JP6401218B2 - ビニル重合体の水溶液の製造方法 - Google Patents

ビニル重合体の水溶液の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はビニル重合体の水溶液の製造方法に関する。ビニル重合体は、セメン分散剤、静電防止剤、防曇剤、乳化剤、接着剤等に広く使用されている。しかし、ビニル重合体の水溶液の製造において、得られるビニル重合体にばらつきが大きいと、そのようなビニル重合体をセメント分散剤、静電防止剤、防曇剤、乳化剤、接着剤等として用いたときに性能のばらつきが大きく、所望の性能を十分に発揮しないことが生じる。なかでも、ビニル重合体の水溶液の製造において問題となるのが分子量である。本発明は、分子量のばらつきが小さいビニル重合体を得ることができるビニル重合体の水溶液の製造方法に関する。
従来、ビニル重合体の水溶液の製造は一般に、不活性ガス雰囲気下で行われている(例えば、特許文献1及び2参照)。しかし、かかる従来法によると、得られるビニル重合体に分子量のばらつきが大きいという問題がある。
特開2001−31722号公報 特開2006−52132号公報
本発明が解決しようとする課題は、分子量のばらつきが小さいビニル重合体を得ることができるビニル重合体の水溶液の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、特定の重合開始剤及び分子量調整剤を用いるラジカル反応によりビニル重合体の水溶液を製造する方法においては、反応開始時から反応終了時までの反応系内における雰囲気の酸素濃度を5容量%以上に保持することが正しく好適であることを見出した。
すなわち本発明は、重合開始剤として過酸化物を用い、また分子量調整剤としてチオール系化合物を用いるラジカル反応によりビニル重合体の水溶液を製造する方法において、反応開始時から反応終了時までの反応系内における雰囲気の酸素濃度を5容量%以上に保持することを特徴とするビニル重合体の水溶液の製造方法に係る。
本発明に係るビニル重合体の水溶液の製造方法(以下、本発明の製造方法という)では、重合開始剤として過酸化物を用い、また分子量調整剤としてチオール系化合物を用いるラジカル反応により、ビニル重合体の水溶液を製造する。重合開始剤として用いる過酸化物としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等が挙げられる。これらは、亜硫酸塩やL−アスコルビン酸のような還元性物質やアミン等と組み合わせ、レドックス開始剤として用いることもできる。これらの過酸化物は、2種以上を併用することもできる。また、過酸化物は、過酸化物を含有する水溶液の形態で用いられることが好ましい。
また分子量調整剤として用いるチオール系化合物としては、2−メルカプトエタノール、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、チオグリセリン等が挙げられる。これらのチオール系化合物は、2種以上を併用することもできる。
本発明の製造方法において、原料として用いるビニル単量体の種類に特に制限はないが、ビニル単量体としては不飽和(ポリ)アルキレングリコールを含有するものが好ましく、かかる不飽和(ポリ)アルキレングリコールとしては、下記の化1で示される化合物が好ましい。
化1において、
、R、R:水素原子、メチル基又は−(CHCOOMで示される有機基(但し、R、R、Rのうちで少なくとも一つは水素原子又はメチル基)
:水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基
O:炭素数2〜4のオキシアルキレン基
x:0〜5の整数
y:0又は1
m:1〜300の整数
p:0〜2の整数
M:水素原子又は金属原子
化1で示される化合物において、R、R、Rは水素原子、メチル基又は−(CHCOOMで示される有機基であり、R、R、Rのうちで少なくとも一つは水素原子又はメチル基である。Rは、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基である。かかる炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。ROは炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。かかるオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基等が挙げられ、これらは単独系でも又は混合系でもよい。混合系の場合はランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの付加形態であってもよい。xは0〜5の整数であり、yは0又は1である。mは1〜300の整数である。pは0〜2の整数である。Mは水素原子又は金属原子である。
化1で示される化合物のなかでも、本発明の製造方法に用いる不飽和(ポリ)アルキレングリコールとしては、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレン(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールモノアリルエーテル、(ポリ)エチレングリコールモノ(2−メチル−2−プロペニル)エーテル、(ポリ)エチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(2−メチル−2−プロペニル)エーテル、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)ブチレングリコールビニルエーテルが好ましい。
本発明の製造方法においては、ビニル共重合体として、以上説明したような不飽和(ポリ)アルキレングリコール以外にも、他のビニル単量体を用いることができる。かかる他のビニル単量体としては、下記の化2示されるカルボン酸系単量体、化3で示されるリン酸エステル系単量体、化4で示されるリン酸エステル系単量体、化5で示されるスルホン酸系単量体、化6で示されるポリアルキレンポリアミン系単量体が挙げられる。これらの他の単量体は1種又は2種以上を用いることができる。
化2において、
、R、R:水素原子、メチル基又は−(CHCOOMで示される有機基
q:0〜2の整数
、M:水素原子又は金属原子
化2において、R、R及びRは水素原子、メチル基又は−(CHCOOMで示される有機基である。qは0〜2の整数である。M及びMは水素原子又は金属原子である。
化2で示されるカルボン酸系単量体としては、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸及びこれらの塩が挙げられる。
化3及び化4において、
、R11、R14:水素原子又はメチル基
10、R12、R13:炭素数2〜12のアルキレン基
r、s、t:1〜30の整数
、M、M:水素原子又は金属原子
化3及び化4において、R、R11、R14は水素原子又はメチル基である。R10、R12、R13はメチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素数2〜12のアルキレン基である。r、s、tは1〜30の整数である。M、M、Mは水素原子又は金属原子である。
化3や化4で示されるリン酸エステル系単量体としては、例えば、リン酸モノ−{(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸}エステル、リン酸モノ−{(2−ヒドロキシエチル)アクリル酸}エステル、リン酸ジ−{(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸}エステル、リン酸ジ−{(2−ヒドロキシエチル)アクリル酸}エステル等が挙げられる。
かかるリン酸エステル系単量体としては、ライトエステルP−1M、ライトエステルP−2M,ライトアクリレートP−1A(N)(いずれも共栄社化学株式会社製の商品名)等、市販品を使用することもできる。
化5において、
15:水素原子又はメチル基
:水素原子または金属原子)
化5において、R15は水素原子又はメチル基である。Mは水素原子又は金属原子である。
化5で示されるスルホン酸系単量体としては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸等が挙げられる。
かかるスルホン酸系単量体としては、SAS(D)(旭化成ファインケム株式会社製の商品名)、Sodium 2−Methyl−2−propen−1−sulfonate(東京化成工業株式会社)等の市販品を使用することもできる。
化6において、Mは水素原子又は金属原子である。Zは二塩基酸とポリアルキレンポリアミンを縮合させたポリアミドポリアミン又はかかるポリアミドポリアミンの活性イミノ基、アミノ基、アミド残基1当量に対して炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを0.1〜10モルの割合で付加させたポリアミドポリアミン変性物がアミド結合を介して主鎖の炭素原子と結合した基である。
化6で示されるポリアルキレンポリアミン系単量体は、二塩基酸とポリアミドポリアミンを縮合させ、更に(無水)マレイン酸やフマル酸とアミド基を形成させた後、必要に応じてアルキレンオキサイドを付加する方法により製造することができる。
本発明の製造方法において、ラジカル反応それ自体は、公知のラジカル反応を適用することができる。例えば、ビニル単量体と分子量調整剤とを含む水溶液を調製し、ここに重合開始剤を加えて、反応温度50〜90℃で4〜8時間ラジカル反応させることにより、ビニル重合体の水溶液を得ることができる。反応系内の圧力は特に問わないが、常圧が好ましい。ラジカル反応による重合反応中、反応系内における気液界面積Aと液体体積Bの割合が静置状態で測定した場合にA/B=0.1〜200m/mとなる工程を含むことが好ましい。
本発明の製造方法では、反応開始時から反応終了時までの反応系内における雰囲気の酸素濃度を5容量%以上に保持するが、安全性、作業性及び経済性の面から、5容量%以上30容量%未満に保持することが好ましく、大気雰囲気下に保持することが最も好ましい。反応系内の酸素濃度の調整には、種々の方法を適用することができる。これには例えば、雰囲気を減圧後に、該雰囲気に酸素、不活性ガス、大気を導入する方法が挙げられる。
本発明の製造方法により得られるビニル重合体は、分子量のばらつきが少なく、用途に応じて所望の性能を十分に発揮するため、セメント分散剤、静電防止剤、防曇剤、乳化剤、接着剤等として有用であるが、なかでもセメント分散剤として有用である。
本発明によると、分子量のばらつきが小さいビニル重合体を得ることができる。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明が該実施例に限定されるというものではない。なお、以下の実施例等において、別に記載しない限り、%は質量%を、また部は質量部を意味する。
試験区分1(ビニル重合体の水溶液の製造)
・実施例1(ビニル重合体(p−1)の水溶液の製造)
メタクリル酸28.9部、メトキシポリ(オキシエチレン単位数が23、以下n=23とする)エチレングリコールメタクリレート163.0部、3−メルカプトプロピオン酸1.7部、水182.6部及び30%水酸化ナトリウム水溶液2.5部を反応容器に仕込んだ後、撹拌して均一にした。アスピレーターにて反応系内の圧力を常圧(102kPa)から45kPaまで減圧した後に、窒素ガスを導入して反応系内の圧力を常圧に戻した。反応系内の雰囲気の酸素濃度を酸素モニタ(OXY−1S−M、株式会社ジコ―製の商品名、以下同じ)にて測定したところ、10容量%であった。またこの時点における反応系内の静置状態での気液界面積A/液体体積B=29.9m/mであった。反応容器を密閉して反応系を20℃で48時間保った後、昇温して反応系の温度が60℃で安定したとき、過硫酸ナトリウムの8.8%水溶液43.8部を加えてラジカル反応を開始した。2時間反応を継続した後に、過硫酸ナトリウムの8.8%水溶液を21.9部加え、更に2時間反応を継続して反応を終了した。反応系内の雰囲気の酸素濃度を酸素モニタにて測定したところ、10容量%であった。またこの時点における反応容器内の静置状態での気液界面積A/液体体積B=23.4m/mであった。その後、水55.6部を加えて、ビニル重合体(p−1)の水溶液を得た。
・実施例2〜5及び比較例1〜3(ビニル重合体(p−2)〜(p−5)及び(pr−1)〜(pr−3)の水溶液の製造)
反応系内の減圧操作や反応系内への窒素ガスの導入等の条件を表1記載のように変更したこと以外は実施例1のビニル重合体(p−1)の水溶液の製造の場合と同様にして、ビニル重合体(p−2)〜(p−5)及び(pr−1)〜(pr−3)の水溶液を得た。尚、実施例2〜5は減圧操作を行なわず、したがって窒素ガスを導入せず、大気雰囲気で反応を行なった場合であり、また比較例3は、同様の減圧操作及び窒素ガスの導入を2回行なった場合である。
・実施例6(ビニル重合体(p−6)の水溶液の製造)
メタクリル酸28.9部、メトキシポリ(n=23)エチレングリコールメタクリレート163.0部、3−メルカプトプロピオン酸1.7部、水182.6部及び30%水酸化ナトリウム水溶液2.5部を反応容器に仕込んだ後、撹拌して均一にした。アスピレーターにて反応系内の圧力を常圧(102kPa)から45kPaまで減圧した後に、窒素ガスを導入して反応系内の圧力を常圧に戻した。反応系内の雰囲気の酸素濃度を酸素モニタにて測定したところ、10容量%であった。またこの時点における反応容器内の静置状態での気液界面積A/液体体積B=29.9m/mであった。反応容器を密閉して反応系を40℃で24時間保った後、昇温して反応容器内の温度が60℃で安定したとき、過酸化水素の3.0%水溶液18.3部とL−アスコルビン酸の2.2%水溶液25.5部を加えてラジカル重合を開始した。2時間反応を継続した後に、過酸化水素の3.0%水溶液9.2部とL−アスコルビン酸の2.2%水溶液12.8部加え、更に2時間反応を継続して反応を終了した。反応系内の雰囲気の酸素濃度を酸素モニタにて測定したところ、10容量%であった。またこの時点における反応容器内の静置状態での気液界面積A/液体体積B=23.4m/mであった。その後、水55.6部を加えて、ビニル重合体(p−6)の水溶液を得た。
・比較例4(ビニル重合体(pr−4)の水溶液の製造)
反応系内の減圧操作や反応系内への窒素ガスの導入等の条件を表1記載のように変更したこと以外は実施例6のビニル重合体(p−6)の水溶液の製造の場合と同様にして、ビニル重合体(pr−4)の水溶液を得た。比較例4は、減圧操作及び窒素ガスの導入を2回行なった場合である。
・実施例7(ビニル重合体(p−7)の水溶液の製造)
メタクリル酸26.7部、メトキシポリ(n=23)エチレングリコールメタクリレート162.8部、3−メルカプトプロピオン酸1.7部、水135.4部及び30%水酸化ナトリウム水溶液4.4部を反応容器に仕込んだ後、撹拌して均一にした。アスピレーターにて反応系内の圧力を常圧(102kPa)から45kPaまで減圧した後に、窒素ガスを導入して反応系内の圧力を常圧に戻した。反応系内の雰囲気の酸素濃度を酸素モニタにて測定したところ、10容量%であった。反応容器を密閉して反応系を40℃で24時間保ったものを単量体溶液とした。反応容器に水76.7部を仕込み、昇温して反応系の温度が60℃で安定した時点で、前記の単量体溶液と過硫酸ナトリウムの10.0%水溶液27.8部の2液を同時に120分間かけて滴下し、その後更に過硫酸ナトリウムの10.0%水溶液9.3部を60分間かけて滴下して、ラジカル重合を行なった。1時間反応を継続して反応を終了した。単量体溶液滴下前の静置状態での気液界面積A/液体体積B=23.4m/mであった。なお、反応系内の酸素濃度は単量体溶液の容器内と同じになるように調整した。反応終了後、30%水酸化ナトリウム水溶液18.9部及び水55.6部を加えてビニル重合体(p−7)の水溶液を得た。
・比較例5(ビニル重合体(pr−5)の水溶液の製造)
反応系内の減圧操作や反応系内への窒素ガスの導入等の条件を表1記載のように変更したこと以外は実施例7のビニル重合体(p−7)の水溶液の製造の場合と同様にして、ビニル重合体(pr−5)の水溶液を得た。
・実施例8(ビニル重合体(p−8)の水溶液の製造)
メタリルアルコールEO付加物(n=57)185.7部及び水99.6部を反応容器に仕込んだ後、撹拌して均一にした。アスピレーターにて反応系内の圧力を常圧(102kPa)から45kPaまで減圧した後に、窒素ガスを導入して反応系内の圧力を常圧に戻した。反応系内の雰囲気の酸素濃度を酸素モニタにて測定したところ、10容量%であった。この時点での反応容器内の静置状態での気液界面積A/液体体積B=35.0m/mであった。3−メルカプトプロピオン酸0.8部、L−アスコルビン酸0.8部及び水32.4部を撹拌して均一にしたものを第1溶液とした。またアクリル酸11.9部及び水48.2部を撹拌して均一にしたものを第2溶液とした。更に35%過酸化水素水0.8部及び水18.1部を撹拌して均一にしたものを第3溶液とした。前記の反応容器を密閉して40℃で24時間保った後、昇温して反応容器内の温度が70℃で安定した時点で、第1溶液、第2溶液及び第3溶液を同時に180分間で滴下し、ラジカル重合を行なった。1時間反応を継続して反応を終了した。反応終了時の静置状態での反応容器内の気液界面積A/液体体積B=23.4m/mであった。その後、30%水酸化ナトリウム水溶液11.5部及び水92.8部を加えてビニル重合体(p−8)の水溶液を得た。
・比較例6(ビニル重合体(pr−6)の水溶液の製造)
反応系内の減圧操作や反応系内への窒素ガスの導入等の条件を表1記載のように変更したこと以外は実施例8のビニル重合体(p−8)の水溶液の製造の場合と同様にして、ビニル重合体(pr−6)の水溶液を得た。比較例6は、減圧操作及び窒素ガスの導入を2回行なった場合である。以上の各例におけるビニル重合体の水溶液の製造条件を表1にまとめて示した。
試験区分2(製造したビニル重合体についての測定等)
・質量平均分子量及び数平均分子量の測定
試験区分1で製造した各例のビニル重合体(p−1)〜(p−8)及び(pr−1)〜(pr−6)の各水溶液について、GPC法によるポリエチレングリコール換算の質量平均分子量及び数平均分子量を求め、結果を表2にまとめて示した。
・分散度の算出
試験区分1で製造した各例のビニル重合体(p−1)〜(p−8)及び(pr−1)〜(pr−6)の各水溶液について、分子量のばらつきを表す指標として、質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比で分散度を求め、結果を表2にまとめて示した。
・モルタルフロー値の測定
試験区分1で製造した各例のビニル重合体(p−1)〜(p−8)及び(pr−1)〜(pr−6)の各水溶液について、セメント分散剤としての分散性を表す指標として、モルタルフロー値を次のように求め、結果を表2にまとめて示した。
・モルタルフロー値:セメントとして普通ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製)500g、細骨材として愛知県岡崎産陸砂750g、セメント分散剤として試験区分1で製造したビニル重合体を固形分で0.6g及び水175gを用いて、JIS R 5201に準拠してモルタルを調製し、タッピングなしでのモルタルの広がりをモルタルフロー値(mm)とした。
表1に対応する表2の結果から明らかなように、本発明によると、分子量のばらつきが小さいビニル重合体が得られ、かかるビニル重合体はセメント分散剤として優れた効果を発揮する。

Claims (5)

  1. 重合開始剤として過酸化物を用い、かつ分子量調整剤としてチオール系化合物を用いるラジカル反応によりビニル重合体の水溶液を製造する方法において、反応開始時から反応終了時までの反応系内における雰囲気の酸素濃度を5容量%以上に保持することを特徴とするビニル重合体の水溶液の製造方法。
  2. ビニル単量体が不飽和(ポリ)アルキレングリコールを含有するものであり、且つ、前記過酸化物を水溶液として用いる請求項1記載のビニル重合体の水溶液の製造方法。
  3. 反応開始時の反応系内における雰囲気の酸素濃度を5容量%以上30容量%未満に保持する請求項1又は2記載のビニル重合体の水溶液の製造方法。
  4. 反応中の反応系内における気液界面積Aと液体体積Bの割合が、静置状態で測定した場合にA/B=0.1〜200m/mとなる工程を含む請求項1〜3のいずれか一つの項記載のビニル重合体の水溶液の製造方法。
  5. ビニル重合体がセメント分散剤として用いるものである請求項1〜4のいずれか一つの項記載のビニル重合体の水溶液の製造方法。
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