JPH08134381A - 防汚材料及びその製造方法 - Google Patents

防汚材料及びその製造方法

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JPH08134381A
JPH08134381A JP27896794A JP27896794A JPH08134381A JP H08134381 A JPH08134381 A JP H08134381A JP 27896794 A JP27896794 A JP 27896794A JP 27896794 A JP27896794 A JP 27896794A JP H08134381 A JPH08134381 A JP H08134381A
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JP
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hydrolyzable silyl
fluorine
silyl group
antifouling material
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JP27896794A
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Satoshi Yamashita
聡 山下
Maki Kami
真樹 上
Hiroyasu Kato
博恭 加藤
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【効果】 汚れの付着、特に水中における生物の付着を
効果的に防止することができる。 【構成】 フッ素含有重合性単量体50〜99重量%、
加水分解性シリル基を1分子あたり少なくとも1個有す
る化合物を1〜50%を必須成分として重合してなる共
重合体および、側鎖及び/又は末端に加水分解性シリル
基との反応性を有する少なくとも1個の置換基を有する
オルガノポリシロキサンを含有する組成物を有すること
を特徴とする防汚材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、汚れの付着、特に水中
における生物の付着を防止する材料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、汚れが付着しにくい対汚染性
に優れる材料として、特に近年は水棲生物の付着を防止
する方法として、撥水性の高い材料である、シリコーン
樹脂やフッ素樹脂が用いられている。
【0003】これまでは水棲生物の付着を防止する方法
としては、有機スズ化合物などの薬物を有効成分とする
防汚塗装を行う方法が大きな効果を上げてきたが、反面
で薬物溶出による環境汚染の問題があった。その結果、
汚れが付着しにくい対汚染性に優れる材料である、シリ
コーン樹脂やフッ素樹脂が、有害な防汚剤を使用しない
無公害防汚塗料の成分として応用されている。
【0004】ところで非粘着性で付着防止性材料の代表
であるPTFEを海中に浸漬しても、水棲生物の付着力
こそ弱いものの、生物付着量は塩化ビニルなどの汎用ポ
リマに比べてわずかに少ない程度であることが知られて
おり、特に水中における生物の付着を防止するには、よ
り高度な付着防止性能が必要であることがわかる。
【0005】そのため現在、無公害防汚塗料として実用
化されているのは、シリコーンゴムと変性シリコーンオ
イルなどの混合系である。このシリコーン系無公害防汚
塗料は液状物質が表面に滲み出す仕組みになっているた
め、非常に付着しにくい表面を形成するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれまで
の、汚れが付着しにくい、撥水性の高い材料を用いた防
汚塗料は、浸漬を続けると次第にスライムと呼ばれる汚
れ(水と接する表面に微生物が付着し、それらが分泌す
る粘液に水中の有機物や土砂などの無機物が付着してい
くことにより生成される生物皮膜)が付着して、表面を
被覆してしまうため付着防止効果が薄れてしまう問題が
あった。
【0007】本発明はスライムに類する汚れが付着しに
くく、優れた付着防止性能を有する材料を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は下記の構成を有する。
【0009】フッ素含有重合性単量体50重量%〜99
重量%、加水分解性シリル基を1分子あたり少なくとも
1個有する化合物を1〜50%を必須成分として重合し
てなる共重合体および、側鎖及び/又は末端に加水分解
性シリル基との反応性を有する少なくとも1個の置換基
を有するオルガノポリシロキサンを含有する組成物を有
することを特徴とする防汚材料。
【0010】水中構造物の表面に被覆して、水棲生物の
付着を防止することを特徴とする上記の防汚材料を用い
た水棲生物付着防止材料。
【0011】本発明は、フッ素含有重合性単量体を有す
る共重合体とポリシロキサンとを特定の割合で用いるこ
とにより、汚れの付着を防ぐものであり、特にスライム
に類する汚れが付着しにくく、優れた水棲生物付着防止
性能を持つ材料を得ることが可能になるものである。
【0012】本発明において使用されるフッ素含有重合
性単量体は、特に限定されるものではなく、例えば、一
般式Rf(CHOCO(R)C=CHで表わさ
れるアクリル系の重合性単量体が好ましく用いられる。
式中で、Rfはフルオロアルキル基またはパーフルオロ
アルキル基を含有する置換基であり、そのフッ素原子数
は、優れた撥水性ひいては優れた防汚性を発現させるた
めに3以上であることが好ましい。nは1または2であ
ることが好ましく、Rは水素、ハロゲン、メチル基、ま
たはハロゲン置換メチル基である。この場合、ハロゲン
としてはフッ素が最も好ましい。また、ハロゲン置換メ
チル基としては1、2、3置換があげられ、2種以上の
ハロゲンが混在していても良いが、フッ素が最も好まし
い。フルオロアルキル基またはパーフルオロアルキル基
は、直鎖状、分岐状または環状のアルキル基の水素原子
の全部あるいは一部がフッ素原子によって置換された置
換基であって、これらを含有する置換基とは、フルオロ
アルキル基またはパーフルオロアルキル基のみからなる
置換基であるか、あるいはこれらの置換基を少なくとも
末端に有し、それらと結合したエーテル結合、アミド結
合、スルホンアミド結合、炭素環式化合物等を含有する
置換基である。最も望ましくはCF(CF
(n=7〜9)を持つアクリレートがあげられる。最も
望ましい例は、CF(CF基(nは7〜9)を
持つアクリレートであり、具体例としては、次に示すよ
うな重合性単量体が挙げられる。
【0013】
【化1】
【化2】
【化3】 また、本発明におけるフッ素含有重合性単量体は、共重
合体中において50〜99重量%の割合で含有されるこ
とが必要であり、好ましくは55〜65重量%である。
フッ素含有単量体が少ないとフッ素含有単量体を共重合
する効果が小さく、また65重量%を越えるとオルガノ
ポリシロキサンとの相溶性が低下して均一に溶解分散し
ないため、組成物による塗膜を形成したとき防汚耐久性
が劣るという欠点が生じる。
【0014】一方、本発明における、加水分解性シリル
基を1分子あたり少なくとも1個有する化合物(以下こ
れを「シリル化合物」と呼ぶ)において、加水分解性シ
リル基とは、水分あるいは触媒の存在下において容易に
加水分解を受けて、側鎖及び/又は末端に加水分解性シ
リル基との反応性を有する少なくとも1個の置換基を有
するオルガノポリシロキサンの置換基との間でシロキサ
ン結合(−Si−O−Si−)を形成し得る官能性シリ
ル基を意味し、例えば一般式−SiRで示さ
れる。式中R、R及びRのうちの少なくとも1つ
はハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、フェ
ノキシ基、アミノ基、またはアルケニルオキシ基を表わ
し、そしてR、R及びRの残りは水素原子、アル
キル基、アリール基又はアラルキル基を表わす。このよ
うなシリル基の代表例としては、トリメトキシシリル、
トリエトキシシリル、メチルジメトキシシリルなどのア
ルコキシシリル基、トリクロロシリル、トリブロムシリ
ルなどのハロシリル基、トリアセチルオキシシリルなど
のアシルオキシシリル基などが挙げられ、この中でも特
にアルコキシシリル基が最も好適である。
【0015】そしてシリル化合物としては、加水分解性
シリル基以外に、メルカプト基、ビニル基、メタクロキ
シ基などの官能基を持つことにより、フッ素含有重合性
単量体と共重合可能であれば、特に限定されるものでは
なく、例えばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリク
ロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)
シラン、γ−メタクロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクロキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−メタクロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メタクロキシプロピルメチルジエトキシシランが挙げら
れる。これらの中でも、特に、γ−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジ
メトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタ
クロキシプロピルトリメトキシシランなどがより好まし
い。
【0016】本発明では、メルカプト基を有するシリル
化合物は、重合時に連鎖移動剤として働くため、フッ素
含有重合性単量体を含む共重合体の主鎖末端にシリル基
を位置させることができ、ビニル基、メタクロキシ基を
有するシリル化合物は、フッ素含有重合性単量体を含む
共重合体の側鎖にシリル基を位置させることができる。
【0017】また、本発明におけるシリル化合物は、共
重合体中において1〜50%重量%の割合で含有される
ことが必要であり、好ましくは2〜30重量%である。
シリル化合物が多すぎると共重合体がゲル化しやすくな
り、有機溶媒への溶解性が低下して、組成物を作成する
上で不都合を生じることがある。また少なすぎるとシリ
ル基の数が不十分であり、オルガノポリシロキサンの含
有量が低く抑えられるか、組成物を作成する上で、反応
しきれないオルガノポリシロキサンが残るかのどちらか
の問題が発生し、いずれの場合も優れた付着防止性能を
保持することが困難になる。該共重合体の分子量は何等
限定されるものではないが、おおよその目安を示すなら
ば、数平均分子量が3000〜1000000が好まし
く、5000〜500000がより好ましい。
【0018】本発明における共重合体の重合方法として
は、特に限定されるものではなく、前述の単量体成分を
用いて、それ自体既知のラジカル開始剤の存在下で、溶
液重合または固相重合によって行われることが望まし
い。ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾキル
パーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、アゾ
ビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニト
リル等の通常ラジカル重合に使用されている重合開始剤
があげられ、これらを単独または2種以上混合して使用
し得る。
【0019】溶液重合法で使用し得る有機用材として
は、たとえば、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族系溶媒;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸
ブチル、アセト酢酸メチル等のエステル系溶媒があげら
れ、これらを単独もしくは2種以上混合して使用し得
る。
【0020】上記の重合反応は一般に50℃〜約200
℃、好ましくは、約80℃〜約150℃の範囲で行なう
ことができ、かかる条件下で1〜20時間程度で終了さ
せることができる。
【0021】次に、本発明においては、前述のフッ素含
有重合性単量体、シリル化合物と共に、その他の共重合
可能な重合性不飽和基を含有する単量体を共重合成分と
して用いることが好ましい。
【0022】共重合可能な重合性不飽和基を含有する単
量体としては、特に限定されるものではなく、代表例と
しては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸n(イソまたはt)−ブ
チル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル類;(メタ)アクリル酸2−
ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ
プロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル
エステル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトル
エンなどの芳香族系ビニル化合物;(メタ)アクリル
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸な
どのエチレン性不飽和カルボン酸類、酢酸ビニル、(メ
タ)アクリロニトリル、(メタ)アクロレイン、ブタジ
エン、イソプレンなどが挙げられる。これらの中でも特
に(メタ)アクリル酸アルキルエステル類が最も好まし
い。
【0023】これら成分の共重合体中の含有量として
は、0〜49重量%、望ましくは5〜43重量%であ
る。
【0024】本発明における側鎖及び/又は末端に加水
分解性シリル基との反応性を有する少なくとも1個の置
換基を有するオルガノポリシロキサン(以下これを反応
性シリコーンと呼ぶ)は、水分あるいは触媒の存在下に
おいて、加水分解性シリル基の間で−Si−O−C−結
合または−Si−O−Si−結合を形成し得る官能基、
具体的にはハロゲン原子、クロロアルキル基、アルコキ
シ基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシル基、ヒドロ
キシアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、カルボ
キシル基、カルボキシアルキル基、エポキシ基、エポキ
シアルキル基、フェノキシ基、アシルオキシ基、アルケ
ニルオキシ基、活性水素原子などを末端あるいは側鎖に
少なくとも1個、好ましくは2個以上持つオルガノポリ
シロキサンであり、例えば下記の構造の化合物が挙げら
れる。
【0025】
【化4】
【化5】
【化6】 (構造式中Xはハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキ
シル基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、フェ
ノキシ基、アシルオキシ基、アルケニルオキシ基、カル
ビノール基、水素原子などである。Yは直接結合または
置換基を有することもあるCのような2価の炭化
水素基であり、R、R、Rはそれぞれ互いに同一
あるいは相異なる炭素数1〜4のアルキル基またはアリ
ール基である。さらにnおよびmは正の整数である。) このうち反応性基としてヒドロキシアルキル基またはカ
ルビノール基を有するものが反応性から、特に好まし
い。シロキサン結合の繰り返し(重合度)は10〜20
0のものが好ましい。重合度が低すぎるとシリコーンの
効果が小さく、大きすぎると組成物の安定性が低下す
る。
【0026】本発明は、フッ素含有重合性単量体を含む
共重合体と、反応性シリコーンの双方が存在して防汚効
果を発揮する。そのためにはフッ素含有重合性単量体と
加水分解性シリル基を含む共重合体と、置換基を有する
オルガノポリシロキサンが化学的に結合している状態が
好ましい。オルガノポリシロキサンは共重合体と基本的
には非相溶であるため、化学的に結合していない場合は
表面の外に早期に放出され、効果的な表面を長期間維持
することができないからである。なお、ほとんど全ての
反応性シリコーンが共重合体に化学的に結合した組成物
も本発明の組成物に含まれるものである。またフッ素含
有重合性単量体を含む共重合体と、反応性シリコーンは
一定の割合にて存在した時初めて効果的な防汚効果を発
現し、特定の割合の時に最大の効果を発揮する。これ
は、共重合体と反応性シリコーンが、一定割合の時表面
で相分離構造を形成し、フッ素化合物が持つ低表面エネ
ルギーと、シリコーン化合物が持つ離型性に由来する付
着力低下効果が相補的に作用して、特有の防汚効果が発
現するためであると考えられる。最大の効果を発揮する
割合は、共重合体の組成や反応性シリコーンの構造によ
って異なるが、以下に記述する範囲内に特定できる。
【0027】本発明においては、特にフッ素含有重合性
単量体と加水分解性シリル基を含む共重合体と、反応性
シリコーンの重量比が20:1〜1:1であり、好まし
くは20:1〜7:3、より好適には8:1〜3:1で
ある。
【0028】共重合体の比率が過剰である場合、シリコ
ーン化合物が持つ離型性に由来する付着力低下効果が不
足する。また、反応性シリコーンが過剰である場合、フ
ッ素化合物が持つ低表面エネルギーの効果がなくなるば
かりでなく、反応性シリコーン中の反応性置換基が少な
いとできあがった組成物がもろくなり、多すぎると共重
合体と反応性シリコーンがゲル化しやすくなり、組成物
を作成する上で不都合を生じることがある。
【0029】又、共重合体中の加水分解性シリル基と反
応性シリコーン中の反応性置換基の数の比率が40:1
〜2:1であり、より好適には10:1〜4:1であ
る。
【0030】加水分解性シリル基が過剰である場合は、
共重合体の比率が過剰で反応性シリコーンが少なすぎる
場合と、共重合体中の加水分解性シリル基が過剰である
場合である。いずれにしても前述した通り不都合を生じ
る。反応性シリコーン中の反応性置換基が過剰である
と、組成物中に未反応の反応性シリコーンが大量に残存
し、例えば組成物を表面に被覆する場合に密着性が激減
するなどの悪影響が生じたり、表面に未反応の反応性シ
リコーンがブリードアウトする問題を生じる。
【0031】本発明においては、共重合体の加水分解性
シリル基に置換基が反応して、化学結合している反応性
シリコーンが存在していることが好ましいので、共重合
反応時には、加水分解性シリル基が分解または縮合反応
させないように、例えば、縮合促進性化合物や水等の混
入を出来る限り避けることが好ましく、必要により、無
水反応条件にしたり、縮合促進性化合物や水などを除去
する薬剤を添加することもできるが特に限定されるもの
ではない。そして、共重合体と反応性シリコーンの反応
は、共重合反応が終了した段階で行なうことが好まし
く、共重合反応で用いた溶媒がまだ残存している段階で
反応させることが、簡便でより好ましい。もちろん、共
重合反応で用いた溶媒を一旦除去してから、反応させる
ことも何等差し支えないし、共重合反応が90%程度完
了した段階で反応させることも可能である。また、共重
合体と反応性シリコーンの反応は、組成物を基材に被覆
する前およびその最中、あるいは被覆した後にも起こり
得るものであるが、共重合体と反応性シリコーンが本質
的に非相溶であるため、より表面エネルギーの低い反応
性シリコーンが表面ではなく内部により偏析して、理想
的な表面が形成できず、防汚効果が落ちる事があるの
で、この問題点を解消するために、組成物を基材に被覆
する前にすでに反応が終了しているか、組成物を基材に
被覆した直後にできるだけ早く反応を終了することが望
ましい。
【0032】そのため本発明においては、組成物を作成
する上で、公知の反応促進触媒を含有させることが望ま
しい。反応促進触媒は、共重合体と反応性シリコーンの
反応を促進するものであり、一般に縮合反応触媒と言わ
れているものを用いることができる。反応促進触媒の具
体例としてはジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラ
ウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオ
クテート、ジフェニル錫ジアセテート、ナフテン酸錫、
オクチル酸錫、ジオクチル酸錫、オクチル酸亜鉛、ナフ
テン酸ジルコニウム、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸
鉄、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネー
トなど錫、鉛、ジルコニウム、亜鉛、鉄、マンガン、チ
タネートなどの有機カルボン酸塩、ブチルアミン、オク
チルアミン、ジブチルアミン、エタノールアミン、トリ
エタノールアミン、トリエチレンテトラミン、オレイル
アミン、ベンジルアミン、ジフェニルグアニジンなどの
アミン系化合物あるいはそのカルボン酸塩などが例示さ
れ、特に好ましくは、有機カルボン酸金属塩である。こ
れらは1種または2種以上を使用に供し、使用量は通
常、組成物100部に対し、0.01〜1部の範囲で選
定される。必要によっては、反応速度を調整するため
に、室温以外の温度で反応を行なう処置を施しても良
い。
【0033】この組成物は、最大の特性である防汚性を
必要程度保持できる範囲において、他の帯電防止剤、防
汚剤、平滑剤、光や熱に対する安定剤、抗菌防カビ剤、
可塑剤、着色剤、酸化防止剤、さらにはシリカなどの無
機微粒子、銅粉などの金属微粒子、ガラス繊維などの強
化繊維などを必要に応じて単独または組み合わせて配合
/併用することが可能である。
【0034】本発明においては、表面において効果を発
生するものであるから、上記組成物単独で防汚材料とす
る以外に、上記組成物によって表面を被覆した防汚材料
が、経済性や材料の物理的耐久性などにおいて勝り、好
ましい。被覆される基材としては例えば、プラスチッ
ク、ゴム、金属、セラミック、カーボン、ガラス、布、
木などが用いられる。中でも不織布やフィルムなどの表
面に上記組成物を被覆した材料は、上記組成物単独に比
べて強度があり、汚れを防ぎたい表面に張り付けるだけ
で手軽に汚れが防止できる。
【0035】組成物を基材に被覆する方法としては特に
限定されるものではなく、組成物を適当な溶剤で希釈し
て、スプレー、刷毛、ローラーなどで塗布する方法や、
熱プレスにより平板を形成する方法するが用いられる。
そのときに基材の洗浄やサンディングなどの下地処理や
プライマーを使用すれば密着不良などのトラブル発生を
抑えることができて好ましい。
【0036】
【実施例】以下本発明を実施例に従って具体的に説明す
る。なお本願発明は何らこれに限定されるものではな
い。なお、製造例、実施例および比較例中の数字は重量
部を示す。
【0037】製造例1 撹拌機、コンデンサ、滴下ロート、温度計および窒素ガ
ス吹き込み管を備えた1リットルのガラス製四ツ口フラ
スコに重合溶媒としてMEK(メチルエチルケトン)1
40gを仕込み窒素ガスで系内を置換した後、80℃に
昇温した。同温度で撹拌を続けながらMMA(メチルメ
タクリレート)55g、nBA(n−ブチルアクリレー
ト)20g、メルカプトプロピルジメトキシメチルシラ
ン15g、及び17FMA(2−(パーフルオロオクチ
ル)エチルメタクリレート)120gと、重合開始剤と
してAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)2gから
なる混合物を3時間に亘って滴下し、溶液重合を行なっ
た。滴下終了後5時間で重合を終了し、固形分60%の
フッ素含有重合性単量体を含む共重合体を得た。
【0038】製造例2 共重合体を得るに際し、製造例1と同様にMMA40
g、MATMS(メタクロキシプロピルトリメトキシシ
ラン)40g、2−(N−エチルパーフロロオクタスル
ホアミド)エチルアクリレート140gとAIBN2g
からなる混合物をMEK150g中に滴下し、溶液重合
を行なった結果、固形分60%のフッ素含有重合性単量
体を含む共重合体を得た。
【0039】製造例3 共重合体を得るに際し、製造例1と同様にMMA100
g、nBA50g、MATMS25g、17FMA10
0gとAIBN4gからなる混合物をMEK190g中
に滴下し、溶液重合を行なった結果、固形分60%のフ
ッ素含有重合性単量体を含む共重合体を得た。
【0040】実施例1 製造例1で得た共重合体溶液40g(固形分60%)に
下記の構造式で示される反応性シリコーン1を5g及び
反応触媒としてジブチル錫ジアセテート0.1gを混合
分散し、厚さ1mmの硬質塩ビ板に乾燥時の膜厚が80
μmになるようにローラーで塗布することによって、硬
質塩ビ板の片面が組成物によって被覆された防汚材料を
得た。
【0041】[反応性シリコーン1]
【化7】 実施例2〜4、比較例1〜6 表−1に示すように、実施例1と同様に防汚材料を得
た。なお反応性シリコーン2は下記の構造式を持つ。得
られた防汚材料の中で、比較例4については未反応の反
応性シリコーンが表面にブリードアウトし、防汚材料の
表面に油が浮いたようになっていた。また比較例6につ
いては非常に表面が軟弱であった。
【0042】[反応性シリコーン2]
【化8】 塗膜の性能評価試験 上記の実施例および比較例で得た材料および厚さ2mm
のPTFEシートを、三重県尾鷲湾の水深1.5mに平
成5年9月から12ヶ月間浸漬した。この間調査した生
物の付着状況および、防汚材料の状況について以下の項
目を表−2に示す。
【0043】(1)スライムの付着が見られ始める時期
(数値は浸漬経過時間) (2)6ヶ月後のスライムの付着域(数値は表面に占め
るスライム付着部分を%表記したもの) (3)12ヶ月後のスライムの付着域(数値は表面に占
めるスライム付着部分を%表記したもの) (4)6ヶ月後の大型汚損生物(当海域では主要な汚損
生物はフジツボ類、ムラサキイガイ、ホヤ類、カンザシ
ゴカイ類、アオサであった)の付着域 (5)12ヶ月後の大型汚損生物(当海域では主要な汚
損生物はフジツボ類、ムラサキイガイ、ホヤ類、カンザ
シゴカイ類、アオサであった)の付着域 (6)12ヶ月後の防汚材料の状況
【表1】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明の防汚材料は、汚れの付着、特に
水中における生物の付着を効果的に防止することができ
る。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素含有重合性単量体50〜99重量
    %、加水分解性シリル基を1分子あたり少なくとも1個
    有する化合物を1〜50%を必須成分として重合してな
    る共重合体および、側鎖及び/又は末端に加水分解性シ
    リル基との反応性を有する少なくとも1個の置換基を有
    するオルガノポリシロキサンを含有する組成物を有する
    ことを特徴とする防汚材料。
  2. 【請求項2】 水中構造物の表面に被覆して、水棲生物
    の付着を防止することを特徴とする請求項1記載の防汚
    材料を用いた水棲生物付着防止材料。
  3. 【請求項3】 フッ素含有重合性単量体が、一般式Rf
    (CHOCO(R)C=CHで表わされる重合
    性単量体(式中、Rfはフッ素原子数が3以上のフルオ
    ロアルキル基またはパーフルオロアルキル基を含有する
    置換基であり、nは0〜3の整数、Rは水素、ハロゲ
    ン、メチル基、またはハロゲン置換メチル基を表わす)
    であることを特徴とする請求項1記載の防汚材料。
  4. 【請求項4】 加水分解性シリル基との反応性を有する
    置換基が、ヒドロキシアルキル基またはカルビノール基
    であることを特徴とする請求項1記載の防汚材料。
  5. 【請求項5】 フッ素含有重合性単量体と加水分解性シ
    リル基を含む共重合体と、置換基を有するオルガノポリ
    シロキサンとに、化学的な結合があることを特徴とする
    請求項1記載の防汚材料。
  6. 【請求項6】 フッ素含有重合性単量体と加水分解性シ
    リル基を含む共重合体と、置換基を有するオルガノポリ
    シロキサンとが加水分解性シリル基を介して化学的に結
    合していることを特徴とする請求項1記載の防汚材料。
  7. 【請求項7】 フッ素含有重合性単量体と加水分解性シ
    リル基を含む共重合体と、置換基を有するオルガノポリ
    シロキサンの重量比が20:1〜1:1であることを特
    徴とする請求項1記載の防汚材料。
  8. 【請求項8】 フッ素含有重合性単量体と加水分解性シ
    リル基を含む共重合体と、置換基を有するオルガノポリ
    シロキサンの重量比が20:1〜7:3であることを特
    徴とする請求項1記載の防汚材料。
  9. 【請求項9】 共重合体中の加水分解性シリル基とオル
    ガノポリシロキサン中の置換基の数の比率が40:1〜
    2:1であることを特徴とする請求項1記載の防汚材
    料。
  10. 【請求項10】 反応促進触媒を含有させて作成するこ
    とを特徴とする請求項1記載の防汚材料。
  11. 【請求項11】 上記組成物によって表面が被覆されて
    いることを特徴とする請求項1記載の防汚材料。
  12. 【請求項12】 フッ素含有重合性単量体50〜99重
    量%、加水分解性シリル基を1分子あたり少なくとも1
    個有する化合物を1〜50%を必須成分として重合して
    なる共重合体を生成した後、側鎖及び/又は末端に加水
    分解性シリル基との反応性を有する少なくとも1個の置
    換基を有するオルガノポリシロキサンの少なくとも一部
    を反応させることを特徴とする請求項1記載の防汚材料
    の製造方法。
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