JPH09286676A - コンクリート用表面仕上げ材 - Google Patents

コンクリート用表面仕上げ材

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JPH09286676A
JPH09286676A JP12779596A JP12779596A JPH09286676A JP H09286676 A JPH09286676 A JP H09286676A JP 12779596 A JP12779596 A JP 12779596A JP 12779596 A JP12779596 A JP 12779596A JP H09286676 A JPH09286676 A JP H09286676A
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silane compound
aqueous emulsion
mol
functional group
finishing material
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JP12779596A
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Masafumi Achinami
政史 阿知波
Koichi Fukushima
浩一 福島
Etsuzo Marumoto
悦造 丸本
Hiroshi Inukai
宏 犬飼
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】貯蔵安定性に優れ、多数の工程を必要とせず簡
便に施行でき、施工費並びに材料使用量の大幅低減を奏
することができると共に、得られる塗膜が耐水性、耐酸
性、吸水防止性、耐久性、耐候性及び裏面水浸透阻止性
に優れ、さらにリコート性に優れるコンクリート用表面
仕上げ材の提供。 【解決手段】含フッ素樹脂及び加水分解性の官能基を有
するシラン化合物の水性乳濁液からなるコンクリート用
表面仕上げ材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート用表
面仕上げ材、詳しくはモルタルを含む硬化コンクリート
の表面仕上げ材であって、一つの材料でコンクリート表
面に浸透性吸水防止性能及び耐候性等を有する塗膜を与
えるもので、土木建築の分野で賞用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来使用されているモルタルを含む硬化
コンクリート用表面仕上げ材としては、必要に応じて下
地処理されたコンクリート表面に、吸水防止層付与を目
的としたシラン化合物からなる溶剤系の浸透性吸水防止
材を1ないし2回塗布し(第1工程)、次に濡れ色防
止、耐久性及び意匠性付与を目的とした成膜性を有する
溶剤系のアクリルウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂
又はフッ素樹脂等を主成分とする塗装材等を1〜3回重
ねて塗布して仕上げる(第2工程)、2つの工程からな
る工法が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、同じ種
類の材料を塗重ねる場合には、おおむね1日以内でその
工程が完了するが、異なる種類の材料を塗り重ねる前記
2工程からなる表面仕上げ方法では、第1工程の吸水防
止材の塗膜乾燥の後に第2工程の塗装を行う必要がある
ため、工程の完了には1〜2日が必要であり、このため
施工が天候に左右されやすく、工程も煩雑になり易い。
又、このような施工工程の多さから、工事費に占める施
工費の割合が大きくなり、施工品質への影響も否めな
い。更に、使用する材料によっては、各工程内、工程間
の処理面と無処理面との判別が困難であることから、無
駄塗りしがちとなり、使用量が多くなり易い。
【0004】又、前記工法の第1工程で使用されるシラ
ン化合物は、コンクリート等の建築・土木材料の浸透性
吸水防止材として有用であることは広く知られており、
表面のみに防水性を与える撥水材に比べて、コンクリー
ト等の表層部に厚い疎水層を形成できるため、吸水防止
性能が長期に渡って持続し、塩分や水分の浸透による種
々の劣化減少を抑制できるという特長を有している。し
かしながら、これらシラン化合物は、一般的に種々の溶
剤で希釈したものが使用されているが、このような溶剤
型のものは、用いる溶剤の毒性等による人体への悪影響
や環境汚染等が懸念され、又揮発性及び引火性等の性質
によりその使用範囲に制限があった。例えば、比較的毒
性の少ないイソプロピルアルコールを溶剤に用いたもの
は、蒸発が急速であるため、基材への浸透が制限される
等の問題点があった。逆に、揮発し難い溶剤を用いたも
のは、塗工面が湿潤状態になり乾燥し難く、又、一般的
に溶剤型の材料は、濡れたコンクリート表面には塗布し
難い等の問題点があった。又、第2工程の塗装材も、溶
剤系のものが一般的であり、これと同様の問題を有する
ものであった。
【0005】そこで、近年これら浸透性吸水防止材及び
塗装材の水性化が提案され、実用化されつつある。しか
しながら、シラン系化合物からなる浸透性吸水防止材
は、その分子中にアルコキシシリル基を有しているた
め、水によるアルコキシシリル基の加水分解性に由来す
る貯蔵安定性の低下や、水性化の際に使用する乳化剤に
起因する塗膜の耐水性の低下等の問題を有しているもの
であった。又、一般に浸透性吸水防止材及び/又は塗装
材を複数回塗ることができる、リコート性の良否は、得
られる塗膜の品質確保上きわめて重要であるが、塗装材
として、水系のものを使用する場合には、前記の2工程
からなる工法においては、第1工程で得られた浸透性吸
水防止材の塗膜は撥水性を有するため、この塗膜上に第
2工程で水性の塗装材を塗装する場合に塗装し難く、一
般的にリコート性は良好ではない。
【0006】本発明者らは、貯蔵安定性に優れ、多数の
工程を必要とせず簡便に施行でき、施工費並びに材料使
用量の大幅低減を奏することができると共に、得られる
塗膜が耐水性、耐酸性、吸水防止性、耐久性、耐候性及
び裏面水浸透阻止性に優れ、さらにリコート性に優れる
コンクリート用表面仕上げ材の提供するため鋭意検討を
行ったのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するためには、特定の樹脂及びシラン化合物から
なる水性乳濁液を使用すれば、1種類の材料のみでコン
クリート用表面仕上げ材とすることができ、又前記課題
を解決することができる優れた塗膜を形成することを見
出し本発明を完成した。以下本発明を詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】
●含フッ素樹脂 ○含フッ素樹脂を構成する単量体 本発明で使用する含フッ素樹脂は、以下に記す(a)フ
ルオロオレフィンを単量体成分とし、エマルションの形
態で得られるものであれば種々のものが使用可能であ
る。
【0009】(a)フルオロオレフィン 本発明で使用するフルオロオレフィンとしては、フッ化
ビニル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン及びヘキサフルオロプロピ
レン等が挙げられる。これらの中でも、取扱いの容易
さ、及び共重合性に優れている点でクロロトリフルオロ
エチレンが好ましい。フルオロオレフィンは、単独で又
は数種類を併用して用いることができる。
【0010】本発明で使用する含フッ素樹脂としては、
(a)フルオロオレフィンに加え、(b)カルボン酸ビ
ニルエステル、(c)親水性官能基を有するエチレン性
不飽和単量体及び(d)その他の共重合性単量体を共重
合して得られたものが、その水性乳濁液が安定であり、
成膜性に優れるため好ましい。以下、各成分について説
明する。
【0011】(b)カルボン酸ビニルエステル カルボン酸ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプ
リル酸ビニル、カプリン酸ビニル及びラウリン酸ビニル
等の直鎖状脂肪族カルボン酸のビニルエステル類、イソ
酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸
ビニル、アルキル基の炭素数が8個のバーサチック酸ビ
ニル(シェル化学製、ベオバ9)及びアルキル基の炭素
数が9個のバーサチック酸ビニル(シェル化学製、ベオ
バ10)等の分岐状脂肪族カルボン酸のビニルエステル
類、シクロヘキシルカルボン酸ビニル又はそのアルキル
置換体等の脂環式カルボン酸のビニルエステル類、並び
に安息香酸ビニル又はそのアルキル置換体等の芳香族カ
ルボン酸ビニルエステル類等が例示される。これらのカ
ルボン酸ビニルエステル中でも、直鎖状又は分岐状脂肪
族カルボン酸ビニルエステルを使用することが、耐候性
に優れるため好ましく、又さらに炭素数が3以上の脂肪
族カルボン酸を原料とするものを使用することが耐水性
に優れるため好ましい。カルボン酸ビニルエステルは、
単独で又は数種類を併用して用いることができる。
【0012】(c)親水性官能基を有するエチレン性不
飽和単量体 親水性官能基を有するエチレン性不飽和単量体として
は、カルボキシル基又はその塩、スルホン酸基又はその
塩、及び水酸基又はアミノ基を有するエチレン性不飽和
単量体等が挙げられる。カルボキシル基を有するエチレ
ン性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸及
びビニル酢酸等が例示される。スルホン酸基を有するエ
チレン性不飽和単量体としては、ビニルスルホン酸、ス
チレンスルホン酸、アリルスルホン酸及び2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が例示され
る。カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体及
びスルホン酸基を有するエチレン性不飽和単量体は、そ
の1部又は全てが、アンモニア、アミン、又はナトリウ
ム及びカリウム等のアルカリ金属イオン等で塩にした単
量体の使用が可能である。水酸基を有するエチレン性不
飽和単量体としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチ
ルビニルエーテル、ヒドロキシエチルアリルエーテル、
ヒドロキシエチルクロトネート及びN−メチロールアク
リルアミド等が例示される。アミノ基を有するエチレン
性不飽和単量体としては、メタクリルアミド、アクリル
アミド、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチ
ルアミノエチルアクリレート及びアミノプロピルビニル
エーテル等が例示される。
【0013】前記親水性官能基を有するエチレン性不飽
和単量体は、共重合体の分散液の安定化のために用いら
れるが、含フッ素樹脂の水性乳濁液の安定性の点から、
好ましくはカルボン酸基又はスルホン酸基を含有するエ
チレン性不飽和単量体であり、より好ましくは、アクリ
ル酸、メタクリル酸及び2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸又はその塩である。
【0014】親水性官能基を有するエチレン性不飽和単
量は、単独で又は2種以上を併用して使用することがで
きる。
【0015】(d)その他の共重合性単量体 本発明における含フッ素樹脂は、必要により、その他の
共重合性単量体(d)を使用することができる。かかる
単量体としては、エチレン、プロピレン及びイソブチレ
ン等のαオレフィン類、エチルビニルエーテル、ブチル
ビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル及びグ
リシジルビニルエーテル等のビニルエーテル類、メチル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート及びグリシジル(メタ)アクリレート等のメタク
リル酸エステル類、エチルクロトネート及びブチルクロ
トネート等のクロトン酸エステル類、酢酸アリル、酪酸
アリル、エチルアリルエーテル及びグリシジルアリルエ
ーテル等のアリル化合物、スチレン及びノルボルナジエ
ン等が例示される。
【0016】本発明で使用する含フッ素樹脂において、
各単量体成分の好ましい共重合割合は、全単量体の合計
量を基準にして、(a)フルオロオレフィンが30〜9
0モル%、(b)カルボン酸ビニルエステルが5〜60
モル%、(c)親水性官能基を有するエチレン性不飽和
単量体が0.01〜5モル%及び(d)その他の共重合
性単量体が0〜30モル%である。 (a)フルオロオレフィンが90モル%より多いと水性
乳濁液の安定性が低下し、30モル%より少ないと耐候
性が低下する場合がある。(b)カルボン酸ビニルエス
テルが60モル%より多いと耐候性が低下し、5モル%
より少ないと成膜性が低下し、塗装した塗膜の柔軟性や
光沢が低下する場合がある。(c)親水性官能基を有す
るエチレン性不飽和単量体が5モル%より多いと親水性
が大きくなり、塗膜の耐水性が低下し、0.01モル%
より少ないと分散体の安定性が低下することがある。
【0017】(e)加水分解性シリル基を有する不飽和
単量体 含フッ素樹脂としては、上記単量体(a)〜(d)に加
え、さらに(e)加水分解性シリル基を有する不飽和単
量体を共重合させたものを使用することが、得られる塗
膜が硬度、耐水性、光沢及び耐汚染性に優れるため好ま
しい。加水分解性シリル基を有する不飽和単量体として
は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジエトキ
シシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルエチ
ルジエトキシシラン及びビニルトリエトキシシラン等の
ビニルアルコキシシラン類、γ−(メタ)アクリロイル
オキシプロピルトリメトキシシラン及びγ−(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等の(メ
タ)アクリロイルオキシアルコキシシラン類、トリメト
キシシリルプロピルビニルエーテル及びトリエトキシシ
リルプロピルビニルエーテル等のアルコキシシリルビニ
ルエーテル類、並びにトリメトキシシリルデカン酸ビニ
ル及びトリエトキシシリルデカン酸ビニル等のアルコキ
シシリルカルボン酸ビニル類等が例示される。加水分解
性シリル基を有する不飽和単量体としては、重合反応性
及び重合安定性の点から、エトキシ基を有するビニルシ
ラン、アクリロイルオキシシラン及びシリルカルボン酸
ビニルが好ましい。
【0018】加水分解性シリル基を有する不飽和単量体
を共重合する場合の、各単量体成分の好ましい共重合割
合は、全単量体の合計量を基準にして、(a)フルオロ
オレフィンが30〜90モル%、(b)カルボン酸ビニ
ルエステルが5〜60モル%、(c)親水性官能基を有
するエチレン性不飽和単量体が0.01〜5モル%及び
(d)その他の共重合性単量体が0〜30モル%及び
(e)加水分解性シリル基を有するエチレン性不飽和単
量体が0.1〜10モル%である。加水分解性シリル基
を有するエチレン性不飽和単量体が10モル%を越える
場合は、得られる含フッ素樹脂の水性乳濁液が不安定に
なる場合があり、又0.1モル%に満たない場は、塗膜
の硬度が低下する場合がある。
【0019】○含フッ素樹脂 含フッ素樹脂のガラス転移温度は、0〜100℃である
ことが好ましく、更に好ましくは、20〜80℃であ
る、前記含フッ素樹脂のガラス転移温度が0℃未満であ
ると、乾燥塗膜に粘着性が残るため、汚染物質が付着し
易くなり、一方、100℃を越えると塗膜の乾燥時にク
ラックが発生し易くなる。
【0020】本発明で使用する含フッ素樹脂は、種々の
方法により製造されたものを使用できるが、前記単量体
を乳化剤の存在下に水性媒体中で乳化重合して得られた
ものが好ましい。得られた、水性乳濁液における固形分
濃度としては、5〜70重量%が好ましい。
【0021】当該製造方法における、乳化剤としては、
アニオン系乳化剤とノニオン系乳化剤を併用して製造さ
れたものが、分散液の安定性から望ましい。アニオン系
乳化剤としては、パーフルオロオクタン酸のカリウム塩
又はアンモニウム塩及びパーフルオロオクタンスルホン
酸のナトリウム塩又はアンモニウム塩等のフッ素系のア
ニオン系界面活性剤、並びにラウリル硫酸ナトリウム、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフ
タレンスルホン酸ナトリム、ジアルキルスルホコハク酸
ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸
ナトリウム及びアルカンスルホン酸ナトリウム等の炭化
水素系アニオン乳化剤が使用できるが、生成した水性樹
脂分散体の粒子径、保存安定性からフッ素系アニオン乳
化剤又はフッ素系アニオン乳化剤と他の非フッ素系アニ
オン乳化剤の併用が好ましい。
【0022】ノニオン系乳化剤としては、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリル
エーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、
グリセリン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレン脂肪
酸エステル等が例示され、水性乳濁液の粒子径の細か
さ、基材への密着性及びコストの点から炭化水素系ノニ
オン乳化剤が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ルが特に好ましい。
【0023】前記乳化剤の使用量は、少ないほど好まし
いが、重合時の安定性、分散液の安定性から乳濁液中の
含フッ素樹脂100重量部あたり、アニオン系乳化剤は
1〜8重量部及びノニオン系乳化剤は4〜16重量部使
用するのが好ましい。
【0024】当該製造方法において、乳化重合に用いる
重合開始剤としては、通常のラジカル発生型重合開始剤
が使用できる。具体的には、ジイソプロピルパーオキシ
ジカーボネート、ターシャリーブチルパーオキシピバレ
ート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキ
サイド及びサクシニックアシドパーオキサイド等の有機
過酸過物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソ
バレロニトリル及びアゾビスアミジノプロパン塩酸塩等
のアゾ化合物、過硫酸アンモニウム及び過硫酸カリウム
等の無機過酸化物が例示される。又、レドックス系開始
剤を使用しても良く、その場合には、前記過酸化物と共
に、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ロンガ
リット又はアスコルビン酸等の還元剤を併用する。重合
操作は、耐圧オートクレーブを用い、温度20〜100
℃かつ圧力1〜200kgf/cm2 で行うことができ
る。更に、重合時に炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウ
ム及びリン酸2ナトリウム等のpH調整剤を添加して、
重合時のpHを6〜8に調整することが好ましい。全単
量体を初期に一括仕込みしても良いし、重合の進行と共
に、一部の単量体の仕込みを分割して行っても良い。そ
の際、段階的に単量体の組成比を変化させる方法をとっ
ても良い。
【0025】上記含フッ素樹脂の分子量は、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリス
チレン換算の数平均分子量が10,000〜5,00
0,000であるのが好ましく、更に好ましくは、10
0,000〜1,000,000である。数平均分子量
が10,000に満たない場合は樹脂が脆く、5,00
0,000を越える場合は成膜性が低下する。
【0026】前記含フッ素樹脂の水性乳濁液には、最低
成膜温度を調節するために、有機溶剤を添加することが
可能である。有機溶剤の添加量は、安定性から水性乳濁
液中の含フッ素樹脂100重量部当たり30重量部以下
が好ましい。有機溶剤としては、水性塗料等で用いられ
るものが使用でき、例えば、炭素数1〜10の直鎖状、
分岐状又は環状の脂肪族アルコール類、芳香族アルコー
ル類、一般式HO−(CH2 CHXO)n −R(R:炭
素数1〜10の直鎖又は分岐状アルキル基、X:水素原
子又はメチル基、nは1〜5の整数)で示される(ポ
リ)エチレングリコール及び(ポリ)プロピレングルコ
ール等のモノエーテル類、一般式R1 COO(CH2
HXO)n −R2 (R1 、R2 : 炭素数1〜10の直鎖
又は分岐状のアルキル基、X:水素原子又はメチル基、
nは1〜5の整数)で示されるブチルセロソルブアセテ
ート等の(ポリ)エチレングリコールエーテルエステル
類、(ポリ)プロピレングリコールエーテルエステル
類、トルエン及びキシレン等の芳香族系有機溶剤、2、
2、4−トリメチル−1、3−ペンタンジオールのモノ
又はジイソブチレート、3−メトキシブタノール、3−
メトキシブタノールアセテート、3−メチル−3−メト
キシブタノール及び3−メチル−3−メトキシブタノー
ルアセテート等が挙げられる。これらの有機溶剤は、含
フッ素樹脂及びシラン化合物の水性乳濁液とした後に配
合することもできる。この場合においても、好ましい添
加量は、含フッ素樹脂100重量部当たり30重量部以
下である。
【0027】●加水分解性の官能基を有するシラン化合
物 (1)加水分解性の官能基を有するシラン化合物 加水分解性の官能基を有するシラン化合物( 以下単に「
シラン化合物」 と称する。) としては、下記の構造式で
示される化合物の単量体、二量体、三量体及び/又はオ
リゴマー等がある。
【0028】
【化2】Rn Si(R1 4-n
【0029】ここで、nは1、2又は3の整数であり、
好ましくは2又は3の整数である。Rは安定な疎水性基
であり、この例としては炭化水素系の置換基があり、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、2─エチルヘキシル基、デシル
基、ドデシル基及びテトラデシル基等のアルキル基、シ
クロヘキシル基等の脂環式アルキル基、フェニル基等の
アリール基、並びにベンジル基等の置換アリール基等を
挙げることができる。これらの中でも、飽和アルキル基
が疎水性に優れる点で好ましい。R1 は加水分解性の置
換基であり、メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基
等のアルコキシ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、ア
セトキシ基、カルボキシル基、並びにイソシアネート基
等が挙げられる。本発明においては、貯蔵安定性、取扱
いの容易さからアルコキシ基が好ましい。尚、R及びR
1 とも、複数個ある場合には、それぞれ同一でも違って
いてもよい。
【0030】本発明において有用であるシラン化合物の
具体例としては、次のものを挙げることができる。メチ
ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エ
チルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジトリエトキシシ
ラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、ブチルトリ
メトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルジ
メトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソ
ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシ
ラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエト
キシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、ベン
ジルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリイソプ
ロポキシシラン、2−エチルヘキシルトリメトキシシラ
ン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシ
シラン、テトラデシルトリエトキシシラン等、又はこれ
らの二量体、三量体及びオリゴマーの単体、並びにこれ
らの混合物がある。本発明において、これらの化合物の
中でも、アルキルアルコキシシランが好ましく、特に好
ましいものは、アルキルトリアルコキシシランである。
シラン化合物は、単独で又は2種以上を併用することが
可能である。
【0031】(2)乳化剤 前記シラン化合物は、乳化剤及び水と混合されて水性乳
濁液ないしはそれに近い状態で使用することが好まし
い。水性乳濁液中のシラン化合物の量は、水性乳濁液中
に1〜60重量%存在するのが好ましく、1〜40重量
%であるのがより好ましい。水性乳濁液中のシラン化合
物の平均粒子径は、10μm以下に調整することが好ま
しく、1μm以下がより好ましい。
【0032】この場合、用いられる乳化剤は、前記シラ
ン化合物を水中に乳化・分散させる目的で使用されるも
のであり、シラン化合物を乳化分散できるものならば、
ノニオン性、アニオン性及びカチオン性の何れのタイプ
のものも使用できる。該乳化剤のHLBは1. 5〜20
のものが、得られる水性乳濁液が安定となるため好まし
い。又、乳化剤は単独又は2種以上を併用することもで
きる。これらの中でもノニオン性乳化剤を用いたシラン
化合物の水性乳濁液は乳化安定性が優れており好まし
い。アニオン性乳化剤やカチオン性乳化剤を用いた場合
には、シラン化合物の加水分解縮合が比較的早く発生
し、効力が低下するため、調製後速やかに使用するのが
好ましい。本発明において、好適に使用されるノニオン
性乳化剤としては、HLB=1.5〜20のものが好ま
しく、この範囲から外れると乳濁液が分離し易くなる。
より好ましくは、HLB=4〜15である。本発明にお
いて好適に使用されるノニオン性乳化剤の具体例として
は、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン誘導
体、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステア
レート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチ
レンソルビタンモノラウレート及びポリオキシエチレン
ソルビタンモノステアレート等が挙げられ、これらと他
の乳化剤を混合して使用してもよい。
【0033】乳化剤は、シラン化合物に対して0. 5〜
50重量%の範囲で使用するのが好ましく、より好まし
くは、1〜20重量%の範囲である。0.5重量%未満
では、乳濁液が分離し易く、50重量%を超えると得ら
れた組成物の性能が低下し易い。乳化剤の種類及び濃度
は、使用するシラン化合物により変化好ましい値が変化
するため、必要に応じて実験的に検討、決定することが
好ましい。
【0034】(3)緩衝剤 シラン化合物と乳化剤から調整した水性乳濁液は、pH
によって加水分解反応を起こし、その性能を低下させる
恐れがある。このような加水分解性の成分を含有する乳
濁液を安定化させるために、乳濁液のpHを特定範囲内
に緩衝化し、シラン化合物の安定性を保持するための緩
衝剤を使用することが望ましい。水性乳濁液のpHの範
囲としては6〜8が好ましく、そのpH範囲で水性乳濁
液は加水分解反応に対して安定化する。本発明で好まし
い緩衝剤の例としては、有機酸、無機酸、塩基及びそれ
らの塩類が挙げられ、具体的な化合物としては、炭酸水
素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、ほ
う酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、
酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、モノ−、ジ−又は
トリエタノールアミン、アニリン及びケイ酸ナトリウム
等が挙げられる。これらの中でも、安全性、低価格等の
面から、炭酸水素ナトリウムが最も好ましい。緩衝剤は
単独で又は2種以上を併用することができる。緩衝剤の
量は、前記目的を達成するために広範囲に設定すること
ができるが、一般的には乳濁液中の濃度が0. 01〜5
重量%であるのが好ましい。
【0035】●コンクリート用表面仕上げ材 本発明のコンクリート用表面仕上げ材は、前記含フッ素
樹脂と前記シラン化合物の水性乳濁液からなるものであ
る。表面仕上げ材である水性乳濁液において、含フッ素
樹脂の濃度は、10〜70重量%が好ましく、より好ま
しくは15〜60重量%であり、シラン化合物の濃度は
5〜60%が好ましく、より好ましくは8〜45重量%
である。含フッ素樹脂の濃度が10重量%に満たない
と、1回塗布当たりの膜厚がうすくなるため、施工回数
が増加し、経済的でない。又、濃度が70重量%より高
い場合は、膜厚が厚くなり、白化等の障害を起こす可能
性がある。一方、シラン化合物の濃度が5重量%より低
いと下地内への浸透性が低下し、又、濃度が60重量%
より高い場合には、含フッ素樹脂の硬化及び塗膜の性能
が低下する恐れがある。
【0036】又、本発明の表面仕上げ材は、製造工程が
容易であることから、前記含フッ素樹脂の水性乳濁液及
びシラン化合物の水性乳濁液を通常の方法により混合し
て製造することが好ましい。この場合、工場又は施工現
場で混合・製造することが可能であり、その際には、所
定濃度に調製するために、これらの水性乳濁液を蒸留
水、脱イオン水、水道水等で希釈して使用することも可
能である。含フッ素樹脂の水性乳濁液とシラン化合物の
水性乳濁液の配合割合は、それぞれの成分が前記した好
ましい割合となるようであれば、任意の割合が可能であ
る。
【0037】本発明の表面仕上げ材には、上記成分の他
に目的に応じて各種の添加剤を添加することも可能であ
る。例えば、乳濁液中における黴の発生を防ぐ防黴剤、
殺生物剤、消泡剤、潤滑剤、付香剤、増粘剤、はっ水付
与剤としてシリコーンポリマー、造膜助剤及びカラーク
リアー顔料等の顔料、並びに濡れ色防止剤等を併用で
き、さらに必要に応じて、垂れ防止剤、沈降防止剤、消
泡剤又はシランカップリング剤、光安定剤、紫外線吸収
剤、艶消し剤、レベリング剤、顔料分散剤、酸化防止
剤、防錆剤、及び抗菌剤等の塗料添加剤も添加できる。
又、含フッ素樹脂として加水分解性シリル基を共重合体
させたものを使用する場合には、硬化触媒として、有機
チタネート化合物、有機アルミニウム化合物、カルボン
酸型錫化合物及びカルボン酸の金属塩等を使用すること
もできる。
【0038】●使用方法 本発明の表面仕上げ材は、種々のコンクリートに適用で
き、例えばセメントコンクリート、セメントモルタル等
が挙げられ、特に、打放しコンクリートに有効に適用さ
れるものである。又本発明の表面仕上げ材の塗装方法と
しては、コンクリートに対して、スプレー塗装、ローラ
ー塗装、刷毛塗り塗装等の通常の方法により塗装するこ
とができる。又、本発明の表面仕上げ材は、水性であり
ながら2度塗り(リコート)が可能である。
【0039】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみ
に限定されるものではない。尚、実施例及び比較例にお
いて、部はすべて重量部を意味し、又%は重量%を意味
する。又、実施例における試験方法は以下に示す通りで
ある。
【0040】(1)供試体 セメントと砂の割合が重量比で1:2であるモルタルの
フローを170±5となるように水−セメント比を調整
したモルタルをJISR5201 (セメントの物理試験
方法) に準じて練り混ぜ、ポリウレタン塗装した打放し
コンクリート用合板で10mm厚の型枠に成型し、1日
湿空(20℃, 80%R. H. )、6日水中(20℃)
及び7日乾燥(20℃、60%R. H. )養生した。こ
の供試体を以下モルタル板という。スレート板は、市販
のものを使用した。 (2)表面仕上げ材の塗布 各例で得られた表面仕上げ材を、モルタル板又はスレー
ト板に対してm2 当たり200g塗布し、7日乾燥(2
0℃、60%R. H. )養生した。 (3)リコート性試験 スレート板に各例で得られた表面仕上げ材を、m2 当た
り100g塗布し、乾燥後、再び2回目を塗布し、液の
はじき等を観察した。 (4)耐水性試験 各例で得られた表面仕上げ材をスレート板に上記(2)
の方法で塗布乾燥したものを、7日間清水(20℃)に
浸漬した後、白化の有無、水中浸漬前後での光沢変化を
測定し、耐水性として評価した。尚、光沢保持率の評価
は下記の通りである。 光沢保持率:100〜80%;○、80〜40%;△、
40〜0%;× (5)浸透深さ試験 各例で得られた表面仕上げ材をモルタル板に上記(2)
の方法で塗布し、14日乾燥養生した後、割裂し、断面
に水を噴霧して、撥水した部分の深さを測定して、浸透
深さとした。 (6)吸水試験 各例で得られた表面仕上げ材をモルタル板に上記(2)
の方法で塗布乾燥したものを、塗布面を下にして清水
(20度)中に半没して、7日後の吸水率を測定した。 (7)促進耐候性試験 各例で得られた表面仕上げ材をモルタル板に上記(2)
の方法で塗布乾燥したものを、サンシャインウエザーメ
ーターに1000時間暴露した後の光沢変化を測定し、
耐候性として評価した。尚、光沢保持率の評価は下記の
通りである。 光沢保持率:100〜80%;○、80〜40%;△、
40〜0%;× (8)耐酸性試験 各例で得られた表面仕上げ材をスレート板に上記(2)
の方法で塗布乾燥したものの塗膜に対して、5%硫酸を
一滴滴下し、60℃で10分間保持し、塗膜の状態を評
価した。 ○:変化なし、△:痕が付く、×:塗膜が浮く、又は剥
がれる (9)裏面水浸透防止試験 各例で得られた表面仕上げ材をモルタル板に上記(2)
の方法で塗布乾燥したものを、塗布面と反対側の裏面を
水に半没させた。1カ月経過後、塗膜の外観を観察し、
塗膜の接着性試験を行った。接着性試験としては、塗膜
に2mm間隔で25目の切込みを入れ、これに粘着テー
プを貼り付けた後剥がして、塗膜から剥がれた碁盤目の
数を数えた(碁盤目試験)。
【0041】○実施例1 クロロトリフルオロエチレン/カプロン酸ビニル/ベオ
バ9/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸=50.2/12.1/36.7/1.0(モル
%)から構成される含フッ素樹脂の水性乳濁液(固形分
40%)を調整した。又、シラン化合物として、ヘキシ
ルトリエトキシシラン200gと、乳化剤としてHLB
=15のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル
8gとを用い、それらの混合物に対し、脱イオン水29
2g及び緩衝剤として炭酸水素ナトリウムを0.1%と
なるように添加し、シラン化合物の濃度が40%である
水性乳濁液を調整した。製造した含フッ素樹脂及びシラ
ン化合物の水性乳濁液を、それぞれの主成分の濃度が3
0及び10%となるように混合し、混合物100重量部
当たり、成膜助剤としてブチルセロソルブアセテート1
0重量部添加して表面仕上げ材とした。この表面仕上げ
材の評価結果を表1及び表2に示す。
【0042】○実施例2 クロロトリフルオロエチレン/ベオバ9/カプロン酸ビ
ニル/アクリル酸/ビニルトリエトキシシラン=50.
0/30.0/14.2/1.0/4.8(モル%)か
ら構成される含フッ素樹脂の水性乳濁液(固形分40
%)を調整した。又、シラン化合物として、ヘキシルト
リエトキシシラン200gと、乳化剤としてHLB=1
5のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル8g
とを用い、それらの混合物に対し、脱イオン水292g
及び緩衝剤として炭酸水素ナトリウムを0.1%となる
ように添加し、シラン化合物の濃度が40%である水性
乳濁液を調整した。製造した含フッ素樹脂及びシラン化
合物の水性乳濁液を、それぞれの主成分の濃度が30及
び10%となるように混合し、混合物100重量部当た
り、成膜助剤としてブチルセロソルブアセテート10重
量部添加して表面仕上げ材とした。この表面仕上げ材の
評価結果を表1及び表2に示す。
【0043】○実施例3 実施例2の含フッ素樹脂の水性乳濁液とシラン化合物の
水性乳濁液を、それぞれの主成分の濃度が10%及び5
%となるように蒸留水を用いて調整し、混合物100重
量部当たり、成膜助剤としてブチルセロソルブアセテー
ト10重量部添加して表面仕上げ材とした。この表面仕
上げ材の評価結果を表1及び表2に示す。
【0044】○実施例4 クロロトリフルオロエチレン/ベオバ9/ピバリン酸ビ
ニル/アクリル酸/γ−アクリロイルオキシプロピルト
リエトキシシラン=50.0/39.2/5.0/1.
0/4.8(モル%)から構成される含フッ素樹脂の水
性乳濁液(固形分40%)を調整した。又、シラン化合
物として、ヘキシルトリエトキシシラン200gと、乳
化剤としてHLB=15のポリオキシエチレンオクチル
フェニルエーテル8gとを用い、それらの混合物に対
し、脱イオン水292g及び緩衝剤として炭酸水素ナト
リウムを0.1%となるように添加し、シラン化合物の
濃度が40%である水性乳濁液を調整した。製造した含
フッ素樹脂及びシラン化合物の水性乳濁液を、それぞれ
の主成分の濃度が30及び10%となるように混合し、
混合物100重量部当たり、成膜助剤としてブチルセロ
ソルブアセテート10重量部添加して表面仕上げ材とし
た。この表面仕上げ材の評価結果を表1及び表2に示
す。
【0045】○実施例5 クロロトリフルオロエチレン/カプロン酸ビニル/ベオ
バ9/安息香酸ビニル/2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸/ビニルトリエトキシシラン=4
7.1/25.5/17.0/4.7/1.0/4.7
(モル%)から構成される含フッ素樹脂の水性乳濁液
(固形分40%)を調整した。又、シラン化合物とし
て、ヘキシルトリエトキシシラン200gと、乳化剤と
してHLB=15のポリオキシエチレンオクチルフェニ
ルエーテル8gとを用い、それらの混合物に対し、脱イ
オン水292g及び緩衝剤として炭酸水素ナトリウムを
0.1%となるように添加し、シラン化合物の濃度が4
0%である水性乳濁液を調整した。製造した含フッ素樹
脂及びシラン化合物の水性乳濁液を、それぞれの主成分
の濃度が30及び10%となるように混合し、混合物1
00重量部当たり、成膜助剤としてブチルセロソルブア
セテート10重量部添加して表面仕上げ材とした。この
表面仕上げ材の評価結果を表1及び表2に示す。
【0046】○比較例1 実施例2の含フッ素樹脂の水性乳濁液のみを使用し、1
00重量部当たり、成膜助剤としてブチルセロソルブア
セテート10重量部添加してこれを表面仕上げ材とし
た。この表面仕上げ材の評価結果を表1及び表2に示
す。
【0047】○比較例2 実施例2の表面仕上げ材の原料のシラン化合物の濃度が
40%である水性乳濁液を使用してスレート板に対して
2 当たり100g塗布し、乾燥後、実施例2の表面仕
上げ材の原料の含フッ素樹脂の水性乳濁液(固形分40
%)を塗布したが、シラン化合物の塗膜の撥水性のため
該含フッ素樹脂の水性乳濁液が充分塗布できなかった。
浸透深さは1.0mm、裏面水浸透阻止性における接着
性試験は0であったが、これら以外の各評価はできなか
った。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明のコンクリート用表面仕上げ材
は、水系の材料であるため安全かつ毒性等がほとんどな
く、又貯蔵安定性に優れ、又その塗膜は、耐水性、耐酸
性、吸水防止性、耐久性、耐候性、裏面水浸透阻止性及
びリコート性に優れる。又、本発明の表面仕上げ材は、
1種類の材料のみにより複合仕上げ材層を形成すること
が可能である上、浸透機能と成膜機能がうまくバランス
したもので、これにより施工工程の短縮、使用量の低減
等が可能であると共に、リコート性をもって塗膜の高品
質を確保することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 27/12 KJM C08L 27/12 KJM 31/02 LHC 31/02 LHC (72)発明者 犬飼 宏 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1東亞 合成株式会社名古屋総合研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含フッ素樹脂及び加水分解性の官能基を有
    するシラン化合物の水性乳濁液からなることを特徴とす
    るコンクリート用表面仕上げ材。
  2. 【請求項2】含フッ素樹脂の水性乳濁液及び加水分解性
    の官能基を有するシラン化合物の水性乳濁液を混合して
    得られた水性乳濁液からなることを特徴とする請求項1
    記載のコンクリート用表面仕上げ材。
  3. 【請求項3】含フッ素樹脂が、下記単量体成分(a)〜
    (d)の共重合体であることを特徴とする請求項1又は
    同2記載のコンクリート用表面仕上げ材。 (a)フルオロオレフィン (b)カルボン酸ビニルエステル (c)親水性官能基を有するエチレン性不飽和単量体 (d)その他の共重合性単量体
  4. 【請求項4】含フッ素樹脂の各単量体成分(a)〜
    (d)の共重合割合が、全単量体の合計量を基準にし
    て、(a)が30〜90モル%、(b)が5〜60モル
    %、(c)が0.01〜5モル%及び(d)が0〜30
    モル%である請求項3記載のコンクリート用表面仕上げ
    材。
  5. 【請求項5】含フッ素樹脂が、前記(a)〜(d)の単
    量体及び(e)加水分解性シリル基を有するエチレン性
    不飽和単量体の共重合体であり、各単量体成分(a)〜
    (e)の共重合割合が、全単量体の合計量を基準にし
    て、(a)が30〜90モル%、(b)が5〜60モル
    %、(c)が0.01〜5モル%、(d)が0〜30モ
    ル%及び(e)が0.1〜10モル%である請求項4記
    載のコンクリート用表面仕上げ材。
  6. 【請求項6】加水分解性の官能基を有するシラン化合物
    が下記の構造式で示される化合物の単量体、二量体、三
    量体及び/又はオリゴマーである請求項1〜同5のいず
    れかに記載のコンクリート用表面仕上げ材。 【化1】Rn Si(R1 4-n (式中、nは1、2又は3の整数であり、Rは疎水性基
    であり、R1 は加水分解性の置換基である。)
  7. 【請求項7】加水分解性の官能基を有するシラン化合物
    の水性乳濁液が下記成分(1)〜(4)を含有する水性
    乳濁液であることを特徴とする請求項2〜同6のいずれ
    かに記載のコンクリート用表面仕上げ材。 (1)加水分解性の官能基を有するシラン化合物 (2)HLB1. 5〜20を有する乳化剤 (3)緩衝剤 (4)水
  8. 【請求項8】加水分解性の官能基を有するシラン化合物
    (1)の水性乳濁液において、該シラン化合物(1)の
    含有量が1〜60重量%、乳化剤(2)の含有量が
    (1)に対して0. 5〜50重量%、緩衝剤(3)の含
    有量が該水性乳濁液の0. 01〜5重量%である請求項
    7記載のコンクリート用表面仕上げ材。
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