JP4899078B2 - エマルジョン塗料組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗装時に排出される有機溶剤、他が喚起する環境汚染の緩和に考慮しつつ、塗料としての諸性能を満足すべく設計されたエマルジョン塗料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば、地球温暖化やオゾン層の破壊など、地球規模での環境汚染が深刻な問題、課題として取り上げられることが多くなっている。
【0003】
塗料や塗装の世界でも、これらの課題を解決すべく、鋭意検討開発が進められている。すなわち、塗料の無溶剤化(粉体塗料、反応性塗料)、ハイソリッド化および水系化等がこれに当たる。
【0004】
一方で、塗料に要求される機能は、意匠性(美観の向上)や被塗物の保護などであるが、現在の開発状況は必ずしも満足できるものではない。すなわち、塗料を無溶剤化した場合には、塗膜形成時に高温での焼き付けや光照射を必要とし塗装作業性が悪くなり、ハイソリッド化した場合には、展色剤の大きい分子量ダウンを伴い、密着性や耐水性など基本的性能を主とした塗膜性能が悪化する。また、水系塗料は、ヨーロッパなどの低湿度地域と異なり、特に日本などの高湿度地域では塗膜のべたつき、耐久性不足が懸念となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、密着性、耐水性および耐候性に優れ、かつ塗料としての高外観性を達成し得る、特にマグネシウム合金、ポリフェニレンスルフィド(PPS)などの難接着性金属、プラスチック類用塗料として好適な塗料用組成物を提供することにある。
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は次の構成からなる。すなわち、本発明は、ゲル分率が50%以上の有機ポリマー(A)の存在下に、水酸基含有不飽和単量体(x−1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)およびエポキシ基含有不飽和単量体(x−3)から選ばれる少なくとも2種を含むラジカル重合性不飽和単量体(X)とその他の不飽和単量体(Y)を乳化重合してなるアクリル系エマルジョン(B)を含むエマルジョン塗料組成物であって、有機ポリマー(A)が、特定のカルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)、エポキシ基含有不飽和単量体(x−3)およびその他の不飽和単量体(Y)を乳化重合してなる、粒子径が200nm以下のアクリル系ポリマー微粒子(A−1)であり、アクリル系エマルジョン(B)を製造する際、水酸基含有不飽和単量体(x−1)は、乳化重合に供される不飽和単量体中の2〜25重量%となるように共重合し、エポキシ基含有不飽和単量体(x−3)は、乳化重合に供される不飽和単量体中の2〜30重量%となるように共重合するエマルジョン塗料組成物である。
【0007】
本発明のエマルジョン塗料組成物は、ゲル分率が50%以上の有機ポリマー(A)の存在下に、水酸基含有不飽和単量体(x−1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)およびエポキシ基含有不飽和単量体(x−3)から選ばれる少なくとも2種を含むラジカル重合性不飽和単量体(X)とその他の不飽和単量体(Y)を乳化重合してなるアクリル系エマルジョン(B)を含むエマルジョン塗料組成物であって、有機ポリマー(A)が、特定のカルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)、エポキシ基含有不飽和単量体(x−3)およびその他の不飽和単量体(Y)を乳化重合してなる、粒子径が200nm以下のアクリル系ポリマー微粒子(A−1)であり、アクリル系エマルジョン(B)を製造する際、水酸基含有不飽和単量体(x−1)は、乳化重合に供される不飽和単量体中の2〜25重量%となるように共重合し、エポキシ基含有不飽和単量体(x−3)は、乳化重合に供される不飽和単量体中の2〜30重量%となるように共重合するするエマルジョン塗料組成物である。
【0008】
ゲル分率が50%以上の有機ポリマー(A)は、後述の式1で求められるゲル分率が50%以上であり、特定の組成からなるアクリル系ポリマー微粒子(A−1)である。ゲル分率が50%未満の場合には、塗料の架橋性が低下し、塗膜の耐薬品性と耐溶剤性が悪くなる。
【0009】
ここに、ゲル分率は、以下のようにして求めることができる。すなわち、有機ポリマー(A)を、塊状の場合には微粉になるよう粉砕し、溶液状または懸濁状の場合には薄く延べ広げて、40℃、100〜7000Paの真空度で48時間真空乾燥する。
【0010】
真空乾燥された有機ポリマー(A)のPgを、アセトンとメチルアルコールの混合溶剤(=50/50容量%)を抽出溶剤として使用し、ソックスレー抽出器で、還流下に3時間、抽出試験を行なう。未抽出ポリマーを回収し、前記と同じ条件で真空乾燥する。このものの重量を測定する(Qg)。次式(1)にしたがい、ゲル分率(%)を算出する。
ゲル分率(%)=[未抽出ポリマーの重量(Qg)/ソックスレー抽出試験前のポリマー重量(Pg)]×100 (式1)
本発明で用いられる有機ポリマー(A)としては、アクリルポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーンポリマーおよびフッ素樹脂などを例示することができる。有機ポリマー(A)は、単独でも、2種類以上の混合物であってもよい。これらのなかで、アクリルポリマー、シリコーンで変性されたアクリルポリマー、シリコーンポリマーが好適に使用でき、塗膜外観、密着性、塗料の貯蔵安定性および耐薬品性などが向上する。
【0011】
ゲル分率が50%以上の有機ポリマー(A)は、下記構造式Iで示されるカルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)、エポキシ基含有不飽和単量体(x−3)およびその他の不飽和単量体(Y)を乳化重合してなる、粒子径が200nm以下のアクリル系ポリマー微粒子(A−1)であり、これを用いることで、塗料の貯蔵安定性、塗膜硬度、耐薬品性、耐溶剤性および耐候性が向上する。
【0012】
【化5】
Figure 0004899078
【0013】
アクリル系ポリマー微粒子(A−1)は、上記構造式Iで示されるカルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)、エポキシ基含有不飽和単量体(x−3)およびその他の不飽和単量体(Y)を乳化共重合することによって製造することができる。
【0014】
上記構造式Iで表されるカルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)としては、β−カルボキシエチルアクリレート、β−カルボキシエチルメタクリレートなどを例示することができる。構造式Iで表されるカルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)は、単独であっても、もしくは2種類以上の混合物であってもよい。構造式Iで表されるカルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)を、有機ポリマー(A)の酸価が0.5〜50mgKOH、好ましくは1〜40mgKOHとなるように共重合させることが望ましい。酸価が0.5mgKOH未満の場合には、有機ポリマー(A)に十分な架橋度を付与することができず、耐薬品性、耐溶剤性などが悪くなる場合がある。また、酸価が50mgKOHを超える場合には、塗料の貯蔵安定性、成膜性がやや悪化する傾向にある。
【0015】
上記構造式IIで表されるカルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)としては、2−アクリロイルエチルこはく酸、2−メタクリロイルエチルこはく酸などが例示できる。構造式IIで表されるカルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)は、単独であっても、もしくは2種類以上の混合物であってもよい。構造式IIで表されるカルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)は、有機ポリマー(A)の酸価が0.5〜50mgKOH、好ましくは1〜40mgKOHとなるように共重合させることが望ましい。酸価が0.5mgKOH未満の場合には、有機ポリマー(A)に十分な架橋度を付与することができず、耐薬品性、耐溶剤性などが悪くなる場合がある。また、酸価が50mgKOHを超える場合には、塗料の貯蔵安定性、成膜性がやや悪化する傾向にある。
【0016】
本発明で用いられるエポキシ基含有不飽和単量体(x−3)としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルアクリレート、メチルグリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートなどの分子中にエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物を例示することができる。エポキシ基含有不飽和単量体(x−3)は、単独でも、もしくは2種類以上の混合物であってもよい。
【0017】
エポキシ基含有不飽和単量体(x−3)は、前記構造式Iで表されるカルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)に対し、0.2〜10.0モル倍共重合されることが望ましい。エポキシ基含有不飽和単量体(x−3)の共重合モル数が構造式Iで表されるカルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)に対し0.2倍未満の場合には、塗料の架橋性が十分でなく、耐薬品性、耐溶剤性が悪化する傾向にある。さらに、アクリル系エマルジョン(B)を製造する際、アクリル系エマルジョン(B)を構成する不飽和単量体と反応することができず、ポリマーの均一化が図れないため塗膜外観、強度がやや悪化することがある。また、エポキシ基含有不飽和単量体(x−3)の共重合モル数が構造式Iで表されるカルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)に対し10.0倍を超える場合には、塗膜の耐候性がやや低下する傾向にある。
【0018】
本発明で用いられるその他の不飽和単量体(Y)としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ターシャリーブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリシクロデシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ターシャリーブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリシクロデシル、メタクリル酸イソボルニルなどの(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノアクリレート、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレートなどの水酸基含有不飽和単量体(x−1)、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルアクリレート、メチルグリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートなどの分子中にエポキシ基と不飽和二重結合を有するエポキシ基含有不飽和単量体(x−3)、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、4−メタアクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの3級アミノ基含有不飽和単量体(y−1)、アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどのアミド化合物(y−2)、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランなどの反応性珪素原子含有不飽和単量体、2−(2´−ヒドロキシ−5´−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、4−メタアクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの分子中に紫外線吸収性基、ヒンダードアミン系光安定性基を有する不飽和単量体、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル化合物、等を例示することができる。その他の不飽和単量体(Y)は、単独でも、もしくは2種類以上の混合物であってもよい。
【0019】
その他の不飽和単量体(Y)のなかで、塗膜の耐候性を向上するため2−(2´−ヒドロキシ−5´−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、4−メタアクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの分子中に紫外線吸収性基、ヒンダードアミン系光安定性基を有する不飽和単量体が極めて好適に使用される。紫外線吸収性基、ヒンダードアミン系光安定性基を有する不飽和単量体は、アクリル系エマルジョン(B)中に0.02〜30重量%、好ましくは0.2〜20重量%となるようにに共重合されることが望ましい。共重合量が0.02%未満では、耐候性向上の効果が顕著に発揮されない場合がある。また、30重量%を超えて共重合される場合には、塗料の貯蔵安定性が悪化する傾向にあり、貯蔵経時で塗料の増粘度が観察されることがある。
【0020】
アクリルポリマー微粒子(A−1)は、例えば、以下のようにして製造することができる。水(pH5〜7/25℃のイオン交換水が好ましい)を分散媒体とし、重合温度30〜100℃で、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどを使用し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどを使用して、上記構造式Iで示されるカルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)、エポキシ基含有不飽和単量体(x−3)およびその他の不飽和単量体(Y)を乳化共重合することにより製造することができる。この際、乳化剤として、下記構造式IIIで示される反応性乳化剤を使用することが推奨される。該反応性乳化剤を使用することにより、貯蔵安定性、耐水性、耐薬品性など諸性能に優れたアクリルポリマー微粒子(A−1)を製造することができる。
【0021】
【化7】
Figure 0004899078
上記構造式IIIで表される反応性乳化剤としては、α−スルホ−ω−(1−((ノニルフェノキシ)メチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)のアンモニウム塩などを例示することができる。該反応性乳化剤は、単独でも、もしくは2種類以上の混合物であってもよい。
【0022】
さらに、本発明においては、乳化重合中のpHは、1〜8、好ましくは1.5〜5.0、より好ましくは1.8〜5.0であることが推奨される。乳化重合中のpHが1未満の場合には、乳化重合がうまく実施できず凝集物がで易くなる傾向にある。また、乳化重合中のpHが8を超える場合には、十分な架橋度のアクリルポリマー微粒子(A−1)を製造することができず、塗料の耐水性、耐薬品性および耐溶剤性がやや悪化する場合がある。
【0023】
本発明において特筆すべきは、乳化重合中の酸素濃度である。酸素濃度は、酸素濃度計により簡単に測定することができる。本発明では、乳化重合中の酸素濃度は0.01容量%〜15容量%、好ましくは3容量%〜12容量%であることが推奨される。乳化重合中の酸素濃度が0.01容量%未満の場合には、アクリルポリマー微粒子(A−1)の粒子径コントロールが不十分となり、良好な塗膜外観が得られない場合がある。乳化重合中の酸素濃度が15容量%を超える場合には、爆発、火災の危険性もさることながら、ポリマーの重合度を十分に引き上げることが困難となり、塗料の耐水性、耐薬品性が悪化する傾向にある。
【0024】
アクリルポリマー微粒子(A−1)は、粒子径が200nm以下であり、好ましくは120nm以下、より好ましくは80nm以下である。粒子径が200nmより大きい場合には、塗膜外観(光沢、鮮鋭性)がやや悪化する。
【0025】
ここで、粒子径は、例えば、「レーザー粒径解析システム LPA−3000/3100」(大塚電子株式会社の測定装置)を使用し、平均粒子径として求められる。乳化重合により製造できるレベルであれば粒子径の下限は特に制限を必要としない。粒子径は200nm以下であればよいが、粒子径が20〜200nmのとき、アクリル系エマルジョン(B)の製造が実施しやすく好ましい。
【0026】
また、アクリルポリマー微粒子(A−2)は、例えば、以下のようにして製造することができる。水(pH5〜7/25℃のイオン交換水が好ましい)を分散媒体とし、重合温度30〜100℃で、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどを使用し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどを使用し、一分子中にエポキシ基とアルコキシシラン基を有するシラン化合物(C)の存在下に、上記構造式Iで示されるカルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)と、その他の不飽和単量体(Y)を乳化共重合することにより製造することができる。この際、乳化剤として上記構造式IIIで示される反応性乳化剤を使用することが推奨される。該反応性乳化剤を使用することにより、貯蔵安定性、耐水性、耐薬品性など諸性能に優れたアクリルポリマー微粒子(A−2)を製造することができる。一分子中にエポキシ基とアルコキシシラン基を有するシラン化合物(C)としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルトリメトキシシラン、およびこれらシラン化合物の加水分解物、縮合物などを例示することができる。一分子中にエポキシ基とアルコキシシラン基を有するシラン化合物(C)は、単独でも、2種類以上の混合物であってもよい。
【0027】
シラン化合物(C)は、アクリルポリマー微粒子(A−2)を構成する不飽和単量体に対し、0.2〜300重量%、好ましくは0.5〜200重量%配合されることが望ましい。配合量が0.2重量%未満では、塗料の架橋性、基材への密着性がやや悪化する場合がある。また、配合量が300重量%を超える場合には、塗料の貯蔵安定性がやや悪くなる傾向にある。
【0028】
上記構造式IIIで表される反応性乳化剤としては、α−スルホ−ω−(1−((ノニルフェノキシ)メチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)のアンモニウム塩などを例示することができる。該反応性乳化剤は、単独でも、もしくは2種類以上の混合物であってもよい。
【0029】
さらに、本発明においては、乳化重合中のpHは1〜8、好ましくは1.5〜5.0、より好ましくは1.8〜5.0であることが推奨される。乳化重合中のpHが1未満の場合には、乳化重合がうまく実施できず凝集物がで易くなる傾向にある。また、乳化重合中のpHが8を超える場合には、十分な架橋度のアクリルポリマー微粒子(A−1)を製造することができず、塗料の耐水性、耐薬品性、耐溶剤性がやや悪化する場合がある。
【0030】
本発明において特筆すべきは、乳化重合中の酸素濃度である。酸素濃度は、酸素濃度計により簡単に測定することができる。本発明では、乳化重合中の酸素濃度は0.2容量%〜15容量%、好ましくは3容量%〜12容量%であることが推奨される。乳化重合中の酸素濃度が0.2容量%未満の場合には、アクリルポリマー微粒子(A−1)の粒子径コントロールが不十分となり、良好な塗膜外観が得られない場合がある。また、乳化重合中の酸素濃度が15容量%を超える場合には、爆発、火災の危険性もさることながら、ポリマーの重合度を十分に引き上げることが困難となり、塗料の耐水性、耐薬品性が悪化する傾向にある。
【0031】
アクリルポリマー微粒子(A−2)は、粒子径が200nm以下、好ましくは120nm以下、より好ましくは80nm以下であることが望ましい。粒子径が200nmより大きい場合には、塗膜外観(光沢、鮮鋭性)がやや悪化する傾向にある。
【0032】
ここで、粒子径は、例えば、「レーザー粒径解析システム LPA−3000/3100」(大塚電子株式会社の測定装置)を使用し、平均粒子径として求められる。乳化重合により製造できるレベルであれば粒子径の下限は特に制限を必要としない。粒子径は200nm以下であればよいが、粒子径が20〜200nmのとき、アクリル系エマルジョン(B)の製造が実施しやすく好ましい。
【0033】
有機ポリマー(A)は、アクリル系エマルジョン(B)中に0.2〜98重量%、好ましくは2〜98重量%、より好ましくは5〜60重量%含有することが望ましい。有機ポリマー(A)の含有量が0.2重量%未満の場合には、塗膜硬度がやや低くなり、塗膜が傷つきやすくなる傾向が見られることがある。また、有機ポリマー(A)の含有量が98重量%を超える場合には、アクリル系エマルジョン(B)の成膜性がやや悪化し、光沢、平滑性などの塗膜外観がやや悪化する場合がある。
【0034】
また、本発明で用いられるアクリル系エマルジョン(B)は、ゲル分率が50%以上の有機ポリマー(A)の存在下に、水酸基含有不飽和単量体(x−1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)およびエポキシ基含有不飽和単量体(x−3)から選ばれる少なくとも2種を含むラジカル重合性不飽和単量体(X)と、その他の不飽和単量体(Y)を乳化重合することにより製造することができる。
【0035】
水酸基含有不飽和単量体(x−1)としては、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノアクリレート、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレートなどの一分子中に水酸基と不飽和基を有する化合物を例示することができる。該水酸基含有不飽和単量体(x−1)は、単独でも、もしくは2種類以上の混合物であってもよい。
【0036】
水酸基含有不飽和単量体(x−1)は、アクリル系エマルジョン(B)を製造する際、乳化重合に供される不飽和単量体中の2〜25重量%となるように共重合する。
【0037】
カルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸およびイタコン酸等の、一分子中にカルボキシル基と不飽和基を有するものを例示することができる。該カルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)は、単独であっても、もしくは2種類以上の混合物であってもよい。
【0038】
カルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)を共重合する場合には、アクリル系エマルジョン(B)を製造する際、乳化重合に供される不飽和単量体中の0.2〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%となるよう共重合するのが望ましい。共重合量が0.2重量%未満の場合には、架橋性が不十分となり、塗膜の耐薬品性、耐溶剤性が悪化する傾向にある。また、共重合量が50重量%を超える場合には、塗料の貯蔵安定性が悪化する傾向にある。該カルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)は、塗料の顔料分散性、被塗物への密着性等を改善するために好適に使用される。
【0039】
カルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)が、前記構造式Iで表される単量体の場合、塗料の耐水性、耐アルカリ性、密着性、硬化剤を配合した際の硬化性が著しく改善され、塗膜の耐久性が一段と向上する。
【0040】
エポキシ基含有不飽和単量体(x−3)を共重合する場合には、アクリル系エマルジョン(B)を製造する際、乳化重合に供される不飽和単量体中の2〜30重量%、好ましくは5〜25重量%となるように共重合する。
【0041】
その他の不飽和単量体(Y)のなかで、塗膜の耐候性を向上させるため2−(2´−ヒドロキシ−5´−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、4−メタアクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの分子中に紫外線吸収性基、ヒンダードアミン系光安定性基を有する不飽和単量体が極めて好適に使用される。該その他の不飽和単量体は、アクリル系エマルジョン(B)中に、0.02〜30重量%、好ましくは0.2〜20重量%となるように共重合されることが望ましい。共重合量が0.02%未満では、耐候性向上の効果が顕著に発揮されない場合がある。また、30重量%を超えて共重合される場合には、塗料の貯蔵安定性が悪化する傾向にあり、貯蔵経時で塗料の増粘度が観察されることがある。
【0042】
さらに、アクリル系エマルジョン(B)は、乳化重合時に一分子中にエポキシ基とアルコキシシラン基を有するシラン化合物(C)が存在することが推奨される。乳化重合時にシラン化合物(C)が存在することにより、塗料の架橋性が向上し、塗膜の耐薬品性、耐溶剤性、耐候性、種々被塗物への密着性が飛躍的に向上する傾向にある。特筆すべきは、難接着性基材とされるアルミニウム合金、マグネシウム合金等にもきわめて良好な付着性を示すことである。
【0043】
シラン化合物(C)は、アクリル系エマルジョン(B)を製造する際、乳化重合に供される不飽和単量体に対し、0.2〜300重量%、好ましくは0.5〜200重量%配合されることが望ましい。配合量が0.2重量%未満では、塗料の架橋性、基材への密着性がやや悪化する場合がある。また、配合量が300重量%を超える場合には、塗料の貯蔵安定性がやや悪くなる傾向にある。
【0044】
アクリル系エマルジョン(B)は、例えば、以下のように製造することができる。水(pH5〜7/25℃のイオン交換水が好ましい)を分散媒体とし、重合温度30〜100℃で、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどを使用し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどを使用し、ゲル分率が50%以上の有機ポリマー(A)の存在下に、水酸基含有不飽和単量体(x−1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)およびエポキシ基含有不飽和単量体(x−3)から選ばれる少なくとも2種を含むラジカル重合性不飽和単量体(X)と、その他の不飽和単量体(Y)とを乳化共重合することにより製造することができる。この際、乳化剤として上記構造式IIIで示される反応性乳化剤を使用することが推奨される。該反応性乳化剤を使用することにより、貯蔵安定性、耐水性、耐薬品性など諸性能に優れたアクリル計エマルジョン(B)を製造することができる。 上記構造式IIIで表される反応性乳化剤としては、α−スルホ−ω−(1−((ノニルフェノキシ)メチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)のアンモニウム塩などを例示することができる。該反応性乳化剤は、単独でも、もしくは2種類以上の混合物であってもよい。
【0045】
さらに、乳化重合中のpHは、1〜8、好ましくは1.5〜5.0、より好ましくは1.8〜5.0であることが推奨される。乳化重合中のpHが1未満の場合には、乳化重合がうまく実施できず凝集物がでやすくなる傾向にある。また、乳化重合中のpHが8を超える場合には、十分な架橋性を有するアクリル計エマルジョン(B)を製造することができず、塗料の耐水性、耐薬品性、耐溶剤性がやや悪化する場合がある。より好ましくは、カルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)を含む場合には、乳化重合中のpHは1.8〜5.0、より好ましくは2.0〜4.0、カルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)を含まない場合には、乳化重合中のpHは4.0〜6.0、より好ましくは4.5〜5.8であることが推奨される。この条件の下に乳化重合が実施されるとき、凝集物が少なく、均一粒子径のエマルジョンが製造され、さらに塗料の硬化性、架橋性に優れたアクリル系エマルジョン(B)が製造できる傾向にある。
【0046】
本発明において特筆すべきは、乳化重合中の酸素濃度である。酸素濃度は、酸素濃度計により簡単に測定することができる。本発明では、乳化重合中の酸素濃度は0.2容量%〜15容量%、好ましくは3容量%〜12容量%であることが推奨される。乳化重合中の酸素濃度が0.2容量%未満の場合には、アクリルポリマー微粒子(A−1)の粒子径コントロールが不十分となり、良好な塗膜外観が得られない場合がある。また、乳化重合中の酸素濃度が15容量%を超える場合には、爆発、火災の危険性もさることながら、ポリマーの重合度を十分に引き上げることが困難となり、塗料の耐水性、耐薬品性が悪化する傾向にある。
【0047】
また、本発明では、側鎖に3級アミノ基とカルボキシル基を有する水性アクリル樹脂(D)、または、3級アミノ基を有する化合物(E)、4級アンモニウム塩(F)を硬化剤、硬化触媒として好適に配合することができる。また、これらのポリマー、化合物は、単独でも、2種類以上の混合物であってもよい。
【0048】
側鎖に3級アミノ基とカルボキシル基を有する水性アクリル樹脂(D)は、3級アミノ基含有不飽和単量体(y−1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)およびその他の不飽和単量体(Y)をラジカル共重合することにより製造することができる。この際、3級アミノ基含有不飽和単量体(y−1)は0.2〜30重量%、また、カルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)は0.5〜50重量%共重合されることが望ましい。3級アミノ基含有不飽和単量体(y−1)の共重合量が0.2重量%未満の場合には、塗料の低温硬化性がやや悪くなる場合がある。また、3級アミノ基含有不飽和単量体(y−1)の共重合量が30重量%を超える場合には、耐水性、耐薬品性、耐候性が悪くなる傾向にある。
【0049】
カルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)の共重合量が0.5重量%未満の場合には、塗料の硬化性、被塗物への密着性がやや悪くなる傾向にある。また、カルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)の共重合量が50重量%を超える場合には塗耐水性、耐湿熱性がやや悪化する傾向にある。
【0050】
側鎖に3級アミノ基およびカルボキシル基を有する水性アクリル樹脂(D)は、例えば、以下のようにして製造される。(水性)有機溶剤を媒体とする溶液重合の場合には、重合溶剤として、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどの水溶性溶剤(10g/g水、20℃以上の水溶解性を有するもの)を用い、重合温度30〜150℃で、α,α−アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの重合開始剤を用い、3級アミノ基含有不飽和単量体(y−1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)、その他の不飽和単量体(Y)をラジカル共重合することにより製造することができる。
【0051】
淡色〜無色透明の水性アクリル樹脂(D)を得易くなり、淡色のエナメル塗料、クリア塗料が製造し易くなる傾向にあるため、重合は窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で重合されることが望ましい。
【0052】
さらに、分子量を調節するためにn−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類が重合度調節剤として使用され得るが、本発明では、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(α−メチルスチレンダイマー)が好適に使用でき、無色透明で、耐候性、貯蔵安定性に優れた水性アクリル樹脂(D)を製造することができる。
【0053】
側鎖に3級アミノ基とカルボキシル基を有する水性アクリル樹脂(D)は、アクリル系エマルジョン(B)100重量部に対し、0.5〜500重量部、好ましくは2〜50重量部配合されることが望ましい。側鎖に3級アミノ基とカルボキシル基を有する水性アクリル樹脂(D)の配合量が0.5重量部未満の場合には、塗料の硬化性がやや不足し、塗料の耐水性、耐薬品性が悪化する傾向にある。また、側鎖に3級アミノ基とカルボキシル基を有する水性アクリル樹脂(D)の配合量が500重量部を超える場合には、塗料の貯蔵安定性、塗膜外観が悪化する傾向にある。
【0054】
3級アミノ基を有する化合物(E)としては、トリエチルアミン、ジエチルベンジルアミン、トリ(2,4,6−ジメチルアミノメチル)フェノールなどを例示することができる。該3級アミノ基を有する化合物(E)は、単独でも、もしくは2種類以上の混合物であってもよい。好ましくは、トリ(2,4,6−ジメチルアミノメチル)フェノールなどの3級アミノ基とフェノール性水酸基を有する化合物であり、これらを使用することによって塗料の硬化性、架橋性、耐薬品性、耐水性が向上する。
【0055】
3級アミノ基を有する化合物(E)は、アクリル系エマルジョン(B)100重量部に対し、0.02〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部配合されることが望ましい。3級アミノ基を有する化合物(E)の配合量が0.02重量部未満の場合には、塗料の硬化性が悪化する傾向にある。また、3級アミノ基を有する化合物(E)の配合量が30重量部を超える場合には、塗料に着色が見られ、淡色系エナメル、クリア塗料が製造できなくなる場合がある。
【0056】
4級アンモニウム塩(F)としては、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイドなどを例示することができる。4級アンモニウム塩(F)は、単独でも、もしくは2種類以上の混合物であってもよい。4級アンモニウム塩(F)は、アクリル系エマルジョン(B)100重量部に対し、0.02〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部配合されることが望ましい。4級アンモニウム塩(F)の配合量が0.02重量部未満の場合には、塗料の硬化性が悪化する傾向にある。また、4級アンモニウム塩(F)の配合量が30重量部を超える場合には、塗料に着色が見られ、淡色系エナメル、クリア塗料が製造できなくなる場合がある。
【0057】
本発明では、さらに必要であれば、さらに酸化チタン、カーボンブラック、亜鉛華、アルミニウム顔料などの顔料類、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの有機溶剤(非芳香族系のものが本発明の趣旨からは推奨される)、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、沈殿防止剤などの種々塗料添加剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノ基がメチルイソブチルケトンなどでブロックされたアミノ基含有シラン化合物などのシランカップリング剤(反応性珪素原子を有するシラン化合物)、トリエチルアミン、ジブチルチンジラウレートなどの硬化触媒、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤(塩基定数(pKb)が8以上のものが好ましい)などの耐候剤など、塗料に一般的に配合するものを配合することができる。さらに好ましくは、粒子径が100nm未満のシリカゾル、アルミナゾルなどの無機微粒子を配合することが推奨され、塗膜硬度を高め、耐傷つき性を向上する効果が高い。
【0058】
本発明のエマルジョン塗料組成物は、スプレー塗装、刷毛塗り、カーテンフローコートおよびローラーコーターなど種々塗装方法で塗装することができる。
【0059】
また、本発明のエマルジョン塗料組成物は、建築、建材、家電製品、携帯電話、パソコンなどの情報家電製品、自動車、船舶、バイク等に施される塗料全ての分野に適用することが可能である。この際適用できる基材(被塗装物)としては、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン樹脂(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ナイロン(NY)、ポリエステル(PES)、ポリプロピレン(PP)等のプラスチックおよびこれらのアロイ、カーボン繊維、ガラス繊維などの繊維強化製品類、あるいはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル等の熱硬化性プラスチック、マグネシウム、アルミニウム、鉄、トタン、ブリキ等の金属、およびこれらの合金類、およびこれらが化成処理されたもの、電着塗装されたものなどを例示することができる。ことさら、マグネシウム合金、ポリフェニレンスルフィド(PPS)などの難接着性金属(合金)、プラスチック用として、良好な密着性、耐傷つき性を発揮し、好適に適用できる。
【0060】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
【0061】
なお、実施例と比較例で得られたエマルジョン塗料組成物の試験方法と評価は、以下のとおりに行なうものとする。
【0062】
1.密着性
イソプロピルアルコールで脱脂したABS板に、塗料を膜厚が30〜40μmとなるように塗布し、10分間室温乾燥する。次いで、80℃で30分間焼き付けを行なう。
【0063】
マグネシウム合金(AZ91D)に、塗料を膜厚が30〜40μmとなるように塗布し、140℃で20分間焼き付けを行なう。この塗装板をJIS K
54008.5.2 碁盤目テープ法により試験を行なう。100/100で合格とする。
【0064】
2.耐水性
密着性と同様にして試験用の塗装板を作製する。この塗装板を50℃温水中に10日間浸漬した後、塗膜外観(変褪色、膨れ、剥がれなど)、密着性を評価する。塗膜外観に変化がなく、密着性が100/100で合格とする。
【0065】
3.有機ポリマー(A)のゲル分率(%)
各有機ポリマー(A)を、ポリプロピレン板(PP)上に薄く延べ広げて、40℃、100〜7000Paの真空度で48時間真空乾燥する。真空乾燥された有機ポリマー(A)のPgを、アセトンとメチルアルコールの混合溶剤(=50/50容量%)を抽出溶剤として使用し、ソックスレー抽出器で、還流下、3時間、抽出試験を行なう。未抽出ポリマーを回収し、前記と同じ条件で真空乾燥する。このものの重量を測定する(Qg)。次式に従い、ゲル分率(%)を算出する。
ゲル分率(%)=[未抽出ポリマーの重量(Qg)/ソックスレー抽出試験前のポリマー重量(Pg)]×100
4.塗料の硬化性(耐溶剤性)
密着性と同様にして試験用の塗装板を作成する。ラビング試験用フェルトにトルエンを含ませ、これで塗膜表面を50回擦り(ラビング)、塗膜の傷つき、剥がれ、溶解具合を観察する。評価は、次のとおりである。
○ 塗膜に変化が無く良好。合格。
△ 塗膜が艶引けするが下地は現れず、塗膜が保持されている。合格。
× 塗膜が溶解され、下地が現れる。不合格。
【0066】
以下に実施例と比較例を説明する。なお、特に断りがない限り配合量は重量%を示す。
【0067】
(実施例1)
2L四つ口フラスコに、イオン交換水(PW)285.4gを仕込んだ。空気と酸素の混合ガスを吹き込み酸素濃度8%に調整した200mlコニカルビーカーに、PW32g、「アデカリアソーブSE−10N」(SE−10N)(α−スルホ−ω−(1−((ノニルフェノキシ)メチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)のアンモニウム塩(構造式IIIの反応性乳化剤)、旭電化工業(株)の製品)2.4g、メタクリル酸メチル(MMA)/「SIPOMER β−CEA」(β−CEA)(β−カルボキシエチルアクリレート(構造式Iの不飽和カルボン酸)、ローヌ・プーラン(株)の製品)/グリシジルメタクリレート(GMA)(=85/5/10)80g、過硫酸アンモニウム(APS)0.16gを仕込み、スターラーで攪拌し、乳化させた(この乳化液の電導度は1250μs/cm(25℃)であった。)。これをフラスコに仕込み、80℃に昇温した。80℃で2時間重合を行ない有機ポリマー(A−1)を製造した。有機ポリマー(A−1)は、粒子径が55nmで、ゲル分率は85%であった。
【0068】
さらにフラスコに、PW141.8gを仕込み80℃を維持した。空気と酸素の混合ガスを吹き込み酸素濃度8%に調整した1Lコニカルビーカーに、PW128g、SE−10N9.6g、MMA/メタクリル酸n−ブチル(BMA)/アクリル酸n−ブチル(BA)/GMA/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)(=40/20/20/10/10)320g、過硫酸アンモニウム(APS)0.64gを仕込み、スターラーで攪拌し、乳化させた(この乳化液の電導度は1150μs/cm(25℃)であった。)。これをフラスコに3時間で滴下し、滴下終了後さらに1時間重合を続け、アクリル系エマルジョン(B−1)を製造した。アクリル系エマルジョン(B−1)は、固形分が40%、pHが2.8で、粒子径は110nmであった。アクリル系エマルジョン(B−1)に「CS−12」(2,2,4−トリメチル−1.3−ペンタンジオールモノイソブチレート(造膜助剤)、チッソ石油化学(株)の製品)を10PHR配合し、実施例1のエマルジョン塗料組成物を製造した。
【0069】
(実施例2)
2L四つ口フラスコに、イオン交換水(PW)285.4gを仕込み、空気、酸素の混合ガスを吹き込み酸素濃度を8%に調整した。空気と酸素の混合ガスを吹き込み酸素濃度8%に調整した200mlコニカルビーカーに、PW32g、SE−10N2.4g、MMA/β−CEA/GMA(=85/5/10)80g、APS0.16gを仕込み、スターラーで攪拌し、乳化させた(この乳化液の電導度は1250μs/cm(25℃)であった。)。これをフラスコに仕込み、80℃に昇温した。80℃で2時間重合を行ない有機ポリマー(A−1)を製造した。有機ポリマー(A−1)は、粒子径が55nmで、ゲル分率は85%であった。
【0070】
さらにフラスコに、PW141.8g、炭酸水素ナトリウム0.2gを仕込み、80℃を維持した。空気と酸素の混合ガスを吹き込み酸素濃度8%に調整した1Lコニカルビーカーに、PW128g、SE−10N9.6g、MMA/BMA/BA/GMA/HEMA(=40/20/20/10/10)320g、APS0.64gを仕込み、スターラーで攪拌し、乳化させた(この乳化液の電導度は1150μs/cm(25℃)であった。)。これをフラスコに3時間で滴下し、滴下終了後、さらに1時間重合を続け、アクリル系エマルジョン(B−2)を製造した。アクリル系エマルジョン(B−2)は固形分40%、pH6.2、粒子径115nmであった。アクリル系エマルジョン(B−2)に「CS−12」を10PHR配合し、実施例2のエマルジョン塗料組成物を製造した。
【0071】
(実施例3)
2L四つ口フラスコに、イオン交換水(PW)293.4gを仕込み、これに空気、酸素の混合ガスを吹き込んで酸素濃度を8%に調整した。空気と酸素の混合ガスを吹き込み酸素濃度8%に調整した200mlコニカルビーカーに、PW32g、SE−10N2.4g、MMA/BMA/β−CEA/GMA(=55/30/5/10)80g、「SH−6040」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)の製品)8g、APS0.16gを仕込み、スターラーで攪拌し、乳化させた(この乳化液の電導度は1250μs/cm(25℃)であった。)。これをフラスコに仕込み、80℃に昇温した。80℃で2時間重合を行ない有機ポリマー(A−2)を製造した。有機ポリマー(A−2)は、粒子径52nm、ゲル分率92%であった。
【0072】
さらにフラスコにPW141.8gを仕込み、80℃を維持した。空気と酸素の混合ガスを吹き込み酸素濃度8%に調整した1Lコニカルビーカーに、128g、SE−10N9.6g、MMA/BMA/BA/GMA/HEMA(=40/20/20/10/10)320g、APS0.64gを仕込み、スターラーで攪拌し、乳化させた(この乳化液の電導度は1150μs/cm(25℃)であった。)。これをフラスコに3時間で滴下し、滴下終了後さらに1時間重合を続け、アクリル系エマルジョン(B−3)を製造した。アクリル系エマルジョン(B−3)は、固形分が40%、pHが2.8で、粒子径は108nmであった。アクリル系エマルジョン(B−3)に「CS−12」を10PHR配合し、実施例3のエマルジョン塗料組成物を製造した。
【0073】
(実施例4)
2L四つ口フラスコに、イオン交換水(PW)293.4gを仕込み、これに空気、酸素の混合ガスを吹き込んで酸素濃度を8%に調整した。空気と酸素の混合ガスを吹き込み酸素濃度8%に調整した200mlコニカルビーカーに、PW32g、SE−10N2.4g、MMA/BMA/β−CEA/GMA(=55/30/5/10)80g、「SH−6040」8g、APS0.16gを仕込み、スターラーで攪拌し、乳化させた(この乳化液の電導度は1250μs/cm(25℃)であった。)。これをフラスコに仕込み、80℃に昇温した。80℃で2時間重合を行ない有機ポリマー(A−2)を製造した。有機ポリマー(A−2)の粒子径は52nm、ゲル分率は92%であった。
【0074】
さらにフラスコにPW206gを仕込み、80℃を維持した。空気と酸素の混合ガスを吹き込み酸素濃度8%に調整した1Lコニカルビーカーに、PW128g、SE−10N9.6g、MMA/BMA/BA/GMA/HEMA(=40/20/20/10/10)320g、「SH−6040」64g、APS0.64gを仕込み、スターラーで攪拌し、乳化させた(この乳化液の電導度は1150μs/cm(25℃)であった。)。これをフラスコに3時間で滴下し、滴下終了後さらに1時間重合を続け、アクリル系エマルジョン(B−5)を製造した。アクリル系エマルジョン(B−5)の固形分は40%、pHは2.3、粒子径は98nmであった。アクリル系エマルジョン(B−5)に「CS−12」を10PHR配合し、実施例4のエマルジョン塗料組成物を製造した。
【0075】
(実施例5)
エチレングリコールモノブチルエーテル/イソプロピルアルコール(80/20)を溶剤として、MMA/BMA/BA/HEMA/メタクリル酸/N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(3級アミノ基含有不飽和単量体)(=40/20/20/5/10/5)からなる側鎖に3級アミノ基とカルボキシル基を有する水性アクリル樹脂(D)を製造した。(ただし、連鎖移動剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(α−メチルスチレンダイマー)を使用し、重合反応中は窒素ガスを吹き込んだ。)水性アクリル樹脂(D)は固形分50%、数平均分子量3,000であった。
【0076】
水性アクリル樹脂(D)をトリエチルアミンで中和率が60%になるように中和し、さらにPWを添加して固形分を40%に調整した。
【0077】
水希釈された水性アクリル樹脂(D)とアクリル系エマルジョン(B−2)とを固形分比で10/90となるように混合し、さらに「CS−12」を10PHR配合し、均一になるまで攪拌し、実施例5のエマルジョン塗料組成物を製造した。
【0078】
参考例1
2L四つ口フラスコに、イオン交換水(PW)293.4gを仕込み、これに空気、酸素の混合ガスを吹き込んで酸素濃度を8%に調整した。空気と酸素の混合ガスを吹き込み酸素濃度8%に調整した200mlコニカルビーカーにPW32g、SE−10N2.4g、MMA/BMA/β−CEA/GMA(=55/30/5/10)80g、「SH−6040」8g、APS0.16gを仕込み、スターラーで攪拌し、乳化させた(この乳化液の電導度は1250μs/cm(25℃)であった。)。これをフラスコに仕込み、80℃に昇温した。80℃で2時間重合を行ない有機ポリマー(A−2)を製造した。有機ポリマー(A−2)粒子径は52nm、ゲル分率は92%であった。
【0079】
さらにフラスコにPW206gを仕込み、80℃を維持した。空気と酸素の混合ガスを吹き込み酸素濃度8%に調整した1Lコニカルビーカーに、PW128g、SE−10N9.6g、MMA/BMA/BA/(β−CEA)/HEMA(=45/20/20/5/10)320g、「SH−6040」64g、APS0.64gを仕込み、スターラーで攪拌し、乳化させた(この乳化液の電導度は1150μs/cm(25℃)であった。)。これをフラスコに3時間で滴下し、滴下終了後さらに1時間重合を続け、アクリル系エマルジョン(B−6)を製造した。アクリル系エマルジョン(B−6)の固形分は40%、pHは2.5、粒子径は120nmであった。アクリル系エマルジョン(B−6)に「CS−12」を10PHR配合し、参考例1のエマルジョン塗料組成物を製造した。
【0080】
参考例2
アクリル系エマルジョン(B−5)に、アンモニア水溶液(25%水溶液)をpHが8.0(25℃)になるよう添加し、さらに「CS−12」を10PHR配合し、参考例2のエマルジョン塗料組成物を製造した。
【0081】
(比較例1)
2L四つ口フラスコに、イオン交換水(PW)293.4gを仕込み、これに空気と酸素の混合ガスを吹き込んで酸素濃度を8%に調整した。空気と酸素の混合ガスを吹き込み酸素濃度8%に調整した200mlコニカルビーカーに、PW32g、SE−10N2.4g、MMA/BMA/β−CEA/GMA(=55/30/5/10)80g、「SH−6040」、APS0.16gを仕込み、スターラーで攪拌し、乳化させた(この乳化液の電導度は1250μs/cm(25℃)であった。)。これをフラスコに仕込み、80℃に昇温した。80℃で2時間重合を行ない有機ポリマー(A−2)を製造した。有機ポリマー(A−2)の粒子径は52nm、ゲル分率は92%であった。
【0082】
さらにフラスコにPW141.8gを仕込み、80℃を維持した。空気と酸素の混合ガスを吹き込み酸素濃度8%に調整した1Lコニカルビーカーに、PW128g、SE−10N9.6g、MMA/BMA/BA/HEMA(=50/20/20/10)320g、APS0.64gを仕込み、スターラーで攪拌し、乳化させた(この乳化液の電導度は1150μs/cm(25℃)であった。)。これをフラスコに3時間で滴下し、滴下終了後さらに1時間重合を続け、アクリル系エマルジョン(B−6)を製造した。アクリル系エマルジョン(B−6)の固形分は40%、pHは2.8、粒子径は108nmであった。このアクリル系エマルジョン(B−6)に25%アンモニア水を添加し、pHが8.0(25℃)になるように調整した後、「CS−12」を10PHR配合し、比較例1のエマルジョン塗料組成物を製造した。
【0083】
(比較例2)
2L四つ口フラスコに、PW428.5gを仕込み、これに空気と酸素の混合ガスを吹き込んで酸素濃度を8%に調整した。空気と酸素の混合ガスを吹き込み酸素濃度8%に調整した200mlコニカルビーカーに、PW160g、SE−10N10.8g、MMA/BMA/β−CEA/GMA(=55/30/5/10)360g、「SH−6040」40g、APS0.72gを仕込み、スターラーで攪拌し、乳化させた(この乳化液の電導度は1250μs/cm(25℃)であった。)。
【0084】
乳化液の56gをフラスコに仕込み、80℃に昇温、80℃で30分間重合を行なった。
【0085】
残りの乳化液を3時間でフラスコ内に滴下し、滴下終了後さらに1時間80℃で重合を行なった。このエマルジョンの固形分は40%、pHは2.2(25℃)、ゲル分率は80%であった。
【0086】
室温まで冷却した後、25%アンモニア水を加えpHを8.0(25℃)に調整し、さらに「CS−12」を10PHR配合して比較例2のエマルジョン塗料組成物を製造した。
【0087】
上記した各実施例、各参考例、および各比較例の各エマルジョン塗料組成物を用い実施した塗料の試験結果を、表1に示した。
【0088】
【表1】
Figure 0004899078
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、数々の優れてバランスのとれた性能を有するエマルジョン塗料組成物が得られる。特に、従来のエマルジョン塗料組成物では達成困難であった、塗料の耐水性、耐溶剤性において顕著な性能を発揮する。さらにまた、難接着性とされているマグネシウム合金やアルミニウム合金などの非鉄金属に対し良好な密着性を有するエマルジョン塗料組成物が得られる。

Claims (3)

  1. ゲル分率が50%以上の有機ポリマー(A)の存在下に、水酸基含有不飽和単量体(x−1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)およびエポキシ基含有不飽和単量体(x−3)から選ばれる少なくとも2種を含むラジカル重合性不飽和単量体(X)とその他の不飽和単量体(Y)を乳化重合してなるアクリル系エマルジョン(B)を含むエマルジョン塗料組成物であって、有機ポリマー(A)が、下記構造式Iで示されるカルボキシル基含有不飽和単量体(x−2)、
    Figure 0004899078
    エポキシ基含有不飽和単量体(x−3)およびその他の不飽和単量体(Y)を乳化重合してなる、粒子径が200nm以下のアクリル系ポリマー微粒子(A−1)であり、アクリル系エマルジョン(B)を製造する際、水酸基含有不飽和単量体(x−1)は、乳化重合に供される不飽和単量体中の2〜25重量%となるように共重合し、エポキシ基含有不飽和単量体(x−3)は、乳化重合に供される不飽和単量体中の2〜30重量%となるように共重合するエマルジョン塗料組成物。
  2. 請求項1に記載のエマルジョン塗料組成物にて塗膜が形成されていることを特徴とするマグネシウム合金成形物。
  3. 請求項1に記載のエマルジョン塗料組成物にて塗膜が形成されていることを特徴とするABS成形物。
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