JPH11269337A - 硬化性水性エマルション - Google Patents

硬化性水性エマルション

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JPH11269337A
JPH11269337A JP19103798A JP19103798A JPH11269337A JP H11269337 A JPH11269337 A JP H11269337A JP 19103798 A JP19103798 A JP 19103798A JP 19103798 A JP19103798 A JP 19103798A JP H11269337 A JPH11269337 A JP H11269337A
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JP
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group
emulsion
monomer
weight
silane compound
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Application number
JP19103798A
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English (en)
Inventor
Takuya Omura
卓也 大村
Takashi Tsuda
隆 津田
Mitsutaka Hasegawa
三高 長谷川
Takenao Yamamura
武尚 山村
Hiroshi Inukai
宏 犬飼
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安全性及び保存安定性に優れ、1工程で基材に
塗装することが可能で、得られる塗膜が、耐溶剤性及び
耐水性に優れ、さらには耐汚染性及び耐白化性にも優
れ、さらに又基材に吸水防止性能をも付与することが可
能な硬化性水性エマルションの提供。 【解決手段】アルコキシシリル基を有する(メタ)アク
リル系共重合体、加水分解性シラン化合物、及びポリオ
キシアルキレンセグメントとポリオルガノシロキサンセ
グメントからなり珪素含有量が35〜85重量%である
ブロックポリマーが水性媒体中に分散してなる硬化性水
性エマルション、並びにさらにコロイド状シリカが分散
してなる硬化性水性エマルション。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保存安定性に優
れ、一材で基材に対して浸透型吸水防止層と当該吸水防
止層の耐候性を補完する塗膜層を形成することができ、
当該塗膜が耐汚染性、耐溶剤性及び耐水性に優れる硬化
性水性エマルション、さらには耐白化性にも優れる硬化
性水性エマルションに関するものであり、種々の技術分
野に応用可能なものであり、特に土木・建築の分野で賞
用され得るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、コンクリート等の建築・土木材
料には、その表面保護を目的として、まずコンクリート
表面に撥水・吸水防止を目的として、撥水剤及び吸水防
止剤等を塗布し、当該乾燥表面上に、意匠性、防水性及
び耐候性等を付与するために、表面被覆用塗料が塗布さ
れている。
【0003】撥水剤及び吸水防止剤としては、アルコキ
シシランに代表される加水分解性シラン化合物が多く使
用されている。当該加水分解性シラン化合物は、石造物
やコンクリート等の多孔質材料に塗布されると、当該多
孔質材料の細孔に浸透し、その細孔中で基材と結合を形
成しつつ三次元化するため、耐久性に優れる防水層を形
成し、さらに外観が変わらないという特長を有するもの
である。
【0004】一般に、これら加水分解性シラン化合物
は、種々の有機溶剤で希釈されるか、又はエマルション
として使用されているが、近年、環境保護及び安全衛生
等の問題から、エマルションのものが好ましく使用され
てきている。エマルションとして使用される例として
は、例えば、HLBが4〜15の乳化剤を用いたシラン
系水性エマルション(特開昭62−197369)や非
イオン性乳化剤とアニオン性乳化剤を組み合わせたシラ
ン系水性エマルション(特開平3−232527)等が
報告されている。
【0005】次に、表面被覆用塗料としては、種々の樹
脂からなる塗料が使用されているが、特に耐候性を要求
される屋外塗装用の用途においては、フッ素系樹脂やア
クリルシリコン樹脂からなる溶剤系塗料や水性塗料が使
用されている。しかしながら、自動車排ガス、砂塵、鉄
粉、酸性雨及び太陽光線等により、塗膜表面に汚染物質
が堆積したり、雨筋状の汚れが堆積したりすることで美
観が損なわれるという問題が顕在化しており、耐汚染性
に優れる材料が要求されている。有機溶剤型のアクリル
シリコン樹脂塗料の上記問題の解決策として、アクリル
シリコン樹脂をベース樹脂とし、アルキルシリケート又
は部分加水分解物及び硬化触媒からなる塗料組成物が提
案されている(特開平6−248237号)。しかしが
ら、これは塗膜に親水性と水中撥油性を付与し、塗膜が
雨水で濡れ次いで汚染物質が雨水と共に流れ落ちる、い
わゆるローリングアップ機構によって汚れを除去するも
のであるが、塗膜のリコート性が不充分だったり、塗料
の保存安定性が経時的に低下する等、これまでのところ
耐汚染性が充分に満足できる塗料は開発されていない。
【0006】一方、表面被覆用塗料においても、従来の
有機溶剤を使用した塗料に代わって水性塗料が注目され
ており、アクリルシリコン樹脂エマルションからなる組
成物が提案されている。しかしながら、アクリルシリコ
ン樹脂はその水性化が困難であったり、得られるエマル
ションの保存安定性に問題を有するものであった。さら
に、従来のアクリルシリコン樹脂エマルションは、その
塗膜が耐水性及び耐溶剤性を有するものの、耐汚染性の
点では不充分なものであった。さらに又、従来のアクリ
ルシリコン樹脂エマルションは、降雨等により塗膜表面
が白化する場合があるという点で不充分なものであっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】さらに、コンクリート
等の表面に、撥水剤等を塗布し、当該乾燥表面上に、表
面被覆用塗料が塗布する方法は、撥水剤等の塗布工程及
び表面被覆用塗料の塗布工程という、施工を2工程以上
行う必要があるため、作業が煩雑になったり施工に時間
を要するという問題があり、又撥水剤等の被膜が撥水性
を有するため、その上に水系の表面被覆用塗料を塗装す
ることが困難であった。本発明者らは、安全性及び保存
安定性に優れ、1工程で基材に塗装することが可能で、
得られる塗膜が、耐溶剤性及び耐水性に優れ、さらには
耐汚染性及び耐白化性にも優れ、さらに又基材に吸水防
止性能をも付与することが可能な水系の硬化性エマルシ
ョンを見出すため鋭意検討を行った。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の検
討の結果、前記課題を解決するためには、特定の(メ
タ)アクリル系共重合体、加水分解性シラン化合物及び
特定のポリオルガノシロキサン系ポリマーを含有するエ
マルションが、保存安定性に優れ、得られる塗膜が耐溶
剤性及び耐水性に優れる上、さらには耐汚染性も良好と
なり、基材に吸水防止性能をも付与することができ、さ
らに当該エマルションにコロイド状シリカを配合したエ
マルションが、耐白化性にも優れることを見出し本発明
を完成した。以下、本発明を詳細に説明する。尚、本明
細書においては、アクリル系共重合体又はメタクリル系
共重合体を(メタ)アクリル系共重合体といい、アクリ
ル系単量体又はメタクリル系単量体を(メタ)アクリル
系単量体といい、アクリル酸エステル又はメタクリル酸
エステルを(メタ)アクリル酸エステルといい、アクリ
ル酸又は(メタ)アクリル酸を(メタ)アクリル酸とい
う。
【0009】
【発明の実施の形態】◎(A)アルコキシシリル基を有
する(メタ)アクリル系共重合体 本発明におけるアルコキシシリル基を有する(メタ)ア
クリル系共重合体(以下アクリルシリコン共重合体とい
う)は、種々の共重合体が使用可能であり、好ましくは
アルコキシシリル基を有するラジカル重合性単量体
(a)、当該単量体(a) と共重合可能なラジカル重合性単
量体(b) 及び特定構造のラジカル重合性界面活性剤(c)
を構成単位とするものである。以下各成分について説明
する。
【0010】○アルコキシシリル基を有するラジカル重
合性単量体 (a) アルコキシシリル基を有するラジカル重合性単量体 (a)
〔以下単量体(a) という〕としては、種々の化合物が使
用可能である。単量体(a) におけるラジカル重合性基と
しては、エチレン性不飽和基が好ましく、より好ましく
はビニル基及び(メタ)アクリロイル基である。アルコ
キシシリル基におけるアルコキシ単位としては、例えば
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、
ペンタノキシ基及びヘキサノキシ基等が挙げられる。こ
れらの中でも、炭素数4以下のアルコキシ基が、反応性
に優れるため好ましく、メトキシ基より安定性に優れ、
ブトキシ基より反応性に優れることから、エトキシ基又
はプロポキシ基がより好ましい。ケイ素原子と結合する
アルコキシ基の数は1〜3の範囲であれば幾つでもよい
が、硬化性に優れるため、2個又は3個が好ましい。単
量体(a) の具体例としては、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリプロポキシ
シラン、ビニルメチルジプロポキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリプロポキシシラン及びγ−メタク
リロキシプロピルメチルジプロポキシシラン等を挙げる
ことができる。
【0011】○単量体(a) と共重合可能なラジカル重合
性単量体(b) 上記単量体(a) と共重合可能なラジカル重合性単量体
(b) 〔以下単量体(b) という〕としては、(メタ)アク
リル酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ス
チレン及びα−メチルスチレン等が挙げられる。(メ
タ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸nブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸ラウリル及び(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メ
タ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル及び(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプ
ロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、
(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキル、グリシジル
(メタ)アクリレート、並びに(メタ)アクリル酸N,
N−ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
【0012】これら単量体(b) の中でも、共重合性及び
塗膜物性等に優れるため、(メタ)アクリル酸エステル
及びスチレンが好ましく、より好ましくは、炭素数が1
〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキ
ル、炭素数が2〜3のアルキレン基を有する(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシアルキル及びグリシジル(メタ)ア
クリレートである。一方、アルコキシリル基との反応性
又は加水分解促進性を有する(メタ)アクリル酸のよう
な酸性単量体は使用しないことが望ましい。
【0013】本発明において、単量体(a) 及び単量体
(b) の少なくともいずれか一方は、(メタ)アクリル系
単量体である。
【0014】○ラジカル重合性界面活性剤(c) 本発明におけるラジカル重合性界面活性剤(c) 〔以下界
面活性剤(c) という〕は、下記一般式(1)で表される
ポリオキシアルキレン基とイオン性解離基を含有するア
ニオン性又はカチオン性の界面活性剤である。
【0015】
【化1】Z−(AO)n −Y ・・・・・(1)
【0016】(式中、Zはラジカル重合性二重結合を有
する有機基、AOはオキシアルキレン基、nは2以上の
整数、Yはイオン解離性基を示す。) 前記一般式(1)における好ましいZは、芳香族炭化水
素基、アルキル置換芳香族炭化水素基、高級アルキル基
又は脂環式炭化水素基等の疎水性基とラジカル重合性二
重結合とが組み合わされた有機基である。Zにおけるラ
ジカル重合性二重結合としては、(メタ)アリル基、プ
ロペニル基又はブテニル基等が好ましい。
【0017】本発明における界面活性剤(c) の好ましい
イオン性はアニオンであり、したがってYとしては、基
(AO)n とアニオン性の基で結合可能であり、当該ア
ニオン性の基にカチオンがイオン結合した塩が好まし
い。好ましいYの具体例としては、−SO3 Na、−S
3 NH4 、−COONa、−COONH4 、−PO3
Na2 及び−PO3 (NH4 2 等が挙げられ、さらに
好ましくは−SO3 Na又は−SO3 NH4 である。基
(AO)n におけるnは2以上の整数である。nが1の
場合は、単量体(a)中のアルコキシシリル基が不安定に
なり分解し易くなってしまう。好ましいnとしては、3
00以下であり、さらに好ましくは5〜50である。n
が5未満であると、前記単量体(a) 中のアルコキシシリ
ル基の安定性が不足し易くなる場合があり、一方nが3
00を越えると得られる硬化性エマルションから形成さ
れる塗膜の物性が低下する傾向を示すことがある。又、
基(AO)n における単位A、すなわちアルキレン基と
しては、エチレン基又はプロピレン基が好ましい。
【0018】成分(c) の具体例としては、例えば下記式
(2)〜(4)で表される化合物等が挙げられる。式
(2)及び(3)において、R1 及びR2 としては、炭
素数6〜18の直鎖状又は分岐状アルキル基が好まし
い。(4)において、R3 は水素原子又はメチル基であ
り、R4 としては、炭素数8〜24のアルキル基が好ま
しい。又、式(2)〜(4)において、A1 、A2 及び
3 は、アルキレン基を示し、又いずれの化合物におい
てもnは2以上の整数である。又、式(2)〜(4)に
おいて、Y1 、Y2 及びY3 はイオン解離性基を示し、
その具体例としては、Yと同様のものを挙げることがで
きる。
【0019】
【化2】
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】これら界面活性剤(c) の好ましいものは市
販されており、例えば下記式(5)で表されるアクアロ
ン〔第一工業製薬(株)製〕及び式(6)で表されるア
デカリアリープ〔旭電化工業(株)製〕等がある。アク
アロンHS05、同HS10及び同HS20は、それぞ
れ式(5)において、ポリオキシエチレン基の縮合度で
あるnが5、10及び20のものであり、アデカリアリ
ープSE−10Nは、式(6)において、nが10の化
合物である。
【0023】
【化5】
【0024】式(5)の化合物は、式(2)において、
1 がノニル基、A1 がエチレン基、Y1 がSO3 NH
4 の例である。
【0025】
【化6】
【0026】式(6)の化合物は、式(3)において、
2 がノニル基、A2 がエチレン基、Y2 がSO3 NH
4 の例である。
【0027】本発明において、硬化性水性エマルション
の中のアクリルシリコン共重合体の割合は5〜70重量
%が好ましく、より好ましくは15〜60重量%であ
る。アクリルシリコン共重合体が5重量%に満たない
と、1回塗布当たりの膜厚が薄くなり施工回数が増すた
め経済的でなく、他方濃度が70重量%を越えると、得
られる塗膜の膜厚が厚くなったり、白化等の問題を起こ
す場合がある。
【0028】○製造方法 本発明におけるアクリルシリコン共重合体は、上記単量
体(a) 、単量体(b) 及び界面活性剤(c) を水性媒体中で
ラジカル重合して得ることができる。ここで、各成分の
使用割合としては、単量体(a) 、単量体(b) 及び界面活
性剤(c) の合計量〔以下(a) (b) (c) 合計量という〕を
基準にして、単量体 (a)が0.5〜49.5重量%の範
囲であることが好ましく、より好ましくは3〜20重量
%、単量体 (b)が99〜50重量%の範囲であることが
好ましく、より好ましくは96〜75重量%、及び界面
活性剤 (c)が0.5〜20重量%の範囲であることが好
ましく、より好ましくは1〜5重量%の範囲である。上
記単量体(a) の共重合割合が0.5重量%未満である
と、得られる硬化性エマルションの硬化性が不充分とな
り、その塗膜に白化を生じる場合があり、一方49.5
重量%を越えると貯蔵安定性が低下し易くなる場合があ
る。単量体(b)の割合が50重量%未満であると、得ら
れる硬化性エマルションの造膜性及び塗膜の基材に対す
る密着性等が劣ることがある。界面活性剤(c) の割合
が、0.5重量%未満であると重合安定性が低下し易
く、一方20重量%を越えると塗膜の耐水性が不足する
ことがある。
【0029】単量体(a) 、単量体(b) 及び界面活性剤
(c) をラジカル重合する方法としては、種々の方法が採
用され、油溶性重合開始剤を使用して油溶性の前記単量
体の微粒子中で重合させるミクロ懸濁重合、乳化剤によ
るミセル中で水溶性重合開始剤による単量体を重合させ
る乳化重合等が採用できるが、単量体(a) の重合安定性
に優れるため、ミクロ懸濁重合を採用することが好まし
い。ミクロ懸濁重合においては、単量体の分散粒子中に
油溶性ラジカル重合開始剤が含まれているため、重合は
各単量体分散微細粒子内で起こるもので、乳化剤が形成
するミセル内で水溶性開始剤により重合が起こる乳化重
合法とは区別されるものである。
【0030】ミクロ懸濁重合をするためには、先ず単量
体(a) 、単量体(b) 及び油溶性重合開始剤からなる混合
物を、界面活性剤(c) により水性媒体中に、好ましくは
pH緩衝剤を溶解させた水性媒体中に分散させる。この
単量体等の水性媒体中への分散操作において、界面活性
剤(c) は、単量体等に配合しても、pH緩衝剤と同様に
事前に水性媒体中へ溶解させておいても良い。水性媒体
中に分散させる単量体の割合は、単量体(a) 及び単量体
(b) の合計量100重量部当り、水性媒体20〜150
重量部程度が適当である。
【0031】ミクロ懸濁重合に使用される油溶性ラジカ
ル重合開始剤は、20℃の水に対する溶解度が10重量
%以下のものが好ましく使用される。例えば、2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−
2,4ジメチルバレロニトリル、1ーアゾビス−1−シ
クロヘキサンカルボニトリル及びジメチル−2,2’−
アゾビスイソブチレート等のアゾ系開始剤、ラウロイル
パーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパー
オキシド、シクロヘキサノンパーオキシドジ−n−プロ
ピルパーオキシジカルボネート及びt−ブチルパーオキ
シピバレート等の有機過酸化物が好適に用いられる。こ
れら重合開始剤の量は、単量体の合計量に対して0.1
〜10重量%が適当であり、好ましくは0.5〜5重量
%の範囲に設定される。
【0032】この場合、単量体(a) におけるアルコキシ
シリル基の安定化のため、pH緩衝剤を配合することが
好ましい。pH緩衝剤は、水性乳化分散体における水性
媒体のpHを中性乃至弱アルカリ性領域、具体的にはp
H6〜10に保持するために適した緩衝機能があるもの
が好ましく使用される。この種のpH緩衝剤としては、
有機酸、無機酸、塩基及びこれらの塩等が挙げられる。
無機酸としては、炭酸、燐酸、硫酸及びヒドロ硫酸等が
挙げられる。有機酸としては、炭素数1〜6のオルガノ
−、モノ又はポリカルボン酸、有機酸の塩としては、炭
素数2〜30のアルキレンイミノポリカルボン酸のモノ
又はポリアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアミ
ン塩等が挙げられる。塩基としては、アンモニア、炭素
数1〜30の有機塩基等が挙げられる。本発明では、無
機酸の塩を使用することが好ましく、具体的には、炭酸
水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、
ホウ酸ナトリウム、燐酸1、2又は3ナトリウム、燐酸
1、2又は3カリウム、燐酸アンモニウムナトリウム、
硫酸1又は2ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウ
ム、酢酸アンモニウム、酢酸カルシウム、ぎ酸ナトリウ
ム、硫化1又は2ナトリウム、アンモニア、モノ、ジ又
はトリエチルアミン、モノ、ジ又はトリエタノールアミ
ン、(エチレンジニトリロ)4酢酸ナトリウム塩(E.
D.T.A.ナトリウム)、ピリジン、アニリン及び珪
酸ナトリウム等が挙げられ、少量の添加でpHが安定す
る炭酸水素ナトリウムを用いることが特に好ましい。p
H緩衝剤は2種以上組み合わせて使用することもでき、
例えば炭酸水素ナトリウムとリン酸一ナトリウムの併用
により、pHを7.5の近傍に維持できる。pH緩衝剤
の好適な使用量は、水に対して0.01〜5重量%の範
囲である。pH緩衝剤の使用により、水性乳化分散体に
おける水性媒体のpHは6〜10の範囲に制御され、ア
ルコキシリル基を有するラジカル重合単量体(a) 又は該
単量体を一成分とする重合体におけるアルコキシシリル
基の加水分解が抑制される。
【0033】乳化分散の方法としては、通常の回転式ホ
モミキサーで十分に乳化分散させることができる。単量
体(a) 、単量体(b) 及び界面活性剤(c) からなる乳化分
散体の粒子径としては、粒子径の小さい水性乳化分散体
であることが好ましく、具体的には1μm以下が好まし
く、より好ましくは0.2〜0.05μmである。この
様な粒子径のエマルションとすることにより、重合後に
得られる乳化分散体の粒子径を小さくすることができ、
さらにこれから得られる塗膜が耐溶剤性及び耐水性に優
れるものとなる。この様な粒子径にするためには、回転
式ホモミキサーによる処理後に、高圧式乳化分散機(ホ
モジナイザー)、タービン型ミキサー等高度の剪断エネ
ルギーを有する分散装置を用いて粒子径を微細化するこ
とが望ましい。
【0034】上記操作により得られる単量体(a) 及び単
量体(b) 等からなるエマルション(以下「単量体エマル
ション」という)の重合操作は、単量体エマルションを
撹拌下に加熱されている水性媒体中に連続的又は間欠的
に供給する方法で行われる。単量体エマルションの供給
方法としては、滴下ロートから徐々に滴下する手段を採
ることが好ましい。この際、重合容器に仕込む水性媒体
の好ましい量は、単量体エマルション100重量部当た
り10〜50重量部の範囲である。重合温度は、用いる
重合開始剤によって異なるが、通常40〜100℃程度
であり、好ましくは70〜90℃である。
【0035】当該重合方法により、平均粒径が0.1μ
m 程度のアクリルシリコン共重合体粒子が安定に乳化分
散した水性分散液が製造される。
【0036】◎(B)加水分解性シラン化合物 本発明で使用する加水分解性シラン化合物は(以下単に
シラン化合物ともいう)は、基材に対して吸水性及び撥
水性を付与することができるものであれば種々のものが
使用でき、モノマーでもオリゴマーでも使用可能であ
る。オリゴマーは、シラン化合物の2量体以上の縮合物
であり、好ましいオリゴマーは、2〜10量体である。
10量体を超えるオリゴマーを使用する場合は、得られ
るエマルションの吸水防止性能が低下することがある。
本発明においては、シラン化合物として、下記一般式
(7)で示されるものを使用することが好ましい。
【0037】
【化7】R5 n Si(R6 4-n ・・・・(7)
【0038】ここで、式(7)において、R5 は加水分
解を起こし難く、安定な疎水基であり、炭素数1〜30
のアルキル基、置換アルキル基又はアリール基である。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、
オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、
ヘキサデシル基、オクタデシル基及びエイコシル基等を
挙げることができる。置換アルキル基としては、ハロゲ
ン化アルキル基、芳香族置換アルキル基等が挙げられ
る。ハロゲン化アルキル基としては、上記アルキル基の
フッ素化物、塩素化物及び臭素化物等があり、具体的に
は3−クロロプロピル基、6−クロロヘキシル基及び
6,6,6−トリフルオロヘキシル基等を挙げることが
できる。芳香族置換アルキル基としては、ベンジル基、
4−クロロベンジル基及び4−ブロモベンジル基等のハ
ロゲン置換ベンジル基等を挙げることができる。アリー
ル基としては、フェニル基、トリル基、メシチル基及び
ナフチル基等が挙げられる。R6 は、加水分解性の官能
基であり、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原
子、アミノ基、ヒドロシキル基及びカルボキシル基であ
る。アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子として
は、塩素原子又は臭素原子が好ましい。シラン化合物が
複数個のR5 又はR6 を持つ場合は、それぞれは同一で
あっても異なっていても良い。nは1又は2である。n
が0のものは、得られるエマルションの皮膜の撥水性及
び防水性が十分でないという問題がある。
【0039】シラン化合物の具体例としては、下記に示
すシラン化合物又はこれらのオリゴマーが好適なものと
して挙げることができる。
【0040】○式(7)において、R5 がアルキル基、
ハロゲン化アルキル基又は芳香族置換アルキル基で、R
6 がアルコキシ基で、nが1のシラン化合物の例 R5 がアルキル基の例としては、メチルトリメトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、メチル−トリ−n−
プロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチル
トリエトキシシラン、エチル−トリ−n−プロポキシシ
ラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピル−トリ−
n−プロポキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブ
チルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラ
ン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリ
メトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、シ
クロヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキ
シシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリ
イソプロポキシシラン、2−エチルヘキシルトリメトキ
シシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメ
トキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ヘキ
サデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキ
シシラン及びエイコシルトリメトキシシラン等が挙げら
れる。R5 がハロゲン化アルキル基の例としては、6−
クロロヘキシルトリメトキシシラン及び6,6,6−ト
リフルオロヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられ
る。R5 が芳香族置換アルキル基の例としては、ベンジ
ルトリメトキシシラン、4−クロロベンジルトリメトキ
シシラン、4−クロロベンジルトリエトキシシラン及び
4−ブロモベンジルトリ−n−プロポキシシラン等が挙
げられる。
【0041】○式(7)において、R5 がアルキル基
で、R6 がハロゲン原子で、nが1のシラン化合物の例 ドデシルトリクロロシラン、ドデシルトリブロモシラン
等が挙げられる。
【0042】○式(7)において、R5 がアリール基
で、R6 がアルコキシ基で、nが1のシラン化合物の例 フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ラン等が挙げられる。
【0043】○式(7)において、R5 がアルキル基
で、R6 がアルコキシ基で、nが2のシラン化合物の例 ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジブチルジメトキシシラン及びジイソブチルジメト
キシシラン等が挙げられる。
【0044】本発明では、式(7)において、R5 がア
ルキル基、R6 がアルコキシ基で、nが1のシラン化合
物、即ちアルキルトリアルコシキシランを使用すること
が、保存安定性に優れ、粒子径の小さいエマルションが
得られるためより好ましい。
【0045】これらシラン化合物は、2種以上を併用す
ることもできる。
【0046】本発明で使用されるシラン化合物は、製造
時の不純物であるシラノール基を持つ化合物や残留触媒
等を含んでいるものであっても良い。
【0047】本発明において、硬化性水性エマルション
中のシラン化合物の濃度は5〜60重量%が好ましく、
より好ましくは8〜45重量%である。シラン化合物の
濃度が5重量%に満たない場合は、基材への浸透性が低
下することがあり、濃度が60重量%を越えるとアクリ
ルシリコン共重合体の硬化性が低下したり及び塗膜が形
成され難くなる場合がある。
【0048】○シラン化合物の水性分散液 本発明のエマルションの製造において、シラン化合物
は、好ましくはシラン化合物の水性分散液として使用さ
れる。シラン化合物の水性分散液は、種々の方法により
製造されたものが使用できる。
【0049】シラン化合物の水性分散液においては、シ
ラン化合物を水性エマルションないしはそれに近い状態
にする目的で、乳化剤を配合する。当該乳化剤として
は、ノニオン性、アニオン性及びカチオン性の何れのタ
イプのものも使用可能である。これらの中でもノニオン
性乳化剤を使用した加水分解性シラン化合物の水性エマ
ルションは乳化安定性が優れており好ましい。ノニオン
性及びアニオン性乳化剤を使用する場合には、加水分解
縮合反応が比較的早く発生し効力が低下してしまうの
で、調製後速やかに使用することが好ましい。ノニオン
性乳化剤としては、HLB=4〜22のタイプのもの、
又はそれらの混合物が好適に使用される。具体例として
は、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン誘導
体、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステア
レート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート
及びポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等
が挙げられる。その他の乳化剤のHLBとしては1.5
〜22のものが好ましく、より好ましくは4〜15であ
る。乳化剤は、シラン化合物に対して0.1〜50重量
%に範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1
〜20重量%である。乳化剤の種類及び濃度は、使用す
る加水分解性シラン化合物により変化するため、乳化剤
を使用するに当たっては、実験的に検討し決定すること
が好ましい。これら乳化剤は、2種以上を併用すること
もできる。
【0050】シラン化合物の水性分散液において、シラ
ン化合物の割合は、1〜65重量%であることが好まし
く、より好ましくは5〜50重量%であり、分散媒の水
は、35〜99重量%が好ましく、より好ましくは50
〜95重量%である。シラン化合物の割合が1重量%に
満たない場合は、得られるエマルションが基材に対して
吸水防止性及び撥水性等の所望の性能を発現し難くなる
ことがあり、他方65重量%を越える場合には、シラン
化合物の乳化が困難になったり、得られるエマルション
が不安定で分離し易くなることがある。
【0051】シラン化合物の水性分散液の製造方法とし
ては、例えば、特開平1−292089号公報や特開昭
62−197369号公報に記載されているような、乳
化剤を、必要に応じて水に分散させ、これにシラン化合
物を加え、高速攪拌して乳化する方法等が挙げられる。
当該分散液の分散粒子の粒子径としては、1μm以下が
好ましく、より好ましくは0.5μm以下である。粒子
径が1μmを越えるものは、得られる水性分散液が分離
し易い不安定なものとなる場合がある。
【0052】シラン化合物の水性分散液は、必要に応じ
て、他の乳化剤、保護コロイド剤等を通常の割合含有し
ても良い。又、水性分散液中の加水分解性シラン化合物
の加水分解反応を抑制する目的で、pH緩衝剤を配合す
ることが好ましい。pH緩衝剤としては、前記アクリル
シリコン共重合体の製造方法の項で挙げたものと同様の
ものが使用可能であり、無機酸の塩を使用することが好
ましく、少量の添加でpHが安定する炭酸水素ナトリウ
ムを用いることが特に好ましい。緩衝剤の配合割合は、
通常のシラン系水性エマルションに添加されている割合
でよく、具体的には水性分散液中に0.01〜5重量%
が好ましい。この他にも、防黴剤、殺菌剤、フレグラン
ス、着色剤、シックナー、発泡剤及び消泡剤等を吸水防
止剤の性能を損わない程度添加することもできる。
【0053】又、これらシラン化合物の水性分散液は、
市販のシリコーン系及びシラン系の撥水剤及び吸水防止
剤が使用可能であり、具体的にはタイトシラン〔東洋イ
ンキ(株)〕やアクアプルーフ〔東亞合成(株)〕等が
挙げられる。
【0054】◎(C)ブロックポリマー 本発明のエマルションを構成するブロックポリマーは、
ポリオキシアルキレンセグメントとポリオルガノシロキ
サンセグメントからなり、珪素含有量が35〜85重量
%であるブロックポリマー(以下、単に「ポリオルガノ
シロキサンブロックポリマー」という)であり、塗膜の
耐汚染性を改良するために機能する必須の成分である。
【0055】ポリオルガノシロキサンブロックポリマー
のGPCによるポリスチレン換算の数平均分子量として
は、1,000〜30,000が好ましい。又、ポリオ
ルガノシロキサンセグメントの数平均分子量は400〜
10,000であることが好ましく、又ポリオキシアル
キレンセグメントは数平均分子量が200〜10,00
0であることが好ましい。ポリオルガノシロキサンブロ
ックポリマー中のポリオルガノシロキサンセグメントの
割合は、珪素含有量として35〜85重量%でなければ
ならない。35重量%未満では耐汚染性の改良が不十分
で、又塗膜の耐水性が低下する。一方、85重量%を越
えると耐汚染性の改良が不十分である。
【0056】ポリオルガノシロキサンブロックポリマー
は、種々のポリマーが使用可能であり、好ましくはポリ
オキシアルキレンセグメントとポリオルガノシロキサン
セグメントがアルキレン基の連結基を介して交互に繰り
返し結合しているものであり、下記式(8)で表される
骨格を有するポリマーがより好ましい。
【0057】
【化8】
【0058】式(8)において、R7 及びR8 は脂肪族
不飽和結合を含まない1価の炭化水素基を表し、1分子
中のR7 及びR8 は、それぞれ同一でも異なっていても
良い。Aは一端がケイ素原子に、他端が酸素原子に結合
する2価の有機基を表し、aは4以上の整数を表し、b
は4以上の整数を表し、cは2以上の整数を表し、nは
2、3又は4の整数を表す。
【0059】式(8)におけるR7 及びR8 としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、ドデシル基、オクタデシル基及びエイコシル基等の
アルキル基;フェニル基及びナフチル基等のアリール
基;ベンジル基及びフェニルエチル基等のアラルキル
基;トリル基、キシリル基及びシクロヘキシル基等を挙
げることができる。
【0060】式(8)におけるAは一端がケイ素原子
に、他端が酸素原子に結合する2価の有機基、すなわ
ち、隣接ケイ素原子には炭素−ケイ素結合によって結合
し、そして隣接酸素原子を介してポリオキシアルキレン
セグメントに結合する2価の有機基である。Aの好適な
例は以下のものがある:−CH2 CH2 −、−CH2
2 CH2 −、−CH2 CH(CH3 )CH2 −、−C
2 CH2 CH2 CH2 −、−(CH2 2 CO−、−
(CH2 3 NHCO−、−(CH2 3 NHCONH
(C6 4 )NHCO−、−(CH2 3 OOCN(C
6 4 )NHCO−。
【0061】又、式(8)におけるポリオキシアルキレ
ンセグメント、即ち(Cn 2nO)b 単位としては、具
体的にはC2 4 O、C3 6 O及びC4 8 O等があ
り、異なる2種類の単位を有するものであっても良い。
好ましい例としては、C2 4 O単位とC3 6 O単位
がブロック共重合したものが挙げられる。
【0062】上記ポリオルガノシロキサンブロックポリ
マーは、ポリアルキレンオキサイドの両末端にメタアリ
ル基を有するジメタアリルポリエーテルとジヒドロポリ
オルガノシロキサンとの反応等により製造することがで
きる。ポリオルガノシロキサンブロックポリマーの具体
例としては、日本ユニカ(株)製ABN SILWET
シリーズ等が挙げられる。
【0063】本発明におけるポリオルガノシロキサンブ
ロックポリマーの含有量はアクリルシリコン共重合体1
00重量部に対し、0.1〜30重量部が好ましい。
0.1重量部未満では耐汚染性の改良が不十分なことが
あり、一方、30重量部を越えると、塗膜の耐候性が低
下し易い。
【0064】◎(D)コロイド状シリカ 本発明のアクリルシリコン共重合体、シラン化合物及び
ポリオルガノシロキサンブロックポリマーとからなるエ
マルションは、その塗膜が耐溶剤性、耐水性及び耐汚染
性に優れているものであるが、過酷な環境条件下におい
ては、配合するポリオルガノシロキサンブロックポリマ
ーを原因とする耐白化性の問題が発生する場合があっ
た。本発明において、得られる塗膜に耐白化性をさらに
高度に付与する場合には、コロイド状シリカを配合す
る。本発明におけるコロイド状シリカは、粒子径10μ
m以下のものが好ましく、より好ましくは1μm以下の
ものである。コロイド状シリカの粒子径が10μmを超
えるものは、エマルション中への分散性に劣り、又得ら
れる塗膜が脆くなってしまうことがある。コロイド状シ
リカとしては、シリカ微粒子が水又はアルコール等の有
機溶剤に分散したものを使用することができる。さら
に、本発明では、水中にシリカ微粒子が分散した水性の
コロイド状シリカが、得られるエマルションへの分散性
に優れる点で好ましい。水性のコロイド状シリカとして
は、pHは3〜11であることが好ましい。pHが3未
満か又は11を越えると、得られるエマルションの安定
性が低下する場合がある。コロイド状シリカは市販され
ており、スノーテックス〔日産化学工業(株)製〕、セ
ラゾール(コルコート社製)、ルドックス(デュポン社
製)、ミトン(モンサントケミカル社製)シリカドール
〔日本化学(株)製〕、カタロイド〔触媒化成工業
(株)製〕及びアデライト〔旭電化工業(株)製〕等が
ある。
【0065】エマルション中のコロイド状シリカの配合
割合としては、アクリルシリコン共重合体100重量部
に対し、シリカがSiO2 換算で0.1〜20重量部が
好ましく、より好ましくは、1〜10重量部である。こ
の割合が0.1重量部未満であると、塗膜の耐白化性が
不充分となる場合があり、他方20重量部を越えると塗
膜が脆くなることがある。
【0066】◎硬化性水性エマルションの製造方法 本発明のエマルションは、アクリルシリコン共重合体、
シラン化合物及びポリオルガノシロキサンブロックポリ
マーを乳化剤の存在下に水性媒体中で常法に従い混合す
ることで製造することができ、シリカを配合する場合
は、これらにさらにシリカを併用して前記と同様に混合
することにより製造することができる。種々の製造方法
の中でも、アクリルシリコン共重合体の水性分散液、シ
ラン化合物の水性分散液及びポリオルガノシロキサンブ
ロックポリマーを混合する方法が製造が容易であるとい
う理由で好ましく、シリカを配合する場合も同様であ
る。
【0067】当該製造方法は、種々の方法が採用でき、
具体的には、アクリルシリコン共重合体の水性分散液と
シラン化合物の水性分散液とを混合し、次いでポリオル
ガノシロキサンブロックポリマーを添加混合する方法、
又はシラン化合物の水性分散液とポリオルガノシロキサ
ンブロックポリマーとを混合し、次いでアクリルシリコ
ン共重合体の水性分散液を混合する方法等が挙げられ
る。シリカを配合する場合は、具体的には、アクリルシ
リコン共重合体の水性分散液とシラン化合物の水性分散
液とを混合し、次いでポリオルガノシロキサンブロック
ポリマーを添加し更にシリカを添加混合する方法、又は
シラン化合物の水性分散液とポリオルガノシロキサンブ
ロックポリマーとを混合し、次いでアクリルシリコン共
重合体の水性分散液を混合しシリカを添加混合する方法
等が挙げられる。
【0068】本発明において、ポリオルガノシロキサン
ブロックポリマーは、そのまま配合することもできる
が、塗料添加剤のひとつである造膜助剤中にポリオルガ
ノシロキサンブロックポリマーを予め溶解させた溶液を
使用することもでき、又ポリオルガノシロキサンブロッ
クポリマーを界面活性剤の存在下又は非存在下に乳化分
散してものも使用できる。
【0069】本発明では、エマルションに造膜助剤を配
合することが好ましい。造膜助剤は通常水性塗料で用い
られているものが使用でき、例えば、炭素数5〜10の
直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族アルコール類、芳香族
基を含有するアルコール類;一般式HO−(CH2 CH
XO)n −R9 (R9 :炭素数1〜10の直鎖又は分岐
状のアルキル基、X:水素又はメチル基、n≦5の整
数)で示される(ポリ)エチレングリコール又は(ポ
リ)プロピレングリコール等のモノエーテル類;一般式
10COO−(CH2 CHXO)n −R11(R10
11:炭素数1〜10の直鎖又は分岐状のアルキル基、
X:水素又はメチル基、n≦5の整数)で示される(ポ
リ)エチレングリコールエーテルエステル又は(ポリ)
プロピレングリコールエーテルエステル類;トルエン及
びキシレン等の芳香族系有機溶剤、2,2,4−トリメ
チル−1,3−ペンタンジオールのモノ又はジイソブチ
レート、3−メトキシブタノール、3−メチキシブタノ
ールアセテート、3−メチル−3−メトキシブタノール
及び3−メチル−3−メトキシブタノールアセテート等
が挙げられる。
【0070】該エマルションは、実施例において具体的
に説明するとおり、温度60℃で1ケ月間放置しても安
定なエマルション状態を維持し、しかも良好な自己硬化
性能と浸透性を有し、塗膜物性としての耐汚染性に優れ
ている。
【0071】本発明のエマルションは、単量体(a) に由
来するアルコキシシリルシリル基の加水分解によって生
じるシラノール基が主体となって起こる縮合反応により
硬化するが、必要に応じて硬化触媒を配合することもで
きる。硬化触媒として、例えばイソプロピルトリイソス
テアロイルチタネート及びイソプロピルトリ(ジオクチ
ルピロホスフェート)チタネート等の有機チタネート化
合物、ジオクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレート及びジ
ブチル錫マレート等の有機錫化合物、並びにパラトルエ
ンスルフォン酸等の有機酸触媒を挙げることができる。
又、前記硬化触媒とともに、本発明エマルションの使用
に際し、適当量の無機酸を加え、エマルションのpHを
3〜5程度の酸性域に調整すれば、一層架橋性が改善さ
れた被膜を作製することが可能となる。又、これらの触
媒や酸の添加は、エマルションを構成するシラン化合物
の基材との反応を促進させる。
【0072】本発明のエマルションには、必要に応じて
顔料、消泡剤、増粘剤、防黴剤、防腐剤、抗菌剤、紫外
線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、スリップ剤、たれ
防止剤、色別れ防止剤、酸化防止剤及び熱安定剤等の通
常水性塗料で使用される添加剤を配合しても良い。又、
顔料を分散させる場合には、顔料分散剤を添加しても良
い。これらは前記ポリオルガノシロキサンブロックポリ
マーを配合する前、アクリルシリコン共重合体の水性分
散液、シラン化合物の水性分散液又はアクリルシリコン
共重合体及びシラン化合物の水性分散液に予め配合して
おくこともできる。
【0073】本発明のエマルションは被覆剤として好適
であり、適用できる基材としては、石材、セメントコン
クリート、セメントモルタル、ガラス、スレート、金
属、木材及びプラスチック等が挙げられ、特に、石材、
セメントコンクリート及びセメントモルタル等の多孔質
無機材料に好ましく適用できる。又、その用途として
は、建材用の塗料、耐酸性雨用塗料、防汚性塗料及び無
機建材用溌水剤の他に、繊維用の硬化仕上げ剤、溌水剤
及びシーリング剤等が挙げられ、特に建築用塗料として
好ましく使用することができる。
【0074】本発明のエマルションの塗装は、水性塗料
で通常行われている方法に従えば良く、例えばスプレー
塗装、はけ塗り、ロール等によって塗装することができ
る。この場合、塗料の膜厚としては、目的に応じて選択
すれば良いが、下地保護性、乾燥性のバランスの点から
10〜50μmであることが好ましい。
【0075】
【作用】本発明の硬化性水性エマルションが、得られる
塗膜が耐溶剤性及び耐水性に優れる上、さらには耐汚染
性及び耐白化性にも優れる理由は不明であるが、次のこ
とが推察される。即ち、本発明のエマルションにおい
て、構成成分のポリオルガノシロキサンブロックポリマ
ーは、そのポリオルガノシロキサンセグメントの界面張
力の低さにより、ポリオルガノシロキサンブロックポリ
マーを塗膜表面に局在化させ、該セグメント間に挟まれ
た親水性のポリオキシアルキレンセグメントがうまく塗
膜表面に配列し、その結果塗膜表面を親水化できるた
め、雨水等により汚染物質が流れ落とされ易くなるため
であると推定される。一方、コロイド状シリカ粒子は、
アクリルシリコン共重合体と架橋し、これにより塗膜表
面が強化され、耐白化性が付与されるものと推定され
る。又、特に本発明のエマルションにおいて、アクリル
シリコン共重合体として単量体(a) 、単量体(b) 及び界
面活性剤(c) から構成される共重合体を使用する場合
に、そのエマルションの保存安定性に優れるのは、単量
体(a) とポリオキシアルキレン基及びイオン解離性の基
を有する界面活性剤(c) との共重合体であることによ
り、界面活性剤(c) が共重合時に単に乳化剤として機能
するばかりでなく、単量体(a) とラジカル重合して、共
重合体中のアルコキシシリル基と近接し、界面活性剤
(c) のポリオキシアルキレン基が共重合体中のアルコキ
シシリル基を効果的に保護できるため、最終的に得られ
るエマルションの保存安定性が向上するものと考えられ
る。
【0076】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明する。尚、各例において、部は重量部
を意味し、%は重量%を意味する。 ○製造例1(アクリルシリコン共重合体の水性分散液の
製造) ・予備エマルションの合成 単量体(a) 、単量体(b) 、界面活性剤(c) 、油溶性ラジ
カル重合開始剤及び水性媒体を表1に示す配合量で混合
し、ホモミキサーで混合したのち、さらにホモジナイザ
ー〔ゴーリン社製〕で乳化分散処理を施し、pH8.5
の単量体エマルションを調製した。
【0077】
【表1】 ※アクアロンHS20は、式(5)において、nが20の化合物である。
【0078】・重合反応 撹拌機、温度計及び冷却器を備えたフラスコに水性媒体
として脱イオン水40部を仕込み、液温を85℃に昇温
したのち、水性媒体を高速で撹拌しながら上記の単量体
エマルションを2時間かけて滴下した。滴下終了後、8
5℃の温度に2時間保持して共重合させ、ついで室温ま
で冷却した。重合中、フラスコ内壁に凝集物が僅かに付
着したが、液分離及びブロッキングは起こらず、重合は
安定に行われた。この重合操作により、樹脂固形分が4
0重量%、重合体粒子の平均粒径が0.11μmで、p
Hが8.5のアクリルシリコン共重合体の水性分散液を
得た。
【0079】○製造例2(シラン化合物の水性分散液の
製造) ヘキシルトリエトキシシラン200gと乳化剤であるH
LB=15のポリオキシエチレンオクチルフェニルエー
テル8gとを混合し、当該混合物を、pH緩衝剤の炭酸
水素ナトリウム(水性分散液における含有量が0.1%
となる量)を含む脱イオン水292gに添加し、高速撹
拌した。得られたシラン化合物の水性分散液は、シラン
化合物の濃度が40%で、平均粒径は0.3μmであっ
た。
【0080】○実施例1 オルガノシロキサンブロックポリマーである日本ユニカ
ー(株)製直鎖状ポリエーテル変性シリコーンABN
SILWET F1−009−11(珪素含有量40重
量%、以下F1)を造膜助剤(トリプロピレングリコー
ルノルマルブチルエーテル、以下TPNB)に重量部と
してF1/TPNB=1/2の割合で混合し溶解せしめ
た(混合液A)。他方、製造例で得られたアクリルシリ
コン共重合体の水性分散液50部とシラン化合物の水性
分散液50部を(混合後の水性分散液中のアクリルシリ
コン共重合体及びシラン化合物の濃度はいずれも20
%)混合した(混合液B)。混合液Bの100部に混合
液Aの9部を(アクリルシリコン共重合体100部に対
して、オルガノシロキサンブロックポリマーが15部の
割合)添加し、攪拌混合して硬化性水性エマルションを
得た。得られたエマルションを、下記に従い評価した。
それらの結果を表3に示す。
【0081】○評価 エマルションの安定性 得られたエマルションを密封容器に入れて1ケ月間60
℃の温度に保持した後、アクリルシリコン共重合体又は
シラン化合物のアルコキシ基が分解して生成したアルコ
ール量をガスクロマトグラフィーにより分析した。仕込
み単量体(a) 及びシラン化合物のアルコキシ基が全て加
水分解したと仮定した場合のアルコール量に対する前記
アルコールの割合を計算した〔加水分解割合(重量
%)〕。又、目視により分離状況を確認した。
【0082】耐水性試験 スレート板に、得られたエマルションを1m2 当り15
0g塗布し、7日間乾燥して試験体Aを作成した。試験
体Aを、7日間清水(20℃)に浸漬した後、白化の有
無を確認し、水中浸漬前後の光沢変化を測定して、次の
三段階で評価した。 光沢保持率:100〜80%;○、80〜40%;△、
40〜0%;×
【0083】浸透深さ モルタル板に、得られたエマルションを1m2 当り15
0g塗布し、14日間乾燥養生した後、割裂し、断面に
水を噴霧して、撥水部分の深さを測定して、浸透深さと
した。
【0084】耐酸性 耐水性試験と同様の試験体Aの塗膜に対して、5%硫酸
を1滴滴下し、60℃で10分間保持し塗膜の状態を観
察し、次の三段階で評価した。 ○;変化無し、△;痕が着く、×;塗膜が浮く又は剥が
れる
【0085】吸水防止性 モルタル板に、得られたエマルションを1m2 当り15
0g塗布し、7日間乾燥養生して、重量測定した。当該
試験体の塗布面を下にして清水(20℃)中半没し、7
日後に取り出して重量測定し、浸漬前後の重量増加を浸
漬前の重量で除し100を乗じて吸水率として測定し
た。
【0086】耐汚染性 耐汚染性の評価は、図1及び同2に示すコンクリートブ
ロックを用いて行った。このコンクリートブロック1
は、垂直面11の上に続いて上向き角度45度の傾斜面
12が形成されている。垂直面11及び傾斜面12に、
得られたエマルションを塗布した後、7日間乾燥養生し
次いで名古屋市南部工業地帯において、6ケ月間、屋外
暴露試験を行い、曝露後の外観を室内で保存したものと
比較した。比較は目視にて行い、○;汚れ付着殆どなし
(室内保存品と同じ)、×;汚れ付着の二段階で評価し
た。
【0087】耐白化性 耐水性試験と同様の試験体Aを、7日間温水(40℃)
に浸漬した後、塗布面の白化の有無を確認し、水中浸漬
前後の白化面積を測定して、次の6段階で評価した。 0:スレート塗布面の白化が無し 1:スレート塗布面の白化面積が20%未満 2:スレート塗布面の白化面積が20〜40% 3:スレート塗布面の白化面積が40〜60% 4:スレート塗布面の白化面積が60〜80% 5:スレート塗布面の白化面積が80%以上
【0088】○実施例2 実施例1の混合液Bの100部に、オルガノシロキサン
ブロックポリマーの水性分散体である日本ユニカー
(株)製直鎖状ポリエーテル変性シリコーンABNSI
LWET F4−016−01(珪素含有量60%、固
形分30%、以下F4)の13部(アクリルシリコン共
重合体100部に対してオルガノシロキサンブロックポ
リマーが20部の割合)を添加し、攪拌混合して硬化性
水性エマルションを得た。得られたエマルションについ
て、実施例1と同様に評価を行った結果を表3に示す。
【0089】○実施例3 オルガノシロキサンブロックポリマーである日本ユニカ
ー(株)製直鎖状ポリエーテル変性シリコーンABN
SILWET F1−009−01(珪素含有量60重
量%、以下F1’)をTPNBに重量部としてF1’/
TPNB=1/2の割合で混合し溶解せしめた(混合液
A’)。実施例1における混合液Bの100部に、混合
液A’の9部(アクリルシリコン共重合体100部に対
して、オルガノシロキサンブロックポリマーが15部の
割合)を添加し、更にシリカの水性ゾル〔日産化学
(株)製:商品名スノーテックス40、固形分SiO2
換算で40重量%、pH=9〜10.5、粒径10〜2
0nm〕の2.5部(アクリルシリコン共重合体100
部に対してSiO2 固形分換算で5部の割合)添加し、
攪拌混合して硬化性水性エマルションを得た。得られた
エマルションについて、実施例1と同様に評価を行った
結果を表3に示す。
【0090】○実施例4 実施例1における混合液Bの100部に、オルガノシロ
キサンブロックポリマーの水性分散体であるF4の10
部(アクリルシリコン共重合体100部に対してオルガ
ノシロキサンブロックポリマーが15部の割合)を添加
し、更にシリカの水性ゾル(スノーテックス40)の
2.5部(アクリルシリコン共重合体100部に対して
SiO2 固形分換算で5部の割合)添加し、攪拌混合し
て硬化性水性エマルションを得た。得られたエマルショ
ンについて、実施例1と同様に評価を行った結果を表3
に示す。
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
【0093】○比較例1 オルガノシロキサンブロックポリマーを配合しない、実
施例1における混合液Bのみを使用した。当該硬化性水
性エマルションについて、実施例1と同様に評価を行っ
た結果を表5に示した。
【0094】○比較例2 実施例1における混合液Bの100部に、シリカの水性
ゾル(スノーテックス40)の2.5部(アクリルシリ
コン共重合体100部に対してSiO2 固形分換算で5
部の割合)を添加し、攪拌混合して、オルガノシロキサ
ンブロックポリマーを配合しない硬化性水性エマルショ
ンを得た。得られたエマルションについて、実施例1と
同様に評価を行った結果を表5に示す。
【0095】
【表4】
【0096】
【表5】
【0097】
【発明の効果】本発明の硬化性水性エマルションは、水
系のものであるため、安全性に優れ、環境への問題がな
く、又保存安定性に優れ、1工程で基材に塗装すること
が可能となる。又本発明のアクリルシリコン共重合体、
シラン化合物及びオルガノシロキサンブロックポリマー
からなるエマルションは、形成される塗膜が、耐汚染
性、耐水性及び耐溶剤性に優れる高品質の塗膜物性を有
し、同時に基材に吸水防止性能を付与することが可能で
あり、さらに当該エマルションにコロイド状シリカを含
有するものは、耐白化性にも優れている。従って、本発
明のエマルションは、屋外用の使用を始めとして、塗
料、シーリング剤及びコーティング剤等の各種の用途に
極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐汚染性の評価に用いたコンクリートブロック
を示す斜視図である。
【図2】耐汚染性の評価に用いたコンクリートブロック
を示す右側側面図である。
【符号の説明】
1:コンクリートブロック 11:垂直面 12:傾斜面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 83/04 C08L 83/04 83/12 83/12 (72)発明者 山村 武尚 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1東亞 合成株式会社名古屋総合研究所内 (72)発明者 犬飼 宏 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1東亞 合成株式会社名古屋総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)アルコキシシリル基を有する(メ
    タ)アクリル系共重合体、(B)加水分解性シラン化合
    物、及び(C)ポリオキシアルキレンセグメントとポリ
    オルガノシロキサンセグメントからなり珪素含有量が3
    5〜85重量%であるブロックポリマーが水性媒体中に
    分散してなる硬化性水性エマルション。
  2. 【請求項2】(D)コロイド状シリカが分散してなる請
    求項1記載の硬化性水性エマルション。
  3. 【請求項3】(A)成分が、下記式で示されるラジカル
    重合性界面活性剤に由来する構成単量体単位を有するも
    のである請求項1又は請求項2記載の硬化性水性エマル
    ション。 一般式;Z−(AO)n −Y (式中、Zはラジカル重合性二重結合を有する有機基、
    AOはオキシアルキレン基、n は2以上の整数、Yはイ
    オン解離性基を示す)
  4. 【請求項4】(A)成分が、その共重合体を構成すべき
    単量体及び油溶性ラジカル重合開始剤をラジカル重合性
    界面活性剤で乳化し、加熱された水性媒体中に滴下する
    ことにより前記単量体を重合させて得られたものである
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載の硬化性水性エマ
    ルション。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001226425A (ja) * 2000-02-16 2001-08-21 Daikin Ind Ltd フッ素系アイオノマーの精製・濃縮方法
US9404006B2 (en) 2013-03-15 2016-08-02 Akzo Nobel Coatings International B.V. Hybrid water dispersions, (poly)ethylene (meth)acrylic acid copolymer composite latex emulsions, hybrid (poly)ethylene (meth)acrylic acid organosilane composite latex emulsions, and coating compositions formed therefrom
JP2020147732A (ja) * 2019-03-15 2020-09-17 Agc株式会社 硬化性組成物、及び硬化物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9404006B2 (en) 2013-03-15 2016-08-02 Akzo Nobel Coatings International B.V. Hybrid water dispersions, (poly)ethylene (meth)acrylic acid copolymer composite latex emulsions, hybrid (poly)ethylene (meth)acrylic acid organosilane composite latex emulsions, and coating compositions formed therefrom
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