JPH1161028A - 水性含フッ素樹脂塗料用組成物 - Google Patents

水性含フッ素樹脂塗料用組成物

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JPH1161028A
JPH1161028A JP23037897A JP23037897A JPH1161028A JP H1161028 A JPH1161028 A JP H1161028A JP 23037897 A JP23037897 A JP 23037897A JP 23037897 A JP23037897 A JP 23037897A JP H1161028 A JPH1161028 A JP H1161028A
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JP
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mol
fluorine
containing resin
aqueous
monomer
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JP23037897A
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Etsuzo Marumoto
悦造 丸本
Akihito Iida
晃人 飯田
Hiroshi Inukai
宏 犬飼
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、耐水性および耐候性が良好
で、さらに耐汚染性に優れた水性含フッ素樹脂塗料用組
成物を提供する。 【解決手段】フルオロオレフィン単量体を主成分とする
単量体混合物を乳化重合して得られる含フッ素樹脂の水
性分散体中に、下記式(1)で表されるポリオキシアル
キレンセグメントとポリオルガノシロキサンセグメント
を有し、ポリオルガノシロキサンセグメントの構成比率
が全体の35〜85重量%であるブロックポリマーが前
記含フッ素樹脂100重量部に対し1〜20重量部分散
している水性含フッ素樹脂塗料用組成物。 【化1】 (式中、Rは脂肪族不飽和結合を含まない1価の炭化水
素基を示し、Zは2価の有機基を示し、aは4以上の整
数、bは4以上の整数およびcは2以上の整数を示し、
nは2、3または4を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性、耐水性お
よび耐汚染性に優れた塗膜を形成する水性含フッ素樹脂
塗料用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】屋外塗装用塗料として、耐候性に優れる
点で有機溶剤可溶型の含フッ素樹脂塗料が使用されてい
る。しかしながら、自動車排ガス、砂塵、鉄粉、酸性雨
および太陽光線等により塗膜表面に汚染物質が堆積した
り、雨筋状の汚れが堆積したりすることで塗装表面の美
観が損なわれるという問題を有する。この有機溶剤可溶
型の含フッ素樹脂塗料の耐汚染性の問題を改良する手段
としては、水酸基含有フッ素樹脂から調製した塗料用組
成物に、アルコキシシランの部分加水分解縮合物または
水酸基含有フッ素樹脂と一部結合したアルコキシシラン
の部分加水分解縮合物からなる耐汚染付与剤を添加する
方法が提案されている(特開平8−269385号公
報)。一方、環境保護および安全性の面から従来の有機
溶剤型塗料に替わって水性塗料が注目されており、フル
オロオレフィンを主成分とする含フッ素樹脂の水性媒体
中への分散体が幾つかの提案されている。例えば、特開
平2−225550号公報には、フルオロオレフィン、
ポリオキシエチレン基含有マクロモノマーおよびヒドロ
キシル基含有モノマーからなる含フッ素樹脂の水性分散
体が開示されている。また、特開平6−256614号
公報には、特定の反応性乳化剤類とフルオロオレフィン
類を含む単量体類とを重合して得られる含フッ素樹脂の
水性分散体が開示されている。本発明者らもフルオロオ
レフィン、カルボン酸ビニルエステル、加水分解性シリ
ル基を有するエチレン性不飽和単量体および親水性官能
基を有するエチレン性不飽和単量体からなる含フッ素樹
脂の水性分散体を先に提案している(特開平8−193
179号公報)。しかしながら、上記で提案された水性
含フッ素樹脂塗料は、いずれも耐水性および耐候性には
優れているが、塗膜表面に汚れが堆積し美観が損なわれ
るという問題点があり、耐汚染性に関しては改良の余地
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐候
性および耐水性のみならず、耐汚染性に優れた塗膜を形
成する水性含フッ素樹脂塗料用組成物を提供することで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、水性含フッ素樹脂分
散体に特定のポリオルガノシロキサンセグメントを含む
ブロックポリマーを混合することにより、形成する塗膜
の耐汚染性が改良され、耐候性および耐水性も良好であ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明はフルオロオレフィン単量体を主成分とする
単量体混合物を乳化重合して得られる含フッ素樹脂の水
性分散体中に、下記式(1)で表されるポリオキシアル
キレンセグメントとポリオルガノシロキサンセグメント
を有し、ポリオルガノシロキサンセグメントの構成比率
が全体の35〜85重量%であるブロックポリマーが前
記含フッ素樹脂100重量部に対し1〜20重量部分散
している水性含フッ素樹脂塗料用組成物である。
【0005】
【化2】
【0006】(式中、Rは脂肪族不飽和結合を含まない
1価の炭化水素基を示し、Zは2価の有機基を示し、a
は4以上の整数、bは4以上の整数およびcは2以上の
整数を示し、nは2、3または4を示す)
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における水性含フッ素樹脂
分散体は、フルオロオレフィン単量体を主成分とする単
量体混合物を乳化重合して得られる含フッ素樹脂を水性
媒体中に分散させたものであり、好適な含フッ素樹脂と
しては、(a)フルオロオレフィン単量体、(b)カル
ボン酸ビニルエステル単量体、(c)加水分解性シリル
基を有するエチレン性不飽和単量体、(d)親水性官能
基を有するエチレン性不飽和単量体および(e)その他
の共重合性単量体からなる単量体混合物を乳化剤の存在
下に乳化重合して得られたものが挙げられる。
【0008】前記(a)フルオロオレフィン単量体とし
ては、フルオロエチレン、フッ化ビニリデン、クロロト
リフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンおよびヘ
キサフルオロプロピレン等が挙げられ、これらの中で
も、取扱いの容易さおよび易共重合性の点でクロロトリ
フルオロエチレンが好ましい。
【0009】前記(b)カルボン酸ビニルエステル単量
体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビ
ニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン
酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パ
ルミチン酸ビニルおよびステアリン酸ビニル等の直鎖状
脂肪族カルボン酸のビニルエステル類、イソ酪酸ビニ
ル、ピバリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、
炭素数が9の分岐状カルボン酸の異性体混合物であるバ
ーサティック酸のビニルエステルおよび炭素数が10の
分岐状カルボン酸の異性体混合物であるバーサティック
酸のビニルエステル等の分岐状カルボン酸のビニルエス
テル類、ならびに安息香酸ビニル等の芳香族カルボン酸
ビニルエステル類が挙げられる。
【0010】また、前記(c)加水分解性シリル基を有
するエチレン性不飽和単量体としては、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメ
チルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランおよ
びビニルエチルジエトキシシラン等のアルコキシビニル
シラン類;γー(メタ)アクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシランおよびγー(メタ)アクリロイルオキ
シプロピルトリエトキシシラン等のγ−(メタ)アクリ
ロイルオキシプロピルアルコキシシラン類;トリメトキ
シシリルプロピルビニルエーテルおよびトリエトキシシ
リルプロピルビニルエーテル等のアルコキシシリルアル
キルビニルエーテル類;トリメトキシシリルデカン酸ビ
ニルおよびトリエトキシシリルデカン酸ビニル等のアル
コキシシリルカルボン酸ビニル類が挙げられる。
【0011】さらに、前記(d)親水性官能基を有する
エチレン性不飽和単量体は、カルボキシル基またはその
塩、スルホン基またはその塩、水酸基およびアミノ基等
の親水性官能基を有するエチレン性不飽和単量体であ
る。カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタ
コン酸、マレイン酸、フマル酸およびビニル酢酸等が挙
げられ、スルホン基を有する単量体としては、ビニルス
ルホン酸、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸およ
び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
などが挙げられ、これらの単量体の塩としては、アンモ
ニア、アミンまたはアルカリ金属による塩が挙げられ
る。水酸基を有する単量体としては、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルア
リルエーテル、ヒドロキシエチルクロトネートおよびN
−メチロールアクリルアミド等が挙げられ、また、アミ
ノ基を有する単量体としてはメタクリルアミド、アクリ
ルアミド、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメ
チルアミノエチルアクリレートおよびアミノプロピルビ
ニルエーテル等が挙げられる。これらの単量体の中で
も、水性含フッ素樹脂分散体の安定性を高めるという理
由から、カルボキシル基またはその塩を有する単量体お
よびスルホン基またはその塩を有する単量体が好適であ
り、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸および2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはそ
の塩が例示される。
【0012】上記の単量体以外に、必要に応じて(e)
その他の単量体を用いることができ、かかる単量体とし
ては、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、塩化ビニリデ
ンおよび塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン類;エチ
レン、プロピレンおよびイソブチレン等のα−オレフィ
ン類;エチルビニルエーテルおよびブチルビニルエーテ
ル等のアルキルビニルエーテル類;メチル(メタ)アク
リレートおよびシクロヘキシル(メタ)アクリレート等
の(メタ)アクリル酸エステル類;酢酸アリル、酪酸ア
リルおよびエチルアリルエーテル等のアリル化合物が挙
げられる。
【0013】上記各単量体単位の割合は、(a)フルオ
ロオレフィン単量体単位30〜60モル%、(b)カル
ボン酸ビニルエステル単量体単位10〜65モル%、
(c)加水分解性シリル基を有するエチレン性不飽和単
量体単位0.1〜10モル%、(d)親水性官能基を有
するエチレン性不飽和単量体単位0.5〜5モル%、
(e)その他の共重合性単量体単位0〜30モル%の範
囲(a+b+c+d+e=100)であることが好まし
い。(a)成分が60モル%を上回ると水性分散体の安
定性が低下し、30モル%を下回ると耐候性が低下す
る。(b)成分が65モル%を越えると耐候性が減退
し、10モル%未満になると成膜性が損なわれるうえ、
形成塗膜の柔軟性や光沢が低下する。(c)成分が10
モル%より多くなると水性分散体の安定性が低下し、
0.1モル%未満になると塗膜の硬度が不足する。ま
た、(d)成分が5モル%より多くなると親水性が大き
くなるため塗膜の耐水性が低下し、0.5モル%より少
ないと水性分散体の安定性が悪くなる。
【0014】本発明における含フッ素樹脂のガラス転移
温度は0℃〜80℃であることが好ましく、更に好まし
くは20℃〜80℃の範囲である。含フッ素樹脂のガラ
ス転移温度が0℃未満であると、汚染物質が付着しやす
くなり、80℃を越えると塗膜にクラックが発生し易く
なる。含フッ素樹脂の分子量はゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の
数平均分子量で10,000〜5,000,000であ
るのが好ましく、より好ましくは100,000〜1,
000,000である。数平均分子量が10,000未
満では樹脂が脆弱化し、5,000,000を越えると
造膜性が低下する恐れがある。
【0015】本発明における含フッ素樹脂の水性分散体
は、前記単量体を乳化剤の存在下に水性媒体中で乳化重
合することにより得られる。該水性樹脂分散体における
樹脂分濃度は30〜60重量%の範囲にあることが好ま
しい。水性媒体は大部分が水でこれに後述する乳化剤、
成膜助剤および各種の塗料添加剤等が溶解または分散し
たものである。
【0016】前記乳化重合における乳化剤は、分散体を
安定させる面からアニオン系乳化剤とノニオン系乳化剤
を併用することが好ましく、それらの好ましい使用量
は、仕込み単量体全量100重量部当たり、アニオン系
乳化剤が0.5〜5重量部、ノニオン系乳化剤が2〜8
重量部である。乳化剤の使用量が上記の量を超えると、
得られる塗膜の耐水性が低下し易く、耐水性の面では、
乳化剤の使用量は少ないほど好ましい。
【0017】前記アニオン系乳化剤としては、ラウリル
硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジア
ルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル硫酸ナトリウムおよびアルカンスルホ
ン酸ナトリウム等の長鎖アルキル基型アニオン系乳化
剤、ならびにパーフルオロオクタノイックアシッドカリ
ウム塩またはそのアンモニウム塩およびパーフルオロオ
クタンスルホン酸ナトリウム塩またはそのアンモニウム
塩等のフルオロアルキル基型アニオン系乳化剤等が挙げ
られ、これらの中でもラウリル硫酸アンモニウムおよび
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好適である。
一方、ノニオン系乳化剤としては、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセ
リン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル等が挙げられ、これらの中でも、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテルおよびポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテルが好ましい。
【0018】乳化重合に使用する重合開始剤としては、
通常のラジカル発生型重合開始剤が好ましく、具体的に
は、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ターシ
ャリーブチルパーオキシピバレート、ベンゾイルパーオ
キサイド、ラウロイルパーオキサイドおよびサクシニッ
クアシドパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイ
ソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリルおよび
アゾビスアミジノプロパン塩酸塩などのアゾ化合物;過
硫酸アンモニウムおよび過硫酸カリウム等の無機過酸化
物等が挙げられる。また、レドックス系開始剤を使用し
ても良く、その場合には、前記過酸化物と共に、亜硫酸
水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ロンガリットおよ
びアスコルビン酸等の還元剤を併用する。
【0019】重合操作は、耐圧の重合器を用い、温度2
0〜100℃かつ圧力1〜200kg/cm2 で行うこ
とが好適であり、重合時間は3〜40時間が適当であ
る。各単量体の重合器への仕込方法としては、全単量体
を初期に全量仕込んでも良いし、単量体の一部を重合の
進行と共に逐次添加しても良い。また、逐次添加される
単量体は、乳化剤によってエマルション化されたもので
あることが好ましい。さらに重合系に炭酸カリウム、炭
酸水素ナトリウムおよびリン酸2ナトリウム等のpH調
製剤を添加して、重合系のpHを6〜8に調製すること
が好ましい。重合操作を2段階で行い、第1段目の重合
により水性含フッ素樹脂分散体のコア部を形成させ、引
き続く第2段目の重合によりシェル部を形成させたコア
/シェル型の水性含フッ素樹脂分散体を得ることもでき
る。
【0020】次に、本発明におけるブッロクポリマー
は、前記式(1)に表されるポリオキシアルキレンセグ
メントとポリオルガノシロキサンセグメントを有し、ポ
リオルガノシロキサンセグメントの構成比率が全体の3
5〜85重量%であるブロックポリマー(以下、単に
「ポリオルガノシロキサンブロックポリマー」という)
であり、塗膜の耐汚染性の改良に極めて有効なものであ
る。
【0021】前記ポリオルガノシロキサンブロックポリ
マーのGPCによるポリスチレン換算の数平均分子量は
1,000〜30,000であることが好ましい。ま
た、各ポリオルガノシロキサンセグメントの数平均分子
量は400〜10,000であることが好ましく、各ポ
リオキシアルキレンセグメントの数平均分子量は200
〜10,000であることが好ましく、ポリオルガノシ
ロキサンセグメントはポリオルガノシロキサンブロック
ポリマー全体の35〜85重量%である。
【0022】次に、前記式(1)における各基(Rおよ
びZ)について説明する。Rとしてはメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、
オクタデシル基およびエイコシル基等のアルキル基;フ
ェニル基およびナフチル基等のアリール基;ベンジル基
およびフェニルエチル基等のアラルキル基;トリル基、
キシリル基およびシクロヘキシル基等を挙げることがで
きる。
【0023】式(1)におけるZはケイ素原子および酸
素原子に結合する2価の有機基で、隣接ケイ素原子には
炭素−ケイ素結合によって結合し、そして隣接酸素原子
を介してポリオキシアルキレンセグメントに結合してい
る。Zの好適な例として以下のものが挙げられる。−C
2 CH2 −、−CH2 CH2 CH2 −、−CH2 CH
(CH3 )CH2−、−CH2 CH2 CH2 CH2 −、
−(CH2 2 CO−、−(CH2 3 NHCO−、−
(CH2 3 NHCONH(C6 4 )NHCO−、−
(CH2 3 OOCN(C6 4 )NHCO−など。
【0024】上記ポリオルガノシロキサンブロックポリ
マーはポリアルキレンオキサイドの両末端にメタアリル
基を有するジメタアリルポリエーテルとジヒドロポリオ
ルガノシロキサンとの反応等により製造することができ
る。該ポリオルガノシロキサンブロックポリマーの具体
例としては、日本ユニカー(株)製ABN SILWE
Tシリーズ等が挙げられる。
【0025】前記ポリオルガノシロキサンブロックポリ
マーにおいてポリオルガノシロキサンセグメントの割合
は35〜85重量%である。35重量%未満では耐汚染
性の改良が不十分であるため塗膜の耐水性が低下し、一
方、85重量%を越えると耐汚染性の改良が不十分であ
る。本発明におけるポリオルガノシロキサンブロックポ
リマーと水性含フッ素樹脂分散体の割合は、含フッ素樹
脂100重量部に対しポリオルガノシロキサンブロック
ポリマーが1〜20重量部である。ポリオルガノシロキ
サンブロックポリマーの割合が1重量部未満では耐汚染
性の改良が不十分であり、一方、20重量部を越えると
塗膜の耐候性が低下し易い。
【0026】水性含フッ素樹脂分散体に前記ポリオルガ
ノシロキサンブロックポリマーを混合する方法として、
例えば、後記する造膜助剤中にポリオルガノシロキサン
ブロックポリマーを予め溶解させ、その溶解液を水性含
フッ素樹脂分散体に添加する方法が挙げられる。また、
ポリオルガノシロキサンブロックポリマーと乳化剤を水
性媒体中に乳化分散させ、その分散液を水性含フッ素樹
脂分散体に添加する方法も採用できる。
【0027】前記造膜助剤としては、通常水性塗料で用
いられているものが使用でき、例えば、炭素数が5〜1
0の長鎖状、分枝状および環状の脂肪族アルコール類、
芳香族基を含有するアルコール類;一般式HO−(CH
2 CHXO)n −R(Rは炭素数1〜10の長鎖または
分枝状のアルキル基、Xは水素原子またはメチル基、n
は1〜5の整数を示す)で表される(ポリ)エチレング
リコールおよび(ポリ)プロピレングリコール等のモノ
エーテル類;一般式R1 COO−(CH2 CHXO)n
−R2 (R1 およびR2 は炭素数1〜10の直鎖または
分枝状のアルキル基、Xは水素原子またはメチル基、n
は1〜5の整数を示す)で表される(ポリ)エチレング
リコールエーテルエステルまたは(ポリ)プロピレング
リコールエーテルエステル類;トルエンおよびキシレン
等の芳香族系有機溶剤、2,2,4−トリメチル−1,
3−ペンタンジオールのモノまたはジイソブチレート、
3−メトキシブタノール、3−メトキシブタノールアセ
テート、3−メチル−3−メトキシブタノールおよび3
−メチル−3−メトキシブタノールアセテート等が挙げ
られる。
【0028】更に、本発明の水性含フッ素樹脂塗料用組
成物には、必要に応じて顔料、消泡剤、増粘剤、防黴
剤、防腐剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリ
ング剤、スリップ剤、たれ防止剤、色別れ防止剤、酸化
防止剤および熱安定剤等の通常水性塗料で使用される添
加剤を配合しても良い。また、塗料用組成物に顔料を分
散させる場合には、顔料分散剤を添加しても良く、これ
らは水性フッ素樹脂分散体に予め配合しておくこともで
きる。
【0029】本発明の水性含フッ素樹脂塗料用組成物の
塗装は、水性塗料で通常行われている方法に従えば良
く、例えば、スプレー塗装、はけ塗りおよびロール等に
よって塗装することができる。この場合、塗料の膜厚と
しては、目的に応じて選択すれば良いが、下地保護性お
よび乾燥性のバランスの点から10〜50μmであるこ
とが好ましい。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体
的に説明する。 ○合成例1 攪拌機を備えた2リットルのステンレス製反応器にシク
ロヘキシルビニルエーテル(以下、CHVEという)1
42g、ポリオキシエチレンアリルエーテル〔日本油脂
(株)製PKA5003、以下、POEAEという)4
2g、エチルビニルエーテル(以下、EVEという)8
1g、イオン交換水661g、乳化剤としてパーフルオ
ロオクタン酸アンモニウム3.5g、pH調整剤として
炭酸カリウム3.5g、亜硫酸水素ナトリウム0.2g
および過硫酸アンモニウム0.8gを仕込み、反応器を
氷水で冷却しながら窒素ガスで5kg/cm2 まで加圧
した後、脱気する。この加圧脱気を3回繰り返し、10
mmHgまで脱気した後、クロロトリフルオロエチレン
(以下、CTFEという)280gを仕込み、30℃で
12時間反応を行い、CTFE/CHVE/EVE/P
OEAE=50/24/24/2(モル%)の樹脂の固
形分が50重量%である水性含フッ素樹脂分散体(F−
1)を調製した。
【0031】○合成例2 合成例1と同様な方法で、CTFE/バーサチック酸ビ
ニル(以下、V−9という)/プロピオン酸ビニル(以
下、VPrという)/p−ターシャリーブチル安息香酸
ビニル(以下、TBVBという)/アクリロイルオキシ
プロピルトリエトキシシラン(以下、AOPTESとい
う)/アクリル酸(以下、AAという)=50/29/
10/5/5/1(モル%)の樹脂の固形分が50重量
%である水性含フッ素樹脂分散体(F−2)を調製し
た。
【0032】○合成例3 コア/シェル型エマルションを得るために2段階で重合
を行なうこと以外は、合成例1と同様な方法で、コア部
の組成がCTFE/V−9/TBVB/AA=50/4
2/5/3(モル%)、シェル部の組成がCTFE/カ
プロン酸ビニル/TBVB/アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル/AA=51/39/6/3/1(モル%)であ
り、コア部/シェル部=70/30(重量比)である樹
脂の固形分が50重量%であるコア/シェル型の水性含
フッ素樹脂分散体(F−3)を調製した。
【0033】○実施例1〜5 酸化チタン〔石原産業(株)製CR97〕100.0
g、顔料分散剤〔サンノプコ(株)製SNディスパーサ
ント5027〕5.0g、消泡剤〔ダウコーニング
(株)製FSアンチフォーム013B〕0.5gおよび
イオン交換水49.0gをホモディスパーを用いて混合
および分散させてミルベースを得た。上記ミルベース、
合成例1〜3で得られた水性含フッ素樹脂分散体、後記
表1に示すポリオルガノシロキサンブロックポリマー
〔日本ユニカー(株)製ABNSILWET〕、造膜助
剤〔チッソ(株)製テキサノールCS12〕および増粘
剤〔サンノプコ(株)製SNシックナー612〕を後記
表1に示す量を攪拌下に混合させて、白色の水性含フッ
素樹脂塗料を調製した。
【0034】0.6mm厚のアルミ板にアクリルウレタ
ン塗料〔川上塗料(株)製ウレオール800〕を塗装
後、得られた白色の水性含フッ素樹脂塗料をバーコータ
ーを使用して塗装し(乾燥膜厚は約30μm)、常温で
1週間乾燥した。得られた塗膜について、以下の項目の
評価を行い、その結果を表1に記載した。
【0035】光沢値:JIS−K5400に記載の方
法により、60°光沢値を測定した。 耐候性:Qパネル社製蛍光紫外線耐候性試験機(一般
的にQUVと略称されている)を使用し、連続で8時間
紫外線を照射し、次いで4時間塗面裏側からイオン交換
水をスプレーするというサイクルを繰り返し、全体で
2,000時間試験後の60゜光沢保持率(%)により
評価した。 耐水性:得られた塗膜を40℃の温水に1週間浸漬し
た後、外観と60゜光沢保持率(%)により評価した。 耐汚染性:得られた塗膜を名古屋市南部工業地帯にお
いて45゜の角度で6ヵ月間暴露試験を行い、試験前後
のL値の変化であるΔLを測定した。ΔL値の絶対値が
小さい程、耐汚染性が良好であることを示す。
【0036】○比較例1 ポリオルガノシロキサンブロックポリマーを使用しなか
った以外は実施例1と同様な方法で試験、評価した。結
果は表1に記載の通りである。 ○比較例2 ポリオルガノシロキサンセグメントの割合が15重量%
であるポリオルガノシロキサンブロックポリマーを表1
に記載の量を使用した以外は実施例1と同様な方法で試
験、評価した。結果は表1に記載の通りである。 ○比較例3 ポリオルガノシロキサンセグメントの割合が60重量%
であるポリオルガノシロキサンブロックポリマーを表1
に記載の量を使用した以外は実施例1と同様な方法で試
験、評価した。結果は表1に記載の通りである。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の水性含フッ素樹脂塗料用組成物
は、耐候性および耐水性に優れるだけでなく、耐汚染性
が極めて優れており、屋外の上塗り着色用塗料など工業
的に利用価値が高い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フルオロオレフィン単量体を主成分とする
    単量体混合物を乳化重合して得られる含フッ素樹脂の水
    性分散体中に、下記式(1)で表されるポリオキシアル
    キレンセグメントとポリオルガノシロキサンセグメント
    を有し、ポリオルガノシロキサンセグメントの構成比率
    が全体の35〜85重量%であるブロックポリマーが前
    記含フッ素樹脂100重量部に対し1〜20重量部分散
    している水性含フッ素樹脂塗料用組成物。 【化1】 (式中、Rは脂肪族不飽和結合を含まない1価の炭化水
    素基を示し、Zは2価の有機基を示し、aは4以上の整
    数、bは4以上の整数およびcは2以上の整数を示し、
    nは2、3または4を示す)
  2. 【請求項2】前記含フッ素樹脂の水性分散体が、(a)
    フルオロオレフィン単量体単位30〜60モル%、
    (b)カルボン酸ビニルエステル単量体単位10〜65
    モル%、(c)加水分解性シリル基を有するエチレン性
    不飽和単量体単位0.1〜10モル%、(d)親水性官
    能基を有するエチレン性不飽和単量体単位0.5〜5モ
    ル%および(e)その他の共重合性単量体単位0〜30
    モル%からなる単量体混合物を乳化重合して得られたも
    のである請求項1記載の水性含フッ素樹脂塗料用組成
    物。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002129110A (ja) * 2000-10-31 2002-05-09 Asahi Glass Co Ltd 水性塗料用組成物
JP2002138250A (ja) * 2000-10-31 2002-05-14 Asahi Glass Co Ltd 水性塗料用組成物
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WO2004069919A3 (en) * 2003-02-03 2004-11-11 Du Pont Stabilized aqueous dispersion of fluoropolymer
WO2018097141A1 (ja) * 2016-11-28 2018-05-31 旭硝子株式会社 ポリテトラフルオロエチレン水性分散液

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