JPH10193499A - 積層塗膜およびその形成方法 - Google Patents

積層塗膜およびその形成方法

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JPH10193499A
JPH10193499A JP35768096A JP35768096A JPH10193499A JP H10193499 A JPH10193499 A JP H10193499A JP 35768096 A JP35768096 A JP 35768096A JP 35768096 A JP35768096 A JP 35768096A JP H10193499 A JPH10193499 A JP H10193499A
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JP
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group
compound
coating film
coating layer
organic
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JP35768096A
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English (en)
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Atsushi Ogaki
敦 大垣
Masatoshi Tanaka
正敏 田中
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機塗膜層と、それに積層された無機塗膜層
とを備えた積層塗膜について、無機塗膜層の顔料容積濃
度を高めることなく有機塗膜層と無機塗膜層との密着性
を改善する。 【解決手段】 積層塗膜は、有機塗料による有機塗膜層
と、当該有機塗膜層上に配置されかつ顔料容積濃度が4
0%以下の無機塗料による無機塗膜層とを備えている。
ここで、有機塗膜層は、例えば、ポリオルガノシロキサ
ンユニットと、ポリアルキレンオキサイドユニットと、
両ユニットを連結しかつ極性基を有する連結部とを備え
たブロックポリマーを含んでいる。この場合、無機塗膜
層は、例えばシランカップリング剤を含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、積層塗膜およびそ
の形成方法、特に、有機塗膜層と無機塗膜層とを備えた
積層塗膜およびその形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】例えば建築物の外壁には、意
匠性の付与や耐久性を高めることを目的として、塗膜を
付与する場合が多い。ところで、塗膜の意匠性は、主に
有機塗料を用いた場合に実現することができる。しか
し、有機塗料による有機塗膜は、耐久性に劣り、良好な
意匠性と耐久性とを同時に実現するのは困難である。一
方、無機塗料による無機塗膜は、耐久性が良好であるも
のの、それによって良好な意匠性を同時に実現するのは
困難である。
【0003】このため、良好な意匠性と耐久性とを兼ね
備えた塗膜を実現するためには、意匠性を有する有機塗
膜上に耐久性の良好な無機塗膜を積層する構成を採用す
ることが考えられる。ところが、一般に、有機塗膜と無
機塗膜とは密着しにくく、このような積層塗膜は有機塗
膜と無機塗膜との界面で剥がれなどの不具合を生じやす
い。
【0004】なお、無機塗料の顔料容積濃度を高める
と、それに伴って当該無機塗料による無機塗膜と有機塗
膜との密着性が高まり、上述のような不具合は生じにく
くなるが、この場合は、無機塗膜に含まれる顔料によ
り、有機塗膜の意匠性が損なわれる。
【0005】本発明の目的は、無機塗膜の顔料容積濃度
を高めることなく、有機塗膜と無機塗膜との密着性を改
善することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る積層塗膜
は、有機塗料による有機塗膜層と、有機塗膜層上に配置
されかつ顔料容積濃度が40%以下の無機塗料による無
機塗膜層とを備えている。ここで、例えば、有機塗膜層
は意匠性を有しており、かつ無機塗膜層はクリヤー塗膜
である。
【0007】また、有機塗膜層は、例えば、ポリオルガ
ノシロキサンユニットと、ポリアルキレンオキサイドユ
ニットと、両ユニットを連結しかつ極性基を有する連結
部とを備えたブロックポリマーを含んでいる。この場
合、無機塗膜層は、例えばシランカップリング剤を含ん
でいる。
【0008】本発明に係る積層塗膜の形成方法は、ポリ
オルガノシロキサンユニット、ポリアルキレンオキサイ
ドユニットおよび両ユニットを連結しかつ極性基を有す
る連結部を備えたブロックポリマーを含む有機塗料によ
る有機塗膜層を形成する工程と、有機塗膜層上に顔料容
積濃度が40%以下の無機塗料による無機塗膜層を形成
する工程とを含んでいる。ここで、無機塗料は、例え
ば、シランカップリング剤を含んでいる。
【0009】
【発明の実施の形態】有機塗膜層 本発明の積層塗膜を構成する有機塗膜層は、有機塗料を
用いて形成されたものである。ここで用いられる有機塗
料は、特に限定されるものではないが、例えば、ウレタ
ン系塗料、エポキシ系塗料、ポリエステル系塗料、アク
リル系塗料などの公知のものである。なお、これらの有
機塗料は、必要に応じて顔料をはじめとする各種添加材
を含んでいてもよい。
【0010】上述の有機塗料は、後述する無機塗膜層と
の密着性を高めることを目的として、ポリオルガノシロ
キサンユニット、ポリアルキレンオキサイドユニットお
よび両ユニットを連結しかつ極性基を有する連結部を備
えたブロックポリマーを含有しているのが好ましい。こ
のようなブロックポリマーとしては、例えば、下記のも
のを用いることができる。なお、下記のブロックポリマ
ーは、2種以上のものが併用されてもよい。
【0011】〔1〕下記のポリオルガノシロキサンユニ
ット、ポリアルキレンオキサイドユニットおよび連結部
を含むブロックポリマー <ポリオルガノシロキサンユニット>このブロックポリ
マーに含まれるポリオルガノシロキサンユニットは、下
記の一般式(1)で表される。
【0012】
【化1】
【0013】一般式(1)において、R1 およびR2
は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリ
ール基、または炭素数7〜9のアラルキル基である。ア
ルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソプ
ロピル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル
などが例示できる。アリール基としては、フェニル、ト
リル、キシリル、t−ブチルフェニルなどが例示でき
る。アラルキル基としては、ベンジル、プロピルフェニ
ルなどが例示できる。R1 およびR2 は、互いに同じで
あってもよいし異なっていてもよい。aは1〜135で
ある。
【0014】このようなポリオルガノシロキサンユニッ
トの具体例として好ましいものは、ポリジメチルシロキ
サン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリメチルプロ
ピルシロキサンおよびポリジフェニルシロキサンであ
る。ポリシロキサンユニットの重量平均分子量は、13
2〜10,000が好ましい。さらに好ましくは、60
0〜4,000である。重量平均分子量が132未満の
場合には、当該ブロックポリマーを用いても有機塗膜層
と無機塗膜層との密着性が改善されにくい場合がある。
逆に、10,000を上回ると、当該ブロックポリマー
を有機塗料に添加した場合に、ハジキなどの不具合が生
じる恐れがある。このブロックポリマーは、上述のポリ
オルガノシロキサンユニットを少なくとも1つ含んでい
る。従って、このブロックポリマーは、上述のポリオル
ガノシロキサンユニットを複数個含んでいてもよい。
【0015】<ポリアルキレンオキサイドユニット>こ
のブロックポリマーに含まれるポリアルキレンオキサイ
ドユニットは、下記の一般式(2)で示される。
【0016】
【化2】
【0017】式中、R3 は、下記の構造式で示される有
機基であり、また、bは2〜230である。
【0018】
【化3】
【0019】このようなポリアルキレンオキサイドユニ
ットの具体例としては、例えば、ポリメチレンオキサイ
ド、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイ
ド、ポリテトラメチレンオキサイドなどが挙げられる。
なお、有機塗膜層と無機塗膜層との密着性をより効果的
に高めることができる点、および製造の容易さを考慮す
ると、ポリエチレンオキサイドが好ましい。
【0020】上述のポリアルキレンオキサイドユニット
の重量平均分子量は、200〜10,000が好まし
く、より好ましくは、400〜5,000である。重量
平均分子量が200未満の場合には、このブロックポリ
マーを有機塗料に添加しても、有機塗膜層と無機塗膜層
との密着性が高まりにくい。逆に、10,000を上回
ると、このブロックポリマーの溶剤溶解性が低下するお
それがある。なお、このブロックポリマーは、上述のポ
リアルキレンオキサイドユニットを少なくとも1つ含ん
でいる。従って、このブロックポリマーは、上述のポリ
アルキレンオキサイドユニットを複数個含んでいてもよ
い。
【0021】<連結部>このブロックポリマーに含まれ
る連結部は、上述のポリオルガノシロキサンユニットと
上述のポリアルキレンオキサイドユニットとを結合して
いる部分である。当該連結部は、極性基を含んでいる必
要があるが、それ以外の構造については特に限定されな
い。例えば、当該連結部は、極性基を含んでいれば、炭
素−炭素間の結合の他に、エステル結合、アミノエーテ
ル結合、アミド結合、ウレタン結合などを含んでいても
よい。一般にその構造は、本発明のブロックポリマーの
合成方法に依存する。
【0022】連結部に含まれる極性基は、例えば、1級
水酸基、カルボキシル基、カルボン酸塩基(例えば、カ
ルボン酸のナトリウム塩やカリウム塩基)、1級アミノ
基、2級アミノ基、アミド基、ウレタン結合を含む基
(例えば、−OCONHC36等)またはアルコキシシ
リル基(例えば、トリメトキシシリル基やメチルジエト
キシシリル基等)である。このような極性基は、一つの
連結部に2種以上含まれていてもよい。なお、製造の容
易さを考慮すると、好ましい極性基は1級水酸基または
アルコキシシリル基である。
【0023】連結部の分子量は400以下が好ましい。
400を上回ると、ブロックポリマー中における連結部
の占める割合が高くなり、有機塗膜層と無機塗膜層との
密着性が高まりにくくなる場合がある。なお、化学構造
から計算される、極性基を含む連結部の分子量の下限
は、29である。
【0024】<ブロックポリマー>このブロックポリマ
ーの重量平均分子量は、500〜50,000が好まし
い。500未満では、有機塗膜層と無機塗膜層との密着
性を高める効果が不十分であり、50,000を上回る
と溶剤溶解性が低下するおそれがある。
【0025】連結部が有する極性基の含有量は、ブロッ
クポリマー中における官能基価で、15〜500が好ま
しく、40〜200がより好ましい。15未満では、有
機塗膜層と無機塗膜層との密着性を高める効果が十分で
なく、500を上回ると溶剤溶解性が低下するおそれが
ある。なお、ここで云う官能基価は、以下の式で示され
る。
【0026】
【数1】
【0027】上述のようなポリオルガノシロキサンユニ
ット、ポリアルキレンオキサイドユニットおよび連結部
を含むブロックポリマーは、例えば、下記の一般式
(3)で表すことができる。
【0028】
【化4】
【0029】式中、U1 およびU2 は、それぞれポリオ
ルガノシロキサンユニットまたはポリアルキレンオキサ
イドユニットを含む構造単位である。ただし、U1 およ
びU2 は、同時に同一のユニットを含まない。具体的に
は、U1 がポリオルガノシロキサンユニットを含んでい
るときには、U2 はポリアルキレンオキサイドユニット
を含んでいる。逆に、U1 がポリアルキレンオキサイド
ユニットを含んでいるときには、U2 はポリオルガノシ
ロキサンユニットを含んでいる。より具体的に説明する
と、下記の通りである。
【0030】
【化5】
【0031】式中、R1 、R2 、R3 、aおよびbは、
上述の通りである。また、Ra〜Rfは、炭素数1〜8
の有機基である。具体的には、下記の一般式で示される
有機基である。
【0032】
【化6】
【0033】このような有機基として好ましいものは、
e=3のものである。また、Xは、−CH2CH(O
H)CH2−で示される基である。さらに、Yは、下記
の式(i)、(ii)または(iii)から選ばれる。
【0034】
【化7】
【0035】さらに、Z1 およびZ2 は、下記の式(i
v)または(v)から選ばれる。なお、Z1 およびZ2
は互いに同一でもよいし、異なっていてもよい。
【0036】
【化8】
【0037】式(iv)および(v)中、R4 およびR
5 は、炭素数1〜8でありかつ水酸基を有していてもよ
いアルキル基であり、互いに同一でもよいし、異なって
いてもよい。
【0038】さらに、Aは、極性基を示し、具体的には
水酸基、若しくは末端にカルボキシル基、カルボン酸塩
基、1級アミノ基、2級アミノ基、アミド基、ウレタン
結合を含む基またはアルコキシシリル基を含む有機基で
ある。このようなAの具体例は、例えば次の通りであ
る。
【0039】
【化9】
【0040】上述の一般式(3)で表されるブロックポ
リマーについて、ポリオルガノシロキサンユニット、ポ
リアルキレンオキサイドユニットおよび連結部の位置関
係を示すと下記のようになる。
【0041】
【化10】
【0042】上述のようなブロックポリマーは、例え
ば、次のように製造することができる。〔連結部に含ま
れる極性基が1級水酸基の場合〕この場合、ブロックポ
リマーは、ポリオルガノシロキサンユニットを有しかつ
反応性官能基を2つ有する化合物A、ポリアルキレンオ
キサイドユニットを有しかつ反応性官能基を2つ有する
化合物B、および1級水酸基を有しかつ反応性官能基を
少なくとも1つ有する化合物Cを反応させることにより
得られる。
【0043】このような反応を実施するためには、化合
物A,BおよびCが有する反応性官能基の組み合わせを
調整する必要がある。可能な組み合わせとしては、アミ
ノ基−エポキシ基、水酸基−カルボキシル基、アミノ基
−酸ハライド基、水酸基−酸ハライド基、アミノ基−イ
ソシアネート基、水酸基−イソシアネート基、エポキシ
基−カルボキシル基が例示できる。化合物A,Bおよび
Cに含まれる反応性官能基の組み合せは、原料入手の容
易性および反応設計の点を考慮すると、下記の表1に示
すものが好ましい。
【0044】
【表1】
【0045】表1における1A〜4Bの組み合わせは、
反応方法によって、1A、1Bおよび2Aのグループ
(グループa)と、3A、3B、4Aおよび4Bのグル
ープ(グループb)とに分類することができる。グルー
プaとグループbとは、前者が、まず化合物AまたはB
のどちらかに化合物Cを反応させ(第1の反応)、次に
先ほどと異なる化合物AまたはB(先に化合物Aを用い
た場合は化合物B、先に化合物Bを用いた場合は化合物
A)を反応させる(第2の反応)、2段階の反応を用い
るのに対して、後者は、化合物A、BおよびCを一度に
反応させる点で異なる。
【0046】<グループaの反応について>このグルー
プは、アミノ基とエポキシ基との反応を利用している。
すなわち、1級アミノ基とエポキシ基とが反応すると、
2級アミノ基が生成する。この2級アミノ基はさらにエ
ポキシ基と反応しうる。そこで、1級アミノ基またはエ
ポキシ基および極性基である1級水酸基を分子内に有す
る化合物Cを化合物AまたはB、すなわち1級ジアミン
化合物またはジエポキシ化合物とまず最初に反応させ、
1級水酸基および2級アミノ基を有する化合物を製造す
る(第1の反応)。これに先に用いたものと異なる化合
物AまたはB、すなわちジエポキシ化合物または1級ジ
アミン化合物を加えることで、連続した鎖延長反応が進
行し(第2の反応)、ポリアルキレンオキサイドユニッ
ト、ポリオルガノシロキサンユニットおよび1級水酸基
を有する連結部を含むブロックポリマーを得ることがで
きる。これを模式的に表すと、下記のようになる。
【0047】
【化11】
【0048】
【化12】
【0049】グループa、すなわち、アミノ基とエポキ
シ基との反応を利用する系では、表1に示したように、
化合物AおよびBは、ポリアルキレンオキサイドユニッ
トまたはポリオルガノシロキサンユニットのどちらかを
有する1級ジアミン化合物またはジエポキシ化合物であ
る。これらの化合物AおよびBが有するポリアルキレン
オキサイドユニットおよびポリオルガノシロキサンユニ
ットは、ブロックポリマーの項で述べたものである。具
体的な市販されている化合物の例を下記の表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】化合物Cは、1Aおよび1Bの系で用いる
場合は、表1に示すように、エポキシ基と1級水酸基と
を有する化合物である。このような化合物としては、例
えば、グリシドール、4−ヒドロキシメチル−1,2−
シクロヘキセンオキサイド、および2官能以上のアルコ
ールに含まれる少なくとも1つの水酸基をエピハロヒド
リンによってグリシジル化したもの(例えば、ジオール
のモノグリシジルエーテル)が挙げられる。この中で、
グリシドールが反応性および入手容易性の点から好まし
い。一方、2Aの系で用いられる化合物Cは、1級アミ
ノ基と1級水酸基とを有するものである。この種の化合
物としては、モノエタノールアミン、2−アミノ−1,
3−プロパンジオールが挙げられる。
【0052】グループaで得られるブロックポリマー
は、上述の一般式(3)で示される。ここでは、一般式
(3)中のU1 は、第1の反応において用いられる化合
物AまたはBが有するユニットにより決定される。一
方、U2 は、第2の反応において用いられる化合物Aま
たはBが有するユニットにより決定される。Yは、化合
物Cによって決定される。例えば、化合物Cがグリシド
ール、モノエタノールアミンおよび2−アミノ−1,3
−プロパンジオールの時は、Yはそれぞれ下記の式
(i)、(ii)および(iii)となる。
【0053】
【化13】
【0054】次に好ましい反応条件について説明する。
1Aおよび1Bの場合には、第1の反応において、化合
物AまたはBのうち、1級アミノ基を有する方の化合物
と化合物Cとを反応させる。反応方法は、40〜100
℃に加熱した1級アミノ基を有する化合物AまたはBに
対して、化合物Cを滴下するのが好ましい。40℃未満
の場合には、反応の進行が遅く、100℃を上回ると、
エポキシの自己重合などの副反応が生じやすい。滴下終
了後、エポキシ基が消失するまで反応を継続する。エポ
キシ基の消失は、塩酸による逆滴定により確認すること
ができる。
【0055】次に、第2の反応では、化合物AまたはB
のうち、エポキシ基を有する方の化合物(アミノ基を有
する化合物が化合物Aのときは化合物B、アミノ基を有
する化合物が化合物Bのときは化合物A)を加える。反
応は、40〜100℃で行い、エポキシ当量が変化しな
いところで反応を終了することが好ましい。ここで得ら
れるブロックポリマーは、その末端、すなわち一般式
(3)におけるZ1 およびZ2 が上述の一般式(v)で
表されるものである。
【0056】なお、得られるブロックポリマーの安定性
を考慮する場合には、さらに、2級アミンを加えて、ブ
ロックポリマー末端のエポキシ基を開環させるのが好ま
しい。ここで用いられる2級アミンとしては、例えば、
HNR45で示されるものが用いられる。なお、R4
よびR5 は、炭素数1〜8でありかつ水酸基を有してい
てもよいアルキル基であり、互いに同一でも異なってい
てもよい。このような2級アミンとして好ましいのは、
ジエタノールアミンである。なお、このような2級アミ
ンによる処理を施した場合には、一般式(3)中のZ1
およびZ2 が上述の式(iv)で表されるブロックポリ
マーとなる。
【0057】反応に用いられる化合物A、BおよびCの
量比は以下の通りである。すなわち、アミノ基を有する
化合物AまたはBの1に対して、化合物Cおよびエポキ
シ基を有する化合物(アミノ基を有する化合物が化合物
Aのときは化合物B、アミノ基を有する化合物が化合物
Bのときは化合物A)をそれぞれ2および1の官能基当
量比となるように設定するのが好ましい。化合物Cの割
合が、2より小さいときには、ゲル化するおそれがあ
り、2より大きいときには、第2の反応がうまく進行し
ないおそれがある。また、エポキシ基を有する化合物の
割合が1より小さいときには、目的とするブロックポリ
マーが得られず、1より大きいときには、エポキシを有
する化合物が消費されず残存し、ブロックポリマー中の
不純物となるおそれがある。なお、反応を行う際には、
反応制御のために溶媒を用いることができる。溶媒の種
類は特に限定されるものでなく、アミン−エポキシの反
応を阻害しないものであれば、種々のものを利用するこ
とができる。
【0058】次に2Aの場合には、第1の反応におい
て、化合物AまたはBと、化合物Cとを反応させる。な
お、化合物A、Bの選択は、上述の1Aおよび1Bと異
なり、自由に行うことができる。反応方法は、40〜1
00℃に加熱したエポキシ基を有する化合物AまたはB
に対して、化合物Cを滴下するのが好ましい。40℃未
満の場合には、反応の進行が遅く、100℃を上回る
と、エポキシの自己重合などの副反応が生じやすい。滴
下終了後、エポキシ基が消失するまで反応を継続する。
エポキシ基の消失は、塩酸による逆滴定により確認する
ことができる。
【0059】次に、第2の反応では、化合物AまたはB
のうち、先の反応に用いたものと異なる化合物(第1の
反応に用いた化合物が化合物Aのときは化合物B、第1
の反応に用いた化合物が化合物Bのときは化合物A)を
加える。反応は、40〜100℃で行ない、エポキシ当
量が変化しないところで終了することが好ましい。な
お、上述の反応の場合も1Aおよび1Bの場合と同様
に、溶媒を使用することができる。また、得られたブロ
ックポリマーの末端のエポキシ基は、1Aおよび1Bの
場合と同様に、2級アミンにより開環させて安定化する
こともできる。
【0060】2Aの系で用いられる化合物A、Bおよび
Cの量比は以下の通りである。すなわち、アミノ基を有
する化合物Cの1に対して、化合物AおよびBをそれぞ
れ0.5の官能基当量比となるように設定するのが好ま
しい。第1の反応に用いる化合物AまたはBの割合が、
0.5より小さいときには、ゲル化するおそれがあり、
0.5より大きいときには、第2の反応がうまく進行し
ないおそれがある。また、第2の反応に用いる化合物A
またはB(第1の反応に用いた化合物が化合物Aのとき
は化合物B、第1の反応に用いた化合物が化合物Bのと
きは化合物A)の割合が0.5より小さいときには、目
的とするブロックポリマーが得られず、0.5より大き
いときには、エポキシを有する化合物が消費されず残存
し、ブロックポリマー中の不純物となるおそれがある。
【0061】このようにして合成されたブロックポリマ
ーは、GPCによる分子量測定、水酸基価の測定、およ
び必要によりその他の機器分析法を併用することによ
り、目的とするブロックポリマーであることを確認する
ことができる。
【0062】<グループbの反応について>このグルー
プでは、化合物A、B、およびCを一度に反応させる。
このグループで用いられる官能基の組み合わせは、表1
に示すように水酸基−カルボキシル基および水酸基−イ
ソシアネート基である。このグループで用いられる化合
物AおよびBは、ポリアルキレンオキサイドユニットま
たはポリオルガノシロキサンユニットのどちらかを有す
る、ジオール化合物、ジカルボン酸化合物またはジイソ
シアネート化合物である。これらの化合物AおよびBが
有するポリアルキレンオキサイドユニットおよびポリオ
ルガノシロキサンユニットは、ブロックポリマーの項で
述べたものである。このようなジオール化合物およびジ
カルボン酸化合物で市販されているものの具体例を表3
に示す。
【0063】
【表3】
【0064】また、上述のジイソシアネート化合物は、
この種のジオール化合物にトルエンジイソシアネート
(TDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)また
はイソホロンジイソシアネート(IPDI)などを反応
させることにより得ることができる。具体的には、キシ
レンなどの溶媒中で、触媒として一般にウレタン化に用
いられる有機錫化合物(例えば、ジブチル錫ラウレート
やジブチル錫オキサイド)や3級アミン化合物(例え
ば、ジメチルベンジルアミン)などの存在下、ジオール
化合物1モルに対してジイソシアネート2モルを加える
ことで得ることができる。化合物Cは、1級水酸基を3
つ以上有する化合物であり、例えば、トリメチロールプ
ロパンやペンタエリスリトールが挙げられる。
【0065】次に好ましい反応条件について説明する。
3Aおよび3Bの系では、反応は通常のポリエステル合
成反応に従って行われる。化合物A、BおよびCを一度
に混合して、100〜240℃に加熱し、脱水反応を進
行させる。この際、触媒が用いられてもよい。触媒とし
ては、一般にエステル化反応に用いられるものが使用で
きる。例えば、ジブチル錫ラウレートやp−トルエンス
ルホン酸などが挙げられる。また、溶媒として、キシレ
ンやメチルイソブチルケトンなどを用いることができ
る。なお、反応終了は、酸価を測定することによって決
定できる。
【0066】化合物A、BおよびCの量比は、カルボキ
シル基を有する化合物AまたはBの1に対して、水酸基
を有する化合物AまたはB(カルボキシル基を有する化
合物が化合物Aのときは化合物B、カルボキシル基を有
する化合物が化合物Bのときは化合物A)および多価ア
ルコール(化合物C)をモル比でそれぞれ1および0.
1〜0.3に設定するのが好ましい。このような比率以
外の場合には、目的とするブロックポリマーが得られな
いおそれがある。
【0067】4Aおよび4Bの系では、反応は通常のポ
リウレタン合成反応に従って行われる。ここでは、上述
の方法で得られたジイソシアネート化合物に化合物A、
BおよびCを一度に混合し、50〜80℃に加熱する。
触媒としては、有機錫化合物や3級アミンなど一般にウ
レタン化に用いられるものが利用できる。ジイソシアネ
ート化合物の合成の際に触媒を用いたときには、新たに
触媒を添加してもよいし、しなくてもよい。溶媒は、原
料および生成物を溶解し、活性水素を持たないものであ
れば特に限定されない。反応終了は、IRスペクトルで
イソシアネート基の消失を確認することにより決定でき
る。
【0068】化合物A、BおよびCの量比は、イソシア
ネート基を有する化合物AまたはBの1に対して、水酸
基を有する化合物AまたはB(イソシアネート基を有す
る化合物が化合物Aのときは化合物B、イソシアネート
基を有する化合物が化合物Bのときは化合物A)および
多価アルコール(化合物C)をモル比でそれぞれ0.7
〜0.8および0.3〜0.2に設定するのが好まし
い。また、水酸基を有する化合物と多価アルコールとの
モル数の合計が、イソシアネート基を有する化合物のモ
ル数に等しいことが好ましい。なお、このような比率以
外の場合には、目的とするブロックポリマーが得られな
いおそれがある。
【0069】〔連結部に含まれる極性基がカルボキシル
基、カルボン酸塩基、1級アミノ基、2級アミノ基、ア
ミド基またはウレタン結合を含む基の場合〕このような
ブロックポリマーは、上述の方法により製造されるブロ
ックポリマーの連結部に含まれる1級水酸基を所望の極
性基に誘導することにより製造することができる。
【0070】具体的には、極性基がカルボキシル基の場
合は、連結部の1級水酸基に酸無水物を作用させる。酸
無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水イタコン
酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキ
サヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、無水トリメリッ
ト酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物が例
示できる。極性基がカルボン酸塩の場合は、上述のよう
に1級水酸基から誘導されたカルボキシル基を更に水酸
化ナトリウム溶液や水酸化カリウム溶液により処理して
塩にする。極性基が1級アミノ基または2級アミノ基の
場合は、連結部の1級水酸基にハロゲン化アルキルアミ
ン化合物を作用させる。ハロゲン化アルキルアミン化合
物としては、例えば、3−クロロプロピルアミンが例示
できる。極性基がアミド基の場合は、連結部の1級水酸
基にアミノ酸化合物を作用させる。アミノ酸化合物とし
ては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシ
ン、イソロイシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リ
ジン、アルギニンが挙げられる。さらに、極性基がウレ
タン結合を含む基の場合は、連結部の1級水酸基にイソ
シアネート化合物を反応させる。イソシアネート化合物
としては、メチルイソシアネート、プロピルイソシアネ
ート、n−ブチルイソシアネート、フェニルイソシアネ
ート、シクロヘキシルイソシアネート等が例示できる。
【0071】〔連結部に含まれる極性基がアルコキシシ
リル基の場合〕このようなブロックポリマーは、連結部
に1級水酸基を含むブロックポリマーの製造方法におい
て、化合物Cとしてエポキシ基とアルコキシシリル基と
を有するものを用いかつグループaのうちの組み合わせ
1Aまたは1Bの場合と同じ方法を採用することにより
製造することができる。ここで用いられる化合物Cとし
ては、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラ
ンや3−グリシジルオキシプロピル−メチルジエトキシ
シランが例示できる。
【0072】また、この種のブロックポリマーは、連結
部に1級水酸基を含むブロックポリマーの当該1級水酸
基をアルコキシシリル基に誘導することにより製造する
こともできる。1級水酸基をアルコキシシリル基に誘導
する方法としては、例えば、連結部の1級水酸基にハロ
シラン化合物を作用させる方法を採用することができ
る。ハロシラン化合物としては、例えば、γ−クロロプ
ロピルトリメトキシシランが例示できる。
【0073】〔2〕下記の一般式(4)および(5)で
示されるブロックポリマー
【0074】
【化14】
【0075】
【化15】
【0076】上記一般式(4)および(5)において、
3 およびU4 がポリオルガノシロキサンユニットまた
はポリアルキレンオキサイドユニットを示し、また、”
J”で示した部位が極性基を有する連結部を示してい
る。ここで、U3 およびU4 の一般式を示すと下記のよ
うになる。
【0077】(態様1)U3 がポリアルキレンオキサイ
ドユニットでありかつU4 がポリオルガノシロキサンユ
ニットである場合。
【0078】
【化16】
【0079】(態様2)U3 がポリオルガノシロキサン
ユニットでありかつU4 がポリアルキレンオキサイドユ
ニットである場合。
【0080】
【化17】
【0081】U3 およびU4 についての上述の一般式に
おいて、R9 およびR10は、炭素数1〜8のアルキル
基、炭素数6〜10のアリール基、または炭素数7〜9
のアラルキル基を示している。ここで、炭素数1〜8の
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチ
ル基、2−エチルヘキシル基などが例示できる。アリー
ル基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、t
−ブチルフェニル基などが例示できる。アラルキル基と
しては、ベンジル基、プロピルフェニル基などが例示で
きる。
【0082】また、R11は、下記の一般式で示されるも
のである。
【0083】
【化18】
【0084】ここで、hは、1〜4の整数である。hが
4を超えると、親水性と疎水性とのバランスが崩れ、表
面改質効果を発揮しにくくなる場合がある。
【0085】上述のU3 およびU4 に含まれるR9 とR
10とは、互いに同じであってもよいし異なっていてもよ
い。また、U3 およびU4 に含まれる全R9 、全R10
よび全R11は、それぞれ互いに同じであってもよいし異
なっていてもよい。
【0086】さらに、上記一般式(4)および(5)に
含まれるU3 およびU4 において、fは1〜135の整
数であり、gは2〜230の整数である。fが0の場合
は、有機塗膜層と無機塗膜層との密着性を高めにくい場
合がある。逆に、fが135を超えると、このブロック
ポリマーを有機塗料に添加した場合に、ハジキなどの不
具合が生じるおそれがある。一方、gが1または0の場
合は、有機塗膜層と無機塗膜層との密着性を高めにくい
場合がある。逆に、gが230を超えると、このブロッ
クポリマーの溶剤溶解性が低下するおそれがある。
【0087】なお、上記一般式(4)および(5)中に
含まれるU3 は、1種類のもののみであってもよいし、
数種類のものであってもよい。この点、U4 についても
同様である。
【0088】また、上記一般式(4)および(5)中に
含まれるR12は、水素またはメチル基である。
【0089】さらに、上記一般式(4)および(5)中
に含まれるA’は、隣接する−CHR12−とカルボニル
基を介して結合している有機基である。ここで、当該
A’基に含まれる有機基としては、非反応性の炭化水素
基、水酸基、酸基、アミノ基、アンモニウム基、シアノ
基、ハロゲン原子、アミド結合、環状エーテル基、アル
キレンオキサイドユニット、アルコキシシリル基、紫外
線吸収性基およびテトラメチル−4−ピペリジル基から
なる群から選ばれた少なくとも1つの化学構造部位を含
むものを例示することができる。したがって、A’の具
体例としては、下記のA’(1)〜A’(13)の13
種類のものを挙げることができる。
【0090】〔A’(1):非反応性の炭化水素基を含
む有機基〕この場合、A’は下記の一般式で示すことが
できる。
【0091】
【化19】
【0092】ここで、R13は、炭素原子数が1〜22個
の炭化水素基を示している。この炭化水素基は、脂肪族
炭化水素基であってもよいし、芳香族炭化水素基であっ
てもよい。また、分岐していてもよいし、飽和、不飽和
および環状の構造部分を含んでいてもよい。さらに、少
なくとも1つの炭素原子が酸素原子に置き換わっていて
もよい。
【0093】このような炭化水素基の具体例としては、
メチル基、エチル基、n−ブチル基、イソブチル基、t
ert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、イソアミル
基、イソオクチル基、イソデシル基、n−ラウリル基、
トリデシル基、イソミリスチル基、n−ステアリル基、
イソステアリル基、ベヘニル基、シクロヘキシル基、ベ
ンジル基、フェノキシエチル基、イソボルニル基および
ビニル基などを挙げることができる。
【0094】〔A’(2):水酸基を含む有機基〕この
場合、A’は下記の一般式で示すことができる。
【0095】
【化20】
【0096】ここで、R14は、水酸基を含む有機基を示
している。R14の具体例としては、2−ヒドロキシエチ
ル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチ
ル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基の他、下
記の一般式(a)、(b)および(c)で示されるもの
を挙げることができる。
【0097】
【化21】
【0098】一般式(a)中、R15は、フェニレン基、
シクロヘキシル基またはエチレン基を示している。ま
た、R16は、2−ヒドロキシプロピル基または2−ヒド
ロキシエチル基である。また、一般式(b)中、U5
は、隣接する水素原子との結合点に酸素原子が位置す
る、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドおよび
ブチレンオキサイドからなる群から選ばれた少なくとも
1種類のユニットを示す。また、pは、1〜30の整数
である。さらに、一般式(c)中、qは1〜12の整数
である。
【0099】また、このようなA’は、下記の一般式で
示すこともできる。
【0100】
【化22】
【0101】ここで、R17は、水素原子、または炭素原
子数が8個以下の分岐していてもよいアルキル基であっ
て、少なくとも一部の水素原子が水酸基で置換されてい
るものである。このようなR17の具体例としては、トリ
ス(ヒドロキシメチル)メチル基、ヒドロキシメチル基
などを挙げることができる。
【0102】〔A’(3):酸基を含む有機基〕このよ
うな有機基に含まれる酸基としては、カルボキシル基、
リン酸基およびスルホン酸基を挙げることができる。こ
こで、カルボキシル基を含むA’は、例えば下記の一般
式で示すことができる。
【0103】
【化23】
【0104】式中、R15は、上述の一般式(a)の場合
と同様である。また、リン酸基を含むA’は、例えば下
記の一般式で示すことができる。
【0105】
【化24】
【0106】さらに、スルホン酸基を含むA’は、例え
ば下記の一般式で示すことができる。
【0107】
【化25】
【0108】〔A’(4):アミノ基を含む有機基〕こ
こでのアミノ基は、2級アミノ基または3級アミノ基で
ある。このようなA’は、例えば下記の式で示すことが
できる。
【0109】
【化26】
【0110】式中、R18およびR19は、2級アミノ基の
場合は一方が水素原子でありかつ他方がt−ブチル基で
あり、3級アミノ基の場合は双方がメチル基、エチル基
またはt−ブチル基である。
【0111】〔A’(5):アンモニウム基を含む有機
基〕ここでのA’は、例えば上述のA’(4)の場合に
おける3級アミノ基を、メチルクロライドなどのアルキ
ルクロライドにより4級化したものである。
【0112】〔A’(6):シアノ基を含む有機基〕こ
こでのA’は、例えば下記の式で示される。
【0113】
【化27】
【0114】〔A’(7):ハロゲン原子を含む有機
基〕ここでのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子および臭素原子を挙げることができる。但し、フッ
素原子を含むものを用いるのが好ましい。フッ素原子を
含む場合、A’は、例えば下記の一般式で示される。
【0115】
【化28】
【0116】一般式中、Cfは、少なくとも1つの水素
原子がフッ素原子で置換された炭化水素基を示し、具体
的には下記の構造式で示されるものを挙げることができ
る。
【0117】
【化29】
【0118】〔A’(8):アミド結合を含む有機基〕
ここでのA’は、例えば下記の一般式で示される。
【0119】
【化30】
【0120】一般式中、R20およびR21は、水素原子、
または炭素原子数が8個以下の分岐していてもよいアル
キル基である。このようなアルキル基は、それを構成す
る一部の炭素原子がカルボニル基を構成していてもよい
し、また、一部の炭素原子が酸素原子により置換されて
いてもよい。さらに、アミノ基を有していてもよい。こ
のようなR20およびR21がアルキル基の場合、その具体
例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、
N,N−ジメチルアミノプロピル基、イソブトキシメチ
ル基などを挙げることができる。
【0121】さらに、R20とR21とは、酸素原子を介し
て互いに結合し、環構造を形成していてもよい。このよ
うな環構造としては、例えばモルホリノ基を挙げること
ができる。R20とR21とがモルホリノ基を構成している
場合、A’は下記の式で示される。
【0122】
【化31】
【0123】〔A’(9):環状エーテル基を含む有機
基〕ここでのA’は、例えば下記の一般式で示される。
【0124】
【化32】
【0125】一般式中、Cycは、例えばエポキシ基、
フルフリル基を示している。
【0126】〔A’(10):アルキレンオキサイドユ
ニットを含む有機基〕ここでのA’は、例えば下記の一
般式で示される。
【0127】
【化33】
【0128】一般式中、U5 およびpは、上述の一般式
(b)の場合と同様である。また、R22は、炭素原子数
が8個以下の分岐していてもよいアルキル基、フェニル
基、ノニルフェニル基またはジシクロペンテニル基を示
している。
【0129】〔A’(11):アルコキシシリル基を含
む有機基〕ここでのA’は、例えば下記の一般式で示さ
れる。
【0130】
【化34】
【0131】一般式中、R23、R24およびR25は、メチ
ル基やエチル基などのアルキル基、フェニル基などのア
リール基を示している。R23、R24およびR25は、全て
が同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0132】〔A’(12):紫外線吸収性基を含む有
機基〕ここでのA’は、例えば下記の式で示される。
【0133】
【化35】
【0134】〔A’(13):テトラメチル−4−ピペ
リジル基を含む有機基〕ここでのA’は、例えば下記の
式で示される。
【0135】
【化36】
【0136】なお、一般式(4)および(5)中には、
2種以上のA’が含まれていてもよい。
【0137】さらに、上記一般式(4)および(5)中
に含まれるrは、1〜16の整数である。rが0の場合
は、有機塗膜層と無機塗膜層との密着性を高めるのが困
難な場合がある。逆に、16を超えると、このブロック
ポリマーの溶剤溶解性が低下するおそれがある。
【0138】なお、上記一般式(5)に含まれるR26
は、炭素数が1〜8のアルキル基である。このアルキル
基は水酸基を含んでいてもよい。このようなアルキル基
としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ヒ
ドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキ
シプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ
ブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル
を挙げることができる。
【0139】上記一般式(4)および(5)で示される
ブロックポリマーのうち、特に好ましいものは、A’中
に水酸基を含んでいるものである。
【0140】上記一般式(4)および(5)で示される
ブロックポリマーは、例えば、下記の工程を含む方法に
従って製造することができる。 (工程1)下記の一般式(6)で示されるアクリル系化
合物に対してポリオルガノシロキサンユニットまたはポ
リアルキレンオキサイドユニットのいずれか一方のユニ
ットを含みかつ両末端にそれぞれ1級アミノ基を有する
ジアミン化合物をマイケル付加反応させて生成物を得
る。
【0141】
【化37】
【0142】一般式(6)中、R12およびA’は、上術
の一般式(4)および(5)の場合と同様である。な
お、このような一般式(6)で示されるアクリル系化合
物の具体例をA’の種類ごとに例示すると、次のように
なる。
【0143】〔A’がA’(1)の場合〕メチルアクリ
レート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、
エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−
ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソ
ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルア
クリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウリル
アクリレート、n−ラウリルメタクリレート、トリデシ
ルアクリレート、トリデシルメタクリレート、n−ステ
アリルアクリレート、n−ステアリルメタクリレート、
シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリ
レート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチル
メタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボル
ニルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、
tert−ブチルメタクリレート、イソステアリルアク
リレート、イソステアリルメタクリレート、イソオクチ
ルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、イソミ
リスチルアクリレート、イソミリスチルメタクリレー
ト、イソステアリルアクリレート、イソステアリルメタ
クリレート、ベヘニルアクリレート、ベヘニルメタクリ
レート、イソアミルアクリレート、イソアミルメタクリ
レート、ビニルアクリレート、ビニルメタクリレート、
2−ヒドロキシエチルアクリレートおよび2−ヒドロキ
シエチルメタクリレートのε−カプロラクトン開環付加
物(例えば、ダイセル化学工業株式会社製の商品名”F
Mシリーズ”および”FAシリーズ”)。
【0144】〔A’がA’(2)の場合〕2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレー
ト、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレ
ート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタク
リレート、ネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸
エステル、ネオペンチルグリコールメタクリル酸安息香
酸エステル、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロ
キシプロピルフタレート、2−メタクリロイロキシエチ
ル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリロ
イロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2
−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフ
タレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、
ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロ
ピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレング
リコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール
ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチ
レングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリ
レート、ポリエチレングリコールポリテトラメチレング
リコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールポ
リテトラメチレングリコールモノメタクリレート、ポリ
プロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモ
ノアクリレート、ポリプロピレングリコールポリテトラ
メチレングリコールモノメタクリレート、N−(トリス
(ヒドロキシメチル)メチル)アクリルアミド、N−
(トリス(ヒドロキシメチル)メチル)メタクリルアミ
ド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N−
(ヒドロキシメチル)メタクリルアミド。
【0145】〔A’がA’(3)の場合〕アクリル酸、
メタクリル酸、2−アクリロイロキシエチルアシッドホ
スフェート、2−メタクリロイロキシエチルアシッドホ
スフェート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2
−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイ
ロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイ
ロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸。
【0146】〔A’がA’(4)の場合〕ジメチルアミ
ノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリ
レート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチル
アミノエチルメタクリレート。
【0147】〔A’がA’(5)の場合〕ジメチルアミ
ノエチルアクリレート4級化物、ジメチルアミノエチル
メタクリレート4級化物、ジエチルアミノエチルアクリ
レート4級化物、ジエチルアミノエチルメタクリレート
4級化物。
【0148】〔A’がA’(6)の場合〕2−シアノエ
チルアクリレート、2−シアノエチルメタクリレート。
【0149】〔A’がA’(7)の場合〕トリフロロエ
チルアクリレート、トリフロロエチルメタクリレート、
テトラフロロプロピルアクリレート、テトラフロロプロ
ピルメタクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサ
フロロブチルアクリレート、2,2,3,4,4,4−
ヘキサフロロブチルメタクリレート、パーフルオロオク
チルエチルアクリレート、パーフルオロオクチルエチル
メタクリレート。
【0150】〔A’がA’(8)の場合〕N,N−ジメ
チルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N
−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタ
クリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,
N−ジエチルメタクリルアミド、N−(トリス(ヒドロ
キシメチル)メチル)アクリルアミド、N−(トリス
(ヒドロキシメチル)メチル)メタクリルアミド、N−
(イソブトキシメチル)アクリルアミド、N−(イソブ
トキシメチル)メタクリルアミド、2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−(ヒドロキシ
メチル)アクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)メ
タクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジアセト
ンメタクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタク
リロイルモルホリン。
【0151】〔A’がA’(9)の場合〕テトラヒドロ
フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタ
クリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレート。
【0152】〔A’がA’(10)の場合〕メトキシジ
エチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレン
グリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリ
コールアクリレート、メトキシポリエチレングリコール
メタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアク
リレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレ
ート、n−ブトキシエチルアクリレート、n−ブトキシ
エチルメタクリレート、エトキシジエチレングリコール
アクリレート、エトキシジエチレングリコールメタクリ
レート、メトキシジプロピレングリコールアクリレー
ト、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、
フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェ
ノキシポリエチレングリコールメタクリレート、ノニル
フェノールエチレンオキサイド付加物アクリレート、ノ
ニルフェノールエチレンオキサイド付加物メタクリレー
ト、2−エチルヘキシルジグリコールアクリレート、2
−エチルヘキシルジグリコールメタクリレート、ポリエ
チレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリ
コールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコール
モノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタ
クリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレング
リコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールポ
リプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチ
レングリコールポリテトラメチレングリコールモノアク
リレート、ポリエチレングリコールポリテトラメチレン
グリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコ
ールポリテトラメチレングリコールモノアクリレート、
ポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコー
ルモノメタクリレート。
【0153】〔A’がA’(11)の場合〕3−アクリ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリル
オキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキ
シプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシ
プロピルトリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロ
ピルモノメチルジメトキシシラン、3−メタクリルオキ
シプロピルモノメチルジメトキシシラン、3−アクリル
オキシプロピルモノメチルジエトキシシラン、3−メタ
クリルオキシプロピルモノメチルジエトキシシラン、3
−メタクリルオキシエチルオキシプロピルトリメトキシ
シラン。
【0154】〔A’がA’(12)の場合〕2−(2’
−ヒドロキシ−5’−アクリロイロキシエチルフェニ
ル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−メタクリロイロキシエチルフェニル)−2
H−ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4’
−(2−アクリロイロキシエトキシ)ジベンゾイルメタ
ン、4−tert−ブチル−4’−(2−メタクリロイ
ロキシエトキシ)ジベンゾイルメタン。
【0155】〔A’がA’(13)の場合〕2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアクリレート、
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタク
リレート、N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジルアクリレート、N−メチル−2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレー
ト。
【0156】(工程2)ポリオルガノシロキサンユニッ
トまたはポリアルキレンオキサイドユニットのうち、工
程1で用いたジアミン化合物に含まれるユニットとは異
なる他方のユニットを含みかつ両末端にそれぞれエポキ
シ基を有するジエポキシ化合物と、工程1で得られた生
成物とを反応させる工程。ここでは、両末端にエポキシ
キ基を有するブロックポリマーが得られる。
【0157】(工程3)製造しようとするブロックポリ
マーの末端がアミノ基である場合(即ち、一般式(5)
の場合)には、上述の工程2の反応で得られたブロック
ポリマーの両末端のエポキシ基に対して2級アミン化合
物をさらに反応させる。
【0158】以下に、一般式(4)および(5)で示さ
れる本発明のブロックポリマーの具体的な製造方法につ
いて説明する。
【0159】[I]一般式(4)で示されるブロックポ
リマーにおいて、U3 とU4 との組み合わせが上述の態
様1の場合。ここでは、工程1で用いるジアミン化合物
として下記の一般式(7)で示されるものを用い、ま
た、工程2で用いるジエポキシ化合物として下記の一般
式(8)で示されるものを用いる。
【0160】
【化38】
【0161】
【化39】
【0162】この場合、一般式(7)で示されるジアミ
ン化合物の両末端に位置する1級アミノ基が、それぞれ
一般式(6)で示されるアクリル系化合物の二重結合部
分にマイケル付加し、下記の一般式(9)で示される化
合物が生成物として得られる(工程1)。なお、一般式
(7)、(8)および(9)中、R9 、R10、R11、R
12、A’、fおよびgは、上述の一般式(4)の場合と
同様である。
【0163】
【化40】
【0164】なお、ここでは、通常、ジアミン化合物に
対してアクリル系化合物を1.8〜2.2倍モル用いる
のが好ましく、1.9〜2.1倍モル用いるのがより好
ましい。アクリル系化合物の使用量が1.8倍モル未満
の場合は、残存アミノ基が多くなり、ジエポキシ化合物
を反応させるとゲル化するおそれがある。逆に、2.2
倍モルを超えると、残存アミノ基が少なくなり、ジエポ
キシ化合物との反応が進行しにくい。また、マイケル付
加反応時の温度条件は、特に限定されるものではなく、
通常は室温で反応させることができる。
【0165】次に、得られた生成物に対して、一般式
(8)で示されるジエポキシ化合物を反応させる。これ
により、目的とするブロックポリマー、即ち、一般式
(4)で示されるブロックポリマーが得られる(工程
2)。
【0166】この反応を行なう際には、工程1での生成
物のXモルに対してジエポキシ化合物をX+0.8〜X
+1.2モル用いるのが好ましく、X+0.9〜X+
1.1モル用いるのがより好ましい。ジエポキシ化合物
の使用量がX+0.8モル未満の場合は、残存エポキシ
基が少なくなり、後の反応が進行しにくい。逆に、X+
1.2モルを超えると、残存エポキシ基が多くなり、こ
のブロックポリマーを添加した有機塗膜の耐候性に悪影
響を及ぼすおそれがある。
【0167】また、反応に際しては、通常、溶媒を用い
る。溶媒としては、例えば、n−ブタノール、ブチルセ
ロソルブおよびキシレン等を用いることができる。な
お、反応温度は、50〜120℃に設定するのが好まし
く、60〜100℃に設定するのがより好ましい。
【0168】[II]一般式(5)で示されるブロック
ポリマーにおいて、U3 とU4 との組み合わせが上述の
態様1の場合。このブロックポリマーを製造する場合
は、[I]の場合で得られたブロックポリマー(即ち、
一般式(4)で示されるブロックポリマー)の両末端に
それぞれ位置するエポキシ基に対し、2級アミン化合物
をさらに反応させる(工程3)。
【0169】ここで用いられる2級アミン化合物は、一
般式(5)に含まれるR26と同様の基が窒素原子に2つ
結合したものであり、通常、[I]で得られたブロック
ポリマーに対して1.8〜2.2倍モル、好ましくは
1.9〜2.1倍モル用いられる。また、この際の反応
温度は、通常、50〜120℃に設定される。
【0170】[III]一般式(4)で示されるブロッ
クポリマーにおいて、U3 とU4 との組み合わせが上述
の態様2の場合。工程1で用いるジアミン化合物として
下記の一般式(10)で示されるものを用い、また、工
程2で用いるジエポキシ化合物として下記の一般式(1
1)で示されるものを用いる点を除き、[I]の場合と
同様にして目的とするブロックポリマーを製造すること
ができる。
【0171】
【化41】
【0172】
【化42】
【0173】なお、工程1および工程2におけるジアミ
ン化合物とジエポキシ化合物との使用量や反応条件等
は、[I]の場合と同様に設定され得る。因に、工程1
で得られる生成物は、下記の一般式(12)で示される
ものである。なお、一般式(10)、(11)および
(12)中、R9 、R10、R11、R12、A’、fおよび
gは、上述の一般式(4)の場合と同様である。
【0174】
【化43】
【0175】[IV]一般式(5)で示されるブロック
ポリマーにおいて、U3 とU4 との組み合わせが上述の
態様2の場合。この場合、[III]で得られたブロッ
クポリマー(即ち、一般式(4)で示されるブロックポ
リマー)に対し、[II]の工程3の場合と同様にして
同様の2級アミン化合物を反応させると、目的とするブ
ロックポリマーが得られる。ここでの2級アミンの使用
量や反応条件等は、[II]の場合と同様に設定され得
る。
【0176】なお、上述の[I]〜[IV]において用
いられる各種化合物、即ち、一般式(6)で示されるア
クリル系化合物、一般式(7)または(10)で示され
るジアミン化合物、一般式(8)または(11)で示さ
れるジエポキシ化合物、および2級アミン化合物は、そ
れぞれ置換基の異なる2種以上のものが混合して用いら
れてもよい。
【0177】上述の有機塗料中における上述のブロック
ポリマーの含有量は、通常、有機塗料の樹脂固形分に対
して0.1〜5重量%に設定するのが好ましく、1〜3
重量%に設定するのがより好ましい。ブロックポリマー
の含有量が0.1重量%未満の場合は、有機塗膜と後述
する無機塗膜との密着性を十分に改善できない場合があ
る。逆に、5重量%を超えると、後述する無機塗料のぬ
れが悪くなる場合がある。
【0178】上述の有機塗料を用いて形成された有機塗
膜層は、必要に応じて意匠性を有していてもよい。ここ
での意匠性とは、例えば、着色顔料などによる単色また
は複数色の模様、或いは凹凸模様などをいう。
【0179】なお、有機塗膜層の厚さは、通常、5〜2
00μmに設定するのが好ましく、10〜100μmに
設定するのがより好ましい。厚さが5μm未満の場合
は、隠ぺい性などの意匠性に問題を生じる場合がある。
逆に、200μmを超えると、タレなどの作業性に問題
を生じる場合がある。
【0180】無機塗膜層 本発明の積層塗膜を構成する無機塗膜層は、無機塗料を
用いて形成されたものである。ここで用いられる無機塗
料は、特に限定されるものではないが、顔料容積濃度
(ピグメントボリュームコンテント:PVC)が40%
以下のものである。
【0181】このような無機塗膜層を構成する無機塗料
の具体例としては、例えば、下記の一般式(13)で示
されるアルコキシシラン系化合物(以下、アルコキシシ
ラン系化合物Aと略す)と、下記の一般式(14)で示
されるアルコキシシラン系化合物(以下、アルコキシシ
ラン化合物Bと略す)とをアルコキシシラン系化合物A
/アルコキシシラン系化合物Bの比率(重量基準)が1
00/0〜80/20になるよう混合したものを酸性条
件下で加水分解して得られるオルガノポリシロキサン樹
脂を100重量部(固形分換算)と、顔料を0〜250
重量部と、硬化促進剤を0.01〜20重量部と、適量
の溶剤とを含むものを挙げることができる。
【0182】
【化44】
【0183】一般式(13)および(14)中、R27
炭素原子数が1〜8個の有機基を、R28およびR29は炭
素原子数が1〜5個のアルキル基をそれぞれ示してい
る。
【0184】ここで、アルコキシシラン系化合物Aの具
体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、
n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエ
トキシシラン、iso−プロピルトリメトキシシラン、
iso−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメ
トキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシ
クロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポ
キシシクロヘキシルエチルトリエトキシシランなどを挙
げることができる。このうち、反応性および安定性の点
でメチルトリメトキシシランおよびメチルトリエトキシ
シランが好ましい。
【0185】一方、アルコキシシラン系化合物Bの具体
例としては、例えば、テトラメチルシリケート、テトラ
エチルシリケート、テトラ−n−プロピルシリケート、
テトラ−iso−プロピルシリケート、テトラ−n−ブ
チルシリケート、テトラ−iso−ブチルシリケート、
テトラ−sec−ブチルシリケートなどを挙げることが
できる。なお、アルコキシシラン系化合物Bとしては、
その部分縮合体である”メチルシリケート51”(三菱
化成株式会社製およびコルコート株式会社製の商品名)
や”エチルシリケート40”(コルコート株式会社製の
商品名)などを使用することもできる。
【0186】また、顔料としては、例えば、チタン白,
亜鉛華,弁柄および黄色酸化鉄などの着色顔料、大日精
化株式会社製の商品名”ダイピロキサイド”類やバイエ
ル社製の商品名”バイフェロックス”などの焼成着色顔
料、タルク、クレー、マイカ、硫酸バリウムなどの体質
顔料を挙げることができる。
【0187】さらに、硬化促進剤としては、例えば、ポ
リアミン類、アルミニウム含有キレート化合物および有
機スズ化合物を用いることができる。ここで、ポリアミ
ン類としては、分子内に窒素原子を2個以上含有する化
合物を用いることができ、具体的には、エチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、
テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルア
ミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、p,p’−ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジ
フェニルサルフェート、ピラゾール、2−ピラゾリン、
ベンゾピラゾール、イミダゾール、メチルイミダゾー
ル、ベンゾイミダゾール、2−イミダリン、イミダゾリ
ジン、1,2−ジアジン、1,3−ジアジン、1,4−
ジアジン、キナゾリン、キサジン、1,8−ジアザ−ビ
シクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジア
ザ−ビシクロ[4,3,0]−5−ノネン、1,2−ジ
メチル−1,4,5,6−テトラヒドピリミジン、2,
4−トリアゾール、ベンゾトリアゾールなどを挙げるこ
とができる。
【0188】また、アルミニウム含有キレート化合物と
しては、例えば、エチルアセテートアルミニウムジイソ
プロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセ
トナート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナー
ト)、アルミニウムモノアセチルアセトナートビス(エ
チルアセトアセトナート)を挙げることができる。
【0189】さらに、有機スズ化合物としては、下記の
構造式で示されるものを用いることができる。
【0190】
【化45】
【0191】
【化46】
【0192】なお、上述の無機塗料は、上述のアルコキ
シシラン系化合物Aとアルコキシシラン系化合物Bから
調製される上述のオルガノポリシロキサン樹脂として、
その80重量%以下を、加水分解性基と結合したケイ素
原子を有するシリル基を1分子中に少なくとも1個有す
るシリル基含有ビニル系樹脂で置換したものが用いられ
てもよい。このような無機塗料を用いた場合は、架橋密
度の大きい塗膜の実現が期待できる。なお上述のシリル
基含有ビニル系樹脂としては、例えば、ゼムラックシリ
ーズ(鐘淵化学工業株式会社製の商品名)を例示するこ
とができる。
【0193】また、上述の無機塗料は、意匠上、つや消
し塗膜とする観点から、他の成分として、例えば、コロ
イダルシリカやコロイダルアルミナなどのコロイダルメ
タロキサン、βジケトン類、βケトエステル類を含有し
ていてもよい。
【0194】上述の無機塗膜層を形成するための無機塗
料は、上述の有機塗膜層との密着性を高めることを目的
として、シランカップリング剤を含有しているのが好ま
しい。ここで用いられるシランカップリング剤は、特に
限定されるものではなく、公知の種々のものである。具
体的には、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの
他、上述の無機塗料の具体例で用いられるオルガノポリ
シロキサン樹脂を調製するためのアルコキシシラン系化
合物Aを挙げることができる。
【0195】上述のシランカップリング剤の含有量は、
通常、無機塗料の樹脂固形分に対して0.1〜5重量%
に設定するのが好ましく、0.5〜1重量%に設定する
のがより好ましい。シランカップリング剤の含有量が
0.1重量%未満の場合は、無機塗膜層と上述の有機塗
膜層との密着性を十分に高められない場合がある。逆
に、5重量%を超えると、塗膜の架橋密度が低下する場
合がある。
【0196】なお、上述の無機塗料を用いて形成される
無機塗膜層は、有機塗膜層が意匠性を有する場合、その
意匠性を損なわないようにするために、顔料を含まない
クリヤー塗膜であることが好ましい。
【0197】無機塗膜層の厚さは、通常、0.5〜50
μmに設定するのが好ましく、5〜20μmに設定する
のがより好ましい。厚さが0.5μm未満の場合は、十
分な耐候性が得られない場合がある。逆に、50μmを
超えると、タレなどの作業性、ワレなどの仕上がり性に
問題を生じる場合がある。
【0198】積層塗膜の形成方法 本発明に係る積層塗膜を形成する場合には、まず所定の
基材上に上述のブロックポリマーを含む有機塗料を塗布
して有機塗膜層を形成する。ここでは、通常の方法によ
り有機塗料を基材に塗布して塗膜を形成する。こうして
得られた有機塗膜層の表層部は、上述のブロックポリマ
ーを多く含むために表面の極性が高まり、良好な表面密
着性を示し得る。因に、ブロックポリマーが有機塗膜層
の表層部に多く含まれるのは、ブロックポリマーがポリ
オルガノシロキサンユニットを有しているために、膜形
成過程において塗膜の表層部に移行しやすいためである
と考えられる。
【0199】なお、有機塗膜層を形成する基材の表面に
は、予めプライマー層(シーラー層)が形成されていて
もよい。また、上述のようにして形成された有機塗膜層
は、次の工程へ移行する前に、予め加熱・乾燥しておく
のが好ましい。
【0200】次に、得られた有機塗膜層上に重ねて無機
塗膜層を形成する。ここでは、先に得られた有機塗膜層
の上に、通常の方法により上述の無機塗料を塗布する。
塗布された無機塗料は、硬化して無機塗膜層を形成する
が、この際、上述のように有機塗膜層が良好な表面密着
性を示すため、顔料容積濃度が40%未満であっても、
有機塗膜層と良好に密着し得る。なお、無機塗料が上述
のシランカップリング剤を含む場合は、有機塗膜層と無
機塗膜層との密着性をより高めることができる。
【0201】このようにして形成された本発明の積層塗
膜は、例えば、有機塗膜層が上述のような意匠性を有す
る場合、無機塗料層の顔料容積濃度を40%未満に設定
することができるので、当該意匠性が無機塗膜層により
損なわれるおそれが少ない。したがって、この場合、当
該積層塗膜は、有機塗膜層による意匠性と、無機塗膜層
による耐久性とを同時に達成することができる。
【0202】
【実施例】製造例(一般式(5)で示されるブロックポリマー(但
し、U3 およびU4 が態様1の場合)の製造) ジアミン化合物(東レダウコーニング株式会社製の商品
名”BY16−853C”:上述の一般式(7)中のR
9 およびR10がいずれもメチル基でありかつfが4〜8
の混合物。分子量=750)を53.3重量部と、キシ
レン50重量部とをフラスコに仕込み、乾燥窒素を吹き
込みながら70℃に加熱した。そして、4−ヒドロキシ
ブチルアクリレート(分子量=144)を20.5重量
部と、ノルマルブタノール20重量部とを30分かけて
同時に滴下した。
【0203】滴下終了後、上述の温度で1時間保持し、
ジエポキシ化合物(ナガセ化成株式会社製の商品名”デ
ナコールEX−810”:上述の一般式(8)中のR11
がエチレン基でありかつgが1〜3の混合物。分子量=
224)を21.2重量部と、キシレン20重量部とを
30分かけて同時に滴下した。
【0204】滴下終了後、さらに1時間保持し、ジエタ
ノールアミン5重量部とノルマルブタノール10重量部
とを30分かけて同時に滴下した。滴下終了後、さらに
1時間保持したところ、一般式(5)中の各部が下記の
通りのブロックポリマーが得られた。
【0205】
【化47】
【0206】実施例 酸化チタンを含有する白色のシリコーングラフトアクリ
ル樹脂系塗料(日本ペイント株式会社製の商品名”ニッ
ペシリコントップ(白)”)100重量部、当該塗料用
のポリイソシアネート系硬化剤(日本ペイント株式会社
製の商品名”ニッペシリコントップ硬化剤”)20重量
部、および製造例で得られたブロックポリマー1.2重
量部を撹拌・混合した。こうして得られた有機塗料を芳
香族炭化水素系希釈剤(日本ペイント株式会社製の商品
名”ニッペシリコントップシンナー”)を用いて適宜希
釈し、予めシーラー剤が塗布・乾燥されたスレート板に
膜厚が30〜40μmになるようスプレー塗装した。そ
して、これを30分間静置した後に150℃に設定した
オーブンで10分間焼付け処理し、有機塗膜層を得た。
【0207】次に、シリコーングラフトアクリル系樹脂
(大八化学株式会社製の商品名”OS−309D”)1
00重量部、ポリアルコキシシラン化合物(大八化学株
式会社製の商品名”OS−309A”)180重量部、
アルミキレート化合物(大八化学株式会社製の商品名”
Z−41AT”)20重量部、およびシランカップリン
グ剤(3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン:
信越化学工業株式会社製の商品名”KBE−403”)
1.29重量部を撹拌・混合した。こうして得られた無
機塗料を酢酸ブチルとイソプロピルアルコールとの混合
溶液(重量混合比率=1:1)を用いて適宜希釈し、上
述の有機塗膜層上に膜厚が10〜20μmになるようス
プレー塗装した。そして、これを30分間静置した後に
150℃に設定したオーブンで10分間焼付け処理し、
有機塗膜層上に無機塗膜層が積層された積層塗膜を得
た。
【0208】比較例1 有機塗料として上述のブロックポリマーを含まないもの
を用い、また、無機塗料として上述のシランカップリン
グ剤を含まないものを用いた点を除き、他は実施例と同
様にして積層塗膜を得た。
【0209】比較例2 無機塗料として上述のシランカップリング剤を含まない
ものを用いた点を除き、他は実施例と同様にして積層塗
膜を得た。
【0210】比較例3 有機塗料として上述のブロックポリマーを含まないもの
を用いた点を除き、他は実施例と同様にして積層塗膜を
得た。
【0211】評価 実施例および比較例で得られた積層塗膜について、有機
塗膜層と無機塗膜層との層間密着性を調べた。層間密着
性は、積層塗膜を40℃の温水に4週間浸漬する前後に
ついて調べた。評価は、JIS K 5400 8.
5.3のXカットテープ法に基づいて下記の通りに行な
った。結果を表4に示す。
【0212】 ○:6〜10点。 △:4点。 ×:0〜2点。
【0213】
【表4】
【0214】
【発明の効果】本発明に係る積層塗膜は、有機塗膜層と
無機塗膜層とを上述のように構成したので、無機塗膜層
側の顔料容積濃度を高く設定しなくても有機塗膜層と無
機塗膜層との密着性が良好である。
【0215】また、本発明に係る積層塗膜の形成方法で
は、上述のブロックポリマーを含む有機塗膜層を形成
し、当該有機塗膜層上に無機塗膜層を形成しているの
で、顔料容積濃度の高い無機塗料を用いなくても無機塗
膜層と無機塗膜層との密着性が良好な積層塗膜を形成す
ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機塗料による有機塗膜層と、 前記有機塗膜層上に配置された、顔料容積濃度が40%
    以下の無機塗料による無機塗膜層と、を備えた積層塗
    膜。
  2. 【請求項2】前記有機塗膜層が意匠性を有しており、か
    つ前記無機塗膜層がクリヤー塗膜である、請求項1に記
    載の積層塗膜。
  3. 【請求項3】前記有機塗膜層が、ポリオルガノシロキサ
    ンユニットと、ポリアルキレンオキサイドユニットと、
    前記ポリオルガノシロキサンユニットと前記ポリアルキ
    レンオキサイドユニットとを連結しかつ極性基を有する
    連結部とを備えたブロックポリマーを含んでいる、請求
    項1または2に記載の積層塗膜。
  4. 【請求項4】前記無機塗膜層が、シランカップリング剤
    を含んでいる、請求項3に記載の積層塗膜。
  5. 【請求項5】ポリオルガノシロキサンユニット、ポリア
    ルキレンオキサイドユニットおよび前記ポリオルガノシ
    ロキサンユニットと前記ポリアルキレンオキサイドユニ
    ットとを連結しかつ極性基を有する連結部を備えたブロ
    ックポリマーを含む有機塗料による有機塗膜層を形成す
    る工程と、 前記有機塗膜層上に顔料容積濃度が40%以下の無機塗
    料による無機塗膜層を形成する工程と、を含む積層塗膜
    の形成方法。
  6. 【請求項6】前記無機塗料がシランカップリング剤を含
    んでいる、請求項5に記載の積層塗膜の形成方法。
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JP35768096A Pending JPH10193499A (ja) 1996-12-29 1996-12-29 積層塗膜およびその形成方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005350892A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Panahome Corp 外壁塗装面の補修方法および外壁塗装構造

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JP2005350892A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Panahome Corp 外壁塗装面の補修方法および外壁塗装構造

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