JPH10168392A - シリコーンエマルジョンコーティング材組成物とその製造方法 - Google Patents
シリコーンエマルジョンコーティング材組成物とその製造方法Info
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- JPH10168392A JPH10168392A JP33402696A JP33402696A JPH10168392A JP H10168392 A JPH10168392 A JP H10168392A JP 33402696 A JP33402696 A JP 33402696A JP 33402696 A JP33402696 A JP 33402696A JP H10168392 A JPH10168392 A JP H10168392A
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Abstract
り、硬化触媒を使用しなくても低温硬化および加熱硬化
が可能で、耐候性、耐久性、耐クラック性等に優れた硬
化被膜を形成することのできるシリコーンエマルジョン
コーティング材組成物と、その製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 組成物は、(A) 式R2 a SiO b (OR1) c (O
H) dで表され、重量平均分子量がポリスチレン換算で60
0-5000であるオルガノシロキサン部分加水分解物、(B)
式HO(R3 2SiO)n H の直鎖状ポリシロキサンジオール、
(C) 乳化剤及び(D) 水を含む。製造方法は、例えば(A)
(B)混合成分と(C) 成分と(D) 成分とを混合する工程を
含む。
Description
耐クラック性等に優れた被膜を形成することのできるシ
リコーンエマルジョンコーティング材組成物と、その製
造方法に関する。
機溶剤を大気中に放出するため、地球環境問題の一つの
要因になっている。その対策として、有機溶剤の代わり
に水を希釈剤として用い、乳化剤を介してエマルジョン
化したエマルジョン塗料が開発されている。
ウレタン系およびアクリルシリコーン系が主流である。
しかし、これらのエマルジョン塗料の塗膜は耐候性に劣
る。そこで、耐候性に優れた塗膜を形成することのでき
るエマルジョン塗料が要求されている。耐候性に優れた
塗膜を形成することのできる塗料基剤としては、分子末
端にアルコキシド基またはシラノール基を有する反応性
シリコーン化合物が知られている。しかし、反応性シリ
コーン化合物は、有機溶剤中では安定に存在可能である
が、水と乳化剤を加えてエマルジョン化しても、この反
応性シリコーン化合物の有するアルコキシド基またはシ
ラノール基が水と重縮合反応してゲル化や沈殿等が起こ
りやすいため、長期間にわたるエマルジョン化は困難で
あった。そのため、反応性シリコーン化合物を長期間に
わたり安定にエマルジョン化するためには、反応性シリ
コーン化合物の水に対する反応性を制限する必要性があ
った。
応性を抑制したシリコーンオイルを塗料基剤として用い
たものがシリコーンエマルジョンコーティング材の主流
になっている。しかし、シリコーンオイルは、反応性に
劣るため、触媒等と混合してもコーティング塗膜内での
架橋反応は進行しにくいので、耐久性があるシリコーン
塗膜は得られない。そのため、シリコーンオイルを塗料
基剤とするシリコーンエマルジョンコーティング材は、
繊維分野における表面処理剤として主に使用されている
にすぎず、塗料分野におけるコーティング材としては使
用できない。
とするシリコーンエマルジョンコーティング材は、その
塗膜の硬化に150℃以上の加熱処理を必要とするた
め、低温硬化条件には対応できない。そこで、一般的に
は、このシリコーンエマルジョンコーティング材にオク
チル酸スズ等の硬化触媒を添加することによって同コー
ティング材を室温硬化させる方法が特開昭58−101
153号公報で提案されている。
組成物は、(a)1分子中に2個以上のシラノール基を
有するオルガノシロキサン部分加水分解物、アニオン系
乳化剤および水からなるシリコーンエマルジョンと、
(b)アミノファンクショナルシランもしくはその加水
分解物と酸無水物との反応生成物およびコロイダルシリ
カからなる均一分散液と、(c)硬化触媒とからなる3
液混合型シリコーンエマルジョン組成物である。この組
成物は、基材に塗布されると、2次元架橋を中心とした
ゴム弾性を有する塗膜を形成する。
キサン部分加水分解物は、反応性シリコーン化合物の1
種であり、その分子量は、限定こそされていないが、1
万以上が望ましいとされている(前記公報第3頁右上欄
第6〜8行)。このような大きい分子量では、水との反
応に預かるシラノール基の分子中比率はないに等しいた
め、前記オルガノシロキサン部分加水分解物の水に対す
る反応性は低い。そのため、エマルジョンとしての安定
性は、一応、高いと考えられる。
ルジョン組成物は、硬化触媒がないと硬化しないため硬
化触媒を必須成分とする。前記オルガノシロキサン部分
加水分解物と硬化触媒とを共存させると、前記オルガノ
シロキサン部分加水分解物の架橋反応が進行しやすい。
そのため、エマルジョンのゲル化、硬化塗膜の白濁等の
不都合が生じやすい。また、硬化触媒の使用により、コ
ストが高くつくという問題もある。このように、硬化触
媒の使用には不利な点がある。
とするシリコーンエマルジョンコーティング材は、塗膜
形成時に、反応性シリコーン化合物の有するアルコキシ
ド基またはシラノール基の架橋反応による硬化収縮が大
きく、クラックを生じやすいという問題がある。
間にわたりエマルジョンとして安定であり、硬化触媒を
使用しなくても低温硬化および加熱硬化が可能で、耐候
性、耐久性等に優れた硬化被膜を形成することができる
とともに、その硬化被膜の耐クラック性が向上したシリ
コーンエマルジョンコーティング材組成物と、その製造
方法を提供することにある。
エマルジョンコーティング材組成物は、下記(A)、
(B)、(C)および(D)成分を含んでなる。 (A)平均組成式R2 a SiOb (OR1)c (OH)d
で表され(ここでR1、R2 は1価の炭化水素基を示
し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦
a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を
満たす数である)、その重量平均分子量がポリスチレン
換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分
加水分解物。
O)n H(ここでR3 は1価の炭化水素基を示し、nは
3以上の整数である)で表される両末端水酸基含有直鎖
状ポリシロキサンジオール。 (C)乳化剤。 (D)水。
ング材組成物においては、前記両末端水酸基含有直鎖状
ポリシロキサンジオールを表す前記一般式中のnが3≦
n≦50の範囲内であることが好ましい。本発明のシリ
コーンエマルジョンコーティング材組成物においては、
前記(B)成分の含有量が、前記(A)成分に対し1〜
50重量%の割合であることが好ましい。
ング材組成物においては、さらにコロイダルシリカが含
まれていて、そのシリカ分が前記(A)成分と前記
(B)成分との合計量に対し5〜100重量%の割合で
あることが好ましい。本発明に係る、シリコーンエマル
ジョンコーティング材組成物の第1の製造方法は、前記
(A)および(B)成分を含む混合物と、前記(C)成
分と、前記(D)成分とを混合する工程を含む。
ーティング材組成物の第2の製造方法は、前記(A)、
(C)および(D)成分を含むエマルジョンと、前記
(B)、(C)および(D)成分を含むエマルジョンと
を混合する工程を含む。
て用いられるオルガノシロキサン部分加水分解物(以
下、「オルガノシロキサン部分加水分解物(A)」と記
す)は、分子末端に−OR1 基と−OH基(いずれもケ
イ素原子に直接結合している)を両方とも有し、3次元
架橋性のシリコーン化合物である。
を表す前記式(I)中のR1 およびR2 は1価の炭化水
素基を示し、互いに同一のものであってもよいし異なる
ものであってもよい。R2 は、1価の炭化水素基であれ
ば特に限定はされないが、炭素数1〜8の置換または非
置換の1価の炭化水素基が好適であり、たとえば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;
シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキ
ル基;2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基
等のアラルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール
基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;クロロメチ
ル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオ
ロプロピル基等のハロゲン置換炭化水素基;γ−メタク
リロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカ
プトプロピル基等の置換炭化水素基等を例示することが
できる。これらの中でも、合成の容易さ或いは入手の容
易さから炭素数1〜4のアルキル基およびフェニル基が
好ましい。
特に限定はされないが、たとえば、炭素数1〜4のアル
キル基が好適である。オルガノシロキサン部分加水分解
物(A)の調製方法としては、特に限定はされないが、
たとえば、前記式(I)中のR1 がアルキル基(OR1
がアルコキシ基)であるものを得る場合について例示す
ると、加水分解性オルガノクロロシランおよび加水分解
性オルガノアルコキシシランからなる群の中から選ばれ
た1種もしくは2種以上の加水分解性オルガノシランを
公知の方法により大量の水で加水分解することで得られ
るシラノール基含有ポリオルガノシロキサンのシラノー
ル基を部分的にアルコキシ化することにより、オルガノ
シロキサン部分加水分解物(A)を得ることができる。
なお、この調製方法において、加水分解性オルガノアル
コキシシランを用いて加水分解を行う場合は、水量を調
節することでアルコキシ基の一部のみを加水分解するこ
とにより、未反応のアルコキシ基と、シラノール基とが
共存したオルガノシロキサン部分加水分解物(A)を得
ることができるので、前述した、シラノール基含有ポリ
オルガノシロキサンのシラノール基を部分的にアルコキ
シ化する処理が省ける場合がある。
ては、特に限定はされないが、たとえば、メチルトリク
ロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルトリク
ロロシラン、ジフェニルジクロロシラン等が挙げられ
る。前記加水分解性オルガノアルコキシシランとして
は、特に限定はされないが、たとえば、一般式(III) :
R2 m Si(OR1)4-m (ここでR1 、R2 は前記式
(I)中のものと同じであり、mは0〜3の整数)で表
される加水分解性オルガノシランのうち、R1 がアルキ
ル基であるものが挙げられる。具体的には、m=0のテ
トラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシランなどが例示でき、m=1のオ
ルガノトリアルコキシシランとしては、メチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイ
ソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フ
ェニルトリエトキシシラン、3,3,3-トリフルオロプロピ
ルトリメトキシシランなどが例示できる。また、m=2
のジオルガノジアルコキシシランとしては、ジメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニ
ルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メ
チルフェニルジメトキシシランなどが例示でき、m=3
のトリオルガノアルコキシシランとしては、トリメチル
メトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチ
ルメトキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラン、
ジメチルイソブチルメトキシシランなどが例示できる。
するために用いられる触媒は、特に限定するものではな
いが、酸性触媒としては、塩酸、硝酸等の水溶性の酸
や、後述する酸性コロイダルシリカ等が例示でき、塩基
性触媒としては、アンモニア水溶液や塩基性コロイダル
シリカ等が例示できる。加水分解性オルガノシランとし
てR1 が低級アルキル基の加水分解性オルガノアルコキ
シシランを用いた場合、その部分加水分解において低級
脂肪族アルコールが発生するが、この低級脂肪族アルコ
ールは両親媒性の溶剤であり、エマルジョンの安定性を
低下させるので、本発明の組成物の調製の際には予め脱
溶媒して除いておくことが望ましい。
を表す前記式(I)中のa、b、cおよびdは前述した
関係を満たす数である。aが3以上の場合は、コーティ
ング被膜の硬化がうまく進行しないという不都合があ
る。b=0の場合は、b=0の場合は、モノマーであ
り、硬化被膜を形成できないという問題がある。bが2
の場合は、シリカ(SiO2 (オルガノシロキサンでは
ない))であり、硬化被膜にクラックを生じるという問
題がある。c=0の場合は、分子末端がR2 基と、親水
基であるOH基のみになるため、分子全体での親水性が
増加してエマルジョンの長期安定性が得られない。c=
4の場合は、モノマーであり、硬化被膜を形成できない
という問題がある。d=0の場合は、分子末端がR2 基
とOR1 基の疎水基のみになるために、エマルジョンの
長期安定性には有利であるが、OR1基はコーティング
被膜硬化時の架橋反応性に欠けるため、十分な硬化被膜
を得ることができない。d=4の場合は、モノマーであ
り、硬化被膜を形成できないという問題がある。
の重量平均分子量はポリスチレン換算で600〜500
0の範囲である。600未満の場合は、コーティング硬
化塗膜にクラックを生じる等の不都合があり、5000
を超えると、硬化がうまく進行しないという不都合を生
じる。オルガノシロキサン部分加水分解物(A)は、上
記の構造を持ち、かつ、その重量平均分子量が上記所定
範囲内にあるため、反応性が高い。そのため、これを含
む本発明の組成物は、その塗膜の硬化に硬化触媒を必要
としないとともに、加熱硬化だけでなく低温硬化も可能
である。また、オルガノシロキサン部分加水分解物
(A)は、反応性が高いにも関わらず、その分子末端基
の親水性−疎水性バランスが良好であるため、長期間安
定なエマルジョン化が可能である。
れる両末端水酸基含有直鎖状ポリシロキサンジオール
(以下、「両末端水酸基含有直鎖状ポリシロキサンジオ
ール(B)」または単に「ポリシロキサンジオール
(B)」と記す)は、組成物の硬化を促進して低温硬化
をより確実に達成させるとともに、組成物のコーティン
グ硬化被膜に靭性(柔軟性)を付与して該被膜の耐クラ
ック性を向上させるための成分である。
オール(B)を表す前記一般式(II)中、R3 は、1価
の炭化水素基であれば特に限定はされないが、たとえ
ば、前記式(I)中のR2 として前述したものと同じも
のが使用できる。そのようなR 3 を有する直鎖状ポリシ
ロキサンジオールの中でも、硬化被膜の耐候性を低下さ
せない点、該被膜の耐クラック性をより向上させる点お
よび入手の容易さの点から、ジメチルシロキサンジオー
ル、メチルフェニルシロキサンジオールが好ましい。
オール(B)は、分子末端のOH基以外に反応基を有し
ていないために、比較的反応性に乏しい分子である。そ
のため、硬化被膜中において、ポリシロキサンジオール
(B)は、分子末端のみが(A)成分と結合または未結
合の状態にある。ポリシロキサンジオール(B)の主鎖
は、2次元構造であり、比較的動きやすい状態で存在す
るため、(A)成分の架橋による硬化収縮を吸収してク
ラックの発生を防止することができる。また、ポリシロ
キサンジオール(B)は、その両末端の水酸基が(A)
成分のOR1 基と比較的容易に結合することができるた
め、(A)成分の分子間の架橋剤としての構造を低温で
形成することができる。そのため、(A)成分のOR1
基に見合うポリシロキサンジオール(B)の水酸基が存
在すれば、塗布被膜の低温での硬化をより確実に達成す
ることができる。つまり、ポリシロキサンジオール
(B)により、塗布被膜の柔軟化剤および硬化促進剤の
両効果を得ることができる。これらの効果は、前記式
(II)中のnが3≦n≦50(より好ましくは5〜4
5)の範囲内にあるポリシロキサンジオール(B)で最
も大きい。ポリシロキサンジオール(B)は、直鎖状な
ので、硬化応力を吸収しやすく、架橋剤としてのネット
ワーク構造を形成しやすい。nが大きい程、柔軟化剤と
しての効果が大きく、nが3未満の場合は柔軟化剤とし
ての効果はない。nが小さいもの程、末端−OH基の反
応性が高くなるため硬化剤としての効果が高い。nが5
0より大きい場合は、末端−OH基の反応性が低くなる
ため硬化剤としての効果が低く且つその分子が大きくな
る傾向があるため、(A)成分中に取り込まれず、塗膜
中で相分離や白濁等を招来する恐れがある。
ル(B)の含有量は、nの大きさによって異なり、特に
限定はされないが、たとえば、(A)成分に対し、好ま
しくは1〜50重量%、より好ましくは5〜20重量%
の割合である。1重量%未満では十分な架橋剤としての
ネットワーク構造を形成できず、50重量%を超えると
未結合のポリシロキサンジオール(B)が塗膜の硬化阻
害を引き起こす等の不都合が生じる傾向がある。(A)
成分に対し、nが大きいものから小さいものまでポリシ
ロキサンジオール(B)を適量混合することにより、低
温での硬化性がより高く、且つ、耐クラック性の向上し
た硬化被膜を形成することのできるシリコーンエマルジ
ョンコーティング材組成物を提供できる。
れる乳化剤(以下、「乳化剤(C)」と記す)は、オル
ガノシロキサン部分加水分解物(A)およびポリシロキ
サンジオール(B)を水中にエマルジョン粒子として分
散させるための乳化剤(エマルジョン化剤)である。乳
化剤(C)としては、特に限定はされないが、たとえ
ば、一般的な保護コロイドおよび界面活性剤からなる群
の中から選ばれた少なくとも1種を用いることができ
る。
いが、たとえば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニ
ルアルコール、水溶性セルロース誘導体(たとえば、エ
チルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシセルロ
ース等)、でんぷん、寒天、ゼラチン、アラビアガム、
アルギン酸、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、マ
レイン化ポリブタジエン誘導体、ナフタレンスルホン酸
縮合物、ポリアクリル酸塩、アクリル酸アミド、アクリ
ル酸エステル等が挙げられる。
が、たとえば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキ
ルナフタレンスルホン酸塩、脂肪酸塩、ロジン酸塩、ジ
アルキルスルホコハク酸塩、ヒドロキシアルカンスルホ
ン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル
塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンア
ルキルアリールエーテル硫酸エステル塩等のアニオン系
界面活性剤;アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、
テトラアルキルアンモニウム塩等のカチオン系界面活性
剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシ
プロピレン共重合体、多価アルコール脂肪酸部分エステ
ル、ポリオキシエチレン化多価アルコール脂肪族エステ
ル等のノニオン系界面活性剤;アルキルアミノプロピオ
ン酸、アルキルイミノジプロピオン酸、イミダゾリンカ
ルボン酸、アルキルベタイン、スルホベタイン、アミン
オキシド等の両性界面活性剤等が挙げられる。これらの
中でも、エマルジョンの長期安定性のためにはアニオン
系またはノニオン系の界面活性剤が望ましい。
は、特に限定されるわけではないが、たとえば、オルガ
ノシロキサン部分加水分解物(A)とポリシロキサンジ
オール(B)との合計量に対し、好ましくは1〜30重
量%、より好ましくは2〜15重量%の割合である。1
重量%未満であると、乳化が困難になる傾向がある。3
0重量%を超えると、被膜の硬化性および耐候性が損な
われる恐れがある。
れる水(以下、「水(D)」と記す)の含有量は、特に
限定されるわけではないが、たとえば、組成物全量中
で、好ましくは50〜90重量%、より好ましくは60
〜80重量%の割合である。水(D)の含有量が上記範
囲を外れると、エマルジョンの安定性が低下し、沈殿物
を発生する等の不都合を生じる傾向がある。
のオルガノシロキサン部分加水分解物(A)の分子量安
定性向上のため等の必要に応じて、非水溶性の有機溶剤
を含むことができる。使用可能な非水溶性の有機溶剤と
しては、特に限定はされないが、25℃の水100gに
対する溶解度が1g以下のもの、たとえば、ベンゼン、
トルエン、キシレン等を例示することができる。このよ
うな非水溶性の有機溶剤を使用する場合、その含有量
は、環境上などの問題を引き起こさない範囲内、たとえ
ば、組成物全量に対し、好ましくは0〜20重量%、よ
り好ましくは0〜10重量%の割合である。
向上のために通常添加される増粘剤または保護コロイド
剤等を必要に応じて含むことができる。保護コロイド
は、前述した乳化剤としてだけではなく、粘度増加剤と
しても使用できる。上記増粘剤または保護コロイド剤と
しては、特に限定はされないが、たとえば、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース等のセルロース類;グアガム、ローカストビ
ーンガム等の多糖類;ゼラチン、カゼイン等の動物性タ
ンパク質類;可溶性デンプン類、アルギン酸類、ポリビ
ニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性
高分子化合物等が挙げられる。
ポリマーも増粘剤として用いることができる。ノニオン
性ウレタンアクリルブロックコーポリマーは、エマルジ
ョン粒子に対し会合性を示し、非常に均一なエマルジョ
ンと増粘剤のネットワークを形成することで、本発明の
組成物のエマルジョン安定性を向上させるとともに本発
明の組成物に優れたフロー性、レベリング性および厚膜
性を付与することができる。このようなノニオン性ウレ
タンアクリルブロックコーポリマーは、その市販品を容
易に入手することができる。本発明の組成物がノニオン
性ウレタンアクリルブロックコーポリマーを含む場合、
その含有量は、特に限定はされないが、たとえば、
(A)成分と(B)成分との合計量に対し、好ましくは
0.1〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%の割
合である。0.1重量%未満の場合は、上記ネットワー
クが十分に形成できない傾向があり、10重量%を超え
ると、硬化被膜の耐候性が損なわれる傾向がある。
含むことができる。顔料としては、特に限定はされない
が、たとえば、カーボンブラック、キナクリドン、ナフ
トールレッド、シアニンブルー、シアニングリーン、ハ
ンザイエロー等の有機顔料;酸化チタン、硫酸バリウ
ム、弁柄、複合金属酸化物等の無機顔料がよく、これら
の群から選ばれる1種あるいは2種以上を組み合わせて
使用しても差し支えない。
ミール、ペイントシェーカー等による顔料粉を直接分散
する方法ではエマルジョンが破壊され、相分離、ゲル
化、沈殿生成等の不都合を生じる恐れがある。そこで、
顔料分散方法としては、分散剤を介して顔料を水に(好
ましくは高濃度に)分散してなる顔料ベースをエマルジ
ョンに添加し、適度に攪拌する方法等が望ましい。顔料
ベースの市販品は容易に入手できる。顔料ベースは、分
散剤の他に、湿潤剤、粘性コントロール剤等を含んでい
てもよい。なお、分散剤の一例として、前記ノニオン性
ウレタンアクリルブロックコーポリマーを挙げることが
できるが、これに限定されない。
ず、通常の分散法でよい。その際、分散助剤、カップリ
ング剤等の使用も可能である。本発明の組成物は、必要
に応じて、上記以外の成分、たとえば、レベリング剤、
染料、金属粉、ガラス粉、抗菌剤(好ましくは無機抗菌
剤)、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、消泡
剤、防カビ剤等をも、本発明の効果に悪影響を与えない
範囲内で含むことができる。
化および加熱硬化が可能なので、硬化触媒を含む必要は
ないのであるが、塗布被膜の硬化促進等の目的で必要に
応じて、硬化触媒を含んでいてもよい。硬化触媒として
は、特に限定はされないが、たとえば、アルキルチタン
酸塩類;オクチル酸錫、ラウリン酸錫、オクチル酸鉄、
オクチル酸鉛、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫
ジマレエート等のカルボン酸金属塩類;テトライソプロ
ピルチタネート、テトラブチルチタネート、チタニウム
テトラアセチルアセトネート等のチタニウム化合物;酢
酸リチウム、蟻酸ナトリウム、リン酸カリウム等のアル
カリ金属塩;n−ヘキシルアミン、グアニジン、ジブチ
ルアミン−2−ヘキソエート、ジメチルアミンアセテー
ト、エタノールアミンアセテート等のアミン化合物また
はその塩酸塩等が挙げられる。これらの硬化触媒は、そ
の使用に際して予め常法により乳化剤(C)と水(D)
を使用してエマルジョンにしておくことが望ましい。
ダルシリカをも含むことができる。コロイダルシリカ
は、優れた造膜性をコーティング被膜に付与し、コーテ
ィング被膜の塗膜硬度を高める効果がある。コロイダル
シリカ中のシリカ分は、特に限定されるわけではない
が、たとえば、オルガノシロキサン部分加水分解物
(A)とポリシロキサンジオール(B)との合計量に対
し、好ましくは5〜100重量%、より好ましくは15
〜80重量%の割合である。シリカ分が5重量%未満で
あると、所望の塗膜強度が得られない傾向があり、10
0重量%を超えると、コロイダルシリカの均一分散が困
難となり、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)お
よびポリシロキサンジオール(B)がゲル化する等の不
都合を招来することがある。
れないが、たとえば、水に分散したもの、あるいは、ア
ルコールなどの非水系の有機溶媒に分散したものが使用
できる。一般に、このようなコロイダルシリカは、固形
分としてのシリカを20〜50重量% 含有しており、この値
からシリカ配合量を決定できる。水に分散したコロイダ
ルシリカは、水系なので、そのままエマルジョンに導入
できる利点がある。非水系の有機溶媒に分散したコロイ
ダルシリカは、エマルジョンの安定性を低下させるの
で、直接エマルジョンに導入することはできない。非水
系の有機溶媒に分散したコロイダルシリカは、前記一般
式(III) で表される加水分解性オルガノシランの反応性
触媒として使用すれば、非水系の有機溶媒中に分散した
(A)成分とコロイダルシリカとの混合物として得るこ
とができる。この混合物から有機溶媒を脱溶媒すれば、
(A)成分とコロイダルシリカとの混合物としてのエマ
ルジョン化が可能になる。また、水に分散したコロイダ
ルシリカにおいて、固形分以外の成分として存在する水
は、前記一般式(III) で表される加水分解性オルガノシ
ランの硬化剤として用いることができる。
水ガラスから作られるが、市販品として容易に入手する
ことができる。また、有機溶媒に分散したコロイダルシ
リカは、前記水分散コロイダルシリカ中の水を有機溶媒
と置換することで容易に調製することができる。このよ
うな有機溶剤分散コロイダルシリカも水分散コロイダル
シリカと同様に市販品として容易に入手することができ
る。コロイダルシリカが分散している有機溶媒の種類
は、特に限定はされないが、たとえば、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブ
タノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコ
ール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エ
チレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリ
コール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘
導体;およびジアセトンアルコール等を挙げることがで
き、これらからなる群より選ばれた1種もしくは2種以
上を使用することができる。これらの親水性有機溶媒と
併用して、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メ
チルエチルケトオキシムなども用いることができる。こ
れらの中でも、脱溶媒の容易さから、低級脂肪族アルコ
ール類が好ましい。
媒を行う場合の脱溶媒時からエマルジョン化までの期間
の反応性を抑える目的、および/または、硬化被膜の硬
化性能を維持させる目的で、必要に応じ、重合抑制剤と
して、以下に示す非イオン性界面活性剤をさらに含んで
いてもよい。重合抑制剤として使える非イオン性界面活
性剤としては、特に限定はされないが、たとえば、HL
B数が5.0〜20.0の範囲内にあるポリオキシエチ
レン付加非イオン性界面活性剤等が挙げられる。HLB
数が上記範囲外では、重合を抑止する効果がないだけで
なく、重合を促進さえする場合もある。
シエチレン付加非イオン性界面活性剤の具体例として
は、特に限定はされないが、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル
類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポ
リオキシエチレンアルキルアリールエーテル類;ポリオ
キシエチレンソルビタンモノパルミテート等のポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等が挙げられ
る。これらの物質を単独使用または併用してもよい。ま
た、これらの重合抑制剤を乳化剤(C)として使用して
もよい。
いが、たとえば、(A)成分と(B)成分の合計量に対
し、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜1
5重量%である。1重量%未満では、その効果が見られ
ず、30重量%を超えると、被膜の硬化性および耐候性
が損なわれる。本発明の組成物を塗装する方法は、特に
限定されるものではなく、たとえば、刷毛塗り、スプレ
ー、浸漬、バー、フロー、ロール、カーテン、ナイフコ
ート等の通常の各種塗装方法を選択することができる。
組成物を希釈する場合は、水による希釈が望ましいが、
必要に応じては、塗布面のレベリング性または乾燥性を
調節するためにブチルカルビトール、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ等の比較的高沸点の有機溶剤を組
成物に少量添加してもよい。
材の材質や表面状態によっては、そのまま本発明の組成
物を塗布すると密着性が得にくい場合があるので、基材
の表面にプライマー層を予め形成させておいてもよい。
プライマー層としては、特に限定はされないが、たとえ
ば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹
脂、塩化ゴム樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポ
リエステル樹脂、メラミン樹脂等の樹脂の硬化層等が挙
げられる。プライマー層の厚みは、特に限定はされない
が、たとえば、0.1〜50μmが好ましく、0.5〜
10μmがより好ましい。この厚みが薄すぎると密着が
得られない恐れがあり、厚すぎると乾燥時に発泡等の恐
れがある。
せる方法は、公知の方法を用いればよく、特に限定はさ
れない。また、硬化の際の温度も特に限定はされず、所
望される硬化被膜性能に応じて常温〜加熱温度の広い範
囲をとることができる。本発明の組成物から形成される
塗膜(硬化被膜)の厚みは、特に制限はなく、たとえ
ば、0.1〜50μm程度が好ましいが、塗膜が長期的
に安定に密着、保持され、クラックや剥離等が発生しな
いためには、より好ましくは1〜20μmである。
特に限定はされないが、たとえば、(A)、(B)、
(C)および(D)成分を混合攪拌することにより得る
ことができる。攪拌方法、いわゆる乳化方法は、特に限
定はされず、公知の方法を使用できるが、たとえば、ホ
モジナイザー、ホモミキサー等の乳化機を用いて乳化す
る方法等が挙げられる。その際、(A)、(B)、
(C)および(D)成分の混合順序は、特に限定はされ
ないが、たとえば、(A)、(B)および(D)成分を
均一に混合後、これに、(C)成分、または、(C)お
よび(D)成分を添加し、前記乳化機を用いて乳化する
方法等が挙げられる。
ものに限定されない。たとえば、本発明の第1の製造方
法または第2の製造方法を用いてもよい。前述した、コ
ロイダルシリカをも含むシリコーンエマルジョンコーテ
ィング材組成物が所望される場合には、(A)成分の調
製は、前記一般式(III) で表される加水分解性オルガノ
シランを、酸性コロイダルシリカと水(D)と混合する
方法により行ってもよい。この方法では、前記一般式(I
II) の加水分解性オルガノシランと、酸性コロイダルシ
リカと、水(D)とが混合されることにより、酸性コロ
イダルシリカの触媒作用で加水分解性オルガノシランが
水(D)により部分加水分解されてオルガノシロキサン
部分加水分解物(A)が生成し、これにより、オルガノ
シロキサン部分加水分解物(A)およびコロイダルシリ
カを含む混合物が得られる。その後、この混合物を、ポ
リシロキサンジオール(B)と、乳化剤(C)と混合し
(前記の工程で水(D)がまったく残らないかあるいは
必要量残らない場合はここで水(D)を追加する)、乳
化させることにより、コロイダルシリカをも含むシリコ
ーンエマルジョンコーティング材組成物を得ることがで
きる。
リカとしては、コロイダルシリカとして前述したものの
うち、酸性のものが挙げられる。酸性コロイダルシリカ
は、水に分散したもの及び有機溶剤に分散したもののい
ずれか一方を使用できるし、あるいは、両方を併用する
こともできる。この方法で用いられる前記一般式(III)
の加水分解性オルガノシランの具体例としては、オルガ
ノシロキサン部分加水分解物(A)の原料として前述し
た加水分解性オルガノアルコキシシラン等が挙げられる
が、これに限定されない。
加水分解性オルガノシランと、酸性コロイダルシリカ
と、水(D)とを混合する際に使用される水(D)の量
は、特に限定はされないが、たとえば、前記加水分解性
オルガノシラン中のOR1 基1モル当量当たり,好まし
くは0.3〜2.0モル、より好ましくは0.4〜1.
0モルの割合である。なお、水に分散した酸性コロイダ
ルシリカを用いる場合、水(D)の上記モル量は、この
水分散酸性コロイダルシリカ中に固形分以外の成分とし
て存在する水を含めた量である。有機溶剤に分散した酸
性コロイダルシリカを用いた場合等では、有機溶剤を除
去する脱溶媒工程が後で必要なのだが、水(D)のモル
量が0.3モル未満では、有機溶剤を脱溶媒する際に、
オルガノシロキサン部分加水分解物(A)の分子量分布
における低分子量シリコーン化合物が有機溶剤とともに
系外に除かれる傾向がある。一方、水(D)のモル量が
2.0モルを超えると、オルガノシロキサン部分加水分
解物(A)の貯蔵安定性が低下し、ゲル化する恐れがあ
る。
シランと、酸性コロイダルシリカと、水(D)とを混合
する際には、必要に応じてpH調節を行ってもよい。シ
リコーンエマルジョンコーティング材組成物を製造する
際、(A)成分の原料として加水分解性オルガノアルコ
キシシランを用いた場合には、その加水分解によりアル
コールが副成する。このアルコール、特に低級脂肪族ア
ルコールは、両親媒性の溶剤であるため、エマルジョン
の安定性を低下させるので、エマルジョン化の前に予め
脱溶媒工程を行ってアルコールを除去しておくことが好
ましい。また、コロイダルシリカをも含むシリコーンエ
マルジョンコーティング材組成物を製造する際にコロイ
ダルシリカとして有機溶剤分散コロイダルシリカを用い
た場合にも、有機溶剤が系中に含まれてくるので、エマ
ルジョン化の前に予め脱溶媒工程を行って有機溶剤を除
去しておくことが好ましい。
ノアルコキシシランの有するR1 は低級アルキル基が、
有機溶剤分散コロイダルシリカに含まれる有機溶剤は低
級脂肪族アルコールがそれぞれ望ましい。有機溶剤の脱
溶媒法としては、特に限定はされないが、たとえば、加
熱・常圧、常温・減圧または加熱・減圧の条件下で有機
溶剤を脱溶媒させる方法が望ましい。
詳細に説明する。実施例および比較例中、特に断らない
限り、「部」はすべて「重量部」を、「%」はすべて
「重量%」を表す。また、分子量は、GPC(ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー)により、測定機種と
して東ソー(株)のHLC8020を用いて、標準ポリ
スチレンで検量線を作成し、測定したものである。な
お、本発明は下記実施例に限定されない。
サー、滴下ロートおよび温度計を取り付けたフラスコ
に、水1000部、アセトン50部を計り取り、その混
合溶液中に、メチルトリクロロシラン44.8部(0.
3モル)とジメチル1.2,1.4,1.6ジクロロシ
ラン38.7部(0.3モル)とフェニルトリクロロシ
ラン84.6部(0.4モル)とトルエン200部とか
らなる溶液を攪拌下に滴下しながら60℃で加水分解し
た。滴下が終了してから40分後に攪拌を止め、反応液
を分液ロートに移し入れて静置した後、二層に分離した
下層の塩酸水を分液除去し、次に、上層のオルガノポリ
シロキサンのトルエン溶液中に残存している水と塩酸を
減圧ストリッピングにより過剰のトルエンとともに留去
して除去することにより、反応性分子末端シラノール基
含有オルガノポリシロキサンのトルエン50%溶液を得
た。
ラン5部およびジメチルジメトキシシラン5部を加えて
なる混合溶液中に、ジブチルスズジラウレート0.6部
とトルエン10部とからなる溶液を攪拌下に滴下しなが
らシラノール基のアルコキシ化を60℃で行った。滴下
が終了してから40分後に攪拌を止め、ジブチルスズジ
ラウレートおよびメタノールを過剰のトルエンとともに
留去して除去することにより、重量平均分子量2000
のオルガノシロキサン部分加水分解物の80%トルエン
溶液を得た。これをA−1と称する。
ラン70部、ジメチルジメトキシシラン30部およびテ
トラエトキシシラン30部を混合し、次いで、イソプロ
ピルアルコール60部で希釈し、さらに0.01規定塩
酸7.2部を水40部で希釈したものを添加し、攪拌し
て室温で加水分解した。得られた液を60℃恒温槽中で
加熱することにより、重量平均分子量1500のオルガ
ノシロキサン部分加水分解物の30%混合アルコール溶
液を得た。これをA−2と称する。
ラン70部およびジメチルジメトキシシラン30部に、
水分散酸性コロイダルシリカ(商品名「スノーテックス
O」、日産化学工業(株)製、固形分20%)40部を
添加し、室温で攪拌混合した。得られた液を60℃恒温
槽中で加熱することにより、重量平均分子量1200の
コロイダルシリカ混合オルガノシロキサン部分加水分解
物の40%メタノール溶液を得た。これをA−3と称す
る。なお、上記で得られたオルガノシロキサン部分加水
分解物はすべて前記平均組成式(I)を満たすものであ
ることが確認されている。
化について説明する。重量平均分子量Mw=800(n
≒11)の直鎖状ジメチルポリシロキサンジオール。こ
れをB−1と称する。B−1の直鎖状ジメチルポリシロ
キサンジオール50部に、乳化剤としてポリオキシエチ
レンノニルフェノルエーテル(HLB 11.0)5部
を添加し、均一に攪拌した。これに水45部を攪拌下で
加えた後、ホモジナイザー(300kg/cm2 )処理
を行うことにより、シリコーンジオールエマルジョンを
得た。これをB−1(E)と称する。
0)の直鎖状ジメチルポリシロキサンジオール。これを
B−2と称する。B−2の直鎖状ジメチルポリシロキサ
ンジオール50部に、乳化剤としてポリオキシエチレン
ノニルフェノルエーテル(HLB 11.0)5部を添
加し、均一に攪拌した。これに水45部を攪拌下で加え
た後、ホモジナイザー(300kg/cm2 )処理を行
うことにより、シリコーンジオールエマルジョンを得
た。これをB−2(E)と称する。
ルポリシロキサンジオール。これをB−3と称する。次
に、シリコーンエマルジョンコーティング材組成物を調
製した。 (実施例1):調製例A−1で得られた(A)成分の8
0%トルエン溶液100部に、(B−1)20部、乳化
剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ4部を添加
し、均一に攪拌した。これに、水140部を攪拌下で加
えた後、ホモジナイザー(300kg/cm2 )処理を
行うことにより、シリコーンエマルジョンコーティング
材組成物を得た。 (実施例2):調製例A−2で得られた(A)成分の3
0%混合アルコール溶液100部に、(B−1)3部、
(B−2)1部、重合抑制剤としてポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル(HLB 12.6)2部を添
加し、均一に攪拌後、ロータリーエバポレーターを用い
てアルコールを留去した。得られた残留物36部に、乳
化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2部を添
加し、均一に攪拌した。これに、水100部を攪拌下で
加えた後、ホモジナイザー(300kg/cm2)処理
を行うことにより、シリコーンエマルジョンコーティン
グ材組成物を得た。 (実施例3):調製例A−1で得られた(A)成分の8
0%トルエン溶液100部に、乳化剤としてポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル(HLB 13.7)
4部を添加し、均一に攪拌した。これに、水140部を
攪拌下で加えた後、ホモジナイザー(300kg/cm
2 )処理によりエマルジョン化を行った。その後、B−
1(E)エマルジョン30部を添加し攪拌することによ
り、シリコーンエマルジョンコーティング材組成物を得
た。 (実施例4):調製例A−3で得られたコロイダルシリ
カ混合(A)成分の40%メタノール溶液100部に、
(B−1)3部、(B−2)1部、重合抑制剤としてポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB
5.7)2部を添加し、均一に攪拌後、ロータリーエバ
ポレーターを用いてメタノールを留去した。得られた残
留物46部に、乳化剤としてポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル(HLB13.7)2部を添加し、均
一に攪拌した。これに、水100部を攪拌下で加えた
後、ホモジナイザー(300kg/cm2 )処理を行う
ことにより、シリコーンエマルジョンコーティング材組
成物を得た。 (実施例5):調製例A−2で得られた(A)成分の3
0%混合アルコール溶液100部に、(B−1)3部、
(B−2)1部、重合抑制剤としてポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル(HLB 14.1)2部を添
加し、均一に攪拌後、ロータリーエバポレーターを用い
てアルコールを留去した。得られた残留物36部に、乳
化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2部を添
加し、均一に攪拌した。これに、水80部を攪拌下で加
えた後、ホモジナイザー(300kg/cm2 )処理に
よりエマルジョン化を行った。その後、水分散コロイダ
ルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業
(株)製、固形分20%)85部を添加し攪拌すること
により、シリコーンエマルジョンコーティング材組成物
を得た。 (実施例6):調製例A−2で得られた(A)成分の3
0%混合アルコール溶液100部に、重合抑制剤として
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB
14.1)2部を添加し、均一に攪拌後、ロータリーエ
バポレーターを用いてアルコールを留去した。得られた
残留物32部に、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホ
ン酸ソーダ2部を添加し、均一に攪拌した。これに、水
80部を攪拌下で加えた後、ホモジナイザー(300k
g/cm2 )処理によりエマルジョン化を行った。その
後、B−1(E)エマルジョン6部、B−2(E)エマ
ルジョン2部および水分散コロイダルシリカ(商品名
「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分
20%)85部を添加し攪拌することにより、シリコー
ンエマルジョンコーティング材組成物を得た。 (比較例1):調製例A−1で得られた(A)成分の8
0%トルエン溶液100部に、乳化剤としてドデシルベ
ンゼンスルホン酸ソーダ4部を添加し、均一に攪拌し
た。これに、水120部を攪拌下で加えた後、ホモジナ
イザー(300kg/cm2 )処理を行うことにより、
比較用シリコーンエマルジョンコーティング材組成物を
得た。 (比較例2):調製例A−2で得られた(A)成分の3
0%混合アルコール溶液100部に、重合抑制剤として
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB
14.1)2部を添加し、均一に攪拌後、ロータリーエ
バポレーターを用いてアルコールを留去した。得られた
残留物32部に、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホ
ン酸ソーダ2部を添加し、均一に攪拌した。これに、水
80部を攪拌下で加えた後、ホモジナイザー(300k
g/cm2 )処理によりエマルジョン化を行った。その
後、水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックス
O」、日産化学工業(株)製、固形分20%)75部を
添加し攪拌することにより、比較用シリコーンエマルジ
ョンコーティング材組成物を得た。 (比較例3):攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ー、滴下ロートおよび温度計を取り付けたフラスコに、
水1000部、アセトン50部を計り取り、その混合溶
液中に、メチルトリクロロシラン44.8部(0.3モ
ル)とジメチル1.2,1.4,1.6ジクロロシラン
38.7部(0.3モル)とフェニルトリクロロシラン
84.6部(0.4モル)とトルエン200部とからな
る溶液を攪拌下に滴下しながら100℃で加水分解し
た。滴下が終了してから2時間後に攪拌を止め、反応液
を分液ロートに移し入れて静置した後、二層に分離した
下層の塩酸水を分液除去し、次に、上層のオルガノポリ
シロキサンのトルエン溶液中に残存している水と塩酸を
減圧ストリッピングにより過剰のトルエンとともに留去
して除去することにより、反応性分子末端シラノール基
含有オルガノポリシロキサンのトルエン50%溶液を得
た。
ラン5部およびジメチルジメトキシシラン5部を加えて
なる混合溶液中に、ジブチルスズジラウレート0.6部
とトルエン10部とからなる溶液を攪拌下に滴下しなが
らシラノール基のアルコキシ化を60℃で行った。滴下
が終了してから40分後に攪拌を止め、ジブチルスズジ
ラウレートおよびメタノールを過剰のトルエンとともに
留去して除去することにより、重量平均分子量8000
のオルガノシロキサン部分加水分解物の80%トルエン
溶液を得た。これを比較用A−1と称する。
20部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソー
ダ4部を添加し、均一に攪拌した。これに、水140部
を攪拌下で加えた後、ホモジナイザー(300kg/c
m2 )処理を行うことにより、比較用シリコーンエマル
ジョンコーティング材組成物を得た。 (比較例4):調製例A−1で得られた(A)成分の8
0%トルエン溶液100部に、(B−3)20部、乳化
剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ4部を添加
し、均一に攪拌した。これに、水140部を攪拌下で加
えた後、ホモジナイザー(300kg/cm2 )処理を
行うことにより、比較用シリコーンエマルジョンコーテ
ィング材組成物を得た。
コーンエマルジョンコーティング材組成物の特性を以下
の方法で評価した。 (乳化安定性):エマルジョン化の1か月後に組成物の
乳化状態を目視で観察し、以下の判断基準で評価した。
物をバーコータ塗装機で乾燥塗膜厚が5μmになるよう
に塗布し、室温で乾燥させて、乾燥被膜の状態を目視で
観察し、以下の判断基準で評価した。
バーコータ塗装機で乾燥塗膜厚が5μm、10μmまた
は20μmになるように塗布し、室温で乾燥させた後、
150℃で20分間促進硬化させることにより得られた
塗膜外観を目視で観察し、以下の判断基準で評価した。
ータ塗装機で乾燥塗膜厚が5μmになるように塗布し、
室温で乾燥させた後、温度40℃、湿度90%に設定し
た恒温恒湿槽中で1週間硬化させ、形成された硬化被膜
の鉛筆硬度をJIS−K5400に準じて測定した。 (耐候性):パイレックスガラスプレートの表面に組成
物をバーコータ塗装機で乾燥塗膜厚が5μmになるよう
に塗布し、室温で乾燥させて得られた被膜について、ス
ガ試験機社製のサンシャインスーパーロングライフウェ
ーザーメーター(型番:WEL−SUN−HC)を用い
て1200時間の促進耐候性試験を行い、促進耐候性試
験前後の色差(E値)を色差計(日本電色工業社製、品
番Σ80)で測定し、ΔEを算出した。
成物の配合を表1、2に、その評価結果を表3、4に示
す。
ィング材組成物は、水性であるため環境上の問題が少な
いだけでなく、長期間にわたりエマルジョンとして安定
であり、硬化触媒を使用しなくても低温硬化および加熱
硬化が可能で、耐候性、耐久性等に優れた硬化被膜を形
成することができる。この硬化被膜は、両末端水酸基含
有直鎖状ポリシロキサンジオール(B)を含むので、靭
性(柔軟性)を有し、そのため耐クラック性にも優れ
る。また、本発明の組成物は、硬化触媒を含む必要がな
いので、低コスト化が図れるとともに、保存中に硬化が
進むことが少ない(ポットライフが長い)。
コーンエマルジョンコーティング材組成物を好適に製造
することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】下記(A)、(B)、(C)および(D)
成分を含んでなるシリコーンエマルジョンコーティング
材組成物。 (A)平均組成式R2 a SiOb (OR1)c (OH)d
で表され(ここでR1、R2 は1価の炭化水素基を示
し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦
a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を
満たす数である)、その重量平均分子量がポリスチレン
換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分
加水分解物。 (B)一般式HO(R3 2 SiO)n H(ここでR3 は
1価の炭化水素基を示し、nは3以上の整数である)で
表される両末端水酸基含有直鎖状ポリシロキサンジオー
ル。 (C)乳化剤。 (D)水。 - 【請求項2】前記両末端水酸基含有直鎖状ポリシロキサ
ンジオールを表す前記一般式中のnが3≦n≦50の範
囲内である請求項1に記載のシリコーンエマルジョンコ
ーティング材組成物。 - 【請求項3】前記(B)成分の含有量が、前記(A)成
分に対し1〜50重量%の割合である請求項1または2
に記載のシリコーンエマルジョンコーティング材組成
物。 - 【請求項4】コロイダルシリカをも含み、そのシリカ分
が前記(A)成分と前記(B)成分との合計量に対し5
〜100重量%の割合である請求項1から3までのいず
れかに記載のシリコーンエマルジョンコーティング材組
成物。 - 【請求項5】下記(A)および(B)成分を含む混合物
と、下記(C)成分と、下記(D)成分とを混合する工
程を含むシリコーンエマルジョンコーティング材組成物
の製造方法。 (A)平均組成式R2 a SiOb (OR1)c (OH)d
で表され(ここでR1、R2 は1価の炭化水素基を示
し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦
a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を
満たす数である)、その重量平均分子量がポリスチレン
換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分
加水分解物。 (B)一般式HO(R3 2 SiO)n H(ここでR3 は
1価の炭化水素基を示し、nは3以上の整数である)で
表される両末端水酸基含有直鎖状ポリシロキサンジオー
ル。 (C)乳化剤。 (D)水。 - 【請求項6】下記(A)、(C)および(D)成分を含
むエマルジョンと、下記(B)、(C)および(D)成
分を含むエマルジョンとを混合する工程を含むシリコー
ンエマルジョンコーティング材組成物の製造方法。 (A)平均組成式R2 a SiOb (OR1)c (OH)d
で表され(ここでR1、R2 は1価の炭化水素基を示
し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦
a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を
満たす数である)、その重量平均分子量がポリスチレン
換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分
加水分解物。 (B)一般式HO(R3 2 SiO)n H(ここでR3 は
1価の炭化水素基を示し、nは3以上の整数である)で
表される両末端水酸基含有直鎖状ポリシロキサンジオー
ル。 (C)乳化剤。 (D)水。
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