JP3875756B2 - シリコーンエマルジョンコーティング材組成物とその製造方法 - Google Patents

シリコーンエマルジョンコーティング材組成物とその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐候性、耐久性、耐クラック性等に優れた被膜を形成することのできるシリコーンエマルジョンコーティング材組成物と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機溶剤系塗料は、その使用時に希釈有機溶剤を大気中に放出するため、地球環境問題の一つの要因になっている。その対策として、有機溶剤の代わりに水を希釈剤として用い、乳化剤を介してエマルジョン化したエマルジョン塗料が開発されている。
【0003】
エマルジョン塗料としては、アクリル系、ウレタン系およびアクリルシリコーン系が主流である。しかし、これらのエマルジョン塗料の塗膜は耐候性に劣る。そこで、耐候性に優れた塗膜を形成することのできるエマルジョン塗料が要求されている。
耐候性に優れた塗膜を形成することのできる塗料基剤としては、分子末端にアルコキシド基またはシラノール基を有する反応性シリコーン化合物が知られている。しかし、反応性シリコーン化合物は、有機溶剤中では安定に存在可能であるが、水と乳化剤を加えてエマルジョン化しても、この反応性シリコーン化合物の有するアルコキシド基またはシラノール基が水と重縮合反応してゲル化や沈殿等が起こりやすいため、長期間にわたるエマルジョン化は困難であった。そのため、反応性シリコーン化合物を長期間にわたり安定にエマルジョン化するためには、反応性シリコーン化合物の水に対する反応性を制限する必要性があった。
【0004】
そこで、分子末端を封鎖して水に対する反応性を抑制したシリコーンオイルを塗料基剤として用いたものがシリコーンエマルジョンコーティング材の主流になっている。しかし、シリコーンオイルは、反応性に劣るため、触媒等と混合してもコーティング塗膜内での架橋反応は進行しにくいので、耐久性があるシリコーン塗膜は得られない。そのため、シリコーンオイルを塗料基剤とするシリコーンエマルジョンコーティング材は、繊維分野における表面処理剤として主に使用されているにすぎず、塗料分野におけるコーティング材としては使用できない。
【0005】
また、反応性シリコーン化合物を塗料基剤とするシリコーンエマルジョンコーティング材は、その塗膜の硬化に150℃以上の加熱処理を必要とするため、低温硬化条件には対応できない。そこで、一般的には、このシリコーンエマルジョンコーティング材にオクチル酸スズ等の硬化触媒を添加することによって同コーティング材を室温硬化させる方法が特開昭58−101153号公報で提案されている。
【0006】
この公報に開示のシリコーンエマルジョン組成物は、(a)1分子中に2個以上のシラノール基を有するオルガノシロキサン部分加水分解物、アニオン系乳化剤および水からなるシリコーンエマルジョンと、(b)アミノファンクショナルシランもしくはその加水分解物と酸無水物との反応生成物およびコロイダルシリカからなる均一分散液と、(c)硬化触媒とからなる3液混合型シリコーンエマルジョン組成物である。この組成物は、基材に塗布されると、2次元架橋を中心としたゴム弾性を有する塗膜を形成する。
【0007】
この組成物に用いられる前記オルガノシロキサン部分加水分解物は、反応性シリコーン化合物の1種であり、その分子量は、限定こそされていないが、1万以上が望ましいとされている(前記公報第3頁右上欄第6〜8行)。このような大きい分子量では、水との反応に預かるシラノール基の分子中比率はないに等しいため、前記オルガノシロキサン部分加水分解物の水に対する反応性は低い。そのため、エマルジョンとしての安定性は、一応、高いと考えられる。
【0008】
しかし、前記公報に開示のシリコーンエマルジョン組成物は、硬化触媒がないと硬化しないため硬化触媒を必須成分とする。前記オルガノシロキサン部分加水分解物と硬化触媒とを共存させると、前記オルガノシロキサン部分加水分解物の架橋反応が進行しやすい。そのため、エマルジョンのゲル化、硬化塗膜の白濁等の不都合が生じやすい。また、硬化触媒の使用により、コストが高くつくという問題もある。このように、硬化触媒の使用には不利な点がある。
【0009】
また、反応性シリコーン化合物を塗料基剤とするシリコーンエマルジョンコーティング材は、塗膜形成時に、反応性シリコーン化合物の有するアルコキシド基またはシラノール基の架橋反応による硬化収縮が大きく、クラックを生じやすいという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、長期間にわたりエマルジョンとして安定であり、硬化触媒を使用しなくても低温硬化および加熱硬化が可能で、耐候性、耐久性等に優れた硬化被膜を形成することができるとともに、その硬化被膜の耐クラック性が向上したシリコーンエマルジョンコーティング材組成物と、その製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るシリコーンエマルジョンコーティング材組成物は、下記(A)、(B)、(C)および(D)成分を含んでなる。
(A)平均組成式R2 a SiOb (OR1)c (OH)d で表され(ここでR1 、R2 は1価の炭化水素基を示し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を満たす数である)、その重量平均分子量がポリスチレン換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分加水分解物。
【0012】
(B)一般式(II):HO(R3 2 SiO)n H(ここでR3 は1価の炭化水素基を示し、nは3以上の整数である)で表される両末端水酸基含有直鎖状ポリシロキサンジオール。
(C)乳化剤。
(D)水。
【0013】
本発明のシリコーンエマルジョンコーティング材組成物においては、前記両末端水酸基含有直鎖状ポリシロキサンジオールを表す前記一般式中のnが3≦n≦50の範囲内であることが好ましい。
本発明のシリコーンエマルジョンコーティング材組成物においては、前記(B)成分の含有量が、前記(A)成分に対し1〜50重量%の割合であることが好ましい。
【0014】
本発明のシリコーンエマルジョンコーティング材組成物においては、さらにコロイダルシリカが含まれていて、そのシリカ分が前記(A)成分と前記(B)成分との合計量に対し5〜100重量%の割合であることが好ましい。
本発明に係る、シリコーンエマルジョンコーティング材組成物の第1の製造方法は、前記(A)および(B)成分を含む混合物と、前記(C)成分と、前記(D)成分とを混合する工程を含む。
【0015】
本発明に係る、シリコーンエマルジョンコーティング材組成物の第2の製造方法は、前記(A)、(C)および(D)成分を含むエマルジョンと、前記(B)、(C)および(D)成分を含むエマルジョンとを混合する工程を含む。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の組成物の(A)成分として用いられるオルガノシロキサン部分加水分解物(以下、「オルガノシロキサン部分加水分解物(A)」と記す)は、分子末端に−OR1 基と−OH基(いずれもケイ素原子に直接結合している)を両方とも有し、3次元架橋性のシリコーン化合物である。
【0017】
オルガノシロキサン部分加水分解物(A)を表す前記式(I)中のR1 およびR2 は1価の炭化水素基を示し、互いに同一のものであってもよいし異なるものであってもよい。
2 は、1価の炭化水素基であれば特に限定はされないが、炭素数1〜8の置換または非置換の1価の炭化水素基が好適であり、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換炭化水素基;γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピル基等の置換炭化水素基等を例示することができる。これらの中でも、合成の容易さ或いは入手の容易さから炭素数1〜4のアルキル基およびフェニル基が好ましい。
【0018】
また、R1 は、1価の炭化水素基であれば特に限定はされないが、たとえば、炭素数1〜4のアルキル基が好適である。
オルガノシロキサン部分加水分解物(A)の調製方法としては、特に限定はされないが、たとえば、前記式(I)中のR1 がアルキル基(OR1 がアルコキシ基)であるものを得る場合について例示すると、加水分解性オルガノクロロシランおよび加水分解性オルガノアルコキシシランからなる群の中から選ばれた1種もしくは2種以上の加水分解性オルガノシランを公知の方法により大量の水で加水分解することで得られるシラノール基含有ポリオルガノシロキサンのシラノール基を部分的にアルコキシ化することにより、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)を得ることができる。なお、この調製方法において、加水分解性オルガノアルコキシシランを用いて加水分解を行う場合は、水量を調節することでアルコキシ基の一部のみを加水分解することにより、未反応のアルコキシ基と、シラノール基とが共存したオルガノシロキサン部分加水分解物(A)を得ることができるので、前述した、シラノール基含有ポリオルガノシロキサンのシラノール基を部分的にアルコキシ化する処理が省ける場合がある。
【0019】
前記加水分解性オルガノクロロシランとしては、特に限定はされないが、たとえば、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン等が挙げられる。
前記加水分解性オルガノアルコキシシランとしては、特に限定はされないが、たとえば、一般式(III) :R2 m Si(OR1)4-m (ここでR1 、R2 は前記式(I)中のものと同じであり、mは0〜3の整数)で表される加水分解性オルガノシランのうち、R1 がアルキル基であるものが挙げられる。具体的には、m=0のテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどが例示でき、m=1のオルガノトリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどが例示できる。また、m=2のジオルガノジアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシランなどが例示でき、m=3のトリオルガノアルコキシシランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラン、ジメチルイソブチルメトキシシランなどが例示できる。
【0020】
加水分解性オルガノシランを部分加水分解するために用いられる触媒は、特に限定するものではないが、酸性触媒としては、塩酸、硝酸等の水溶性の酸や、後述する酸性コロイダルシリカ等が例示でき、塩基性触媒としては、アンモニア水溶液や塩基性コロイダルシリカ等が例示できる。加水分解性オルガノシランとしてR1 が低級アルキル基の加水分解性オルガノアルコキシシランを用いた場合、その部分加水分解において低級脂肪族アルコールが発生するが、この低級脂肪族アルコールは両親媒性の溶剤であり、エマルジョンの安定性を低下させるので、本発明の組成物の調製の際には予め脱溶媒して除いておくことが望ましい。
【0021】
オルガノシロキサン部分加水分解物(A)を表す前記式(I)中のa、b、cおよびdは前述した関係を満たす数である。aが3以上の場合は、コーティング被膜の硬化がうまく進行しないという不都合がある。b=0の場合は、b=0の場合は、モノマーであり、硬化被膜を形成できないという問題がある。bが2の場合は、シリカ(SiO2 (オルガノシロキサンではない))であり、硬化被膜にクラックを生じるという問題がある。c=0の場合は、分子末端がR2 基と、親水基であるOH基のみになるため、分子全体での親水性が増加してエマルジョンの長期安定性が得られない。c=4の場合は、モノマーであり、硬化被膜を形成できないという問題がある。d=0の場合は、分子末端がR2 基とOR1 基の疎水基のみになるために、エマルジョンの長期安定性には有利であるが、OR1 基はコーティング被膜硬化時の架橋反応性に欠けるため、十分な硬化被膜を得ることができない。d=4の場合は、モノマーであり、硬化被膜を形成できないという問題がある。
【0022】
オルガノシロキサン部分加水分解物(A)の重量平均分子量はポリスチレン換算で600〜5000の範囲である。600未満の場合は、コーティング硬化塗膜にクラックを生じる等の不都合があり、5000を超えると、硬化がうまく進行しないという不都合を生じる。
オルガノシロキサン部分加水分解物(A)は、上記の構造を持ち、かつ、その重量平均分子量が上記所定範囲内にあるため、反応性が高い。そのため、これを含む本発明の組成物は、その塗膜の硬化に硬化触媒を必要としないとともに、加熱硬化だけでなく低温硬化も可能である。また、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)は、反応性が高いにも関わらず、その分子末端基の親水性−疎水性バランスが良好であるため、長期間安定なエマルジョン化が可能である。
【0023】
本発明の組成物の(B)成分として用いられる両末端水酸基含有直鎖状ポリシロキサンジオール(以下、「両末端水酸基含有直鎖状ポリシロキサンジオール(B)」または単に「ポリシロキサンジオール(B)」と記す)は、組成物の硬化を促進して低温硬化をより確実に達成させるとともに、組成物のコーティング硬化被膜に靭性(柔軟性)を付与して該被膜の耐クラック性を向上させるための成分である。
【0024】
両末端水酸基含有直鎖状ポリシロキサンジオール(B)を表す前記一般式(II)中、R3 は、1価の炭化水素基であれば特に限定はされないが、たとえば、前記式(I)中のR2 として前述したものと同じものが使用できる。そのようなR3 を有する直鎖状ポリシロキサンジオールの中でも、硬化被膜の耐候性を低下させない点、該被膜の耐クラック性をより向上させる点および入手の容易さの点から、ジメチルシロキサンジオール、メチルフェニルシロキサンジオールが好ましい。
【0025】
両末端水酸基含有直鎖状ポリシロキサンジオール(B)は、分子末端のOH基以外に反応基を有していないために、比較的反応性に乏しい分子である。そのため、硬化被膜中において、ポリシロキサンジオール(B)は、分子末端のみが(A)成分と結合または未結合の状態にある。ポリシロキサンジオール(B)の主鎖は、2次元構造であり、比較的動きやすい状態で存在するため、(A)成分の架橋による硬化収縮を吸収してクラックの発生を防止することができる。また、ポリシロキサンジオール(B)は、その両末端の水酸基が(A)成分のOR1 基と比較的容易に結合することができるため、(A)成分の分子間の架橋剤としての構造を低温で形成することができる。そのため、(A)成分のOR1 基に見合うポリシロキサンジオール(B)の水酸基が存在すれば、塗布被膜の低温での硬化をより確実に達成することができる。つまり、ポリシロキサンジオール(B)により、塗布被膜の柔軟化剤および硬化促進剤の両効果を得ることができる。これらの効果は、前記式(II)中のnが3≦n≦50(より好ましくは5〜45)の範囲内にあるポリシロキサンジオール(B)で最も大きい。ポリシロキサンジオール(B)は、直鎖状なので、硬化応力を吸収しやすく、架橋剤としてのネットワーク構造を形成しやすい。nが大きい程、柔軟化剤としての効果が大きく、nが3未満の場合は柔軟化剤としての効果はない。nが小さいもの程、末端−OH基の反応性が高くなるため硬化剤としての効果が高い。nが50より大きい場合は、末端−OH基の反応性が低くなるため硬化剤としての効果が低く且つその分子が大きくなる傾向があるため、(A)成分中に取り込まれず、塗膜中で相分離や白濁等を招来する恐れがある。
【0026】
本発明の組成物中、ポリシロキサンジオール(B)の含有量は、nの大きさによって異なり、特に限定はされないが、たとえば、(A)成分に対し、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜20重量%の割合である。1重量%未満では十分な架橋剤としてのネットワーク構造を形成できず、50重量%を超えると未結合のポリシロキサンジオール(B)が塗膜の硬化阻害を引き起こす等の不都合が生じる傾向がある。(A)成分に対し、nが大きいものから小さいものまでポリシロキサンジオール(B)を適量混合することにより、低温での硬化性がより高く、且つ、耐クラック性の向上した硬化被膜を形成することのできるシリコーンエマルジョンコーティング材組成物を提供できる。
【0027】
本発明の組成物の(C)成分として用いられる乳化剤(以下、「乳化剤(C)」と記す)は、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)およびポリシロキサンジオール(B)を水中にエマルジョン粒子として分散させるための乳化剤(エマルジョン化剤)である。
乳化剤(C)としては、特に限定はされないが、たとえば、一般的な保護コロイドおよび界面活性剤からなる群の中から選ばれた少なくとも1種を用いることができる。
【0028】
保護コロイドとしては、特に限定はされないが、たとえば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、水溶性セルロース誘導体(たとえば、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース等)、でんぷん、寒天、ゼラチン、アラビアガム、アルギン酸、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、マレイン化ポリブタジエン誘導体、ナフタレンスルホン酸縮合物、ポリアクリル酸塩、アクリル酸アミド、アクリル酸エステル等が挙げられる。
【0029】
界面活性剤としては、特に限定はされないが、たとえば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、脂肪酸塩、ロジン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤;アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレン共重合体、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン化多価アルコール脂肪族エステル等のノニオン系界面活性剤;アルキルアミノプロピオン酸、アルキルイミノジプロピオン酸、イミダゾリンカルボン酸、アルキルベタイン、スルホベタイン、アミンオキシド等の両性界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、エマルジョンの長期安定性のためにはアニオン系またはノニオン系の界面活性剤が望ましい。
【0030】
本発明の組成物中の乳化剤(C)の含有量は、特に限定されるわけではないが、たとえば、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)とポリシロキサンジオール(B)との合計量に対し、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜15重量%の割合である。1重量%未満であると、乳化が困難になる傾向がある。30重量%を超えると、被膜の硬化性および耐候性が損なわれる恐れがある。
【0031】
本発明の組成物の(D)成分として用いられる水(以下、「水(D)」と記す)の含有量は、特に限定されるわけではないが、たとえば、組成物全量中で、好ましくは50〜90重量%、より好ましくは60〜80重量%の割合である。水(D)の含有量が上記範囲を外れると、エマルジョンの安定性が低下し、沈殿物を発生する等の不都合を生じる傾向がある。
【0032】
本発明の組成物は、エマルジョン粒子内でのオルガノシロキサン部分加水分解物(A)の分子量安定性向上のため等の必要に応じて、非水溶性の有機溶剤を含むことができる。使用可能な非水溶性の有機溶剤としては、特に限定はされないが、25℃の水100gに対する溶解度が1g以下のもの、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン等を例示することができる。このような非水溶性の有機溶剤を使用する場合、その含有量は、環境上などの問題を引き起こさない範囲内、たとえば、組成物全量に対し、好ましくは0〜20重量%、より好ましくは0〜10重量%の割合である。
【0033】
本発明の組成物は、エマルジョンの安定性向上のために通常添加される増粘剤または保護コロイド剤等を必要に応じて含むことができる。保護コロイドは、前述した乳化剤としてだけではなく、粘度増加剤としても使用できる。
上記増粘剤または保護コロイド剤としては、特に限定はされないが、たとえば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類;グアガム、ローカストビーンガム等の多糖類;ゼラチン、カゼイン等の動物性タンパク質類;可溶性デンプン類、アルギン酸類、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子化合物等が挙げられる。
【0034】
ノニオン性ウレタンアクリルブロックコーポリマーも増粘剤として用いることができる。ノニオン性ウレタンアクリルブロックコーポリマーは、エマルジョン粒子に対し会合性を示し、非常に均一なエマルジョンと増粘剤のネットワークを形成することで、本発明の組成物のエマルジョン安定性を向上させるとともに本発明の組成物に優れたフロー性、レベリング性および厚膜性を付与することができる。このようなノニオン性ウレタンアクリルブロックコーポリマーは、その市販品を容易に入手することができる。本発明の組成物がノニオン性ウレタンアクリルブロックコーポリマーを含む場合、その含有量は、特に限定はされないが、たとえば、(A)成分と(B)成分との合計量に対し、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%の割合である。0.1重量%未満の場合は、上記ネットワークが十分に形成できない傾向があり、10重量%を超えると、硬化被膜の耐候性が損なわれる傾向がある。
【0035】
本発明の組成物は、必要に応じて、顔料を含むことができる。顔料としては、特に限定はされないが、たとえば、カーボンブラック、キナクリドン、ナフトールレッド、シアニンブルー、シアニングリーン、ハンザイエロー等の有機顔料;酸化チタン、硫酸バリウム、弁柄、複合金属酸化物等の無機顔料がよく、これらの群から選ばれる1種あるいは2種以上を組み合わせて使用しても差し支えない。
【0036】
顔料の分散方法としては、通常のダイノーミール、ペイントシェーカー等による顔料粉を直接分散する方法ではエマルジョンが破壊され、相分離、ゲル化、沈殿生成等の不都合を生じる恐れがある。そこで、顔料分散方法としては、分散剤を介して顔料を水に(好ましくは高濃度に)分散してなる顔料ベースをエマルジョンに添加し、適度に攪拌する方法等が望ましい。顔料ベースの市販品は容易に入手できる。顔料ベースは、分散剤の他に、湿潤剤、粘性コントロール剤等を含んでいてもよい。なお、分散剤の一例として、前記ノニオン性ウレタンアクリルブロックコーポリマーを挙げることができるが、これに限定されない。
【0037】
顔料ベースの分散方法は、特に限定はされず、通常の分散法でよい。その際、分散助剤、カップリング剤等の使用も可能である。
本発明の組成物は、必要に応じて、上記以外の成分、たとえば、レベリング剤、染料、金属粉、ガラス粉、抗菌剤(好ましくは無機抗菌剤)、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、防カビ剤等をも、本発明の効果に悪影響を与えない範囲内で含むことができる。
【0038】
本発明の組成物は、硬化触媒なしで低温硬化および加熱硬化が可能なので、硬化触媒を含む必要はないのであるが、塗布被膜の硬化促進等の目的で必要に応じて、硬化触媒を含んでいてもよい。硬化触媒としては、特に限定はされないが、たとえば、アルキルチタン酸塩類;オクチル酸錫、ラウリン酸錫、オクチル酸鉄、オクチル酸鉛、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジマレエート等のカルボン酸金属塩類;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、チタニウムテトラアセチルアセトネート等のチタニウム化合物;酢酸リチウム、蟻酸ナトリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属塩;n−ヘキシルアミン、グアニジン、ジブチルアミン−2−ヘキソエート、ジメチルアミンアセテート、エタノールアミンアセテート等のアミン化合物またはその塩酸塩等が挙げられる。これらの硬化触媒は、その使用に際して予め常法により乳化剤(C)と水(D)を使用してエマルジョンにしておくことが望ましい。
【0039】
本発明の組成物は、必要に応じて、コロイダルシリカをも含むことができる。コロイダルシリカは、優れた造膜性をコーティング被膜に付与し、コーティング被膜の塗膜硬度を高める効果がある。
コロイダルシリカ中のシリカ分は、特に限定されるわけではないが、たとえば、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)とポリシロキサンジオール(B)との合計量に対し、好ましくは5〜100重量%、より好ましくは15〜80重量%の割合である。シリカ分が5重量%未満であると、所望の塗膜強度が得られない傾向があり、100重量%を超えると、コロイダルシリカの均一分散が困難となり、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)およびポリシロキサンジオール(B)がゲル化する等の不都合を招来することがある。
【0040】
コロイダルシリカとしては、特に限定はされないが、たとえば、水に分散したもの、あるいは、アルコールなどの非水系の有機溶媒に分散したものが使用できる。一般に、このようなコロイダルシリカは、固形分としてのシリカを20〜50重量% 含有しており、この値からシリカ配合量を決定できる。水に分散したコロイダルシリカは、水系なので、そのままエマルジョンに導入できる利点がある。非水系の有機溶媒に分散したコロイダルシリカは、エマルジョンの安定性を低下させるので、直接エマルジョンに導入することはできない。非水系の有機溶媒に分散したコロイダルシリカは、前記一般式(III) で表される加水分解性オルガノシランの反応性触媒として使用すれば、非水系の有機溶媒中に分散した(A)成分とコロイダルシリカとの混合物として得ることができる。この混合物から有機溶媒を脱溶媒すれば、(A)成分とコロイダルシリカとの混合物としてのエマルジョン化が可能になる。また、水に分散したコロイダルシリカにおいて、固形分以外の成分として存在する水は、前記一般式(III) で表される加水分解性オルガノシランの硬化剤として用いることができる。
【0041】
水に分散したコロイダルシリカは、通常、水ガラスから作られるが、市販品として容易に入手することができる。また、有機溶媒に分散したコロイダルシリカは、前記水分散コロイダルシリカ中の水を有機溶媒と置換することで容易に調製することができる。このような有機溶剤分散コロイダルシリカも水分散コロイダルシリカと同様に市販品として容易に入手することができる。コロイダルシリカが分散している有機溶媒の種類は、特に限定はされないが、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体;およびジアセトンアルコール等を挙げることができ、これらからなる群より選ばれた1種もしくは2種以上を使用することができる。これらの親水性有機溶媒と併用して、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシムなども用いることができる。これらの中でも、脱溶媒の容易さから、低級脂肪族アルコール類が好ましい。
【0042】
本発明の組成物は、後述の有機溶剤の脱溶媒を行う場合の脱溶媒時からエマルジョン化までの期間の反応性を抑える目的、および/または、硬化被膜の硬化性能を維持させる目的で、必要に応じ、重合抑制剤として、以下に示す非イオン性界面活性剤をさらに含んでいてもよい。重合抑制剤として使える非イオン性界面活性剤としては、特に限定はされないが、たとえば、HLB数が5.0〜20.0の範囲内にあるポリオキシエチレン付加非イオン性界面活性剤等が挙げられる。HLB数が上記範囲外では、重合を抑止する効果がないだけでなく、重合を促進さえする場合もある。
【0043】
重合抑制剤として使用できる上記ポリオキシエチレン付加非イオン性界面活性剤の具体例としては、特に限定はされないが、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等が挙げられる。これらの物質を単独使用または併用してもよい。また、これらの重合抑制剤を乳化剤(C)として使用してもよい。
【0044】
重合抑制剤の使用量は、特に限定はされないが、たとえば、(A)成分と(B)成分の合計量に対し、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜15重量%である。1重量%未満では、その効果が見られず、30重量%を超えると、被膜の硬化性および耐候性が損なわれる。
本発明の組成物を塗装する方法は、特に限定されるものではなく、たとえば、刷毛塗り、スプレー、浸漬、バー、フロー、ロール、カーテン、ナイフコート等の通常の各種塗装方法を選択することができる。組成物を希釈する場合は、水による希釈が望ましいが、必要に応じては、塗布面のレベリング性または乾燥性を調節するためにブチルカルビトール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等の比較的高沸点の有機溶剤を組成物に少量添加してもよい。
【0045】
本発明の組成物を塗布する際に、被塗装基材の材質や表面状態によっては、そのまま本発明の組成物を塗布すると密着性が得にくい場合があるので、基材の表面にプライマー層を予め形成させておいてもよい。プライマー層としては、特に限定はされないが、たとえば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、塩化ゴム樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂等の樹脂の硬化層等が挙げられる。プライマー層の厚みは、特に限定はされないが、たとえば、0.1〜50μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましい。この厚みが薄すぎると密着が得られない恐れがあり、厚すぎると乾燥時に発泡等の恐れがある。
【0046】
基材に塗布された本発明の組成物を硬化させる方法は、公知の方法を用いればよく、特に限定はされない。また、硬化の際の温度も特に限定はされず、所望される硬化被膜性能に応じて常温〜加熱温度の広い範囲をとることができる。
本発明の組成物から形成される塗膜(硬化被膜)の厚みは、特に制限はなく、たとえば、0.1〜50μm程度が好ましいが、塗膜が長期的に安定に密着、保持され、クラックや剥離等が発生しないためには、より好ましくは1〜20μmである。
【0047】
本発明の組成物を製造する方法としては、特に限定はされないが、たとえば、(A)、(B)、(C)および(D)成分を混合攪拌することにより得ることができる。攪拌方法、いわゆる乳化方法は、特に限定はされず、公知の方法を使用できるが、たとえば、ホモジナイザー、ホモミキサー等の乳化機を用いて乳化する方法等が挙げられる。その際、(A)、(B)、(C)および(D)成分の混合順序は、特に限定はされないが、たとえば、(A)、(B)および(D)成分を均一に混合後、これに、(C)成分、または、(C)および(D)成分を添加し、前記乳化機を用いて乳化する方法等が挙げられる。
【0048】
本発明の組成物を製造する方法は、上記のものに限定されない。たとえば、本発明の第1の製造方法または第2の製造方法を用いてもよい。
前述した、コロイダルシリカをも含むシリコーンエマルジョンコーティング材組成物が所望される場合には、(A)成分の調製は、前記一般式(III) で表される加水分解性オルガノシランを、酸性コロイダルシリカと水(D)と混合する方法により行ってもよい。この方法では、前記一般式(III) の加水分解性オルガノシランと、酸性コロイダルシリカと、水(D)とが混合されることにより、酸性コロイダルシリカの触媒作用で加水分解性オルガノシランが水(D)により部分加水分解されてオルガノシロキサン部分加水分解物(A)が生成し、これにより、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)およびコロイダルシリカを含む混合物が得られる。その後、この混合物を、ポリシロキサンジオール(B)と、乳化剤(C)と混合し(前記の工程で水(D)がまったく残らないかあるいは必要量残らない場合はここで水(D)を追加する)、乳化させることにより、コロイダルシリカをも含むシリコーンエマルジョンコーティング材組成物を得ることができる。
【0049】
上記の方法で用いられる酸性コロイダルシリカとしては、コロイダルシリカとして前述したもののうち、酸性のものが挙げられる。酸性コロイダルシリカは、水に分散したもの及び有機溶剤に分散したもののいずれか一方を使用できるし、あるいは、両方を併用することもできる。この方法で用いられる前記一般式(III) の加水分解性オルガノシランの具体例としては、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)の原料として前述した加水分解性オルガノアルコキシシラン等が挙げられるが、これに限定されない。
【0050】
上記の方法において、前記一般式(III) の加水分解性オルガノシランと、酸性コロイダルシリカと、水(D)とを混合する際に使用される水(D)の量は、特に限定はされないが、たとえば、前記加水分解性オルガノシラン中のOR1 基1モル当量当たり,好ましくは0.3〜2.0モル、より好ましくは0.4〜1.0モルの割合である。なお、水に分散した酸性コロイダルシリカを用いる場合、水(D)の上記モル量は、この水分散酸性コロイダルシリカ中に固形分以外の成分として存在する水を含めた量である。有機溶剤に分散した酸性コロイダルシリカを用いた場合等では、有機溶剤を除去する脱溶媒工程が後で必要なのだが、水(D)のモル量が0.3モル未満では、有機溶剤を脱溶媒する際に、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)の分子量分布における低分子量シリコーン化合物が有機溶剤とともに系外に除かれる傾向がある。一方、水(D)のモル量が2.0モルを超えると、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)の貯蔵安定性が低下し、ゲル化する恐れがある。
【0051】
上記の方法において、加水分解性オルガノシランと、酸性コロイダルシリカと、水(D)とを混合する際には、必要に応じてpH調節を行ってもよい。
シリコーンエマルジョンコーティング材組成物を製造する際、(A)成分の原料として加水分解性オルガノアルコキシシランを用いた場合には、その加水分解によりアルコールが副成する。このアルコール、特に低級脂肪族アルコールは、両親媒性の溶剤であるため、エマルジョンの安定性を低下させるので、エマルジョン化の前に予め脱溶媒工程を行ってアルコールを除去しておくことが好ましい。また、コロイダルシリカをも含むシリコーンエマルジョンコーティング材組成物を製造する際にコロイダルシリカとして有機溶剤分散コロイダルシリカを用いた場合にも、有機溶剤が系中に含まれてくるので、エマルジョン化の前に予め脱溶媒工程を行って有機溶剤を除去しておくことが好ましい。
【0052】
脱溶媒の容易さからは、加水分解性オルガノアルコキシシランの有するR1 は低級アルキル基が、有機溶剤分散コロイダルシリカに含まれる有機溶剤は低級脂肪族アルコールがそれぞれ望ましい。
有機溶剤の脱溶媒法としては、特に限定はされないが、たとえば、加熱・常圧、常温・減圧または加熱・減圧の条件下で有機溶剤を脱溶媒させる方法が望ましい。
【0053】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明を詳細に説明する。実施例および比較例中、特に断らない限り、「部」はすべて「重量部」を、「%」はすべて「重量%」を表す。また、分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、測定機種として東ソー(株)のHLC8020を用いて、標準ポリスチレンで検量線を作成し、測定したものである。なお、本発明は下記実施例に限定されない。
【0054】
まず、(A)成分の調製例を説明する。
(調製例A−1):
攪拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロートおよび温度計を取り付けたフラスコに、水1000部、アセトン50部を計り取り、その混合溶液中に、メチルトリクロロシラン44.8部(0.3モル)とジメチル1.2,1.4,1.6ジクロロシラン38.7部(0.3モル)とフェニルトリクロロシラン84.6部(0.4モル)とトルエン200部とからなる溶液を攪拌下に滴下しながら60℃で加水分解した。滴下が終了してから40分後に攪拌を止め、反応液を分液ロートに移し入れて静置した後、二層に分離した下層の塩酸水を分液除去し、次に、上層のオルガノポリシロキサンのトルエン溶液中に残存している水と塩酸を減圧ストリッピングにより過剰のトルエンとともに留去して除去することにより、反応性分子末端シラノール基含有オルガノポリシロキサンのトルエン50%溶液を得た。
【0055】
この溶液100部にメチルトリメトキシシラン5部およびジメチルジメトキシシラン5部を加えてなる混合溶液中に、ジブチルスズジラウレート0.6部とトルエン10部とからなる溶液を攪拌下に滴下しながらシラノール基のアルコキシ化を60℃で行った。滴下が終了してから40分後に攪拌を止め、ジブチルスズジラウレートおよびメタノールを過剰のトルエンとともに留去して除去することにより、重量平均分子量2000のオルガノシロキサン部分加水分解物の80%トルエン溶液を得た。これをA−1と称する。
【0056】
(調製例A−2):
メチルトリメトキシシラン70部、ジメチルジメトキシシラン30部およびテトラエトキシシラン30部を混合し、次いで、イソプロピルアルコール60部で希釈し、さらに0.01規定塩酸7.2部を水40部で希釈したものを添加し、攪拌して室温で加水分解した。得られた液を60℃恒温槽中で加熱することにより、重量平均分子量1500のオルガノシロキサン部分加水分解物の30%混合アルコール溶液を得た。これをA−2と称する。
【0057】
(調製例A−3):
メチルトリメトキシシラン70部およびジメチルジメトキシシラン30部に、水分散酸性コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20%)40部を添加し、室温で攪拌混合した。得られた液を60℃恒温槽中で加熱することにより、重量平均分子量1200のコロイダルシリカ混合オルガノシロキサン部分加水分解物の40%メタノール溶液を得た。これをA−3と称する。なお、上記で得られたオルガノシロキサン部分加水分解物はすべて前記平均組成式(I)を満たすものであることが確認されている。
【0058】
次に、(B)成分およびそのエマルジョン化について説明する。
重量平均分子量Mw=800(n≒11)の直鎖状ジメチルポリシロキサンジオール。これをB−1と称する。
B−1の直鎖状ジメチルポリシロキサンジオール50部に、乳化剤としてポリオキシエチレンノニルフェノルエーテル(HLB 11.0)5部を添加し、均一に攪拌した。これに水45部を攪拌下で加えた後、ホモジナイザー(300kg/cm2 )処理を行うことにより、シリコーンジオールエマルジョンを得た。これをB−1(E)と称する。
【0059】
重量平均分子量Mw=3000(n≒40)の直鎖状ジメチルポリシロキサンジオール。これをB−2と称する。
B−2の直鎖状ジメチルポリシロキサンジオール50部に、乳化剤としてポリオキシエチレンノニルフェノルエーテル(HLB 11.0)5部を添加し、均一に攪拌した。これに水45部を攪拌下で加えた後、ホモジナイザー(300kg/cm2 )処理を行うことにより、シリコーンジオールエマルジョンを得た。これをB−2(E)と称する。
【0060】
分子量=166(n=2)の直鎖状ジメチルポリシロキサンジオール。これをB−3と称する。
次に、シリコーンエマルジョンコーティング材組成物を調製した。
(実施例1):
調製例A−1で得られた(A)成分の80%トルエン溶液100部に、(B−1)20部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ4部を添加し、均一に攪拌した。これに、水140部を攪拌下で加えた後、ホモジナイザー(300kg/cm2 )処理を行うことにより、シリコーンエマルジョンコーティング材組成物を得た。
(実施例2):
調製例A−2で得られた(A)成分の30%混合アルコール溶液100部に、(B−1)3部、(B−2)1部、重合抑制剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB 12.6)2部を添加し、均一に攪拌後、ロータリーエバポレーターを用いてアルコールを留去した。得られた残留物36部に、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2部を添加し、均一に攪拌した。これに、水100部を攪拌下で加えた後、ホモジナイザー(300kg/cm2 )処理を行うことにより、シリコーンエマルジョンコーティング材組成物を得た。
(実施例3):
調製例A−1で得られた(A)成分の80%トルエン溶液100部に、乳化剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB 13.7)4部を添加し、均一に攪拌した。これに、水140部を攪拌下で加えた後、ホモジナイザー(300kg/cm2 )処理によりエマルジョン化を行った。その後、B−1(E)エマルジョン30部を添加し攪拌することにより、シリコーンエマルジョンコーティング材組成物を得た。
(実施例4):
調製例A−3で得られたコロイダルシリカ混合(A)成分の40%メタノール溶液100部に、(B−1)3部、(B−2)1部、重合抑制剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB 5.7)2部を添加し、均一に攪拌後、ロータリーエバポレーターを用いてメタノールを留去した。得られた残留物46部に、乳化剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB13.7)2部を添加し、均一に攪拌した。これに、水100部を攪拌下で加えた後、ホモジナイザー(300kg/cm2 )処理を行うことにより、シリコーンエマルジョンコーティング材組成物を得た。
(実施例5):
調製例A−2で得られた(A)成分の30%混合アルコール溶液100部に、(B−1)3部、(B−2)1部、重合抑制剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB 14.1)2部を添加し、均一に攪拌後、ロータリーエバポレーターを用いてアルコールを留去した。得られた残留物36部に、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2部を添加し、均一に攪拌した。これに、水80部を攪拌下で加えた後、ホモジナイザー(300kg/cm2 )処理によりエマルジョン化を行った。その後、水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20%)85部を添加し攪拌することにより、シリコーンエマルジョンコーティング材組成物を得た。
(実施例6):
調製例A−2で得られた(A)成分の30%混合アルコール溶液100部に、重合抑制剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB 14.1)2部を添加し、均一に攪拌後、ロータリーエバポレーターを用いてアルコールを留去した。得られた残留物32部に、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2部を添加し、均一に攪拌した。これに、水80部を攪拌下で加えた後、ホモジナイザー(300kg/cm2 )処理によりエマルジョン化を行った。その後、B−1(E)エマルジョン6部、B−2(E)エマルジョン2部および水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20%)85部を添加し攪拌することにより、シリコーンエマルジョンコーティング材組成物を得た。
(比較例1):
調製例A−1で得られた(A)成分の80%トルエン溶液100部に、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ4部を添加し、均一に攪拌した。これに、水120部を攪拌下で加えた後、ホモジナイザー(300kg/cm2 )処理を行うことにより、比較用シリコーンエマルジョンコーティング材組成物を得た。
(比較例2):
調製例A−2で得られた(A)成分の30%混合アルコール溶液100部に、重合抑制剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB 14.1)2部を添加し、均一に攪拌後、ロータリーエバポレーターを用いてアルコールを留去した。得られた残留物32部に、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2部を添加し、均一に攪拌した。これに、水80部を攪拌下で加えた後、ホモジナイザー(300kg/cm2 )処理によりエマルジョン化を行った。その後、水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20%)75部を添加し攪拌することにより、比較用シリコーンエマルジョンコーティング材組成物を得た。
(比較例3):
攪拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロートおよび温度計を取り付けたフラスコに、水1000部、アセトン50部を計り取り、その混合溶液中に、メチルトリクロロシラン44.8部(0.3モル)とジメチル1.2,1.4,1.6ジクロロシラン38.7部(0.3モル)とフェニルトリクロロシラン84.6部(0.4モル)とトルエン200部とからなる溶液を攪拌下に滴下しながら100℃で加水分解した。滴下が終了してから2時間後に攪拌を止め、反応液を分液ロートに移し入れて静置した後、二層に分離した下層の塩酸水を分液除去し、次に、上層のオルガノポリシロキサンのトルエン溶液中に残存している水と塩酸を減圧ストリッピングにより過剰のトルエンとともに留去して除去することにより、反応性分子末端シラノール基含有オルガノポリシロキサンのトルエン50%溶液を得た。
【0061】
この溶液100部にメチルトリメトキシシラン5部およびジメチルジメトキシシラン5部を加えてなる混合溶液中に、ジブチルスズジラウレート0.6部とトルエン10部とからなる溶液を攪拌下に滴下しながらシラノール基のアルコキシ化を60℃で行った。滴下が終了してから40分後に攪拌を止め、ジブチルスズジラウレートおよびメタノールを過剰のトルエンとともに留去して除去することにより、重量平均分子量8000のオルガノシロキサン部分加水分解物の80%トルエン溶液を得た。これを比較用A−1と称する。
【0062】
このトルエン溶液100部に、(B−1)20部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ4部を添加し、均一に攪拌した。これに、水140部を攪拌下で加えた後、ホモジナイザー(300kg/cm2 )処理を行うことにより、比較用シリコーンエマルジョンコーティング材組成物を得た。
(比較例4):
調製例A−1で得られた(A)成分の80%トルエン溶液100部に、(B−3)20部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ4部を添加し、均一に攪拌した。これに、水140部を攪拌下で加えた後、ホモジナイザー(300kg/cm2 )処理を行うことにより、比較用シリコーンエマルジョンコーティング材組成物を得た。
【0063】
上記で得られた実施例および比較例のシリコーンエマルジョンコーティング材組成物の特性を以下の方法で評価した。
(乳化安定性):
エマルジョン化の1か月後に組成物の乳化状態を目視で観察し、以下の判断基準で評価した。
【0064】
○:均一白乳色液体で、凝集沈殿物なし。
△:均一白乳色液体だが、微量の凝集沈殿物あり。
×:不均一相分離が起きていて、沈殿物あり。
(造膜性):
パイレックスガラスプレートの表面に組成物をバーコータ塗装機で乾燥塗膜厚が5μmになるように塗布し、室温で乾燥させて、乾燥被膜の状態を目視で観察し、以下の判断基準で評価した。
【0065】
○:連続透明被膜。
×:不連続不透明被膜(相分離、白濁)。
(耐クラック性):
アルミナプレートの表面に組成物をバーコータ塗装機で乾燥塗膜厚が5μm、10μmまたは20μmになるように塗布し、室温で乾燥させた後、150℃で20分間促進硬化させることにより得られた塗膜外観を目視で観察し、以下の判断基準で評価した。
【0066】
○:クラックなし。
△:局部的に微細クラック発生。
×:全面にクラック発生。
(硬化性):
アルミナプレートの表面に組成物をバーコータ塗装機で乾燥塗膜厚が5μmになるように塗布し、室温で乾燥させた後、温度40℃、湿度90%に設定した恒温恒湿槽中で1週間硬化させ、形成された硬化被膜の鉛筆硬度をJIS−K5400に準じて測定した。
(耐候性):
パイレックスガラスプレートの表面に組成物をバーコータ塗装機で乾燥塗膜厚が5μmになるように塗布し、室温で乾燥させて得られた被膜について、スガ試験機社製のサンシャインスーパーロングライフウェーザーメーター(型番:WEL−SUN−HC)を用いて1200時間の促進耐候性試験を行い、促進耐候性試験前後の色差(E値)を色差計(日本電色工業社製、品番Σ80)で測定し、ΔEを算出した。
【0067】
シリコーンエマルジョンコーティング材組成物の配合を表1、2に、その評価結果を表3、4に示す。
【0068】
【表1】
Figure 0003875756
【0069】
【表2】
Figure 0003875756
【0070】
【表3】
Figure 0003875756
【0071】
【表4】
Figure 0003875756
【0072】
【発明の効果】
本発明のシリコーンエマルジョンコーティング材組成物は、水性であるため環境上の問題が少ないだけでなく、長期間にわたりエマルジョンとして安定であり、硬化触媒を使用しなくても低温硬化および加熱硬化が可能で、耐候性、耐久性等に優れた硬化被膜を形成することができる。この硬化被膜は、両末端水酸基含有直鎖状ポリシロキサンジオール(B)を含むので、靭性(柔軟性)を有し、そのため耐クラック性にも優れる。また、本発明の組成物は、硬化触媒を含む必要がないので、低コスト化が図れるとともに、保存中に硬化が進むことが少ない(ポットライフが長い)。
【0073】
本発明に係る製造方法によれば、上記シリコーンエマルジョンコーティング材組成物を好適に製造することができる。

Claims (6)

  1. 下記(A)、(B)、(C)および(D)成分を含んでなるシリコーンエマルジョンコーティング材組成物。
    (A)平均組成式R2 a SiOb (OR1)c (OH)d で表され(ここでR1 、R2 は1価の炭化水素基を示し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を満たす数である)、その重量平均分子量がポリスチレン換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分加水分解物。
    (B)一般式HO(R3 2 SiO)n H(ここでR3 は1価の炭化水素基を示し、nは3以上の整数である)で表される両末端水酸基含有直鎖状ポリシロキサンジオール。
    (C)乳化剤。
    (D)水。
  2. 前記両末端水酸基含有直鎖状ポリシロキサンジオールを表す前記一般式中のnが3≦n≦50の範囲内である請求項1に記載のシリコーンエマルジョンコーティング材組成物。
  3. 前記(B)成分の含有量が、前記(A)成分に対し1〜50重量%の割合である請求項1または2に記載のシリコーンエマルジョンコーティング材組成物。
  4. コロイダルシリカをも含み、そのシリカ分が前記(A)成分と前記(B)成分との合計量に対し5〜100重量%の割合である請求項1から3までのいずれかに記載のシリコーンエマルジョンコーティング材組成物。
  5. 下記(A)および(B)成分を含む混合物と、下記(C)成分と、下記(D)成分とを混合する工程を含むシリコーンエマルジョンコーティング材組成物の製造方法。
    (A)平均組成式R2 a SiOb (OR1)c (OH)d で表され(ここでR1 、R2 は1価の炭化水素基を示し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を満たす数である)、その重量平均分子量がポリスチレン換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分加水分解物。
    (B)一般式HO(R3 2 SiO)n H(ここでR3 は1価の炭化水素基を示し、nは3以上の整数である)で表される両末端水酸基含有直鎖状ポリシロキサンジオール。
    (C)乳化剤。
    (D)水。
  6. 下記(A)、(C)および(D)成分を含むエマルジョンと、下記(B)、(C)および(D)成分を含むエマルジョンとを混合する工程を含むシリコーンエマルジョンコーティング材組成物の製造方法。
    (A)平均組成式R2 a SiOb (OR1)c (OH)d で表され(ここでR1 、R2 は1価の炭化水素基を示し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を満たす数である)、その重量平均分子量がポリスチレン換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分加水分解物。
    (B)一般式HO(R3 2 SiO)n H(ここでR3 は1価の炭化水素基を示し、nは3以上の整数である)で表される両末端水酸基含有直鎖状ポリシロキサンジオール。
    (C)乳化剤。
    (D)水。
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