH3)3 などのような、一分子中に2個以上の加水分解性シリル基を有する珪素化合物であって、既述して来た珪素化合物(a−2)以外の化合物などである。
【0137】
上掲したような一般式[III]で示されるモノシラン化合物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシランもしくはテトラ−n−ブトキシシランの如き、各種のテトラアルコキシシラン類;
【0138】
またはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシランもしくはn−プロピルトリエトキシシランの如き、既述した珪素化合物(a−2)を除く、各種のオルガノトリアルコキシシラン類;
【0139】
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシランもしくはジ−n−プロピルジエトキシシランの如き、珪素化合物(a−2)を除く、各種のジオルガノジアルコキシシラン類;
【0140】
テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシランの如き、珪素化合物(a−2)を除く、各種のクロロシラン類;
【0141】
あるいはテトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシランもしくはジエチルジアセトキシシランの如き、珪素化合物(a−2)を除く、アセトキシシラン類などである。
【0142】
前述したような各種のシラン化合物を部分加水分解縮合せしめるということによって、当該珪素化合物(B)として使用される部分加水分解縮合物を得ることが出来るが、その際においては、触媒を使用してもよいし、使用しなくてもよいが、斯かる縮合反応を、容易に進行させるという上からは、触媒を使用することが望ましい。
【0143】
その際の触媒の種類、触媒量および使用方法などは、前述した珪素化合物(a−2)のうち、シラン化合物の部分加水分解物を調製する場合に準ずる。
【0144】
前述したような各種の化合物のうちでも、当該珪素化合物(B)として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、テトラアルコキシシラン、オルガノトリアルコキシシランまたはジオルガノジアルコキシシランなどのような種々のアルコキシシラン化合物であって、しかも、前述した珪素化合物(a−2)以外の化合物などであり、さらには、それらの部分加水分解縮合物または其等の部分共加水分解縮合物などである。
【0145】
次いで、前述した重合体(A)の存在下における、当該珪素化合物(B)の加水分解反応により、さらに必要に応じて行なわれる縮合反応による、本発明に係る複合樹脂の調製について述べることにする。
【0146】
此の複合樹脂の調製に際して、重合体(A)と、珪素化合物(B)との使用割合は、それらの重量割合が約10:90〜約99:1程度になるように、好ましくは、15:85〜95:5、さらに好ましくは、20:80〜85:15程度になるように設定するのがよい。
【0147】
重合体(A)の重量割合が約10%未満になるように設定すると、珪素化合物(B)が多すぎるというために、どうしても、実用性の乏しい脆い硬化物を与えるような複合樹脂が得られてしまうようになるので好ましくないし、一方、重合体(A)の重量割合が約99%を超えて余りにも多くなる場合には、どうしても、珪素化合物(B)が少なすぎるというために、高度の耐久性を有する硬化物が得られ難くなるので、これまた、好ましくない。
【0148】
重合体(A)の存在下に、珪素化合物(B)の加水分解反応を行なうに当たって、此の反応をスムーズに進行させるというために、触媒を添加することが出来るし、そのような触媒としては、前述したような珪素化合物(a−2)のうち、シラン化合物の加水分解縮合物ないしは部分加水分解縮合物を調製する際に使用されるものとして既述して来た部類の触媒類が、そのまま使用できるが、重合体(A)を調製する際に、すでに、触媒が添加されているので、此の時点で以て、ことさらに、触媒を添加せずとも、此の加水分解反応を促進化せしめるということは可能である。
【0149】
使用される触媒量としては、重合体(A)と、珪素化合物(B)との合計量に対して、約0.0001〜約5重量%なる範囲内が適切であるし、好ましくは、0.0005〜3重量%なる範囲内が適切であるし、さらに好ましくは、0.0005〜1重量%なる範囲内が適切である。
【0150】
また、重合体(A)の存在下における、珪素化合物(B)の加水分解反応をスムーズに進行せしめるというためには、珪素化合物(B)中に含有される珪素原子に結合した加水分解性基の加水分解を、円滑に進行せしめるということが望ましく、したがって、此の加水分解反応を、水の存在下で以て行なうということが、特に望ましい。
【0151】
水の存在下での此の加水分解反応は、重合体(A)と、珪素化合物(B)との混合物に、水を加えて、化合物(B)中に含有される珪素原子に結合した加水分解性基を加水分解せしめるということにより達成することが出来るし、また、ことさらに、水を加えずに、前述したような処方で以て調製された重合体(A)中に残存している水を利用して、化合物(B)中に含有される珪素原子に結合した加水分解性基を加水分解せしめるということによっても亦、達成することが出来る。
【0152】
斯かる加水分解反応を行なう際に、添加される水の量は、任意に選択できるし、触媒および水の添加方法は、一括添加でも、分割添加でもよく、また、触媒と水を混合し、併用した形で以て添加しても、あるいは別々に、添加してもよいことは、勿論である。
【0153】
このようにして、重合体(A)の存在下での珪素化合物(B)の加水分解反応による、これらの複合樹脂が調製できるが、此の加水分解反応の際に、重合体(A)中の加水分解性基および/またはシラノール基に由来するシラノール基の一部分と、珪素化合物(B)それ自体が加水分解することによって生成するシラノール基とが脱水縮合するということもあり、その場合には、目的とする複合樹脂の一部分は、重合体(A)と、珪素化合物(B)との縮合物で以て形成されるというようなこともある。
【0154】
そして、このような縮合物を積極的に形成させるということも亦、本発明の目的に合致したものであり、重合体(A)の存在下での珪素化合物(B)の加水分解反応によって得られる複合樹脂の透明性などに、あるいは斯かる複合樹脂から得られる塗膜の透明性などに劣るというような場合には、積極的に縮合反応せしめるということによって、透明性などに優れるという、複合樹脂あるいは塗膜を得ることも可能になる。
【0155】
このような縮合物を得るには、前述の加水分解反応に引き続いて、加水分解反応の場合と同様の温度で以て反応を継続させたり、反応温度を高めて、反応を継続させたり、さらには、減圧下で以て、反応を継続させるなどの種々の方法により、脱水反応を進行せしめるようにすればよい。
【0156】
こうした加水分解反応の、ならびに、必要により引き続いて行なわれる縮合反応の反応温度としては、約0℃〜約150℃程度が適切であるし、好ましくは、20℃〜100℃程度が適切であるし、一方、これらの反応の圧力としては、常圧、加圧または減圧下の、いずれの条件においても行なうということが出来る。
【0157】
また、斯かる脱水反応の副生成物であるアルコールや水などが、複合樹脂に含有されるというために、本発明に係る複合樹脂の安定性などに問題を起こすようであれば、蒸留などの手段によって、これらを系外に除くことが出来るし、問題が無ければ、そのまま、系内に存在させておいて、一向に支障は無い。
【0158】
さらに、このような加水分解反応ならびに引き続いて行なわれる縮合反応にあっては、有機溶剤を使用してもよいし、使用しなくてもよいが、攪拌などが容易に行なえるというようにするためには、珪素化合物(B)としてのシラン化合物の部分加水分解物を調製する際に使用できるものとして既述して来たような部類の有機溶剤類を使用するということが望ましい。
【0159】
ここにおいて、有機溶剤を使用する場合には、それらは単独使用でも、2種類以上の併用でもよいことは、勿論である。
【0160】
また、有機溶剤の存在下に、斯かる加水分解反応ならびに縮合反応を行なうという場合の、重合体(A)と、珪素化合物(B)との、有機溶剤中における濃度としては、これらの(A)と(B)との両成分の合計量を基準として、約5重量%程度以上にするということが望ましい。
【0162】
このようにして調製される複合樹脂を含有するという形の塗料として特に代表的なるもののみを例示するにとどめることにすれば、 (I) 複合樹脂の単独を含有するという形のもの、 (II) 複合樹脂と、シラノール基および/または珪素原子に結合した加水分解性基を有する珪素化合物とから成るという形のもの、
【0163】
(III) 炭素に結合した水酸基、カルボキシル基、アミノ基もしくはアミド基の如き、種々の官能基を有する複合樹脂と、該複合樹脂に含有される、シラノール基および/または加水分解性基以外の、各種の官能基と反応する官能基を含有する化合物(C)とから成るという形のもの、
【0164】
さらには、上記した、それぞれ、(I)、(II)または(III)なる各組成物に、シラノール基および/または加水分解性基の縮合触媒の如き、種々の硬化触媒類をも配合せしめた形のものなどである。
【0165】
斯かる塗料たる硬化性樹脂組成物のうち、上記(II)なる形の組成物を調製する際に使用されるシラノール基および/または珪素原子に結合した加水分解性基を有する珪素化合物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、本発明に係る複合樹脂を調製する際に使用されるものとして既述して来たような、種々の珪素化合物(a−2)または珪素化合物(B)の、いれもが使用できる。
【0166】
斯かる組成物(II)において、複合樹脂と、シラノール基および/または珪素原子に結合した加水分解性基を有する珪素化合物の使用比率としては、前者複合樹脂の固形分の100重量部に対して、後者化合物の約1〜約200重量部なる範囲内でよいし、好ましくは、2〜100重量部程度でよい。
【0167】
上記した硬化性組成物のうち、(III)なる形の組成物を調製する際には、シラノール基および/または加水分解性基以外の各種の官能基と反応する官能基を有する化合物(C)が使用されるが、斯かる化合物(C)中に含有される官能基として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、カルボン酸無水基、シクロカーボネート基、イソシアネート基、ブロック・イソシアネート基、エポキシ基、炭素に結合した水酸基、アミノ基、オキサゾリン基、N−ヒドロキシメチルアミノ基、N−アルコキシメチルアミノ基またはシラノール基あるいは珪素原子に結合した加水分解性基の如き、各種の官能基などである。
【0168】
そして、当該化合物(C)としては、勿論、比較的、分子量の低い化合物に加えて、各種の樹脂類を使用することが出来るが、このような樹脂類として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、アクリル樹脂もしくはフッ素樹脂の如き、各種のビニル系重合体などをはじめ、さらには、ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、シリコーン系樹脂またはエポキシ系樹脂などである。
【0169】
そして、当該化合物(C)として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、多価カルボン酸無水物、ポリシクロカーボネート化合物、ポリイソシアネート化合物、ブロック・ポリイソシアネート化合物、ポリエポキシ化合物、ポリオール化合物、ポリオキサゾリン化合物またはアミノ樹脂などをはじめ、
【0170】
さらには、シラノール基および/または珪素原子に結合した加水分解性基を有する珪素化合物、一分子中にエポキシ基と珪素原子に結合した加水分解性基とを併有する化合物または一分子中にアミノ基と珪素原子に結合した加水分解性基とを併有する珪素化合物などであり、これら化合物類は、単独使用でもよいし、2種以上を併用することも可能である。
【0171】
斯かる化合物(C)のうちでも特に好ましいものとしては、それぞれ、炭素に結合した水酸基を有する複合樹脂に組み合わせるというような場合には、ポリイソシアネート化合物、ブロック・ポリイソシアネート化合物あるいはアミノ樹脂などであるし、
【0172】
カルボキシル基を有する複合樹脂に組み合わせるというような場合には、ポリエポキシ化合物、ポリシクロカーボネート化合物、アミノ樹脂、あるいは一分子中にエポキシ基と珪素原子に結合した加水分解性基とを併有する化合物などであるし、さらに、アミド基を有する複合樹脂に組み合わせるというような場合には、アミノ樹脂などである。
【0173】
上記したポリイソシアネート化合物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、トリレンジイソシアネートもしくはジフェニルメタンジイソシアネートの如き、各種の芳香族ジイソシアネート類;
【0174】
メタ−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル−メタ−キシリレンジイソシアネートの如き、各種のアラルキルジイソシアネート類;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,3−ビスイソシアナートメチルシクロヘキサン、2−メチル−1,3−ジイソシアナートシクロヘキサン、2−メチル−1,5−ジイソシアナートシクロヘキサンもしくはイソホロンジイソシアネートの如き、各種の脂肪族ないしは脂環式ジイソシアネート類;
【0175】
上掲したような種々のポリイソシアネート類を、多価アルコール類と付加せしめて得られるような形の、イソシアネート基を有するプレポリマー類;上掲したような種々のポリイソシアネート類を環化三量化せしめて得られるような形のイソシアヌレート環を有するプレポリマー類;あるいは上掲したような種々のポリイソシアネート類と水とを反応せしめて得られるような形の、ビウレット構造を有するポリイソシアネート類;
【0176】
さらには、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートもしくは(メタ)アクリロイルイソシアネートの如き、イソシアネート基を有する各種のビニル単量体の単独重合体、または此等のイソシアネート基含有ビニル単量体を、該単量体と共重合可能なる其の他の単量体としての、
【0177】
たとえば、(メタ)アクリル系、ビニルエステル系、ビニルエーテル系、芳香族ビニル系もしくはフルオロオレフィン系ビニル単量体類などと共重合せしめることによって得られるという形の、種々のイソシアネート基含有の、アクリル系共重合体、ビニルエステル系共重合体またはフルオロオレフィン系共重合体の如き、各種のビニル系共重合体類などである。
【0178】
そして、斯かるポリイソシアネートのうちでは、とりわけ、耐候性などの面からも、脂肪族ないしは脂環族ジイソシアネート化合物、それらから誘導されるような種々のプレポリマーあるいはイソシアネート基含有ビニル系重合体(就中、イソシアネート基含有ビニル系重合体)などの使用が、特に望ましい。
【0179】
前記したブロック・ポリイソシアネート化合物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、前掲したような種々のポリイソシアネート化合物を、後掲するような種々のブロック剤でブロック(化)せしめることによって得られるという形の化合物や、
【0180】
イソシアネート基(含有化合物)を環化二量化せしめることによって得られるという形の、ウレトジオン構造を有する化合物のように、熱により、イソシアネート基が再生するというような、種々の化合物などである。
【0181】
そして、当該ブロック・ポリイソシアネート化合物を調製する際に使用される、斯かるブロック剤として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、メタノール、エタノール、ベンジルアルコールもしくは乳酸エステルの如き、各種のカルビノール基含有化合物類;
【0182】
またはフェノール、サリチル酸エステルもしくはクレゾールの如き、各種のフェノール性水酸基含有化合物類;ε−カプロラクタム、2−ピロリドンもしくはアセトアニリドの如き、各種のアマイド類;アセトンオキシムもしくはメチルエチルケトオキシムの如き、各種のオキシム類;
【0183】
さらには、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルもしくはアセチルアセトンの如き、各種の活性メチレン化合物類などである。
【0184】
前記したポリエポキシ化合物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、エチレングリコール、ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールまたは水添ビスフェノールAの如き、各種の、脂肪族ないしは脂環式ポリオールのポリグリシジルエーテル類;
【0185】
ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールSもしくはビスフェノールFの如き、各種の、芳香族系ジオールのポリグリシジルエーテル類;上掲したような種々の芳香族系ジオール類のエチレンオキシドもしくはプロピレンオキシド付加体の如き、各種の、該芳香族系ジオール誘導体類のジグリシジルエーテル類;
【0186】
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールもしくはポリテトラメチレングリコールの如き、各種のポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−トのポリグリシジルエーテル類;アジピン酸、ブタンテトラカルボン酸、プロパントリカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸もしくはトリメリット酸の如き、各種の、脂肪族ないしは芳香族ポリカルボン酸のポリグリシジルエステル類;
【0187】
ブタジエン、ヘキサジエン、オクタジエン、ドデカジエン、シクロオクタジエン、α−ピネンもしくはビニルシクロヘキセンの如き、各種の、炭化水素系ジエンのビスエポキシド類;ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートもしくは3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレートの如き、各種の脂環族ポリエポキシ化合物;ポリブタジエンもしくはポリイソプレンの如き、各種の、ジエンポリマーのエポキシ化物;
【0188】
あるいはグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、ビニルシクロヘキセンオキシドもしくはグリシジルビニルエーテルの如き、各種のエポキシ基含有ビニル単量体の単独重合体または此等のエポキシ基含有ビニル単量体を、該単量体と共重合可能なる其の他の単量体たる、たとえば、
【0189】
(メタ)アクリル系、ビニルエステル系、ビニルエーテル系、芳香族ビニル系もしくはフルオロオレフィン系ビニル単量体類などと共重合せしめることによって得られるという形の、各種のエポキシ基含有の、アクリル系共重合体、ビニルエステル系共重合体またはフルオロオレフィン系共重合体の如き、種々のビニル系共重合体類などである。
【0190】
前記したポリシクロカーボネート化合物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、前掲したような各種のポリエポキシ化合物を、たとえば、触媒の存在下に、二酸化炭素と反応せしめて、此のエポキシ基を、シクロカーボネート基に変換せしめるということによって得られるという形の、種々のポリシクロカーボネート化合物;
【0191】
あるいは2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イルメチル(メタ)アクリレートもしくは2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イルメチルビニルエーテルの如き、種々のシクロカーボネート基含有ビニル単量体の単独重合体または此等のシクロカーボネート基含有ビニル単量体を、該単量体と共重合可能なる其の他の単量体たる、たとえば、
【0192】
(メタ)アクリル系、ビニルエステル系、ビニルエーテル系、芳香族ビニル系もしくはフルオロオレフィン系ビニル単量体類などと共重合せしめることによって得られるという形の、各種の、シクロカーボネート基含有の、アクリル系共重合体、ビニルエステル系共重合体またはフルオロオレフィン系共重合体の如き、種々のビニル系共重合体類などである。
【0193】
N−ヒドロキシメチルアミノ基および/またはN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物(特定のアミノ基含有化合物)の代表例としての、まず、アミノ樹脂として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、尿素もしくはグリコウリルの如き、各種のアミノ基含有化合物を、ホルムアルデヒドもしくはアセトアルデヒドの如き、各種のアルデヒド化合物と反応せしめることによって得られるという形の、種々のアルキロール基含有アミノ樹脂;
【0194】
あるいは斯かるアルキロール基含有アミノ樹脂を、たとえば、メタノール、エタノール、n−ブタノールもしくはi−ブタノールの如き、各種の低級アルコールと反応せしめることによって得られるという形の、各種のアルコキシアルキル基含有アミノ樹脂などが挙げられる。
【0195】
また、N−ヒドロキシメチルアミノ基ないしはN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物(特定のアミノ基含有化合物)として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミドもしくはN−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドの如き、各種のN−ヒドロキシメチルアミド基ないしはN−アルコキシメチルアミド基含有ビニル単量体の単独重合体、
【0196】
あるいは此等のアミド基含有ビニル系単量体と、該アミド基含有ビニル単量体と共重合可能なる、それぞれ、(メタ)アクリル系、ビニルエステル系、ビニルエーテル系、芳香族ビニル系またはフルオロオレフィン系のような、種々のビニル系単量体類などとの共重合反応によって得られるという形の、N−ヒドロキシメチルアミノ基ないしはN−アルコキシメチルアミノ基含有の、それぞれ、アクリル系共重合体、ビニルエステル系共重合体またはフルオロオレフィン系共重合体の如き、種々のビニル系共重合体類などである。
【0197】
一分子中に、エポキシ基と珪素原子に結合した加水分解性基とを併有する化合物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランまたはγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどをはじめ、
【0198】
さらには、「EGM−202」[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製の、珪素原子に結合したメトキシ基とγ−グリシドキシプロピルとを併有する、環状のポリシロキサンの商品名]などである。
【0199】
前述した複合樹脂と、当該化合物(C)とから、本発明に係る塗料たる硬化性樹脂組成物を調製するには、此の化合物(C)が、ポリイソシアネート化合物またはブロック・ポリイソシアネート化合物であるというような場合には、イソシアネート基ないしはブロック・イソシアネート基と反応する、複合樹脂中に含まれる官能基の1当量に対して、当該化合物(C)中に含まれるイソシアネート基量が、約0.1〜約10当量なる範囲内、好ましくは、0.3〜5当量なる範囲内、さらに好ましくは、0.5〜2当量なる範囲内となるように、複合樹脂に、当該化合物(C)を配合せしめるというようにすればよい。
【0200】
また、当該化合物(C)が、ポリエポキシ化合物、ポリシクロカーボネート化合物または一分子中にエポキシ基と珪素原子に結合した加水分解性基とを併有する珪素化合物であるというような場合には、エポキシ基またはシクロカーボネート基と反応する、複合樹脂中に含まれる官能基の1当量に対して、当該化合物(C)中に含まれるエポキシ基量またはシクロカーボネート基量が、約0.2〜約5.0当量なる範囲内、好ましくは、0.5〜3.0当量なる範囲内、さらに好ましくは、0.7〜2当量なる範囲内となるように、当該化合物(C)を配合せしめるというようにすればよい。
【0201】
当該化合物(C)が、アミノ樹脂の如き、各種のN−ヒドロキシメチルアミノ基ないしはN−アルコキシメチルアミノ基を有するというような化合物である場合には、複合樹脂の固形分の100重量部に対して、当該化合物(C)の固形分量が、約5〜約200重量部なる範囲内、好ましくは、10〜150重量部なる範囲内、さらに好ましくは、15〜100重量部なる範囲内となるように配合せしめるというようにすればよい。
【0202】
前述したような各硬化性樹脂組成物たる(I)、(II)あるいは(III)には、特に、硬化触媒を加えずとも、適切なる硬化条件の設定により、充分に硬化せしめることが出来るが、低温での硬化性を向上化せしめたり、短時間での硬化を達成するというために、硬化触媒をも配合せしめることが出来る。
【0203】
斯かる硬化触媒として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、前述した珪素化合物(a−2)のうちの、シラン化合物の加水分解縮合物を調製する際に使用されるものとして既述して来たような、種々の触媒類を使用することが出来るし、これに加えて、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィンもしくはトリフェニルホスフィンの如き、各種の有機ホスフィン類;
【0204】
テトラメチルホスホニウム塩、テトラエチルホスホニウム塩、テトラプロピルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウム塩、トリメチル(2−ヒドロキシルプロピル)ホスホニウム塩、トリフェニルホスホニウム塩もしくはベンジルホスホニウム塩類であって、その代表的なる対アニオンとして、クロライド、ブロマイド、カルボキシレートもしくはハイドロオキサイドなどを有する形の、各種のホスホニウム塩類などである。
【0205】
斯かる硬化触媒を添加するという場合の触媒量としては、前述したような各硬化性樹脂組成物たる(I)、(II)あるいは(III)中に含有される固形分の量に対して、約0.0001〜約5重量%なる範囲内が適切であるし、好ましくは、0.001〜5重量%なる範囲内が適切であるし、さらに好ましくは、0.002〜3重量%なる範囲内が適切である。
【0206】
また、前掲したような代表的なる諸硬化触媒に加えて、前述した、硬化触媒中に含まれる触媒効果を発現する原子団や基などを有する、各種の重合体などもまた、有効なる触媒として使用することが出来る。
【0207】
以上のようにして調製される、本発明の製造法で得られる複合樹脂を含有する塗料とも言うべき、硬化性の塗料用樹脂組成物(硬化性樹脂組成物)には、さらに、流動調整剤、顔料、染料、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤または可塑剤などのような、公知慣用の各種の添加剤類などをも配合せしめるという形で以て、種々の用途に利用し、適用することが出来る。
【0208】
かくして得られる塗料は、硬化性の、いわゆる塗料用樹脂組成物を形成する樹脂成分の種類により、硬化剤の有無により、あるいは硬化剤を添加した場合には、その種類と量とにより、最適なる硬化条件は異なるけれども、室温で、3〜10日間程度のあいだ乾燥せしめるか、
【0209】
あるいは約80〜約250℃程度の温度範囲で、約30秒から約2時間程度のあいだ焼き付けを行なうということによって、実用性の高い硬化物を得るということが出来る。
【0210】
本発明の製造法で得られる複合樹脂は、とりわけ、耐久性などに極めて優れるという処から該複合樹脂をバインダー成分として含有する塗料は、主として、自動車上塗り用塗料、建築外装用塗料、耐熱塗料などのような、種々の塗料用に利用し適用できるし、さらには、接着剤用、インク用、繊維・紙の含浸剤用ならびに表面処理剤用などとして、広範囲なる用途にも、利用し適用することが出来る。
【0211】
以上に詳述して来た通り、本発明の製造法で得られる複合樹脂を含有する塗料は、主として、加水分解性シリル基含有重合体と、特定の有機基と加水分解性シリル基および/または水酸基とを併有する珪素化合物との縮合反応と、此の縮合反応により得られる重合体の存在下での、加水分解性基を有する珪素化合物を加水分解反応との、大きくは、斯かる二つの反応を通して、目的とする硬化塗膜を形成して行くというものである。
【0212】
したがって、さらに詳述するならば、本発明の製造法で得られる複合樹脂を含有する塗料は、主として、こうした、加水分解性シリル基含有重合体と、特定の有機基と加水分解性シリル基および/または水酸基とを併有する珪素化合物との縮合反応と、此の縮合反応により得られる重合体の存在下で、加水分解性基を有する珪素化合物を加水分解反応せしめた際に生成するシラノール基同志によるシロキサン結合の形成化とによって硬化するものと推測されるが、このほかにも亦、ウレタン結合の形成化などを、補助的なる硬化系として併用することも出来る。
【0213】
【実施例】
次に、本発明を、参考例、実施例および比較例により、一層、具体的に説明をすることにするが、本発明は、決して、これらの例示例のみに限定されるというものではない。なお、以下において、部および%は、特に断りの無い限り、すべて重量基準であるものとする。
【0214】
参考例1〔重合体(a−1)の調製例〕
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗および窒素導入管を備えた反応容器に、キシレンの350部、n−ブタノールの150部およびオルソ蟻酸メチルの45部を仕込んで、窒素ガスの通気下に、80℃にまで昇温した。
【0215】
次いで、同温度で、メチルメタアクリレートの400部、n−ブチルメタクリレートの360部、n−ブチルアクリレートの180部、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン30部およびアクリル酸の30部と、キシレンの249部およびn−ブタノールの107部と、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの50部とからなる混合物を、4時間に亘って滴下した。
【0216】
滴下終了後も、同温度で、さらに、16時間のあいだ攪拌を行ない、重合反応を続行せしめるということによって、不揮発分が54.3%で、かつ、数平均分子量が11,000なる、カルボキシル基およびトリメトキシシリル基を併有する重合体の溶液を得た。以下、これを、(a−1−1)と略記する。
【0217】
参考例2〜6(同上)
モノマーおよび溶剤類の種類と、その量とを、第1表に示すように変更した以外は、参考例1と同様にして重合反応を行なって、同表に示すような諸性状値を有するという、各種の重合体(a−1)の溶液を得た。
【0218】
それらの各重合体溶液は、第1表に示すように、それぞれ、(a−1−2)、(a−1−3)、(a−1−4)、(a−1−5)および(a−1−6)と略記している。
【0219】
【表1】
【0220】
《第1表の脚注》
原料類の使用割合を示す各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0221】
「γ−MPTMS」・・・・・γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランの略記
【0222】
「TBPOEH」……………tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの略記
【0223】
【表2】
【0224】
《第1表の脚注》
数平均分子量を示す各数値は、いずれも、百分の一となっているので、百倍(つまり、「×100」)をした値が、真のものである。
【0225】
【表3】
【0226】
《第1表の脚注》
「β−HEMA」……………β−ヒドロキシエチルメタクリレートの略記
【0227】
【表4】
【0228】
《第1表の脚注》
「比較樹脂1」は、後述する、参考例14で得られている、いわゆる対照用の樹脂を意味するものとする。
【0229】
「比較樹脂2」は、後述する、参考例15で得られている、いわゆる対照用の樹脂を意味するものとする。
【0230】
参考例7〔樹脂(A)の調製例〕
温度計、還流冷却器、攪拌機および滴下漏斗を備えた反応容器に、フェニルトリエトキシシランの429部およびイソプロパノールの361部を仕込み、80℃にまで昇温した。
【0231】
次いで、ここへ、同温度で、「AP−3」[大八化学工業所(株)製の、イソプロピルアシッドホスフェートの商品名]の0.26部と、イオン交換水の289部とを、5分間かけて適下し、同温度で、4時間のあいだ攪拌したのちに、核磁気共鳴分析( 1H−NMR)で以て、フェニルトリエトキシシランの加水分解が進行していることを確認した。
【0232】
その後は、重合体(a−1−6)の1,020部を添加し、同温度で、4時間のあいだ攪拌したのちに、該 1H−NMRで以て、此の重合体中のトリメトキシシラン部分それ自体の加水分解が進行しているということを確認して、不揮発分が43.3%なる、樹脂の溶液を得た。以下、これを重合体(A−1)と略記する。
【0233】
参考例8〜13(同上)
それぞれ、珪素化合物(a−2)を合成するためのアルコキシシラン化合物の種類と、その量とを、そして、重合体(a−1)の種類と、その量ならびに触媒量とを、第2表に示すように変更した以外は、参考例7と同様にして縮合反応を行なって、同表に示すような諸性状値を有するという樹脂(A)の溶液を得た。
【0234】
それらの各樹脂の溶液は、第2表に示すように、それぞれ、重合体(A−2)、(A−3)、(A−4)、(A−5)、(A−6)および(A−7)と略記している。
【0235】
【表5】
【0236】
《第2表の脚注》
原料類の使用割合を示す各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0237】
「HTES」……………………n−ヘキシルトリエトキシシランの略記
「0TES」……………………n−オクチルトリエトキシシランの略記
「MFDES」…………………メチルフェニルジエトキシシランの略記
【0238】
【表6】
【0239】
《第2表の脚注》
「FTES」…………………フェニルトリエトキシシランの略記
【0240】
【表7】
【0241】
《第2表の脚注》
「DMDES」…………………ジメチルジエトキシシランの略記
「MTES」…………………メチルトリエトキシシランの略記
【0242】
「比較樹脂4」〜「比較樹脂6」は、後述する、参考例17〜参考例19で得られてい、いわゆる対照用の樹脂を意味するものとする。
【0243】
参考例14および15(比較樹脂1および2の調製例)
モノマーおよび溶剤類の種類と、その量とを、第1表に示すように変更した以外は、参考例1と同様にして重合反応を行なって、同表に示すような諸性状値を有するという、対照用の各樹脂の溶液を得た。
【0244】
それらの各樹脂の溶液は、同表に示すように、それぞれ、「比較樹脂1」および「比較樹脂2」と略記している。
【0245】
参考例16(比較樹脂3の調製例)
温度計、還流冷却器、攪拌機および滴下漏斗を備えた反応容器に、重合体(a−1−6)の1,310部と、エチルシリケートの743部と、イソプロパノールの350部とを仕込んで、80℃にまで昇温した。
【0246】
次いで、同温度で、「AP−3」の0.23部と、イオン交換水の96部とを、5分間かけて適下した処、30分後には、ゲル化して仕舞った。
【0247】
参考例17〜19(比較樹脂4〜6の調製例)
アルコキシシラン化合物の種類と、その量とを、そして、重合体(a−1)の量、触媒量ならびに溶剤量とを、第2表に示すように変更した以外は、参考例16と同様にして縮合反応を行なった処、同表に示すような、保存安定性の極めて低い複合樹脂しか得られなかった。
【0248】
実施例1
本例は、本発明に係る複合樹脂それ自体であって、しかも、本発明において、本発明に係る塗料の必須成分としても使用されるという、いわゆる複合樹脂の調製例を示すものである。
【0249】
温度計、還流冷却器、攪拌機および滴下漏斗を備えた反応容器に、重合体(A−1)の1,760部と、エチルシリケートの743部とを仕込んで、80℃にまで昇温した。
【0250】
次いで、同温度で、4時間のあいだ攪拌したのちに、核磁気共鳴分析( 1H−NMR)で以て、エチルシリケートの加水分解が進行しているということを確認してから、減圧蒸留で以て、副生成物であるエタノールなどを除くことというによって、不揮発分が54.3%なる、樹脂の溶液を得た。以下、これを複合樹脂1と略記する。
【0251】
しかるのち、此の複合樹脂1を、40℃において、50日間のあいだ保存したものの粘度(いわゆる経時粘度)と、初期粘度との比は1.10であって、保存安定性に優れているということが判明した。
【0252】
実施例2〜7(同上)
珪素化合物(B)の種類と、その量とを、そして、重合体(A)の種類と、その量ならびに触媒量とを、第3表に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして縮合反応を行なって、同表に示すような諸性状値を有するという、各複合樹脂の溶液を得た。
【0253】
それらの各複合樹脂の溶液は、第3表に示すように、それぞれ、「複合樹脂2」、「複合樹脂3」および「複合樹脂4」と略記している。
【0254】
【表8】
【0255】
《第3表の脚注》
原料類の使用割合を示す各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0256】
【表9】
【0257】
実施例8〜15
まず、第4表に示すような使用比率で以て、複合樹脂と、顔料との混合物を、サンドミルを使用して、分散せしめるということによって、各種の白色ベースを調製した。
【0258】
次いで、それぞれの白色ベースに、化合物(C)と、硬化触媒と、添加剤と、溶剤とを配合せしめるということによって、顔料重量濃度(PWC)が35%なる、各種の白色塗料を調製した。
【0259】
しかるのち、かくして得られた、それぞれの塗料を、予め、ポリエステル/メラミン系の塗料が塗装され、焼き付けされた塗装鋼板であって、しかも、水研ぎされた此の鋼板上に、乾燥膜厚が約40マイクロ・メーター(μm)となるように、各別に、アプリケーターで以て塗布し、同表に示すような硬化条件で以て、焼き付けを行なうということによって、各種の硬化塗膜を得た。
【0260】
此処において得られた、本発明に係る塗料とも言うべき硬化性樹脂組成物を用いて得られる、それぞれの塗膜は、いずれも、とりわけ、外観などに優れるというものであった。それぞれの塗膜についての諸性能を評価判定した結果を、まとめて、同表に示す。
【0261】
【表10】
【0262】
《第4表の脚注》
原料類の使用割合を示す各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0263】
「GT−400」は、「エポリード GT−400」の略記であり、ダイセル(株)製の、ポリエポキシ化合物の商品名である。
【0264】
「CR−93」は、「タイペーク CR−93」の略記であって、石原産業(株)製の、ルチル型酸化チタンの商品名である。
【0265】
DBTDO…………ジブチル錫ジオクトエートの略記
N−MIm…………N−イミダゾール(ないしは1−イミダゾール)の略記
DLDMAAc……ジラウリルジメチル・アンモニウム・アセテートの略記
【0266】
【表11】
【0267】
【表12】
【0268】
《第4表の脚注》
「耐候性」は、サンシャイン・ウエザオメーターによる、2,000時間に及ぶ曝露を行なったのちの各塗膜の60度鏡面反射率(%)なる光沢値を、未曝露時における、各塗膜の同上の光沢値で以て除して、それを、100倍した値(光沢保持率:%)を表示したものである。
【0269】
その値が大きいほど、此の耐候性が良好であるということを意味している。
【0270】
「耐酸性」は、それぞれの塗膜表面上に、各別に、10%硫酸水溶液の0.1ミリ・リットルを載せたパネル(試験板)を、70℃の熱風乾燥機中において、30分間のあいだ保持したのちに、それぞれの塗膜表面を、各別に、水洗し乾燥してから、その表面状態を、目視により、評価判定したものである。
【0271】
その際の評価基準は、以下の通りである。
【0272】
◎・・・・・エッチングなしの場合
○・・・・・若干ながら、エッチングが認められる場合
△・・・・・エッチングが認められる場合
×・・・・・エッチングが著しい場合
【0273】
【表13】
【0274】
【表14】
【0275】
【表15】
【0276】
【表16】
【0277】
【表17】
【0278】
比較例1および2
第5表に示すような使用比率で以て、それぞれの比較樹脂と、顔料との混合物を、サンドミルを使用して、各別に、分散せしめるということによって、各種の白色ベースを調製し、次いで、それぞれの白色ベースに、化合物(C)と、硬化触媒と、添加剤と、溶剤とを配合せしめるということによって、PWCが35%なる、対照用の、各種の白色塗料を調製した。
【0279】
かくして得られた、それぞれの対照用塗料を、予め、ポリエステル/メラミン系の塗料が塗装され、焼き付けされた塗装鋼板であって、しかも、水研ぎされた此の鋼板上に、乾燥膜厚が約40(μm)となるように、各別に、アプリケーターで以て塗布し、同表に示すような硬化条件で以て、焼き付けを行なうということによって、対照用の、各種の硬化塗膜を得た。
【0280】
此処において得られた、対照用の、それぞれの硬化塗膜について、諸性能の評価判定を行なった。それらの結果は、まとめて、同表に示す。
【0281】
【表18】
【0282】
《第5表の脚注》
原料類の使用割合を示す各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0283】
「990S」は、「バーノック DN−990S」の略記であって、大日本インキ(株)製のポリイソシアネート化合物の商品名である。
【0284】
以上に詳説した通り、本発明に係る複合樹脂は、加水分解性シリル基含有重合体(a−1)と、炭素数が4以上なるアルキル基;炭素数が5以上なるシクロアルキル基;アリール基およびアラルキル基よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の有機基と、加水分解性基および/または水酸基とが共に結合した珪素原子を有する珪素化合物(a−2)とを縮合反応させて得られる重合体(A)の存在下に、該(a−2)を除く、一分子中に少なくとも2個の、珪素原子に結合した加水分解性基を有する珪素化合物(B)の加水分解を行ない、さらに必要に応じて、縮合反応を行なうという、斬新なる製造法より得られるものである処から、特に保存安定性に優れているというものである。
【0285】
また、こうした複合樹脂を、必須のバインダー成分として含有するという、本発明に係る塗料は、とりわけ、光沢保持性および耐酸性などで以て代表される、高度の耐久性などにも優れるという硬化塗膜を形成することの出来る、極めて実用性の高いものである。
【0286】
【発明の効果】
本発明に係る複合樹脂は、とりわけ、優れた保存安定性を示し、此の複合樹脂を必須のバインダー成分として含有する、本発明に係る塗料も亦、とりわけ、光沢保持性や耐酸性などのような、高度の、いわゆる耐久性などにも優れるという硬化塗膜を形成することの出来る、極めて実用性の高い塗料(被覆用組成物)であると言い得よう。
Claims (8)
- 加水分解性シリル基を有する重合体(a−1)と、炭素数が4以上なるアルキル基;炭素数が5以上なるシクロアルキル基;アリール基およびアラルキル基よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の有機基と、加水分解性基および/または水酸基とが共に結合した珪素原子を有する珪素化合物(a−2)とを縮合反応させて得られる重合体(A)の存在下に、該(a−2)を除く、一分子中に少なくとも2個の、珪素原子に結合した加水分解性基を有する珪素化合物(B)の加水分解を行ない、さらに必要に応じて、縮合反応を行なうことを特徴とする、複合樹脂の製造法。
- 前記した珪素化合物(a−2)および珪素化合物(B)に含有される加水分解性基が、アルコキシ基である、請求項1に記載の製造法。
- 前記した重合体(a−1)に含有される加水分解性シリル基が、アルコキシシリル基である、請求項1に記載の製造法。
- 前記した珪素化合物(a−2)がポリシロキサンである、請求項1に記載の製造法。
- 前記した珪素化合物(a−2)がアルコキシシラン化合物である、請求項1に記載の製造法。
- 前記した珪素化合物(B)が、テトラアルコキシシラン、オルガノトリアルコキシシラン、ジオルガノジアルコキシシラン、それらの部分加水分解縮合物および其等の部分共加水分解縮合物よりなる群から選ばれる、少なくとも1種のアルコキシシランである、請求項1に記載の製造法。
- 前記した重合体(a−1)がビニル系重合体である、請求項1または3に記載の製造法。
- 前記した重合体(a−1)がアクリル系重合体である、請求項1、3または7に記載の製造法。
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