JP2006342280A - 汚染防止用水性被覆組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
水系塗料からなる塗膜において、屋外に曝露されたとき従来に比べ雨筋状又は雨染みの汚染を低減でき、特に塗膜形成直後からの汚れを防止することができ、比べ雨筋状又は雨染みの汚染を防ぐ効果の持続性に優れ、かつ塗液の保存安定性が良好な汚染防止用水性被覆組成物を提供することである。
【解決手段】
アルド基またはケト基を有するエチレン性不飽和単量体と他のエチレン性不飽和単量体とからなる重合体(C)と加水分解性シラン(A)存在下で他のエチレン性不飽和単量体を共重合した重合体(D)からなる水分散体(B)を含む汚染防止用水性被覆組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、汚染防止性に優れた水性被覆組成物に関する。特に、塗料、建築仕上げ塗材などとして有用な汚染防止用水性被覆組成物、及び当該汚染防止用水性被覆組成物を含有することを特徴とする塗料、当該塗料を用いた塗装方法に関する。
近年、建築物の壁面に見られる雨筋又は雨だれの汚染は、雨水が流れ落ちる箇所に発生し、雨筋がついていない場所との汚れの差が建築物の美観を損ねてしまうことが問題視されている。
特許文献1に無機建材用の下塗り塗料としてケト基を含有する可溶化ラテックスとヒドラジド化合物と、コロイダルシリカからなる組成物が開示されているが、塗液中のコロイダルシリカを多く必要とするため、塗膜の耐水性、貯蔵安定性が十分でなかった。
特許文献2に最外層にケト基を含有する2層以上の樹脂粒子からなるケト基を含有するラテックスとヒドラジド化合物からなる組成物が開示されているが、耐汚染性が十分でなかった。
特許文献3にケト基を含有するラテックスとヒドラジド化合物と、コロイダルシリカからなる組成物が開示されているが、耐汚染性を発現させるには塗液中のコロイダルシリカを多く必要とするため、塗膜の耐水性、貯蔵安定性が十分でなかった。
特許文献4にケト基を含有するラテックスとヒドラジド化合物と、加水分解性シランで表面処理したコロイダルシリカからなる組成物が開示されているが、耐汚染性を発現させるには塗液中の表面処理コロイダルシリカを多く必要とするため、塗膜の耐水性、貯蔵安定性が十分でなかった。
特許文献5に一粒子内に少なくとも2種類の重合体を含むケト基含有ラテックスとヒドラジド化合物からなる組成物が開示されているが、耐汚染性が十分でなかった。
特許文献6にはシクロアルキル基含有単量体とアルコキシシリル基含有性単量体、及びアニオン基含有単量体混合物を有機溶媒中で共重合し、その後有機溶媒を水性媒体に置換して得た共重合物の存在下、アクリル系共重合体を得る工程からなる製造方法により得られる水性樹脂組成物が提案されている。しかしながら本方法では前段の共重合体を有機溶媒中で重合し、その後に水とアルカリ物質を添加して、有機溶媒を減圧蒸留によって除去し水性化するという煩雑な工程が必要である。
特開平6−279707号公報 特許第3100792号公報 特許第3605458号公報 特開平10−168380号公報 特開平10−195313号公報 特開2002−88126号公報
本発明は、水系塗料からなる塗膜において、屋外に曝露されたとき従来に比べ雨筋状汚染又は雨染み汚染を低減でき、特に塗膜形成直後からの汚れを防止することができ、雨筋状汚染又は雨染み汚染を防ぐ効果の持続性に優れ、かつ塗液の保存安定性が良好な汚染防止用水性被覆組成物を提供することである。
本発明者らは、上記のような問題点を解決するため鋭意検討を重ねた結果、アルド基またはケト基を有するエチレン性不飽和単量体を乳化重合して得られる水性分散体と、コロイド状無機粒子、特定の界面活性剤を含む組成物から得られる塗膜は、塗膜の雨筋が目立たないという効果を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の第1は、アルド基またはケト基を有するエチレン性不飽和単量体と他のエチレン性不飽和単量体とからなる重合体と加水分解性シラン(A)存在下で他
のエチレン性不飽和単量体を共重合した重合体(D)からなる水分散体(B)を含む汚染防止用水性被覆組成物である。
本発明の第2は、水分散体(B)、コロイド状無機粒子(E)、スルフォコハク酸系界面活性剤(F)を含むことを特徴とする請求項1に記載の汚染防止用水性被覆組成物である。
本発明の第3は、アルド基またはケト基を有するエチレン性不飽和単量体と他のエチレン性不飽和単量体とからなる重合体(C)のガラス転移温度TgCが80℃以上で、水分散体(B)中のアルド基またはケト基を有するエチレン性不飽和単量体と他のエチレン性不飽和単量体とからなる重合体(C)と加水分解性シラン(A)存在下で他のエチレン性不飽和単量体を共重合した重合体(D)からなる重合体の平均TgC+Dが60℃以下である請求項1または2に記載の汚染防止用水性被覆組成物である。
本発明の第4は、アルド基またはケト基を有するエチレン性不飽和単量体と他のエチレン性不飽和単量体とからなる重合体(C)が、アルド基またはケト基を有するエチレン性不飽和単量体を0.1〜50質量%、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体を1〜20質量%含むエチレン性不飽和単量体混合物を乳化重合して得られたポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の汚染防止用水性被覆組成物である。
本発明の第5は、アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤(G)を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の汚染防止用水性被覆組成物である。
本発明の第6は、水分散体(B)が、スルフォコハク酸系界面活性剤(F)および/又はアルキレンオキサイド基を含む界面活性剤(G)の存在下で乳化重合して得られたアクリル系エマルジョンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の汚染防止用水性被覆組成物である。
本発明の第7は、水分散体(B)の樹脂固形分100質量部に対して、コロイド状無機粒子(E)が0.1〜95質量部、スルフォコハク酸系界面活性剤(F)が0.1〜20質量部、アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤(G)が0.1〜5質量部であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の汚染防止用水性被覆組成物である。
本発明の第8は、加水分解性シラン(A)が、下記一般式(a)で表される構造を有するシランを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の汚染防止用水性被覆組成物である。
(R−Si−(R4−n (a)
(式中nは0〜3の整数であり、R は水素原子、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ビニル基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基、または炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれる。n個のR は同一であっても、異なっても良い。Rは炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基または水酸基から選ばれる。4−n個のR は同一であっても、異なっても良い。)。
本発明の第9は、コロイド状無機粒子(E)が有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子を含む請求項2〜8のいずれかに記載の汚染防止用水性被覆組成物である。
本発明の第10は、コロイド状無機粒子(E)がコロイダルシリカを含むことを請求項2〜9のいずれかに記載の汚染防止用水性被覆組成物である。
本発明の第11は、スルフォコハク酸系界面活性剤(F)が、ラジカル重合性二重結合を有さないスルフォコハク酸系界面活性剤である請求項2〜10のいずれかに記載の汚染防止用水性被覆組成物である。
本発明の第12は、水分散体(B)がシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを5質量%以上含むエチレン性不飽和単量体混合物を乳化重合して得られたアクリル系エマルジョンであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の汚染防止用水性被覆組成物である。
本発明の第13は、2個以上のヒドラジン残基を有する有機ヒドラジン化合物を含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の汚染防止要水性被覆組成物である。
本発明の第14は、セミカルバジド系硬化剤を含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の汚染防止用水性被覆組成物である。
本発明の第15は、請求項1〜14のいずれかに記載の汚染防止用水性被覆組成物を含む塗料である。
本発明の第16は、請求項15記載の塗料を用いて形成された被覆を含む塗装物である。
本発明の第17は、請求項15記載の塗料を用いた塗装方法である。
本発明の汚染防止用水性被覆組成物は、水系塗料に利用され、該組成物からなる塗膜が屋外に曝露されたとき雨筋状汚染を低減でき、とくに塗膜形成直後からの汚れが防止でき、および雨筋状汚染の低減化を長期にわたり維持することができる。またその塗液の貯蔵安定性は良好である。
本発明について、以下具体的に説明する。本発明において加水分解性シラン(A)としては、下記式(a)で表される構造を有する少なくとも1種を含んでいることが好ましい。
(R−Si−(R4−n (a)
(式中nは0〜3の整数であり、R は水素原子、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ビニル基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基、または炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれる。n個のR は同一であっても、異なっても良い。Rは炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基または水酸基から選ばれる。4−n個のR は同一であっても、異なっても良い。)。
特に、加水分解性シラン(A)には、式(a)においてn=0としたシラン(I)および/またはn=1とおいたシラン(II)の少なくとも1種を含んでいることが好ましく、良好な水分散体の重合安定性と汚染防止効果を得るためにはn=1のシラン(II)であることがさらに好ましい。
シラン(I)のR はそれぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、水酸基が好ましい。シラン(I)の好ましい具体例として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどがある。
シラン(II)のR としてはメチル基、フェニル基、ビニル基、γ−(メタ)アクリロキシプロピル基が好ましく、R はそれぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、水酸基が好ましい。シラン(II)の好ましい具体例としては、メチルトリメトシキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシランなどがある。またシラン(II)のラジカル重合性二重結合を有する加水分解性シランとしてビニルエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アク
リロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどがある。これらは単独または二種以上含んでいてもよく、好ましくはラジカル重合性二重結合を有する加水分解性シランとラジカル重合性二重結合を有しない加水分解性シランを併用できる。
また、柔軟性を必要とされる場合には、加水分解性シラン(A)が、環状シラン及び式(a)においてn=2とおいて得られるシラン(III)からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。これは、シラン(II)と、環状シラン及びシラン(III)からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることより、加水分解性シラン(A)が形成するシリコーン重合体の架橋密度を低くし、重合体の構造が複雑になるのを防ぐことができ、これによって、水性エマルジョンまたはアクリル系エマルジョンから提供される塗膜に柔軟性を付与することができるためであり、シラン(II)と併用した場合に特に好ましい。
環状シランの具体例としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンなどが上げられる。
シラン(III)の具体例として、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランが挙げられる。
加水分解性シラン(A)に、シラン(I)および/またはシラン(II)と、環状シラン及びシラン(III)からなる群より選ばれる少なくとも1種の、両者を含む場合は、シラン(I)および/またはシラン(II)の、上記の環状シラン及びシラン(III)からなる群より選ばれる少なくとも1種に対するモル比が、良好な汚染防止効果を得るには10/100以上が好ましく、35/100以上がより好ましく、100/100以上であることがさらに好ましい。また、柔軟性が必要とされる場合は、100/1以下使用することもできる。
さらに、加水分解性シラン(A)には、加水分解基を有する線状シロキサン、アルコシシシランオリゴマー及び式(a)においてn=3とおいて得られるシラン(IV)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでも良い。
シラン(IV)の具体例として、トリフェニルエトキシシラン、トリメチルメトキシシランなどが挙げられる。
加水分解基を有する線状シロキサンの例としては、下記式(1)、(2)、(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006342280
Figure 2006342280
Figure 2006342280
(上記式(1)、(2)、(3)中、各R は水素、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ビニル基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基又は炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれ、各R はそれぞれ、独立して炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基、水酸基、エポキシ基、アルキレンオキサイド基又はポリアルキレンオキサイド基から選ばれ、mは1〜999の正の整数を表す。)
上記式(1)、(2)、(3)で表される線状シロキサンおよびアルコキシシランオリゴマーの化合物として例えば、信越化学工業(株)製KC−89S、KR−500、X−40−9225、KR−217、KR−9218、KR−213、KR−510、X−40−9227、X−40−9247、X−41−1053、X−41−1056、X−41−1805、X−41−1810、X−40−2308、X−22−164A、X−22−164B、X−22−164C、X−22−174DX、X−24−8201、X−22−2426、チッソ(株)製サイラプレーンFM−2231、FM−4411、FM−4421、FM−4425、FM−5511、FM−5521、FM−5525、FM−7711、FM−7721、FM−7725、FM−0411、FM−0421、FM−0425、FM−0511、FM−0521、FM−0525、FM−0711、FM−0721、FM−0725、日本ユニカー(株)製MAC−2101、MAC−2301、FZ−3704、AZ−6200、東レ・ダウ・コーニング・シリコーン (株)製SF8427、SF8428、旭化成ワッカーシリコーン(株)製SILRES MSE100などがある。
加水分解性シラン(A)が、シラン(I)および/またはシラン(II)と、加水分解基を有する線状シロキサン及びシラン(IV)からなる群より選ばれる少なくとも1種の、両者を含む場合は、シラン(I)および/またはシラン(II)の、加水分解基を有する線状シロキサン及びシラン(IV)からなる群より選ばれる少なくとも1種に対するモル比が、良好な汚染防止効果を得るには10/100以上が好ましく、35/100以上
がより好ましく、100/100以上であることがさらに好ましい。また、柔軟性が必要とされる場合には、100/1以下使用することもできる。
シラン(III)またはシラン(IV)において、R としてはメチル基、フェニル基が特に好ましく、R としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、水酸基が特に好ましい。
加水分解性シラン(A)は、シラン(II)および、環状シラン、シラン(III)、線状シロキサン、アルコキシシランオリゴマー、シラン(IV)からなる群から選ばれる少なくとも1種に加え、クロロシラン、例えばメチルクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、ビニルクロルシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジクロロメチルシランを含むことができる。
上記したシラン縮合物の存在は、29SiNMR(29Si核磁気共鳴スペクトル)または HNMR(プロトン核磁気共鳴スペクトル)によって知ることができる。例えば
、シラン(II)の縮合物は、29SiNMRのケミカルシフトが−40〜−80PPMにピークを示すことで同定することができる。また、シラン(IV)あるいは環状シランの縮合物は29SiNMRのケミカルシフトが−16〜−26PPMにピークを示すことで同定することができる。
本発明において、加水分解性シラン(A)は、エチレン性不飽和単量体の総質量に対して0.01質量%〜300質量%用いることができる。
本発明において、加水分解性シラン(A)の添加はエチレン性不飽和単量体を共重合した重合体(D)の乳化重合を実施する時に、同時に添加することが好ましい。添加する方法としては、以下の2つの方法を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
第1の添加方法は、重合体(D)を乳化重合する時に、他のエチレン性不飽和単量体、界面活性剤、ラジカル重合開始剤、水の混合物に加水分解性シラン化合物を添加して、ホモジナイザーなどを用いてプレ乳化物を作成し、水性媒体中において重合している反応系へ連続的または間欠的に、逐次供給する。
第2の添加方法は、重合体(D)を乳化重合する時に、他のエチレン性不飽和単量体、界面活性剤、ラジカル重合開始剤、水の混合物とは別に加水分解性シラン化合物を、水性媒体中において重合している反応系へ連続的または間欠的に、逐次供給する。
本発明における加水分解性シランによるシリコーン変性では、乳化重合終了後、成膜時の硬化開始剤として、例えばジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫、ラウリン酸錫、オクチル酸鉄、オクチル酸鉛、テトラブチルチタネートなどの有機酸の金属塩、n−ヘキシルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンなどのアミン化合物を、本発明の水性アクリルエマルジョン組成物へ添加することができる。なおこれらの硬化用開始剤が水溶性でない場合には、その使用に際して、界面活性剤と水を用いてエマルジョン化しておくことが好ましい。
本発明におけるアルド基またはケト基を有するエチレン性不飽和単量体としては、アクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトンなど)、アクリル(またはメタクリル)オキシアルキルプロペナール、ジアセトンアクリレート、アセトニルアクリレート、ジアセトンメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、ブタンジオール−1,4−アクリレートアセチルアクリレート−アクリレートアセチルアクリレートなどが挙げられる。特に好まし
い単量体はジアセトンアクリルアミド、アクロレインおよびビニルメチルケトンであり、これらの単量体は2種類以上を併用しても良い。
アルド基またはケト基を有するエチレン性不飽和単量体と他のエチレン性不飽和単量体とからなる重合体(C)中のアルド基またはケト基を有するエチレン性不飽和単量体の使用量は0.1〜50質量%が好ましい。
本発明における他のエチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル(本願において、アクリル酸およびメタアクリル酸を合わせて(メタ)アクリル酸と表記する)に代表される、ラジカル重合性の(メタ)アクリレート単量体とカルボキシル基含有不飽和単量体、および必要に応じてこれら単量体と共重合可能なその他の単量体から構成される。
(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、アルキル部の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、エチレンオキサイド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレンモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)オキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、アルキル部の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、エチレンオキサイド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートなどがある。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルなどが挙げられる。(ポリ)オキシエチレンモノ(メタ)アクリレートの具体例としては、(メタ)アクリル酸エチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコールなどが挙げられる。(ポリ)オキシプロピレンモノ(メタ)アクリレートの具体例としては、(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコールなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどが挙げられる。又、(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートの具体例としては、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコールなどが挙げられる。また、上記以外の具体例としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルは、エチレン性不飽和単量体の総質量に対して好ましくは80質量%〜100質量%、より好ましくは90質量%〜100質量%用いることが望ましい。
本発明において、他のエチレン性不飽和単量体としてシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含むことが、特に耐久性に優れるため好ましい。エチレン性不飽和単量体の5質量%以上、より好ましくは5質量%以上99質量%以下、さらに好ましくは5質量%以上80質量%以下が、シクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、あるいはそれらの混合物であることが好ましい。シクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸が5質量%以上で耐久性に優れ、80%以下で成膜性が良好である。
本発明におけるカルボキシル基含有不飽和単量体の具体的例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびそのモノエステル、フマル酸およびそのモノエステル、並びにマレイン酸およびそのモノエステルなどが挙げられ、特にアクリル酸またはメタクリル酸の使用が好ましい。これらのカルボキシル基含有不飽和単量体は単独で用いても良いし、複数の種類を併用しても良い。
アルド基またはケト基を有するエチレン性不飽和単量体と他のエチレン性不飽和単量体とからなる重合体(C)中のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の使用量は1〜20質量%が好ましく、5〜15質量%の使用量がさらに好ましい。カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体が1質量%以上で耐汚染性が発現し、20質量%以下で耐水性が良好である。
さらに必要であれば(メタ)アクリレート単量体やカルボキシル基含有不飽和単量体と共重合可能な重合性単量体を用いることができる。これら重合性単量体としては、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアクリルアミド単量体またはメタクリルアミド単量体があり、ビニル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ビニルピロリドン、メチルビニルケトンなどがあり、 又、シアン化ビニル単量体の例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。さらに、ビニルトルエン、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル、ブタジエン、エチレンなども挙げられる。
アルド基またはケト基を有するエチレン性不飽和単量体と他のエチレン性不飽和単量体とからなる重合体(C)のTgは80℃以上120℃以下であり、85℃以上115℃以下であることが好ましく、90℃以上110℃以下であることがさらに好ましい。Tgが80℃以上で高度な耐汚染性が発現する。
ここで重合体のTgはポリマーを構成する単量体混合物から、下記Foxの式で計算したものである。
Foxの式:1/Tg=a1/Tg1+a2/Tg2+・・・+an/Tgn
(a1、a2、・・・anは各々の単量体の質量分率であり、Tg1、Tg2、・・・Tgnは各単量体ホモポリマーのTgである。計算に使用する各単量体のホモポリマーのTgは、例えばポリマーハンドブック(JhonWilley&Sons)、塗料用合成樹脂入門などに記載されている。具体的にはメタクリル酸メチル 378K、メタクリル酸シクロヘキシル 356K、アクリル酸n−ブチル 228K、アクリル酸2−エチルヘキシル 218K、メタクリル酸 417K、アクリル酸 360K、ジアセトンアクリルアミド 338Kである。
また、水分散体(B)中のアルド基またはケト基を有するエチレン性不飽和単量体と他のエチレン性不飽和単量体とからなる重合体(C)と加水分解性シラン(A)の存在下で他のエチレン性不飽和単量体を共重合した重合体(D)からなる重合体の平均TgC+Dが−65℃以上60℃以下で、可撓性と耐汚染性の好ましいバランスが発現する。
加水分解性シラン(A)存在下で他のエチレン性不飽和単量体を共重合した重合体(D)は、1段で重合しても良いし、複数段に分けて重合しても良い。また複数段に分けて重合する際に、複数段を連続して重合しても良いし、アルド基またはケト基を有するエチレン性不飽和単量体と他のエチレン性不飽和単量体とからなる重合体(C)の重合を挟んで複数段を重合しても良い。
本発明の汚染防止用水性被覆組成物を構成する重合体(C)と(D)の質量比率(C)/(D)は1/99〜40/60が好ましく、5/95〜40/60がさらに好ましい。重合体(C)が1質量比以上で耐汚染性が発現し、40質量比以下で組成物の貯蔵安定性が良好である。
本発明において、必要であれば、連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤としては、n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類、テトラメチルチウラジウムスルフィドなどのジスルフィド類、四塩化炭素などのハロゲン化誘導体、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられ、単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましくはn−ド
デシルメルカプタンである。
本発明におけるコロイド状無機粒子(E)としては、コロイダルシリカが入手が容易で、安価であり好ましい。コロイダルシリカは、ゾル−ゲル法で調製して使用することもでき、市販品を利用することもできる。コロイド状シリカをゾル−ゲル法で調製する場合には、Werner Stober et al;J.Colloid and Interface Sci., 26, 62-69 (1968)、Rickey
D.Badley et al;Lang muir 6, 792-801 (1990)、色材協会誌,61 [9] 488-493 (1988) などを参照できる。コロイダルシリカは、二酸化ケイ素を基本単位とするシリカの水または水溶性溶媒の分散体であり、その平均粒子径は好ましくは5〜120nm、より好ましくは10〜80nmである。粒子径が5nm以上では塗液の貯蔵安定性が良く、120nm以下では耐水白化性が良い。上記範囲の粒子径のコロイダルシリカは、水性分散液の状態で、酸性、塩基性のいずれであっても用いることができ、混合する水性分散体(B)の安定領域に応じて、適宜選択することができる。水を分散媒体とする酸性のコロイダルシリカとしては、例えば市販品として日産化学工業(株)製スノーテックス(商標)−O、スノーテックス−OL、旭電化工業(株)製アデライト(商標)AT-20Q、クラリアントジャパン(株)製クレボゾール(商標)20H12、クレボゾール30CAL25などが利用できる。
塩基性のコロイダルシリカとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミンの添加で安定化したシリカがあり、例えば日産化学工業(株)製スノーテックス−20、スノーテックス−30、スノーテックス−C、スノーテックス−C30、スノーテックス−CM40、スノーテックス−N、スノーテックス−N30、スノーテックス−K、スノーテックス−XL、スノーテックス−YL、スノーテックス−ZL、スノーテックスPS−M、スノーテックスPS−Lなど、旭電化工業(株)製アデライトAT−20、アデライトAT−30、アデライトAT−20N、アデライトAT−30N、アデライトAT−20A、アデライトAT−30A、アデライトAT−40、アデライトAT−50など、クラリアントジャパン(株)製クレボゾール30R9、クレボゾール30R50、クレボゾール50R50など、デュポン社製ルドックス(商標)HS−40、ルドックスHS−30、ルドックスLS、ルドックスSM−30などを挙げることができる。
また、水溶性溶剤を分散媒体とするコロイダルシリカとしては、例えば、日産化学工業(株)製MA−ST−M(粒子径が20〜25nmのメタノール分散タイプ)、IPA−ST(粒子径が10〜15nmのイソプロピルアルコール分散タイプ)、EG−ST(粒子径が10〜15nmのエチレングリコール分散タイプ)、EG−ST−ZL(粒子径が70〜100nmのエチレングリコール分散タイプ)、NPC−ST(粒子径が10〜 15nmのエチレングリコールモノプロピルエーテール分散タイプ)などを挙げることができる。
また、これらコロイダルシリカは一種または二種類以上組み合わせてもよい。少量成分として、アルミナ、アルミン酸ナトリウムなどを含んでいてもよい。また、コロイダルシリカは、安定剤として無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニアなど)や有機塩基(テトラメチルアンモニウムなど)を含んでいてもよい。
また、コロイド状無機粒子(E)としては、シリカ以外のコロイド状粒子を与える無機化合物を使用してもよく、当該無機化合物の具体例としては、TiO、TiO、SrTiO、FeTiO、WO、SnO、Bi、In、ZnO、Fe、RuO、CdO、CdS、CdSe、GaP、GaAs、CdFeO、MoS、LaRhO、GaN、CdP、ZnS、ZnSe、ZnTe、Nb、ZrO、InP、GaAsP、InGaAlP、AlGaAs、PbS、InAs、PbSe、InSbなどの光触媒能を有する半導体の他、Al、AlGa、As、Al(OH)、Sb、Si、Sn−In、Sb−In、MgF、Ce
、CeO、3Al・2SiO、BeO、SiC、AlN、Fe、Co、Co−FeO、CrO、FeN、BaTiO、BaO−Al−SiO、Baフェライト、SmCO、YCO、CeCOPrCO、SmCO17、NdFe14B、Al、α−Si、SiN、CoO、Sb−SnO、Sb、MnO、MnB、Co、CoB、LiTaO、MgO、MgAl、BeAl、ZrSiO、ZnSb、PbTe、GeSi、FeSi、CrSi、CoSi、MnSi1.73、MgSi、β−B、BaC、BP、BaC、BP、TiB、ZrB、HfB、RuSi、TiO(ルチル型)、TiO、PbTiO、AlTiO、ZnSiO、ZrSiO、2MgO−Al−5SiO、Nb、LiO−Al−4SiO、Mgフェライト、Niフェライト、Ni−Znフェライト、Liフェライト、Srフェライトなど挙げられる。これらコロイド状無機粒子は単独または2種以上を混合して使用することができる。
有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子としては、特に限定されるものではないが、例えばエチレン性不飽和単量体、ラジカル重合性二重結合を有する加水分解性シランを、コロイダルシリカの存在下乳化重合する方法により得られる粒子(例えば、特開昭59−71316号公報に開示)、エチレン性不飽和単量体、陰イオン性重合性単量体をコロイダルシリカの存在下乳化重合する方法により得られる粒子(例えば、特開昭59−217702号公報に開示)、無機粒子に水溶性高分子化合物を吸着させついでラジカル重合性モノマーの重合物で被覆する方法より得られる粒子(例えば、特開昭60−58237号公報に開示)、エチレン性不飽和単量体、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体をコロイダルシリカの存在下乳化重合する方法より得られる粒子(例えば、特開平6−199917号公報で開示)、コア/シェル構造を有し、コア中に有機高分子と有機高分子と共有結合していないシリカおよび/またはコロイダルシリカを配し、シェル中に有機高分子を配し、コア有機高分子/シェル有機高分子間に三次元架橋網目構造および/またはIPN構造を形成せしめることにより、コア中のシリカおよび/またはコロイダルシリカを共有結合によることなく物理化学的に粒子内に保持した粒子(例えば、特開平8−290912号公報に開示)、コロイダルシリカ、活性剤および水の存在下、エチレン性不飽和化合物を乳化重合する方法より得られる粒子(例えば、特開平11−1893号公報に開示)、カチオン性残基を介して、コロイド状シリカ粒子表面にビニル重合体が結合した粒子(例えば、特開平11−209622号公報に開示)、直接またはノニオン界面活性剤を介して無機または有機粒子表面にビニル重合体が結合した粒子(例えば、特開2000−290464号公報に開示)、無機または有機粒子表面にノニオン界面活性剤が集合または凝集して沈着しているコロイド状微粒子(例えば、特開2001−335721号公報に開示)などであることが好ましい。
本発明において、コロイド状無機粒子(E)は、水分散体(B)の樹脂固形分100質量部に対し、好ましくは0.1〜95質量部用いられ、より好ましくは0.1〜50質量部、さらに好ましくは0.5〜20質量部用いる。
本発明において、スルホコハク酸系界面活性剤(F)としては、下記式(4)で表されるスルフォコハク酸系化合物が挙げられる。
Figure 2006342280
{式中、R,Rは同一でも、異なっていてもよく、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数6〜19アラルキル基等の炭化水素基、またはその一部が水酸基、カルボン酸基などで置換されたもの、もしくはポリオキシアルキレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数が2〜4、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)などのアルキレンオキサイド化合物を含む有機基またはアルカリ金属、アンモニウム、有機アミン塩基または有機第四級アンモニウム塩基であり、Mはアルカリ金属、アンモニウム、有機アミン塩基または有機第四級アンモニウム塩基を示す。)
さらに詳しくは、上記式(4)で表される化合物のR,Rにおいて、Rおよび/またはRが下記式(5)、(6)、(7)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006342280
Figure 2006342280
Figure 2006342280
{式(5)、(6)、(7)、のそれぞれにおいて、R51は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数6〜19アラルキル基等の炭化水素基、またはその一部が水酸基、カルボン酸基などで置換されたもの、もしくはポリオキシアルキレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数が2〜4、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基
(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)などのアルキレンオキサイド化合物を含む有機基であり、Aは炭素数2〜4個のアルキレン基または置換されたアルキレン基であり、nは0〜200の整数であり、R52は水素またはメチル基である。)}
本発明において、上記式(4)〜(7)で表されるものとして、例えばラジカル重合性二重結合を有さないスルフォコハク酸系界面活性剤として、スルフォコハク酸ジオクチルナトリウム{花王(株)製ペレックス(商標)OT−P、または三井サイテック(株)製エアロゾル(商標)OT−75など}、スルフォコハク酸ジヘキシルナトリウム{三井サイテック(株)製エアロゾル(商標)MA−80など}、三井サイテック(株)製エアロゾル(商標)TR−70、A−196−85、AY−100、IB−45、A−102,A−103、501などがある。ラジカル重合性二重結合を有するスルフォコハク酸系界面活性剤として、三洋化成(株)製エレミノール(商標)JS−2,JS−5、花王(株)製ラテムル(商標)S−120,S−180,S−180Aなどがある。その中で、塗膜の水接触角を下げる点では、ラジカル重合性二重結合を有さないスルフォコハク酸系界面活性剤が好ましい。
本発明において、スルフォコハク酸系界面活性剤(F)は、水分散体(B)の樹脂固形分100質量部に対して、0.1〜20質量部用いられ、好ましくは、0.5〜10質量部、さらに好ましくは1.0〜5質量部用いる。この範囲で使用すると、耐水性良好な皮膜が形成され、かつ塗膜の雨筋が目立たない。また塗液の貯蔵安定性が良好となる。
本発明において、アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤(G)は、構造中に(F)を含まないものであって、アルキレンオキサイド基を含むラジカル重合性二重結合を有するアニオン性界面活性剤、アルキレンオキサイド基を含むラジカル重合性二重結合を有さないアニオン性界面活性剤、アルキレンオキサイド基を含むラジカル重合性二重結合を有するノニオン性界面活性剤、アルキレンオキサイド基を含むラジカル重合性二重結合を有さないノニオン性界面活性剤が含まれる。
本発明において、アルキレンオキサイド基を含むアニオン性界面活性剤は下記式(8)、(9)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006342280
Figure 2006342280
(上記式(8)、(9)中、R81は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20アルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜19のアラルキル基などの炭化水素基、またはその一部が水酸基、カルボン酸基などで置換されたもの、もしくはポリオキシエチレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)などのアルキレンオキサイド化合物を含む有機基である。Aは炭素数2〜4のアルキレン基または一部が置換されたアルキレン基であり、nは0〜200の整数であり、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウムである。)
本発明において、アルキレンオキサイド基を含むラジカル重合性二重結合を有するアニ
オン性界面活性剤は下記式(10)、(11)、(12)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006342280
(式中、R101は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基またはアラルキル基であり、R102は水素、炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基、またはアラルキル基、R103は水素またはプロペニル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基または一部が置換されたアルキレン基であり、nは1〜200の整数、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウムである。)
Figure 2006342280
(式中、R111は水素またはメチル基、R112は炭素数8〜24のアルキル基またはアシル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは0〜50の整数、mは0〜20の整数、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウムである。)
Figure 2006342280
(式中、R121は炭素数8〜30のアルキル基、R122は水素またはメチル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基もしくは置換アルキレン基、nは0または1〜200の整数であり、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウムもしくはアルカノールアミン残基である。)
上記式(10)で表されるアルキルフェノールエーテル系化合物として、例えば第一工業製薬(株)製アクアロン(商標)HS−10などがあり、上記式(11)で表される化合物として例えば、旭電化工業(株)製アデカリアソープ(商標)SE−1025A、SR−1025A、SR−10N、SR−20Nなどがあり、上記式(12)で表される化合物として例えば、第一工業製薬(株)製アクアロン(商標)KH−5、KH−10などが挙げられる。その他アルキレンオキサイド基を含むラジカル重合性二重結合を有するアニオン性界面活性剤として例えば、日本乳化剤(株)製Antox(商標)−MS−60などがあり、花王(株)製ラテムルPD−101、PD−104などがあり、三洋化成(株)製エレミノール(商標)RS−30などがある。
本発明において、アルキレンオキサイド基を含むノニオン性の界面活性剤は下記式(13)、(14)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2006342280
Figure 2006342280
(上記式(13)、(14)中、R131は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20アルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜19のアラルキル基などの炭化水素基、またはその一部が水酸基、カルボン酸基などで置換されたもの、もしくはポリオキシエチレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)などのアルキレンオキサイド化合物を含む有機基である。Aは炭素数2〜4のアルキレン基または一部が置換されたアルキレン基であり、nは0〜200の整数であり、R132は水素またはメチル基である。)
本発明において、アルキレンオキサイド基を含むラジカル重合性二重結合を有するノニオン性界面活性剤は下記式(15)、(16)、(17)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006342280
(式中、R151は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基またはアラルキル基であり、R152は水素、炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基、またはアラルキル基、R153は水素またはプロペニル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基または一部が
置換されたアルキレン基であり、nは1〜200の整数である。)
Figure 2006342280
(式中、R161は水素またはメチル基、R162は炭素数8〜24のアルキル基またはアシル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは0〜100の整数、mは0〜50の整数である。)
Figure 2006342280
(式中、R171は炭素数8〜30のアルキル基、R172は水素またはメチル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基もしくは置換アルキレン基、nは0または1〜200の整数である。)
上記式(15)で表される化合物として例えば、第一工業製薬(株)製アクアロン(商標)RN−10、RN−20、RN−30、RN−50などが挙げられる。上記式(16)で表される化合物として例えば、旭電化工業(株)製アデカリアソープ(商標)NE−20、NE−30、NE−40、ER−10、ER−20、ER−30、ER−40などが挙げられる。
本発明において、アルキレンオキサイド基を含有する界面活性剤(G)としては、重合安定性が良好で、耐水性良好なフィルムを得るためには、アルキレンオキサイド基を含むラジカル重合性二重結合を有する界面活性剤であることが好ましく、アルキレンオキサイド基を含むラジカル重合性二重結合を有するアニオン性界面活性剤であることがさらに好ましい。
本発明において、アルキレンオキサイド基を含有する界面活性剤(G)の使用量は、特に限定はしないが、耐水性良好なフィルムを得るためには使用量が少ないことが好ましく、水分散体(B)の樹脂固形分100質量部に対し、0.1〜5質量%使用することができる。
本発明において乳化重合に使用される界面活性剤としてスルフォコハク酸系界面活性剤(F)、アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤(G)以外には、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸カリウム、アクリル酸−(2−スルホエチル)
エステルナトリウム、アクリル酸−(2−スルホエチル)エステルカリウム、メタクリル酸−(2−スルホエチル)エステルナトリウム、アクリル酸−(3−スルホプロピル)エステルカリウム、メタクリル酸−(3−スルホプロピル)エステルナトリウム、脂肪酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマーなどが挙げられる。
本発明において、混合時にあるいは塗料顔料の前分散時にスルフォコハク酸系界面活性剤(F)や、アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤(G)、重合時に加えることのできるその他の界面活性剤の他、必要により以下の界面活性剤を併用することができる。具体的には、例えばヘキサメタリン酸のナトリウム塩、カリウム塩、またはアンモニウム塩、トリポリリン酸のナトリウム塩、カリウム塩、またはアンモニウム塩、ポリアクリル酸等のカルボン酸基を持つポリマーのナトリウム塩、カリウム塩、またはアンモニウム塩。その他、例えば、高級脂肪酸、樹脂酸、酸性高級アルコール、硫酸エステル、高級アルキルスルホン酸、スルホン酸アルキルアリル、スルホン化ひまし油等の塩に代表されるアニオン性界面活性剤、あるいはエチレンオキサイドと長鎖脂肪アルコールまたはフェノール類、リン酸類との公知の反応生成物に代表されるノニオン性界面活性剤、4級アンモニウム塩等を含有するカチオン性界面活性剤が挙げられる。
本発明における乳化重合は、ラジカル重合開始剤として、熱または還元性物質などによってラジカル分解してラジカル重合性不飽和単量体の付加重合を起こさせることができ、水溶性または油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物などを有利に使用することができる。その例としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ハイドロクロライド、2,2 −アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)など挙げることができるが、加水分解性シランの加水分解反応および縮合反応を促進させるための触媒としても効果のある過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモ ニウムを用いることが好ましい。ラジカル重合開始剤の量としては、ラジカル重合性単量体の質量に対して通常0.05質量%〜1質量%を用いることができる。
重合に際して、ラジカル重合性単量体、界面活性剤およびラジカル重合開始剤などは、重合水と合わせてプレ乳化した状態で反応系へ供給しても良いし、各種原料を別々に反応系へ供給しても良い。
通常、重合反応は常圧下、65〜90℃の重合温度で行うことが好ましいが、ラジカル重合性単量体の重合温度における蒸気圧などの特性に合わせ、高圧下でも実施することができる。重合時間としては、供給時間と、供給後の熟成(cooking)時間がある。供給時間は、各種原料を反応系へ同時に供給する場合は通常数分であり、各種原料を反応系へ逐次供給する場合は重合による発熱が除熱可能な範囲で反応系へ逐次供給するため、最終的に得られるエマルジョン中の重合体濃度によっても異なるが、通常10分以上である。供給後の熟成(cooking)時間としては、少なくとも10分以上であることが好ましい。この重合時間以下では、各ラジカル重合性単量体の一部が未反応であったり、加水分解性シランが縮合せずに加水分解物のまま残留してしまう恐れがある。なお、重合速度の促進、および70℃以下での低温での重合が望まれるときには、例えば重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリットなどの還元剤をラジカル重合開始剤と組み合わせて用いると有利である。
本発明に係わるエマルジョンは、分散質の平均粒子径として、10〜1000nmであることが好ましい。
本発明において水分散体(B)を乳化重合するときに、反応系のpHが4.0以下であ
ることが好ましく、より好ましくはpH1.5以上、3.0以下で実施される。
本発明の汚染防止用水性被覆組成物は、長期保存時の分散安定性を保つため、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ジメチルアミノエタノールなどのアミン類を用いてpH5〜10の範囲に調整することが好ましい。
本発明の汚染防止用水性被覆組成物は、耐汚染性、耐水性をさらに向上させるために、分子中に少なくとも2個のヒドラジノ基を有するヒドラジン誘導体を添加する。該ヒドラジン誘導体としては、例えば蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等の2〜18個の炭素原子を有する飽和脂肪族カルボン酸ジヒドラジド;マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等のモノオレフィン性不飽和ジカルボン酸ジヒドラジド;フタル酸、テレフタル酸またはイソフタル酸ジヒドラジド、ならびにピロメリット酸のジヒドラジド、トリヒドラジドまたはテトラヒドラジド;ニトリロトリヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒドラジド、エチレンジアミンテトラ酢酸テトラヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジド、カルボン酸低級アルキルエステル基を有する低重合体をヒドラジンまたはヒドラジン水化物(ヒドラジンヒドラード)と反応させてなるポリヒドラジド(特公昭52−22878号参照);炭酸ジヒドラジド、ビスセミカルバジド;ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネート等のジイソシアネートとアルコール類をウレタン化反応した後、あるいは同時にアロファネート化反応して得られたアロファネート基を有するポリイソシアネート化合物にヒドラジン化合物や上記例示のジヒドラジドを過剰に反応させて得られる多官能セミカルバジド、該ポリイソシアネート化合物とポリエーテルポリオール類やポリエチレングリコールモノアルキルエーテル類等の親水性基を含む活性水素化合物との反応物中のイソシアネート基に上記例示のジヒドラジドを過剰に反応させて得られる水系多官能セミカルバジド、あるいは該多官能セミカルバジドと水系多官能セミカルバジドとの混合物(特開平8−151358号、特開平8−245878号、日本国特許No.3212857参照)等が挙げられる。
本発明の汚染防止用水性被覆組成物には、通常水系塗料などに添加配合される成分、例えば成膜助剤、増粘剤、消泡剤、顔料、分散剤、染料、防腐剤などの他に紫外線吸収剤や光安定剤を任意に配合することができる。
増粘剤として具体的には、ポリビニルアルコール(部分鹸化ポリ酢酸ビニル等を含む)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の高分子分散安定剤等、その他ポリエーテル系、ポリカルボン酸系増粘剤等が挙げられる。
成膜助剤として具体的には、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、2,2,4−トリメチル−1,3−ブタンジオールイソブチレート、グルタル酸ジイソプロピル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、等が挙げられる。これら成膜助剤は、単独または併用など任意に配合することができる。
可塑剤として具体的には、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等が挙げられる。
凍結防止剤として具体的には、プロピレングリコール、エチレングルコール等が挙げられる。
紫外線吸収剤にはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系があり、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤として具体的には、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ステアリルオキシベンゾフェノンなどがある。
ラジカル重合性ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤として具体的には、2−ヒドロキシ−4−アクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メタクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−アクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−メタクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(アクリロキシ−エトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロキシ−エトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロキシ−ジエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(アクリロキシ−トリエトキシ)ベンゾフェノンなどがある。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として具体的には、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール)、メチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとポリエチレングリコール(分子量300)との縮合物(日本チバガイギー(株)製、製品名:TINUVIN1130)、イソオクチル−3−〔3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート(日本チバガイギー(株)製、製品名:TINUVIN384)、2−(3−ドデシル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(日本チバガイギー(株)製、製品名:TINUVIN571)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(日本チバガイギー(株)製、製品名:TINUVIN900)などがある。
ラジカル重合性ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤として具体的には、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(大塚化学(株)製、製品名:RUVA−93)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチル−3−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリリルオキシプロピル−3−tert−ブチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、3−メタクリロイル−2−ヒドロキシプロピル−3−〔3’−(2’’−ベンゾトリアゾリル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル〕フェニルプロピオネート(日本チバガイギー(株)製、製品名:CGL−104)などがある。
トリアジン系紫外線吸収剤として具体的には、TINUVIN400(製品名、日本チバガイギー(株)製)などがある。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤が好ましく、その中で塩基性の低いものがより好ましく、塩基定数(pKb)が8以上のものが特に好ましい。
具体的には、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)サクシネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートとメチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−セバケートの混合物(日本チバガイギー(株)製、製品名:TINUVIN292)、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、TINUVIN123(製品名、日本チバガイギー(株)製)などがある。
ラジカル重合性ヒンダードアミン系光安定剤として具体的には、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルアクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−イミノピペリジルメタクリレート、2,2,6,6,−テトラメチル−4−イミノピペリジルメタクリレート、4−シアノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、4−シアノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートなどがある。
本発明において、紫外線吸収剤および/または光安定剤は、水分散体(B)を製造する乳化重合時に存在させることにより水分散体(B)に導入する方法、紫外線吸収剤および/または光安定剤を成膜助剤などと混合して水分散体(B)に添加することにより導入する方法、紫外線吸収剤および/または光安定剤を成膜助剤と混合し、界面活性剤、水を加え乳化させた後、水分散体(B)に添加することにより導入する方法が挙げられる。また、紫外線吸収剤と光安定剤を併用すると、相乗効果により卓越した耐久性を示す。
実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものでない。尚、実施例及び比較例中の部及び%はそれぞれ質量部、及び質量%を表す。また得られた水性被覆組成物の物性試験については、該水性被覆組成物を用いて下記に示す配合組成で塗料を調整し、以下に示す試験方法に従って試験を実施した。
<塗料配合組成>
・クリアー塗料の作製(比較例3を除く)
各汚染防止用水性被覆組成物(固形分換算) 50.00部
エチレングリコールモノブチルエーテル50部と水50部
の混合液 10.00部
CS−12(成膜助剤:2,2,4−トリメチル−1,3−ブタン
ジオールイソブチレート)(製品名、チッソ(株)製)
10.00部
(比較例3については、エチレングリコールモノブチルエーテル、CS−12は配合しなかった。)
・顔料ディスパージョンの作製
分散剤:Pig.Disperser MD20
(製品名、BASFジャパン(株)製) 5.35部
アンモニア水 0.50部
プロピレングリコール 23.50部
水 147.50部
タイペークCR−97(商品名、石原産業(株)製) 333.50部
消泡剤:SNデフォーマー1310
(商品名、サンノプコ(株)製) 2.85部
上記、配合物を卓上サンドミルにて20分分散させ、顔料ディスパージョンを得た。
・エナメル塗料の作製(比較例3を除く)
各汚染防止用水性被覆組成物(固形分換算) 50.00部
エチレングリコールモノブチルエーテル50部と水50部
の混合液 10.00部
CS−12(成膜助剤:2,2,4−トリメチル−1,3−ブタン
ジオールイソブチレート)(製品名、チッソ(株)製)
10.00部
上記顔料ディスパージョン 51.32部
増粘剤:アデカノールUH−438(旭電化工業(株)製)
の10%水溶液 適量
(比較例3については、エチレングリコールモノブチルエーテル、CS−12は配合しなかった。)
<試験方法>
・水分散体等の固形分
水分散体等固形分測定対象物を105℃にて3時間乾燥させた後の乾燥質量である。
・水分散体の樹脂固形分
水分散体の105℃にて3時間乾燥させた後の乾燥重量から界面活性剤、重合開始剤などの乾燥重量を差し引いた質量である。
・水分散体等の固形分率の測定
予め質量の分かっているアルミ皿に、約1gの水分散体等固形分率測定対象物を正確に秤量し、恒温乾燥機で105℃にて3時間乾燥した後、シリカゲルを入れたデシケーター中で、30分放冷後に精秤する。当該物質の乾燥後質量を乾燥前質量で割ったものを固形分率とした。
・塗液の貯蔵安定性
上記エナメル塗料配合物を、密閉容器に入れ、50℃恒温槽で4週間放置し4週間後の状態を目視にて判定した。判定基準は以下の通り。
◎;粘度上昇もなく、流動性がある。
△;粘度上昇があるが、流動性がある。
×;ゲル化している。
・耐水性
上記のエナメル塗料配合物をワイヤーコーターNo.50を用いて、硫酸アルマイト板に塗布し、室温にて2日間乾燥させた。さらに50℃にて2日間乾燥させた後、20℃の水に30日間浸漬しその状態を目視にて判定した。判定基準は以下の通り。
◎;ふくれ、つやびけがまったく見られない。
○;ふくれがややあるが、つやびけは見られない。
△;ふくれがあり、つやびけも見られる。
×;全面がふくれ、つやびけが著しい。
・耐雨染み汚染性
図1に示したアルマイト板上に、上記エナメル塗料配合物を、乾燥膜厚100g/mとなるようにワイヤーコーターで塗布し、室温にて4週間乾燥させて試験体を得た。この
試験体を屋外にて地面に塗膜面が垂直に、かつ北方向になるように固定し、曝露開始後3カ月後について雨染み汚染を目視判定した。判定基準は以下の通り。
◎;雨筋が全く見られない。
〇;全体の汚れてはいるが、雨筋が見られない。
△;全体の汚れ、やや雨筋が見られる。
×;雨筋が著しく見られる。
・耐候性
上記のエナメル塗料配合物をワイヤーコーターNo.50を用いて、硫酸アルマイト板に塗布し、室温にて30日間乾燥させた。引き続きサンシャイン型ウエザオメーター(スガ試験機(株)製、WEL−SUN−DC)を使用して曝露試験(降雨サイクル;18分/2時間、ブラックパネル温度60〜66℃)を行った。曝露2000時間経過後の外観の変化を観察した。判定基準は以下の通り。
◎;変化なし。
○;つやびけが見られる。
△;つやびけと一部にクラックが見られる。
×;つやびけと全面にクラックが見られる。
〔水分散体の製造例1〕
撹拌機、還流冷却器、2つ滴下槽 および温度計を取りつけた反応容器を用意し、2つ滴下槽はY字管(Y字管の出口には100メッシュの金網を詰め、2つ滴下槽の液が混じりあうところまで、モレキュラーシーブス3A(製品名:和光純薬(株)製)を充填し、ラジカル重合性単量体を含むプレ乳化液と加水分解性シランとの緩やかな混合ができるように調整した。)を介して反応系へ流入できるように組み立てた。水426部、アルキレンオキシド基を含むアニオン型反応性界面活性剤(製品名:アデカリアソープSR−1025、旭電化工業(株)製)6部入れ、温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を15部添加した5分後に、メタクリル酸メチル58部、メタクリル酸シクロヘキシル244部、アクリル酸n−ブチル335部、メタクリル酸13部、アデカリアソープSR−1025を23部、アルキルスルホコハク酸塩系界面活性剤(製品名:エアロゾールOT−75、日本サイテックインダストリーズ(株)製)を21.7部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液32.5部、水262部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液、及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン6部、メチルトリメトキシシラン66部、ジフェニルジメトキシシラン16部からなる混合液とを別々の滴下槽から上記のY字管を介して120分かけて流入させた。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして30分保った。
次に、メタクリル酸メチル170部、ジアセトンアクリルアミド20部、メタクリル酸10部、ドデシルメルカプタン2部、アデカリアソープSR−1025を4部、アルキルスルホコハク酸塩系界面活性剤(製品名:エレミノールJS−2、三洋化成工業(株)製)を8部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液20部、水130部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液を、反応容器中へ滴下槽より45分かけて流入させた。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして30分保った。
次に、メタクリル酸メチル69部、メタクリル酸シクロヘキシル56部、アクリル酸n−ブチル22部、メタクリル酸3部、アデカリアソープSR−1025を3部、エアロゾールOT−75を5部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液7.5部、水163部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液、及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3部、メチルトリメトキシシラン15部、ジフェニ
ルジメトキシシラン3.7部からなる混合液とを別々の滴下槽から上記のY字管を介して30分かけて流入させた。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして90分保った。
その後室温まで冷却した後、 水素イオン濃度を測定したところpH2.3であった。25%アンモニア水溶液を添加してpH8.5に調整100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は得られた固形分質量に対して20ppmとわずかであった。得られたエマルジョンの固形分は47.6%であった。
得られたエマルジョンのTgC+DおよびTgを表1に示す。
〔水分散体の製造例2〕
撹拌機、還流冷却器、2つ滴下槽 および温度計を取りつけた反応容器を用意し、2つ滴下槽はY字管(Y字管の出口には100メッシュの金網を詰め、2つ滴下槽の液が混じりあうところまで、モレキュラーシーブス3Aを充填し、ラジカル重合性単量体を含むプレ乳化液と加水分解性シランとの緩やかな混合ができるように調整した。)を介して反応系へ流入できるように組み立てた。水426部、アデカリアソープSR−1025を6部入れ、温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を15部添加した5分後に、メタクリル酸メチル102部、メタクリル酸シクロヘキシル244部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル291部、メタクリル酸13部、ヒンダードアミン系光安定剤(製品名:TINUVIN123、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)20部の混合物とアデカリアソープSR−1025を23部、エアロゾールOT−75を21部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液32.5部、水262部を加えて得られる混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液、及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン6部、メチルトリメトキシシラン66部、ジフェニルジメトキシシラン16部からなる混合液とを別々の滴下槽から上記のY字管を介して120分かけて流入させた。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして30分保った。
次に、メタクリル酸メチル170部、ジアセトンアクリルアミド20部、メタクリル酸10部、ドデシルメルカプタン2部、アデカリアソープSR−1025を4部、エレミノールJS−2を8部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液20部、水130部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液を、反応容器中へ滴下槽より45分かけて流入させた。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして30分保った。
次に、メタクリル酸メチル69部、メタクリル酸シクロヘキシル56部、アクリル酸n−ブチル22部、メタクリル酸3部、アデカリアソープSR−1025を3部、エアロゾールOT−75を5部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液7.5部、水163部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液、及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3部、メチルトリメトキシシラン15部、ジフェニルジメトキシシラン3.7部からなる混合液とを別々の滴下槽から上記のY字管を介して30分かけて流入させた。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして90分保った。
その後室温まで冷却した後、 水素イオン濃度を測定したところpH2.3であった。25%アンモニア水溶液を添加してpH8.5に調整100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は得られた固形分質量に対して20ppmとわずかであった。得られたエマルジョンの固形分は48.0%であった。得られたエマルジョンのTgC+DおよびTgを表1に示す。
〔水分散体の製造例3〕
撹拌機、還流冷却器、2つ滴下槽 および温度計を取りつけた反応容器を用意し、2つ滴下槽はY字管(Y字管の出口には100メッシュの金網を詰め、2つ滴下槽の液が混じりあうところまで、モレキュラーシーブス3Aを充填し、ラジカル重合性単量体を含むプレ乳化液と加水分解性シランとの緩やかな混合ができるように調整した。)を介して反応系へ流入できるように組み立てた。水408部、アデカリアソープSR−1025を8部入れ、温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を15部添加した5分後に、メタクリル酸メチル170部、ジアセトンアクリルアミド20部、メタクリル酸10部、ドデシルメルカプタン2部、アデカリアソープSR−1025を4.8部、エレミノールJS−2を8部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液20部、水167部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液を、反応容器中へ滴下槽より60分かけて流入させた。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして30分保った。
次に、メタクリル酸メチル125部、メタクリル酸シクロヘキシル300部、アクリル酸n−ブチル359部、メタクリル酸16部、アデカリアソープSR−1025を38.4部、エアロゾールOT−75を13.3部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液40部、水410部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液、及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン7.2部、メチルトリメトキシシラン81.2部、ジフェニルジメトキシシラン19.7部からなる混合液とを別々の滴下槽から上記のY字管を介して150分かけて流入させた。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして90分保った。
その後室温まで冷却した後、 水素イオン濃度を測定したところpH2.3であった。25%アンモニア水溶液を添加してpH8.5に調整100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は得られた固形分質量に対して20ppmとわずかであった。得られたエマルジョンの固形分は47.2%であった。得られたエマルジョンのTgC+DおよびTgを表1に示す。
〔水分散体の製造例4〕
撹拌機、還流冷却器、2つ滴下槽 および温度計を取りつけた反応容器を用意し、2つ滴下槽はY字管(Y字管の出口には100メッシュの金網を詰め、2つ滴下槽の液が混じりあうところまで、モレキュラーシーブス3Aを充填し、ラジカル重合性単量体を含むプレ乳化液と加水分解性シランとの緩やかな混合ができるように調整した。)を介して反応系へ流入できるように組み立てた。水510部、アデカリアソープSR−1025を8部入れ、温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を15部添加した5分後に、メタクリル酸メチル6部、メタクリル酸シクロヘキシル160部、アクリル酸n−ブチル324部、メタクリル酸10部、アデカリアソープSR−1025を24部、エアロゾールOT−75を8.3部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液25部、水239部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液、及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.8部、メチルトリメトキシシラン50.7部、ジフェニルジメトキシシラン12.3部からなる混合液とを別々の滴下槽から上記のY字管を介して90分かけて流入させた。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして30分保った。
次に、メタクリル酸メチル150部、ジアセトンアクリルアミド40部、メタクリル酸10部、ドデシルメルカプタン2部、アデカリアソープSR−1025を9.6部、エレミノールJS−2を8部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液20部、水126部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液を、反応容器中へ滴下槽より45分かけて流入させた。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終
了してから反応容器中の温度を80℃にして30分保った。
次に、メタクリル酸メチル125部、メタクリル酸シクロヘキシル140部、アクリル酸n−ブチル32部、メタクリル酸3部、アデカリアソープSR−1025を14.4部、エアロゾールOT−75を5部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液15部、水140部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液、及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.4部、メチルトリメトキシシラン30.5部、ジフェニルジメトキシシラン7.4部からなる混合液とを別々の滴下槽から上記のY字管を介して60分かけて流入させた。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして90分保った。
その後室温まで冷却した後、 水素イオン濃度を測定したところpH2.3であった。25%アンモニア水溶液を添加してpH8.5に調整100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は得られた固形分質量に対して20ppmとわずかであった。得られたエマルジョンの固形分は46.6%であった。得られたエマルジョンのTgC+DおよびTgを表1に示す。
〔水分散体の製造例5〕
撹拌機、還流冷却器、2つ滴下槽 および温度計を取りつけた反応容器を用意し、2つ滴下槽はY字管(Y字管の出口には100メッシュの金網を詰め、2つ滴下槽の液が混じりあうところまで、モレキュラーシーブス3Aを充填し、ラジカル重合性単量体を含むプレ乳化液と加水分解性シランとの緩やかな混合ができるように調整した。)を介して反応系へ流入できるように組み立てた。水426部、アデカリアソープSR−1025を6部入れ、温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を15部添加した5分後に、メタクリル酸メチル58部、メタクリル酸シクロヘキシル244部、アクリル酸n−ブチル335部、メタクリル酸13部、アデカリアソープSR−1025を23.4部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液32.5部、水268部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液、及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.8部、メチルトリメトキシシラン66部、ジフェニルジメトキシシラン16部からなる混合液とを別々の滴下槽から上記のY字管を介して120分かけて流入させた。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして30分保った。
次に、メタクリル酸メチル170部、ジアセトンアクリルアミド20部、メタクリル酸10部、ドデシルメルカプタン2部、アデカリアソープSR−1025を4部、エレミノールJS−2を8部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液20部、水130部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液を、反応容器中へ滴下槽より45分かけて流入させた。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして30分保った。
次に、メタクリル酸メチル69部、メタクリル酸シクロヘキシル56部、アクリル酸n−ブチル22部、メタクリル酸3部、アデカリアソープSR−1025を3部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液7.5部、水165部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液、及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3部、メチルトリメトキシシラン15.2部、ジフェニルジメトキシシラン3.7部からなる混合液とを別々の滴下槽から上記のY字管を介して30分かけて流入させた。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして90分保った。
その後室温まで冷却した後、 水素イオン濃度を測定したところpH2.3であった。25%アンモニア水溶液を添加してpH8.5に調整100メッシュの金網でろ過した。
ろ過された凝集物の乾燥質量は得られた固形分質量に対して20ppmとわずかであった。得られたエマルジョンの固形分は47.1%であった。得られたエマルジョンのTgC+DおよびTgを表1に示す。
〔水分散体の製造例6〕
撹拌機、還流冷却器、2つ滴下槽 および温度計を取りつけた反応容器を用意し、2つ滴下槽はY字管(Y字管の出口には100メッシュの金網を詰め、2つ滴下槽の液が混じりあうところまで、モレキュラーシーブス3Aを充填し、ラジカル重合性単量体を含むプレ乳化液と加水分解性シランとの緩やかな混合ができるように調整した。)を介して反応系へ流入できるように組み立てた。水408部、アデカリアソープSR−1025を8部入れ、温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を15部添加した5分後に、メタクリル酸メチル260部、ジアセトンアクリルアミド30部、メタクリル酸10部、ドデシルメルカプタン3部、アデカリアソープSR−1025を7.2部、エレミノールJS−2を12部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液30部、水153部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液を、反応容器中へ滴下槽より60分かけて流入させた。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして30分保った。
次に、メタクリル酸メチル30部、メタクリル酸シクロヘキシル300部、アクリル酸n−ブチル356部、メタクリル酸14部、アデカリアソープSR−1025を33.6部、エアロゾールOT−75を13.3部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液35部、水418部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液、及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン7.2部、メチルトリメトキシシラン81.2部、ジフェニルジメトキシシラン19.7部からなる混合液とを別々の滴下槽から上記のY字管を介して120分かけて流入させた。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして90分保った。
その後室温まで冷却した後、 水素イオン濃度を測定したところpH2.3であった。25%アンモニア水溶液を添加してpH8.5に調整100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は得られた固形分質量に対して20ppmとわずかであった。得られたエマルジョンの固形分は47.2%であった。得られたエマルジョンのTgC+DおよびTgを表1に示す。
〔水分散体の製造例7〕
撹拌機、還流冷却器、2つ滴下槽 および温度計を取りつけた反応容器を用意し、2つ滴下槽はY字管(Y字管の出口には100メッシュの金網を詰め、2つ滴下槽の液が混じりあうところまで、モレキュラーシーブス3A(製品名:和光純薬(株)製)を充填し、ラジカル重合性単量体を含むプレ乳化液と加水分解性シランとの緩やかな混合ができるように調整した。)を介して反応系へ流入できるように組み立てた。水422部、アルキレンオキシド基を含むアニオン型界面活性剤(製品名:ニューコール707SF、日本乳化剤(株)製)13.3部入れ、温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を15部添加した5分後に、メタクリル酸メチル58部、メタクリル酸シクロヘキシル244部、アクリル酸n−ブチル335部、メタクリル酸13部、ニューコール707SFを28.3部、エアロゾールOT−75を21.7部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液32.5部、水341部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液、及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン6部、メチルトリメトキシシラン66部、ジフェニルジメトキシシラン16部からなる混合液とを別々の滴下槽から上記のY字管を介して120分かけて流入させた。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから
反応容器中の温度を80℃にして30分保った。
次に、メタクリル酸メチル170部、ジアセトンアクリルアミド20部、メタクリル酸10部、ドデシルメルカプタン2部、ニューコール707SFを10部、エレミノールJS−2を8部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液20部、水99部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液を、反応容器中へ滴下槽より45分かけて流入させた。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして30分保った。
次に、メタクリル酸メチル69部、メタクリル酸シクロヘキシル56部、アクリル酸n−ブチル22部、メタクリル酸3部、ニューコール707SFを6.7部、エアロゾールOT−75を5部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液7.5部、水129部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液、及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3部、メチルトリメトキシシラン15部、ジフェニルジメトキシシラン3.7部からなる混合液とを別々の滴下槽から上記のY字管を介して30分かけて流入させた。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして90分保った。
その後室温まで冷却した後、 水素イオン濃度を測定したところpH2.3であった。25%アンモニア水溶液を添加してpH8.5に調整100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は得られた固形分質量に対して20ppmとわずかであった。得られたエマルジョンの固形分は47.3%であった。
得られたエマルジョンのTgC+DおよびTgを表1に示す。
〔水分散体の製造例8〕
撹拌機、還流冷却器、2つ滴下槽 および温度計を取りつけた反応容器を用意し、2つ滴下槽はY字管(Y字管の出口には100メッシュの金網を詰め、2つ滴下槽の液が混じりあうところまで、モレキュラーシーブス3Aを充填し、ラジカル重合性単量体を含むプレ乳化液と加水分解性シランとの緩やかな混合ができるように調整した。)を介して反応系へ流入できるように組み立てた。水435部、アデカリアソープSR−1025を8部入れ、温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を15部添加した5分後に、メタクリル酸メチル105部、メタクリル酸シクロヘキシル150部、アクリル酸n−ブチル224部、ジアセトンアクリルアミド15部、メタクリル酸6部、アデカリアソープSR−1025を20部、アルキレンオキシド基を含むノニオン性界面活性剤(製品名:エマルゲン120、花王(株)製)の20%水溶液20部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液25部、水333部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液、及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.8部、メチルトリメトキシシラン21部、ジメチルジメトキシシラン34部からなる混合液とを別々の滴下槽から上記のY字管を介して90分かけて流入させた。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして30分保った。
次に、メタクリル酸メチル94部、メタクリル酸シクロヘキシル60部、アクリル酸n−ブチル30部、ジアセトンアクリルアミド6部、メタクリル酸10部、ドデシルメルカプタン2部、アデカリアソープSR−1025を4部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液20部、水135部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液を、反応容器中へ滴下槽より45分かけて流入させた。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして30分保った。
次に、メタクリル酸メチル96部、メタクリル酸シクロヘキシル90部、アクリル酸n−ブチル102部、ジアセトンアクリルアミド9部、メタクリル酸3部、アデカリアソー
プSR−1025を6部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液7.5部、水166部を加え、該混合液をホモミキサーにより5分間混合して作製したプレ乳化液、及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.4部、メチルトリメトキシシラン12.7部、ジメチルジメトキシシラン20部からなる混合液とを別々の滴下槽から上記のY字管を介して60分かけて流入させた。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして90分保った。
その後室温まで冷却した後、 水素イオン濃度を測定したところpH2.5であった。25%アンモニア水溶液を添加してpH8.5に調整100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は得られた固形分質量に対して20ppmとわずかであった。得られたエマルジョンの固形分は45.9%であった。得られたエマルジョンのTgC+DおよびTgを表1に示す。
〔水分散体の製造例9〕
撹拌機、還流冷却器、滴下槽 および温度計を取りつけた反応容器に、水1166部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部入れ、温度を70℃に上げてから、過硫酸カリウムの10%水溶液を60部添加した5分後に、メタクリル酸メチル420部、アクリル酸n−ブチル420部、アクリル酸2−エチルヘキシル110部、ジアセトンアクリルアミド30部、メタクリル酸20部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン10部の混合物を240分かけて流入させた。流入中は反応容器中の温度を70℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃にして60分保った。
その後室温まで冷却した後、 水素イオン濃度を測定したところpH2.5であった。25%アンモニア水溶液を添加してpH8.5に調整100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は得られた固形分質量に対して30ppmとわずかであった。得られたエマルジョンの固形分は45.5%であった。得られたエマルジョンのTgC+DおよびTgを表1に示す。
〔水分散体の製造例10〕
撹拌機、還流冷却器、滴下槽 および温度計を取りつけた反応容器に水500部、アルキレンオキシド基を含むアニオン型界面活性剤(製品名:エマールNC、花王(株)製)を20部、エマルゲン120の20%水溶液20部入れ、メタクリル酸メチル35部、アクリル酸n−ブチル32部、ジアセトンアクリルアミド12部、アクリル酸0.5部、エマールNCを4部、エマルゲン120の20%水溶液4部、水32.5部の混合物を加え、90℃に加熱し、過硫酸カリウムの2%水溶液を25部添加した。
次に、メタクリル酸メチル315部、アクリル酸n−ブチル288部、ジアセトンアクリルアミド108部、アクリル酸4.5部、エマールNCを36部、エマルゲン120の20%水溶液36部、水293部の混合物を60分かけて流入させた。流入中は反応容器中の温度を90℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を90℃にして60分保った。
次に、メタクリル酸メチル80部、アクリル酸n−ブチル80部、ジアセトンアクリルアミド30部、アクリル酸15部、t−ドデシルメルカプタン1.4部、エマールNCを8部、エマルゲン120の20%水溶液10部、水97部の混合物を60分かけて流入させた。
過硫酸カリウムの2%水溶液を225部は連続して添加した。
流入中は反応容器中の温度を90℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を90℃にして90分保った。
その後室温まで冷却した後、 水素イオン濃度を測定したところpH2.5であった。25%アンモニア水溶液を添加してpH8.5に調整100メッシュの金網でろ過した。
ろ過された凝集物の乾燥質量は得られた固形分質量に対して30ppmとわずかであった。得られたエマルジョンの固形分は42.0%であった。得られたエマルジョンのTgC+DおよびTgを表1に示す。
〔実施例1〕
水分散体の製造例1で得られた水分散体105部に、コロイダルシリカ(製品名:アデライトAT−30A、旭電化工業(株)製)25部、ハードナーSC(旭化成ケミカルズ(株)製水系多官能セミカルバジド50%水溶液)を2部加えて汚染防止用水性被覆組成物を得た。この汚染防止用水性被覆組成物について前記した塗料配合をし、各試験を行った。結果を表2に示す。
〔実施例2〕
水分散体の製造例1で得られた水分散体105部に、ハードナーSCを2部加えて汚染防止用水性被覆組成物を得た。この汚染防止用水性被覆組成物について前記した塗料配合をし、各試験を行った。結果を表2に示す。
〔実施例3〕
水分散体の製造例2で得られた水分散体104部に、アデライトAT−30Aを25部、ハードナーSCを2部加えて汚染防止用水性被覆組成物を得た。この汚染防止用水性被覆組成物について前記した塗料配合をし、各試験を行った。結果を表2に示す。
〔実施例4〕
水分散体の製造例3で得られた水分散体106部に、コロイダルシリカ(製品名:スノーテックスC−30、日産化学工業(株)製)25部、ハードナーSCを1.2部、アジピン酸ジヒドラジドの10%水溶液を2.3部加えて汚染防止用水性被覆組成物を得た。この汚染防止用水性被覆組成物について前記した塗料配合をし、各試験を行った。結果を表2に示す。
〔実施例5〕
水分散体の製造例4で得られた水分散体107部に、アデライトAT−30Aを25部、ハードナーSCを2.4部、加えて汚染防止用水性被覆組成物を得た。この汚染防止用水性被覆組成物について前記した塗料配合をし、各試験を行った。結果を表2に示す。
〔実施例6〕
水分散体の製造例5で得られた水分散体106部に、スルホコハク酸系界面活性剤(製品名:エアロゾルOT−75,日本サイテックインダストリーズ(株)製)1.3部、アデライトAT−30Aを16.7部、ハードナーSCを2部加えて汚染防止用水性被覆組成物を得た。この汚染防止用水性被覆組成物について前記した塗料配合をし、各試験を行った。結果を表2に示す。
〔実施例7〕
水分散体の製造例6で得られた水分散体106部に、スノーテックスC−30を25部、ハードナーSCを1.2部アジピン酸ジヒドラジドの10%水溶液を3.5部加えて汚染防止用水性被覆組成物を得た。この汚染防止用水性被覆組成物について前記した塗料配合をし、各試験を行った。結果を表2に示す。
〔実施例8〕
水分散体の製造例7で得られた水分散体106部に、アデライトAT−30Aを16.7部、ハードナーSCを2部、加えて汚染防止用水性被覆組成物を得た。この汚染防止用水性被覆組成物について前記した塗料配合をし、各試験を行った。結果を表2に示す。
比較例
〔比較例1〕
水分散体の製造例8で得られた水分散体109部に、ハードナーSCを2.8部加えて
汚染防止用水性被覆組成物を得た。この汚染防止用水性被覆組成物について前記した塗料配合をし、各試験を行った。結果を表2に示す。
〔比較例2〕
水分散体の製造例8で得られた水分散体109部に、アデライトAT−30Aを16.7部、アジピン酸ジヒドラジドの10%水溶液を3.5部加えて汚染防止用水性被覆組成物を得た。この汚染防止用水性被覆組成物について前記した塗料配合をし、各試験を行った。結果を表2に示す。
〔比較例3〕
水分散体の製造例9で得られた水分散体110部に、コロイダルシリカ(製品名:スノーテックス30、日産化学工業(株)製)50部、アジピン酸ジヒドラジドの10%水溶液を2.3部加えて汚染防止用水性被覆組成物を得た。この汚染防止用水性被覆組成物について前記した塗料配合をし、各試験を行った。結果を表2に示す。
〔比較例4〕
水分散体の製造例10で得られた水分散体119部に、スノーテックスC−30を33.3部、アジピン酸ジヒドラジドの10%水溶液を3.7部加えて汚染防止用水性被覆組成物を得た。この汚染防止用水性被覆組成物について前記した塗料配合をし、各試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 2006342280
Figure 2006342280
本発明は、耐雨筋状汚染性、柔軟性、耐水性、耐候性、耐久性に優れた塗膜を形成し得る汚染防止用水性被覆組成物であり、水系の塗料または建築仕上げ材として、複層仕上げ塗材用の主材およびトップコート、薄付け仕上塗材、厚付け仕上塗材、石材調仕上げ材、グロスペイントなどの合成樹脂エマルジョンペイントとして、金属用塗料、木部塗料、瓦用塗料分野で好適に利用できる。
耐雨染み汚染性を判定するのに用いるアルマイト板の概略図である。

Claims (17)

  1. アルド基またはケト基を有するエチレン性不飽和単量体と他のエチレン性不飽和単量体とからなる重合体(C)と加水分解性シラン(A)存在下で他のエチレン性不飽和単量体を共重合した重合体(D)からなる水分散体(B)を含む汚染防止用水性被覆組成物。
  2. 水分散体(B)、コロイド状無機粒子(E)、スルフォコハク酸系界面活性剤(F)を含むことを特徴とする請求項1に記載の汚染防止用水性被覆組成物。
  3. アルド基またはケト基を有するエチレン性不飽和単量体と他のエチレン性不飽和単量体とからなる重合体(C)のガラス転移温度TgCが80℃以上で、水分散体(B)中のアルド基またはケト基を有するエチレン性不飽和単量体と他のエチレン性不飽和単量体とからなる重合体(C)と加水分解性シラン(A)存在下で他のエチレン性不飽和単量体を共重合した重合体(D)からなる重合体の平均TgC+Dが60℃以下である請求項1または2に記載の汚染防止用水性被覆組成物。
  4. アルド基またはケト基を有するエチレン性不飽和単量体と他のエチレン性不飽和単量体とからなる重合体(C)が、アルド基またはケト基を有するエチレン性不飽和単量体を0.1〜50質量%、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体を1〜20質量%含むエチレン性不飽和単量体混合物を乳化重合して得られたポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の汚染防止用水性被覆組成物。
  5. アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤(G)を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の汚染防止用水性被覆組成物。
  6. 水性分散体(B)が、スルフォコハク酸系界面活性剤(F)および/又はアルキレンオキサイド基を含む界面活性剤(G)の存在下で乳化重合して得られたアクリル系エマルジョンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の汚染防止用水性被覆組成物。
  7. 水性分散体(B)の樹脂固形分100質量部に対して、コロイド状無機粒子(E)が0.1〜95質量部、スルフォコハク酸系界面活性剤(F)が0.1〜20質量部、アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤(G)が0.1〜5質量部であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の汚染防止用水性被覆組成物。
  8. 加水分解性シラン(A)が、下記一般式(a)で表される構造を有するシランを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の汚染防止用水性被覆組成物。
    (R−Si−(R4−n (a)
    (式中nは0〜3の整数であり、R は水素原子、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ビニル基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基、または炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれる。n個のR は同一であっても、異なっても良い。Rは炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基または水酸基から選ばれる。4−n個のR は同一であっても、異なっても良い。)。
  9. コロイド状無機粒子(E)が有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子を含むことを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載の汚染防止用水性被覆組成物。
  10. コロイド状無機粒子(E)がコロイダルシリカを含むことを特徴とする請求項2〜9のいずれかに記載の汚染防止用被覆組成物。
  11. スルフォコハク酸系界面活性剤(F)が、ラジカル重合性二重結合を有さないスルフォコハク酸系界面活性剤である請求項2〜10のいずれかに記載の汚染防止用水性被覆組成物。
  12. 水分散体(B)がシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを5質量%以上含むエチレン性不飽和単量体混合物を乳化重合して得られたアクリル系エマルジョンであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の汚染防止用水性被覆組成物。
  13. 2個以上のヒドラジン残基を有する有機ヒドラジン化合物を含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の汚染防止要水性被覆組成物。
  14. セミカルバジド系硬化剤を含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の汚染防止用水性被覆組成物。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の汚染防止用水性被覆組成物を含む塗料。
  16. 請求項15記載の塗料を用いて形成された被覆を含む塗装物。
  17. 請求項15記載の塗料を用いた塗装方法。
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