JP2660841B2 - 被覆材組成物 - Google Patents

被覆材組成物

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は被覆材組成物に関し、詳しくは空気中の湿気
により硬化して耐久性に優れた被膜を形成し得る建築土
木用に適した被覆材組成物に関する。
〔従来技術〕
近年、コンクリート構造物はその乾燥時に発生する収
縮、アルカリ骨材反応による膨張、中性化による鉄筋の
錆発生に伴なう膨張等様々な原因により亀裂が発生し、
それにより、建物に雨水等の漏水が発生し社会問題化し
ている。これを防ぐ手段の一つとしてゴム状弾性体から
成る被覆材、例えばアクリルゴム、ウレタンゴム、シリ
コーンゴム、クロロプレンゴム等をコンクリートの表面
に形成させる方法が知られている。
ところが、アクリルゴムやウレタンゴムやクロロプレ
ンゴムから成る被覆材は耐候性に劣り、紫外線に長時間
さらされると次第に物性が低下し弾性を失う。その結果
硬化被膜そのものに亀裂が発生し、その亀裂部を通して
雨水等の漏れを生ずるという欠点があった。またこれら
の被膜は低温度下における伸びが低いので寒冷地におい
ては使用に耐えないものであった。またシリコーンゴム
から成る被覆材は耐候性に優れているものの、モルタ
ル、アルミ、シリコーンシーラント等各種建築土木基材
に対する接着性が不十分であった。また、コストが割高
であるという問題点があった。
これらの問題点を解決する手段として数々のシリコー
ン変性アクリル重合体から成る被覆材組成物が提案され
ている。
例えば、特開昭59−227955号公報には(メタ)アクリ
レート化合物と(メタ)アクリロキシアルキルシランと
のラジカル重合反応物から成る被覆材組成物が示されて
いる。また、特開昭54−36395号公報には加水分解可能
な基を有するシリル基を1分子中に少なくとも1個有す
るビニル系樹脂からなる被覆材組成物が示されている。
また特開昭61−151272号公報には(メタ)アクリレート
化合物、片末端にラジカル重合性官能基を有する低分子
オルガノポリシロキサン及び1分子中にラジカル重合性
官能基と非ラジカル重合性官能基を併せ持つモノマをラ
ジカル重合して成る被覆材組成物が示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、これらの被覆材はやはり耐候性、耐久
性が不十分であり、また各種建築土木基材に対する接着
性が不十分であるという問題点があった。
本発明者らは上記問題点を解消すべく鋭意検討した結
果、特定のオルガノポリシロキサンとアクリレートモノ
マと特定のオルガノシランとをラジカル重合して成る被
覆材組成物が耐候性、耐久性に優れた被膜を形成すると
同時に各種建築土木基材に対し接着性に優れていること
を見出しすでにこれを提案したが、更に検討した結果、
この被覆材組成物にオルガノアルコキシシランを加える
とその接着性が更に向上することを見出し本発明に到達
した。
本発明の目的は各種建築土木基材への接着性に優れ、
耐候性、耐久性に優れた被覆材組成物であり、特に各種
建築土木基材への接着性に優れた被覆材組成物を提供す
るにある。
〔課題の解決手段とその作用〕
かかる本発明は、 (A)(a)分子鎖両末端にラジカル重合性官能基を有
する実質的に直鎖状のオルガノポリシロキサン、 (b)アクリレート及び/又はメタクリレートを主成分
とするラジカル重合性化合物、及び (c)一般式 (式中、Q1はラジカル重合性官能基を含有する1価の有
機基、Pは加水分解性の1価の有機基、R1は1価炭化水
素基、nは0,1,2から選択される正の整数である。)で
示されるオルガノシランまたはその部分加水分解縮合物
とをラジカル重合して成る共重合体 100重量部 及び (B)一般式 (式中、Q2は1価の有機基、R2は1価炭化水素基、R3
アルキル基、nは0,1,2から選択される正の整数であ
る。)で示されるオルガノアルコキシシランまたはその
部分加水分解縮合物 0.01〜30重量部 から成る被覆材組成物に関するものである。
これを説明するに、本発明に用いられる(A)成分
は、本発明の被覆材組成物の主成分であり、(a)〜
(c)成分のラジカル共重合体である。ここで、(a)
成分は本発明の被覆材組成物に柔軟性と耐久性を付与す
るために必須とされる成分であり、これは分子鎖の両末
端にラジカル重合性官能基を有する実質的に直鎖状のオ
ルガノポリシロキサンである。ラジカル重合性官能基と
しては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル
基が挙げられる。これらの官能基は(b)成分及び
(c)成分と共重合体を形成するために分子鎖の両末端
に存在することが必須とされるが少量ならば更に側鎖に
存在しても何ら差し支えない。側鎖に存在するラジカル
重合性官能基はより密な架橋を行なうために役立つもの
であるが、安定なラジカル重合反応を行なわせるために
はむしろ存在しない方が好ましい。(a)成分の平均分
子量は、特に規定されるものでもないが、200〜100,000
の範囲にあることが好ましい。これは分子量が200未満
になるとポリシロキサンを主鎖とする成分割合が低下
し、耐候性、耐久性に優れた被覆材組成物としての性能
が得られ難くなり、一方、100,000を越えるとラジカル
重合し難くなり、かつ、各種基材に対する接着性が低下
する傾向にあるからである。(a)成分の具体例として
は、例えば次式で示されるオルガノポリシロキサンを挙
げることができる。
ここで、R4は置換もしくは非置換の1価炭化水素基で
あり、これにはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニ
ル基;フェニル基等のアリール基;ベンジル基等のアラ
ルキル基;スチリル基、トリル基等のアルカリル基;シ
クロヘキシル基、シクロペンチル基等のシクロアルキル
基;あるいはこれらの基の水素原子の一部もしくは全部
がフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子で置換された
基、例えば3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロ
プロピル基が挙げられる。この1価炭化水素基は、メチ
ル基、ビニル基、フェニル基、特にメチル基が一般的で
あるが、すべて同一である必要はなく、異種の1価炭化
水素基の組合せであってもよい。R5はラジカル重合性官
能性基であり、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、
アクリロキシ基、メタクリロキシ基を含む有機基が挙げ
られる。これらの(a)成分は、例えば両末端にヒドロ
キシシロキシ基を有するオルガノポリシロキサンと大過
剰のγ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシ
ランとの脱メタノール反応によって得られる。またα,
ω−ビス(クロロメチル)ポリジメチルシロキサンと
(メタ)アクリル酸カルシウムあるいは(メタ)アクリ
ル酸ナトリウムとの反応によっても得られる。また、
α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサンと(メ
タ)アクリル酸アリルとのヒドロシリレーション反応に
よっても得られる。(a)成分の分子構造は実質的に直
鎖状であり、これは直鎖状あるいはやや分岐した直鎖状
を意味する。(a)成分の共重合体に占める割合は、特
に量を規定するものではないが0.01〜70重量%が好まし
く、0.1〜50重量%が更に好ましい。これは(a)成分
が0.1重量%未満では、被膜の光沢保持率に優れ、か
つ、被膜の硬さ、引張強さ、伸び等機械的強度がほとん
ど変化しないという耐久性被膜が得られない。一方、
(a)成分が多いほど一般に高耐久性となるが、(a)
成分が70重量%を越えると反応後の共重合体の粘度が高
すぎる傾向にあるからである。
本発明に用いられる(b)成分は、アクリレート及び
/又はメタクリレートを主成分とするラジカル重合性化
合物であり、これはラジカル重合性二重結合を1個有す
る化合物をいい、各種のモノマー、オリゴマー、プレポ
リマーが含まれる。
本発明で使用されるアクリレート及び/又はメタクリ
レート[以下(メタ)アクリレートと総称する]として
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
イソノニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートを
挙げることができる。
本発明において(メタ)アクリレートを主成分とする
という意味は、(メタ)アクリレート単独あるいは2種
類以上の(メタ)アクリレートの合計量が(b)成分の
全体の50重量%以上を占めることを示す。ラジカル重合
性化合物のうち(メタ)アクリレートの単独、あるいは
2種類以上の(メタ)アクリレートの合計量が50重量%
未満では優れた耐候性を示す被覆材組成物が得られない
からである。
上記のような(メタ)アクリレートは単独あるいは2
種類以上組み合わせて使用することができるが、より優
れた成膜性、より優れた耐候性を示す被覆材組成物を得
るにはアクリレートとメタクリレートを併用することが
好ましい。
本発明において使用可能な他のラジカル重合性化合物
即ち(a)〜(c)成分以外のラジカル重合性化合物と
しては、エチレン、プロピレン等の低分子量不飽和炭化
水素;塩化ビニル及びフッ化ビニル等のハロゲン化ビニ
ル;酢酸ビニルの如き有機酸のビニルエステル;スチレ
ン、スチレン置換体、ビニルピリジン、ピリジンナフタ
レン等のビニル芳香族化合物;(メタ)アクリル酸、ア
クロレイン、アクリロニトリル、N−ビニルビロリド
ン、N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニル化合物;
(メタ)アクリル酸アミド、N−ブトキシメチル(メ
タ)アクリル酸アミド等のアミド化合物;無水マレイン
酸、マレイン酸及びフマル酸のエステル、シリコーン以
外のラジカル重合性モノマ; CnF2n+1(CH22OOCCH=CH2(n=4〜14の混合物)等
フルオロアルキル基を有するアクリル系モノマを挙げる
ことができる。
これらのラジカル重合性化合物は単独又は2種以上組
合せて使用することができる。(b)成分の共重合体に
占める割合は、特に規定されるものではないが20重量%
〜98重量%の範囲内が好ましい。
本発明における(c)成分は、(a)成分及び(b)
成分とラジカル重合して共重合体中にとりこまれるもの
であるが、(c)成分中の加水分解性基が、使用時に空
気中の湿気により加水分解して本発明組成物を架橋させ
る架橋剤としての働きをすると同時に、本発明組成物の
各種建築土木基材への接着を促進する働きもする。この
(c)成分は1分子中に少なくとも1個のラジカル重合
性官能基と少なくとも1個の加水分解性基を併せもつオ
ルガノシラン又はその部分加水分解縮合物であり、上式
中、Q1はγ−アクリロキシプロピル基、γ−メタクリロ
キシプロピル基、ビニル基、アリル基等のラジカル重合
性官能基を含有する1価の有機基であり、Pはメトキシ
基、エトキシ基等のアルコキシ基、アセトキシ基、オキ
シム基、アセトアミド基、アミノキシ基、イソプロペノ
キシ基等の加水分解性の1価の有機基であり、R1はメチ
ル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基やフェニル
基等で代表される1価の炭化水素基である。これらの具
体例としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリアセトキシシラン、ビニルトリオキシムシラ
ン、アリルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシエ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、あるいはこれらの部分加水分解縮合物が挙げられ
る。(c)成分の共重合体に占める割合は特に規定する
ものではないが0.1〜30重量%の範囲内、好ましくは0.5
〜20重量%の範囲内である。これは(c)成分の量が0.
1重量%未満になると被膜の耐薬品性、耐久性が低下
し、かつ各種建築土木基材への接着性が低下するからで
あり、また30重量%を越えると、被膜の硬度が高くなり
すぎ耐久性が低下するからである。
ラジカル重合の方法は、従来公知の方法を使用でき、
例えば放射線照射法、ラジカル重合開始剤を用いる方法
等が使用できる。これらの中でもラジカル重合開始剤を
用いる方法が重合操作の容易さ、分子量調節の容易さの
点で好ましく、具体的には溶媒を用いる溶液重合法、バ
ルク重合法、エマルジョン重合法等のいずれかの方法に
よっても行なうことができるが、溶液重合法が最も好ま
しい。この溶液重合方法について1例を示せば、(a)
成分を溶媒に溶解させ、これに(b)、(c)成分及び
ラジカル重合開始剤からなる混合液を滴下しながら加熱
混合し重合する方法、あるいは(a)成分、(b)成
分、(c)成分及びラジカル重合開始剤を溶媒に溶解さ
せ加熱混合し重合することができる。ここで溶媒として
はトルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルエ
チルトリブチルケトン等(a)〜(c)成分の良溶媒が
使用可能である。ラジカル重合開始剤としては従来公知
のものでよく、例えばアゾビスイソブチロニトリル、ジ
メチルアゾジイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベン
ゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド
等の有機パーオキサイドが使用可能である。
本発明に使用される(B)成分は、本発明の被覆材組
成物の各種土木建築基材への接着性、特に接着耐久性を
促進する働きをする。この(B)成分は1分子中に少な
くとも1個の有機基を有するオルガノアルコキシシラン
であり、上式中、Q2はグリシドキシプロピル基、(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチル基、メルカプトプロ
ピル基、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノブチ
ル基、アミノプロピル基、N−β(アミノエチル)アミ
ノプロピル基、イソシアナートプロピル基等の1価の有
機基であり、R2はメチル基、エチル基、プロピル基等の
アルキル基やフェニル基で代表される1価の炭化水素基
であり、R3はメチル基、エチル基、プロピル基等のアル
キル基である。
これらの具体例としては、例えば、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシランが挙げられ
る。
本発明においては、これらの中でもエポキシ基、メル
カプト基及びアミノ基から選択される1価の有機基を含
有するアルコキシシランが各種建築土木基材に対する接
着促進効果が大きいので好ましい。(B)成分の配合量
は、0.01〜30重量部の範囲内であり、込ましくは0.1〜2
0重量部の範囲内である。これは(B)成分の配合量が
0.01重量部未満になると充分な接着力が得られず、また
30重量部を越えると被膜の物理特性が低下し耐久性が低
下するからである。
本発明においては、本発明の被覆材組成物の硬化を促
進し比較的短時間で耐久性のある被膜を形成させるため
に、上記(A)成分と(B)成分に加えて硬化促進触媒
を配合することが好ましい。このような硬化促進触媒と
してはジブチルチンジラウレート、ジブチルチンジマレ
ート等の有機錫化合物;リン酸、p−トリエンスルホン
酸等の酸化合物、エチレンジアミン、トリエチレンテト
ラシン等のアミン化合物を使用できる。その使用量は特
に規定されるものではないが(A)成分に対して0.001
〜10重量%、込ましくは0.01〜5重量%の範囲内であ
る。
本発明の被覆材組成物に各種充填剤、顔料、有機樹脂
類を添加配合することは本発明の目的損わない限り差し
支えない。これらの具体例としては結晶シリカ、非晶シ
リカ、ヒュームドシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、クレー、マイカ、酸化アルミニウム、水酸化ア
ルミニウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チ
タン、カーボンブラック、ガラス繊維、分散安定剤、紫
外線吸収剤、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂が挙げられる。
本発明の被覆材組成物は、使用に際しての作業性を改
良するため上記(A)成分である共重合体の良溶媒、例
えトルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シンナー等に希釈しても
よい。
〔実施例〕
次に実施例にて本発明を説明する。実施例中、部とあ
るのは重量部を示す。又、実施例中の被膜の物性評価は
以下の方法で実施した。
○耐候性の評価:被膜材組成物を塗布した試験体をサン
シャインカーボンアーク型ウェザーメーターに300時間
暴露した後、肉眼により変色、つやの減少、しわ、ふく
れ、はがれを観察し、指触により白亜化の程度を調べ
た。
○接着性:JISA6910に従って測定した。
実施例1〜実施例4 撹拌装置、等圧滴下ロート、還流器、温度計を備えた
300ml3ツ口フラスコ中に、キシレン100部と両末端アク
リル変性ポリジメチルシロキサン 1部を投入し、N2シール下で撹拌しながら90℃に加熱し
た。エチルアクリレート(以下EAと言う)64部、メチル
メタクリレート(以下MMAと言う)30部、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン5部、アゾビスイソ
ビチロニトリル(以下AIBNと言う)0.5部の混合溶液を
1.5時間かけて連続滴下した。発熱重合するので注意し
ながら液温を90℃に保った。滴下終了後90℃で更に4時
間撹拌し、反応を終結した。得られた反応混合物に各種
のオルガノアルコキシシラン、酸化チタン白色顔料、ジ
フチルチンジオクトエートを加えて混合し表1に示すよ
うな被覆材組成物を得た。
これらの被覆材組成物をシリコーンゴム被覆材[トー
レ・シリコーン(株)製水性シリコーンゴム被覆材組成
物,SE1980の硬化物]表面にに塗布し、その接着強さをJ
ISA6910に従い引張試験機にて測定したところ、表1の
結果を得た。比較のため、オルガノアルコキシシランを
添加配合しない以外は上記と同様にして得た被覆材組成
物について、上記と同様の接着性試験を行った結果を表
1に併記した。
実施例5 実施例1で得られた被覆材組成物をモルタル、アル
ミ、ガラスに塗布し1週間放置して硬化させた。次い
で、得られた硬化物の接着力をJISA6190に従い引張試験
機にて測定したところ、いずれの基材についても7kg/cm
2以上の接着力を示した。また、この被覆材組成物を塗
布したモルタル板をウェザーメーターに入れてその耐候
性を調べたところ500時間経過しても変色、つやの減少
はなく、しわ、はがれ、ふくれ、白亜化も認められなか
った。
〔発明の効果〕
本発明の被覆材組成物は(A)(a)分子鎖両末端に
ラジカル重合性官能基を有する実質的に直鎖状のオルガ
ノポリシロキサン、(b)アクリレート及び/又はメタ
クリレートを主成分とするラジカル重合性化合物及び
(c)特定のオルガノシランもしくはその部分加水分解
縮合物とをラジカル重合して成る共重合体及び(B)特
定のオルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解
縮合物からなる被覆材組成物なので、各種建築土木基材
への接着性に優れ、耐候性、耐久性に優れた被覆材とな
り得るという特徴を有する。
したっがて、各種建築土木基材、各種土木建築物の壁
面に適用する保護コーティング材組成物、防水材組成
物、塗料組成物として極めて有効に使用される。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(a)分子鎖両末端にラジカル重合
    性官能基を有する実質的に直鎖状のオルガノポリシロキ
    サン、 (b)アクリレート及び/又はメタクリレートを主成分
    とするラジカル重合性化合物、及び (c)一般式 (式中、Q1はラジカル重合性官能基を含有する1価の有
    機基、Pは加水分解性の1価の有機基、R1は1価炭化水
    素基、nは0,1,2から選択される正の整数である。)で
    示されるオルガノシランまたはその部分加水分解縮合物
    とをラジカル重合して成る共重合体 100重量部 及び (B)一般式 (式中、Q2は1価の有機基、R2は1価炭化水素基、R3
    アルキル基、nは0,1,2から選択される正の整数であ
    る。)で示されるオルガノアルコキシシランまたはその
    部分加水分解縮合物 0.01〜30重量部 から成る被覆材組成物。
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