JPH0791510B2 - 水性塗料用組成物 - Google Patents

水性塗料用組成物

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JPH0791510B2
JPH0791510B2 JP3183894A JP18389491A JPH0791510B2 JP H0791510 B2 JPH0791510 B2 JP H0791510B2 JP 3183894 A JP3183894 A JP 3183894A JP 18389491 A JP18389491 A JP 18389491A JP H0791510 B2 JPH0791510 B2 JP H0791510B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,土木建築用塗工材とし
て有用な耐候性塗料や浸透性吸水防止剤等の水性塗料用
組成物に関する。さらに詳しく言えば,(a)アルコキ
シシリル基含有化合物の水分散体に,(b)錫化合物の
水分散体を,(a)のアルコキシシリル基含有化合物に
対する(b)の錫化合物の割合が0.01〜3重量%と
なるように混合してなる水性塗料用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年,世界的な環境保全,省資源の要請
および安全性の追及に対応して塗工材の水性化が進んで
いる。土木建築分野では主な被塗工物がコンクリートで
あることと優れた耐候性を要求されることからシリコン
系の塗料を使用することが多い。これまでシリコン系塗
料の多くは加水分解性シリル基を含有する湿気硬化型塗
料であるため溶剤溶液としてしか使用できなかったが,
最近になって加水分解性シリル基を安定化させた水性型
シラン系浸透性吸水防止材(特願平01−333085
特願平0300026)や水性型アクリルシリコン系
耐候性塗料も開発された。しかしこれらの水性型シラン
系塗料は,それぞれ以下の様な問題がある。
【0003】シラン系浸透性吸水防止材の機能は,強ア
ルカリ性であるコンクリート中に浸透し結合して優れた
疎水層を形成し水の侵入を防ぐことにあるが,実際,強
アルカリ性のコンクリートは新築の場合に限られ,使用
用途が中性化が進行したコンクリートに塗布する補修の
場合が多いためその効果を十分に発揮させることができ
ないのが現状である。また,吸水防止材を施す材料は必
ずしも強アルカリ性のものだけでなく,木材,紙,レン
ガあるいは石膏等の中性多孔質基材が多種多様にあり,
それらにも用途を広げることも課題である。酸性あるい
は強アルカリ性触媒を添加すれば改善されるが可使時間
が非常に短くなる。有機錫化合物等の硬化剤を少量添加
すれば比較的可使時間が長くなるが,水に不溶なので均
一に分散させることができない。アクリルシリコン系耐
候性塗料には有機錫化合物等の硬化剤添加が不可欠であ
るが,油性の溶剤溶液タイプの硬化剤しかなく水性の硬
化剤はこれまでなかった。このように水性型のシラン系
浸透性吸水防止材やアクリルシリコン耐候性塗料には,
その用途を広げる上でも,また現場での作業性の面でも
水性の有機錫系硬化剤システムが望まれている。しか
し,有機錫化合物も加水分解性がありこれまで水性化で
きないとされてきた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は,前記した問題
点を解決するために鋭意研究を重ねた結果,(a)アル
コキシシリル基含有化合物の水分散体に,(b)錫化合
物の水分散体を,(a)のアルコキシシリル基含有化合
物に対する(b)の錫化合物の割合が0.01〜3重量
%となるように混合してなる水性塗料用組成物によって
得られた水性塗工物は,比較的可使時間が長くかつ塗布
後は優れた触媒効果を示すことを見出した。
【0005】ここで言う触媒効果とは,浸透性吸水防止
材では中性基材に対しても優れた吸水防止性あるいは撥
水性を示すことを,また湿気効果型耐候性塗料では塗布
後適当な時間で硬化が促進されることを意味する。中性
基材とは,空気中の二酸化炭素や酸性雨によって中性化
が進行したコンクリート,もともと中性である木材,
紙,レンガあるいは石膏等の多孔質材料を意味する。
【0006】本発明で使用するアルコキシシリル基含有
化合物の水分散体は,アルコキシシリル基を有する化合
物あるいはその一部縮合物を乳化剤を用いて乳化したも
のや,アルコキシシリル基とそれ以外の重合性官能基を
有する化合物を乳化重合あるいは他の単量体と乳化共重
合したもの,アルコキシシリル基とそれ以外に水溶性官
能基を有する化合物を水溶化あるいは乳化したもの等が
挙げられる。
【0007】乳化できるアルコキシシリル基含有化合物
としては,テトラメトキシシラン,テトラエトキシシラ
ン,テトライソプロポキシシラン等のテトラアルコキシ
シラン,メチルトリメトキシシラン,メチルトリエトキ
シシラン,エチルトリメトキシシラン,エチルトリエト
キシシラン,プロピルトリメトキシシラン,プロピルト
リエトキシシラン,ブチルトリメトキシシラン,ブチル
トリエトキシシラン,ペンチルトリメトキシシラン,ペ
ンチルトリエトキシシラン,ヘキシルトリメトキシシラ
ン,ヘキシルトリエトキシシラン,ヘプチルトリメトキ
シシラン,ヘプチルトリエトキシシラン,オクチルトリ
メトキシシラン,オクチルトリエトキシシラン,ノニル
トリメトキシシラン,ノニルトリエトキシシラン,デシ
ルトリメトキシシラン,デシルトリエトキシシラン,ウ
ンデシルトリメトキシシラン,ウンデシルトリエトキシ
シラン,ドデシルトリメトキシシラン,ドデシルトリエ
トキシシラン,トリデシルトリメトキシシラン,トリデ
シルトリエトキシシラン,テトラデシルトリメトキシシ
ラン,テトラデシルトリエトキシシラン,ペンタデシル
トリメトキシシラン,ペンタデシルトリエトキシシラ
ン,ヘキサデシルトリメトキシシラン,ヘキサデシルト
リエトキシシラン,ヘプタデシルトリメトキシシラン,
ヘプタデシルトリエトキシシラン,オクタデシルトリメ
トキシシラン,オクタデシルトリエトキシシラン,ノナ
デシルトリメトキシシラン,ノナデシルトリエトキシシ
ラン,エイコシルトリメトキシシラン,エイコシルトリ
エトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン,フ
ェニルトリメトキシシラン,フェニルトリエトキシシラ
ン等のアリールトリアルコキシシラン,ジメチルジメト
キシシランオクチルメチルジメトキシシラン,オクタデ
シルメチルジメトキシシラン,ジフェニルジメトキシシ
ラン等のジアルキルジアルコキシシランあるいはジアリ
ールジアルコキシシラン,ビニルトリエトキシシラン,
γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン,γ-メ
タクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン,γ-メ
タクリロキシプロピルトリエトキシシラン,γ-グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン,γ-グリシドキシ
プロピルメチルジメトキシシラン,γ-グリシドキシト
リエトキシシラン,γ-クロロメチルジメトキシシラ
ン,γ-アミノプロピルトリエトキシシラン,N-(β-
アミノメチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラ
ン,γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシ
ランカップリング剤,東芝シリコーン(株)製XC95
−418,XC95−468,XC95−470,XC
95−472等のフオロアルキルシランあるいはこれら
の一部縮合物が挙げられる。
【0008】アルコキシシリル基含有化合物である乳化
重合体としては, a)ビニルトリエトキシシラン,γ-メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン,γ-メタクリロキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン,γ-メタクリロキシプロピ
ルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基含有ビニ
ル系単量体の乳化単独重合体あるいは他のビニル系単量
体との乳化共重合体, b)活性水素含有アミノ基を有する乳化重合体とγ-グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン,γ-グリシド
キシプロピルメチルジメトキシシラン,γ-グリシドキ
シトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基含有エポ
キシ化合物との反応物, c)エポキシ基を有する乳化重合体とγ-アミノプロピ
ルトリエトキシシラン,N-(β-アミノメチル)-γ-ア
ミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシリル
基含有アミンとの反応物,等が挙げられる。
【0009】アルコキシシリル基以外に水溶性基を有す
る化合物としては,γ-アミノプロピルトリエトキシシ
ラン,N-(β-アミノメチル)-γ-アミノプロピルトリ
メトキシシラン等のアルコキシシリル基含有アミン等の
中和物や,アルコキシシリル基含有ポリオキシアルキレ
ン化合物等が挙げられる。
【0010】本発明で使用する錫化合物はジメチルスズ
オキサイド,ジエチルスズオキサイド,ジプロピルスズ
オキサイド,ジブチルスズオキサイド,ジアミルスズオ
キサイド,ジオクチルスズオキサイド,ジデシルスズオ
キサイド,ジドデシルスズオキサイド,ジプロペニルス
ズオキサイド,ジフェニルスズオキサイド,ジトリルス
ズオキサイド,ジメチルエチルスズオキサイド,フェニ
ルメチルスズオキサイド等の有機スズオキサイド,ジメ
チルスズジアセテート,ジエチルスズジアセテート,ジ
プロピルスズジアセテート,ジブチルスズジアセテー
ト,ジアミルスズジアセテート,ジオクチルスズジアセ
テート,ジデシルスズジアセテート,ジドデシルスズジ
アセテート,ジプロペニルスズジアセテート,ジメチル
スズジラウレート,ジエチルスズジラウレート,ジプロ
ピルスズジラウレート,ジブチルスズジラウレート,ジ
アミルスズジラウレート,ジオクチルスズジラウレー
ト,ジデシルスズジラウレート,ジドデシルスズジラウ
レート,ジプロペニルスズジラウリレート,スズオクテ
ート,スズラウレート,ジブチルスズマレート,ジオク
チルスズマレート等の有機錫カルボキシレート,ジメチ
ルスズメルカプトプロピオン酸塩ポリマー,ジメチルス
ズビス(イソオクチルメルカプトアセテート),ジブチ
ルスズメルカプトプロピオン酸塩ポリマー,ジブチルス
ズビス(イソオクチルメルカプトアセテート),ジオク
チルスズメルカプトプロピオン酸塩ポリマー,ジオクチ
ルスズビス(イソオクチルメルカプトアセテート)等の
メルカプチド型有機錫化合物,ジブチルスズサルファイ
ド,ジオクチルスズサルファイド等のサルファイド型有
機錫化合物等が挙げられる。好ましくはFDAで認可さ
れているジ−n−ブチルスズジアセテート,ジ−n−ブ
チルスズジクロライド,ジ−n−ブチルスズジラウレー
ト,ジ−n−オクチルスズビス(イソオクチルチオグリ
コール酸エステル),ジ−n−オクチルスズマレイン酸
塩ポリマー,ジ−n−メチルスズビス(イソオクチルメ
ルカプトアセテート),ポリ(チオビス−n−ブチルス
ズサルファイド),モノオクチルスズトリス(イソオク
チルチオグリコール酸エステル)等が望ましい。FDA
等に認可されているものでないと安全性の面から用途が
制限されてしまうことがある。
【0011】アルコキシシリル基含有化合物あるいはそ
の一部縮合物および錫化合物を水分散化するときに必要
な乳化剤は特に制限はない。アニオン性乳化剤,ノニオ
ン性乳化剤,カチオン性乳化剤,両性乳化剤,水溶性樹
脂等が使用できる。アニオン性乳化剤としては,脂肪酸
塩,アルキル硫酸エステル塩,アルキルアリールスルフ
ォン酸塩,アルキルナフタレンスルフォン酸塩,ジアル
キルスルホコハク酸塩,アルキルジアリールエーテルジ
スルフォン酸塩,アルキルリン酸塩,ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル硫酸塩,ポリオキシエチレンアルキ
ルアリールエーテル硫酸塩,ナフタレンスルフォン酸フ
ォルマリン縮合物,ポリオキシエチレンアルキルリン酸
エステル塩等が挙げられる。ノニオン性乳化剤として
は,ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル,ポリオキシエチレ
ンオキシプロピレンブロックコポリマー,ソルビタン脂
肪酸エステル,ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル,ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステ
ル,グリセリン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレン脂
肪酸エステル,ポリオキシエチレンアルキルアミン等が
挙げられる。
【0012】また,一般的なノニオン性乳化剤の他に,
フッ素系ノニオン性乳化剤やシリコーン系ノニオン性乳
化剤も使用することができる。シリコーン系のノニオン
性乳化剤としては,例えば式(I)
【0013】あるいは式(II) で示されるポリアルキレン変成ポリジメチルシロキサン
化合物等が挙げられる。
【0014】フッ素系のノニオオン性乳化剤としては,
例えば式(III) で示されるフッ素化アルキル基含有ポリアルキレンオキ
サイド化合物等が挙げられる。
【0015】カチオン性乳化剤としては,アルキルアミ
ン塩,第四級アンモニウム塩,アルキルピリジニウム
塩,アルキルイミダゾリウム塩等が挙げられる。両性乳
化剤としては,アルキルベタイン,アルキルアミンオキ
サイド,ホスファジルコリン(レシチンとも言う)等が
挙げられる。アニオン型水溶性樹脂としては,アニオン
型アクリル水溶性樹脂,α−オレフィン/無水マレイン
酸樹脂,液状マレイン化ポリブタジエン等,ノニオン型
水溶性樹脂としては,ポリビニルアルコール,セルロー
ス誘導体等,カチオン型水溶性樹脂としては,カチオン
型アクリル水溶性樹脂,キトサン,ポリエチレンイミ
ン,ポリアクリル酸ヒドラジド等が挙げられるが必ずし
もこれ限定されるものではない。
【0016】また,以上挙げた乳化剤を用いて乳化重合
した樹脂も乳化剤として使用することができる。例え
ば,一般によく知られているα,β不飽和二重結合を有
する単量体を乳化剤の存在下で重合開始剤を用いて乳化
重合したものとして,スチレン−ブタジエン乳化共重合
体,エチレン−酢酸ビニル乳化共重合体,塩化ビニリデ
ン−塩化ビニル乳化共重合体等が,さらにコロイダルシ
リカ,アルミナゾルを併用したものも挙げることができ
るが必ずしもこれらに限定されるものではない。さらに
これらの乳化剤を任意に混合して使用することができ
る。
【0017】アルコキシシリル基含有化合物の水分散体
を調製する時の乳化剤量は特に制限はないが,安定性お
よび耐水性を考えるとアルコキシシリル基含有化合物に
対して0.05重量%〜20重量%が望ましい。0.0
5重量%未満では安定な水分散体が得られず,20重量
%より多いと塗工後充分な耐水性が期待できない。望ま
しくは0.1重量%〜10重量%であれば貯蔵安定性と
耐水性の両方の特性が得られる。錫化合物の水分散体を
調製する時の乳化剤量は特に制限はないが,安定性を考
えると錫化合物に対して0.05重量%〜50重量%が
望ましい。0.05重量%未満では均一な水分散体が得
られず,50重量%より多いとアルコキシシリル基含有
化合物の水分散体と混合,そして塗工後充分な防水性あ
るいは耐水性が得られない場合がある。
【0018】水分散化して得られるアルコキシシリル基
含有化合物あるいは錫化合物の濃度は特に制限はない
が,1重量%〜70重量%が望ましい。1重量%未満だ
と塗工回数を増やさないと充分な性能が得られず,また
70重量%より多いと乳化そのものや塗工が難しくなる
場合がある。乳化方法は一般に使用する方法が用いられ
る。例えば,ホモミクサー等で高速攪拌しながらこれに
前述の乳化剤とともにアルコキシシリル基含有化合物あ
るいは錫化合物を少しずつ滴下するとアルコキシシリル
基含有化合物の水分散体あるいは錫化合物の水分散体が
得られる。
【0019】錫化合物の水分散体は,アルコキシシリル
基含有化合物の水分散体に,アルコキシシリル基含有化
合物に対する錫化合物の割合が0.01〜3重量%とな
るように混合する。0.01重量%未満では充分な触媒
効果がえらえれず,3重量%より多いと可使時間が短く
実用的でない。
【0020】
【発明の作用】かくして得られた組成物は,従来湿気硬
化型として使用されてきたアルコキシシリル基含有化合
物を安定かつ耐水性を保持したまま水分散化した塗料
に,硬化触媒として使用されてきた錫化合物を安定かつ
触媒活性を保持したまま水分散化した水性硬化触媒を混
合することによって得られるため,安全且つ耐水性,耐
久性に優れた二液型水性塗工物を提供する。シラン系浸
透性吸水防止材として利用すると,中性化が進んだコン
クリートや紙,石膏,レンガ等の中性多孔質基材にも内
部深く浸透し硬化したり基材内部の親水基と結合して防
水層を作り被塗工物に優れた耐久性を付与できる。アル
コキシシリル基含有耐候性塗料として利用すると,混合
後硬化が起こり,塗工後優れた耐水性や耐久性を有する
二液型水性塗料となる。さらに水性型シラン系浸透性吸
水防止材を塗布した基材にトップコートとして塗工する
ことにより,同じ水性どうしで密着性も良いため,完全
水系の超耐候性システムも可能である。また,この組成
物は混合後も比較的可使時間が長く,室温では3時間以
上増粘することなく優れた可使安定性を示した。
【0021】製造例1 n−ヘキシルトリエトキシシラン60g,ポリオキシエ
チレンステアリルエーテル0.2gおよびラウリル硫酸
ナトリウム0.04gを混合し,ホモミクサーで高速撹
拌して,これに水40gを徐々に加えることにより常温
で6ヶ月以上安定な白色水性エマルジョンが得られた。
【0022】製造例2 ジ−n−ブチルスズジラウレート5.0g,ポリオキシ
エチレンラウリルエーテル1.0gを混合し,ホモミク
サーで高速撹拌して,これに水96g徐々に加えること
により常温で6ヶ月以上安定な白色水性エマルジョンが
得られた。
【0023】実施例1〜3 製造例1で得られたヘキシルトリエトキシシランの水性
分散体と製造例2で得られたジ−n−ブチルスズジラウ
レートの水性分散体を表1に示すように混合し,それぞ
れ安定性試験と濾紙に塗布した時の撥水性試験を行っ
た。
【0024】比較例1〜3 製造例1で得られたヘキシルトリエトキシシランの水性
分散体と製造例2で得られたジ−n−ブチルスズジラウ
レートの水性分散体を表1に示すように混合し,それぞ
れ安定性試験と濾紙に塗布した時の撥水性試験を行っ
た。
【0025】〔安定性試験方法〕実施例1〜3および比
較例1〜3で得られた白色水性エマルジョンをそれぞれ
100mlのスクリュウ管に50ml程入れて栓をして
50℃の孵卵器にいれてゲル化あるいは沈澱物が発生す
るするまでの時間を記録した。 〔撥水性試験方法〕実施例1〜3および比較例1〜3で
得られた白色水性エマルジョンをそれぞれ濾紙(東洋濾
紙製 JIS P3801 2種 φ12.5cm)に
約1gたらし,室温1日乾燥後水に浸せきした時の撥水
状態を観察した。 塗布した部分が撥水する。−−−○ 撥水しない。(濡れる。)−−−×
【0026】
【表1】
【0027】製造例3 メチルメタクリレート 35g n−オクチルトリエトキシシラン 10g 2−エチルヘキシルアクリレート 50g N−メチロールアクリルアミド 5g エソカードC−25(注1) 5g アルミナゾル−200(注2) 25g イオン交換水 123g V−50(5%水溶液)(注3) 4g あらかじめ窒素ガスで飽和された反応釜にイオン交換水
を仕込んで,60℃まで加熱しここへ重合開始剤を添加
し,各単量体,アルミナゾルと乳化剤を3時間にわたっ
て滴下した。重合温度は70℃−75℃の範囲内で行
う。滴下終了後約2時間熟成を行い,その後冷却して固
形分を40%に調節して安定なアルミナゾル複合体水分
散型樹脂を得た。 注1)陽イオン界面活性剤(特殊第4級アンモニウム塩
(ライオンアクゾ社製)) 注2)アルミナゾル−200(日産化学(株)社製 固
形分10%) 注3)重合開始剤2,2’−アゾビス(2−アミジノプ
ロパン)二塩酸塩(和光純薬(株)製)
【0028】製造例4 60℃に加熱したイオン交換水148gに重合開始剤と
して過硫酸アンモニウム0.5g,及び重亜硫酸ナトリ
ウム0.2gを添加した。次にN−メチロ−ルアクリル
アミド1.0g,デシルトリエトキシシラン10.5
g,メチルメタクリレ−ト40g,スチレン13g,2
−エチルヘキシルアクリレ−ト45g,イタコン酸0.
5g,ラウリル硫酸ナトリウム0.5gを3時間で滴下
した後,60℃−70℃で2時間熟成を行った。次に2
5%アンモニア水でpHを8.5に調整して水分散型樹
脂組成物を得た。
【0029】製造例5 60℃に加熱したイオン交換水148gに重合開始剤と
して過硫酸アンモニウム0.5g,及び重亜硫酸ナトリ
ウム0.2gを添加した。次にN−メチロ−ルアクリル
アミド1.0g,デシルトリエトキシシラン10.5
g,ルドックスAM10.5g(注4),メチルメタク
リレ−ト40g,スチレン13g,2−エチルヘキシル
アクリレ−ト45g,イタコン酸0.5g,ラウリル硫
酸ナトリウム0.5gを3時間で滴下した後,60℃−
70℃で2時間熟成を行った。次に25%アンモニア水
でpHを8.5に調整して水分散型樹脂組成物を得た。
注4)米国デュポン社製 固形分30%コロイダルシリ
カ水分散体
【0030】実施例4〜6 製造例3〜5で得られた水分散樹脂に製造例2で得られ
たジ−n−ブチルスズラウレ−トの水分散体を表2に示
す割合で混合し,それぞれ皮膜を作成し皮膜の吸水率を
測定した。 [ 皮膜の吸水率の測定試験方法]ガラス板に水分散型樹
脂を流し込み約150ミクロンのフィルムを得た。このフィ
ルムを150℃−5分加熱処理して24時間水浸漬を行
い重量増加量を測定した。また皮膜の白化度を観察し
た。
【0031】
【表2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)アルコキシシリル基含有化合物の水
    分散体に,(b)錫化合物の水分散体を,(a)のアル
    コキシシリル基含有化合物に対する(b)の錫化合物の
    割合が0.01〜3重量%となるように混合してなるこ
    とを特徴とする水性塗料用組成物。
  2. 【請求項2】(b)の錫化合物が有機錫化合物である請
    求項1記載の水性塗料用組成物。
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