JP2841113B2 - 塗料組成物 - Google Patents

塗料組成物

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JP2841113B2
JP2841113B2 JP22360090A JP22360090A JP2841113B2 JP 2841113 B2 JP2841113 B2 JP 2841113B2 JP 22360090 A JP22360090 A JP 22360090A JP 22360090 A JP22360090 A JP 22360090A JP 2841113 B2 JP2841113 B2 JP 2841113B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、金属、セラミツクス、ガラス、セメント、
窯業系成形物、プラスチツクス、木材、紙、繊維などの
表面に、高硬度、高光沢、耐汚染性を付与し、かつ耐水
性、耐候性、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性などに優れた
クラツク発生のない厚い無機成分比率の高い塗膜を形成
する為に好適な塗料組成物に関する。
〔従来の技術〕
金属やセラミツクス、窯業系成形物などの無機系素材
からなる建材などの産業製品の表面をシリコーン系の化
合物およびシリコーン変性アクリル樹脂からなる組成物
で被覆して、意匠効果を与えたり、耐摩耗性、耐薬品
性、耐食性、耐候性などを向上させることが行なわれて
いる。
シリコーンを骨格とする有機アルコキシドを原体とす
る各種の焼付型アルコキシド系塗料が開発されて来てい
るが、硬度、耐汚染性、密着性などに優れるものの、ク
リヤー状態では10ミクロン以上の厚膜でクラツクなしの
塗膜をえることは難しくかつ耐アルカリ性に乏しいのが
実情である。
また、シリコーン変性アクリル樹脂をベースとする高
耐候性を特長とする2液性室温硬化型アクリル−シリコ
ーン塗料が鉄鋼、建築、建材分野で多用され出している
ものの、その湿気硬化性故の硬化不良から硬化不足が目
立ち、長期屋外暴露において耐汚染性の良さとは異な
り、傷付きなどの問題を残す結果となつている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、上記従来の問題を解決するものであり、そ
の目的とする処は、金属、セラミツクス、ガラス、セメ
ント、窯業系成形物、プラスチツクス、木材、紙、繊維
などの表面を被覆する為の塗料組成物であつて、下記の
性質を有する塗料組成物を提供することにある。
高硬度、耐汚染性、高光沢を有し、かつ基材との密着
性に優れた塗膜を形成しうる塗料組成物、 耐薬品性、耐沸騰水性、耐溶剤性に優れた塗膜を形成
しうる塗料組成物、 塗膜形成時に高温で長時間の硬化処理を必要とせず、
比較的厚い膜厚の塗膜を形成する時もクラツクなどを生
じない塗料組成物、 耐候性に優れ、長期間屋外に暴露されても、変色、膨
れ、ひび割れなどが生じない塗膜を形成しうる塗料組成
物。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の塗料組成物は、 (a)一般式RSi(OR1(式中、Rは炭素数1〜8の
有機基、R1は炭素数1〜5のアルキル基を示す)で表わ
されるオルガノアルコキシシランの部分縮合物をオルガ
ノアルコキシシラン換算で100重量部及び、 (b)一般式Si(OR2(式中、R2は炭素数1〜4の
アルキル基を示す)で表わされるテトラアルキルシリケ
ート1〜30重量部及び (c)末端又は側鎖に加水分解性基と結合したケイ素原
子を有するシリル基を重合体分子中に少なくとも1個有
するシリル基含有ビニル系樹脂10〜150重量部、 を混合し骨格組成分とし、 (d)一般式Al(OR3[OC(R4)=CHCOR53-n(式
中、Rは炭素数1〜8の有機基、R3およびR4はアルキル
基、R5はアルキル基又はアルコキシ基、nは0〜3の整
数を示す)で表わされるアルミニウム化合物及び該アル
ミニウム化合物の部分加水分解物の群から選ばれる少な
くとも1種を0.01〜30重量部、及び、 (e)ペンタメチルジシロキサンの片末端に官能基を有
するダイマー型反応性シロキサンのオリゴマー及び/又
はテトラメチルジシロキサンの両末端に官能基を有する
ダイマー型反応性シロキサンのオリゴマーの0.1〜10重
量部、を結合反応成分と配合してなるものであり、その
ことにより上記目的が達成される。
本発明の組成物に使用されるオルガノアルコキシシラ
ンの部分縮合物〔成分(a)〕は、一般式RSi(OR1
で表わされるアルコキシ基含有のケイ素化合物を加水分
解条件下に縮合させて得られる。
上記式において、Rは炭素数1〜8の有機基、R1は炭
素数1〜5のアルキル基である。RおよびR1の炭素数が
大き過ぎると、後述の加水分解速度が極めて遅くなり、
場合によつてはほとんど加水分解が進行しなくなる。上
記Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基などのアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリ
ル基などのアリール基;シクロヘキシル基などのシクロ
アルキル基;その他r−クロロプロピル基、ビニル基、
r−グリシドキシプロピル基、r−メタクリロイルオキ
シプロピル基、r−メトカプトプロピル基、r−アミノ
プロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基などが挙
げられる。R1としてはメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、アセチル基などが挙げられる。このよう
なオルガノアルコキシシランとしては、例えばメチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチル
トリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エ
チルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、
プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシ
ラン、フエニルトリメトキシシラン、フエニルトリエト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、r−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、r−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、r−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、r−メタクリルオキシトリメトキシ
シラン、r−アミノプロピルトリメトキシシラン、3,4
−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシランな
どがある。好ましくは、メチルトリメトキシシランおよ
び/またはメチルトリエトキシシランが用いられる。こ
れらのオルガノアルコキシシランは、単独で使用するこ
とも、また2種以上を併用することもできる。
上記のオルガノアルコキシシランを加水分解条件下に
縮合させて得られる部分縮合物の生成物反応は、それ自
体既知の製造方法、すなわち上記のオルガノアルコキシ
シランに水を添加し、縮合せしめることにより行うこと
ができる。
本発明の組成物に使用される一般式Si(OR2で表
わされるテトラアルキルシリケート〔成分(b)〕は、
組成物を塗装して得られる硬化塗膜の硬度を向上させ、
あるいは塗膜と基材との密着性を向上させる。特に耐水
性を向上させる働きをする。
上記式においてR2は、炭素数1〜4のアルキル基を示
す。
このようなアルキルシリケートとしては、テトラメチ
ルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラ−n−
プロピルシリケート、テトラ−i−プロピルシリケー
ト、テトラ−n−ブチルシリケート、テトラ−i−ブチ
ルシリケート、テトラ−sec−ブチルシリケートなどを
挙げることができる。
上記テトラアルキルシリケートの配合割合は、成分
(a)のオルガノアルコキシシラン換算100重量部に対
して1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部である。1
重量部未満では、得られる塗膜の硬度、耐水性が低く、
他方30重量部を超えると得られる塗膜にクラツクが生じ
易くなる。
本発明の組成物に使用されるシリル基含有ビニル系樹
脂〔成分(c)〕は、末端あるいは、側鎖に加水分解性
基を縮合したケイ素原子を有するシリル基を重合体1分
子中に少なくとも1個有するシリル基含有ビニル系樹脂
である。例えばこのようなシリル基含有ビニル系樹脂
は、 一般式 (ここでR6は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキ
シ基、アミノキシ基、フエノキシ基、チオアルコキシ
基、アミノ基などの加水分解性基、R7は水素原子又は炭
素数1〜8の有機基、R8は二価の炭化水素基、R9は水素
原子又は1価の炭化水素基、n=1〜3の整数である)
で示されるアクリルオキシ官能性シランと、一般式 (ここでR10は水素原子又は、置換又は非置換のn価の
脂肪族炭化水素残基及び少なくとも1個のエーテル結合
を有する置換されたn価の脂肪族炭化水素残基から成る
群より選ばれた基を表わし、R11は水素原子又は低級ア
ルキル基、n=1〜4の整数である)で示されたラジカ
ル重合性アクリレートモノマーの共重合によるか、もし
くは、 一般式 (ここではR12は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシ
ロキシ基、アミノキシ基、フエノキシ基、チオアルコキ
シ基、アミノ基などの加水分解性基、R13は水素原子ま
たは炭素数1〜8の有機基、n=1〜3の整数である)
で示されるヒドロシラン化合物を、炭素−炭素二重結合
を有するビニル重合体と反応させることによつて製造す
ることができ、その製造方法に特に限定はない。
ここで、一般式(イ)で示されるアクリルオキシ官能
性シランとしては、例えば、r−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、r−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、r−メタクリロキシプロピルトリエト
キシシラン及びr−メタクリロキシプロピルトリイソプ
ロポキシシランなどが挙げられる。
これらから成る群より選ばれた、1種もしくは2種以
上のものが使用される。
又、一般式(ロ)で示される、ラジカル重合性モノマ
ーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸t−ブチ
ル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−
ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−
ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸グリシ
ジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル
酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、メトキシジエチレングリコールアクリレー
ト、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メ
トキシテトラエチレンメタクリレート及びメタクリル酸
アリルなどのモノアクリレートモノマー;エチレングリ
コールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタ
クリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート
及び1,3−ブチレングリコールメタクリレートなどのジ
アクリレートモノマー;トリメチロールプロパントリメ
タクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレー
ト及びテトラメチロールメタントリアクリレートなどの
トリアクリレートモノマー;テトラメチロールメタンテ
トラアクリレートなどのテトラアクリレートモノマーな
どが挙げられる。
これらから成る群より選ばれた1種もしくは2種以上
のものが使用される。
これらアクリルオキシ官能性シランの少なくとも1種
とラジカル重合性モノマーの少なくとも1種を適当な溶
媒中で混合し、ラジカル重合開始剤を用いて共重合させ
ることによつて加水分解性シリル基含有アクリル樹脂を
得ることができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルペ
ルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジ−t
−ブチルペルオキシド、2,5−ジ(ペルオキシベンゾエ
ート)ヘキシン−3,1,3−ビス(t−ブチルペルオキシ
イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルパーベンゾエート
などのパーエステル化合物;アゾビスイソブチロニトリ
ル及びメチルアゾブチレートなどのアゾ化合物;及び有
機過酸化物などが挙げられる。
一般式(ハ)で示されるヒドロシラン化合物として
は、例えば、メチルジクロルシラン、エチルジクロルシ
ラン、フエニルジクロルシラン及びトリクロルシランな
どのハロゲン化シラン化合物;メチルジメトキシシラ
ン、メチルジエトキシシラン、エチルジメトキシシラ
ン、エチルジエトキシシラン、フエニルジメトキシシラ
ン、トリメトキシシラン及びトリエトキシシランなどの
アルコキシシラン化合物;メチルジアセトキシシラン、
フエニルジアセトキシシラン、トリアセトキシシランな
どのアシロキシシラン化合物;メチルジアミノキシシラ
ン、トリアミノキシシラン、トリアミノシランなどのア
ミノシラン化合物が挙げられる。これらから成る群より
選ばれた1種もしくは2種以上のものが使用される。
炭素−炭素二重結合を有するビニル重合体としては一
般式(ロ)で示されるアクリレート類の中で水酸基を持
たないものの他、スチレン、α−メチルスチレン、塩化
ビニル、酢酸ビニルなどから選ばれた1種もしくは2種
以上のビニル系化合物と、ブタジエン、イソプレン、ク
ロロプレンなどの共役ジエン化合物、及び/又は重合に
関与しない炭素−炭素二重結合を持つ、アクリル酸誘導
体と共重合させて得られる炭素−炭素二重結合を有する
ビニル系重合体が好ましい。
これらヒドロシラン化合物の少なくとも1種を、炭素
−炭素二重結合を有するビニル系重合体に付加させるこ
とによつて加水分解性のシリル基含有ビニル系樹脂(成
分(c))を得ることができる。
本発明に使用される加水分解性のシリル基含有ビニル
系樹脂の具体例としては、鐘淵化学工業(株)製ゼムラ
ツク、サイリル;東芝シリコーン(株)製、シリコーン
アクリルワニスなどが挙げられる。
上記シリル基含有ビニル系樹脂(成分(c))の配合
割合は、成分(a)のオルガノアリコキシシラン換算10
0重量部に対して、10〜150重量部、好ましくは15〜100
重量部である。上記シリル基含有ビニル系樹脂が10重量
部未満では、得られた塗膜の耐薬品製が充分でなく、又
厚い塗膜ではクラツクが発生し易い。一方、150重量部
を超えると耐擦傷性、耐熱性に劣り、又貯蔵安定性に欠
ける。
本発明の組成物に使用される一般式Al(OR3[OC
(R4)=CHCOR53-nで表わされるアルミニウム化合
物、該アルミニウム化合物の加水分解物(成分(d))
は、前記のオルガノアルコキシシラン(成分(a))、
シリル基含有ビニル系樹脂(成分(c))の加水分解反
応時の反応促進剤として働く。更にオルガノアルコキシ
シランとシリル基含有ビニル基の架橋部位を形成するよ
う作用する。従つて、該アルミニウム化合物は、先記両
成分混合時の加水分解反応時に配合しても良いが、貯蔵
安定性からは先記両成分を予め混合し、塗装直前に別途
配合しても良い。
上記式においてR3及びR4はアルキル基、R5はアルキル
基又はアルコキシ基、nは0〜3の整数を示す。このよ
うなアルミニウム化合物としては、トリ−i−プロポキ
シアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、
トリ−sec−ブトキシアルミニウム、トリ−n−ブトキ
シアルミニウム、sec−ブトキシアルミニウムイソプロ
ピレート、トリ−tert−ブトキシアルミニウム、エチル
アセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、ア
ルミニウムトリス(エチルアセトアセトナート)、アル
ミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウ
ムモノアセチルアセトナートビス(エチルアセトナー
ト)及び該アルミニウム化合物の部分加水分解物などを
あげることができる。これらのアルミニウム化合物及び
該アルミニウム化合物の部分加水分解物は、単独で使用
することも、又2種以上を併用することもできる。
なお、上記したアルミニウム化合物の部分加水分解物
は、アルミニウム化合物を含有する親水性有機溶媒中に
沈澱やゲルを生じない範囲で水を添加することによつて
得られる。
上記アルミニウム化合物及び該アルミニウム化合物の
部分加水分解物の配合割合は、成分(a)のオルガノア
ルコキシシラン換算100重量部に対して0.01〜30重量
部、好ましくは0.1〜20重量部である。0.01重量部未満
では、得られる塗膜の硬度、耐薬品性が低く、他方30重
量部を超えると組成物の経時的に貯蔵安定性が悪化す
る。また、得られる塗膜にクラツクが生じ易くなる。
本発明の組成物に使用されるペンタメチルジシロキサ
ンの片末端に官能基を有するダイマー型反応性シロキサ
ンのオリゴマー及び/又はテトラメチルジシロキサンの
両末端に官能基を有するダイマー型反応性シロキサンの
オリゴマー〔成分(e)〕は、グリシジル基官能の1−
(3−グリシドキシプロピル)−1,1,3,3,3−ペンタメ
チルジシロキサン、1,3−ビス(3−グリシドキシプロ
ピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン;アミノ
基官能の1−(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,3−ペ
ンタメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロ
ピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン:水酸基
官能の1−(3−ヒドロキシプロピル)−1,1,3,3,3−
ペンタメチルジシロキサン;メルカプタン基官能の1−
メルカプトメチル−1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキ
サン、1−(3−メルカプトプロピル)−1,1,3,3,3−
ペンタメチルジシロキサン、1,3−ビス(メルカプトメ
チル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビ
ス(3−メルカプトプロピル)−1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサン;クロル基官能の1−クロロメチル−1,
1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン、1−(3−クロ
ロプロピル)−1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサ
ン、1,3−ビス(クロロメチル)−1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサン、1,3−ビス(3−クロロプロピル)−
1,1,3,3−テトラメチルシロキサン;メタクリル基官能
の1−(3−メタクロキシプロピル)−1,1,3,3,3−ペ
ンタメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−メタクリロ
キシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
等のオリゴマー、及びα,ω−ビス(ビニル)ポリジメ
チルシロキサンオリゴマー、及びα,ω−ビス(ハイド
ロジエン)ポリジメチルシロキサンオリゴマーなどが挙
げられる。
上記ペンタメチルジシロキサンの片末端に官能基を有
するダイマー型反応性シロキサンのオリゴマー又は/及
びテトラメチルジシロキサンの両末端に官能基を有する
ダイマー型反応性シロキサンのオリゴマーは前記の配合
される各成分間の結合促進剤及びバツフアー剤としての
効果がある。その配合割合は、成分(a)のオルガノア
ルコキシシラン換算100重量部に対して0.1〜10重量部、
好ましくは1〜5重量部である。0.1重量部未満では、
得られる塗膜の耐クラツク性が弱く、他方10重量部を超
えると塗膜硬度が低下し易い。上記アルミニウム化合物
及び該アルミニウム化合物の部分加水分解物とのバラン
スにより、得られる塗膜の特性調整が可能である。
本発明の組成物には、さらに必要に応じて通常の塗料
化手法で適用される塗膜形成成分としての各種添加剤、
顔料、充填剤が含有できる。また、あわせてアルコール
系溶剤、芳香剤系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶
剤、多価アルコール系溶剤などが組成物調合・安定化や
塗装作業の濃度調整希釈剤として単独ないし複合で含有
できる。
本発明の組成物を調製するに際しては、(a)〜
(e)成分を一度に混合してもよく、(a)〜(c)成
分を混合後(d)〜(e)成分と混合してもよく、それ
ぞれを部分混合したものに残分を混合してもよく、その
調製方法は特に限定されない。
本発明の塗料組成物は各種基材上にエアスプレー、エ
アレススプレー、フローコーター、ロールなどの方法で
塗装し、硬化することにより所望の塗膜が形成される。
対象基材としては、金属、セラミツクス、ガラス、セ
メント、窯業系成形物、プラスチツクス、木材、紙、繊
維などが挙げられる。
そして、塗膜の硬化は約80〜200℃で5〜60分という
比較的温和な条件で行なうことができ、しかも硬化時に
クラツクや剥離が生じることなく、比較的厚い塗膜を形
成することが可能である。
〔作用〕
本発明の組成物は、オルガノアルコキシシラン(成分
(a))及びテトラアルキルシリケート(成分(b))
由来のポリシロキサンと、シリル基含有ビニル系樹脂
(成分(c))がアルミニウム化合物(成分(d))及
び、反応性シロキサンオリゴマー(成分(e))と共に
塗装、硬化時に基材上で化学的に強固に結合する形態を
有する為に、基材との密着性を損う事はない。従つて、
この塗膜はポリシロキサンとシリル基含有ビニル系樹脂
の化学的共重合体から形成されるものに比べ、格段に優
れた特性を有する。
このように本発明の塗料組成物を用いることにより、
光沢を有し、高硬度で耐汚染性、耐候性、耐溶剤性、耐
薬品性、耐水性などに優れた塗膜が形成され得る。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例により説明する。実施例中、部
はすべて重量部を、%はすべて重量%を示す。
実施例 1 (a)塗料組成物Aの調製 あらかじめ調製されたメチルメトキシシラン縮合部10
0部、テトラメチルシリケート5部、シリル基含有ビニ
ル系樹脂(鐘淵化学工業(株)製カネカゼムラツク:ト
リアルコキシシリル基含有アクリル重合体、固形分50
%)50部を混合準備後に、アルミニウムトリス(アセテ
ルアセトネート)2部、反応性シロキサンオリゴマー5
部を加えて、均質に再度混合して、塗料組成物Aを得
た。
(b)塗料組成物の評価 (a)項で得られた塗料組成物Aを冷間圧延ステンレ
ス鋼板(JIS G4305 SUS−CP)上に乾燥塗膜が20ミクロ
ンになるようにエアスプレーする。これを180℃で30分
加熱し、得られた硬化塗膜を以下の項目について評価し
た。塗料の組成及び得られた結果を、後述の実施例2〜
3及び比較例1〜8で得られた塗料組成物の評価結果と
ともにそれぞれ第1及び表2に示す。
〔塗膜外観〕目視観察により表面状態を評価する。
〔ゴハン目密着性〕JIS K5400のゴハン目により評価す
る。
〔鉛筆硬度〕JIS K5400の鉛筆硬度により評価する。
〔光沢〕JIS K5400の60度鏡面反射率により評価する。
〔耐汚染性〕塗面へのマジツクインキ(黒・青・赤)を
塗布し、8時間後のメタノールによる洗浄除去度合いを
観察する。
〔耐溶剤性〕ガーゼにメタノールを浸し、塗面を30回連
続ラビングテストした後の状態を観察する。
〔耐沸騰水性〕98℃以上の沸騰水に8時間浸漬した後の
状態を観察する。
〔耐酸性〕5%硫酸水溶液を塗面上に1ml滴下し、蓋付
きシヤーレ中で24時間静置後、水洗し、状態を観察す
る。
〔耐アルカリ性〕5%水酸化ナトリウム水溶液を塗面上
に1ml滴下し、蓋付きシヤーレ中で24時間静置後、水洗
し、状態を観察する。
〔耐候性〕JIS K5400に従つてウエザオメーターで1000
時間照射試験を実施し、状態を観察する。
実施例 2〜3 表1に示す塗料組成物で実施例1に準じて操作を行な
い塗料組成物B〜Cを得た。得られた塗料組成物の組成
及び評価結果をそれぞれ表1及び表2に示す。
比較例 1〜8 表1に示す塗料組成物で実施例1に準じて操作を行な
い塗料組成物D〜Kを得た。得られた塗料組成物の組成
及び評価結果をそれぞれ表1及び表2に示す。
〔発明の効果〕 本発明によれば、上記実施例などに示されるように、
金属や窯業系成形物などの基材表面に優れた性質の塗膜
を容易に形成し得る塗料組成物が提供される。ことに本
発明の塗料組成物を用いて得られる塗膜は、高硬度を有
し、耐汚染性に優れ、光沢性を有し、耐候性、耐水性、
耐薬品性などに極めて優れたものである。特に腐食しや
すい条件下あるいは屋外に放置されても高光沢を維持
し、変色及び劣化が起こらないという、これまでの塗料
組成物では得られない優れた性質を有する。その為、例
えば、太陽光線に暴露されるカーテンウオール、腐蝕し
やすい条件下で用いられる機材、意匠性を必要とされる
建材などを被覆する為の塗料としてその有用性は極めて
大なるものである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 183/04 C08L 83/04 C09D 201/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)一般式RSi(OR1(式中、Rは炭
    素数1〜8の有機基、R1は炭素数1〜5のアルキル基を
    示す)で表わされるオルガノアルコキシシランの部分縮
    合物をオルガノアルコキシシラン換算で100重量部、及
    び、 (b)一般式Si(OR2(式中、R2は炭素数1〜4の
    アルキル基を示す)で表わされるテトラアルキルシリケ
    ート1〜30重量部、及び (c)末端又は側鎖に加水分解性基と結合したケイ素原
    子を有するシリル基を重合体分子中に少なくとも1個有
    するシリル基含有ビニル系樹脂10〜150重量部、 を混合した骨格組成分と、 (d)一般式Al(OR3[OC(R4)=CHCOR53-n(式
    中、Rは炭素数1〜8の有機基、R3およびR4はアルキル
    基、R5はアルキル基又はアルコキシ基、nは0〜3の整
    数を示す)で表わされるアルミニウム化合物及び該アル
    ミニウム化合物の部分加水分解物の群から選ばれる少な
    くとも1種を0.01〜30重量部、及び (e)ペンタメチルジシロキサンの片末端に官能基を有
    するダイマー型反応性シロキサンのオリゴマー及び/又
    はテトラメチルジシロキサンの両末端に官能基を有する
    ダイマー型反応性シロキサンのオリゴマーの0.1〜10重
    量部、 を結合反応成分としてなる塗料組成物。
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