JPH09176437A - 架橋型水性重合体分散液 - Google Patents

架橋型水性重合体分散液

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JPH09176437A
JPH09176437A JP35007995A JP35007995A JPH09176437A JP H09176437 A JPH09176437 A JP H09176437A JP 35007995 A JP35007995 A JP 35007995A JP 35007995 A JP35007995 A JP 35007995A JP H09176437 A JPH09176437 A JP H09176437A
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JP
Japan
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meth
group
weight
acrylate
monomer
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Pending
Application number
JP35007995A
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English (en)
Inventor
Iwao Mihara
巖 三原
Koichi Nishiwaki
孝一 西脇
Minoru Kato
稔 加藤
Hirofumi Goto
宏文 後藤
Kazuo Nishimoto
和男 西元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐候性、耐汚染性、耐溶剤性、耐水性、密着
性等の優れた塗膜を形成できる架橋型水性重合体分散液
を提供する。 【構成】 ポリシロキサン系重合体エマルジョン(I)
0.1〜90重量部(固形分)の存在下に、(a)カル
ボニル基含有エチレン性不飽和単量体0.1〜20重量
%と(b)成分(a)と共重合可能な他のエチレン性不
飽和単量体80〜99.9重量%とからなるモノマー混
合物(II) 99.9〜10重量部((I)+(II) =1
00重量部)を重合して得られるポリシロキサン系共重
合体エマルジョン(III)と、多官能性ヒドラジン誘導体
(IV)とを、カルボニル基とヒドラジノ基との当量比が
1:0.1〜5の範囲で含有してなる架橋型水性重合体
分散液、

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に水性塗料とし
て、耐候性、耐汚染性、耐溶剤性、耐水性、密着性等に
優れた塗膜を形成しうる架橋可能な水性重合体分散液に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塗料には大別して水性塗料と溶剤
型塗料があり、それぞれの特性に応じて使い分けられて
いるが、近年溶剤型塗料が環境保全や安全性の面から問
題とされており、これに替わるものとして水性塗料の利
用が推し進められている。それに伴い、水性塗料に対す
る要求性能も厳しくなっており、なかでも塗膜の様々な
使用環境に対する耐久性(例えば耐候性、耐溶剤性、耐
水性等)が常に重要視されている。しかし、従来の水性
塗料は、溶剤型塗料に比較して塗膜の耐候性、耐汚染
性、、耐水性に劣り、また密着性も必ずしも十分とはい
えないため、塗膜表面の劣化に伴って、光沢の低下や変
色を来たし、甚だしい場合には塗膜が基材表面から剥離
することがあり、また基材表面と塗膜との間に水が侵入
して膨れを生じる場合もあり、これらは、例えば外装用
塗料では大きな問題となる。水性塗料の前記問題点を改
良する方法として、特公昭46−20053号公報、特
開昭57−3850号公報、特開昭57−3857号公
報等には、カルボニル基含有ラテックスとヒドラジン化
合物とを混合した常温架橋型水性塗料が提案されている
が、これらの水性塗料は、耐候性や耐汚染性が従来の塗
料に比べてやや改善されているとしても、必ずしも十分
とはいえない。特に特開昭57−3857号公報には、
耐汚染性を改善しつつ、塗料の伸展性と塗膜の硬度とい
う相矛盾する性能を同時に解決する方法が開示されてい
るが、耐汚染性の改善度はやはり不十分である。また、
特開平4−214747号公報には、加水分解性シラン
の存在下に、カルボニル基含有エチレン性不飽和単量体
と他のエチレン性不飽和単量体とを共重合させて得られ
た高分子ラテックスと、分子中に少なくとも2個のヒド
ラジノ基を有するヒドラジン誘導体とからなる自己架橋
型高分子ラテックス組成物が提案されている。しかしな
がら、この組成物では、不飽和単量体の共重合と加水分
解性シランの縮合反応とを同時に行うため凝集物が多く
発生して、安定したラテックス組成物が得られず、塗膜
の耐候性、耐汚染性、耐水性等が不十分である。さら
に、特開平4−261454号公報には、オルガノシロ
キサンにグラフト交叉剤を共縮合して得られるポリオル
ガノシロキサンの水性分散体の存在下に、(メタ)アク
リル酸アルキルエステルとエチレン系不飽和カルボン酸
とを必須とする単量体成分を重合することによって得ら
れるポリオルガノシロキサン系エマルジョンが開示され
ている。しかしながら、このエマルジョンは、架橋型の
ものでないため、耐溶剤性、耐水性、密着性等が不十分
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける前記問題点を背景になされたもので、その課題
は、特に水性塗料として、耐候性、耐汚染性、耐溶剤
性、耐水性、密着性等の優れた塗膜を形成でき、また水
性塗料以外の用途に用いた場合にも同様の優れた特性を
発揮しうる架橋型水性重合体分散液を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、重合性シラン
化合物の重合により得られるポリシロキサン系重合体エ
マルジョン(I) 0.1〜90重量部(固形分)の存在
下に、(a)分子中にアルド基あるいはケト基に基づく
カルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体0.1〜
20重量%と(b)成分(a)と共重合可能な他のエチ
レン性不飽和単量体80〜99.9重量%とからなるモ
ノマー混合物(II) 99.9〜10重量部(但し、成分
(I)と成分(II) との合計量は100重量部。)を重
合して得られるポリシロキサン系共重合体エマルジョン
(III)と、分子中に少なくとも2個のヒドラジノ基を有
する多官能性ヒドラジン誘導体(IV)とを、成分(III)
中のカルボニル基と成分(IV)中のヒドラジノ基との当
量比が1:0.1〜5の範囲で含有してなる架橋型水性
重合体分散液、を要旨とする。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。ポリシロキサン系重合体エマルジョン(I) 本発明におけるポリシロキサン系重合体エマルジョン
(I) は、重合性シラン化合物を水の存在下で重合する
ことにより得られるものである。このような重合性シラ
ン化合物としては、例えば、下記式(1)
【0006】
【化1】
【0007】〔式(1)において、R1は炭素数1〜8の
有機基、R2は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1
〜4のアシル基、nは0〜3の整数を示す。〕で表され
るアルコキシシランあるいはアシルオキシシラン、下記
式(2)
【0008】
【化2】
【0009】〔式(2)において、R1は炭素数1〜8の
非重合性有機基、mは0〜3の整数を示す。〕で表され
る環式シロキサン、直鎖状あるいは分岐状のオルガノシ
ロキサンや、これらの化合物が予め重合されたポリスチ
レン換算重量平均分子量が例えば500〜10,000
程度のポリシロキサン等を挙げることができる。重合性
シラン化合物が前記ポリシロキサンである場合、その分
子鎖末端が、例えば水酸基、アルコキシ基、トリメチル
シリル基、ジメチルビニルシリル基、メチルフェニルビ
ニルシリル基、メチルジフェニルシリル基等で封鎖され
ていてもよい。式(1)および(2)におけるR1の有機
基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s
ec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−
オクチル基等のアルキル基;フェニル基、o−メチルフ
ェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル
基、p−エチルフェニル基、o−メトキシフェニル基、
m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、p
−クロロフェニル基等のアリール基;ベンジル基等のア
ラルキル基;3−フロロプロピル基、3−クロロプロピ
ル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン
化アルキル基;2−アミノエチル基、2−ジメチルアミ
ノエチル基、3−アミノプロピル基、3−ジメチルアミ
ノプロピル基等のアミノ基含有アルキル基;2−グリシ
ドキシエチル基、3−グリシドキシプロピル、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基基等のエ
ポキシ基含有有機基等を挙げることができる。また、式
(1)におけるR2のアルキル基の例としては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチ
ル基、n−ペンチル基等を挙げることができ、R2のアシ
ル基の例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチ
リル基、バレリル基等を挙げることができる。
【0010】前記アルコキシシランの具体例としては、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ
−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラ
ン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−i−ブトキ
シシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−
t−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシ
ラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピル
トリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルトリ
エトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラ
ン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,
3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,
3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメト
キシシラン、ジエチルジエトキシシラン、トリメチルメ
トキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチル
メトキシシラン、トリエチルエトキシシラン等を挙げる
ことができる。前記アシルオキシシランの具体例として
は、テトラアセチルオキシシラン、メチルトリアセチル
オキシシシラン、エチルトリアセチルオキシシシラン、
ジメチルジアセチルオキシシシラン、ジエチルジアセチ
ルオキシシシラン、トリメチルアセチルオキシシシラ
ン、トリエチルアセチルオキシシシラン等を挙げること
ができる。これらのアルコキシシランおよびアシルオキ
シシランのうち、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシランが好ましい。
【0011】また、前記環式シロキサンの具体例として
は、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、トリメチルト
リフェニルシクロトリシロキサン、ヘキサフェニルシク
ロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサ
ン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサ
ン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン、テトラメ
チルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルシクロテト
ラシロキサン、ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、
デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシク
ロヘキサシロキサン等を挙げることができる。前記重合
性シラン化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使
用することができる。
【0012】さらに、本発明においては、前記重合性シ
ラン化合物とともに、ラジカル活性基を有する重合性シ
ラン化合物(以下、「グラフト交叉剤」という。)を併
用することができる。グラフト交叉剤を使用することに
より、後述するモノマー混合物(II) をポリシロキサン
系重合体に効率よくグラフト共重合させることができ
る。このようなグラフト交叉剤におけるラジカル活性基
としては、例えば下記式(3)〜(5)で表される基、
ビニル基、アリル基等を挙げることができる。
【0013】
【化3】
【0014】〔式(3)において、R3は水素原子または
炭素数1〜6のアルキル基、pは0〜12の整数を示
す。〕 式(3)におけるR3としては、水素原子、メチル基、エ
チル基が好ましく、さらに好ましくは水素原子、メチル
基である。
【0015】
【化4】
【0016】〔式(4)において、R4は水素原子または
メチル基、qは1〜6の整数を示す。〕
【0017】
【化5】
【0018】〔式(5)において、R5は炭素数1〜18
の2価または3価の飽和脂肪族炭化水素基で、3価の飽
和脂肪族炭化水素基の場合、ケイ素原子が2個の炭素原
子と結合して複素環を形成する。〕
【0019】グラフト交叉剤のうち、前記式(3)で表
されるラジカル活性基を有する化合物(以下、「グラフ
ト交叉剤(i)」という。)としては、式(3)のpが
0である化合物が好ましく、その具体例としては、o−
ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、o−ビニルフ
ェニルメチルジエトキシシラン、m−ビニルフェニルメ
チルジメトキシシラン、m−ビニルフェニルメチルジエ
トキシシラン、p−ビニルフェニルメチルジメトキシシ
ラン、p−ビニルフェニルメチルジエトキシシラン、p
−イソプロペニルフェニルメチルジメトキシシラン、p
−イソプロペニルフェニルメチルジエトキシシラン、1
−(o−ビニルフェニル)メチルジメチルメトキシシラ
ン、1−(o−ビニルフェニル)メチルジメチルエトキ
シシラン、1−(o−ビニルフェニル)メチルジメチル
イソプロポキシシラン、1−(m−ビニルフェニル)メ
チルジメチルメトキシシラン、1−(m−ビニルフェニ
ル)メチルジメチルエトキシシラン、1−(m−ビニル
フェニル)メチルジメチルイソプロポキシシラン、1−
(p−ビニルフェニル)メチルジメチルメトキシシラ
ン、1−(p−ビニルフェニル)メチルジメチルエトキ
シシラン、1−(p−ビニルフェニル)メチルジメチル
イソプロポキシシラン、2−(o−ビニルフェニル)エ
チルメチルジメトキシシラン、2−(o−ビニルフェニ
ル)エチルメチルジエトキシシラン、2−(o−ビニル
フェニル)エチルメチルジイソプロポキシシラン、2−
(m−ビニルフェニル)エチルメチルジメトキシシラ
ン、2−(m−ビニルフェニル)エチルメチルジエトキ
シシラン、2−(m−ビニルフェニル)エチルメチルジ
イソプロポキシシラン、2−(p−ビニルフェニル)エ
チルメチルジメトキシシラン、2−(p−ビニルフェニ
ル)エチルメチルジエトキシシラン、2−(p−ビニル
フェニル)エチルメチルジイソプロポキシシラン、2−
(o−ビニルフェニル)エチルジメチルメトキシシラ
ン、2−(o−ビニルフェニル)エチルジメチルエトキ
シシラン、2−(o−ビニルフェニル)エチルジメチル
イソプロポキシシラン、2−(m−ビニルフェニル)エ
チルジメチルメトキシシラン、2−(m−ビニルフェニ
ル)エチルジメチルエトキシシラン、2−(m−ビニル
フェニル)エチルジメチルイソプロポキシシラン、2−
(p−ビニルフェニル)エチルジメチルメトキシシラ
ン、2−(p−ビニルフェニル)エチルジメチルエトキ
シシラン、2−(p−ビニルフェニル)エチルジメチル
イソプロポキシシラン、2−(p−ビニルフェノキシ)
エチルメチルジメトキシシラン、2−(p−ビニルフェ
ノキシ)エチルメチルジメトキシシラン、3−(p−ビ
ニルフェノキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3
−(p−ビニルフェノキシ)プロピルメチルジエトキシ
シラン、2−(p−ビニルベンゾイルオキシ)エチルメ
チルジメトキシシラン、2−(p−ビニルベンゾイルオ
キシ)エチルメチルジエトキシシラン、3−(p−ビニ
ルベンゾイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラ
ン、3−(p−ビニルベンゾイルオキシ)プロピルメチ
ルジエトキシシラン、1−(o−ビニルフェニル)−
1,1,1−トリメチル−2,2−ジメトキシジシラ
ン、1−(m−ビニルフェニル)−1,1,1−トリメ
チル−2,2−ジメトキシジシラン、1−(p−ビニル
フェニル)−1,1,1−トリメチル−2,2−ジメト
キシジシラン、1−(o−ビニルフェニル)−1,1−
ジフェニル−3−メチル−3,3−ジメトキシトリシロ
キサン、1−(m−ビニルフェニル)−1,1−ジフェ
ニル−3−メチル−3,3−ジメトキシトリシロキサ
ン、1−(p−ビニルフェニル)−1,1−ジフェニル
−3−メチル−3,3−ジメトキシトリシロキサン、1
−(o−ビニルフェニル)−1,1−ジフェニル−3−
メチル−3,3−ジエトキシトリシロキサン、1−(m
−ビニルフェニル)−1,1−ジフェニル−3−メチル
−3,3−ジエトキシトリシロキサン、1−(p−ビニ
ルフェニル)−1,1−ジフェニル−3−メチル−3,
3−ジエトキシトリシロキサン、1−(o−ビニルフェ
ニル)−1,1−ジフェニル−3−エチル−3,3−ジ
メトキシトリシロキサン、1−(m−ビニルフェニル)
−1,1−ジフェニル−3−エチル−3,3−ジメトキ
シトリシロキサン、1−(p−ビニルフェニル)−1,
1−ジフェニル−3−エチル−3,3−ジメトキシトリ
シロキサン、1−(o−ビニルフェニル)−1,1−ジ
フェニル−3−エチル−3,3−ジエトキシトリシロキ
サン、1−(m−ビニルフェニル)−1,1−ジフェニ
ル−3−エチル−3,3−ジエトキシトリシロキサン、
1−(p−ビニルフェニル)−1,1−ジフェニル−3
−エチル−3,3−ジエトキシトリシロキサン、o−ビ
ニルフェニル−[ 2−(トリメトキシシリル)エチル ]
ジフェニルシラン、o−ビニルフェニル−[ 2−(トリ
エトキシシリル)エチル ]ジフェニルシラン、m−ビニ
ルフェニル−[ 2−(トリメトキシシリル)エチル ]ジ
フェニルシラン、m−ビニルフェニル−[ 2−(トリエ
トキシシリル)エチル ]ジフェニルシラン、p−ビニル
フェニル−[ 2−(トリメトキシシリル)エチル ]ジフ
ェニルシラン、p−ビニルフェニル−[ 2−(トリエト
キシシリル)エチル ]ジフェニルシラン、o−ビニルフ
ェニル−[ 3−(トリメトキシシリル)プロピル ]ジフ
ェニルシラン、o−ビニルフェニル−[ 3−(トリエト
キシシリル)プロピル ]ジフェニルシラン、m−ビニル
フェニル−[ 3−(トリメトキシシリル)プロピル ]ジ
フェニルシラン、m−ビニルフェニル−[ 3−(トリエ
トキシシリル)プロピル ]ジフェニルシラン、p−ビニ
ルフェニル−[ 3−(トリメトキシシリル)プロピル]
ジフェニルシラン、p−ビニルフェニル−[ 3−(トリ
エトキシシリル)プロピル ]ジフェニルシラン、[ 2−
(p−ビニルベンゾイルアミノ)エチル ]フェニルジメ
トキシシラン、[2−(p−ビニルベンゾイルアミノ)
エチル ]フェニルジエトキシシラン、[ 2−(p−ビニ
ルベンゾイルアミノ)エチル ]フェニルジプロポキシシ
ラン、[ 3−(p−ビニルベンゾイルアミノ)プロピル
]フェニルジメトキシシラン、[ 3−(p−ビニルベン
ゾイルアミノ)プロピル ]フェニルジエトキシシラン、
[ 3−(p−ビニルベンゾイルアミノ)プロピル ]フェ
ニルジプロポキシシラン、[ 2−(p−イソプロペニル
ベンゾイルアミノ)エチル ]フェニルジメトキシシラ
ン、[ 2−(p−イソプロペニルベンゾイルアミノ)エ
チル ]フェニルジエトキシシラン、[ 2−(p−イソプ
ロペニルベンゾイルアミノ)エチル ]フェニルジプロポ
キシシラン、[ 3−(p−イソプロペニルベンゾイルア
ミノ)プロピル]フェニルジメトキシシラン、[ 3−
(p−イソプロペニルベンゾイルアミノ)プロピル ]フ
ェニルジエトキシシラン、[ 3−(p−イソプロペニル
ベンゾイルアミノ)プロピル ]フェニルジプロポキシシ
ラン等を挙げることができる。これらのグラフト交叉剤
(i)のうち、p−ビニルフェニルメチルジメトキシシ
ラン、2−(p−ビニルフェニル)エチルメチルジメト
キシシラン、3−(p−ビニルベンゾイルオキシ)プロ
ピルメチルジメトキシシランが好ましく、これらのグラ
フト交叉剤(i)を用いることにより、グラフト率が高
くなり、特に優れた架橋型水性重合体分散液を得ること
ができる。
【0020】前記式(4)で表されるラジカル活性基を
有する化合物(以下、「グラフト交叉剤(ii)」とい
う。)の具体例としては、2−(メタ)アクリロキシエ
チルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエ
チルトリエトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエ
チルメチルジメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキ
シエチルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アク
リロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)ア
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メ
タ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等を
挙げることができる。前記式(5)で表されるラジカル
活性基を有する化合物(以下、「グラフト交叉剤(ii
i)」という。)の具体例としては、2−メルカプトエ
チルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエ
トキシシラン、2−メルカプトエチルメチルジメトキシ
シラン、2−メルカプトエチルメチルジエトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプ
トプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプ
ロピルメチルジエトキシシラン等を挙げることができ
る。さらに、ラジカル活性基としてビニルおよび/また
はアリル基を有する化合物(以下、「グラフト交叉剤
(iv) 」という。)の具体例としては、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイ
ソプロポキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、
ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジイソプ
ロポキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルト
リエトキシシラン、アリルトリイソプロポキシシラン、
アリルメチルジメトキシシラン、アリルメチルジエトキ
シシラン、アリルメチルジイソプロポキシシラン、トリ
ビニルトリメチルシクロトリシロキサン、トリアリルト
リメチルシクロテトラシロキサン、テトラビニルテトラ
メチルシクロテトラシロキサン、テトラアリルテトラメ
チルシクロテトラシロキサン等を挙げることができる。
これらのグラフト交叉剤(i)〜(iv)のうち、特にグ
ラフト交叉剤(i)が好ましい。前記グラフト交叉剤
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。グラフト交叉剤の使用量は、重合性シラン化合物
の合計量に対して、通常、20重量%以下、好ましくは
0.02〜20重量%、さらに好ましくは0.1〜10
重量%、特に好ましくは0.5〜5重量%である。
【0021】本発明におけるポリシロキサン系重合体エ
マルジョンは、好ましくはグラフト交叉剤を含有する重
合性シラン化合物を、水および乳化剤の存在下にホモミ
キサー等を用いて剪断混合し、重合することにより製造
することができる。前記重合時の水の使用量は、重合性
シラン化合物100重量部に対して、通常、100〜5
00重量部、好ましくは200〜400重量部程度であ
る。前記乳化剤としては、好ましくは、ラウリル硫酸ナ
トリウム等の高級アルコール硫酸エステル塩、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンス
ルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル(またはアル
キルフェニル)エーテル硫酸エステル塩、こはく酸ジア
ルキルエステルスルホン酸塩、アルキルジフェニルエー
テルジスルホン酸塩等が使用され、これらの乳化剤は、
重合性シラン化合物の乳化剤として作用するとともに、
重合開始剤となる。乳化剤の使用量は、重合性シラン化
合物100重量部に対して、通常、0.1〜5重量%、
好ましくは0.3〜3重量%程度である。また、前記重
合時の反応温度は、通常、5〜100℃であり、また混
合時間は、通常、0.5〜10時間である。このように
して得られるポリシロキサン系重合体エマルジョン
(I)のポリスチレン換算重量平均分子量は、通常、3
0,000〜1,000,000、好ましくは50,0
00〜300,000である。この場合、重量平均分子
量が30,000未満では、得られる塗膜の強度が低下
する傾向があり、一方1,000,000を超えると、
塗膜の密着性が低下する傾向がある。
【0022】ポリシロキサン系共重合体エマルジョン(I
II) 本発明におけるポリシロキサン系共重合体エマルジョン
(III)は、前記ポリシロキサン系重合体エマルジョン
(I) 0.1〜90重量部(固形分)の存在下に、
(a)分子中にアルド基あるいはケト基に基づくカルボ
ニル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「単量
体(a)」という。)0.1〜20重量%と(b)単量
体(a)と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体
(以下、「単量体(b)」という。)80〜99.9重
量%とからなるモノマー混合物(II) 99.9〜10重
量部(但し、成分(I)と成分(II) との合計量は10
0重量部。)を重合して得られるものである。単量体
(a)のうち、アルド基を有するエチレン性不飽和単量
体としては、例えば(メタ)アクロレイン、クロトンア
ルデヒド、ホルミルスチレン、ホルミル−α−メチルス
チレン、ジアセトンアクリルアミド、(メタ)アクリル
アミドピバリンアルデヒド、3−(メタ)アクリルアミ
ドメチル−アニスアルデヒドや、下記式(6)で表され
るβ−(メタ)アクリロキシ−α,α−ジアルキルプロ
パナール類等を挙げることができる。
【0023】
【化6】
【0024】〔式(6)において、R6は水素原子または
メチル基、R7は水素原子または炭素数1〜3のアルキル
基、R8は炭素数1〜3のアルキル基、R9は炭素数1〜4
のアルキル基を示す。〕 式(6)で表されるβ−(メタ)アクリロキシ−α,α
−ジアルキルプロパナール類の具体例としては、β−
(メタ)アクリロキシ−α,α−ジメチルプロパナール
(即ち、β−(メタ)アクリロキシピバリンアルデヒ
ド)、β−(メタ)アクリロキシ−α,α−ジエチルプ
ロパナール、β−(メタ)アクリロキシ−α,α−ジプ
ロピルプロパナール、β−(メタ)アクリロキシ−α−
メチル−α−ブチルプロパナール、β−(メタ)アクリ
ロキシ−α,α,β−トリメチルプロパナール等を挙げ
ることができる。また、ケト基を有するエチレン性不飽
和単量体としては、例えばジアセトン(メタ)アクリル
アミド、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケ
トン類(例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケト
ン、ビニル−n−プロピルケトン、ビニル−i−プロピ
ルケトン、ビニル−n−ブチルケトン、ビニル−i−ブ
チルケトン、ビニル−t−ブチルケトン等)、ビニルフ
ェニルケトン、ビニルベンジルケトン、ジビニルケト
ン、ジアセトン(メタ)アクリレート、アセトニトリル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート−アセチルアセテート、3−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート−アセチルアセテー
ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート−アセ
チルアセテート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリ
レート−アセチルアセテート、4−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート−アセチルアセテート、ブタンジ
オール−1,4−(メタ)アクリレート−アセチルアセ
テート等を挙げることができる。これらの単量体(a)
のうち、特にアクロレイン、ジアセトンアクリルアミ
ド、ビニルメチルケトン等が好ましい。前記単量体
(a)は、単独でまたは2種以上を混合して使用するこ
とができる。モノマー混合物(II) 中の単量体(a)の
含有量は、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜1
0重量%、さらに好ましくは1〜8重量%である。この
場合、単量体(a)の含有量が0.1重量%未満では、
架橋点が少なくなり、塗膜の耐汚染性、耐溶剤性、耐水
性等が低下し、一方20重量%を超えると、塗膜の耐候
性、耐水性等が低下する。
【0025】また、単量体(b)としては、前記単量体
(a)と共重合可能である限り特に限定されるものでな
く、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレー
ト、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリルレート、i−ブチル(メタ)アクリル
レート、sec−ブチル(メタ)アクリルレート、t−
ブチル(メタ)アクリルレート、n−アミル(メタ)ア
クリルレート、i−アミル(メタ)アクリルレート、n
−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(シク
ロ)アルキル(メタ)アクリレート類;ヒドロキシメチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシアミ
ル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メ
タ)アクリレート等の2価アルコールのヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート類;2−メトキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、
3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メト
キシブチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル
(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)ア
クリレート、p−メトキシシクロヘキシル(メタ)アク
リレート等のアルコキシ(シクロ)アルキル(メタ)ア
クリレート類;パーフルオロエチル(メタ)アクリレー
ト、パーフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ペン
タデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート等のフル
オロアルキル(メタ)アクリレート類;2−ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル基含有(メ
タ)アクリレート類;2−(ジメチルアミノエトキシ)
エチル(メタ)アクリレート、2−(ジエチルアミノエ
トキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(ジメチル
アミノエトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等のア
ミノアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリレート
類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコー
ルジアクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
2,2′−ビス〔4−(メタ)アクリロキシプロピオキ
シフェニル〕プロパン、2,2′−ビス〔4−(メタ)
アクリロキシジエトキシフェニル〕プロパン、グリセリ
ントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート等の多官能性(メタ)アクリレ
ート類;スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルス
チレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4
−エチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、3,4−
ジメチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−エトキ
シスチレン、4−ヒドロキシメチルスチレン、2−クロ
ロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレ
ン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチ
レン、4−クロロ−3−メチルスチレン、ジビニルベン
ゼン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルピリジン、4
−ビニルピリジン等の芳香族ビニル化合物;(メタ)ア
クリル酸、クロトン酸、けい皮酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチ
ル、マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノメチル、イ
タコン酸モノエチル、ヘキサヒドロフタル酸モノ−2−
(メタ)アクリロイルオキシエチル等のカルボキシル基
含有不飽和単量体あるいはその無水物類;(メタ)アク
リルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、
N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブト
キシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロ
ール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメトキシメチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス
(メタ)アクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミ
ド等の不飽和カルボン酸のアミドあるいはイミド類;
(メタ)アクリロニトリル、クロトンニトリル、2−シ
アノエチル(メタ)アクリレート、2−シアノプロピル
(メタ)アクリレート、3−シアノプロピル(メタ)ア
クリレート、けい皮酸ニトリル等のシアノ基含有不飽和
単量体類;(メタ)アリルグリシジルエーテル、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)
アクリレート等の不飽和エポキシ化合物;塩化ビニル、
塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル化合物;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエ
ステル類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプ
レン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の共役
ジエン類;3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、チッソ(株)製サイラプレーンFM071
1(商品名)等の重合性シリコーン類等を挙げることが
できる。これらの単量体(b)のうち、(シクロ)アル
キル(メタ)アクリレート類、2価アルコールのヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレート類、芳香族ビニル化
合物、カルボキシル基含有不飽和単量体、不飽和カルボ
ン酸のアミド類、不飽和エポキシ化合物等が好ましく、
特に好ましくはメチルメタクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレ
ート等である。前記単量体(b)は、単独でまたは2種
以上を混合して使用することができる。本発明におい
て、モノマー混合物(II) 中の単量体(b)の含有量
は、80〜99.9重量%、好ましくは90〜99.5
重量%、さらに好ましくは92〜99重量%である。こ
の場合、単量体(b)の含有量が80重量%未満では、
塗膜の耐候性、耐水性等が低下し、一方99.9 重量
%を超えると、架橋点が少なくなり、塗膜の耐汚染性、
耐溶剤性、耐水性等が低下する。また、前記好ましい単
量体(b)の場合、モノマー混合物(II) 中の各単量体
の含有量は、(シクロ)アルキル(メタ)アクリレート
類が、通常、30〜99.9重量%、2価アルコールの
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が、通常、
0〜20重量%、芳香族ビニル化合物が、通常、0〜5
0重量%、カルボキシル基含有不飽和単量体が、通常、
0〜20重量%、不飽和カルボン酸のアミド類が、通
常、0〜20重量%、不飽和エポキシ化合物が、通常、
0〜20重量%である。
【0026】モノマー混合物(II) の重合時の各成分の
仕込み組成は、ポリシロキサン系重合体エマルジョン
(I) が0.1〜90重量部(固形分)、好ましくは1
〜50重量部、さらに好ましくは3〜30重量部であ
り、モノマー混合物(II) が99.9〜10重量部、好
ましくは99〜50重量部、さらに好ましくは97〜7
0重量部である。但し、ポリシロキサン系重合体エマル
ジョン(I) とモノマー混合物(II) との合計量を10
0重量部とする。この場合、ポリシロキサン系重合体エ
マルジョン(I) の仕込み量が0.1重量部未満では、
塗膜の耐候性、耐水性、密着性等が低下し、一方90重
量部を超えると、塗膜の強度が低下し、また成膜性も損
なわれる。前記重合においては、モノマー混合物(II)
から形成される共重合体鎖がポリシロキサン系重合体に
結合したグラフト共重合成分のほか、遊離のポリシロキ
サン系重合体成分および/またはモノマー混合物(II)
から形成される共重合体成分も存在しうるが、本発明に
おけるポリシロキサン系共重合体エマルジョン(III) の
グラフト率〔全(共)重合体成分に対する前記グラフト
共重合成分の割合〕は、通常、5重量%以上が達成され
る。本発明におけるグラフト率は、好ましくは10重量
%以上、さらに好ましくは30重量%以上、特に好まし
くは50重量%以上である。本発明においては、グラフ
ト率が高いほど、得られるポリシロキサン系共重合体中
のグラフト共重合成分と遊離の共重合体成分との間の界
面接着力が増大し、強度の優れた塗膜を形成することが
できる。本発明におけるモノマー混合物(II) の重合
は、ポリシロキサン系重合体エマルジョンエマルジョン
(I) に、モノマー混合物、ラジカル重合開始剤、乳化
剤、連鎖移動剤等を添加して実施することが好ましい。
前記ラジカル重合開始剤としては、例えばクメンハイド
ロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ
ーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、
t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−
ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ
ラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボ
ネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ベン
ゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の
有機パーオキサイド類;これらの有機パーオキサイド類
と還元剤(例えば含糖ピロりん酸鉄、スルホキシレート
類や、これらの混合物等)との組合せからなるレドック
ス系開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の
過硫酸塩;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2
−カルバモイルアザイソブチロニトリル等のアゾ化合物
等を挙げることができ、好ましくは前記レドックス系開
始剤が使用される。また、本発明においては、ラジカル
重合開始剤として有機パーオキサイド類を使用すること
により、前記グラフト交叉剤を使用しない場合でも、ポ
リシロキサン系重合体に対する高いグラフト率を達成す
ることができる。この場合における好ましい有機パーオ
キサイド類は、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ
−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−
2−エチルヘキサノエートである。ラジカル重合開始剤
の使用量は、モノマー混合物(II) 100重量部に対し
て、通常、0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜2
重量部程度である。前記乳化剤としては、例えば脂肪酸
塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルベンゼン
スルホン酸塩、ジフェニルエーテルジスルホン酸塩、こ
はく酸ジアルキルエステルスルホン酸塩等のアニオン系
界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキ
シエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキ
ルアリールエーテル硫酸エステルアンモニウム等のノニ
オン系界面活性剤等を挙げることができる。これらの界
面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用する
ことができる。乳化剤の使用量は、モノマー混合物10
0重量部に対して、通常、0.1〜10重量部、好まし
くは0.1〜5重量部程度である。前記連鎖移動剤とし
ては、例えばn−テトラデシルメルカプタン、t−ドデ
シルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン等のメル
カプタン類;クロロホルム、ブロモホルム、臭化エチレ
ン等のハロゲン化物;ジメチルキサントゲンジサルファ
イド、ジエチルキサントゲンジサルファイド等のキサン
トゲン類;ジペンテン、ターピノーレン等のテルペン
類;α−メチルスチレンダイマー等を挙げることができ
る。連鎖移動剤の使用量は、モノマー混合物(II) 10
0重量部に対して、通常、0.02〜1重量部程度であ
る。また、前記重合に際しては、必要に応じて水、電解
質、pH調整剤、キレート化剤等を添加することもでき
る。また、モノマー混合物(II) の添加方法としては、
例えばモノマー混合物(II) の全量を一括して仕込む
方法、モノマー混合物(II) の一部を仕込んで重合を
開始し、残りの成分を連続あるいは分割して仕込む方
法、モノマー混合物(II) の全量を連続あるいは分割
して仕込む方法等を採用することができる。前記重合の
条件は、温度が、通常、5〜100℃、好ましくは50
〜90℃であり、重合時間が、通常、0.1〜10時間
である。また、重合転化率は、99.5%以上とするこ
とが好ましい。このようにして得られるポリシロキサン
系共重合体エマルジョン(III) は、粒子径が30〜60
0nm、好ましくは100〜600nmの範囲に入る粒
子が全粒子の80重量%以上である粒度分布を有するこ
とが好ましい。このような粒度分布を有することによ
り、成膜性が良好で、分散系の安定性が保たれ、かつ塗
膜の物性バランスも優れた架橋型水性重合体分散液を得
ることができる。ポリシロキサン系共重合体エマルジョ
ン(III) の粒子径および粒度分布の調整は、乳化剤量、
重合温度、攪拌条件等を制御することにより容易に実施
することができる。また、ポリシロキサン系共重合体エ
マルジョン(III) の固形分濃度は、通常、20〜70重
量%、好ましくは30〜60重量%程度である。さら
に、ポリシロキサン系共重合体エマルジョン(III) にお
いては、塗膜に対して優れた耐候性、耐熱性、強度等を
付与するために、該エマルジョンを構成する全重合体成
分(グラフト共重合成分および遊離の共重合体成分を含
む。)についてのガラス転移温度(示差熱分析により測
定)の最高値を、80℃以下、好ましくは−60℃〜+
60℃、さらに好ましくは−30℃〜+30℃とするこ
とが好ましい。このガラス転移温度は、重合時のポリシ
ロキサン系重合体エマルジョン(I)とモノマー混合物
(II) の仕込み組成、あるいはモノマー混合物(II) 中
の単量体(a)および単量体(b)の種類とそれらの割
合を調節することにより、適宜に設定することができ
る。
【0027】架橋型水性重合体分散液 本発明の架橋型水性重合体分散液は、前記のようにして
製造されたポリシロキサン系共重合体エマルジョン(II
I) と、分子中に少なくとも2個のヒドラジノ基を有す
る多官能性ヒドラジン誘導体(IV)とを、該多官能性ヒ
ドラジン誘導体中のヒドラジノ基が、該エマルジョン中
のカルボニル基1当量に対して、0.1〜5当量、好ま
しくは0.5〜2当量、さらに好ましくは0.7〜1.
2当量、特に好ましくは0.8〜0.98当量の範囲で
含有してなるものである。この場合、該多官能性ヒドラ
ジン誘導体中のヒドラジノ基が0.1当量未満である
と、塗膜の耐汚染性、耐溶剤性、耐水性等が低下し、一
方5当量を超えると、塗膜の耐水性が低下する。ここで
特筆すべきことは、従来、カルボニル基含有重合体と多
官能性ヒドラジン誘導体とを含有する架橋型重合体組成
物では、ヒドラジノ基の量はカルボニル基1当量当たり
1当量以上が好ましいとされていたが、本発明の架橋型
水性重合体分散液では、1当量よりやや少ない0.8〜
0.98当量が最適であることが見い出された。
【0028】本発明における多官能性ヒドラジン誘導体
(IV)としては、例えばしゅう酸ジヒドラジド、マロン
酸ジヒドラジド、こはく酸ジヒドラジド、グルタル酸ジ
ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒ
ドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒド
ラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒド
ラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジ
ド等の炭素数2〜10、特に炭素数4〜6のジカルボン
酸ジヒドラジド類;エチレン−1,2−ジヒドラジン、
プロピレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,
3−ジヒドラジン、ブチレン−1,2−ジヒドラジン、
ブチレン−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−1,4−
ジヒドラジン、ブチレン−2,3−ジヒドラジン等の炭
素数2〜4の脂肪族ジヒドラジン類等の水溶性ジヒドラ
ジンを挙げることができる。これらの多官能性ヒドラジ
ン誘導体(IV)のうち、アジピン酸ジヒドラジド、セバ
シン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドが好ま
しい。前記多官能性ヒドラジン誘導体(IV)は、単独で
または2種以上を混合して使用することができる。多官
能性ヒドラジン誘導体(IV)は、本発明の架橋型水性重
合体分散液の施工後の乾燥過程で、そのヒドラジノ基が
ポリシロキサン系共重合体中のカルボニル基と反応して
網目構造を生成し、塗膜を架橋させる作用を有するもの
である。この架橋反応は、通常触媒を用いなくても常温
で進行するが、必要に応じて硫酸亜鉛、硫酸マンガン、
硫酸コバルト等の水溶性金属塩等の触媒を添加したり、
あるいは加熱乾燥することにより、架橋反応を促進させ
ることもできる。
【0029】本発明の架橋型水性重合体分散液には、使
用目的に応じて各種添加剤を配合することができる。こ
のような添加剤のうち、成膜性や濡れ性をさらに改善す
る添加剤として、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、n
−アミルアルコール、n−ヘキシルアルコール等のアル
コール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコール
モノ−i−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ
−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−
ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、エチ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレ
ングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリブト
キシメチルフォスフェート等の有機溶剤を挙げることが
できる。これらの有機溶剤は、単独でまたは2種以上を
混合して使用することができる。有機溶剤の使用量は、
架橋型水性重合体分散液に対して、通常、20重量%以
下、好ましくは10重量%以下である。また、他の添加
剤として、例えば、水性塗料に通常使用されている水溶
性ポリエステル樹脂、水溶性あるいは水分散性エポキシ
樹脂、水溶性あるいは水分散性アクリル樹脂、スチレン
−マレイン酸共重合体等のカルボキシル基含有芳香族ビ
ニル系樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂状添加剤のほか、潤
滑剤、消泡剤、湿潤剤、凍結防止剤、レベリング剤、顔
料、充填剤、防腐・防かび剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤等を挙げることができる。これらの添加剤の使用量
は、ポリシロキサン系共重合体エマルジョン(III)の1
00重量部(固形分)に対して、好ましくは50重量部
以下、さらに好ましくは40重量部以下である。このよ
うにして得られる本発明の架橋型水性重合体分散液は、
耐候性、耐汚染性、耐溶剤性、耐水性、密着性等に優れ
た塗膜を形成しうるものであり、特に水性塗料として使
用した場合に、その優れた効果が一段と発揮される。本
発明の架橋型水性重合体分散液は、特に水性塗料とし
て、クリヤー塗料、着色塗料双方に使用でき、木材、
紙、ガラス、金属、コンクリート、モルタル、セメン
ト、スレート、大理石、陶磁器、石膏、皮革、合成樹
脂、繊維等の種々の基材に適用することができる。した
がって、本発明の架橋型水性重合体分散液は、幅広い用
途に有用であり、特に建築物の内外装、コンクリート構
造物、木質あるいは合成建材、プレキャスト材、自動車
の内外装、缶、フィルム等の塗装に極めて好適に使用す
ることができる。本発明の架橋型水性重合体分散液を水
性塗料として施工する際には、従来公知の方法、例えば
刷毛塗り、ブレードコーター、ロールコーターや、電着
等の方法を採用することができる。また、本発明の架橋
型水性重合体分散液は、水性塗料以外に、粘着剤、フロ
アーポリッシュ剤、カーペット裏打ち剤、シーラント、
紙含浸剤、繊維含浸剤、セメント混和剤、フィルム、カ
ード、プラスチック等のコート剤、離型剤等としても有
用である。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて、本発明の
実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明
は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。以
下において、「部」および「%」は、特記しない限り重
量基準である。実施例および比較例中の各種の測定・評
価は、次のようにして行なった。グラフト率 グラフト共重合により得た生成物の一定重量(X)をア
セトン中に投入し、振とう機により2時間振とうして、
重合体成分を溶解させたのち、遠心分離機により、回転
数23,000rpmで30分間遠心分離処理を行っ
て、不溶分を分取する。次いで、該不溶分を真空乾燥器
により、120℃で1時間乾燥したのち、不溶分重量
(Y)を秤り、次式により、グラフト率を算出した。 グラフト率(%)=〔(Y)−(X)×(Z)〕×10
0/(X)×(Z) 但し、Zは、(X)中のポリシロキサン系重合体の分
率。耐候性 サンシャインウエザーメーター(スガ試験機(株)製W
EL−SUN HC型)を用い、63℃で1000時間
暴露後の塗膜(厚さ100μm)の光沢保持率により評
価した。光沢は、JIS K5400に準拠し、60°
鏡面光沢度を測定した。耐汚染性 試験片を屋外で南面45°に1年間暴露後の塗膜(厚さ
100μm)の外観を目視にて観察し、下記基準で評価
した。 ◎:汚れが全く認められない ○:塗膜の一部に汚れが認められる △:塗膜全体に汚れが認められる ×:塗膜全体の汚れが顕著耐溶剤性 試験片の塗膜表面(厚さ100μm)にトルエンを1滴
たらし、1時間放置後の外観を目視にて観察し、下記基
準で評価した。 ○:膨潤、溶解が全く認められない ×:塗膜の一部または全体に膨潤あるいは溶解が認めら
れる耐水性 試験片(塗膜厚さ500μm)を蒸留水(20℃)中に
24時間浸漬後の塗膜の外観を目視にて観察し、下記基
準で評価した。 ◎:ふくれ、白化が全く認められない ○:ふくれ、白化が塗膜の一部に認められる △:ふくれ、白化が塗膜全体に認められる ×:ふくれ、白化が塗膜全体に顕著密着性 JIS K5401に準拠して、試験片(塗膜厚さ10
0μm)の碁盤目試験(1mm角100個)を行い、セ
ロテープ剥離試験後の碁盤目100個中の接着数により
評価した。
【0031】〔ポリシロキサン系重合体エマルジョン
(I) の製造〕 (製造例1)p−ビニルフェニルメチルジメトキシシラ
ン1.5部とオクタメチルシクロテトラシロキサン9
8.5部の混合物を、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム2部を溶解した蒸留水300部中に添加し、ホモ
ミキサーにより3分間攪拌して、乳化分散させた。この
分散体を、攪拌機、コンデンサーおよび窒素ガス導入装
置を備えたセパラブルフラスコに移し、攪拌しつつ90
℃で6時間加熱して重合し、その後5℃に24時間保持
して重合を完結させた。次いで、得られたポリシロキサ
ン系重合体エマルジョンを炭酸ナトリウム水溶液でpH
7に中和した。
【0032】(製造例2)p−ビニルフェニルメチルジ
メトキシシラン1.5部とオクタメチルシクロテトラシ
ロキサン98.5部の混合物に代えて、ビニルメチルジ
メトキシシラン1.5部とオクタメチルシクロテトラシ
ロキサン98.5部の混合物を用いた以外は、製造例1
と同様にして、ポリシロキサン系重合体エマルジョンを
得た。
【0033】(製造例3)p−ビニルフェニルメチルジ
メトキシシランを使用しないでオクタメチルシクロテト
ラシロキサン100部を用いた以外は、製造例1と同様
にして、ポリシロキサン系重合体エマルジョンを得た。
【0034】
【実施例】
実施例1 攪拌機、コンデンサーおよび窒素ガス導入装置を備えた
セパラブルフラスコに、イオン交換水70部、製造例1
で得たポリシロキサン系重合体エマルジョン(I) 10
部(固形分)および過硫酸アンモニウム0.3部を仕込
み、気相部を15分間窒素ガス置換したのち、80℃に
昇温した。別容器を用いて、イオン交換水30部、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルア
ンモニウム1.0部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム0.5部、および表1に示す単量体(a)と単量
体(b)を混合攪拌して、プレエマルジョンを調製した
のち、これを4時間かけて前記セパラブルフラスコに滴
下して、重合させた。滴下中は、窒素ガスを導入しつ
つ、80℃に保持した。滴下終了後、85℃でさらに2
時間攪拌して、重合を完結させのち、25℃に冷却し、
アンモニア水でpH8に調整した。次いで、アジピン酸
ジヒドラジド2.4部(カルボニル基とヒドラジノ基と
の当量比=1:0.92)を添加して、約1時間攪拌
し、水で固形分濃度を45%に調整したのち、200メ
ッシュの金網でろ過して、水性重合体分散液を得た。
【0035】実施例2〜5および比較例1〜6 ポリシロキサン系重合体エマルジョン(I) 、単量体
(a)、単量体(b)あるいは多官能性ヒドラジン誘導
体(IV) の種類と量を、表1(実施例2〜5)および表
2(比較例1〜6)のように変更した以外は、実施例1
と同様にして、水性重合体分散液を得た。
【0036】実施例6 製造例3で得たポリシロキサン系重合体エマルジョン
(I) を使用し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート0.2部を使用した以外
は、実施例1と同様にして、水性重合体分散液を得た。
【0037】比較例7 実施例1で用いたセパラブルフラスコに、イオン交換水
70部、過硫酸アンモニウム0.3部を仕込み、気相部
を15分間窒素ガス置換したのち、80℃に昇温した。
別容器を用いて、イオン交換水30部、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム
1.0部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.
5部、および表2に示す単量体(a)と単量体(b)を
混合攪拌して、プレエマルジョンを調製したのち、これ
を4時間かけて前記セパラブルフラスコに滴下して、重
合させた。滴下中は、窒素ガスを導入しつつ、80℃に
保持した。滴下終了後、85℃でさらに2時間攪拌し
て、重合を完結させのち、25℃に冷却し、アンモニア
水でpH8に調整した。得られた共重合体エマルジョン
を、製造例1で得たポリシロキサン系重合体エマルジョ
ン(I)10部(固形分)と混合したのち、アジピン酸
ジヒドラジド2.4部(カルボニル基とヒドラジノ基と
の当量比=1:0.92)を添加し、水で固形分濃度を
45%に調整したのち、200メッシュの金網でろ過し
て、水性重合体分散液を得た。
【0038】〔水性塗料用組成物の調製〕実施例1〜6
および比較例1〜7で得た水性重合体分散液を用い、下
記配合処方ににより、水性塗料用組成物を調製した。 配合処方 (部) 水性重合体分散液(固形分) 60 酸化チタン(商品名タイペークR630、石原産業(株)製) 27 分散剤(商品名オロタン731SD、ローム アンド ハース社製) 5 増粘剤(商品名A−5000、フジケミカル(株)製) 2 可塑剤(商品名テキサノール、イーストマンケミカル社製) 3 イオン交換水 3 得られた各水性塗料用組成物をスレート板に刷毛塗り
し、常温乾燥して試験片を作製し、各種評価を行った。
評価結果を、表1(実施例1〜6)および表2(比較例
1〜7)に示す。その結果、本発明の架橋型水性重合体
分散液は、耐候性、耐汚染性、耐溶剤性、耐水性、密着
性に優れた塗膜を形成することができる。これに対し
て、比較例1は、ポリシロキサン系重合体エマルジョン
(I)を使用しておらず、塗膜の耐候性、耐水性、密着
性が劣っていた。比較例2は、ポリシロキサン系重合体
エマルジョン(I)が多すぎ、塗膜の耐水性、密着性が
劣っていた。比較例3は、ポリシロキサン系共重合体が
カルボニル基を含有しておらず、塗膜の耐汚染性、耐溶
剤性、耐水性が劣っていた。比較例4は、単量体(a)
が多すぎて、単量体(b)が少なすぎ、塗膜の耐候性、
耐水性、密着性が劣っていた。比較例5は、多官能性ヒ
ドラジン誘導体(IV) が少なすぎるため、塗膜の耐候
性、耐汚染性、耐溶剤性、耐水性が劣っていた。比較例
6は、多官能性ヒドラジン誘導体(IV) が多すぎ、塗膜
の耐候性、耐水性、密着性が劣っていた。さらに、比較
例7は、モノマー混合物(II) の共重合体エマルジョン
とポリシロキサン系重合体エマルジョン(I)とを別々
に製造したのち混合した例であり、塗膜の耐候性、耐汚
染性、耐溶剤性、耐水性、密着性が劣っていた。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明の架橋型水性重合体分散液は、特
に水性塗料として、耐候性、耐汚染性、耐溶剤性、耐水
性、密着性等に優れた塗膜を形成することができ、かつ
他の用途においても、同様の優れた特性を発揮しうるも
のである。したがって、本発明の架橋型水性重合体分散
液は、水性塗料として幅広い基材および用途に極めて好
適に使用できるほか、粘着剤、フロアーポリッシュ剤、
カーペット裏打ち剤、シーラント、紙含浸剤、繊維含浸
剤、セメント混和剤、フィルム、カード、プラスチック
等のコート剤、離型剤等としても有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 宏文 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 西元 和男 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性シラン化合物の重合により得られ
    るポリシロキサン系重合体エマルジョン(I) 0.1〜
    90重量部(固形分)の存在下に、(a)分子中にアル
    ド基あるいはケト基に基づくカルボニル基を有するエチ
    レン性不飽和単量体0.1〜20重量%と(b)成分
    (a)と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体80
    〜99.9重量%とからなるモノマー混合物(II) 9
    9.9〜10重量部(但し、成分(I)と成分(II) と
    の合計量は100重量部。)を重合して得られるポリシ
    ロキサン系共重合体エマルジョン(III)と、分子中に少
    なくとも2個のヒドラジノ基を有する多官能性ヒドラジ
    ン誘導体(IV)とを、成分(III)中のカルボニル基と成
    分(IV)中のヒドラジノ基との当量比が1:0.1〜5
    の範囲で含有してなる架橋型水性重合体分散液。
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