JP3215943B2 - シリコーンエマルジョンコーティング材組成物とその製造方法 - Google Patents

シリコーンエマルジョンコーティング材組成物とその製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性、耐久性等
に優れた被膜を形成することのできるシリコーンエマル
ジョンコーティング材組成物と、その製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】有機溶剤系塗料は、その使用時に希釈有
機溶剤を大気中に放出するため、地球環境問題の一つの
要因になっている。その対策として、有機溶剤の代わり
に水を希釈剤として用い、乳化剤を介してエマルジョン
化したエマルジョン塗料が開発されている。
【0003】エマルジョン塗料としては、アクリル系、
ウレタン系およびアクリルシリコーン系が主流である。
しかし、これらのエマルジョン塗料の塗膜は耐候性に劣
る。そこで、耐候性に優れた塗膜を形成することのでき
るエマルジョン塗料が要求されている。耐候性に優れた
塗膜を形成することのできる塗料基剤としては、分子末
端にアルコキシド基またはシラノール基を有する反応性
シリコーン化合物が知られている。しかし、反応性シリ
コーン化合物は、有機溶剤中では安定に存在可能である
が、水と乳化剤を加えてエマルジョン化しても、この反
応性シリコーン化合物の有するアルコキシド基またはシ
ラノール基が水と重縮合反応してゲル化や沈殿等が起こ
りやすいため、長期間にわたるエマルジョン化は困難で
あった。そのため、反応性シリコーン化合物を長期間に
わたり安定にエマルジョン化するためには、反応性シリ
コーン化合物の水に対する反応性を制限する必要性があ
った。
【0004】そこで、分子末端を封鎖して水に対する反
応性を抑制したシリコーンオイルを塗料基剤として用い
たものがシリコーンエマルジョンコーティング材の主流
になっている。しかし、シリコーンオイルは、反応性に
劣るため、触媒等と混合してもコーティング塗膜内での
架橋反応は進行しにくいので、耐久性があるシリコーン
塗膜は得られない。そのため、シリコーンオイルを塗料
基剤とするシリコーンエマルジョンコーティング材は、
繊維分野における表面処理剤として主に使用されている
にすぎず、塗料分野におけるコーティング材としては使
用できない。
【0005】また、反応性シリコーン化合物を塗料基剤
とするシリコーンエマルジョンコーティング材は、その
塗膜の硬化に150℃以上の加熱処理を必要とするた
め、低温硬化条件には対応できない。そこで、一般的に
は、このシリコーンエマルジョンコーティング材にオク
チル酸スズ等の硬化触媒を添加することによって同コー
ティング材を室温硬化させる方法が特開昭58−101
153号公報で提案されている。
【0006】この公報に開示のシリコーンエマルジョン
組成物は、(a)1分子中に2個以上のシラノール基を
有するオルガノシロキサン部分加水分解物、アニオン系
乳化剤および水からなるシリコーンエマルジョンと、
(b)アミノファンクショナルシランもしくはその加水
分解物と酸無水物との反応生成物およびコロイダルシリ
カからなる均一分散液と、(c)硬化触媒とからなる3
液混合型シリコーンエマルジョン組成物である。この組
成物は、基材に塗布されると、2次元架橋を中心とした
ゴム弾性を有する塗膜を形成する。
【0007】この組成物に用いられる前記オルガノシロ
キサン部分加水分解物は、反応性シリコーン化合物の1
種であり、その分子量は、限定こそされていないが、1
万以上が望ましいとされている(前記公報第3頁右上欄
第6〜8行)。このような大きい分子量では、水との反
応に預かるシラノール基の分子中比率はないに等しいた
め、前記オルガノシロキサン部分加水分解物の水に対す
る反応性は低い。そのため、エマルジョンとしての安定
性は、一応、高いと考えられる。
【0008】しかし、前記公報に開示のシリコーンエマ
ルジョン組成物は、硬化触媒がないと硬化しないため硬
化触媒を必須成分とする。前記オルガノシロキサン部分
加水分解物と硬化触媒とを共存させると、前記オルガノ
シロキサン部分加水分解物の架橋反応が進行しやすい。
そのため、エマルジョンのゲル化、硬化塗膜の白濁等の
不都合が生じやすい。また、硬化触媒の使用により、コ
ストが高くつくという問題もある。このように、硬化触
媒の使用には不利な点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、長期
間にわたりエマルジョンとして安定であり、硬化触媒を
使用しなくても低温硬化および加熱硬化が可能で、耐候
性、耐久性等に優れた硬化被膜を形成することのできる
シリコーンエマルジョンコーティング材組成物と、その
製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るシリコーン
エマルジョンコーティング材組成物は、下記(A)、
(B)、(C)および(D)成分を含んでなり、前記
(D)成分の含有量がシリコーンエマルジョンコーティ
ング材組成物全量中で50〜90重量%の割合である。 (A)平均組成式R2 a SiOb (OR1)c (OH)d
で表され(ここでR1、R2 は1価の炭化水素基を示
し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦
a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を
満たす数である)、その重量平均分子量がポリスチレン
換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分
加水分解物。
【0011】(B)コロイダルシリカ。 (C)乳化剤。 (D)水。 本発明のシリコーンエマルジョンコーティング材組成物
においては、前記(B)成分中のシリカ分が前記(A)
成分に対し5〜100重量%の割合であることが好まし
い。
【0012】本発明のシリコーンエマルジョンコーティ
ング材組成物においては、前記(D)成分の含有量がシ
リコーンエマルジョンコーティング材組成物全量中で5
0〜90重量%の割合であることが好ましい。本発明の
シリコーンエマルジョンコーティング材組成物において
は、さらにノニオン性ウレタンアクリルブロックコーポ
リマーが含まれていてもよい。
【0013】前記ノニオン性ウレタンアクリルブロック
コーポリマーの含有量は、前記(A)成分と、前記
(B)成分中のシリカ分との合計量に対し、0.1〜1
0重量%の割合であることが好ましい。本発明のシリコ
ーンエマルジョンコーティング材組成物においては、さ
らに顔料が含まれていてもよい。
【0014】本発明に係る、シリコーンエマルジョンコ
ーティング材組成物の第1の製造方法は、一般式R2 n
Si(OR1)4-n (ここでR1 、R2 は1価の炭化水素
基を示し、nは0〜3の整数である)で表される加水分
解性オルガノシランと、酸性コロイダルシリカと、前記
(D)成分とを混合することにより、前記(A)および
(B)成分を含む混合物を得る工程と、前記混合物と、
前記(C)成分および追加(D)成分のうちの少なくと
も(C)成分とを混合する工程と、を含む。
【0015】上記第1の製造方法においては、前記加水
分解性オルガノシランと、前記酸性コロイダルシリカ
と、前記(D)成分とを混合する際に使用される前記
(D)成分の量が、前記加水分解性オルガノシラン中の
OR1 基1モル当量当たり0.3〜2.0モルの割合で
あることが好ましい。本発明に係る、シリコーンエマル
ジョンコーティング材組成物の第2の製造方法は、有機
溶剤を含む前記(A)および(B)成分の混合物から前
記有機溶剤を脱溶媒することにより、脱溶媒物を得る工
程と、前記脱溶媒物と、前記(C)成分と、前記(D)
成分とを混合する工程と、を含む。
【0016】上記第1または第2の製造方法において
は、ノニオン性ウレタンアクリルブロックコーポリマー
と、前記(D)成分と、顔料とを混合することにより、
顔料ベースを得る工程と、前記顔料ベースを添加する工
程と、がさらに含まれていてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の組成物の(A)成分とし
て用いられるオルガノシロキサン部分加水分解物(以
下、「オルガノシロキサン部分加水分解物(A)」と記
す)は、分子末端に−OR1 基と−OH基(いずれもケ
イ素原子に直接結合している)を両方とも有し、3次元
架橋性のシリコーン化合物である。
【0018】オルガノシロキサン部分加水分解物(A)
を表す前記式(I)中のR1 およびR2 は1価の炭化水
素基を示し、互いに同一のものであってもよいし異なる
ものであってもよい。R2 は、1価の炭化水素基であれ
ば特に限定はされないが、炭素数1〜8の置換または非
置換の1価の炭化水素基が好適であり、たとえば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;
シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキ
ル基;2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基
等のアラルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール
基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;クロロメチ
ル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオ
ロプロピル基等のハロゲン置換炭化水素基;γ−メタク
リロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカ
プトプロピル基等の置換炭化水素基等を例示することが
できる。これらの中でも、合成の容易さ或いは入手の容
易さから炭素数1〜4のアルキル基およびフェニル基が
好ましい。
【0019】また、R1 は、1価の炭化水素基であれば
特に限定はされないが、たとえば、炭素数1〜4のアル
キル基が好適である。オルガノシロキサン部分加水分解
物(A)の調製方法としては、特に限定はされないが、
たとえば、前記式(I)中のR1 がアルキル基(OR1
がアルコキシ基)であるものを得る場合について例示す
ると、加水分解性オルガノクロロシランおよび加水分解
性オルガノアルコキシシランからなる群の中から選ばれ
た1種もしくは2種以上の加水分解性オルガノシランを
公知の方法により大量の水で加水分解することで得られ
るシラノール基含有ポリオルガノシロキサンのシラノー
ル基を部分的にアルコキシ化することにより、オルガノ
シロキサン部分加水分解物(A)を得ることができる。
なお、この調製方法において、加水分解性オルガノアル
コキシシランを用いて加水分解を行う場合は、水量を調
節することでアルコキシ基の一部のみを加水分解するこ
とにより、未反応のアルコキシ基と、シラノール基とが
共存したオルガノシロキサン部分加水分解物(A)を得
ることができるので、前述した、シラノール基含有ポリ
オルガノシロキサンのシラノール基を部分的にアルコキ
シ化する処理が省ける場合がある。
【0020】前記加水分解性オルガノクロロシランとし
ては、特に限定はされないが、たとえば、メチルトリク
ロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルトリク
ロロシラン、ジフェニルジクロロシラン等が挙げられ
る。前記加水分解性オルガノアルコキシシランとして
は、特に限定はされないが、たとえば、前記一般式(I
I)で表される加水分解性オルガノシランのうち、R1
アルキル基であるものが挙げられる。具体的には、n=
0のテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシ
シラン、テトラエトキシシランなどが例示でき、n=1
のオルガノトリアルコキシシランとしては、メチルトリ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルト
リイソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフ
ルオロプロピルトリメトキシシランなどが例示できる。
また、n=2のジオルガノジアルコキシシランとして
は、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエト
キシシラン、メチルフェニルジメトキシシランなどが例
示でき、n=3のトリオルガノアルコキシシランとして
は、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシ
ラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルイソプロ
ポキシシラン、ジメチルイソブチルメトキシシランなど
が例示できる。
【0021】加水分解性オルガノシランを部分加水分解
するために用いられる触媒は、特に限定するものではな
いが、酸性触媒としては、塩酸、硝酸等の水溶性の酸
や、後述する酸性コロイダルシリカ等が例示でき、塩基
性触媒としては、アンモニア水溶液や塩基性コロイダル
シリカ等が例示できる。加水分解性オルガノシランとし
てR1 が低級アルキル基の加水分解性オルガノアルコキ
シシランを用いた場合、その部分加水分解において低級
脂肪族アルコールが発生するが、この低級脂肪族アルコ
ールは両親媒性の溶剤であり、エマルジョンの安定性を
低下させるので、本発明の組成物の調製の際には予め脱
溶媒して除いておくことが望ましい。
【0022】オルガノシロキサン部分加水分解物(A)
を表す前記式(I)中のa、b、cおよびdは前述した
関係を満たす数である。aが3以上の場合は、コーティ
ング被膜の硬化がうまく進行しないという不都合があ
る。b=0の場合は、モノマーであり、硬化被膜を形成
できないという問題がある。bが2の場合は、シリカ
(SiO2 (オルガノシロキサンではない))であり、
硬化被膜にクラックを生じるという問題がある。c=0
の場合は、分子末端がR2 基と、親水基であるOH基の
みになるため、分子全体での親水性が増加してエマルジ
ョンの長期安定性が得られない。c=4の場合は、モノ
マーであり、硬化被膜を形成できないという問題があ
る。d=0の場合は、分子末端がR2 基とOR1 基の疎
水基のみになるために、エマルジョンの長期安定性には
有利であるが、OR1 基はコーティング被膜硬化時の架
橋反応性に欠けるため、十分な硬化被膜を得ることがで
きない。d=4の場合は、モノマーであり、硬化被膜を
形成できないという問題がある。
【0023】オルガノシロキサン部分加水分解物(A)
の重量平均分子量はポリスチレン換算で600〜500
0の範囲である。600未満の場合は、コーティング硬
化塗膜にクラックを生じる等の不都合があり、5000
を超えると、硬化がうまく進行しないという不都合を生
じる。オルガノシロキサン部分加水分解物(A)は、上
記の構造を持ち、かつ、その重量平均分子量が上記所定
範囲内にあるため、反応性が高い。そのため、これを含
む本発明の組成物は、その塗膜の硬化に硬化触媒を必要
としないとともに、加熱硬化だけでなく低温硬化も可能
である。また、オルガノシロキサン部分加水分解物
(A)は、反応性が高いにも関わらず、その分子末端基
の親水性−疎水性バランスが良好であるため、長期間安
定なエマルジョン化が可能である。
【0024】本発明の組成物の(B)成分として用いら
れるコロイダルシリカ(以下、「コロイダルシリカ
(B)」と記す)は、優れた造膜性をコーティング被膜
に付与し、コーティング被膜の塗膜硬度を高めるための
成分である。コロイダルシリカ(B)中のシリカ分は、
特に限定されるわけではないが、たとえば、オルガノシ
ロキサン部分加水分解物(A)に対し、好ましくは5〜
100重量%、より好ましくは15〜80重量%の割合
である。シリカ分が5重量%未満であると、所望の塗膜
強度が得られない傾向があり、100重量%を超える
と、コロイダルシリカ(B)の均一分散が困難となり、
オルガノシロキサン部分加水分解物(A)がゲル化する
等の不都合を招来することがある。
【0025】コロイダルシリカ(B)としては、特に限
定はされないが、たとえば、水に分散したもの、あるい
は、アルコールなどの非水系の有機溶媒に分散したもの
が使用できる。一般に、このようなコロイダルシリカ
は、固形分としてのシリカを20〜50重量%含有して
おり、この値からシリカ配合量を決定できる。水に分散
したコロイダルシリカは、水系なので、そのままエマル
ジョンに導入できる利点がある。非水系の有機溶媒に分
散したコロイダルシリカは、エマルジョンの安定性を低
下させるので、直接エマルジョンに導入することはでき
ない。非水系の有機溶媒に分散したコロイダルシリカ
は、前記一般式(II)で表される加水分解性オルガノシ
ランの反応性触媒として使用すれば、非水系の有機溶媒
中に分散した(A)、(B)成分の混合物として得るこ
とができる。この混合物から有機溶媒を脱溶媒すれば、
(A)、(B)成分の混合物としてのエマルジョン化が
可能になる。また、水に分散したコロイダルシリカにお
いて、固形分以外の成分として存在する水は、前記一般
式(II)で表される加水分解性オルガノシランの硬化剤
として用いることができる。
【0026】水に分散したコロイダルシリカは、通常、
水ガラスから作られるが、市販品として容易に入手する
ことができる。また、有機溶媒に分散したコロイダルシ
リカは、前記水分散コロイダルシリカ中の水を有機溶媒
と置換することで容易に調製することができる。このよ
うな有機溶剤分散コロイダルシリカも水分散コロイダル
シリカと同様に市販品として容易に入手することができ
る。コロイダルシリカが分散している有機溶媒の種類
は、特に限定はされないが、たとえば、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブ
タノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコ
ール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エ
チレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリ
コール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘
導体;およびジアセトンアルコール等を挙げることがで
き、これらからなる群より選ばれた1種もしくは2種以
上を使用することができる。これらの親水性有機溶媒と
併用して、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メ
チルエチルケトオキシムなども用いることができる。こ
れらの中でも、脱溶媒の容易さから、低級脂肪族アルコ
ール類が好ましい。
【0027】本発明の組成物の(C)成分として用いら
れる乳化剤(以下、「乳化剤(C)」と記す)は、オル
ガノシロキサン部分加水分解物(A)を水中にエマルジ
ョン粒子として分散させるための乳化剤(エマルジョン
化剤)である。乳化剤(C)としては、特に限定はされ
ないが、たとえば、一般的な保護コロイドおよび界面活
性剤からなる群の中から選ばれた少なくとも1種を用い
ることができる。
【0028】保護コロイドとしては、特に限定はされな
いが、たとえば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニ
ルアルコール、水溶性セルロース誘導体(たとえば、エ
チルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシセルロ
ース等)、でんぷん、寒天、ゼラチン、アラビアガム、
アルギン酸、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、マ
レイン化ポリブタジエン誘導体、ナフタレンスルホン酸
縮合物、ポリアクリル酸塩、アクリル酸アミド、アクリ
ル酸エステル等が挙げられる。
【0029】界面活性剤としては、特に限定はされない
が、たとえば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキ
ルナフタレンスルホン酸塩、脂肪酸塩、ロジン酸塩、ジ
アルキルスルホコハク酸塩、ヒドロキシアルカンスルホ
ン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル
塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンア
ルキルアリールエーテル硫酸エステル塩等のアニオン系
界面活性剤;アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、
テトラアルキルアンモニウム塩等のカチオン系界面活性
剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシ
プロピレン共重合体、多価アルコール脂肪酸部分エステ
ル、ポリオキシエチレン化多価アルコール脂肪族エステ
ル等のノニオン系界面活性剤;アルキルアミノプロピオ
ン酸、アルキルイミノジプロピオン酸、イミダゾリンカ
ルボン酸、アルキルベタイン、スルホベタイン、アミン
オキシド等の両性界面活性剤等が挙げられる。これらの
中でも、エマルジョンの長期安定性のためにはアニオン
系またはノニオン系の界面活性剤が望ましい。
【0030】本発明の組成物中の乳化剤(C)の含有量
は、特に限定されるわけではないが、たとえば、オルガ
ノシロキサン部分加水分解物(A)とコロイダルシリカ
(B)との合計量に対し、好ましくは1〜30重量%、
より好ましくは2〜15重量%の割合である。1重量%
未満であると、乳化が困難になる傾向がある。30重量
%を超えると、被膜の硬化性および耐候性が損なわれる
恐れがある。
【0031】本発明の組成物の(D)成分として用いら
れる水(以下、「水(D)」と記す)の含有量は、特に
限定されるわけではないが、たとえば、組成物全量中
で、好ましくは50〜90重量%、より好ましくは60
〜80重量%の割合である。水(D)の含有量が上記範
囲を外れると、エマルジョンの安定性が低下し、沈殿物
を発生する等の不都合を生じる傾向がある。
【0032】本発明の組成物は、エマルジョン粒子内で
のオルガノシロキサン部分加水分解物(A)の分子量安
定性向上のため等の必要に応じて、非水溶性の有機溶剤
を含むことができる。使用可能な非水溶性の有機溶剤と
しては、特に限定はされないが、25℃の水100gに
対する溶解度が1g以下のもの、たとえば、ベンゼン、
トルエン、キシレン等を例示することができる。このよ
うな非水溶性の有機溶剤を使用する場合、その含有量
は、環境上などの問題を引き起こさない範囲内、たとえ
ば、組成物全量に対し、好ましくは0〜20重量%、よ
り好ましくは0〜10重量%の割合である。
【0033】本発明の組成物は、エマルジョンの安定性
向上のために通常添加される増粘剤または保護コロイド
剤等を必要に応じて含むことができる。保護コロイド
は、前述した乳化剤としてだけではなく、粘度増加剤と
しても使用できる。上記増粘剤または保護コロイド剤と
しては、特に限定はされないが、たとえば、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース等のセルロース類;グアガム、ローカストビ
ーンガム等の多糖類;ゼラチン、カゼイン等の動物性タ
ンパク質類;可溶性デンプン類、アルギン酸類、ポリビ
ニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性
高分子化合物等が挙げられる。
【0034】ノニオン性ウレタンアクリルブロックコー
ポリマーも増粘剤として用いることができる。ノニオン
性ウレタンアクリルブロックコーポリマーは、エマルジ
ョン粒子に対し会合性を示し、非常に均一なエマルジョ
ンと増粘剤のネットワークを形成することで、本発明の
組成物のエマルジョン安定性を向上させるとともに本発
明の組成物に優れたフロー性、レベリング性および厚膜
性を付与することができる。このようなノニオン性ウレ
タンアクリルブロックコーポリマーは、その市販品を容
易に入手することができる。本発明の組成物がノニオン
性ウレタンアクリルブロックコーポリマーを含む場合、
その含有量は、特に限定はされないが、たとえば、前記
(A)成分と、前記(B)成分中のシリカ分との合計量
に対し、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましく
は1〜5重量%の割合である。0.1重量%未満の場合
は、上記ネットワークが十分に形成できない傾向があ
り、10重量%を超えると、硬化被膜の耐候性が損なわ
れる傾向がある。
【0035】本発明の組成物は、必要に応じて、顔料を
含むことができる。顔料としては、特に限定はされない
が、たとえば、カーボンブラック、キナクリドン、ナフ
トールレッド、シアニンブルー、シアニングリーン、ハ
ンザイエロー等の有機顔料;酸化チタン、硫酸バリウ
ム、弁柄、複合金属酸化物等の無機顔料がよく、これら
の群から選ばれる1種あるいは2種以上を組み合わせて
使用しても差し支えない。
【0036】顔料の分散方法としては、通常のダイノー
ミール、ペイントシェーカー等による顔料粉を直接分散
する方法ではエマルジョンが破壊され、相分離、ゲル
化、沈殿生成等の不都合を生じる恐れがある。そこで、
顔料分散方法としては、分散剤を介して顔料を水に(好
ましくは高濃度に)分散してなる顔料ベースをエマルジ
ョンに添加し、適度に攪拌する方法等が望ましい。顔料
ベースの市販品は容易に入手できる。顔料ベースは、分
散剤の他に、湿潤剤、粘性コントロール剤等を含んでい
てもよい。なお、分散剤の一例として、前記ノニオン性
ウレタンアクリルブロックコーポリマーを挙げることが
できるが、これに限定されない。
【0037】顔料ベースの分散方法は、特に限定はされ
ず、通常の分散法でよい。その際、分散助剤、カップリ
ング剤等の使用も可能である。本発明の組成物は、必要
に応じて、上記以外の成分、たとえば、レベリング剤、
染料、金属粉、ガラス粉、抗菌剤(好ましくは無機抗菌
剤)、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、消泡
剤、防カビ剤等をも、本発明の効果に悪影響を与えない
範囲内で含むことができる。
【0038】本発明の組成物は、硬化触媒なしで低温硬
化および加熱硬化が可能なので、硬化触媒を含む必要は
ないのであるが、塗布被膜の硬化促進等の目的で必要に
応じて、硬化触媒を含んでいてもよい。硬化触媒として
は、特に限定はされないが、たとえば、アルキルチタン
酸塩類;オクチル酸錫、ラウリン酸錫、オクチル酸鉄、
オクチル酸鉛、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫
ジマレエート等のカルボン酸金属塩類;テトライソプロ
ピルチタネート、テトラブチルチタネート、チタニウム
テトラアセチルアセトネート等のチタニウム化合物;酢
酸リチウム、蟻酸ナトリウム、リン酸カリウム等のアル
カリ金属塩;n−ヘキシルアミン、グアニジン、ジブチ
ルアミン−2−ヘキソエート、ジメチルアミンアセテー
ト、エタノールアミンアセテート等のアミン化合物また
はその塩酸塩等が挙げられる。これらの硬化触媒は、そ
の使用に際して予め常法により乳化剤(C)と水(D)
を使用してエマルジョンにしておくことが望ましい。
【0039】本発明の組成物を塗装する方法は、特に限
定されるものではなく、たとえば、刷毛塗り、スプレ
ー、浸漬、バー、フロー、ロール、カーテン、ナイフコ
ート等の通常の各種塗装方法を選択することができる。
組成物を希釈する場合は、水による希釈が望ましいが、
必要に応じては、塗布面のレベリング性または乾燥性を
調節するためにブチルカルビトール、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ等の比較的高沸点の有機溶剤を組
成物に少量添加してもよい。
【0040】本発明の組成物を塗布する際に、被塗装基
材の材質や表面状態によっては、そのまま本発明の組成
物を塗布すると密着性が得にくい場合があるので、基材
の表面にプライマー層を予め形成させておいてもよい。
プライマー層としては、特に限定はされないが、たとえ
ば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹
脂、塩化ゴム樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポ
リエステル樹脂、メラミン樹脂等の樹脂の硬化層等が挙
げられる。プライマー層の厚みは、特に限定はされない
が、たとえば、0.1〜50μmが好ましく、0.5〜
10μmがより好ましい。この厚みが薄すぎると密着が
得られない恐れがあり、厚すぎると乾燥時に発泡等の恐
れがある。
【0041】基材に塗布された本発明の組成物を硬化さ
せる方法は、公知の方法を用いればよく、特に限定はさ
れない。また、硬化の際の温度も特に限定はされず、所
望される硬化被膜性能に応じて常温〜加熱温度の広い範
囲をとることができる。本発明の組成物から形成される
塗膜(硬化被膜)の厚みは、特に制限はなく、たとえ
ば、0.1〜20μm程度が好ましいが、塗膜が長期的
に安定に密着、保持され、クラックや剥離等が発生しな
いためには、より好ましくは1〜10μmである。
【0042】本発明の組成物を製造する方法としては、
特に限定はされないが、たとえば、(A)、(B)、
(C)および(D)成分を混合攪拌することにより得る
ことができる。攪拌方法、いわゆる乳化方法は、特に限
定はされず、公知の方法を使用できるが、たとえば、ホ
モジナイザー、ホモミキサー等の乳化機を用いて乳化す
る方法等が挙げられる。その際、(A)、(B)、
(C)および(D)成分の混合順序は、特に限定はされ
ないが、たとえば、(A)、(B)および(D)成分を
均一に混合後、これに、(C)成分、または、(C)お
よび(D)成分を添加し、前記乳化機を用いて乳化する
方法等が挙げられる。
【0043】本発明の組成物を製造する方法は、上記の
ものに限定されない。たとえば、本発明の第1の製造方
法または第2の製造方法を用いてもよい。本発明の第1
の製造方法では、前記一般式(II)の加水分解性オルガ
ノシランと、酸性コロイダルシリカと、水(D)とを混
合する。すると、酸性コロイダルシリカの触媒作用で加
水分解性オルガノシランが水(D)により部分加水分解
されてオルガノシロキサン部分加水分解物(A)が生成
し、これにより、オルガノシロキサン部分加水分解物
(A)およびコロイダルシリカ(B)を含む混合物が得
られる。その後、この混合物と、乳化剤(C)とを混合
し、前記の工程で水(D)がまったく残らないかあるい
は必要量残らない場合はここで水(D)を追加すること
により、シリコーンエマルジョンコーティング材組成物
が得られる。
【0044】第1の製造方法で用いられる酸性コロイダ
ルシリカとしては、コロイダルシリカ(B)として前述
したもののうち、酸性のものが挙げられる。酸性コロイ
ダルシリカは、水に分散したもの及び有機溶剤に分散し
たもののいずれか一方を使用できるし、あるいは、両方
を併用することもできる。第1の製造方法で用いられる
前記一般式(II)の加水分解性オルガノシランの具体例
としては、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)の
原料として前述した加水分解性オルガノアルコキシシラ
ン等が挙げられるが、これに限定されない。
【0045】第1の製造方法において、前記一般式(I
I)の加水分解性オルガノシランと、酸性コロイダルシ
リカと、水(D)とを混合する際に使用される水(D)
の量は、特に限定はされないが、たとえば、前記加水分
解性オルガノシラン中のOR1基1モル当量当たり,好
ましくは0.3〜2.0モル、より好ましくは0.4〜
1.0モルの割合である。なお、水に分散した酸性コロ
イダルシリカを用いる場合、水(D)の上記モル量は、
この水分散酸性コロイダルシリカ中に固形分以外の成分
として存在する水を含めた量である。有機溶剤に分散し
た酸性コロイダルシリカを用いた場合等では、有機溶剤
を除去する脱溶媒工程が後で必要なのだが、水(D)の
モル量が0.3モル未満では、有機溶剤を脱溶媒する際
に、オルガノシロキサン部分加水分解物(A)の分子量
分布における低分子量シリコーン化合物が有機溶剤とと
もに系外に除かれる傾向がある。一方、水(D)のモル
量が2.0モルを超えると、オルガノシロキサン部分加
水分解物(A)の貯蔵安定性が低下し、ゲル化する恐れ
がある。
【0046】第1の製造方法において、加水分解性オル
ガノシランと、酸性コロイダルシリカと、水(D)とを
混合する際には、必要に応じてpH調節を行ってもよ
い。本発明の第2の製造方法では、有機溶剤を含む前記
(A)および(B)成分の混合物から前記有機溶剤を脱
溶媒することにより、脱溶媒物を得た後、この脱溶媒物
と、前記(C)成分と、前記(D)成分とを混合するこ
とにより、シリコーンエマルジョンコーティング材組成
物が得られる。
【0047】第2の製造方法において、脱溶媒処理され
るべき、(A)および(B)成分の混合物に含まれる有
機溶剤は、(A)成分の原料として加水分解性オルガノ
アルコキシシランを用いた場合に加水分解性オルガノア
ルコキシシランの加水分解反応の副生成物として生成し
たアルコール、あるいは、(B)成分として有機溶剤分
散コロイダルシリカを用いた場合に有機溶剤分散コロイ
ダルシリカに含まれていた有機溶剤等である。脱溶媒の
容易さからは、加水分解性オルガノアルコキシシランの
有するR1 は低級アルキル基が、有機溶剤分散コロイダ
ルシリカに含まれる有機溶剤は低級脂肪族アルコールが
それぞれ望ましい。
【0048】有機溶剤の脱溶媒法としては、特に限定は
されないが、たとえば、加熱・常圧、常温・減圧または
加熱・減圧の条件下で有機溶剤を脱溶媒させる方法が望
ましい。 第2の製造方法においては、(A)、(B)
成分の混合物の脱溶媒時からエマルジョン化までの期間
の反応性を抑える目的、および、硬化被膜の硬化性能を
維持させる目的で、必要に応じ、重合抑制剤として、以
下に示す非イオン性界面活性剤を用いてもよい。重合抑
制剤として使える非イオン性界面活性剤としては、特に
限定はされないが、たとえば、HLB数が5.0〜2
0.0の範囲内にあるポリオキシエチレン付加非イオン
性界面活性剤等が挙げられる。HLB数が上記範囲外で
は、重合を抑止する効果がないだけでなく、重合を促進
さえする場合もある。
【0049】重合抑制剤として使用できる上記ポリオキ
シエチレン付加非イオン性界面活性剤の具体例として
は、特に限定はされないが、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル
類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポ
リオキシエチレンアルキルアリールエーテル類;ポリオ
キシエチレンソルビタンモノパルミテート等のポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等が挙げられ
る。これらの物質を単独使用または併用してもよい。ま
た、これらの重合抑制剤を乳化剤(C)として使用して
もよい。
【0050】重合抑制剤の使用量は、特に限定はされな
いが、たとえば、(A)成分と(B)成分の合計量に対
し、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜1
5重量%である。1重量%未満では、その効果が見られ
ず、30重量%を超えると、被膜の硬化性および耐候性
が損なわれる。
【0051】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
詳細に説明する。実施例および比較例中、特に断らない
限り、「部」はすべて「重量部」を、「%」はすべて
「重量%」を表す。また、分子量は、GPC(ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー)により、測定機種と
して東ソー(株)のHLC8020を用いて、標準ポリ
スチレンで検量線を作成し、測定したものである。な
お、本発明は下記実施例に限定されない。
【0052】まず、(A)成分の調製例を説明する。 (調製例A−1):攪拌機、加温ジャケット、コンデン
サー、滴下ロートおよび温度計を取り付けたフラスコ
に、水1000部、アセトン50部を計り取り、その混
合溶液中に、メチルトリクロロシラン44.8部(0.
3モル)とジメチル1.2,1.4,1.6ジクロロシ
ラン38.7部(0.3モル)とフェニルトリクロロシ
ラン84.6部(0.4モル)とトルエン200部とか
らなる溶液を攪拌下に滴下しながら60℃で加水分解し
た。滴下が終了してから40分後に攪拌を止め、反応液
を分液ロートに移し入れて静置した後、二層に分離した
下層の塩酸水を分液除去し、次に、上層のオルガノポリ
シロキサンのトルエン溶液中に残存している水と塩酸を
減圧ストリッピングにより過剰のトルエンとともに留去
して除去することにより、反応性分子末端シラノール基
含有オルガノポリシロキサンのトルエン50%溶液を得
た。
【0053】この溶液100部にメチルトリメトキシシ
ラン5部およびジメチルジメトキシシラン5部を加えて
なる混合溶液中に、ジブチルスズジラウレート0.6部
とトルエン10部とからなる溶液を攪拌下に滴下しなが
らシラノール基のアルコキシ化を60℃で行った。滴下
が終了してから40分後に攪拌を止め、ジブチルスズジ
ラウレートおよびメタノールを過剰のトルエンとともに
留去して除去することにより、重量平均分子量2000
のオルガノシロキサン部分加水分解物の80%トルエン
溶液を得た。これをA−1と称する。
【0054】(調製例A−2):メチルトリメトキシシ
ラン70部、ジメチルジメトキシシラン30部およびテ
トラエトキシシラン30部を混合し、次いで、イソプロ
ピルアルコール60部で希釈し、さらに0.01規定塩
酸7.2部を水40部で希釈したものを添加し、攪拌し
て室温で加水分解した。得られた液を60℃恒温槽中で
加熱することにより、重量平均分子量1500のオルガ
ノシロキサン部分加水分解物の30%混合アルコール溶
液を得た。これをA−2と称する。
【0055】次に、(A)(B)混合成分の調製例を説
明する。 (調製例AB−1):メチルトリメトキシシラン70部
およびジメチルジメトキシシラン30部に、水分散酸性
コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産
化学工業(株)製、固形分20%)40部を添加し、室
温で攪拌混合した。得られた液を60℃恒温槽中で加熱
することにより、重量平均分子量1200のコロイダル
シリカ混合オルガノシロキサン部分加水分解物の40%
メタノール溶液を得た。これをAB−1と称する。
【0056】(調製例AB−2):メチルトリメトキシ
シラン100部に、水分散酸性コロイダルシリカ(商品
名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形
分20%)40部と、酸性コロイダルシリカであるメタ
ノールオルガノシリカゾル(商品名「MA−ST」、日
産化学工業(株)製、固形分30%)40部を添加し、
室温で攪拌混合した。得られた液を60℃恒温槽中で加
熱することにより、重量平均分子量1600のコロイダ
ルシリカ混合オルガノシロキサン部分加水分解物の30
%メタノール溶液を得た。これをAB−2と称する。
【0057】得られたA−1〜AB−2の調製条件を表
1にまとめた。なお、上記で得られたオルガノシロキサ
ン部分加水分解物はすべて前記平均組成式(I)を満た
すものであることが確認されている。次に、エマルジョ
ン化について説明する。 (実施例1):調製例A−1で得られた(A)成分の8
0%トルエン溶液50部に、乳化剤としてドデシルベン
ゼンスルホン酸ソーダ4部を添加し、均一に攪拌した。
これに、水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテッ
クスO」、日産化学工業(株)製、固形分20%)10
0部および水50部を攪拌下で加えた後、ホモジナイザ
ー(300kg/cm2 )処理を行うことにより、シリ
コーンエマルジョンコーティング材組成物を得た。 (実施例2):調製例A−1で得られた(A)成分の8
0%トルエン溶液50部に、重合抑制剤としてポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル(HLB 11.
0)2部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソ
ーダ4部を添加し、均一に攪拌した。これに、水分散コ
ロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化
学工業(株)製、固形分20%)100部および水50
部を攪拌下で加えた後、ホモジナイザー(300kg/
cm2 )処理によりエマルジョン化を行った。その後、
ロータリーエバポレーターを用いてトルエンを留去する
ことにより、シリコーンエマルジョンコーティング材組
成物を得た。 (実施例3):調製例A−2で得られた(A)成分の3
0%混合アルコール溶液100部に、重合抑制剤として
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB
12.6)2部を添加し、均一に攪拌後、ロータリーエ
バポレーターを用いてアルコールを留去した。得られた
残留物32部に、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホ
ン酸ソーダ5部を添加し、均一に攪拌した。これに、水
分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、
日産化学工業(株)製、固形分20%)120部を攪拌
下で加えた後、ホモジナイザー(300kg/cm2
処理を行うことにより、シリコーンエマルジョンコーテ
ィング材組成物を得た。 (実施例4):調製例AB−1で得られた(A)(B)
混合成分の40%メタノール溶液100部に、重合抑制
剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
(HLB5.7)3部を添加し、均一に攪拌後、ロータ
リーエバポレーターを用いてメタノールを留去した。得
られた残留物43部に、乳化剤としてポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル(HLB 13.7)3部を
添加し、よく攪拌して均一にした。これに、水60部を
攪拌下で加えた後、ホモジナイザー(300kg/cm
2 )処理を行うことにより、シリコーンエマルジョンコ
ーティング材組成物を得た。 (実施例5):調製例AB−2で得られた(A)(B)
混合成分の30%メタノール溶液100部に、重合抑制
剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
(HLB14.1)3部を添加し、均一に攪拌後、ロー
タリーエバポレーターを用いてメタノールを留去した。
得られた残留物33部に、乳化剤としてドデシルベンゼ
ンスルホン酸ソーダ3部を添加し、よく攪拌して均一に
した。これに、水100部を攪拌下で加えた後、ホモジ
ナイザー(300kg/cm2 )処理を行うことによ
り、シリコーンエマルジョンコーティング材組成物を得
た。 (実施例6):調製例A−2で得られた(A)成分の3
0%混合アルコール溶液100部に、重合抑制剤として
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB
12.6)2部を添加し、均一に攪拌後、ロータリーエ
バポレーターを用いてアルコールを留去した。得られた
残留物32部に、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホ
ン酸ソーダ5部を添加し、均一に攪拌した。これに、水
分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、
日産化学工業(株)製、固形分20%)120部を攪拌
下で加えた後、ホモジナイザー(300kg/cm2
処理によりエマルジョン化を行った。その後、ノニオン
性ウレタンアクリルブロックコーポリマー(ローム・ア
ンド・ハース社製、品名「RM−830」、固形分30
%、ブチルカルビトール/水=28/72(重量比)水
溶液)6部を添加し攪拌することにより、シリコーンエ
マルジョンコーティング材組成物を得た。 (実施例7):調製例A−1で得られた(A)成分の8
0%トルエン溶液50部に、乳化剤としてドデシルベン
ゼンスルホン酸ソーダ4部を添加し、均一に攪拌した。
これに、水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテッ
クスO」、日産化学工業(株)製、固形分20%)10
0部および水50部を攪拌下で加えた後、ホモジナイザ
ー(300kg/cm2 )処理によりエマルジョン化を
行った。その後、水分散性顔料スラリー(大日精化製、
EP−62White、酸化チタン62%)64.5部
を添加し攪拌することにより、白色のシリコーンエマル
ジョンコーティング材組成物を得た。 (実施例8):調製例AB−1で得られた(A)(B)
混合成分の40%メタノール溶液100部に、重合抑制
剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
(HLB5.7)3部を添加し、均一に攪拌後、ロータ
リーエバポレーターを用いてメタノールを留去した。得
られた残留物43部に、乳化剤としてポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル(HLB 13.7)3部を
添加し、よく攪拌して均一にした。これに、水60部を
攪拌下で加えた後、ホモジナイザー(300kg/cm
2 )処理によりエマルジョン化を行った。その後、水分
散性顔料スラリー(酸化チタン粉末「石原産業製、R−
820」50部、ノニオン性ウレタンアクリルブロック
コーポリマー(ローム・アンド・ハース社製、品名「R
M−830」、固形分30%、ブチルカルビトール/水
=28/72(重量比)水溶液)5部および水45部を
ペイントシェーカーで1時間分散処理したもの)53.
3部を添加し攪拌することにより、白色のシリコーンエ
マルジョンコーティング材組成物を得た。 (比較例1):攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ー、滴下ロートおよび温度計を取り付けたフラスコに、
水1000部、アセトン50部を計り取り、その混合溶
液中に、メチルトリクロロシラン44.8部(0.3モ
ル)とジメチル1.2,1.4,1.6ジクロロシラン
38.7部(0.3モル)とフェニルトリクロロシラン
84.6部(0.4モル)とトルエン200部とからな
る溶液を攪拌下に滴下しながら60℃で加水分解した。
滴下が終了してから40分後に攪拌を止め、反応液を分
液ロートに移し入れて静置した後、二層に分離した下層
の塩酸水を分液除去し、次に、上層のオルガノポリシロ
キサンのトルエン溶液中に残存している水と塩酸を減圧
ストリッピングにより過剰のトルエンとともに留去して
除去することにより、反応性分子末端シラノール基含有
オルガノポリシロキサンのトルエン50%溶液を得た。
【0058】このトルエン溶液50部に、乳化剤として
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ4部を添加し、均一
に攪拌した。これに、水分散コロイダルシリカ(商品名
「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分
20%)100部および水50部を攪拌下で加えた後、
ホモジナイザー(300kg/cm2 )処理を行うこと
により、比較用シリコーンエマルジョンコーティング材
組成物を得た。 (比較例2):攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ー、滴下ロートおよび温度計を取り付けたフラスコに、
水1000部、アセトン50部を計り取り、その混合溶
液中に、メチルトリクロロシラン44.8部(0.3モ
ル)とジメチル1.2,1.4,1.6ジクロロシラン
38.7部(0.3モル)とフェニルトリクロロシラン
84.6部(0.4モル)とトルエン200部とからな
る溶液を攪拌下に滴下しながら60℃で加水分解した。
滴下が終了してから40分後に攪拌を止め、反応液を分
液ロートに移し入れて静置した後、二層に分離した下層
の塩酸水を分液除去し、次に、上層のオルガノポリシロ
キサンのトルエン溶液中に残存している水と塩酸を減圧
ストリッピングにより過剰のトルエンとともに留去して
除去することにより、反応性分子末端シラノール基含有
オルガノポリシロキサンのトルエン50%溶液を得た。
【0059】この溶液100部にメチルトリメトキシシ
ラン50部およびジメチルジメトキシシラン50部を加
えてなる混合溶液中に、ジブチルスズジラウレート6部
とトルエン30部とからなる溶液を攪拌下に滴下しなが
らシラノール基のアルコキシ化を60℃で行った。滴下
が終了してから40分後に攪拌を止め、ジブチルスズジ
ラウレートおよびメタノールを過剰のトルエンとともに
留去して除去することにより、重量平均分子量2300
の反応性分子末端メトキシド基含有オルガノシロキサン
部分加水分解物の80%トルエン溶液を得た。
【0060】このトルエン溶液50部に、乳化剤として
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ4部を添加し、均一
に攪拌した。これに、水分散コロイダルシリカ(商品名
「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分
20%)100部および水50部を攪拌下で加えた後、
ホモジナイザー(300kg/cm2 )処理を行うこと
により、比較用シリコーンエマルジョンコーティング材
組成物を得た。 (比較例3):調製例A−2で得られた(A)成分の3
0%混合アルコール溶液100部に、重合抑制剤として
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB
12.6)2部を添加し、均一に攪拌後、ロータリーエ
バポレーターを用いてアルコールを留去した。得られた
残留物32部に、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホ
ン酸ソーダ5部を添加し、均一に攪拌した。これに、水
96部を攪拌下で加えた後、ホモジナイザー(300k
g/cm2 )処理を行うことにより、比較用シリコーン
エマルジョンコーティング材組成物を得た。 (比較例4):攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ー、滴下ロートおよび温度計を取り付けたフラスコに、
水1000部、アセトン50部を計り取り、その混合溶
液中に、メチルトリクロロシラン44.8部(0.3モ
ル)とジメチル1.2,1.4,1.6ジクロロシラン
38.7部(0.3モル)とフェニルトリクロロシラン
84.6部(0.4モル)とトルエン200部とからな
る溶液を攪拌下に滴下しながら100℃で加水分解し
た。滴下が終了してから2時間後に攪拌を止め、反応液
を分液ロートに移し入れて静置した後、二層に分離した
下層の塩酸水を分液除去し、次に、上層のオルガノポリ
シロキサンのトルエン溶液中に残存している水と塩酸を
減圧ストリッピングにより過剰のトルエンとともに留去
して除去することにより、反応性分子末端シラノール基
含有オルガノポリシロキサンのトルエン50%溶液を得
た。
【0061】この溶液100部にメチルトリメトキシシ
ラン5部およびジメチルジメトキシシラン5部を加えて
なる混合溶液中に、ジブチルスズジラウレート0.6部
とトルエン10部とからなる溶液を攪拌下に滴下しなが
らシラノール基のアルコキシ化を60℃で行った。滴下
が終了してから40分後に攪拌を止め、ジブチルスズジ
ラウレートおよびメタノールを過剰のトルエンとともに
留去して除去することにより、重量平均分子量8000
のオルガノシロキサン部分加水分解物の80%トルエン
溶液を得た。これを比較用A−1と称する。
【0062】このトルエン溶液50部に、乳化剤として
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ4部を添加し、均一
に攪拌した。これに、水分散コロイダルシリカ(商品名
「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分
20%)100部および水50部を攪拌下で加えた後、
ホモジナイザー(300kg/cm2 )処理を行うこと
により、比較用シリコーンエマルジョンコーティング材
組成物を得た。
【0063】上記で得られた実施例および比較例のシリ
コーンエマルジョンコーティング材組成物の特性を以下
の方法で評価した。 (乳化安定性):エマルジョン化の1か月後および6か
月後(比較例については1か月後のみ)に組成物の乳化
状態を目視で観察し、以下の判断基準で評価した。
【0064】 ○:均一白乳色液体で、凝集沈殿物なし。 △:均一白乳色液体だが、微量の凝集沈殿物あり。 ×:不均一相分離が起きていて、沈殿物あり。 (造膜性):パイレックスガラスプレートの表面に組成
物をバーコータ塗装機で乾燥塗膜厚が5μmになるよう
に塗布し、室温で乾燥させて、乾燥被膜の状態を目視で
観察し、以下の判断基準で評価した。
【0065】 ○:連続透明被膜。 ×:不連続不透明被膜(微小クラック、粉末状態)。 (硬化性):上記造膜性評価においてパイレックスガラ
スプレートの表面に形成させた組成物の乾燥被膜を15
0℃で20分間硬化させ、形成された硬化被膜の鉛筆硬
度をJIS−K5400に準じて測定した。 (耐候性):上記硬化性評価において形成された硬化被
膜について、スガ試験機社製のサンシャインスーパーロ
ングライフウェーザーメーター(型番:WEL−SUN
−HC)を用いて1200時間の促進耐候性試験を行
い、促進耐候性試験前後の色差(E値)を色差計(日本
電色工業社製、品番Σ80)で測定し、ΔEを算出し
た。
【0066】評価結果を表2、3に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
【発明の効果】本発明のシリコーンエマルジョンコーテ
ィング材組成物は、水性であるため環境上の問題が少な
いだけでなく、長期間にわたりエマルジョンとして安定
であり、硬化触媒を使用しなくても低温硬化および加熱
硬化が可能で、耐候性、耐久性等に優れた硬化被膜を形
成することができる。また、本発明のシリコーンエマル
ジョンコーティング材組成物は、硬化触媒を含む必要が
ないので、低コスト化が図れるとともに、保存中に硬化
が進むことが少ない(ポットライフが長い)。
【0071】本発明に係る製造方法によれば、上記シリ
コーンエマルジョンコーティング材組成物を好適に製造
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬戸 和夫 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (72)発明者 有賀 英也 名古屋市中川区富川町2丁目1番地 中 京油脂株式会社内 (72)発明者 大橋 明彦 名古屋市中川区富川町2丁目1番地 中 京油脂株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−33013(JP,A) 特開 昭63−117074(JP,A) 特開 平10−168392(JP,A) 特開 平2−105859(JP,A) 特開 昭61−16929(JP,A) 特開 昭56−125466(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 1/00 - 201/10

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A)、(B)、(C)および(D)
    成分を含んでなり、前記(D)成分の含有量がシリコー
    ンエマルジョンコーティング材組成物全量中で50〜9
    0重量%の割合であるシリコーンエマルジョンコーティ
    ング材組成物。 (A)平均組成式R2 a SiOb (OR1)c (OH)d
    で表され(ここでR1、R2 は1価の炭化水素基を示
    し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦
    a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を
    満たす数である)、その重量平均分子量がポリスチレン
    換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分
    加水分解物。 (B)コロイダルシリカ。 (C)乳化剤。 (D)水。
  2. 【請求項2】前記(B)成分中のシリカ分が前記(A)
    成分に対し5〜100重量%の割合である請求項1に記
    載のシリコーンエマルジョンコーティング材組成物。
  3. 【請求項3】ノニオン性ウレタンアクリルブロックコー
    ポリマーをも含む請求項1からまでのいずれかに記載
    のシリコーンエマルジョンコーティング材組成物。
  4. 【請求項4】前記ノニオン性ウレタンアクリルブロック
    コーポリマーの含有量が、前記(A)成分と、前記
    (B)成分中のシリカ分との合計量に対し、0.1〜1
    0重量%の割合である請求項に記載のシリコーンエマ
    ルジョンコーティング材組成物。
  5. 【請求項5】顔料をも含む請求項1からまでのいずれ
    かに記載のシリコーンエマルジョンコーティング材組成
    物。
  6. 【請求項6】一般式R2 n Si(OR1)4-n (ここでR
    1 、R2 は1価の炭化水素基を示し、nは0〜3の整数
    である)で表される加水分解性オルガノシランと、酸性
    コロイダルシリカと、下記(D)成分とを混合すること
    により、下記(A)および(B)成分を含む混合物を得
    る工程と、 前記混合物と、下記(C)成分および追加(D)成分の
    うちの少なくとも(C)成分とを混合する工程とを
    み、前記加水分解性オルガノシランと、前記酸性コロイダル
    シリカと、前記(D)成分とを混合する際に使用される
    前記(D)成分の量が、前記加水分解性オルガノシラン
    中のOR 1 基1モル当量当たり0.3〜2.0モルの割
    合である シリコーンエマルジョンコーティング材組成物
    の製造方法。 (A)平均組成式R2 a SiOb (OR1)c (OH)d
    で表され(ここでR1、R2 は1価の炭化水素基を示
    し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦
    a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を
    満たす数である)、その重量平均分子量がポリスチレン
    換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分
    加水分解物。 (B)コロイダルシリカ。 (C)乳化剤。 (D)水。
  7. 【請求項7】有機溶剤を含む下記(A)および(B)成
    分の混合物から前記有機溶剤を脱溶媒することにより、
    脱溶媒物を得る工程と、 前記脱溶媒物と、下記(C)成分と、下記(D)成分と
    を混合する工程と、を含むシリコーンエマルジョンコー
    ティング材組成物の製造方法。 (A)平均組成式R2 a SiOb (OR1)c (OH)d
    で表され(ここでR1、R2 は1価の炭化水素基を示
    し、a、b、cおよびdはa+2b+c+d=4、0≦
    a<3、0<b<2、0<c<4、0<d<4の関係を
    満たす数である)、その重量平均分子量がポリスチレン
    換算で600〜5000であるオルガノシロキサン部分
    加水分解物。 (B)コロイダルシリカ。 (C)乳化剤。 (D)水。
  8. 【請求項8】ノニオン性ウレタンアクリルブロックコー
    ポリマーと、前記(D)成分と、顔料とを混合すること
    により、顔料ベースを得る工程と、 前記顔料ベースを添加する工程と、 をさらに含む請求項からまでのいずれかに記載のシ
    リコーンエマルジョンコーティング材組成物の製造方
    法。
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