JP2004300211A - 硬化性水性被覆組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、浸透型吸水防止層と当該吸水防止層の耐候性を補完する塗膜層を、1工程で基材に塗装することが可能で、得られる塗膜が、耐雨筋汚染性、耐汚染性及び耐水性、耐白化性に優れ、さらに保存安定性と安全性に優れる水系の硬化性エマルションを提供することを目的とする。
【解決手段】(a)アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系共重合体、(b)加水分解性シラン化合物、及び(c)主鎖中にポリジメチルシロキサン単位と複数のアゾ基を有するラジカル重合開始剤の存在下に、ポリオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする単量体をラジカル重合せしめたブロックポリマーが水性媒体中に分散してなる耐汚染性に優れる硬化性水性分散体(A)であって、該(A)硬化性水性分散体および、(C)スルフォコハク酸系界面活性剤を含むことを特徴とする硬化性水性汚染防止被覆組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保存安定性に優れ、一材で基材に対して浸透型吸水防止層と当該吸水防止層の耐候性を補完する塗膜層を形成することができ、当該塗膜が雨筋汚染防止性、汚染防止性、耐水性及び耐水白化性に優れる硬化性水性エマルションで、塗料、建築仕上げ塗装材など、具体的には建築物、建材、モルタル、コンクリートへ直接塗装するコート剤、あるいはこれら基材への上塗り材に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンクリート等の建築・土木材料には、その表面保護を目的として、まずコンクリート表面に撥水・吸水防止を目的として、撥水剤及び吸水防止剤等を塗布し、当該乾燥表面上に、意匠性、防水性及び耐候性等を付与するために、表面被覆用塗料が塗布されている。
撥水剤及び吸水防止剤としては、アルコキシシランに代表される加水分解性シラン化合物が多く使用されている。当該加水分解性シラン化合物は、石造物やコンクリート等の多孔質材料に塗布されると、当該多孔質材料の細孔に浸透し、その細孔中で基材と結合を形成しつつ三次元化するため、耐久性に優れる防水層を形成し、さらに外観が変わらないという特長を有するものである。
一般に、これら加水分解性シラン化合物は、種々の有機溶剤で希釈されるか、又はエマルションとして使用されているが、近年、環境保護及び安全衛生等の問題から、エマルションのものが好ましく使用されてきている(例えば、特許文献1〜2参照)。
【0003】
次に、表面被覆用塗料としては、種々の樹脂からなる塗料が使用されているが、特に耐候性を要求される屋外塗装用の用途においては、フッ素系樹脂やアクリルシリコン樹脂からなる溶剤系塗料や水性塗料が使用されている。しかしながら、自動車排ガス、砂塵、鉄粉、酸性雨及び太陽光線等により、塗膜表面に汚染物質が堆積したり、雨筋状の汚れが堆積したりすることで美観が損なわれるという問題が顕在化しており、耐汚染性に優れる材料が要求されている。有機溶剤型のアクリルシリコン樹脂塗料の上記問題の解決策として、アクリルシリコン樹脂をベース樹脂とし、アルキルシリケート又は部分加水分解物及び硬化触媒からなる塗料組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
しかしながら、これは塗膜に親水性と水中撥油性を付与し、塗膜が雨水で濡れ次いで汚染物質が雨水と共に流れ落ちる、いわゆるローリングアップ機構によって汚れを除去するものであるが、塗膜のリコート性が不十分であったり、塗料の保存安定性が経時的に低下する等、これまでのところ耐汚染性が充分に満足できる塗料は開発されていない。
一方、表面被覆用塗料においても、従来の有機溶剤を使用した塗料に代わって水性塗料が注目されており、アクリルシリコン樹脂エマルションからなる組成物が提案されている。しかしながら、従来のアクリルシリコン樹脂エマルションは、基材に対する吸水防止能が十分でなかった。
【0005】
安全性及び保存安定性に優れ、1工程で基材に塗装することが可能で、得られる塗膜が、耐水性及び耐水白化性に優れ、さらに又基材に吸水防止性能をも付与することが可能な水系の硬化性エマルションが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、雨筋汚染に対する効果はやはり不十分なものである。
【0006】
【特許文献1】
特開昭62−197369号公報
【特許文献2】
特開平3−232527号公報
【特許文献3】
特開平6−248237号公報
【特許文献4】
特開平11−279364号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、浸透型吸水防止層と当該吸水防止層の耐候性を補完する塗膜層を、1工程で基材に塗装することが可能で、得られる塗膜が、耐雨筋汚染性、耐汚染性及び耐水性、耐白化性に優れ、さらに保存安定性と安全性に優れる硬化性水性被覆組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討をかさねた結果、特定の(メタ)アクリル系共重合体、加水分解性シラン化合物及び特定のブロックポリマーを含有する硬化性水性分散体に、コロイド状無機粒子、スルフォコハク酸系界面活性剤とから得られる塗膜は、耐雨筋汚染性に優れ耐水性に優れる上、保存安定性が良好であり、さらに該組成物は基材に吸水防止性能をも付与することができることを見出し、本発明をなすに至った。
【0009】
すなわち本発明の第1は、(a)アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系共重合体、(b)加水分解性シラン化合物、及び(c)主鎖中にポリジメチルシロキサン単位と複数のアゾ基を有するラジカル重合開始剤の存在下に、ポリオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする単量体をラジカル重合せしめたブロックポリマーが水性媒体中に分散してなる耐汚染性に優れる硬化性水性分散体(A)であって、該(A)硬化性水性分散体および(B)コロイド状無機粒子、(C)スルフォコハク酸系界面活性剤を含むことを特徴とする硬化性水性被覆組成物である。
【0010】
本発明の第2は、本発明の第1において、耐汚染性に優れる硬化性水性分散体(A)および(C)スルフォコハク酸系界面活性剤を含み、さらに(B)コロイド状無機粒子を含むことを特徴とする硬化性水性汚染防止被覆組成物である。
本発明の第3は、(a)成分が、(C)スルフォコハク酸系界面活性剤および(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤を用いて重合させて得られた重合体である、本発明の第1の硬化性水性被覆組成物である。
本発明の第4は、(a)成分が、それを形成する単量体及び油溶性ラジカル重合開始剤をスルフォコハク酸系界面活性剤含む界面活性剤で乳化し、得られた乳化分散体を加熱された水性媒体中に滴下することにより前記単量体を重合させて得られた重合体である本発明の第2の硬化性水性被覆組成物である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明について、以下具体的に説明する。尚、本明細書においては、アクリル系共重合体又はメタクリル系共重合体を(メタ)アクリル系共重合体といい、アクリル系単量体又はメタクリル系単量体を(メタ)アクリル系単量体といい、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを(メタ)アクリル酸エステルといい、アクリル酸又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸という。
【0012】
(a)アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系共重合体
本発明における(a)アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系共重合体(以下アクリルシリコン共重合体という)は、種々の共重合体が使用可能であり、好ましくはアルコキシシリル基を有するラジカル重合性単量体 (イ)、当該単量体(イ) と共重合可能なラジカル重合性単量体(ロ) 及スルフォコハク酸系界面活性剤(C)、アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤(D)を構成単位とするものである。以下各成分について説明する。
【0013】
アルコキシシリル基を有するラジカル重合性単量体 (イ)
アルコキシシリル基を有するラジカル重合性単量体 (イ)〔以下単量体(イ) という〕としては、種々の化合物が使用可能である。単量体(イ) におけるラジカル重合性基としては、エチレン性不飽和基が好ましく、より好ましくはビニル基及び(メタ)アクリロイル基である。アルコキシシリル基におけるアルコキシ単位として、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンタノキシ基及びヘキサノキシ基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数4以下のアルコキシ基が、反応性に優れるため好ましく、メトキシ基より安定性に優れ、ブトキシ基より反応性に優れることから、エトキシ基又はプロポキシ基がより好ましい。ケイ素原子と結合するアルコキシ基の数は1〜3の範囲であれば幾つでもよいが、硬化性に優れるため、2個又は3個が好ましい。単量体(イ) の具体例としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルメチルジプロポキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリプロポキシシラン及びγ−メタクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン等を挙げることができる。
【0014】
単量体(イ) と共重合可能なラジカル重合性単量体(ロ)
上記単量体(イ) と共重合可能なラジカル重合性単量体(ロ) 〔以下単量体(ロ)という〕としては、(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン及びα−メチルスチレン等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸nブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル及び(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキル、メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル及び(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキル、グリシジル(メタ)アクリレート、並びに(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
【0015】
これら単量体(ロ) の中でも、共重合性及び塗膜物性等に優れるため、(メタ)アクリル酸エステル及びスチレンが好ましく、より好ましくは、炭素数が1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル、炭素数が2〜3のアルキレン基を有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル及びグリシジル(メタ)アクリレートである。一方、アルコキシリル基との反応性又は加水分解促進性を有する(メタ)アクリル酸のような酸性単量体は使用しないことが好ましい。
【0016】
本発明において、単量体(イ) 及び単量体(ロ) の少なくともいずれか一方は、(メタ)アクリル系単量体である。
本発明において、硬化性水性分散体中のアクリルシリコン共重合体の割合は5〜70質量%が好ましく、より好ましくは15〜60質量%である。アクリルシリコン共重合体が5質量%以上で、1回塗布当たりの膜厚が十分で施工回数が少なく施工が容易で、また経済的であり、他方濃度が70質量%以下で、得られる塗膜の膜厚が厚くなりすぎず、白化等の問題を防止できる。
【0017】
コロイド状無機粒子(B)
本発明における(B)コロイド状無機粒子としては、コロイダルシリカが入手が容易で安価であり好ましい。コロイダルシリカは、ゾル−ゲル法で調整して使用することもでき、市販品を使用することもできる。コロイダルシリカは、二酸化ケイ素を基本単位とするシリカの水または水溶性溶媒の分散体であり、その平均粒子径は好ましくは5〜120nm、より好ましくは10〜80nmである。粒子径が5nm以上では塗液の貯蔵安定性が良く、120nm以下では耐水白化性が良い。上記範囲の粒子径のコロイダルシリカは、水性分散液の状態で、酸性、塩基性のいずれであっても用いることができ、混合する(A)硬化性水性分散体の安定領域に応じて、適宜選択することができる。水を分散体とする酸性のコロイダルシリカとしては、例えば市販品として日産化学工業(株)製スノーテックス(商標)−O、スノーテックス−OL、旭電化工業(株)製アデライト(商標)AT−20Q、クラリアントジャパン(株)製クレボゾール(商標)20H12、クレボゾール30CAL25などが利用できる。
【0018】
塩基性のコロイダルシリカとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミンの添加で安定化したシリカがあり、例えば日産化学工業(株)製スノーテックス−20、スノーテックス−30、スノーテックス−C、スノーテックス−C30、スノーテックス−CM40、スノーテックス−N、スノーテックス−N30、スノーテックス−K、スノーテックス−XL、スノーテックス−YL、スノーテックス−ZL、スノーテックスPS−M、スノーテックスPS−Lなど、旭電化工業(株)製アデライトAT−20、アデライトAT−30、アデライトAT−20N、アデライトAT−30N、アデライトAT−20A、アデライトAT−30A、アデライトAT−40、アデライトAT−50など、クラリアントジャパン(株)製クレボゾール30R9、クレボゾール30R50、クレボゾール50R50など、デュポン社製ルドックス(商標)HS−40、ルドックスHS−30、ルドックスLS、ルドックスSM−30などを挙げることができる。
【0019】
また、水溶性溶剤を分散媒体とするものとしては、例えば、日産化学工業(株)製MA−ST−M(粒子径が20〜25nmのメタノール分散タイプ)、IPA−ST(粒子径が10〜15nmのイソプロピルアルコール分散タイプ)、EG−ST(粒子径が10〜15nmのエチレングリコール分散タイプ)、EG−ST−ZL(粒子径が75〜100nmのエチレングリコール分散タイプ)、NPC−ST(粒子径が10〜15nmのエチレングリコールモノプロピルエーテル分散タイプ)などを挙げることができる。また、これらの一種またはニ種類以上を組み合わせても良い。少量成分として、アルミナ、アルミン酸ナトリウムなどを含んでいても良い。また、コロイダルシリカは、安定剤として無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニアなど)や有機塩基(テトラメチルアンモニウムなど)を含んでいても良い。
【0020】
また、(B)コロイド状無機粒子としては、シリカ以外のコロイド状粒子を与える無機化合物を使用してもよく、当該無機化合物の具体例としては、TiO、TiO、SrTiO、FeTiO、WO、SnO、Bi2O、In、ZnO、Fe、RuO、CdO、CdS、CdSe、GaP、GaAs、CdFeO、MoS、LaRhO、GaN、CdP、ZnS、ZnSe、ZnTe、Nb、ZrO、InP、GaAsP、InGaAlP、AlGaAs、PbS、InAs、PbSe、InSbなどの光触媒機能を有する半導体の他、Al、AlGa、As、Al(OH)、Sb、Si、Sn−In、Sb−In、MgF、CeF、CeO、3Al・2SiO、BeO、SiC、AlN、Fe、Co、Co−FeX、CrO、FeN、BaTiO、BaO−Al−SiO、Baフェライト、SmCO、YCO、CeCOPrCO、SmCO17、NdFe14B、Al、α−Si、SiN、CoO、Sb−SnO、Sb、MnO、MnB、Co、CoB、LiTaO、MgO、MgAl、BeAl、ZrSiO、ZnSb、PbTe、GeSi、FeSi、CrSi、CoSi、MnSi1.73、MgSi、β−B、BaC、BP、TiB、ZrB、HfB、RuSi、TiO(ルチル型)、TiO、PbTiO、AlTiO、ZnSiO、ZrSiO、2MgO−Al−5SiO、Nb、LiO−Al−4SiO、Mgフェライト、Niフェライト、Ni−Znフェライト、Liフェライト、Srフェライトなど挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用することができる。
【0021】
コロイド状無機粒子は有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子でも良い。有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子としては、特に限定されるものではないが、例えばエチレン性不飽和単量体、ラジカル重合性二重結合を有する加水分解性シランを、コロイダルシリカを乳化重合する方法により得られる粒子(例えば、特開昭59−71316号公報に開示)、エチレン性不飽和単量体、陰イオン性重合性単量体をコロイダルシリカの存在下乳化重合する方法により得られる粒子(例えば、特開昭59−217702号公報に開示)、無機粒子に水溶性高分子化合物を吸着させついでラジカル重合性モノマーの重合物で被覆する方法より得られる粒子(例えば、特開昭60−58237号公報に開示)、エチレン性不飽和単量体、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体をコロイダルシリカの存在下乳化重合する方法より得られる粒子(例えば、特開平6−199917号公報で開示)、コア/シェル構造を有し、コア中に有機高分子と有機高分子と共有結合していないシリカおよび/またはコロイダルシリカを配し、シェル中に有機高分子を配し、コア有機高分子/シェル有機高分子間に三次元架橋網目構造および/またはIPN構造を形成せしめることにより、コア中のシリカおよび/またはコロイダルシリカを共有結合によることなく物理化学的に粒子内に保持した粒子(例えば、特開平8−290912号公報に開示)、コロイダルシリカ、活性剤および水の存在下、エチレン性不飽和化合物を乳化重合する方法より得られる粒子(例えば、特開平11−1893号公報に開示)、カチオン性残基を介して、コロイド状シリカ粒子表面にビニル重合体が結合した粒子(例えば、特開平11−209622号公報に開示さ)、直接またはノニオン界面活性剤を介して無機または有機粒子表面にビニル重合体が結合した粒子(例えば、特開2000−290464号公報に開示)、無機または有機粒子表面にノニオン界面活性剤が集合または凝集して沈着しているコロイド状微粒子(例えば、特開2001−335721号公報に開示)などであることが好ましい。
【0022】
本発明において、(B)コロイド状無機粒子および/または有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子は、(a)アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対し、好ましくは0.1〜95質量部用いられ、より好ましくは0.1〜50質量部、さらに好ましくは0.5〜20質量部用いる。
スルフォコハク酸系界面活性剤(C)
本発明において、(C)スルフォコハク酸系界面活性剤は、下記式(1)で表されるスルフォコハク酸系化合物が挙げられる。
【0023】
【化1】
Figure 2004300211
【0024】
{式中、R,Rは同一でも、異なっていてもよく、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数6〜19アラルキル基等の炭化水素基、またはその一部が水酸基、カルボン酸基などで置換されたもの、もしくはポリオキシアルキレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数が2〜4、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)などのアルキレンオキサイド化合物を含む有機基またはアルカリ金属、アンモニウム、有機アミン塩基または有機第四級アンモニウム塩基であり、Mはアルカリ金属、アンモニウム、有機アミン塩基または有機第四級アンモニウム塩基を示す。}
【0025】
さらに詳しくは、上記式(1)で表される化合物のR,Rにおいて、Rおよび/またはRが下記式(2)、(3)、(4)で表される化合物が挙げられる。
【0026】
【化2】
Figure 2004300211
【0027】
【化3】
Figure 2004300211
【0028】
【化4】
Figure 2004300211
【0029】
{式(2)、(3)、(4)、のそれぞれにおいて、R21は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数6〜19アラルキル基等の炭化水素基、またはその一部が水酸基、カルボン酸基などで置換されたもの、もしくはポリオキシアルキレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数が2〜4、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)などのアルキレンオキサイド化合物を含む有機基であり、Aは炭素数2〜4個のアルキレン基または置換されたアルキレン基であり、nは0〜200の整数であり、R22は水素またはメチル基である。)}
【0030】
本発明において、一般式(1)〜(4)で表されるものとして、例えばスルフォコハク酸ジオクチルナトリウム{花王(株)製ペレックス(商標)OT−P、または三井サイテック(株)製エアロゾル(商標)OT−75など}、スルフォコハク酸ジヘキシルナトリウム{三井サイテック(株)製エアロゾル(商標)MA−80など}、三洋化成(株)製エレミノール(商標)JS−2,JS−5、花王(株)製ラテムル(商標)S−120,S−180,S−180A、三井サイテック(株)製エアロゾル(商標)TR−70、A−196−85、AY−100、IB−45、A−102,A−103、501などがある。
【0031】
本発明において、(C)スルフォコハク酸系界面活性剤は、(a)(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、より好ましくは、0.5〜10質量部、さらに好ましくは1.0〜5質量部用いる。この範囲で使用すると、耐水性良好な皮膜が形成される。
スルフォコハク酸系界面活性剤は、(メタ)アクリル酸共重合体を乳化重合する際に用いても良いし、(メタ)アクリル酸共重合体を他の界面活性剤を使用して乳化重合した後、コロイド状無機粒子や(b)加水分解性シラン化合物や(c)ブロックポリマーを配合する際に、用いても良い。
【0032】
コロイド状無機粒子または有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子と併せてこの範囲で使用すると、耐雨筋汚染性に優れた塗膜が形成される。
アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤(D)
本発明において、(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤であってアニオン性界面活性剤は下記式(5)、(6)で表される化合物が挙げられる。
【0033】
【化5】
Figure 2004300211
【0034】
【化6】
Figure 2004300211
【0035】
(上記式(5)、(6)中、R51は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20アルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜19のアラルキル基などの炭化水素基、またはその一部が水酸基、カルボン酸基などで置換されたもの、もしくはポリオキシエチレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)などのアルキレンオキサイド化合物を含む有機基である。Aは炭素数2〜4のアルキレン基または一部が置換されたアルキレン基であり、nは0〜200の整数であり、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウムである。)
【0036】
本発明において、(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤であって分子内にラジカル重合性二重結合を有するアニオン性界面活性剤は下記式(7)、(8)、(9)で表される化合物が挙げられる。
【0037】
【化7】
Figure 2004300211
【0038】
(式中、R71は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基またはアラルキル基であり、R72は水素、炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基、またはアラルキル基、R73は水素またはプロペニル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基または一部が置換されたアルキレン基であり、nは1〜200の整数、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウムである。)
【0039】
【化8】
Figure 2004300211
【0040】
(式中、R81は水素またはメチル基、R82は炭素数8〜24のアルキル基またはアシル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは0〜50の整数、mは0〜20の整数、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウムである。)
【0041】
【化9】
Figure 2004300211
【0042】
(式中、R91は炭素数8〜30のアルキル基、R92は水素またはメチル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基もしくは置換アルキレン基、nは0または1〜200の整数であり、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウムもしくはアルカノールアミン残基である。)
【0043】
上記式(7)で表されるアルキルフェノールエーテル系化合物として、例えば第一工業製薬(株)製アクアロン(商標)HS−10などがあり、上記式(8)で表される化合物として例えば、旭電化工業(株)製アデカリアソープ(商標)SE−1025A、SR−1025A、SR−10N、SR−20Nなどがあり、上記式(9)で表される化合物として例えば、第一工業製薬(株)製アクアロン(商標)KH−5、KH−10などが挙げられる。その他アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤であって分子内にラジカル重合性二重結合を有するアニオン性界面活性剤として例えば、日本乳化剤(株)製Antox(商標)−MS−60などがあり、花王(株)製ラテムルPD−101、PD−104などがあり、三洋化成(株)製エレミノール(商標)RS−30などがある。
【0044】
本発明において、(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤において、ノニオン性の界面活性剤は下記式(10)、(11)で示される化合物が挙げられる。
【0045】
【化10】
Figure 2004300211
【0046】
【化11】
Figure 2004300211
【0047】
(上記式(10)、(11)中、R101は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20アルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜19のアラルキル基などの炭化水素基、またはその一部が水酸基、カルボン酸基などで置換されたもの、もしくはポリオキシエチレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)などのアルキレンオキサイド化合物を含む有機基である。Aは炭素数2〜4のアルキレン基または一部が置換されたアルキレン基であり、nは0〜200の整数であり、R102は水素またはメチル基である。)
【0048】
本発明において、(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤であって分子内にラジカル重合性二重結合を有するノニオン性界面活性剤は下記式(12)、(13)、(14)で表される化合物が挙げられる。
【0049】
【化12】
Figure 2004300211
【0050】
(式中、R121は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基またはアラルキル基であり、R122は水素、炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基、またはアラルキル基、R123は水素またはプロペニル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基または一部が置換されたアルキレン基であり、nは1〜200の整数である。)
【0051】
【化13】
Figure 2004300211
【0052】
(式中、R131は水素またはメチル基、R132は炭素数8〜24のアルキル基またはアシル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは0〜100の整数、mは0〜50の整数である。)
【0053】
【化14】
Figure 2004300211
【0054】
(式中、R141は炭素数8〜30のアルキル基、R142は水素またはメチル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基もしくは置換アルキレン基、nは0または1〜200の整数である。)
上記式(12)で表される化合物として例えば、第一工業製薬(株)製アクアロン(商標)RN−10、RN−20、RN−30、RN−50などが挙げられる。上記式(13)で表される化合物として例えば、旭電化工業(株)製アデカリアソープ(商標)NE−20、NE−30、NE−40、ER−10、ER−20、ER−30、ER−40などが挙げられる。
【0055】
本発明において、(D)アルキレンオキサイド基を含有する界面活性剤は、(a)(メタ)アクリル系重合体水性分散体の製造安定性を高めるために必要である。使用量は特に限定されないが、塗膜の耐水性の兼ね合いから、(a)(メタ)アクリル系共重合体水性分散体の固形分100質量部に対し、0.1〜5質量%使用することができる。
【0056】
製造方法
本発明におけるアクリルシリコン共重合体は、上記単量体(イ) 、単量体(ロ) 及び界面活性剤(C)、(D) を水性媒体中でラジカル重合して得ることができる。ここで、各成分の使用割合としては、単量体(イ) 、単量体(ロ) の合計量〔以下(イ) (ロ) 合計量という〕を基準にして、単量体 (イ)が0.5〜49.5質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは3〜20質量%、単量体 (ロ)が99〜50質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは96〜75質量%、及び界面活性剤 (C)が0.5〜20質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜5質量%であり、界面活性剤(D)は0.1〜5質量%を使用できる。
【0057】
上記単量体(イ) の共重合割合が0.5質量%以上で、得られる硬化性水性分散体の硬化性が良く、その塗膜に白化を生じにくく、一方49.5質量%以下で貯蔵安定性が良い。単量体(ロ)の割合が50質量%以上で、得られる硬化性水性分散体の造膜性及び塗膜の基材に対する密着性等が良い。界面活性剤(C) の割合が、0.5質量%以上で雨筋汚染防止性が効果的に発現し、一方20質量%以下で塗膜の耐水性が良い。界面活性剤(D)の使用量は特に限定しないが、使用量0.5質量%以上で重合安定性が良く、5質量%以下で塗膜の耐水性が良い。製造安定性と耐水性良好な塗膜を得るためには使用量が少ないことが好ましい。
【0058】
単量体(イ) 、単量体(ロ) 及び界面活性剤(C)、(D) をラジカル重合する方法としては、種々の方法が採用され、油溶性重合開始剤を使用して油溶性の前記単量体の微粒子中で重合させるミクロ懸濁重合、乳化剤によるミセル中で水溶性重合開始剤による単量体を重合させる乳化重合等が採用できるが、単量体(イ)の重合安定性に優れるため、ミクロ懸濁重合を採用することが好ましい。
ミクロ懸濁重合においては、単量体の分散粒子中に油溶性ラジカル重合開始剤が含まれているため、重合は各単量体分散微細粒子内で起こるもので、乳化剤が形成するミセル内で水溶性開始剤により重合が起こる乳化重合法とは区別されるものである。
【0059】
ミクロ懸濁重合をするためには、先ず単量体(イ) 、単量体(ロ) 及び油溶性重合開始剤からなる混合物を、界面活性剤(C)、(D) により水性媒体中に、好ましくはpH緩衝剤を溶解させた水性媒体中に分散させる。この単量体等の水性媒体中への分散操作において、界面活性剤(C)、(D) は、単量体等に配合しても、pH緩衝剤と同様に事前に水性媒体中へ溶解させておいても良い。水性媒体中に分散させる単量体の割合は、単量体(イ) 及び単量体(ロ) の合計量100質量部当り、水性媒体20〜150質量部程度が適当である。
【0060】
ミクロ懸濁重合に使用される油溶性ラジカル重合開始剤は、20℃の水に対する溶解度が10質量%以下のものが好ましく使用される。例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4ジメチルバレロニトリル、1ーアゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル及びジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系開始剤、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシドジ−n−プロピルパーオキシジカルボネート及びt−ブチルパーオキシピバレート等の有機過酸化物が好適に用いられる。これら重合開始剤の量は、単量体の合計量に対して0.1〜10質量%が適当であり、好ましくは0.5〜5質量%の範囲に設定される。
【0061】
この場合、単量体(イ) におけるアルコキシシリル基の安定化のため、pH緩衝剤を配合することが好ましい。pH緩衝剤は、水性乳化分散体における水性媒体のpHを中性乃至弱アルカリ性領域、具体的にはpH6〜10に保持するために適した緩衝機能があるものが好ましく使用される。この種のpH緩衝剤としては、有機酸、無機酸、塩基及びこれらの塩等が挙げられる。無機酸としては、炭酸、燐酸、硫酸及びヒドロ硫酸等が挙げられる。有機酸としては、炭素数1〜6のオルガノ−、モノ又はポリカルボン酸、有機酸の塩としては、炭素数2〜30のアルキレンイミノポリカルボン酸のモノ又はポリアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアミン塩等が挙げられる。塩基としては、アンモニア、炭素数1〜30の有機塩基等が挙げられる。本発明では、無機酸の塩を使用することが好ましく、具体的には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、燐酸1、2又は3ナトリウム、燐酸1、2又は3カリウム、燐酸アンモニウムナトリウム、硫酸1又は2ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウム、酢酸カルシウム、ぎ酸ナトリウム、硫化1又は2ナトリウム、アンモニア、モノ、ジ又はトリエチルアミン、モノ、ジ又はトリエタノールアミン、(エチレンジニトリロ)4酢酸ナトリウム塩(E.D.T.A.ナトリウム)、ピリジン、アニリン及び珪酸ナトリウム等が挙げられ、少量の添加でpHが安定する炭酸水素ナトリウムを用いることが特に好ましい。pH緩衝剤は2種以上組み合わせて使用することもでき、例えば炭酸水素ナトリウムとリン酸一ナトリウムの併用により、pHを7.5の近傍に維持できる。pH緩衝剤の好適な使用量は、水に対して0.01〜5質量%の範囲である。pH緩衝剤の使用により、水性乳化分散体における水性媒体のpHは6〜10の範囲に制御され、アルコキシリル基を有するラジカル重合単量体(イ) 又は該単量体を一成分とする重合体におけるアルコキシシリル基の加水分解が抑制される。
【0062】
乳化分散の方法としては、通常の回転式ホモミキサーで十分に乳化分散させることができる。単量体(イ) 、単量体(ロ) 及び界面活性剤(C)、(D) からなる乳化分散体の粒子径としては、粒子径の小さい水性乳化分散体であることが好ましく、具体的には1μm以下が好ましく、より好ましくは0.2〜0.05μmである。この様な粒子径のエマルションとすることにより、重合後に得られる乳化分散体の粒子径を小さくすることができ、さらにこれから得られる塗膜が耐溶剤性及び耐水性に優れるものとなる。この様な粒子径にするためには、回転式ホモミキサーによる処理後に、高圧式乳化分散機(ホモジナイザー)、タービン型ミキサー、超音波式乳化分散機等、高度の剪断エネルギーを有する分散装置を用いて粒子径を微細化することが好ましい。
【0063】
上記操作により得られる単量体(イ) 及び単量体(ロ) 等からなるエマルション(以下「単量体エマルション」という)の重合操作は、単量体エマルションを撹拌下に加熱されている水性媒体中に連続的又は間欠的に供給する方法で行われる。単量体エマルションの供給方法としては、滴下ロートから徐々に滴下する手段を採ることが好ましい。この際、重合容器に仕込む水性媒体の好ましい量は、単量体エマルション100質量部当たり10〜50質量部の範囲である。重合温度は、用いる重合開始剤によって異なるが、通常40〜100℃程度であり、好ましくは70〜90℃である。
当該重合方法により、平均粒径が0.1μm 程度のアクリルシリコン共重合体粒子が安定に乳化分散した水性分散液が製造される。
【0064】
(b)加水分解性シラン化合物
本発明で使用する加水分解性シラン化合物は(以下単にシラン化合物ともいう)は、基材に対して吸水性及び撥水性を付与することができるものであれば種々のものが使用でき、モノマーでもオリゴマーでも使用可能である。オリゴマーは、シラン化合物の2量体以上の縮合物であり、好ましいオリゴマーは、2〜10量体である。10量体を超えるオリゴマーを使用する場合は、得られるエマルションの吸水防止性能が低下することがある。本発明においては、シラン化合物として、下記一般式(15)で示されるものを使用することが好ましい。
Si(R4−n (15)
ここで、式(15)において、R は加水分解を起こし難く、安定な疎水基であり、炭素数1〜30のアルキル基、置換アルキル基又はアリール基である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基及びエイコシル基等を挙げることができる。置換アルキル基としては、ハロゲン化アルキル基、芳香族置換アルキル基等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、上記アルキル基のフッ素化物、塩素化物及び臭素化物等があり、具体的には3−クロロプロピル基、6−クロロヘキシル基及び6,6,6−トリフルオロヘキシル基等を挙げることができる。芳香族置換アルキル基としては、ベンジル基、4−クロロベンジル基及び4−ブロモベンジル基等のハロゲン置換ベンジル基等を挙げることができる。アリール基としては、フェニル基、トリル基、メシチル基及びナフチル基等が挙げられる。R は、加水分解性の官能基であり、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロシキル基及びカルボキシル基である。アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、塩素原子又は臭素原子が好ましい。シラン化合物が複数個のR 又はR を持つ場合は、それぞれは同一であっても異なっていても良い。nは1又は2である。nが0のものは、得られる水性分散体の皮膜の撥水性及び防水性が十分でないという問題がある。
【0065】
シラン化合物の具体例としては、下記に示すシラン化合物又はこれらのオリゴマーが好適なものとして挙げることができる。
式(15)において、R がアルキル基、ハロゲン化アルキル基又は芳香族置換アルキル基で、R がアルコキシ基で、nが1のシラン化合物の例R がアルキル基の例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチル−トリ−n−プロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチル−トリ−n−プロポキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピル−トリ−n−プロポキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリイソプロポキシシラン、2−エチルヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン及びエイコシルトリメトキシシラン等が挙げられる。R がハロゲン化アルキル基の例としては、6−クロロヘキシルトリメトキシシラン及び6,6,6−トリフルオロヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。R が芳香族置換アルキル基の例としては、ベンジルトリメトキシシラン、4−クロロベンジルトリメトキシシラン、4−クロロベンジルトリエトキシシラン及び4−ブロモベンジルトリ−n−プロポキシシラン等が挙げられる。
【0066】
式(15)において、R がアルキル基で、R がハロゲン原子で、nが1のシラン化合物の例ドデシルトリクロロシラン、ドデシルトリブロモシラン等が挙げられる。
式(15)において、R がアリール基で、R がアルコキシ基で、nが1のシラン化合物の例フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
式(15)において、R がアルキル基で、R がアルコキシ基で、nが2のシラン化合物の例ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン及びジイソブチルジメトキシシラン等が挙げられる。
本発明では、式(15)において、R がアルキル基、R がアルコキシ基で、nが1のシラン化合物、即ちアルキルトリアルコシキシランを使用することが、保存安定性に優れ、粒子径の小さい分散体が得られるためより好ましい。
これらシラン化合物は、2種以上を併用することもできる。
【0067】
本発明で使用されるシラン化合物は、製造時の不純物であるシラノール基を持つ化合物や残留触媒等を含んでいるものであっても良い。
本発明において、硬化性水性分散体中のシラン化合物の濃度は5〜60質量%が好ましく、より好ましくは8〜45質量%である。シラン化合物の濃度が5質量%に満たない場合は、基材への浸透性が低下することがあり、濃度が60質量%を越えるとアクリルシリコン共重合体の硬化性が低下したり及び塗膜が形成され難くなる場合がある。
【0068】
シラン化合物の水性分散液
本発明の水性分散体の製造において、シラン化合物は、好ましくはシラン化合物の水性分散液として使用される。シラン化合物の水性分散液は、種々の方法により製造されたものが使用できる。
【0069】
シラン化合物の水性分散液においては、シラン化合物を水性エマルションないしはそれに近い状態にする目的で、乳化剤を配合する。当該乳化剤としては、ノニオン性、アニオン性及びカチオン性の何れのタイプのものも使用可能である。これらの中でもノニオン性乳化剤を使用した加水分解性シラン化合物の水性エマルションは乳化安定性が優れており好ましい。ノニオン性及びアニオン性乳化剤を使用する場合には、加水分解縮合反応が比較的早く発生し効力が低下してしまうので、調製後速やかに使用することが好ましい。ノニオン性乳化剤としては、HLB=4〜22のタイプのもの、又はそれらの混合物が好適に使用される。具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート及びポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等が挙げられる。その他の乳化剤のHLBとしては1.5〜22のものが好ましく、より好ましくは4〜15である。乳化剤は、シラン化合物に対して0.1〜50質量%に範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1〜20質量%である。乳化の種類及び濃度は、使用する加水分解性シラン化合物により変化するため、乳化剤を使用するに当たっては、実験的に検討し決定することが好ましい。これら乳化剤は、2種以上を併用する
こともできる。
【0070】
シラン化合物の水性分散液において、シラン化合物の割合は、1〜65質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜50質量%であり、分散媒の水は、35〜99質量%が好ましく、より好ましくは50〜95質量%である。シラン化合物の割合が1質量%に満たない場合は、得られる水性分散体が基材に対して吸水防止性及び撥水性等の所望の性能を発現し難くなることがあり、他方65質量%を越える場合には、シラン化合物の乳化が困難になったり、得られる水性分散体が不安定で分離し易くなることがある。
【0071】
シラン化合物の水性分散液は以下に開示された、例えば特定可能なpH範囲内で安定な加水分解性シランと、乳化剤とpH緩衝剤と水から得る(例えば、特開平1−292089)、加水分解性シランと乳化剤と水から得る(例えば、特開昭62−197369)等の方法で製造することができる。
当該分散液の分散粒子の粒子径としては、1μm以下が好ましく、より好ましくは0.5μm以下である。粒子径が1μmを越えるものは、得られる水性分散液が分離し易い不安定なものとなる場合がある。
【0072】
シラン化合物の水性分散液は、必要に応じて、他の乳化剤、保護コロイド剤等を通常の割合含有しても良い。又、水性分散液中の加水分解性シラン化合物の加水分解反応を抑制する目的で、pH緩衝剤を配合することが好ましい。pH緩衝剤としては、前記アクリルシリコン共重合体の製造方法の項で挙げたものと同様のものが使用可能であり、無機酸の塩を使用することが好ましく、少量の添加でpHが安定する炭酸水素ナトリウムを用いることが特に好ましい。緩衝剤の配合割合は、通常のシラン系水性分散体に添加されている割合でよく、具体的には水性分散液中に0.01〜5質量%が好ましい。この他にも、防黴剤、殺菌剤、フレグランス、着色剤、シックナー、発泡剤及び消泡剤等を吸水防止剤の性能を損わない程度添加することもできる。
又、これらシラン化合物の水性分散液は、市販のシリコーン系及びシラン系の撥水剤及び吸水防止剤が使用可能であり、具体的にはタイトシラン〔東洋インキ(株)〕やアクアプルーフ〔東亞合成(株)〕等が挙げられる。
【0073】
(c)ブロックポリマー
本発明の水性分散体を構成するブロックポリマーは、主鎖中にポリジメチルシロキサン単位と複数のアゾ基を有するラジカル重合開始剤の存在下に、ポリオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリル酸エステル〔以下(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキレンエステルという〕を主成分とする単量体をラジカル重合せしめたものである。当該ブロックポリマーとしては、GPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子量が4万〜10万であるものが好ましく、より好ましくは5万〜20万である。
(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキレンエステル
(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキレンエステルとしては、種々の化合物が使用可能であり、下記式(16)で表される化合物等が挙げられる。
CH =CR CO(OR OR (16)
式中、R は水素原子又はメチル基、R はアルキレン基及びR は炭化水素残基を示し、nは1〜30の整数を示す。
【0074】
式(16)において、R のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基及びブチレン基等が挙げられ、R の炭化水素残基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びフェニル基等が挙げられる。好適な(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキレンエステルとしては、下記式(17)で表されるアルコキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、下記式(18)で表されるフェノキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、下記式(19)で表されるアルコキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及び下記式(20)で表されるアルコキシポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アタクリレート等が挙げられる。
CH =CRCO(OCH CH OR’ ・・・(17)
(式中、Rは水素又はメチル基、R’は、メチル基、エチル基又はプロピル基、nは1〜30の整数である。)
CH =CRCO(OCHCH OPh ・・・(18)
(式中、Rは水素又はメチル基、nは1〜30の整数、Phは未置換または置換フェニルである。)
CH =CRCO(OCH CH(CH )) OR’ ・・・(19)
(式中、Rは水素又はメチル基、R’は、メチル基、エチル基又はプロピル基、nは1〜30の整数である。)
CH =CRCO(OCH CHCH CH OR’・・(20)
(式中、Rは水素又はメチル基、R’は、メチル基、エチル基又はプロピル基、nは1〜30の整数である。
これら単量体の割合は、全単量体中に50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上である。これらは1種類又は2種類以上を併用しても良い。
【0075】
その他単量体
本発明おいては、得られるブロックポリマーの溶解性、安定性、分散性、相溶性及び共架橋性を向上する目的で、上記必須成分の(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキレンエステルに加え、これと共重合可能なその他の単量体を使用することもできる。かかる量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリルs−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデシニル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸クロロエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル及び(メタ)アクリル酸ペンタフルオロプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)クリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸の末端水酸基ポリエチレンオキサイドマクロモノマー及びN−メチロール化(メタ)アクリルアミド等の水酸基を含有する不飽和単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル及びアリルグリシジルエーテル等のエポキシ基を含有する不飽和単量体;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸及びビニル酢酸等のカルボキシル基を含有する不飽和単量体;(メタ)アクリル酸アミノエチル等のアミノ基を含有する不飽和単量体;γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン及びトリエトキシビニルシラン等のアルコキシシリル基を含有する不飽和単量体等が例示される。これらその他単量体の中でも、アクリルシリコン共重合体との相溶性及び共架橋性に優れる点から、水酸基又はアルコキシシリル基を含有する不飽和単量体が好ましい。
【0076】
その他、これら以外にも必要に応じて、エチレン、プロピレン及びイソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル及び塩化ビニリデン等のクロロエチレン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ヴェオバ−9(シェル化学製)、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニル及びラウリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド類、並びにスチレン及びα−メチルスチレン等のスチレン類等を共重合してもよい。その他の単量体の割合は、全単量体の50モル%以下が好ましく、より好ましくは30モル%以下である。
【0077】
ブロックポリマーの製造方法
本発明のブロックポリマーは、主鎖中にポリジメチルシロキサン単位と複数のアゾ基を有するラジカル重合開始剤の存在下に、前記(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキレンエステル又はこれと共重合体可能なその他単量体との混合物をラジカル重合させることにより得られるものである。これにより、ポリオキシアルキレン骨格とポリジメチルシロキサン骨格を有するブロックポリマーを製造することができる。当該重合開始剤としては、数平均分子量が5千〜15万であるものが好ましく、より好ましくは2万〜10万である。ポリシロキサン部分の数平均分子量としては、3千〜1万5千であるものが好ましい。当該重合開始剤としては、ポリメリックアゾ化合物が好ましい。
【0078】
ポリメリックアゾ化合物は、例えば和光純薬工業(株)より市販されており、ポリジメチルシロキサン部分の分子量が5千、1万のものが知られている。
本発明における重合開始剤の使用割合は、(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキレンエステル又はこれとその他の単量体の合計量100質量部に対して、1〜10質量部が好ましい。
【0079】
前記ラジカル重合は通常の方法が使用でき、即ち、塊状重合、有機溶剤中での溶液重合及び水中での乳化重合などが採用可能である。溶液重合における溶媒としては、テトラヒドロフラン及びジオキサン等の環状エーテル類;n−ヘキサン、シクロヘキサン、ミネラルスピリット、工業用ガソリン4号揮発油、同3号揮発油、灯油及びテレビン油等等の脂肪族炭化水素類;トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素化合物;酢酸エチル及び酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール及びn−ブチルセロソルブ等のアルコール類等の有機溶媒が例示さられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、得られるブロックポリマーの溶解性に優れるという理由で、環状エーテル類、エステル類、ケトン類及びアルコール類が好ましい。有機溶剤の使用量は、全単量体100質量部に対し20〜200質量部であることが好ましい。乳化重合においては、高級アルコール硫酸エステルナトリウム塩及びポリエチレングリコールエーテル等の乳化剤の存在下もしくは乳化剤の不在化で、水性媒体中で重合することができる。乳化剤を使用する場合、全単量体100部に対し0.01〜50部が好ましい。重合終了後、ブロックポリマーを単離精製し、有機溶剤に再溶解、又は水に懸濁して使用しても良い。
【0080】
重合条件としては、使用する単量体及び適用する重合方法等により適宜設定すれば良く、好ましくは重合温度20〜100℃、重合圧力1〜200kg/cm 、重合時間3〜40時間である。
本発明におけるブロックポリマーは、アクリルシリコン共重合体100質量部に対し0.1〜30質量部含有することが必要である。この割合が0.1質量部未満では耐汚染性の改良が不十分なことがあり、一方、30質量部を越えると、塗膜の耐候性が低下し易い。
【0081】
硬化性水性分散体の製造方法
本発明のエマルションは、アクリルシリコン共重合体、シラン化合物、ブロックポリマー、およびコロイド状無機粒子または有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子を、水性媒体中で常法に従い混合することにより製造することができる。
【0082】
当該製造方法は、種々の方法が採用でき、具体的には、アクリルシリコン共重合体の水性分散液とシラン化合物の水性分散液とを混合し、次いでブロックポリマーを添加混合する方法、又はシラン化合物の水性分散液とブロックポリマーとを混合し、次いでアクリルシリコン共重合体の水性分散液を混合する方法等が挙げられる。コロイド状無機粒子または有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子は、アクリルシリコン共重合体の水性分散液とシラン化合物の水性分散液とを混合し、次いでブロックポリマーを添加し更にコロイド状無機粒子または有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子を添加混合する方法、又はシラン化合物の水性分散液とブロックポリマーとを混合し、次いでアクリルシリコン共重合体の水性分散液を混合した後、コロイド状無機粒子または有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子を添加混合する方法等が挙げられる。
【0083】
本発明において、ブロックポリマーは、そのまま配合することもできるが、塗料添加剤のひとつである造膜助剤中にブロックポリマーを予め溶解させた溶液を使用することもでき、又ブロックポリマーを界面活性剤の存在下又は非存在下に乳化分散してものも使用できる。
【0084】
本発明では、水性分散体に造膜助剤を配合することが好ましい。造膜助剤は通常水性塗料で用いられているものが使用でき、例えば、炭素数5〜10の直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族アルコール類、芳香族基を含有するアルコール類;一般式HO−(CH CHXO) −R10(R10:炭素数1〜10の直鎖又は分岐状のアルキル基、X:水素又はメチル基、n≦5の整数)で示される(ポリ)エチレングリコール又は(ポリ)プロピレングリコール等のモノエーテル類;一般式R11COO−(CH CHXO)−R12(R11、R12:炭素数1〜10の直鎖又は分岐状のアルキル基、X:水素又はメチル基、n≦5の整数)で示される(ポリ)エチレングリコールエーテルエステル又は(ポリ)プロピレングリコールエーテルエステル類;トルエン及びキシレン等の芳香族系有機溶剤、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールのモノ又はジイソブチレート、3−メトキシブタノール、3−メチキシブタノールアセテート、3−メチル−3−メトキシブタノール及び3−メチル−3−メトキシブタノールアセテート等が挙げられる。
【0085】
該水性分散体は、実施例において具体的に説明するとおり、温度60℃で1ケ月間放置しても安定なエマルション状態を維持し、しかも良好な自己硬化性能と浸透性を有し、塗膜物性としての耐汚染性に優れている。
本発明の水性分散体は、単量体(イ) に由来するアルコキシシリルシリル基の加水分解によって生じるシラノール基が主体となって起こる縮合反応により硬化するが、必要に応じて硬化触媒を配合することもできる。硬化触媒として、例えばイソプロピルトリイソステアロイルチタネート及びイソプロピルトリ(ジオクチルピロホスフェート)チタネート等の有機チタネート化合物、ジオクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレート及びジブチル錫マレート等の有機錫化合物、並びにパラトルエンスルフォン酸等の有機酸触媒を挙げることができる。又、前記硬化触媒とともに、本発明の水性分散体の使用に際し、適当量の無機酸を加え、水性分散体のpHを3〜5程度の酸性域に調整すれば、一層架橋性が改善された被膜を作製することが可能となる。又、これらの触媒や酸の添加は、エマルションを構成するシラン化合物の基材との反応を促進させる。
【0086】
本発明の水性分散体には、必要に応じて顔料、消泡剤、増粘剤、防黴剤、防腐剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、スリップ剤、たれ防止剤、色別れ防止剤、酸化防止剤及び熱安定剤等の通常水性塗料で使用される添加剤を配合しても良い。又、顔料を分散させる場合には、顔料分散剤を添加しても良い。これらは前記ポリオルガノシロキサンブロックポリマーを配合する前、アクリルシリコン共重合体の水性分散液、シラン化合物の水性分散液又はアクリルシリコン共重合体及びシラン化合物の水性分散液に予め配合しておくこともできる。
【0087】
本発明の水性分散体は被覆剤として好適であり、適用できる基材としては、石材、セメントコンクリート、セメントモルタル、ガラス、スレート、金属、木材及びプラスチック等が挙げられ、特に、石材、セメントコンクリート及びセメントモルタル等の多孔質無機材料に好ましく適用できる。又、その用途としては、建材用の塗料、耐酸性雨用塗料、防汚性塗料及び無機建材用溌水剤の他に、繊維用の硬化仕上げ剤、溌水剤及びシーリング剤等が挙げられ、特に建築用塗料として好ましく使用することができる。
【0088】
本発明の水性分散体の塗装は、水性塗料で通常行われている方法に従えば良く、例えばスプレー塗装、はけ塗り、ロール等によって塗装することができる。この場合、塗料の膜厚としては、目的に応じて選択すれば良いが、下地保護性、乾燥性のバランスの点から10〜50μmであることが好ましい。
【0089】
本発明の硬化性水性分散体により得られる塗膜の耐雨筋汚染性、耐汚染性、耐水性、耐水白化性および耐溶剤性が優れる理由は不明であるが、次のことが推察される。即ち、本発明の水性分散体において、構成成分のブロックポリマーは、そのポリオルガノシロキサンセグメントの界面張力の低さにより、ポリオルガノシロキサンブロックポリマーを塗膜表面に局在化させ、親水性のポリオキシアルキレンセグメントが塗膜表面に配列し、その結果塗膜表面を親水化できるため、更にコロイド状無機粒子または有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子とスルフォコハク酸系界面活性剤の組み合わせで、塗膜に対する水の接触角が低下して親水化できるため、雨水等により汚染物質が流れ落とされ易くなるためであると推定される。特に、本発明で使用するアクリルシリコン共重合体として、単量体(a) 、単量体(b) 及び界面活性剤(D) から構成されるものを使用した場合は、単量体(a) とポリオキシアルキレン基を有する界面活性剤(D) を含む重合体であることにより、界面活性剤(D) が重合時に単に乳化剤として機能するばかりでなく、単量体(a) の共重合体中のアルコキシシリル基と近接し、界面活性剤(D) のポリオキシアルキレン基が共重合体中のアルコキシシリル基を効果的に保護できるため、最終的に得られる硬化性水性分散体の保存安定性が向上する。
【0090】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明する。尚、各例において部および%は、質量部および質量%を示す。また、得られた硬化性水性被覆組成物の物性については、該硬化性水性被覆組成物を用いて以下に示す試験方法に従って試験を実施した。
(1)安定性
得られた水性分散体を密封容器に入れて1ケ月間60℃の温度に保持した後、アクリルシリコン共重合体又はシラン化合物のアルコキシ基が分解して生成したアルコール量をガスクロマトグラフィーにより分析した。仕込み単量体(a) 及びシラン化合物のアルコキシ基が全て加水分解したと仮定した場合のアルコール量に対する前記アルコールの割合を計算した〔加水分解割合(質量%)〕。
【0091】
(2)クリアーフィルムの水接触角
下記配合のクリアー塗料配合物をガラス板上に、乾燥膜厚10
0g/mとなるようにワイヤーコーターで塗布し、室温にて4週間乾燥させて試験体を得た。試験体の水接触角を、協和界面科学(株)製CA−X150型接触角測定器にて測定した。
Figure 2004300211
【0092】
(3)耐水性
スレート板に、得られた水性分散体を150g/m塗布し、7日間乾燥して試験体Aを作成した。試験体Aを、7日間20℃の水中に浸漬した後、白化の有無を確認し、水中浸漬前後の光沢変化を測定して、次の三段階で評価した。
○;光沢保持率100〜80%
△; 80〜40%
×; 40〜 0%
【0093】
(4)浸透深さ
モルタル板に、得られた水性分散体を150g/m塗布し、14日間乾燥養生した後、割裂し、断面に水を噴霧して、撥水部分の深さを測定して、浸透深さとした。
【0094】
(5)吸水防止性
モルタル板に、得られた水性分散体を150g/m塗布し、7日間乾燥養生した。当該試験体の側面と水性分散体を塗布していない面をエポキシ樹脂で硬化させてシール処理した後に質量測定した。当該試験体の塗布面を下にして20℃の水中に半没させ、7日後に取り出して質量測定し、浸漬前後の質量増加を浸漬前の質量で除し100を乗じて吸水率として測定した。
【0095】
(6)雨筋汚染防止性
図1に示したアルマイト板上に、各実施例、比較例の水性分散体を、下記の配合により塗料化したものを、乾燥膜厚100g/mとなるようにワイヤーコーターで塗布し、室温にて4週間乾燥させて試験体を得た。この試験体を川崎市工業地帯において、地面に塗膜面が垂直、かつ北方向になるように固定し、3ケ月間屋外暴露試験を行った。試験後の雨筋汚染状態を目視判定した。
【0096】
塗料化配合
顔料ディスパージョンの作製
Pig.Disperser MD20
(商品名、BASFジャパン(株)製) 5.35部
アンモニア水 0.50部
プロピレングリコール 23.50部
水 147.50部
タイペークCR−97
(商品名、石原産業(株)製) 333.50部
BYK−028
(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製)2.85部
上記配合物を卓上サンドミルにて20分分散させ、顔料ディスパージョンを得た。
【0097】
Figure 2004300211
【0098】
雨筋汚染防止性の判定
◎;雨筋が全く見られない。
○;全体が汚れているが、雨筋は見られない。
△;全体の汚れ、やや雨筋が見られる。
×;雨筋が著しく見られる。
【0099】
(8)耐白化性
耐水性試験と同様の試験体Aの塗膜を、7日間40℃の温水に浸漬した後、塗布面の白化の有無を確認し、水中浸漬後の白化面積を測定して、次の6段階で評価した。
0;スレート塗布面に白化が無し
1;スレート塗布面の白化面積が20%未満
2;スレート塗布面の白化面積が20〜40%
3;スレート塗布面の白化面積が40〜60%
4;スレート塗布面の白化面積が60〜80%
5;スレート塗布面の白化面積が80%以上
【0100】
[製造例1]
(アクリルシリコン共重合体の水性分散液の製造1)
・予備エマルションの合成
単量体(a) 、単量体(b) 、界面活性剤(C) 、(D)、油溶性ラジカル重合開始剤及び水性媒体を表1に示す配合量で混合し、TKホモミキサー(特殊機化工業製)で混合したのち、さらに超音波ホモジナイザー(セントラル科学貿易)で乳化分散処理を施し、pH8.5の単量体エマルションを調製した。
【0101】
【表1】
Figure 2004300211
【0102】
・重合反応
撹拌機、温度計及び冷却器を備えたフラスコに水性媒体として脱イオン水40部を仕込み、液温を85℃に昇温したのち、水性媒体を高速で撹拌しながら上記の単量体エマルションを2時間かけて滴下した。滴下終了後、85℃の温度に2時間保持して共重合させ、ついで室温まで冷却した。重合中、フラスコ内壁に凝集物が僅かに付着したが、液分離及びブロッキングは起こらず、重合は安定に行われた。この重合操作後に脱イオン水を加えて、樹脂固形分が40質量%、重合体粒子の平均粒径が0.11μmで、pHが8.5のアクリルシリコン共重合体の水性分散液1を得た。
【0103】
[製造例2]
(アクリルシリコン共重合体の水性分散液の製造2)
配合量を表2に変えた以外は製造例1と同じ方法でアクリルシリコン共重合体の水性分散液2を得た。重合中の安定性は製造例1と同様に重合は安定に行われた。
【0104】
【表2】
Figure 2004300211
【0105】
[製造例3]
(アクリルシリコン共重合体の水性分散液の製造3)
配合量を表3に変えた以外は製造例1と同じ方法でアクリルシリコン共重合体の水性分散液3を得た。
【0106】
【表3】
Figure 2004300211
【0107】
[製造例4]
(アクリルシリコン共重合体の水性分散液の製造4)
配合量を表4に変えた以外は製造例1と同じ方法でアクリルシリコン共重合体の水性分散液4を得た。重合中、フラスコ内壁に凝集物が多量に付着し、更に水性分散液4を110メッシュのスクリーンでろ過したところ、多量の重合残渣が確認され、重合性が非常に不安定なことから塗膜の性能評価に至らなかった。
【0108】
【表4】
Figure 2004300211
【0109】
[製造例5]
(シラン化合物の水性分散液の製造)
ヘキシルトリエトキシシラン200gと乳化剤であるHLB=15のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル8gとを混合し、当該混合物を、pH緩衝剤の炭酸水素ナトリウム(水性分散液における含有量が0.1%となる量)を含む脱イオン水292gに添加し、高速撹拌した。得られたシラン化合物の水性分散液は、シラン化合物の濃度が40%で、平均粒径は0.3μmであった。
【0110】
[製造例6]
(ブロックポリマー合成)
撹拌機、窒素導入管、温度計、滴下ロートの付いた四つ口フラスコに、溶剤として酢酸エチルを300部、(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキレンエステルとしてメトキシポリオキシエチレングリコール(n=23)メタクリレート〔新中村化学(株)製M230G〕を150部仕込み、フラスコを充分窒素置換した後、70℃まで昇温した。滴下ロートより前記式(21)で示されるポリメリックアゾ化合物〔和光純薬工業(株)製VPS0501、数平均分子量40000、ポリシロキサンの分子量5000、UVスペクトルの紫外吸収で定量したアゾ含量6.2%〕5部を酢酸エチル50部に溶解した開始剤溶液を1時間掛けて滴下した。更に70℃で7時間重合反応を行い、内容物をナフサNo6〔エクソン化学(株)製〕/アセトン=90/10(質量比)の混合溶媒に沈澱させ、ブロックポリマー148部を得た。得られたブロックポリマーの数平均分子量は75000であった。得られたブロックポリマー100部を3−メチル−3−メトキシブチルアセテート〔(株)クラレ製ソルフィットアセテート〕200部に溶解し、固形分33%のブロックポリマーの溶液を得た。
【0111】
[実施例1]
製造例1で得られたアクリルシリコン共重合体の水性分散液50部とシラン化合物の水性分散液50部とを(混合後の水性分散液中のアクリルシリコン共重合体及びシラン化合物の濃度はいずれも20%)混合した(混合液A)。混合液Aの100部に、合成例6で得られたブロックポリマー溶液の9部(アクリルシリコン共重合体100部に対してブロックポリマーが15部となる割合)添加し、攪拌混合して硬化性水性分散体を得た。得られたエマルションにスノーテックス30を7部配合して硬化性水性被覆組成物とした。該組成物を先に示した方法に従い評価した。それらの結果を表5に示す。
【0112】
[実施例2]
製造例2のアクリルシリコン共重合体の水性分散液を使用する以外は、実施例1と同様に配合して硬化性水性被覆組成物を得た。該組成物を実施例1と同様に評価を行い、結果を表5に示す。
【0113】
[実施例3]
製造例3で得られたアクリルシリコン共重合体の水性分散液50部とシラン化合物の水性分散液50部とを(混合後の水性分散液中のアクリルシリコン共重合体及びシラン化合物の濃度はいずれも20%)混合した(混合液A)。混合液Aの100部に、エアロゾールOT−75(75%水溶液)を0.4部(アクリルシリコン共重合体100部に対してエアロゾールOT−75が1.5部となる割合)、合成例6で得られたブロックポリマー溶液の9部(アクリルシリコン共重合体100部に対してブロックポリマーが15部となる割合)添加し、攪拌混合して硬化性水性分散体を得た。得られた水性分散体にスノーテックス30を7部配合して硬化性水性被覆組成物とした。該組成物を先に示した方法に従い評価した。それらの結果を表5に示す。
【0114】
【表5】
Figure 2004300211
【0115】
[比較例1]
製造例3で得られたアクリルシリコン共重合体の水性分散液50部とシラン化合物の水性分散液50部とを(混合後の水性分散液中のアクリルシリコン共重合体及びシラン化合物の濃度はいずれも20%)混合した(混合液A)。混合液Aの100部に、合成例6で得られたブロックポリマー溶液の9部(アクリルシリコン共重合体100部に対してブロックポリマーが15部となる割合)添加し、攪拌混合して硬化性水性分散体を得た。該エマルジョンを実施例1と同様に評価した。それらの結果を表6に示す。
【0116】
[比較例2]
比較例1の硬化性水性分散体にスノーテックス30部を配合して、実施例1と同様に評価を行った結果を表6に示す。
【0117】
【表6】
Figure 2004300211
【0118】
【発明の効果】
本発明の硬化性水性被覆組成物は、水系のものであるため、安全性に優れ、環境への問題がなく、又保存安定性に優れ、1工程で基材に塗装することが可能となる。更に本発明の被覆組成物により形成される塗膜は、一般的な汚染防止はもとより特に雨筋状汚染を低減でき、また耐水性に優れる等の高品質の塗膜物性を有するものである。従って、本発明の硬化性水性被覆組成物は、各種コーティング剤の用途に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例で用いた屋外曝露板の形状の概略図である。

Claims (4)

  1. (a)アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系共重合体、(b)加水分解性シラン化合物、及び(c)主鎖中にポリジメチルシロキサン単位と複数のアゾ基を有するラジカル重合開始剤の存在下に、ポリオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする単量体をラジカル重合せしめたブロックポリマーが水性媒体中に分散してなる耐汚染性に優れる硬化性水性分散体(A)であって、該(A)硬化性水性分散体および、(C)スルフォコハク酸系界面活性剤を含むことを特徴とする硬化性水性被覆組成物。
  2. 請求項1において、耐汚染性に優れる硬化性水性分散体(A)および(C)スルフォコハク酸系界面活性剤を含み、さらに(B)コロイド状無機粒子を含むことを特徴とする硬化性水性被覆組成物。
  3. (a)成分が、(C)スルフォコハク酸系界面活性剤および(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤を用いて重合させて得られた、重合体である請求項1の硬化性水性被覆組成物。
  4. (a)成分が、それを形成する単量体及び油溶性ラジカル重合開始剤を(C)スルフォコハク酸系界面活性剤を含む界面活性剤で乳化し、得られた乳化分散体を加熱された水性媒体中に滴下することにより前記単量体を重合させて得られた重合体である請求項2記載の硬化性水性被覆組成物。
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