JP3470873B2 - 水性低汚染塗料組成物 - Google Patents

水性低汚染塗料組成物

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JP3470873B2
JP3470873B2 JP21447298A JP21447298A JP3470873B2 JP 3470873 B2 JP3470873 B2 JP 3470873B2 JP 21447298 A JP21447298 A JP 21447298A JP 21447298 A JP21447298 A JP 21447298A JP 3470873 B2 JP3470873 B2 JP 3470873B2
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synthetic resin
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性低汚染塗料組成物
に関するものであり、さらに詳しくは金属、ガラス、磁
器タイル、コンクリート、サイディングボード、押出成
型板、プラスチック等の各種素材の表面仕上げに使用す
ることができ、主に建築物、土木構造物等の躯体保護に
使用する水性低汚染塗料用組成物に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、建築・土木構造物に使用する塗料分
野においては有機溶剤を溶媒とする溶剤型塗料から、水
を溶媒とする水性塗料への転換が図られつつある。これ
は、塗装作業者や居住者の健康被害を低減するためや、
大気環境汚染を低減する目的で行われているものであ
り、年々水性化が進んできている。
【0003】公知の水性塗料の中には、耐候性、耐水性
などに関しては溶剤型塗料と同等レベルの性能を有する
ものもある。しかし、特に汚染性に着目してみると、低
汚染型と唱われる水性塗料でさえ、溶剤型の低汚染型塗
料のレベルには遠く及ばないのが現状である。
【0004】また、水性塗料による塗膜は一般的に溶剤
型の塗料による塗膜に比べて、塗膜硬度が低く、汚染物
質が付着した時の染み込み性が高い傾向にある。従っ
て、一度汚染物質が付着すると、塗膜表面からその汚れ
を除去することは困難な場合が多い。
【0005】このような問題を解決した低汚染型塗料と
しては、塗料中に特定のオルガノシリケート及び/又は
その縮合物を配合する技術がWO94/06870に開
示されている。より具体的には、WO94/06870
に開示される技術は、特定のオルガノシリケート及び/
又はその縮合物を配合し、塗膜形成後酸処理することに
よって、塗膜表面を親水性にし、油性の汚染物質を付着
しにくくし、また付着した汚染物質を降雨等の水滴とと
もに洗い流してしまうことを特徴とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単にオ
ルガノシリケート及び/又はその縮合物を添加するWO
94/06870の場合においては、オルガノシリケー
ト及び/又はその縮合物を水性塗料に添加した際に起こ
る加水分解縮合反応を制御できないために、短時間で急
激に塗料粘度が上昇し、さらには塗料全体がゲル化して
しまい、通常の塗装作業をすることさえできないもので
あった。さらに、たとえ混合後直ちに塗装を行い、塗膜
を形成した場合においても、汚染物質の染み込み抵抗性
に劣るという欠点があった。
【0007】また、水性塗料とオルガノシリケート及び
/又はその縮合物との相溶性が悪く、混合後に凝集物を
生じるという問題もあった。特に、一般にグロスペイン
トと呼ばれる高光沢の水性塗料においては、この相溶性
の悪さによって、表面光沢が極端に低下してしまうとい
う欠点もあった。このように、単にオルガノシリケート
及び/又はその縮合物を水性塗料に添加するのみでは、
実用上無視することのできない問題があった。
【0008】よって、本発明が解決しようとする課題
は、 水性塗料と低汚染化剤とを混合した際の粘度安定性が
良好である 水性塗料と低汚染化剤との相溶性が良好である 耐汚染性及び汚染物質の染み込み防止性を飛躍的に向
上できることであり、さらに、高光沢の水性塗料である
グロスペイントに適用した場合、 高い光沢値を有することであり、これらの課題をすべ
て解決できる水性低汚染塗料組成物を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、これらの
課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の水
性塗料に、低汚染化剤としてアルコキシシランの変性縮
合物を配合することにより、水性塗料と低汚染化剤とを
混合した際の粘度安定性が良好で塗装作業に支障をきた
すことがなく、水性塗料と低汚染化剤との相溶性が良好
で凝集物を生じることもなく、優れた耐汚染性及び汚染
物質の染み込み抵抗性を持つ塗膜を得ることができ、さ
らにグロスペイントに適用した場合は、光沢値の高い塗
膜が得られることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】即ち、本発明は以下の水性塗料組成物に関
するものである。
【0011】1.(A)合成樹脂エマルションを結合材
とするpHが8.0以下の水性塗料と、(B)アルコキ
シシランの変性縮合物とを組み合わせてなり、(A)の
合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対して、
(B)少なくとも1つ以上の平均分子量150〜200
0であるポリオキシエチレン基およびアルコキシル基を
有するアルコキシシランの変性縮合物(アンモニウム基
を含むものを除く)をSiO2 換算で1.0〜40.0
重量部配合したものであり、前記合成樹脂エマルション
は、乳化剤としてノニオン性反応性乳化剤とアニオン性
反応性乳化剤とを併用したものであり、かつカルボン酸
含有単量体を重量比率で、単量体総重量に対して0.8
〜5.0%含有することを特徴とする水性低汚染塗料組
成物。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】2.(B)前記アルコキシル基の炭素数が
2のエトキシ基であることを特徴とする1.に記載の水
性低汚染塗料組成物。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態に
基づき詳細に説明する。
【0017】本発明を構成する(A)の水性塗料は、合
成樹脂エマルションを結合材とし、その他に各種の顔料
や各種添加剤等を含むものであり、該水性塗料のpHは
8.0以下であることが必須である。pHが8.0以下
であることにより、水性塗料と低汚染化剤とを混合した
際の良好な粘度安定性が確保される。8.0を超える
と、混合後短時間で粘度が上昇し、さらにゲル化に至る
といった問題が発生してしまう。
【0018】本発明の水性塗料(A)に使用する合成樹
脂エマルションは、塩基によるpH調製を行わないか、
行ったとしても水性塗料(A)のpHが8.0を超えな
い程度に抑えることが必要である。アルカリ性への調製
を行わないことで、攪拌安定性や低温安定性の低下が懸
念されるが、適正な分散剤の選択により、これらの安定
性は確保することができる。
【0019】本発明においては、(A)のpHを8.0
以下にすることにより、(B)を(A)に混合した際に
起こる(B)の加水分解縮合の反応速度が適度に抑制さ
れるために、塗料の粘度安定性が確保されるものと考え
られる。
【0020】(A)に使用する合成樹脂エマルションと
しては、(A)のpHが8.0を超えないようにできる
ものであれば、特に限定はされない。使用可能な合成樹
脂エマルションとして、たとえば、アクリル樹脂系エマ
ルション、アクリルシリコン樹脂系エマルション、フッ
素樹脂系エマルション、ウレタン樹脂系エマルションな
どが挙げられる。
【0021】〔アクリル樹脂系エマルションについて〕
アクリル樹脂系エマルションとしては、アクリル系単量
体、およびアクリル系単量体と共重合可能な他の単量体
とをラジカル共重合により得られるものが使用できる。
【0022】アクリル系単量体は、特に限定されない
が、例えば、メチル(メタ)アクリレート(メチルアク
リレートまたはメチルメタアクリレートのいずれかであ
ることを示す。以下において同じ。)、エチル(メタ)
アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−
ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
トなどのアルキル基含有(メタ)アクリル系単量体;2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基
含有(メタ)アクリル系単量体;(メタ)アクリル酸な
どのエチレン性不飽和カルボン酸;ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリル
系単量体;(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)ア
クリルアミドなどのアミド含有(メタ)アクリル系単量
体;アクリロニトリルなどのニトリル基含有(メタ)ア
クリル系単量体;グリシジル(メタ)アクリレートなど
のエポキシ基含有(メタ)アクリル系単量体等を例示で
きる。
【0023】アクリル系単量体と共重合可能な他の単量
体としては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレ
ン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル単量
体;マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、
シトラコン酸などのα,β−エチレン性不飽和カルボン
酸;スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸などのスル
ホン酸含有ビニル単量体;無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸などの酸無水物;塩化ビニル、塩化ビニリデン、ク
ロロプレンなどの塩素含有単量体;ヒドロキシエチルビ
ニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテルなど
の水酸基含有アルキルビニルエーテル;エチレングリコ
ールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノア
リルエーテルジエチレングリコールモノアリルエーテル
などのアルキレングリコールモノアリルエーテル;エチ
レン、プロピレン、イソブチレンなどのα−オレフィ
ン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピ
バリン酸ビニルなどのビニルエステル;メチルビニルエ
ーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、シクロヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテ
ル;エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテルなど
のアリルエーテル等を例示できる。
【0024】合成樹脂エマルションとして、アクリル樹
脂系エマルションを用いた場合は、耐久性、コスト面、
樹脂設計の自由度の高さ、グロスペイントでの光沢の高
さなどが有利である。
【0025】〔アクリルシリコン樹脂系エマルションに
ついて〕アクリルシリコン樹脂系エマルションとして
は、珪素含有アクリル系単量体、および珪素含有アクリ
ル系単量体と共重合可能な他の単量体とをラジカル共重
合により得られるものが使用できる。
【0026】珪素含有アクリル系単量体としては、特に
限定されないが、たとえば、γ−(メタ)アクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどの加水
分解性シリル基含有ビニル系単量体等を例示できる。
【0027】珪素含有アクリル系単量体と共重合可能な
他の単量体としては、たとえば、前述のアクリル樹脂系
エマルションで使用される単量体等を、特に限定されず
使用できる。
【0028】合成樹脂エマルションとして、アクリルシ
リコン樹脂系エマルションを用いた場合は、耐候性、耐
黄変性、耐久性、耐薬品性、耐汚染性などが有利であ
る。
【0029】〔フッ素樹脂系エマルションについて〕フ
ッ素樹脂系エマルションとしては、フッ素含有単量体、
およびフッ素含有単量体と共重合可能な他の単量体とを
ラジカル共重合により得られるものが使用できる。
【0030】フッ素含有単量体としては、たとえば、フ
ッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオ
ロエチレン、ペンタフルオロエチレン、ヘキサフルオロ
プロピレンなどのフルオロオレフィン;トリフルオロエ
チル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル
(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル
(メタ)アクリレートなどのフッ素含有(メタ)アクリ
レート等が例示される。
【0031】フッ素含有単量体と共重合可能な他の単量
体としては、たとえば、前述のアクリル樹脂系エマルシ
ョンで使用される単量体等を、特に限定されず使用でき
る。
【0032】合成樹脂エマルションとして、フッ素樹脂
系エマルションを用いた場合は、耐候性、耐黄変性、耐
久性、耐薬品性、耐汚染性などが有利である。
【0033】〔ウレタン樹脂系エマルションについて〕
ウレタン樹脂系エマルションとは、塗膜形成後の塗膜中
にウレタン結合を持つようになるエマルションを総称す
る。即ち、塗膜形成前からウレタン結合を有するもので
もよいし、塗膜形成後の反応によりウレタン架橋を形成
するものでもよい。エマルションの形態としては、1液
型でもよいし、2液型であってもよい。1液型として
は、ウレタン結合を有する重合性単量体を他の共重合可
能な単量体と共重合する方法、ウレタン結合を有する水
性樹脂の存在下に重合性不飽和単量体を重合する方法、
反応基を有する水性ウレタン樹脂と、該反応基と反応す
ることのできる基を含むエマルションとを混合する方法
等が挙げられる。2液型としては、水分散性イソシアネ
ートと水酸基含有エマルションとの組み合わせ等が挙げ
られる。
【0034】合成樹脂エマルションとして、ウレタン樹
脂系エマルションを用いた場合は、耐久性、耐溶剤性、
耐薬品性、耐汚染性などが有利である。
【0035】〔その他の架橋反応型エマルションについ
て〕合成樹脂エマルションの中で、前記の水酸基とイソ
シアネート化合物による架橋反応以外に、カルボニル基
とヒドラジド基、カルボン酸と金属イオン、エポキシ基
とアミン、エポキシ基とカルボキシル基、カルボン酸と
アジリジン、カルボン酸とカルボジイミド、カルボン酸
とオキサゾリン、アセトアセテートとケチミンなどを利
用した架橋反応を形成するエマルションを使用すること
も可能である。架橋反応型エマルションは、1液タイプ
であっても、2成分以上の多成分タイプであってもよ
い。
【0036】合成樹脂エマルションとして、架橋反応型
エマルションを用いた場合は、耐久性、耐溶剤性、耐薬
品性、耐汚染性などが有利である。
【0037】合成樹脂エマルションにおいて、カルボン
酸含有単量体を含有する場合、その重量比率は、単量体
総重量に対して5.0%以下であることが好ましく、さ
らには2.0%以下であることがより好ましい。5.0
%を超える場合は、耐汚染性及び汚染物質の染み込み防
止性が低下する傾向にある。
【0038】合成樹脂エマルションの製造方法はとくに
限定されないが、たとえば乳化重合法として、バッチ重
合、モノマー滴下重合、乳化モノマー滴下重合などの方
法により製造することができる。
【0039】重合に用いる乳化剤は、合成樹脂エマルシ
ョンの攪拌安定性や低温安定性を確保できるものを使用
する必要がある。種類としては、アニオン性、カチオン
性、ノニオン性、両性、ノニオン−カチオン性、ノニオ
ン−アニオン性のもの、あるいは非反応性のもの、反応
性を有するものから適宜選択し、単独あるいは併用して
使用する。このうち、反応性乳化剤の使用は、耐水性を
向上させることができ、好ましい。さらには、ノニオン
性反応性乳化剤とアニオン性反応性乳化剤の併用が、耐
水性、攪拌安定性や低温安定性を向上させると共に、耐
汚染性も向上させることができ、好ましい。
【0040】重合開始剤としては、通常のラジカル開始
剤を使用することができ、過硫酸アンモニウム塩などの
過硫酸塩、過酸化水素と亜硫酸水素ナトリウムなどとの
組み合わせからなるレドックス開始剤、さらに第一鉄
塩、硝酸銀などの無機系開始剤を混合させた系、また
は、ジコハク酸パーオキシド、ジグルタール酸パーオキ
シドなどの二塩基酸過酸化物、アゾビスブチロニトリル
などの有機系開始剤などが挙げられる。
【0041】重合開始剤の使用量は、単量体100重量
部に対して0.01〜5重量部程度で使用できる。その
他、乳化物のpH調整のため炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、チオ硫酸ナトリウムなどの無機塩およびトリエチ
ルアミン、トリエタノールアミンなどの有機塩基類を本
発明の効果を阻害しない範囲で添加することができる。
【0042】本発明の(B)アルコキシシランの変性縮
合物は、低汚染化剤としてはたらくものであり、本発明
の水性塗料組成物に耐汚染性及び汚染物質の染み込み防
止性を付与するのに不可欠の成分である。また、変性さ
れていることにより、(A)の水性塗料との相溶性が良
好で、グロスペイントに用いた場合には高い光沢を有す
る塗膜を形成できるという効果を発揮するものである。
変性されていないアルコキシシランを用いた場合は、水
性塗料との相溶性が悪く、塗料に異物を生じたり、グロ
スペイントでの塗膜の光沢が低下するといった問題を発
生する。
【0043】(B)アルコキシシランの変性縮合物とし
ては、アルコキシシランのアルコキシル基を、ポリオキ
シアルキレン基含有化合物、アミノ基含有化合物等によ
って変性されたものが使用される。このうち、水性塗料
との相溶性の面から、ポリオキシアルキレン基含有化合
物によって変性されたアルコキシシラン縮合物が好まし
く用いられる。
【0044】(B)の製造方法としては、以下に記載す
る方法により製造することが可能であるが、これに限定
されるものではない。(B)の具体的な製造方法として
は、たとえばアルコキシシランの縮合物の1種以上を、
ポリオキシアルキレン基含有物1種以上でエステル交換
反応させる方法や、後述するカップリング剤を用いて付
加反応させる方法が挙げられる。
【0045】i)エステル交換反応 すなわち、一般式 (RO)4−a−SiR a (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示し、R
はアルキル基、アリール基、アラルキル基、炭素数1〜
4のアルコキシル基を示し、aは0〜2の整数を示す)
で表されるアルコキシシランの縮合物(以下「a成分」
という。また、その縮合前の原料を「a成分のモノマ
ー」という。)を、一般式 R−(OC2n−R (式中、Rは水素原子またはアルキル基、エポキシ
基、アシル基を示し、Rは水酸基、アルキル基、アル
コキシル基、エポキシ基、アシル基、カルボキシル基を
示し、nは1〜4の整数、mは1〜20の整数を示す)
で表されるポリオキシアルキレン鎖含有化合物(以下
「b成分」という。)でエステル交換することにより製
造する。特に、エステル交換反応においては、末端に少
なくとも1つ以上の水酸基を有する必要がある(尚、後
述するカップリング剤による付加反応の場合はこの限り
ではない)ので、末端に水酸基を有するようなb成分を
使用することが大切である。
【0046】具体的には、a成分のモノマーとしては、
例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、
テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキ
シシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−i−
ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチ
ルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシ
シラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエ
トキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピ
ルトリブトキシシラン、ブチルトリメトキシラン、ブチ
ルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、
ブチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシ
シラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキ
シラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロ
ポキシシラン、ジエチルジブトキシシランの縮合物など
が挙げられる。これらは単独もしくは複数の種類を混合
して使用することが出来る。
【0047】a成分のアルコキシシリル基の炭素数は1
〜4が好ましい。炭素数が5を超えると、a成分のモノ
マーとb成分とのエステル交換反応において高温での加
温が必要となる。ところが、a成分の熱安定性が劣るた
め、エステル交換反応時に使用不可能なゲルになる傾向
となる。また、a成分の平均縮合度は1〜20が好まし
い。平均縮合度が20を超えると、取り扱いが不便にな
るので好ましくない。
【0048】b成分の具体例として、ポリオキシエチレ
ングリコール、ポリオキシエチレングリコールモノアル
キルエーテル、ポリオキシエチレン−プロピレングリコ
ール、ポリオキシエチレン−テトラメチレングリコー
ル、ポリオキシエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
ポリオキシエチレンジグリコール酸、ポリオキシエチレ
ングリコールビニルエーテル、ポリオキシエチレングリ
コールアリルエーテル、ポリオキシエチレングリコール
ジアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
アルキルアミンなどが挙げられる。これらの化合物は、
1種もしくは2種以上の組み合わせから選択することが
出来る。
【0049】b成分の平均分子量は150〜2000が
好ましい。平均分子量が150未満の場合は、a成分と
のエステル交換反応によって得られた低汚染化剤を塗料
に混合した際の安定性が劣ってくる傾向にあり、グロス
ペイントでは優れた光沢が得られなくなってくる。逆
に、b成分の平均分子量が2000を超えると、硬化塗
膜の耐水性や硬度が低下する傾向にある。
【0050】以上において、a成分のモノマーを縮合さ
せた後にエステル交換反応を行う例を記載したが、a成
分のモノマーを予めb成分でエステル交換した後に、縮
合させる製造方法も使用可能である。
【0051】エステル交換反応を行う際には、エステル
交換触媒(以下「c成分」という)を添加することがで
きる。
【0052】c成分としては、たとえば、ジブチル錫ジ
ラウレート、ジブチル錫マレート、ジオクチル錫ジラウ
レート、ジオクチル錫マレートなどの有機錫化合物;リ
ン酸、モノメチルホスフェート、モノエチルホフェー
ト、モノオクチルホスフェートなどのリン酸またはリン
酸エステル類;プロピレンオキサイド、ブチレンオキサ
イド、グリシジルメタクリレート、γ−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、エピコート828などのエ
ポキシ化合物とリン酸および/または酸性モノリン酸エ
ステルとの付加物;有機チタネート化合物;有機アルミ
ニウム化合物;有機ジルコニウム化合物;マレイン酸、
アジピン酸、アゼライン酸、これらの酸無水物、パラト
ルエンスルフォン酸などの酸性化合物;ヘキシルアミ
ン、N.N−ジメチルドデシルアミンなどのアミン類;
水酸化ナトリウムなどのアルカリ性化合物等の硬化触媒
類が挙げられる。
【0053】このようなc成分は、単独あるいは2種類
以上を併用して使用することができる。c成分の使用量
は、a成分100重量部に対して、0.0001〜5重
量部が好ましい。c成分の使用量が0.0001重量部
以下では、エステル交換反応への寄与が小さく、逆に5
重量部以上ではa成分自体の縮合反応が速くなり低汚染
化剤の安定性が低下するので好ましくない。
【0054】ii)カップリング剤による付加反応 本発明における低汚染化剤は、b成分をエステル交換に
よりa成分に導入する製造方法以外に、一分子中にa成
分とb成分とを結合する反応性官能基と、1個以上のア
ルコキシシリル基を有するカップリング剤(以下「d成
分」という)を使用して付加反応により製造することも
できる。
【0055】d成分反応性官能基としては、たとえ
ば、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート
基、メルカプト基などが挙げられる。また、該官能基
は、アルコキシシリル基との間にウレタン結合、尿素結
合、シロキサン結合、アミド結合などを介して結合され
たものであってもよい。
【0056】d成分としては、具体的には、γ−グリシ
ドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0057】本発明における(A)の水性塗料と(B)
の低汚染化剤との混合方法としては、直接的に(B)を
(A)へ添加することも可能であるし、(B)をこれと
混合可能な溶剤、もしくは架橋剤等に混合した後に
(A)へ添加することも可能である。(B)の添加量と
しては、(A)水性塗料の合成樹脂エマルションの固形
分100重量部に対して、SiO換算で1.0〜4
0.0重量部の添加が望ましい。
【0058】ここで、SiO2換算とは、アルコキシシ
ランやシリケートなどのSi−O結合をもつ化合物が完
全に加水分解した後に、900℃で焼成した際にシリカ
(SiO2)となって残る重量分にて表したものであ
る。
【0059】一般に、アルコキシシランやシリケート
は、水と反応して加水分解反応が起こりシラノールとな
り、さらにシラノール同士やシラノールとアルコキシに
より縮合反応を起こす性質を持っている。この反応を究
極まで行うと、シリカ(SiO2)となる。これらの反
応は
【化1】 という反応式で表されるが、この反応式をもとに残るシ
リカ成分の量を換算したものである。
【0060】実際の計算は、
【数1】 の式により行った。
【0061】本発明の(A)と(B)との混合比率が、
塗料の合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対
して、1.0重量部未満の場合、低汚染化の効果を発現
させることができない。40.0重量部を超える場合、
(A)と(B)の相溶性が低下してしまう傾向にあり、
グロスペイントでは光沢の低下を引き起こす。
【0062】本発明の水性塗料組成物には、先にa成分
のモノマーとして示したようなアルコキシシラン化合物
を本発明の効果を阻害しない範囲で添加することもでき
る。
【0063】本発明の水性塗料組成物には、硬化触媒を
添加するのが好ましい。硬化触媒の添加量は、水性塗料
100重量部に対して、硬化触媒0.1〜10重量部が
好適である。添加量が0.1重量部以下では、反応速度
が鈍ってくるので、結果として硬化塗膜の低汚染性の効
果が低下する傾向にある。また、10重量部以上では塗
膜の外観と耐久性が低下する傾向にある。
【0064】このような硬化触媒としては、たとえば、
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレート、ジオク
チル錫ジラウレート、ジオクチル錫マレートなどの有機
錫化合物;リン酸、モノメチルホスフェート、モノエチ
ルホフェート、モノオクチルホスフェートなどのリン酸
またはリン酸エステル類;プロピレンオキサイド、ブチ
レンオキサイド、グリシジルメタクリレート、γ−グリ
シドキシプロピルトリエトキシシラン、エピコート82
8などのエポキシ化合物とリン酸および/または酸性モ
ノリン酸エステルとの付加物;有機チタネート化合物;
有機アルミニウム化合物;有機ジルコニウム化合物;マ
レイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、これらの酸無水
物、パラトルエンスルフォン酸などの酸性化合物;ヘキ
シルアミン、N.N−ジメチルドデシルアミンなどのア
ミン類;水酸化ナトリウムなどのアルカリ性化合物など
が例示できる。これらの硬化触媒は、単独あるいは2種
類以上併用して使用することができる。
【0065】これらの硬化触媒は、界面活性剤を用いて
乳化分散後添加することもできる。使用する界面活性剤
は特に限定されないが、ノニオン性、アニオン性、ノニ
オン−アニオン性のものが好適に使用できる。
【0066】本発明(A)の水性塗料には、必要に応じ
て通常塗料に用いられる造膜助剤、無機系着色顔料、有
機系着色顔料、体質顔料などを配合することができる。
また、本発明に影響しない程度の可塑剤、防腐剤、防黴
剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、
たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤など
の添加剤を単独あるいは併用して配合することができ
る。
【0067】本発明の水性塗料組成物は、金属、ガラ
ス、磁器タイル、コンクリート、サイディングボード、
押出成形板、プラスチック等の各種素材の表面仕上げに
使用することができ、主に建築物、土木構築物等の躯体
の保護に使用するものである。この際、本発明の水性塗
料組成物は、最終の仕上面に施されているものであり、
基材に直接塗装することもできるし、何らかの表面処理
(下地処理等)を施した上に塗装することも可能である
が、特に限定されるものではない。塗装方法としては、
ハケ塗り、スプレー塗装、ローラー塗装、ロールコータ
ー、フローコーター等種々の方法により塗装することが
できる。さらには、建材表面に工場等においてプレコー
トすることも可能である。
【0068】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特
徴をより明確にする。
【0069】(1)低汚染化剤の合成 (合成例1)アルコキシシラン変性縮合物1の合成例 テトラエトキシシランの縮合物である平均分子量750
のエチルシリケート縮合物P(平均分子量750、シリ
カ残量比率40重量%)100.0重量部と平均分子量
200のポリオキシエチレングリコール#200(和光
純薬株式会社製)106.7重量部を混合し、さらに触
媒としてジブチル錫ジラウレート0.02重量部を添加
後、75℃で8時間脱エタノール反応を行い、アルコキ
シシラン変性縮合物1を合成した。
【0070】このアルコキシシラン変性縮合物1の90
0℃にて焼成して得られたシリカ残量比率は20.9重
量%であった。
【0071】(合成例2)アルコキシシラン変性縮合物
2の合成例 エチルシリケート縮合物Pを100重量部、平均分子量
400のポリオキシエチレングリコールモノセチルエー
テル(東京化成株式会社製)81.7重量部を混合し、
触媒としてジブチル錫ジラウレート0.02重量部を添
加して、合成例1と同様にしてアルコキシシラン変性縮
合物2を合成した。
【0072】このアルコキシシラン変性縮合物2のシリ
カ残量比率は22.2重量%であった。
【0073】(合成例3)アルコキシシラン変性縮合物
3合成例 平均分子量900のエチルシリケート縮合物Q(平均分
子量900、シリカ残量比率45重量%)100重量部
と、平均分子量1000のポリオキシエチレンラウリル
エーテル(花王株式会社製)385.4重量部を混合
し、更に触媒としてジブチル錫ジラウレート0.02重
量部を添加して、合成例1と同様にしてアルコキシシラ
ン変性縮合物3を合成した。
【0074】このアルコキシシラン変性縮合物3のシリ
カ残量比率は11.7重量%であった。
【表1】
【0075】(2)塗料の作製 表2に示すような合成樹脂エマルションを使用して、表
3の配合に従い塗料を作製した。次に、表4の配合に従
い低汚染化剤を添加した。
【表2】
【表3】
【表4】
【0076】(3)試験方法 粘度安定性 水性塗料と低汚染化剤とを混合後、すぐに粘度を測定
し、さらに気温20℃、湿度65%(以下、「標準状
態」という)で1時間放置した後に再び粘度を測定す
る。評価は、以下の通り。 ○:粘度上昇が1.0Pa・s未満 ×:粘度上昇が1.0Pa・s以上
【0077】相溶性評価 水性塗料と低汚染化剤とを混合後、標準状態で1時間放
置し、異物発生の有無を確認した。評価は、以下の通
り。 ○:異常なし ×:異物発生
【0078】60度鏡面光沢度 塗料組成物を150×120×3mmの透明なガラス板
にWET膜厚が150μmとなるようにアプリケーター
引きし、標準状態で2日間乾燥養生した後、JIS K5400
(1990) 7.6 鏡面光沢度に準じ、60度の角度での光沢
値を測定した。
【0079】耐水性 150×70×3mmのフレキシルブル板に、SK#1
000プライマーを乾燥膜厚30μmとなるようにスプ
レー塗装し、標準状態で8時間乾燥を行った。次に、作
製した塗料組成物を乾燥膜厚が40μmとなるようにス
プレー塗装し試験体を作製した。作製した試験体を、標
準状態で7日間乾燥養生した後、JISK5660(1995) 4.10
に準じ、20℃の水に96時間浸した後の光沢保持率を
算出した。評価は以下の通り。 ◎:光沢保持率90%以上 ○:光沢保持率80%以上90%未満 ×:光沢保持率80%未満
【0080】雨筋汚染性 300×150×3.0mmのアルミニウム板を上方か
ら3分の1の長さのところで、内角度が135度になる
ように折り曲げたもの(以下、「暴露用板」という)
に、SK#1000プライマー(エポキシ樹脂系プライ
マー;エスケー化研株式会社製)を、乾燥膜厚が約30
μmとなるようにスプレー塗装し、標準状態で8時間乾
燥させた。(暴露用板は凸面を表面とする) 次に、作製した塗料組成物を、前述のプライマーを塗装
した暴露用板に乾燥膜厚が約40μmとなるようにスプ
レー塗装し、標準状態で7日間乾燥し試験体とした。作
製した試験体を、大阪府茨木市で南面を向き、面積が広
い面を垂直にし、さらに面積の狭い面が上部になるよう
に設置して、屋外暴露を実施し、6ヶ月後の雨筋汚れの
有無を目視にて評価した。評価は以下の通り。 ◎:垂直面に雨筋汚染なし ○:垂直面にわずかに雨筋汚染が見られる ×:垂直面に明らかに雨筋汚染が見られる
【0081】汚れの染み込み抵抗性 150×75×0.8mmのアルミ板に、SK#100
0プライマーを乾燥膜厚30μmとなるようにスプレー
塗装し、標準状態で8時間乾燥を行った。次に、作製し
た塗料組成物を乾燥膜厚が40μmとなるようにスプレ
ー塗装し試験体を作製した。作製した試験体を、標準状
態で7日間乾燥養生した後、JISK5400(1990) 8.10耐汚
染性試験に準じ、塗膜面に15重量%カーボンブラック
水分散ペースト液を、直径20mm、高さ5mmとなる
ように滴下し、50℃の恒温室中に2時間放置した。そ
の後流水中にて洗浄し、塗膜表面の汚染の程度を目視に
より評価した。評価は以下の通り。 ◎:痕跡なし ○:わずかに痕跡有り ×:明らかに痕跡有り
【0082】(4)試験結果 試験結果を表5に示す。
【表5】 (実施例1〜3、実施例5)粘度安定性、相溶性ともに
良好で、形成塗膜が高い光沢値を有し、雨垂汚染性及び
汚染物質の染み込み防止性に優れる結果となった。 (実施例4、実施例6)乳化剤として、反応性をもたな
いものを使用し、耐水性がやや低下した。 (実施例7)合成樹脂エマルションにおけるカルボン酸
含有単量体の重量比率がやや大きく、耐汚染性がやや低
下した。
【0083】(比較例1)水性塗料のpHが8.0より
大きく、粘度安定性、光沢度、雨垂汚染性に劣る結果と
なった。 (比較例2)水性塗料のpHが8.0より大きく、さら
にシリケートの変性を行わなかったため、粘度安定性、
相溶性、光沢度、雨垂汚染性及び汚染物質の染み込み防
止性に劣る結果となった。 (比較例3)シリケートの変性を行わなかったところ、
相溶性、光沢度、雨垂汚染性に劣る結果となった。 (比較例4)低汚染化剤の添加量が少なく、雨垂汚染性
及び汚染物質の染み込み防止性に劣る結果となった。 (比較例5)低汚染化剤の添加量が多く、光沢度が低下
した。
【0084】
【発明の効果】本発明の水性塗料組成物は、水性塗料と
低汚染化剤とを混合した際の粘度安定性が良好で塗装作
業に支障をきたすことがなく、水性塗料と低汚染化剤と
の相溶性が良好で凝集物を生じることもなく、優れた耐
汚染性及び汚染物質の染み込み抵抗性を持つ塗膜を得る
ことができ、さらにグロスペイントに適用した場合は、
光沢値の高い塗膜が得られるという効果を有するもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 5/02 C09D 5/08 C09D 183/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)合成樹脂エマルションを結合材とす
    るpHが8.0以下の水性塗料と、(B)アルコキシシ
    ランの変性縮合物とを組み合わせてなり、(A)の合成
    樹脂エマルションの固形分100重量部に対して、
    (B)少なくとも1つ以上の平均分子量150〜200
    0であるポリオキシエチレン基およびアルコキシル基を
    有するアルコキシシランの変性縮合物(アンモニウム基
    を含むものを除く)をSiO2 換算で1.0〜40.0
    重量部配合したものであり、前記合成樹脂エマルション
    は、乳化剤としてノニオン性反応性乳化剤とアニオン性
    反応性乳化剤とを併用したものであり、かつカルボン酸
    含有単量体を重量比率で、単量体総重量に対して0.8
    〜5.0%含有することを特徴とする水性低汚染塗料組
    成物。
  2. 【請求項2】前記アルコキシル基の炭素数が2のエトキ
    シ基であることを特徴とする請求項1に記載の水性低汚
    染塗料組成物。
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