JP6336690B1 - シリコーン樹脂エマルションを含む水性塗料組成物の調製方法 - Google Patents

シリコーン樹脂エマルションを含む水性塗料組成物の調製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 シリコーン樹脂エマルションを含む水性塗料組成物の調製方法を提供すること。【解決手段】 シリコーン樹脂エマルションを含む水性塗料組成物の調製方法であって、下記工程:シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物と、乳化剤(C)および水性媒体の混合物とを機械的乳化処理を行うか、シリコーン樹脂(A)、有機溶媒(B)および乳化剤(C)の混合物と水性媒体とを機械的乳化処理を行い、エマルション化混合物を得る、エマルション化工程;エマルション化混合物から前記有機溶媒(B)を少なくとも部分的に取り除く脱溶媒工程、および;得られたシリコーン樹脂エマルションを含む水性塗料組成物を調製する工程、を包含し、シリコーン樹脂(A)は、分岐状オルガノポリシロキサン(A1)および直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)を、(A1):(A2)=98:2〜40:60で含む、方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、シリコーン樹脂エマルションを含む水性塗料組成物の調製方法に関する。
住宅、ビルなどの建築物の壁面には、風雨に晒されかつ日光の直射を受ける条件において壁面の品質および外観を維持すること目的として、種々の外装用塗料組成物が塗装される。このような塗料組成物は、風雨に対する耐候性、耐水性、耐光性、耐変色性、基材に対する密着性などの性能を有することが求められる。また、塗料分野においては、近年、環境負荷、塗装作業上の安全および衛生などの観点により、塗料組成物の水性化が進んでいる。外装用水性塗料組成物としては、アクリル樹脂エマルションを含む塗料組成物が広く用いられている。
長期の耐候性および耐久性が必要とされる場合には、特定のシリコーン構造を有する変性剤を用いてシリコーン変性したアクリルシリコーン樹脂系エマルションを含む塗料組成物が用いられている。近年においては、性能のさらなる向上が求められており、特に野外の過酷な環境においても長期間外観を維持することができる、優れた耐候性および耐久性を発揮する水性塗料組成物が求められている。
耐候性などの性能を向上させる手段の1例として、例えば、アクリルシリコーン樹脂系エマルション中に含まれるシリコーン構造成分の割合を増加させる手段が考えられる。例えば、特開2001−172340号公報(特許文献1)には、ポリアルコキシポリシロキサン(a1)と該シロキサンと反応可能な官能基を有する高分子化合物(a2)と反応させて得られるポリアルコキシポリシロキサン系化合物(A)、ラジカル重合性不飽和単量体(B)の重合物(B’)およびシリケートオリゴマー(C)を含有してなることを特徴とする樹脂組成物が記載されている。この樹脂組成物は、塗膜の耐候性を向上させることができると記載される。
耐候性などの性能を向上させる手段の他の1例として、例えば、シリコーン樹脂を水性媒体に分散させたシリコーン樹脂エマルションを調製する手段が考えられる。例えば、特開2014−031413号公報(特許文献2)には、(i)有機溶剤中で合成されたシリコーンレジン(A)の有機溶剤溶液の溶剤成分をノニオン系乳化剤(B)で置換してシリコーンレジン(A)のノニオン系乳化剤溶液とし;(ii)該シリコーンレジン(A)のノニオン系乳化剤溶液に水を加え;(iii)乳化する;ことを特徴とする、有機溶剤を含有しないシリコーンレジンエマルジョンの製造方法が記載される。
特開2003−213005号公報(特許文献3)には、オルガノポリシロキサン、界面活性剤および水を主成分とする分散液を少なくとも2つ以上の通路に分岐させた後、該分散液同士を噴射衝突させて微粒子化するオルガノポリシロキサンエマルジョンの製造方法において、該分散液を流速400m/s以上で噴射衝突させることを特徴とするオルガノポリシロキサンエマルジョンの製造方法が記載される。
特開2001−172340号公報 特開2014−031413号公報 特開2003−213005号公報
上記特許文献1に記載の手法においては、シリコーン構造成分に加えてラジカル重合性不飽和単量体を用いるため、シリコーン構造成分の割合を高めることができる範囲が自ずと限られてしまう。一方で、特許文献2に記載の手法においては、シリコーン樹脂自体を分散させる方法であるため、シリコーン樹脂の含有量が高められたエマルションを得ることができ、塗膜の耐候性および耐久性の点で利点がある。しかしながら本発明者らの検討により、特許文献2に記載の手法においては、シリコーン樹脂の構造によっては、エマルションの貯蔵安定性などが劣る場合があり、水性塗料組成物の調製において課題があることが判明した。
本発明は上記従来技術の課題を解決することを課題とする。より特定すれば、本発明は、優れた耐候性および耐久性を有する塗膜が形成できる水性塗料組成物の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は下記態様を提供する。
[1]
シリコーン樹脂エマルションを含む水性塗料組成物の調製方法であって、下記工程:
シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物と、乳化剤(C)および水性媒体の混合物とを機械的乳化処理を行うか、または、シリコーン樹脂(A)、有機溶媒(B)および乳化剤(C)の混合物と水性媒体とを機械的乳化処理を行い、エマルション化混合物を得る、エマルション化工程、
得られたエマルション化混合物から、上記有機溶媒(B)を少なくとも部分的に取り除いて、シリコーン樹脂エマルションを得る、脱溶媒工程、および
得られたシリコーン樹脂エマルションを含む水性塗料組成物を調製する工程、
を包含し、
上記シリコーン樹脂(A)は、
重量平均分子量が5,000〜100,000の範囲内である分岐状オルガノポリシロキサン(A1)、および、
重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲内である直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)、
を含み、
上記水性塗料組成物中に含まれる上記分岐状オルガノポリシロキサン(A1)および直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)の質量比は、(A1):(A2)=98:2〜40:60の範囲内であり、
上記有機溶媒(B)は、シリコーン樹脂(A)と任意の比率で混和し、かつ、水に対する溶解度が1g/100gHO以下である有機溶媒またはそれらの混合物であって、上記有機溶媒の少なくとも1種は水との共沸点を有することを条件とし、
上記シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)を含む機械的乳化処理前の混合物における、シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の質量比(A):(B)は、(A):(B)=1:2〜1:0.2の関係を満たし、かつ、上記エマルション化混合物中に含まれるシリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の質量比(A):(B)は、(A):(B)=1:2〜1:0.2の関係を満たす、
方法。
[2]
シリコーン樹脂エマルションを含む水性塗料組成物の調製方法であって、下記工程:
シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物と、乳化剤(C)および水性媒体の混合物とを機械的乳化処理を行うか、または、シリコーン樹脂(A)、有機溶媒(B)および乳化剤(C)の混合物と水性媒体とを機械的乳化処理を行い、エマルション化混合物を得る、エマルション化工程、
得られたエマルション化混合物から、上記有機溶媒(B)を少なくとも部分的に取り除いて、シリコーン樹脂エマルションを得る、脱溶媒工程、および
得られたシリコーン樹脂エマルション、および、予め調製した、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲内である直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)を含むエマルション、を混合して、水性塗料組成物を調製する工程、
を包含し、
上記シリコーン樹脂(A)は、重量平均分子量が5,000〜100,000の範囲内である分岐状オルガノポリシロキサン(A1)を含み、
上記水性塗料組成物中に含まれる上記分岐状オルガノポリシロキサン(A1)および直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)の質量比は、(A1):(A2)=98:2〜40:60の範囲内であり、
上記有機溶媒(B)は、シリコーン樹脂(A)と任意の比率で混和し、かつ、水に対する溶解度が1g/100gHO以下である有機溶媒またはそれらの混合物であって、上記有機溶媒の少なくとも1種は水との共沸点を有することを条件とし、
上記シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)を含む機械的乳化処理前の混合物における、シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の質量比(A):(B)は、(A):(B)=1:2〜1:0.2の関係を満たし、かつ、上記エマルション化混合物中に含まれるシリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の質量比(A):(B)は、(A):(B)=1:2〜1:0.2の関係を満たす、
方法。
[3]
上記有機溶媒(B)は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサンおよびシクロヘキサンからなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記方法。
[4]
上記乳化剤(C)は、アニオン界面活性剤を含む、上記方法。
[5]
上記エマルション化工程における機械的乳化処理は、加圧せん断撹拌処理、対向衝突処理、衝突撹拌処理および高速回転撹拌処理からなる群から選択される1種またはそれ以上である、上記方法。
[6]
上記シリコーン樹脂エマルションは、平均粒子径が100〜500nmの範囲内である、上記方法。
[7]
上記分岐状オルガノポリシロキサン(A1)は、下記構造
[RSiO3/2[R SiO]
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水酸基、1〜6の炭素原子を有する直鎖状炭化水素基、または、5〜7の炭素原子を有する芳香族炭化水素基であり、
mは1〜1,000であり、nは1〜100であり、m+nは1〜1,000の範囲内である。)
を有する分岐状オルガノポリシロキサン(A1)であり、
上記直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)は、下記構造
−[R SiO]−R
(式中、Rは、水酸基、1〜6の炭素原子を有する直鎖状炭化水素基、または、5〜7の炭素原子を有する芳香族炭化水素基であり、
は、1〜6の炭素原子を有する直鎖状炭化水素基、または、5〜7の炭素原子を有する芳香族炭化水素基であり、
は、水素、1〜6の炭素原子を有する直鎖状炭化水素基、または、5〜7の炭素原子を有する芳香族炭化水素基であり、
xは1〜400の範囲内である。)
を有する直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)である、
上記方法。
[8]
上記シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)を含む機械的乳化処理前の混合物における、シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物の粘度は、10〜1,500mPa・sの範囲内である、上記方法。
[9]
シリコーン樹脂エマルションを含む水性塗料組成物であって、
上記シリコーン樹脂エマルションは、重量平均分子量が5,000〜100,000の範囲内である分岐状オルガノポリシロキサン(A1)、および、
重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲内である直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)を含むシリコーン樹脂(A)のエマルションであって、
上記水性塗料組成物中に含まれる上記分岐状オルガノポリシロキサン(A1)および直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)の質量比は、(A1):(A2)=98:2〜40:60の範囲内である、
水性塗料組成物。
本発明の製造方法によれば、微粒子であり、かつ、貯蔵安定性に優れた、分岐状オルガノポリシロキサン(A1)を含むシリコーン樹脂エマルションを製造することができる。本発明の製造方法によって、分岐状オルガノポリシロキサン(A1)および直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)を含むシリコーン樹脂エマルションを含む水性塗料組成物を製造することができる。上記水性塗料組成物は、優れた耐候性および耐久性を有する塗膜を形成することができる利点がある。
本発明に至った経緯を説明する。上記特許文献2、3に示されるように、シリコーン樹脂エマルションの調製などにおいて種々の検討が行われてきた。一方で、本発明者らが検討を行ったところ、これらの従来技術は、次のような課題があることが判明した。
特許文献2に記載の製造方法は、有機溶剤中で合成されたシリコーンレジンの有機溶剤溶液の溶剤成分をノニオン系乳化剤で置換してシリコーンレジンのノニオン系乳化剤溶液とし、これに水を加えて乳化することを特徴とする製造方法である。しかしながらこの方法においては、シリコーン樹脂の種類によっては、エマルションの粒子径が大きくなり、貯蔵安定性が劣ることがあることが、本発明者らの実験により判明した。
特許文献3に記載の製造方法は、噴射衝突型乳化装置を用いて、オルガノポリシロキサン、界面活性剤および水を含む分散液同士を噴射衝突させて微粒子化することを特徴とする製造方法である。この方法は噴射衝突させる工程を含むため、分散液の粘度が高い場合、すなわちオルガノポリシロキサンの粘度が高い場合は、噴射衝突を行うことが困難となるおそれがある。
本発明者らは、例えば高粘度のシリコーン樹脂を用いる場合であっても、十分に微細な粒子径を有し、貯蔵安定性などに優れるエマルションを調製することができる方法を開発することを目的とした。そして、シリコーン樹脂および有機溶媒を含む混合物の状態でエマルション化を行い、その後に有機溶媒を取り除くことによって、高粘度のシリコーン樹脂を用いる場合であっても、十分に微細な粒子径を有し、貯蔵安定性が良好であるシリコーン樹脂エマルションを調製することが可能となることを見いだした。そして、こうして調製されたシリコーン樹脂エマルションを用いることによって、優れた耐候性および耐久性を有する塗膜を形成することができる水性塗料組成物を完成するに至った。以下、本発明の調製方法について説明する。
シリコーン樹脂エマルションを含む水性塗料組成物の調製方法の1態様(以下、「第1態様」と記載する。)は、下記工程を包含する:
シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物と、乳化剤(C)および水性媒体の混合物とを機械的乳化処理を行うか、または、シリコーン樹脂(A)、有機溶媒(B)および乳化剤(C)の混合物と水性媒体とを機械的乳化処理を行い、エマルション化混合物を得る、エマルション化工程、
得られたエマルション化混合物から、前記有機溶媒(B)を少なくとも部分的に取り除いて、シリコーン樹脂エマルションを得る、脱溶媒工程、および
得られたシリコーン樹脂エマルションを含む水性塗料組成物を調製する工程。
この態様においては、エマルション化混合物の調製に用いられるシリコーン樹脂(A)は、
重量平均分子量が5,000〜100,000の範囲内である分岐状オルガノポリシロキサン(A1)、および、
重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲内である直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)、
を含む。
シリコーン樹脂エマルションを含む水性塗料組成物の調製方法の他の1態様(以下、「第2態様」と記載する。)は、下記工程を包含する:
シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物と、乳化剤(C)および水性媒体の混合物とを機械的乳化処理を行うか、または、シリコーン樹脂(A)、有機溶媒(B)および乳化剤(C)の混合物と水性媒体とを機械的乳化処理を行い、エマルション化混合物を得る、エマルション化工程、
得られたエマルション化混合物から、前記有機溶媒(B)を少なくとも部分的に取り除いて、シリコーン樹脂エマルションを得る、脱溶媒工程、および
得られたシリコーン樹脂エマルション、および、予め調製した、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲内である直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)を含むエマルション、を混合して、水性塗料組成物を調製する工程。
この態様においては、エマルション化混合物の調製に用いられるシリコーン樹脂(A)は、重量平均分子量が5,000〜100,000の範囲内である分岐状オルガノポリシロキサン(A1)を含む。
エマルション化工程
エマルション化工程は、シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物と、乳化剤(C)および水性媒体の混合物とを機械的乳化処理を行うか、または、シリコーン樹脂(A)、有機溶媒(B)および乳化剤(C)の混合物と水性媒体とを機械的乳化処理を行うことによって、エマルション化混合物を得る工程である。上記製造方法においては、シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物、または、シリコーン樹脂(A)、有機溶媒(B)および乳化剤(C)の混合物を、エマルション化工程において用いること、そして、上記シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)を含む、機械的乳化処理前の混合物における、シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の質量比(A):(B)は、(A):(B)=1:2〜1:0.2の関係を満たし、かつ、エマルション化混合物中に含まれるシリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の質量比(A):(B)は、(A):(B)=1:2〜1:0.2の関係を満たすこと、を特徴とする。
シリコーン樹脂(A)
上記方法において、シリコーン樹脂(A)は、重量平均分子量が5,000〜100,000の範囲内である分岐状オルガノポリシロキサン(A1)を含む。上記分岐状オルガノポリシロキサン(A1)の重量平均分子量は5,000〜80,000の範囲内であるのが好ましく、5,000〜50,000の範囲内であるのがより好ましい。重量平均分子量が上記範囲内であることにより、貯蔵安定性が良好なシリコーン樹脂エマルションを調製することが可能である。さらに、上記シリコーン樹脂エマルションを用いて調製した水性塗料組成物から得られる塗膜は、良好な耐候性、耐水性等を有する利点がある。
分岐状オルガノポリシロキサン(A1)を含む水性塗料組成物は、良好な塗膜強度を有する塗膜を形成することができる利点がある。その一方で、分岐状オルガノポリシロキサン(A1)は比較的高い粘度を有する。そのため、分岐状オルガノポリシロキサン(A1)を含むシリコーン樹脂を、水性塗料組成物を調製するためにエマルション化する場合は、その粘度が高いことからエマルションの調製が困難となることがある。高粘度である分岐状オルガノポリシロキサン(A1)を含むシリコーン樹脂をエマルション化する場合は、微粒子のエマルションを調製することが難しく、得られたエマルションの貯蔵安定性が劣るおそれがあるためである。
上記方法では、上記シリコーン樹脂(A)のエマルション化において、機械的乳化処理前の混合物がシリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)を含む状態でエマルション化を行うことを特徴とする。これにより、微粒子のエマルションを調製することが可能となった。
上記分岐状オルガノポリシロキサン(A1)は、例えば下記式で示される構造を有する化合物である。
[RSiO3/2[R SiO]
上記式中、RおよびRは、それぞれ独立して、必要に応じて置換基を有してもよい、水酸基または炭素数1〜20の1価の有機基であり、
mは1〜1,000の範囲内であり、
nは0〜100の範囲内である。
上記式において、m+nは、1〜1,000の範囲内であるのが好ましい。
上記式中のRおよびRの具体例として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などの、炭素数1〜20のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などの、炭素数6〜20のアリール基;ビニル基、アリル基などの、炭素数2〜20のアルケニル基;水酸基;などが挙げられる。これらの基は、必要に応じて置換基を有してもよい。置換基として、例えば、ハロゲン原子、アミノ基、アクリロキシル基、メタクリロキシル基、エポキシ基、メルカプト基、カルボキシル基などの極性基含有置換基が挙げられる。
上記式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水酸基、1〜6の炭素原子を有する直鎖状炭化水素基、または5〜7の炭素原子を有する芳香族炭化水素基であるのが好ましい。
上記分岐状オルガノポリシロキサン(A1)は、上記式で示される構造を有する化合物であり、上記式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水酸基、1〜6の炭素原子を有する直鎖状炭化水素基、または、5〜7の炭素原子を有する芳香族炭化水素基であり、mは1〜1,000の範囲内であり、nは1〜100の範囲内であり、m+nは1〜1,000の範囲内であるのがより好ましい。
上記式中のRおよびRにおいて、30モル%以上がメチル基であるのがより好ましく、50モル%以上がメチル基であるのがさらに好ましい。
上記式中、mは[RSiO3/2]単位の数を表し、nは[R SiO]単位の数を表す。[RSiO3/2]単位が含まれることによって、分岐状のオルガノポリシロキサンとなる。ここで上記単位のモル比率m:nは、2:8〜10:0の範囲内であるのが好ましく、3:7〜10:0の範囲内であるのがより好ましく、4:6〜10:0の範囲内であるのがさらに好ましい。上記比率において、nの比率が8以下であることによって、得られる塗膜の硬度が良好な範囲となり、また良好な耐久性を得ることができる利点がある。
上記分岐状オルガノポリシロキサン(A1)は、例えば、クロロシランまたはアルコキシシランなどのシラン化合物を加水分解し、縮合反応することによって調製することができる。上記分岐状オルガノポリシロキサン(A1)として、市販品を用いてもよい。市販品として、例えば、東レ・ダウコーニング社製の804RESIN、805RESIN、840RESIN、SR−2400;信越化学工業社製のKR−220L、KR−242A、KR−251、KR−225、KR−271、KR−282、X40−2406;旭化成ワッカーシリコーン社製のSILRES K、SILRES KX、SILRES HK46、SILRES REN50、SILRES REN60、SILRES H62C、SILRES MES100;などが挙げられる。
上記第1態様においては、シリコーン樹脂(A)は、上記分岐状オルガノポリシロキサン(A1)に加えて、直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)を含む。直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)として、例えば下記式で示される構造を有する化合物が挙げられる。
−[R SiO]−R
(式中、Rは、水酸基、1〜6の炭素原子を有する直鎖状炭化水素基、または、5〜7の炭素原子を有する芳香族炭化水素基であり、
は、1〜6の炭素原子を有する直鎖状炭化水素基、または、5〜7の炭素原子を有する芳香族炭化水素基であり、
は、水素、1〜6の炭素原子を有する直鎖状炭化水素基、または、5〜7の炭素原子を有する芳香族炭化水素基であり、
xは1〜400の範囲内である。)
上記第2態様は、エマルション化混合物を調製しシリコーン樹脂エマルションを調製した後に、予め調製した直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)を含むエマルションを混合する調製方法である。この調製方法においては、エマルション化混合物の調製に用いられるシリコーン樹脂(A)は、分岐状オルガノポリシロキサン(A1)を含む。その一方で、直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)は含まれてもよく、含まなくてもよい。
上記第1態様および第2態様いずれにおいても、水性塗料組成物中に含まれる分岐状オルガノポリシロキサン(A1)および直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)の質量比は、(A1):(A2)=98:2〜40:60の範囲内であることを条件とする。質量比(A1):(A2)が上記範囲内であることによって、得られる塗膜の耐水性および耐薬品性が良好となる。
上記第1態様により水性塗料組成物を調製する場合は、比較的分子量の小さい直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)を含むことによって、シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物の粘度を適正範囲に調整することが容易となる、という利点がある。
また、上記第2態様により水性塗料組成物を調製する場合は、分岐状オルガノポリシロキサン(A1)を含むシリコーン樹脂エマルションと、直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)を含むシリコーン樹脂エマルションの配合量比を塗料化する際に適宜決められるため、用途により要求される性能に合わせて、得られる塗膜の物性を適宜調整できるという利点がある。
有機溶媒(B)
上記有機溶媒(B)は、シリコーン樹脂(A)と任意の比率で混和し、かつ、水に対する溶解度が1g/100gHO以下である有機溶媒、またはこのような有機溶媒の混合物である。そして、上記有機溶媒の少なくとも1種は水との共沸点を有することを条件とする。上記有機溶媒(B)およびシリコーン樹脂(A)の混和は、20℃において任意の比率で混和することを意味する。本明細書において「水との共沸点を有する有機溶媒」とは、水および有機溶媒の混合物を加熱などにより沸騰させた場合に、共沸し、極小共沸点を示す有機溶媒を意味する。また、「水に対する溶解度が1g/100gHO以下である有機溶媒」は、20℃における溶解度を意味する。
本明細書において「水との共沸点を有する有機溶媒」とは、水および有機溶媒の混合物を加熱などにより沸騰させた場合に、共沸し、極小共沸点を示す有機溶媒を意味する。上記有機溶媒(B)は、常圧において水との共沸点が60〜95℃であるものが好ましい。有機溶媒(B)の共沸点が上記範囲であることにより、エマルション化工程および脱溶媒工程において、取扱いが容易になるという利点がある。
上記有機溶媒(B)のうち、水に対する溶解度が1g/100gHO以下であり、かつ、水との共沸点を有する有機溶媒の具体例として、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、および、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素溶媒、のうち1種またはそれ以上を含む有機溶媒が挙げられる。上記有機溶媒(B)は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサンおよびシクロヘキサンからなる群から選択される1種またはそれ以上であるのがより好ましく、ベンゼン、トルエン、ヘキサンおよびシクロヘキサンからなる群から選択される1種またはそれ以上であるのがさらに好ましい。
上記有機溶媒を用いることにより、エマルション化混合物を得た後の脱溶媒工程において、水との共沸により簡便に留去することが可能となる。これにより、溶剤臭が低減され、引火点を有しない水性シリコーン樹脂エマルションを得ることができる利点がある。
上記有機溶媒(B)のうち、水に対する溶解度が1g/100gHO以下である一方で、水との共沸点を有しない有機溶媒として、例えば、炭素数10〜20の芳香族有機溶媒であって水との共沸点を有しない有機溶媒、炭素数8〜20の炭化水素有機溶媒であって水との共沸点を有しない有機溶媒などが挙げられる。
乳化剤(C)
エマルション化工程で用いる乳化剤(C)は、特に限定されず、例えば
アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩、アルキルジフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルケニルコハク酸塩などのアニオン界面活性剤;
第四級アンモニウム塩などのカチオン界面活性剤;
グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、アルキルアルカノールアミド、アルキルポリグルコシドなどのノニオン界面活性剤;
アルキルベタイン、イミダゾリン型ベタイン、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタインなどの両性界面活性剤;
などを用いることができる。
これらの乳化剤(C)は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記乳化剤(C)は、アニオン界面活性剤を含むのが好ましい。アニオン界面活性剤を含む乳化剤(C)を用いることによって、好適な範囲の平均粒子径を有するエマルション化混合物およびシリコーン樹脂エマルションを得ることができ、そして、貯蔵安定性に優れたシリコーン樹脂エマルションを得ることができる利点がある。
好ましいアニオン界面活性剤として、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩である、ニューコール707SN、ニューコール714SN、ニューコール780SF、ニューコール2308SF(いずれも日本乳化剤社製)、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩である、ラテムルPD−104(花王社製)、アクアロンKH−1025(第一工業製薬社製)、アルキルベンゼンスルホン酸塩である、ネオゲンS−20F(第一工業製薬社製)、ネオペレックスG−65、ネオペレックスG−25(いずれも花王社製)、アルキルジフェニルエーテル硫酸エステル塩である、ペレックスSS−L、ペレックスSS−H(いずれも花王社製)、アルケニルコハク酸塩である、ラテムルASK、ラテムルDSK(いずれも花王社製)などが挙げられる。
また、上記乳化剤(C)の一例として、アニオン界面活性剤およびノニオン界面活性剤を含む態様が挙げられる。
上記乳化剤(C)の量は、上記シリコーン樹脂(A)の樹脂固形分100質量部に対して、成分量として0.5〜10質量部であることが好ましく、2.5〜10質量部であるのがより好ましい。乳化剤(C)の量が上記範囲内であることにより、平均粒子径を小さくすることができ、また、得られたシリコーン樹脂エマルションを用いて水性塗料組成物を調製した場合において、塗膜の耐水性を確保することができる利点がある。
本明細書において、水性媒体とは、本質的に水からなる媒体である。この水性媒体は、場合によって、アルコールなどの水親和性有機溶媒を数質量%の範囲で含んでもよい。
エマルション化工程の一態様では、まず、上記シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物、および、乳化剤(C)および水性媒体の混合物をそれぞれ調製する。次いで、これらの混合物を、機械的乳化処理を行うことによって、エマルション化混合物を得る。また、エマルション化工程の他の一態様では、シリコーン樹脂(A)、有機溶媒(B)および乳化剤(C)の混合物を調製し、水性媒体をさらに混合して機械的乳化処理を行うことによって、エマルション化混合物を得る。これらの混合物の調製は、塗料分野において通常用いられる攪拌機を用いて混合することによって、調製することができる。シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物として、市販品を用いてもよい。
上記シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)を含む機械的乳化処理前の混合物における、シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物の粘度は、10〜1,500mPa・sの範囲内であるのが好ましく、10〜700mPa・sの範囲内であるのがより好ましく、10〜200mPa・sの範囲内であるのがさらに好ましい。上記重量平均分子量が5,000〜100,000の範囲内である分岐状オルガノポリシロキサンの粘度は、例えば1,500mPa・sを超えるような高粘度であるため、シリコーン樹脂(A)の粘度もまた高くなる。ここで、エマルション化工程で用いる、機械的乳化処理前の混合物における、シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物の粘度を上記範囲内とすることによって、良好な範囲の平均粒子径を有するシリコーン樹脂エマルションを調製することができる利点がある。
上記方法は、エマルション化工程における、シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)を含む機械的乳化処理前の混合物が、シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の質量比(A):(B)=1:2〜1:0.2の関係を満たし、かつ、エマルション化混合物中(すなわち、エマルション化後)に含まれるシリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の質量比(A):(B)が、(A):(B)=1:2〜1:0.2の関係を満たすことを特徴とする。エマルション化前およびエマルション化後の両方において、シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の質量比が上記範囲内であることによって、シリコーン樹脂(A)が上記分岐状オルガノポリシロキサン(A1)を含む場合であっても、良好なシリコーン樹脂エマルションを調製することができる。
上記製造方法において、シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)を含む機械的乳化処理前の混合物(すなわち、エマルション化前)におけるシリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の質量比(A):(B)が上記範囲を満たし、かつ、エマルション化混合物中(すなわち、エマルション化後)に含まれるシリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の質量比(A):(B)が上記範囲を満たすことは、エマルション化前およびエマルション化後の両方において、一定量の有機溶媒が存在することを意味する。従って、例えばエマルション化前に有機溶媒を留去することによって、有機溶媒の含有量を上記範囲に満たないようにするなどの製造方法は、本発明における製造方法には含まれない。
シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)を含む機械的乳化処理前の混合物(エマルション化前)における、シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の質量比(A):(B)は、(A):(B)=1:1.5〜1:0.2であるのが好ましい。また、エマルション化混合物中(エマルション化後)に含まれるシリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の質量比(A):(B)は、(A):(B)=1:1.5〜1:0.2であるのが好ましい。
上記エマルション化混合物を得る方法について、より詳細には、例えば下記手順などにより行うことができる。
手順1:シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物の全量と、乳化剤(C)および水性媒体の混合物の全量とを一旦混合し、次いで機械的乳化処理を行う手順。
手順2:シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物の全量に対して、乳化剤(C)および水性媒体の混合物の一部を最初に加えて機械的乳化処理を行い、次いで、残りの乳化剤(C)および水性媒体の混合物を加えて、機械的乳化処理を行う手順。
手順3:シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物の全量に対して、乳化剤(C)を一旦混合し、次いで、水性媒体を加えながら機械的乳化処理を行う手順。
手順4:シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物の一部と、乳化剤(C)および水性媒体の混合物の一部とを最初に加えて機械的乳化処理を行い、次いで、それぞれの残りの混合物を加えて、機械的乳化処理を行う手順。
手順5:シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物の一部と、乳化剤(C)および水性媒体の混合物の全量を最初に加えて機械的乳化処理を行い、次いで、残りの、シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物を加えて、機械的乳化処理を行う手順。
手順6:乳化剤(C)および水性媒体の混合物の全量に対して、シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物の一部を加えて混合し、次いで、残りのシリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物を加えて、機械的乳化処理を行う手順。
エマルション化工程における上記機械的乳化処理は、物理的対流を利用して行う乳化処理を意味する。機械的乳化処理の具体例として、例えば、加圧せん断撹拌処理、対向衝突処理、衝突撹拌処理および高速回転撹拌処理などが挙げられる。
加圧せん断撹拌処理は、加圧条件下においてせん断撹拌を行う処理である。加圧条件として、例えば10〜100MPaの加圧条件が挙げられる。
対向衝突処理は、混合物である液体に高圧力をかけて、処理容器内(例えばホモバルブなど)で対向衝突させ通過させることにより、エマルションなどの粒子を微細化する処理である。加圧条件として、例えば10〜100MPaの加圧条件が挙げられる。対向衝突処理の具体例として、例えば、10〜100MPa加圧条件下におけるホモゲナイザー処理などが挙げられる。対向衝突処理の具体例として、例えば、高圧ホモゲナイザーを用いた対向衝突処理などが挙げられる。
衝突撹拌処理は、混合する対象を2またはそれ以上に分けて、それぞれを高圧(例えば10〜100MPaの圧力)で噴射して衝突させることによって撹拌を行う処理である。対向衝突処理、衝突撹拌処理は、連続的に噴射衝突を行うことができるため、比較的大量の原料を処理する方法として好適に用いることができる。衝突撹拌処理の具体例として、例えば、マイクロフルイダイザーを用いた衝突撹拌処理などが挙げられる。
高速回転撹拌処理は、撹拌子を高速で回転させることによる撹拌処理である。高速回転条件として、例えば、5,000〜30,000rpmで撹拌を行う態様が挙げられる。高速回転撹拌処理の具体例として、例えばクレアミックス、クレアミックスWモーション(エム・テクニック社製)などを用いた高速回転撹拌処理が挙げられる。
シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)含む機械的乳化処理前の混合物を、機械的乳化処理を行うことによって、例えば平均粒子径が100〜500nmの範囲内であるエマルションを調製することができる。
脱溶媒工程
上記エマルション化工程で得られたエマルション化混合物から、有機溶媒(B)を少なくとも部分的に取り除く(脱溶媒工程)ことによって、シリコーン樹脂エマルションを得ることができる。有機溶媒(B)を取り除く方法としては、当業者に知られる、一般的な脱溶媒方法を用いることができる。脱溶媒方法の一例として、例えば、一般的な攪拌脱溶媒槽、流下薄膜方式またはロータリーエバポレーターなどにより、加熱および/または減圧により、有機溶媒(B)を少なくとも部分的に取り除く方法などが挙げられる。
上記製造方法では、分岐状オルガノポリシロキサン(A1)を含むシリコーン樹脂であっても、十分に微細な粒子径をもって良好にエマルション化することができる。そして上記製造方法によって、水性塗料組成物調製用として好適な、貯蔵安定性に優れたシリコーン樹脂エマルションを得ることができる。上記方法により得られるシリコーン樹脂エマルションの平均粒子径は、100〜500nmの範囲内であるのが好ましく、100〜400nmの範囲内であるのがより好ましい。
本明細書における平均粒子径は、動的光散乱法によって決定される平均粒子径であり、具体的には、電気泳動光散乱光度計ELSZシリーズ(大塚電子社製)などを使用して測定することができる。
水性塗料組成物の調製
上記方法によって得られたシリコーン樹脂エマルションを用いて、水性塗料組成物を調製することができる。例えば上記第1態様においては、得られたシリコーン樹脂エマルションを、必要に応じて用いられる顔料そして添加剤などと、当業者において通常用いられる攪拌機を用いて混合することによって、水性塗料組成物を調製することができる。
例えば上記第2態様においては、得られたシリコーン樹脂エマルション、そして、予め調製した、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲内である直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)を含むエマルション、を混合し、さらに、必要に応じて用いられる顔料そして添加剤などを、当業者において通常用いられる攪拌機を用いて混合することによって、水性塗料組成物を調製することができる。
重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲内である直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)を含むエマルションは、当業者において通常行われる手法により、調製することができる。重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲内である直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)を含むエマルションとして、市販品を用いてもよい。
上記顔料は特に限定されるものではなく、例えば、体質顔料、無機着色顔料、有機着色顔料などが挙げられる。顔料は、水性塗料組成物の樹脂固形分に対する顔料質量濃度(PWC)が、5〜60質量%となる範囲内で用いるのが好ましい。
上記水性塗料組成物の調製において、通常用いられる添加剤、例えば、粘性調整剤、充填材、分散剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、凍結防止剤、艶消し剤、防藻剤、消泡剤、造膜助剤、防腐剤、防かび剤、反応触媒などと混合してもよい。
上記水性塗料組成物は、樹脂固形分質量に対して0.01〜20質量%の粘性調整剤を含むのが好ましい。粘性調整剤の量は、樹脂固形分質量に対して0.05〜10質量%であるのがより好ましく、0.5〜5質量%であるのがさらに好ましい。
粘性調整剤として、例えば、ポリアマイド系粘性調整剤、ウレタン系粘性調整剤、ポリカルボン酸系粘性調整剤、セルロース系粘性調整剤、無機層状化合物系粘性調整剤およびアミノプラスト系粘性調整剤などの粘性調整剤が挙げられる。
ポリアマイド系粘性調整剤として、例えば、脂肪酸アマイド、ポリアマイド、アクリルアマイド、長鎖ポリアミノアマイド、アミノアマイドおよびこれらの塩(例えばリン酸塩)などが挙げられる。
ウレタン系粘性調整剤として、例えば、ポリエーテルポリオール系ウレタンプレポリマー、ウレタン変性ポリエーテル型粘性調整剤などが挙げられる。
ポリカルボン酸系粘性調整剤として、例えば高分子量ポリカルボン酸、高分子量不飽和酸ポリカルボン酸およびこれらの部分アミド化物などが挙げられる。
セルロース系粘性調整剤として、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系粘性調整剤などが挙げられる。
無機層状化合物系粘性調整剤として、例えば、モンモリロナイト、ベントナイト、クレイなどの層状化合物が挙げられる。
アミノプラスト系粘性調整剤として、例えば、疎水変性エトキシレートアミノプラスト系会合型粘性調整剤などが挙げられる。
上記粘性調整剤は1種のみを用いてもよく、2種または以上を併用してもよい。
粘性調整剤として市販品を用いてもよい。市販される粘性調整剤として、例えば、
ポリアマイド系粘性調整剤である、ディスパロンAQ−600(楠本化成社製)、Anti−Terra−U(BYK Chemie社製)、Disperbyk−101、Disperbyk−130(BYK Chemie社製)など;
ポリカルボン酸系粘性調整剤である、Anti−Terra−203/204(BYK Chemie社製)、Disperbyk−107(BYK Chemie社製)、BYK−P104、BYK−P105(BYK Chemie社製)、プライマルASE−60、プライマルTT−615(ダウ・ケミカル社製)、ビスカレックスHV−30(BASF社製)、SNシックナー617、SNシックナー618、SNシックナー630、SNシックナー634、SNシックナー636(サンノプコ社製)など;
ウレタン系粘性調整剤である、アデカノールUH−814N、UH−752、UH−750、UH−420、UH−462(ADEKA社製)、SNシックナー621N、SNシックナー623N(サンノプコ社製)、RHEOLATE244、278(エレメンティス社製)など;
セルロース系粘性調整剤である、HECダイセルSP600N(ダイセルファインケム社製)など;
層状化合物系粘性調整剤である、BENTONE HD(エレメンティス社製)など;
アミノプラスト系粘性調整剤である、Optiflo H600VF(BYK Chemie社製)など;
が挙げられる。
上記粘性調整剤は、ポリカルボン酸系粘性調整剤およびウレタン系粘性調整剤のうち1種またはそれ以上を含むのが好ましい。ポリカルボン酸系粘性調整剤を含む粘性調整剤がより好ましい。粘性調整剤がポリカルボン酸系粘性調整剤を含む場合は、中和剤としてアンモニアを用いるのがさらに好ましい。粘性調整剤がポリカルボン酸系粘性調整剤を含む場合において、中和剤としてアンモニアを用いることによって、ゲル分率(JIS K 6796に準拠して測定される、乾燥塗膜の有機溶媒に対する抽出不溶分の質量分率)を良好な範囲に保持することができる利点がある。
上記水性塗料組成物は、重量平均分子量が5,000〜100,000の範囲内である分岐状オルガノポリシロキサン(A1)を含むことによって、強靱性、耐候性などの塗膜物性に優れた塗膜を形成することができる。また、上記方法によって調製される、分岐状オルガノポリシロキサン(A1)を含むシリコーン樹脂が分散されたシリコーン樹脂エマルションは、貯蔵安定性が優れている。そのため、得られる水性塗料組成物もまた、貯蔵安定性に優れるという利点がある。さらに、上記水性塗料組成物が、重量平均分子量が5,000〜100,000の範囲内である分岐状オルガノポリシロキサン(A1)および重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲内である直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)の両方を含むことによって、耐水性および耐薬品性に優れた塗膜を形成することができる利点がある。これは、成分(A1)および(A2)の両方が特定範囲量で含まれることによって、塗膜形成時における硬化反応性が向上するためと考えられる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」および「%」は、ことわりのない限り、質量基準による。
製造例1
シリコーン樹脂エマルション(S1−1)の製造
ステンレス容器に、シリコーン樹脂(A1−1)としてSR−2400(東レ・ダウコーニング社製、分岐状オルガノポリシロキサン;重量平均分子量:20,000、粘度:15mPa・s、固形分濃度:50質量%、有機溶媒(B−1):トルエン)140質量部と、シリコーン樹脂(A2−1)としてXC96−723(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、直鎖状オルガノポリシロキサン;重量平均分子量:2,200、粘度30mPa・s、固形分濃度:100質量%)30質量部を混合した。得られた混合物の粘度は20mPa・sであった。
別のステンレス容器に、乳化剤(C−1)としてラテムルPD−104(花王社製、アニオン性乳化剤;成分含有率:20質量%)25質量部とイオン交換水182質量部を加え、撹拌しながら上記混合物170質量部を添加し、ディスパーを用いて1,500rpmで15分間撹拌した(全量377質量部、固形分105質量部)。
次いで、SN−777(サンノプコ社製、消泡剤)0.057質量部を添加した後、高圧ホモゲナイザーH20−H2(三和エンジニアリング社製)を用いて、35MPaで処理し(機械的乳化処理;エマルション化工程)、エマルション化混合物377質量部を得た。
さらにそのエマルションを55℃に加温し、減圧下で脱溶媒し、水とともに有機溶媒(B−1)を留去し(脱溶媒工程)、シリコーン樹脂エマルション(S1−1)244質量部(固形分濃度:43質量%)を得た。
得られたシリコーン樹脂エマルション(S1−1)の平均粒子径は350nmであった。また、得られたシリコーン樹脂エマルションにおける有機溶媒(トルエン(B−1))の含有量を測定したところ、0.1%未満であった。
製造例2
シリコーン樹脂エマルション(S1−2)の製造
ステンレス容器に、シリコーン樹脂(A1−1)140質量部と、シリコーン樹脂(A2−2)としてYF−3800(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、直鎖状オルガノポリシロキサン;重量平均分子量:4,000、粘度70mPa・s、固形分濃度:100質量%)30質量部を混合した。得られた混合物の粘度は51mPa・sであった。
別のステンレス容器に、乳化剤(C−1)25質量部とイオン交換水182質量部を加え、撹拌しながら上記混合物170質量部を添加し、ディスパーを用いて1,500rpmで15分間撹拌した(全量377質量部、固形分105質量部)。
次いで、SN−777 0.057質量部を添加した後、高圧ホモゲナイザーH20−H2を用いて、35MPaで処理し、エマルション化混合物377質量部を得た。
さらにそのエマルションを55℃に加温し、減圧下で脱溶媒し、水とともに有機溶媒(B−1)を留去し、シリコーン樹脂エマルション(S1−2)244質量部(固形分濃度:43質量%)を得た。
得られたシリコーン樹脂エマルション(S1−2)の平均粒子径は350nmであった。
製造例3
シリコーン樹脂エマルション(S1−3)の製造
ステンレス容器に、シリコーン樹脂(A1−1)140質量部と、シリコーン樹脂(A2−3)としてXF−3905(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、直鎖状オルガノポリシロキサン;重量平均分子量:20,000、粘度700mPa・s、固形分濃度:100質量%)30質量部を混合した。得られた混合物の粘度は200mPa・sであった。
別のステンレス容器に、乳化剤(C−1)25質量部とイオン交換水182質量部を加え、撹拌しながら上記混合物170質量部を添加し、ディスパーを用いて1,500rpmで15分間撹拌した(全量377質量部、固形分105質量部)。
次いで、SN−777 0.057質量部を添加した後、高圧ホモゲナイザーH20−H2を用いて、35MPaで処理し、エマルション化混合物377質量部を得た。
さらにそのエマルションを55℃に加温し、減圧下で脱溶媒し、水とともに有機溶媒(B−1)を留去し、シリコーン樹脂エマルション(S1−3)244質量部(固形分濃度:43質量%)を得た。
得られたシリコーン樹脂エマルション(S1−3)の平均粒子径は370nmであった。
製造例4
シリコーン樹脂エマルション(S1−4)の製造
ステンレス容器に、シリコーン樹脂(A1−1)190質量部と、シリコーン樹脂(A2−2)5質量部を混合した。得られた混合物の粘度は17mPa・sであった。
別のステンレス容器に、乳化剤(C−1)25質量部とイオン交換水182質量部を加え、撹拌しながら上記混合物195質量部を添加し、ディスパーを用いて1,500rpmで15分間撹拌した(全量402質量部、固形分105質量部)。
次いで、SN−777 0.057質量部を添加した後、高圧ホモゲナイザーH20−H2を用いて、35MPaで処理し、エマルション化混合物402質量部を得た。
さらにそのエマルションを55℃に加温し、減圧下で脱溶媒し、水とともに有機溶媒(B−1)を留去し、シリコーン樹脂エマルション(S1−4)244質量部(固形分濃度:43質量%)を得た。
得られたシリコーン樹脂エマルション(S1−4)の平均粒子径は320nmであった。
製造例5
シリコーン樹脂エマルション(S1−5)の製造
ステンレス容器に、シリコーン樹脂(A1−1)170質量部と、シリコーン樹脂(A2−2)15質量部を混合した。得られた混合物の粘度は30mPa・sであった。
別のステンレス容器に、乳化剤(C−1)25質量部とイオン交換水182質量部を加え、撹拌しながら上記混合物185質量部を添加し、ディスパーを用いて1,500rpmで15分間撹拌した(全量392質量部、固形分105質量部)。
次いで、SN−777 0.057質量部を添加した後、高圧ホモゲナイザーH20−H2を用いて、35MPaで処理し、エマルション化混合物392質量部を得た。
さらにそのエマルションを55℃に加温し、減圧下で脱溶媒し、水とともに有機溶媒(B−1)を留去し、シリコーン樹脂エマルション(S1−5)244質量部(固形分濃度:43質量%)を得た。
得られたシリコーン樹脂エマルション(S1−5)の平均粒子径は330nmであった。
製造例6
シリコーン樹脂エマルション(S1−6)の製造
ステンレス容器に、シリコーン樹脂(A1−1)100質量部と、シリコーン樹脂(A2−2)50質量部を混合した。得られた混合物の粘度は58mPa・sであった。
別のステンレス容器に、乳化剤(C−1)25質量部とイオン交換水182質量部を加え、撹拌しながら上記混合物150質量部を添加し、ディスパーを用いて1,500rpmで15分間撹拌した(全量357質量部、固形分105質量部)。
次いで、SN−777 0.057質量部を添加した後、高圧ホモゲナイザーH20−H2を用いて、35MPaで処理し、エマルション化混合物357質量部を得た。
さらにそのエマルションを55℃に加温し、減圧下で脱溶媒し、水とともに有機溶媒(B−1)を留去し、シリコーン樹脂エマルション(S1−6)244質量部(固形分濃度:43質量%)を得た。
得られたシリコーン樹脂エマルション(S1−6)の平均粒子径は370nmであった。
製造例7
シリコーン樹脂エマルション(S1−7)の製造
ステンレス容器に、シリコーン樹脂(A1−2)としてX40−2406M(信越化学工業社製、分岐状オルガノポリシロキサン;重量平均分子量:40,000、粘度:20mPa・s、固形分濃度:40質量%、有機溶媒(B−2):キシレン)175質量部と、シリコーン樹脂(A2−2)30質量部を混合した。得られた混合物の粘度は55mPa・sであった。
別のステンレス容器に、乳化剤(C−1)25質量部とイオン交換水182質量部を加え、撹拌しながら上記混合物205質量部を添加し、ディスパーを用いて1,500rpmで15分間撹拌した(全量412質量部、固形分105質量部)。
次いで、SN−777 0.057質量部を添加した後、高圧ホモゲナイザーH20−H2を用いて、35MPaで処理し、エマルション化混合物412質量部を得た。
さらにそのエマルションを55℃に加温し、減圧下で脱溶媒し、水とともに有機溶媒(B−2)を留去し、シリコーン樹脂エマルション(S1−7)244質量部(固形分濃度:43質量%)を得た。
得られたシリコーン樹脂エマルション(S1−7)の平均粒子径は340nmであった。
製造例8
シリコーン樹脂エマルション(S1−8)の製造
ステンレス容器に、シリコーン樹脂(A1−3)として804 RESIN(東レ・ダウコーニング社製、分岐状オルガノポリシロキサン;重量平均分子量:5,000、粘度:30mPa・s、固形分濃度:60質量%、有機溶媒(B−1):トルエン)117質量部と、シリコーン樹脂(A2−2)30質量部を混合した。得られた混合物の粘度は57mPa・sであった。
別のステンレス容器に、乳化剤(C−1)25質量部とイオン交換水182質量部を加え、撹拌しながら上記混合物147質量部を添加し、ディスパーを用いて1,500rpmで15分間撹拌した(全量354質量部、固形分105質量部)。
次いで、SN−777 0.057質量部を添加した後、高圧ホモゲナイザーH20−H2を用いて、35MPaで処理し、エマルション化混合物354質量部を得た。
さらにそのエマルションを55℃に加温し、減圧下で脱溶媒し、水とともに有機溶媒(B−1)を留去し、シリコーン樹脂エマルション(S1−8)244質量部(固形分濃度:43質量%)を得た。
得られたシリコーン樹脂エマルション(S1−8)の平均粒子径は350nmであった。
製造例9
シリコーン樹脂エマルション(S2−1)の製造
ステンレス容器に、乳化剤(C−1)25質量部とイオン交換水152質量部を加え、撹拌しながらシリコーン樹脂(A1−1)200質量部を添加し、ディスパーを用いて1,500rpmで15分間撹拌した(全量377質量部、固形分105質量部)。
次いで、SN−777 0.057質量部を添加した後、高圧ホモゲナイザーH20−H2を用いて、35MPaで処理し、エマルション化混合物377質量部を得た。
さらに、そのエマルション化混合物を55℃に加温し、減圧下で脱溶媒し、水とともに有機溶媒(B−1)を留去し、シリコーン樹脂エマルション(S2−1)244質量部(固形分濃度:43質量%)を得た。
得られたシリコーン樹脂エマルション(S2−1)の平均粒子径は345nmであった。
製造例10
シリコーン樹脂エマルション(S3−1)の製造
ステンレス容器に、乳化剤(C−1)25質量部とイオン交換水119質量部を加え、撹拌しながらシリコーン樹脂(A2−2)100質量部を添加し、ディスパーを用いて1,500rpmで15分間撹拌した(全量244質量部、固形分105質量部)。
次いで、SN−777 0.057質量部を添加した後、高圧ホモゲナイザーH20−H2を用いて、35MPaで処理し、エマルション(S3−1)244質量部を得た。
得られたエマルション(S3−1)の平均粒子径は320nmであった。
製造例11
シリコーン樹脂エマルション(S1−9)の製造
ステンレス容器に、シリコーン樹脂(A1−1)140質量部、シリコーン樹脂(A2−2)30質量部、および有機溶媒(B−3)としてカクタスソルベントP−150(JXTGエネルギー社製)40質量部を混合し、混合物210質量部を得た。得られた混合物の粘度は30mPa・sであった。
別のステンレス容器に、乳化剤(C−1)25質量部とイオン交換水142質量部を加え、撹拌しながら上記混合物210質量部を添加し、ディスパーを用いて1,500rpmで15分間撹拌した(全量377質量部、固形分105質量部)。
次いで、SN−777 0.057質量部を添加した後、高圧ホモゲナイザーH20−H2(三和エンジニアリング社製)を用いて、35MPaで処理し、エマルション化混合物377質量部を得た。
さらに、そのエマルションを55℃に加温し、減圧下で脱溶媒し、水とともに有機溶媒(B−1)を留去し、エマルション(S1−9)の247質量部(固形分濃度:42質量%)を得た。
得られたエマルション(S1−9)の平均粒子径は385nmであった。
製造例12
シリコーン樹脂エマルション(S1−10)の製造
ステンレス容器に、シリコーン樹脂(A1−1)140質量部と、シリコーン樹脂(A2−2)30質量部を混合し、混合物170質量部を得た。得られた混合物の粘度は51mPa・sであった。
別のステンレス容器に、乳化剤(C−1)10質量部、乳化剤(C−2)としてラテムルPD−430(花王社製、ノニオン性、成分含有率:100質量%)3質量部、およびイオン交換水194質量部を加え、撹拌しながら、上記混合物170質量部を添加し、ディスパーを用いて1,500rpmで15分間撹拌した(全量377質量部、固形分105質量部)。
次いで、SN−777 0.057質量部を添加した後、高圧ホモゲナイザーH20−H2を用いて、35MPaで処理し、エマルション化混合物377質量部を得た。
さらに、そのエマルションを55℃に加温し、減圧下で脱溶媒し、水とともに有機溶媒(B−1)を留去し、シリコーン樹脂エマルション(S1−10)244質量部(固形分濃度:43質量%)を得た。
得られたシリコーン樹脂エマルション(S1−10)の平均粒子径は365nmであった。
製造例13
シリコーン樹脂エマルション(s1−1)の製造
ステンレス容器に、シリコーン樹脂(A1−1)140質量部と、シリコーン樹脂(A2−4)としてYF−3057(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、直鎖状オルガノポリシロキサン;重量平均分子量:33,000、粘度3,000mPa・s、固形分濃度:100質量%)30質量部を混合した。得られた混合物の粘度は600mPa・sであった。
別のステンレス容器に、乳化剤(C−1)25質量部とイオン交換水182質量部を加え、撹拌しながら上記混合物170質量部を添加し、ディスパーを用いて1,500rpmで15分間撹拌した(全量377質量部、固形分105質量部)。
次いで、SN−777 0.057質量部を添加した後、高圧ホモゲナイザーH20−H2を用いて、35MPaで処理し、エマルション化混合物377質量部を得た。
さらにそのエマルションを55℃に加温し、減圧下で脱溶媒し、水とともに有機溶媒(B−1)を留去し、シリコーン樹脂エマルション(s1−1)244質量部(固形分濃度:43質量%)を得た。
得られたシリコーン樹脂エマルション(s1−1)の平均粒子径は370nmであった。
製造例14
シリコーン樹脂エマルション(s1−2)の製造
ステンレス容器に、シリコーン樹脂(A1−1)140質量部と、シリコーン樹脂(A2−5)としてXF−3802(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、直鎖状オルガノポリシロキサン;重量平均分子量:100,000、粘度80,000mPa・s、固形分濃度:100質量%)30質量部を混合した。得られた混合物の粘度は2,000mPa・sであった。
別のステンレス容器に、乳化剤(C−1)25質量部とイオン交換水182質量部を加え、撹拌しながら上記混合物170質量部を添加し、ディスパーを用いて1,500rpmで15分間撹拌した(全量377質量部、固形分105質量部)。
次いで、SN−777 0.057質量部を添加した後、高圧ホモゲナイザーH20−H2を用いて、35MPaで処理し、エマルション化混合物377質量部を得た。
さらにそのエマルションを55℃に加温し、減圧下で脱溶媒し、水とともに有機溶媒(B−1)を留去し、シリコーン樹脂エマルション(s1−2)244質量部(固形分濃度:43質量%)を得た。
得られたシリコーン樹脂エマルション(s1−2)の平均粒子径は390nmであった。
製造例15
シリコーン樹脂エマルション(s1−3)の製造
ステンレス容器に、シリコーン樹脂(A1−1)60質量部と、シリコーン樹脂(A2−2)70質量部を混合した。得られた混合物の粘度は63mPa・sであった。
別のステンレス容器に、乳化剤(C−1)25質量部とイオン交換水182質量部を加え、撹拌しながら上記混合物130質量部を添加し、ディスパーを用いて1,500rpmで15分間撹拌した(全量337質量部、固形分105質量部)。
次いで、SN−777 0.057質量部を添加した後、高圧ホモゲナイザーH20−H2を用いて、35MPaで処理し、エマルション化混合物337質量部を得た。
さらにそのエマルションを55℃に加温し、減圧下で脱溶媒し、水とともに有機溶媒(B−1)を留去し、シリコーン樹脂エマルション(s1−3)244質量部(固形分濃度:43質量%)を得た。
得られたシリコーン樹脂エマルション(s1−3)の平均粒子径は350nmであった。
製造例16
シリコーン樹脂エマルション(s1−4)の製造
ステンレス容器に、乳化剤(C−1)25質量部とイオン交換水252質量部を加え、撹拌しながらシリコーン樹脂(A1−2)250質量部を添加し、ディスパーを用いて1,500rpmで15分間撹拌した(全量527質量部、固形分105質量部)。
次いで、SN−777 0.057質量部を添加した後、高圧ホモゲナイザーH20−H2を用いて、35MPaで処理し、エマルション化混合物527質量部を得た。
さらに、そのエマルション化混合物を55℃に加温し、減圧下で脱溶媒し、水とともに有機溶媒(B−2)を留去し、シリコーン樹脂エマルション(s1−4)244質量部(固形分濃度:43質量%)を得た。
得られたシリコーン樹脂エマルション(s1−4)の平均粒子径は350nmであった。
製造例17
シリコーン樹脂エマルション(s1−5)の製造
脱溶媒装置を備えたステンレス容器に、シリコーン樹脂(A1−1)140質量部、シリコーン樹脂(A2−2)30質量部を混合し、混合物170質量部を得た。得られた混合物を75℃に加温し、減圧下で脱溶媒して有機溶媒(B−1)70質量部を留去した。混合物の粘度は6,000mPa・sであった。
別のステンレス容器に、乳化剤(C−1)25質量部とイオン交換水119質量部を加え、撹拌しながら上記混合物100質量部を添加し、ディスパーを用いて1,500rpmで15分間撹拌した(全量244質量部、固形分105質量部)。
次いで、SN−777 0.057質量部を添加した後、高圧ホモゲナイザーH20−H2を用いて、35MPaで処理し、シリコーン樹脂エマルション(Ss1−5)の244質量部(固形分濃度:43質量%)を得た。
得られたシリコーン樹脂エマルション(s1−5)の平均粒子径は2,500nmであった。また、このシリコーン樹脂エマルション(s1−5)を1日静置したところ、分離沈降が生じた。
製造例18
シリコーン樹脂エマルション(s1−6)の製造
脱溶媒装置を備えたステンレス容器に、シリコーン樹脂(A1−1)140質量部と、シリコーン樹脂(A2−2)30質量部と、有機溶媒(b−1)としてブトキシプロパノール100質量部を混合し、混合物270質量部を得た。得られた混合物を75℃に加温し、減圧下で脱溶媒して有機溶媒(B−1)70質量部を留去し、有機溶媒として(b−1)のみを含む樹脂混合物200質量部を得た。混合物の粘度は15mPa・sであった。
別のステンレス容器に、乳化剤(C−1)25質量部とイオン交換水152質量部を加え、撹拌しながら上記混合物200質量部を添加し、ディスパーを用いて1,500rpmで15分間撹拌した(全量377質量部、固形分105質量部)。
次いで、SN−777 0.057質量部を添加した後、高圧ホモゲナイザーH20−H2を用いて、35MPaで処理し、エマルション化混合物377質量部(固形分105質量部)を得た。
さらに、そのエマルションを55℃に加温し、減圧下で脱溶媒し、水と有機溶媒(b−1)をあわせて133質量部留去し、シリコーン樹脂エマルション(s1−6)244質量部(固形分濃度:43質量%)を得た。
得られたシリコーン樹脂エマルション(s1−6)の平均粒子径は315nmであったが、30日静置したところ、分離沈降が生じた。
製造例19
シリコーン樹脂エマルション(s1−7)の製造
ディスパーを備えたステンレス容器に、乳化剤(C−1)25質量部とイオン交換水93質量部を加え、1,500rpmで撹拌しながら、あらかじめ混合しておいたシリコーン樹脂(A1−1)140質量部とシリコーン樹脂(A2−2)30質量部の混合物を加え、15分間撹拌した(全量288質量部、固形分105質量部)。
得られたシリコーン樹脂エマルション(s1−7)の平均粒子径は10,000nm以上であった。また、このシリコーン樹脂エマルション(s1−7)を1日静置したところ、分離沈降が生じた。
製造例20
シリコーン樹脂エマルション(s1−8)の製造
ステンレス容器に、シリコーン樹脂(A1−4)としてKR−220LP(信越化学工業社製、分岐状オルガノポリシロキサン;重量平均分子量:900、固形分濃度:100質量%)70質量部と、シリコーン樹脂(A2−2)30質量部と、有機溶媒(B−1)70質量部を混合した。得られた混合物の粘度は20mPa・sであった。
別のステンレス容器に、乳化剤(C−1)25質量部とイオン交換水182質量部を加え、撹拌しながら上記混合物170質量部を添加し、ディスパーを用いて1,500rpmで15分間撹拌した(全量377質量部、固形分105質量部)。
次いで、SN−777 0.057質量部を添加した後、高圧ホモゲナイザーH20−H2を用いて、35MPaで処理し、エマルション化混合物377質量部を得た。
さらにそのエマルションを55℃に加温し、減圧下で脱溶媒し、水とともに有機溶媒(B−1)を留去し、シリコーン樹脂エマルション(s1−8)244質量部(固形分濃度:43質量%)を得た。
得られたシリコーン樹脂エマルション(s1−8)の平均粒子径は330nmであった。
上記製造例において、分岐状オルガノポリシロキサン(A1)および直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)の混合物をエマルション化して得られたエマルションを(S1)と示し、分岐状オルガノポリシロキサン(A1)をエマルション化して得られたエマルションを(S2)と示し、直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)をエマルション化して得られたエマルションを(S3)と示した。また、比較例で用いたエマルションを(s1)と示した。
なお、各製造例で用いたシリコーン樹脂(A)は、下記表に示すとおりである。
Figure 0006336690
上記シリコーン樹脂(A)におけるm/n値は、ゲル浸透クロマトグラフHLC−8220GPC(東ソー社製)によって測定した重量平均分子量と、29Si−NMR DPX400(Bruker社製)より求められるRSiO3/2、R SiOの組成比より算出した。
上記シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)を含む機械的乳化処理前の混合物の粘度は、TVB−10形粘度計(TVB−10H、東機産業社製;測定温度:25℃、回転数:60rpm)を用いて測定した。
上記製造例により得られたシリコーン樹脂エマルション(S)の平均粒子径は、電気泳動光散乱光度計ELSZ(大塚電子社製)を用いて、水分散体を信号レベルが適正となるようイオン交換水で希釈して測定した。
上記製造例により得られたシリコーン樹脂中に含まれるトルエン(B−1)またはキシレン(B−2)の残存量は、ガスクロマトグラフGC−2014(島津製作所社製)を用いて測定した。
上記製造例により得られたシリコーン樹脂エマルションの臭気は、下記の基準で評価した。
○:臭気を感じない
△:やや臭気を感じる
×:明らかに臭気を感じる
各製造例で用いた有機溶媒(B)および乳化剤(C)は以下のとおりである。
有機溶媒(B−1):トルエン(水との共沸点:85℃、水に対する溶解度:0.047g/100gHO)
有機溶媒(B−2):キシレン(水との共沸点:94.5℃、水に対する溶解度:0g/100gHO)
有機溶媒(B−3):カクタスソルベントP−150(JXTGエネルギー社製、水との共沸点:無、水に対する溶解度:0.04g/100gHO)
有機溶媒(b−1):ブトキシプロパノール(水との共沸点:無、水に対する溶解度:5.5g/100gHO)
乳化剤(C−1):ラテムルPD−104(花王社製、アニオン性、成分含有率:20質量%)
乳化剤(C−2):ラテムルPD−430(花王社製、ノニオン性、成分含有率:100質量%)
実施例1
水性塗料組成物の調製
得られたシリコーン樹脂エマルション(S1−1)40質量部および水道水37質量部を混合し、その混合水溶液にアンモニア水0.15質量部を添加し混合した。次に、アルカリ膨潤型増粘剤としてプライマルASE60(ダウ・ケミカル社製)を2質量部添加し、さらに、硬化触媒としてDIBUTYL TIN OXIDE(日東化成社製)を1.23質量部添加、混合して、水性塗料組成物を得た。
実施例2〜8、10、11および比較例1〜10
上記製造例2〜20で得られたシリコーン樹脂エマルション(S1−2)〜(S1−10)、(s1−1)〜(s1−8)、(S2−1)および(S3−1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、水性塗料組成物を得た。
実施例9
シリコーン樹脂エマルション(S2−1)28質量部、シリコーン樹脂エマルション(S3−1)12質量部および水道水37質量部を混合し、その混合液にアンモニア水0.15質量部を添加し混合した。次に、プライマルASE60を2質量部添加し、さらに、DIBUTYL TIN OXIDEを1.23質量部添加、混合して、水性塗料組成物を得た。
実施例12
BYK190(BYK Chemie社製)2質量部、TIPAQUE CR−95(石原産業社製、酸化チタン)6.5質量部、BARIFINE BF−20(堺化学工業社製、沈降性硫酸バリウム)6.5質量部および水道水5質量部からなる顔料ペーストに、得られたシリコーン樹脂エマルション(S1−1)55質量部、25%アンモニア水0.2質量部を添加し混合した。次に、水道水15.6質量部を加え、プライマルASE60を1質量部添加、混合し、さらに、DIBUTYL TIN OXIDEを1.23質量部添加、混合して、水性塗料組成物を得た。
比較例11
BYK190 2質量部、TIPAQUE CR−95 6.5質量部、BARIFINE BF−20 6.5質量部および水道水5質量部からなる顔料ペーストに、アクリル樹脂エマルションであるアクリセットEX−41(日本触媒社製、固形分濃度:43質量%)55質量部、25%アンモニア水0.2質量部を添加し混合した。次に、水道水15.6質量部を加え、プライマルASE60を1質量部添加、混合し、さらに、造膜助剤としてCS−12(チッソ社製)1質量部を添加、混合して、水性塗料組成物を得た。
上記実施例および比較例で調製した水性塗料組成物について下記評価を行った。得られた評価結果を下記表に示す。
試験塗装板の作成
スレート板に、上記実施例および比較例で得られた水性塗料組成物を、ウェット塗装量が35g/mとなるようにスプレー塗装し、次いで160℃で3分間乾燥して、シリコーン樹脂塗膜を有する試験塗装板を得た。
塗料安定性
上記実施例および比較例で得られたシリコーン樹脂エマルションを200メッシュのフィルターでろ過した後、40℃で3ヶ月間静置した。静置後のシリコーン樹脂エマルションの状態を目視観察し、以下の基準で塗料安定性を評価した。
○:分離・沈降など生じていない
×:分離・沈降が生じる
ゲル分率の測定
実施例および比較例で得られた水性塗料組成物を、アルミ板上に、ウェット塗装量が35g/mとなるようにバーコーターで塗装し、160℃で3分間乾燥して、シリコーン樹脂塗膜を有する試験塗装板を得た。
得られた試験塗装板の質量を測定した(初期質量)。次に、試験塗装板を金属メッシュで包み、アセトンに浸漬し、室温で12時間静置した。その後、試験塗装板を取り出し、100℃で3時間乾燥させ、乾燥後の質量を測定した(浸漬乾燥後質量)。ゲル分率(%)は以下のようにして算出した。
ゲル分率=浸漬乾燥後質量/初期質量×100
耐水白化性
得られた試験塗装板を、60℃の温水中に24時間浸漬した。その後、試験塗装板を取り出し、室温で乾燥させた後、塗膜の外観を目視観察し、以下の基準により評価した。
○:未浸漬塗膜と比較して、変化が観察されない。
○△:未浸漬塗膜と比較して、僅かに白化が確認される。
△:未浸漬塗膜と比較して、塗膜の一部に白化が確認される、および/または極小のフクレ(ブリスター)が見られる。
△×:未浸漬塗膜と比較して、塗膜全体に白化が確認される、および/または幾つかの小さなフクレ(ブリスター)が見られる。
×:未浸漬塗膜と比較して、塗膜全体に著しい白化が確認される、および/または大きなフクレ(ブリスター)が見られる。
耐アルカリ性
得られた試験塗装板を、飽和水酸化カルシウム水溶液に、23℃にて5日間浸漬した。その後、試験塗装板を取り出し、室温で乾燥させた後、塗膜の外観を目視で観察し、以下の基準により評価した。
○:未浸漬塗膜と比較して、変化が観察されない。
○△:未浸漬塗膜と比較して、僅かに白化が確認される。
△:未浸漬塗膜と比較して、塗膜の一部に白化が確認される、および/または極小のフクレ(ブリスター)が見られる。
△×:未浸漬塗膜と比較して、塗膜全面に白化が確認される、および/または幾つかの小さなフクレ(ブリスター)が見られる。
×:未浸漬塗膜と比較して、塗膜全面に著しい白化が確認される、および/または大きなフクレ(ブリスター)が見られる。
促進耐候性(促進耐候性試験後の塗膜外観評価)
上記より得られた評価試験板を、サンシャインウェザオメーター(スガ試験機社製)を用い、促進耐候性試験を実施した(運転条件:JIS K 5400に準拠、運転時間:10,000時間)。促進耐候性試験後の評価試験板の塗膜外観を、下記基準により目視評価した。
○:変化なし
○△:塗膜に僅かに白化が認められる
△:塗膜の一部に白化が認められる
△×:塗膜の広い範囲に白化および/または割れが認められる
×:塗膜全面に著しい白化および/または剥がれが認められる
Figure 0006336690
Figure 0006336690
実施例で調製された水性塗料組成物は、いずれも、塗料安定性に優れ、かつ、得られた塗膜は、耐水白化試験(耐水性)、耐アルカリ性試験(耐薬品性)および耐候性の何れも良好であることが確認された。
比較例1は、シリコーン樹脂(A)に直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)が含まれない例である。この例で調製された水性塗料組成物より得られた塗膜は、ゲル分率が低く、耐水性および耐薬品性、耐候性が劣ることが確認された。
比較例2および3は、シリコーン樹脂(A)に含まれる直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)の重量平均分子量が30,000を超える例である。この例で調製された水性塗料組成物より得られた塗膜は、耐水性、耐候性が十分ではないことが確認された。
比較例4は、分岐状オルガノポリシロキサン(A1)および直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)の質量比が、(A1):(A2)=98:2〜40:60の範囲を外れる例である。この例で調製された水性塗料組成物より得られた塗膜は、耐水性、耐候性が十分でないことが確認された。
比較例5は、シリコーン樹脂(A)に分岐状オルガノポリシロキサン(A1)が含まれない例である。この例で調製された水性塗料組成物は、ゲル分率が低く、得られた塗膜は、耐水性および耐薬品性、耐候性が劣ることが確認された。
比較例6は、シリコーン樹脂(A)に直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)が含まれない例である。この例で調製された水性塗料組成物より得られた塗膜は、耐水性および耐薬品性、耐候性が劣ることが確認された。
比較例7は、シリコーン樹脂エマルションの調製においてエマルション化前に有機溶媒(B)の脱溶媒を行った例である。この例で調製されたシリコーン樹脂エマルションは貯蔵安定性に劣るものであり、このシリコーン樹脂エマルションを用いて調製した水性塗料組成物もまた、貯蔵安定性が劣ることが確認された。
比較例8は、エマルション化を行う前に有機溶媒(b−1)を加えて有機溶媒(B−1)を留去しており、質量比(A):(B)=1:2〜1:0.2の範囲を外れる例である。この例で調製されたシリコーン樹脂エマルションは貯蔵安定性に劣るものであり、このシリコーン樹脂エマルションを用いて調製した水性塗料組成物もまた、貯蔵安定性が劣ることが確認された。
比較例9は、シリコーン樹脂エマルションの調製において機械的乳化処理を行っていない例である。この例で調製されたシリコーン樹脂エマルションは貯蔵安定性に劣るものであり、このシリコーン樹脂エマルションを用いて調製した水性塗料組成物もまた、貯蔵安定性が劣ることが確認された。また、この例で調製されたシリコーン樹脂エマルションは、明らかに臭気が感じられた。
比較例10は、分岐状オルガノポリシロキサン(A1)の重量平均分子量が5,000未満である例である。この例で調製された水性塗料組成物より得られた塗膜は、耐水性および耐薬品性、耐候性が劣ることが確認された。
比較例11は、シリコーン樹脂エマルションの代わりにアクリル樹脂エマルションを用いて調製されたエナメル塗料組成物の例である。この例で調製された塗料組成物により得られた塗膜は、耐候性に劣ることが確認された。
本発明の製造方法によって、分岐状オルガノポリシロキサン(A1)および直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)を含むシリコーン樹脂エマルションを含む水性塗料組成物を製造することができる。上記水性塗料組成物は、優れた耐候性および耐久性を有する塗膜を形成することができる利点がある。

Claims (9)

  1. シリコーン樹脂エマルションを含む水性塗料組成物の調製方法であって、下記工程:
    シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物と、乳化剤(C)および水性媒体の混合物とを機械的乳化処理を行うか、または、シリコーン樹脂(A)、有機溶媒(B)および乳化剤(C)の混合物と水性媒体とを機械的乳化処理を行い、エマルション化混合物を得る、エマルション化工程、
    得られたエマルション化混合物から、前記有機溶媒(B)を少なくとも部分的に取り除いて、シリコーン樹脂エマルションを得る、脱溶媒工程、および
    得られたシリコーン樹脂エマルションを含む水性塗料組成物を調製する工程、
    を包含し、
    前記シリコーン樹脂(A)は、
    重量平均分子量が5,000〜100,000の範囲内である分岐状オルガノポリシロキサン(A1)、および、
    重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲内である直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)、
    を含み、
    前記水性塗料組成物中に含まれる前記分岐状オルガノポリシロキサン(A1)および直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)の質量比は、(A1):(A2)=98:2〜40:60の範囲内であり、
    前記有機溶媒(B)は、シリコーン樹脂(A)と任意の比率で混和し、かつ、水に対する溶解度が1g/100gHO以下である有機溶媒またはそれらの混合物であって、前記有機溶媒の少なくとも1種は水との共沸点を有することを条件とし、
    前記シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)を含む機械的乳化処理前の混合物における、シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の質量比(A):(B)は、(A):(B)=1:2〜1:0.2の関係を満たし、かつ、前記エマルション化混合物中に含まれるシリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の質量比(A):(B)は、(A):(B)=1:2〜1:0.2の関係を満たす、
    方法。
  2. シリコーン樹脂エマルションを含む水性塗料組成物の調製方法であって、下記工程:
    シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物と、乳化剤(C)および水性媒体の混合物とを機械的乳化処理を行うか、または、シリコーン樹脂(A)、有機溶媒(B)および乳化剤(C)の混合物と水性媒体とを機械的乳化処理を行い、エマルション化混合物を得る、エマルション化工程、
    得られたエマルション化混合物から、前記有機溶媒(B)を少なくとも部分的に取り除いて、シリコーン樹脂エマルションを得る、脱溶媒工程、および
    得られたシリコーン樹脂エマルション、および、予め調製した、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲内である直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)を含むエマルション、を混合して、水性塗料組成物を調製する工程、
    を包含し、
    前記シリコーン樹脂(A)は、重量平均分子量が5,000〜100,000の範囲内である分岐状オルガノポリシロキサン(A1)を含み、
    前記水性塗料組成物中に含まれる前記分岐状オルガノポリシロキサン(A1)および直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)の質量比は、(A1):(A2)=98:2〜40:60の範囲内であり、
    前記有機溶媒(B)は、シリコーン樹脂(A)と任意の比率で混和し、かつ、水に対する溶解度が1g/100gHO以下である有機溶媒またはそれらの混合物であって、前記有機溶媒の少なくとも1種は水との共沸点を有することを条件とし、
    前記シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)を含む機械的乳化処理前の混合物における、シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の質量比(A):(B)は、(A):(B)=1:2〜1:0.2の関係を満たし、かつ、前記エマルション化混合物中に含まれるシリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の質量比(A):(B)は、(A):(B)=1:2〜1:0.2の関係を満たす、
    方法。
  3. 前記有機溶媒(B)は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサンおよびシクロヘキサンからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記乳化剤(C)は、アニオン界面活性剤を含む、請求項1〜3いずれかに記載の方法。
  5. 前記エマルション化工程における機械的乳化処理は、加圧せん断撹拌処理、対向衝突処理、衝突撹拌処理および高速回転撹拌処理からなる群から選択される1種またはそれ以上である、
    請求項1〜4いずれかに記載の方法。
  6. 前記シリコーン樹脂エマルションは、平均粒子径が100〜500nmの範囲内である、請求項1〜5いずれかに記載の方法。
  7. 前記分岐状オルガノポリシロキサン(A1)は、下記構造
    [RSiO3/2[R SiO]
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水酸基、1〜6の炭素原子を有する直鎖状炭化水素基、または、5〜7の炭素原子を有する芳香族炭化水素基であり、
    mは1〜1,000であり、nは1〜100であり、m+nは1〜1,000の範囲内である。)
    を有する分岐状オルガノポリシロキサン(A1)であり、
    前記直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)は、下記構造
    −[R SiO]−R
    (式中、Rは、水酸基、1〜6の炭素原子を有する直鎖状炭化水素基、または、5〜7の炭素原子を有する芳香族炭化水素基であり、
    は、1〜6の炭素原子を有する直鎖状炭化水素基、または、5〜7の炭素原子を有する芳香族炭化水素基であり、
    は、水素、1〜6の炭素原子を有する直鎖状炭化水素基、または、5〜7の炭素原子を有する芳香族炭化水素基であり、
    xは1〜400の範囲内である。)
    を有する直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)である、
    請求項1〜6いずれかに記載の方法。
  8. 前記シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)を含む機械的乳化処理前の混合物における、シリコーン樹脂(A)および有機溶媒(B)の混合物の粘度は、10〜1,500mPa・sの範囲内である、請求項1〜7いずれかに記載の方法。
  9. シリコーン樹脂エマルションを含む水性塗料組成物であって、
    前記シリコーン樹脂エマルションは、重量平均分子量が5,000〜100,000の範囲内である分岐状オルガノポリシロキサン(A1)、および、
    重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲内である直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)を含むシリコーン樹脂(A)のエマルションであって、
    前記水性塗料組成物中に含まれる前記分岐状オルガノポリシロキサン(A1)および直鎖状オルガノポリシロキサン(A2)の質量比は、(A1):(A2)=98:2〜40:60の範囲内である、
    水性塗料組成物。
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