JP2009108124A - 水系塗料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)(a)オルガノシラン、該オルガノシランの加水分解物及び該オルガノシランの縮合物から選ばれる少なくとも1種と(b)ラジカル重合性ビニルモノマーを含有する混合物を、乳化状態で、加水分解・縮合反応及びラジカル重合して得られる複合体、及び(B)平均粒子径が5〜50μm、厚さが0.1〜0.3μm、平均粒子径/厚さの比が50〜200である鱗片状のセラミックス、金属単体、及び合金から選ばれる少なくとも1種とを含むことを特徴とする水系塗料。
【選択図】なし
Description
具体的には、加水分解性シリル基とアミンイミド基とを有するビニル系重合体を含有する反応型樹脂エマルジョンが提案されている(特許文献1)。
また、アルコキシシリル基を有するビニル系重合体の水分散体とスズ化合物の水分散体からなる水性塗料組成物が提案されている(特許文献2)。
そこで、本発明は、密着性、耐湿性、耐候性、遮光性に優れ、かつ硬度の高い塗膜を与えうる水系塗料を提供することを目的とする。
[1] (A)(a)オルガノシラン、該オルガノシランの加水分解物及び該オルガノシランの縮合物から選ばれる少なくとも1種と(b)ラジカル重合性ビニルモノマーを含有する混合物を、乳化状態で、加水分解・縮合反応及びラジカル重合して得られる複合体と、(B)鱗片状のセラミックス、金属単体、及び合金から選ばれる少なくとも1種とを含むことを特徴とする水系塗料。
[2] (B)成分は、長さが5〜50μm、幅が5〜50μm、厚さが0.1〜0.3μmの鱗片状物である上記[1]に記載の水系塗料。
[3] (A)成分100質量部に対して、(B)成分の配合量が1〜100質量部である上記[1]又は[2]に記載の水系塗料。
以下、各成分ごとに詳細に説明する。
本発明の水系塗料に用いられる(A)成分は、(a)オルガノシラン、該オルガノシランの加水分解物及び該オルガノシランの縮合物から選ばれる少なくとも1種と(b)ラジカル重合性ビニルモノマーを含有する混合物を、乳化状態で、加水分解・縮合反応及びラジカル重合して得られる複合体である。
まず、(a)成分、及び(b)成分について説明する。
((a)成分)
(a)成分は、オルガノシラン、該オルガノシランの加水分解物及び該オルガノシランの縮合物から選ばれる少なくとも1種である。
ここで、オルガノシランは、一般に、下記一般式(1)で表される。
(R1)nSi(OR2)4-n (1)
(式中、R1は、2個存在するときは同一又は異なり、炭素数1〜8の1価の有機基を示し、R2は、同一又は異なり、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜6のアシル基を示し、nは0〜2の整数である。)
「オルガノシランの縮合物」とは、オルガノシランの加水分解物のシラノール基が縮合してSi−O−Si結合を形成したものである。本発明における「オルガノシランの縮合物」の語は、オルガノシランの加水分解物のシラノール基の全部が結合したものだけでなく、一部のシラノール基同士が縮合した部分縮合物を含む意で用いられる。(a)成分として用いられるオルガノシランの縮合物としては、シラノール基の全部が結合した縮合物、部分縮合物、あるいは、縮合の程度が異なっているものの混合物のいずれも用いることができる。
また、この場合のポリオルガノシロキサンとしては、特に、トリアルコキシシランのみ、あるいは、トリアルコキシシラン40〜95モル%とジアルコキシシラン60〜5モル%との組み合わせの縮合物が好ましい。ジアルコキシシランをトリアルコキシシランと併用することにより、得られる塗膜の柔軟性と耐候性を共に優れたものとすることができる。
アルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレンモノメチルエーテルアセテート、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。
芳香族炭化水素類の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
エーテル類の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが挙げられる。
ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどが挙げられる。
エステル類の具体例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレンなどが挙げられる。
これらの有機溶剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。なお、ポリオルガノシロキサン中に有機溶媒を含む場合には、後述する縮合・重合反応の前に、この有機溶媒を水系分散体から除去しておくこともできる。
(b)成分は、ラジカル重合性ビニルモノマーである。
上記ラジカル重合性ビニルモノマーとしては、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を有するモノマーであれば特に限定されるものではなく、具体的には、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、i−アミル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のエステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの多官能性(メタ)アクリル酸エステル類;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタデカフルオロオクチル(メタ)アクリレートなどのフッ素原子含有(メタ)アクリルエステル類;2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、などのアミノ基含有(メタ)アクリルエステル類;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類などの(メタ)アクリル化合物;スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、2−ヒドロキシメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−エトキシスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,4−ジエチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロ−3−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、1−ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル単量体;ジビニルベンゼンなどの上記以外の多官能性単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N′−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミドなどの酸アミド化合物;アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンなどのピペリジン系モノマー;そのほかジカプロラクトンなどが挙げられる。
界面活性剤の使用量は、(a)成分(完全加水分解縮合物換算)と(b)成分の合計量(100質量%)に対し、通常、0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。0.05質量%未満では、乳化が充分でなく、また、加水分解・縮合及びラジカル重合時の安定性が低下し好ましくない。一方、10質量%を超えると、泡立ちが問題となり好ましくない。
また、水分散体中、(b)成分のラジカル重合により得られる重合体のガラス転移点は、−20℃〜+80℃、好ましくは0〜60℃である。ガラス転移点をこの範囲とすることにより、耐ブロッキング性/耐凍害性のバランスに優れた乾燥塗膜を得ることができる。なお、このガラス転移点は、モノマーの種類や比率等を変えることにより、容易に調整することができる。また、上記重合体のMwは、通常、10,000〜10,000,000、好ましくは100,000〜1,000,000である。
また、(A)成分の水分散体の固形分濃度は、通常、10〜60質量%、好ましくは20〜50質量%である。この固形分濃度は、通常、上記水の量によって調整される。なお、水分散体における水系媒体は、本質的に水からなるが、場合により、アルコールなどの有機溶媒を数質量%程度まで含むことができる。また、水分散体中に、上記(a)成分の調製時に必要に応じて用いられる有機溶媒を含む場合には、この有機溶媒を水分散体から除去しておくこともできる。さらに、水分散体中には、必要に応じて、(a)成分の調製時に用いられる上記のような各種有機溶媒を添加することもできる。
本発明の水系塗料に用いられる(B)成分は、平均粒子径が5〜50μm、厚さが0.1〜0.3μm、平均粒子径/厚さの比が50〜200である鱗片状のセラミックス、金属単体、及び合金から選ばれる少なくとも1種である。
上記セラミックスとしては、シリカ、水酸化酸化アルミニウム、マイカ等が挙げられる。
上記金属単体としては、アルミニウム、チタン、亜鉛、銅、ニッケル、銀、金、プラチナ、クロム、錫、インジウム等が挙げられる。中でも、アルミニウムが好ましい。
上記合金としては、ステンレス鋼(SUS)等が挙げられる。
(B)成分として用いられるセラミックス、金属単体、合金は、鱗片状の形状を有するもの(鱗片状物または薄片状物)である。
この鱗片状の形状は、平均粒子径が5〜50μm、厚さが0.1〜0.3μm、平均粒子径/厚さの比(アスペクト比)が50〜200、好ましくは60〜150の寸法を有する。
ここで、平均粒子径とは、電子顕微鏡を用いて、鱗片状の形状の最長径を測定した場合の平均値(例えば、1,000個の測定値の平均値)をいう。
(B)成分を得る方法としては、例えば、(B)成分がアルミニウムである場合には、圧延ロールで圧延加工して得られたアルミ箔を微細に粉砕して製造する方法等が挙げられる。
(B)成分としては、入手の容易性、コスト等の観点から、鱗片状の金属単体が好ましく、鱗片状のアルミニウムがより好ましい。
本発明の水系塗料中、(B)成分の配合量は、(A)成分(複合体)100質量部(すなわち、(a)成分(完全加水分解縮合物換算)及び(b)成分の合計量100質量部)に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは、5〜70質量部、特に好ましくは10〜50質量部である。該量が1質量部以上であると、遮光性に関して、より優れた物性を得ることができる。該量が100質量部以下であると、耐候性及び密着性に関して、より優れた物性を得ることができる。
本発明の水系塗料には、必要に応じて、シランカップリング剤、硬化促進剤、上記(a)成分以外のシリコーン系樹脂、無機化合物の粉体及び/又はゾルもしくはコロイド等を配合することができる。
上記シランカップリング剤としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。シランカップリング剤は、乳化前に上記(a)成分及び(b)成分の混合液に添加することが好ましいが、(a)成分、(b)成分の縮合及び重合時や、水系分散体の調製後に添加してもよい。
上記硬化促進剤としては、酸性化合物、アルカリ性化合物、塩化合物、アミン化合物、有機金属化合物及び/又はその部分加水分解物等が挙げられる。硬化促進剤は、水系分散体を調製する段階や、塗膜を形成する段階、これら両方の段階で配合することができる。
上記シリコーン系樹脂としては、シリル基含有重合体や、ポリオルガノシロキサンとシリル基含有重合体とのハイブリッド体を水系媒体中に分散させた水系分散体等が挙げられる。
上記無機化合物をなす化合物としては、酸化チタン等の光触媒能を有する半導体のほか、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム等が挙げられる。これらは、粉体、水に分散した水系のゾルもしくはコロイド、イソプロピルアルコールなどの極性溶媒や、トルエンなどの非極性溶媒中に分散した溶媒系のゾルもしくはコロイドとして用いられる。これらは、水系分散体の調製後に添加してもよく、あるいは、水系分散体の調製時に添加して、上記(a)成分等と共加水分解・縮合させてもよい。
上記塗装体を形成する方法としては、本発明の水系塗料を、基材上に直に、あるいは基板上に積層して形成された下塗り層上に塗布し、乾燥、あるいは加熱することにより、塗膜を形成する方法が挙げられる。
水系塗料を塗布する方法としては、刷毛、ロールコーター、フローコーター、遠心コーター、超音波コーター、(マイクロ)グラビアコーター等を用いる方法や、ディップコート、流し塗り、スプレー、スクリーンプロセス、電着、蒸着等が挙げられる。
加熱の条件は、30〜200℃の温度で、通常、30秒間〜60分間である。
本発明の水系塗料からなる塗膜は、乾燥膜厚として、0.05〜200μmの厚さを有する。なお、本発明の水系塗料あるいは他の塗料を用いて下塗りを施す場合には、乾燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.05〜20μm、2回塗りでは厚さ0.1〜40μmの塗膜を形成させることができる。下塗りと上塗りの総計膜厚は、乾燥膜厚で、通常、0.1〜400μm、好ましくは、0.2〜300μmである。
上記基材には、下地調整、密着性向上、多孔質基材の目止め、平滑化、模様付けなどを目的として、予め表面処理を施すこともできる。表面処理としては、例えば、ブラスト処理、薬品処理、脱脂、火炎処理、酸化処理、蒸気処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、イオン処理などを挙げることができる。
また、上記基材上には、上述のとおり、下塗り層(例えば、プライマー、シーラー等)を設けることができる。下塗り層は、基材の種類や状態により、必要に応じて設けられる。例えば、基材が金属系基材の場合には、防錆の必要がある場合等に設けられる。
[実施例1]
表1に示す反応成分(ただし、アクリル酸及び過硫酸カリウムを除く。表中の数値の単位は、質量部である。)を室温で10分撹拌してエマルジョン化し、その後、80%アクリル酸水溶液を加え、撹拌を続けながら40℃で2時間、加水分解・縮合反応を行った。その後、高圧ホモジナイザー(みずほ工業社製、マイクロフルイダイザーM110Y)を用い、70MPaの圧力でエマルジョンを微細化した。得られたエマルジョンを四つ口セパラブルフラスコに投入して、撹拌しながら窒素置換した後、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウムを3.5%水溶液として加え、75℃で4時間重合反応を行った。その後、10%アンモニア水溶液により、反応系のpHを7.0に調整した。次いで、四つ口セパラブルフラスコの1つの口を開放し、他の1つの口から窒素を毎分50リットルの速度で吹き込み、撹拌しながら80℃まで昇温した。その後、4時間アルコールを除去し、水を添加して、(A)成分の複合体を含む水系分散体(固形分濃度38質量%)を得た。得られた水系分散体中、アクリル系ポリマー((b)成分のラジカル重合により得られたポリマー)のTgは25℃、粒子((A)成分の複合体)の平均粒子径は0.1μmであった。なお、アクリル系ポリマーのガラス転移点(Tg)は、(b)成分の重合により得られた水系分散体2gをアルミニウム製皿に入れ、180℃で20分間乾燥して、フィルムを得たのち、このフィルムについて、セイコー電子工業社製DSC(型番:SSC/5200)を用いて測定したものである。
次いで、上記水系分散体100質量部に対して、(B)成分である鱗片状アルミニウム(東洋アルミ社製、品番:WL7640、平均粒子径:20μm、厚さ:0.2μm、平均粒子径/厚さの比:100)を25質量部、添加剤としてアジピン酸ジヒドラジドを1.5質量部、ブチルセロソルブを5質量部添加して均一に混合することにより水系塗料を得た。
得られた水系塗料の各種物性について、下記の方法により評価した。結果を表2に示す。
得られた水系塗料を、コロナ処理したポリエステルフィルム(厚さ:70μm)基材上に、膜厚5μmになるように塗工して、試験片を形成した。得られた試験片の密着性を、JIS K5400によるテープ剥離試験を3回実施することにより評価した。
テープ剥離試験3回ともに剥離が生じなかった場合を「○」、少なくとも1回の試験において剥離が生じた場合を「×」とした。
[硬度]
上記密着性の評価と同様にして得られた試験片について、JIS K5400に準拠して、鉛筆硬度を測定した。
[耐湿性]
上記密着性の評価と同様にして得られた試験片を、温度50℃、湿度95%の環境下に、1,000時間連続保持した後、取り出して塗膜の状況を目視により観察した。変化が認められなかった場合を「○」、変化が認められた場合を「×」とした。
[耐候性]
上記密着性の評価と同様にして得られた試験片について、JIS K5400に準拠して、サンシャインウェザーメーターによる2,000時間の照射試験を実施し、塗膜の外観(割れ、剥離等)を目視により観察した。変化が認められなかった場合を「○」、割れや剥離が認められた場合を「×」とした。
[遮光性]
得られた水系塗料からなる塗膜の光透過性を測定することにより、遮光性を評価した。具体的には、水系塗料を、厚さ1mmの石英板上に乾燥膜厚が5μmになるように、アプリケータで塗布した後、100℃で10分間乾燥させて、試験片を得た。得られた試験片について、360nm、及び500nmにおける光透過率(%)を、吸光光度計(日立製作所社製、U−3210)により測定した。360nm、500nmのいずれにおける光透過率も5%以下である場合を「○」、少なくとも一方の光透過率が5%を越える場合を「×」とした。
鱗片状アルミニウム((B)成分)を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、水系塗料を得た。結果を表2に示す。
[比較例2]
重合度が1,300のポリビニルアルコール(クラレ社製、エクセバールRS−2713)8質量部を、比抵抗値が17.2MΩ・cmの純粋92質量部に加熱溶解してポリビニルアルコール8%水溶液を得た。得られたポリビニルアルコール8%水溶液100質量部、実施例1と同様の鱗片状アルミニウムを25質量部、添加剤としてアジピン酸ジヒドラジドを1.5質量部、ブチルセロソルブを5質量部添加して均一に混合することにより水系塗料を得た。得られた水系塗料の各種物性について、実施例1と同様の方法により評価した。結果を表2に示す。
[比較例3]
鱗片状アルミニウム((B)成分)を用いなかったこと以外は、比較例2と同様にして、水系塗料を得た。結果を表2に示す。
Claims (2)
- (A)(a)オルガノシラン、該オルガノシランの加水分解物及び該オルガノシランの縮合物から選ばれる少なくとも1種と(b)ラジカル重合性ビニルモノマーを含有する混合物を、乳化状態で、加水分解・縮合反応及びラジカル重合して得られる複合体と、(B)平均粒子径が5〜50μm、厚さが0.1〜0.3μm、平均粒子径/厚さの比が50〜200である鱗片状のセラミックス、金属単体、及び合金から選ばれる少なくとも1種とを含むことを特徴とする水系塗料。
- (A)成分100質量部に対して、(B)成分の配合量が1〜100質量部である請求項1又は2に記載の水系塗料。
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