JPH11302600A - 水性塗料用組成物 - Google Patents

水性塗料用組成物

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JPH11302600A
JPH11302600A JP12400198A JP12400198A JPH11302600A JP H11302600 A JPH11302600 A JP H11302600A JP 12400198 A JP12400198 A JP 12400198A JP 12400198 A JP12400198 A JP 12400198A JP H11302600 A JPH11302600 A JP H11302600A
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water
mol
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integer
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JP12400198A
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English (en)
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Etsuzo Marumoto
悦造 丸本
Hiroshi Inukai
宏 犬飼
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐汚染性に優れ、かつ耐候性、耐水性および光
沢に優れた塗料を形成し、保存安定性に優れる水性塗料
用組成物を提供する。 【解決手段】ベース樹脂100重量部に対して、ポリオ
キシアルキレンセグメントとポリオルガノシロキサンセ
グメントを含み、下記式(1)で表されるブロックから
なり、ポリオルガノシロキサンセグメントの構成比率が
全体の35〜85重量%であるブロックポリマー0.1
〜100重量部および粒子径が10μm以下であるシリ
カゾル0.1〜100重量部が、前記ベース樹脂の水性
分散体中に分散していることを特徴とする水性塗料用組
成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性塗料用組成物
に関するものであり、特に、耐汚染性に優れた塗膜を与
える水性塗料用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省資源・省エネルギーの気運が高
まり、外装用塗料において、塗り替えサイクルを伸ばす
ため、高耐候性であるフッ素樹脂塗料およびアクリルシ
リコン樹脂塗料が使用されてきた。しかしながら、特に
都市部において自動車排ガス、工場のばい煙、鉄粉およ
び酸性雨等により塗膜表面に汚染物質が堆積したり、雨
筋状の汚れが堆積したりすることで美観が損なわれると
いう問題が生じてきた。この問題の解決策として、溶剤
型フッ素樹脂塗料の場合、水酸基含有フッ素樹脂をベー
ス樹脂とした塗料中にアルコキシシランの部分加水分解
縮合物を添加する方法や水酸基含有フッ素樹脂と一部結
合したアルコキシシランの部分加水分解縮合物からなる
耐汚染付与剤を添加する方法が提案されている(特開平
8−269385号公報)。これらはいずれも塗膜に親
水性と水中撥油性を付与し、塗膜が雨水で濡れ、次いで
汚染物質が雨水と共に流れ落ちる、いわゆるローリング
アップ機構によって汚れを除去するものである。一方、
近年、環境保護、安全衛生の面から従来の有機溶剤を使
用した上記溶剤型塗料に替わって水性塗料が注目されて
おり、フッ素樹脂エマルションやアクリルシリコン樹脂
エマルションをベース樹脂とした塗料が提案されてい
る。しかしながら、水性塗料においても塗膜の汚染防止
のため、前記耐汚染付与剤を添加すると、塗料の保存安
定性が極端に低下したり、塗膜の光沢が低下したりする
問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐汚
染性に優れ、かつ耐候性、耐水性および光沢に優れた塗
膜を形成し、保存安定性に優れた水性塗料用組成物を提
供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ベース樹脂に特定
のポリオルガノシロキサンセグメントを含むブロックポ
リマーおよび粒子径が10μm以下であるシリカゾルを
添加することにより塗膜の耐汚染性と耐水性が向上する
のみならず、耐候性、光沢にも優れ、更に、塗料の保存
安定性も満足させることを見出し、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、ベース樹脂100重量部
に対して、ポリオキシアルキレンセグメントとポリオル
ガノシロキサンセグメントを含み、下記式(1)で表さ
れるブロックからなり、ポリオルガノシロキサンセグメ
ントの構成比率が全体の35〜85重量%であるブロッ
クポリマー0.1〜100重量部および粒子径が10μ
m以下であるシリカゾル0.1〜100重量部が、前記
ベース樹脂の水性分散体中に分散していることを特徴と
する水性塗料用組成物である。
【0005】
【化2】
【0006】(式中、Rは1価の非重合性炭化水素基を
示し、Zは2価の有機基を示し、aは4以上の整数、b
は4以上の整数およびcは2以上の整数を示し、nは
2、3または4を示す。)
【0007】
【発明の実施の形態】本発明におけるベース樹脂として
は、水性媒体中で分散可能なフッ素樹脂、アクリルシリ
コン樹脂、アクリルウレタン樹脂およびアクリルラッカ
ー樹脂等が例示され、耐候性に優れる点からフッ素樹脂
およびアクリルシリコン樹脂が好ましい。フッ素樹脂と
しては、フルオロオレフィンを主成分とする単量体混合
物を乳化重合または溶液重合させたものが挙げられ、ま
た、アクリルシリコン樹脂として、アクリルシリコン樹
脂を構成する単量体混合物を乳化重合または溶液重合さ
せたものが使用できる。これらの中でも、耐汚染性を発
現させる効果の点から、(a)フルオロオレフィン単量
体単位30〜60モル%、(b)カルボン酸ビニルエス
テル単量体単位および/またはアクリル酸エステル単量
体単位10〜80モル%、(c)加水分解性シリル基を
有するエチレン性不飽和単量体単位0.1〜10モル
%、(d)親水性官能基を有するエチレン性不飽和単量
体単位0.5〜5モル%、(e)その他の共重合性単量
体単位0〜30モル%からなる単量体混合物を乳化重合
させて得られたフッ素樹脂であることが特に好ましい。
前記(a)成分が60モル%を越えると水性分散体の安
定性が低下し、30モル%未満であると耐候性が低下す
る。(b)成分が80モル%を越えると耐候性が低下
し、10モル%未満であると成膜性が損なわれるうえ、
形成する塗膜の柔軟性および光沢が低下する。また、
(c)成分が10モル%を越えると水性分散体の安定性
が低下し、0.1モル%未満であると塗膜の硬度が不足
する。さらに、(d)成分が5モル%を越えると塗膜の
耐水性が低下し、0.5モル%未満であると水性分散体
の安定性が低下する。
【0008】前記(a)のフルオロオレフィン単量体と
しては、フルオロエチレン、フッ化ビニリデン、クロロ
トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンおよび
ヘキサフルオロプロピレン等が挙げられ、これらの中で
も、取扱いの容易さおよび易共重合性の点でクロロトリ
フルオロエチレンが好ましい。
【0009】前記(b)のうちカルボン酸ビニルエステ
ル単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カ
プリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニ
ル、パルミチン酸ビニルおよびステアリン酸ビニル等の
直鎖状脂肪族カルボン酸のビニルエステル類、イソ酪酸
ビニル、ピバリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニ
ル、炭素数が9の分岐状カルボン酸の異性体混合物であ
るバーサティック酸のビニルエステルおよび炭素数が1
0の分岐状カルボン酸の異性体混合物であるバーサティ
ック酸のビニルエステル等の分岐状カルボン酸のビニル
エステル類、ならびに安息香酸ビニル等の芳香族カルボ
ン酸ビニルエステル類が挙げられる。
【0010】また前記(b)のアクリル酸エステル単量
体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
イソブチル、アクリル酸s−ブチル、アクリル酸t−ブ
チル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ステアリル、ア
クリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、ア
クリル酸トリシクロデシニル、アクリル酸テトラヒドロ
フルフリル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ジ
メチルアミノエチル、アクリル酸クロロエチル、アクリ
ル酸トリフルオロエチルおよびアクリル酸ペンタフルオ
ロプロピル等が挙げられる。
【0011】また、前記(c)の加水分解性シリル基を
有するエチレン性不飽和単量体としては、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニル
メチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランお
よびビニルエチルジエトキシシラン等のアルコキシビニ
ルシラン類;γー(メタ)アクリロイルオキシプロピル
トリメトキシシラン、γー(メタ)アクリロイルオキシ
プロピルトリエトキシシラン等のγ−(メタ)アクリロ
イルオキシプロピルアルコキシシラン類;トリメトキシ
シリルプロピルビニルエーテルおよびトリエトキシシリ
ルプロピルビニルエーテル等のアルコキシシリルアルキ
ルビニルエーテル類;トリメトキシシリルデカン酸ビニ
ルおよびトリエトキシシリルデカン酸ビニル等のアルコ
キシシリルカルボン酸ビニル類が挙げられる。
【0012】さらに、前記(d)の親水性官能基を有す
るエチレン性不飽和単量体は、カルボキシル基またはそ
の塩、スルホン基またはその塩、水酸基およびアミノ基
等の親水性官能基を有するエチレン性不飽和単量体であ
る。カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタ
コン酸、マレイン酸、フマル酸およびビニル酢酸等が挙
げられ、スルホン基を有する単量体としては、ビニルス
ルホン酸、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸およ
び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
などが挙げられ、これらの単量体の塩としては、アンモ
ニア、アミンまたはアルカリ金属による塩が挙げられ
る。水酸基を有する単量体としては、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルア
リルエーテル、ヒドロキシエチルクロトネートおよびN
−メチロールアクリルアミド等が挙げられ、またアミノ
基を有する単量体としてはメタクリルアミド、アクリル
アミド、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチ
ルアミノエチルアクリレートおよびアミノプロピルビニ
ルエーテル等が挙げられる。これらの単量体の中でも、
水性含フッ素樹脂分散体の安定性を高めるという理由か
ら、カルボキシル基またはその塩を有する単量体および
スルホン基またはその塩を有する単量体が好適であり、
具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩が例
示される。
【0013】上記単量体以外に、必要に応じて(e)そ
の他の単量体を用いることができ、かかる単量体として
は、塩化ビニリデンおよび塩化ビニル等の塩化オレフィ
ン類;エチレン、プロピレンおよびイソブチレン等のα
−オレフィン類;エチルビニルエーテルおよびブチルビ
ニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;酢酸アリ
ル、酪酸アリルおよびエチルアリルエーテル等のアリル
化合物が挙げられる。
【0014】本発明におけるベース樹脂の分子量はGP
Cによるポリスチレン換算の数平均分子量で10,00
0〜5,000,000であるのが好ましく、より好ま
しくは、50,000〜1,000,000である。数
平均分子量が10,000未満では樹脂が脆弱化し、
5,000,000を越えると、造膜性が低下する恐れ
がある。ベース樹脂のガラス転移温度は0℃〜80℃で
あることが好ましく、より好ましくは20℃〜80℃の
範囲である。ガラス転移温度が0℃未満であると汚染物
質が付着しやすくなり、80℃を越えると塗膜にクラッ
クが発生し易くなる。
【0015】本発明におけるブロックポリマーは、ポリ
オキシアルキレンセグメントとポリオルガノシロキサン
セグメントを含み、前記式(1)で表されるブロックか
らなり、ポリオルガノシロキサンセグメントの構成比率
が全体の35〜85重量%であるブロックポリマー(以
下、単に「ポリオルガノシロキサンブロックポリマー」
という)であり、塗膜の耐汚染性改良に有効なものであ
る。
【0016】前記ポリオルガノシロキサンブロックポリ
マーのGPCによるポリスチレン換算の数平均分子量は
1,000〜30,000であることが好ましい。ま
た、各ポリオルガノシロキサンセグメントの数平均分子
量は400〜10,000であることが好ましく、各ポ
リオキシアルキレンセグメントの数平均分子量は200
〜10,000であることが好ましく、ポリオルガノシ
ロキサンセグメントの含有量はポリオルガノシロキサン
ブロックポリマー全体の35〜85重量%である。
【0017】次に、前記式(1)における各基(Rおよ
びZ)について説明する。Rとしてはメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、
オクタデシル基およびエイコシル基等のアルキル基;フ
ェニル基およびナフチル基等のアリール基;ベンジル基
およびフェニルエチル基等のアラルキル基;トリル基、
キシリル基およびシクロヘキシル基等を挙げることがで
きる。
【0018】式(1)におけるZはケイ素原子および酸
素原子に結合する2価の有機基で、隣接ケイ素原子には
炭素−ケイ素結合によって結合し、そして隣接酸素原子
を介してポリオキシアルキレンセグメントに結合してい
る。Zの好適な例として以下のものが挙げられる。 −CH2 CH2 −、−CH2 CH2 CH2 −、−CH2
CH(CH3 )CH2−、−CH2 CH2 CH2 CH2
−、−(CH2 2 CO−、−(CH2 3 NHCO
−、−(CH2 3 NHCONH(C6 4 )NHCO
−、−(CH2 3 OOCN(C6 4 )NHCO−な
ど。
【0019】上記ポリオルガノシロキサンブロックポリ
マーはポリアルキレンオキサイドの両末端にメタアリル
基を有するジメタアリルエーテルとジヒドロポリオルガ
ノシロキサンとの反応等により製造することができる。
該ポリオルガノシロキサンブロックポリマーの具体例と
しては、日本ユニカー(株)製ABN SILWETシ
リーズ等が挙げられる。
【0020】前記ポリオルガノシロキサンブロックポリ
マーにおいてポリオルガノシロキサンセグメントの割合
は35〜85重量%である。35重量%未満では耐汚染
性の改良が不十分であるため塗膜の耐水性が低下し、一
方、85重量%を越えると耐汚染性の改良が不十分であ
る。本発明におけるポリオルガノシロキサンブロックポ
リマーと水性塗料のベース樹脂の割合は、水性塗料のベ
ース樹脂100重量部に対しポリオルガノシロキサンブ
ロックポリマーが0.1〜100重量部であり、好まし
くは5〜30重量部である。添加量が0.1重量部未満
であると、耐汚染性が発現せず、100重量部を越える
と耐候性が低下し易い。
【0021】本発明においてベース樹脂の水性分散体に
前記ポリオルガノシロキサンブロックポリマーを分散さ
せる方法として、例えば、後記する造膜助剤にポリオル
ガノシロキサンブロックポリマーを予め溶解させ、その
溶解液を水性塗料に添加する方法が挙げられる。また、
ポリオルガノシロキサンブロックポリマーと乳化剤を水
性媒体中に乳化分散させ、その分散液を水性塗料に添加
する方法も採用できる。
【0022】前記造膜助剤としては、通常水性塗料で用
いられているものが使用でき、例えば、炭素数が5〜1
0の直鎖状、分岐状および環状の脂肪族アルコール類;
芳香族基を含有するアルコール類;一般式HO−(CH
2 CHXO)n −R(Rは炭素数1〜10の長鎖または
分岐状のアルキル基、Xは水素原子またはメチル基、n
は1〜5の整数を示す)で表される(ポリ)エチレング
リコールおよび(ポリ)プロピレングリコール等のモノ
エーテル類;一般式R1 COO−(CH2 CHXO)n
−R2 (R1 およびR2 は炭素数1〜10の直鎖または
分岐状のアルキル基、Xは水素原子またはメチル基、n
は1〜5の整数を示す)で表される(ポリ)エチレング
リコールエーテルエステルまたは(ポリ)プロピレング
リコールエーテルエステル類;トルエンおよびキシレン
等の芳香族系有機溶剤、2,2,4−トリメチル−1,
3−ペンタンジオールのモノまたはジイソブチレート、
3−メトキシブタノール、3−メトキシブタノールアセ
テート、3−メチル−3−メトキシブタノールおよび3
−メチル−3−メトキシブタノールアセテート等が挙げ
られる。
【0023】本発明において好適に使用されるシリカゾ
ルは、無定形シリカ粒子が水中に分散してコロイド状に
なっているものであり、本発明においてはその粒子径が
10μm以下のものを使用する。シリカゾルとして、水
またはアルコール等の有機溶剤に分散した市販の化合物
を使用することができ、コロイダルシリカおよびアルコ
キシシランオリゴマー等が例示される。前記コロイダル
シリカとしては、スノーテックス〔商品名:日産化学工
業(株)製〕、セラゾール(商品名:コルコート社
製)、ルドックス(商品名:デュポン社製)およびミト
ン(商品名:モンサントケミカル社製)等が例示され
る。これらコロイダルシリカのpHは3〜11であるこ
とが好ましい。pHが3未満または11を越えると、水
性塗料の安定性が低下する。前記アルコキシシランオリ
ゴマーとしては、エチルシリケート、プロピルシリケー
トおよびブチルシリケート(以上商品名:コルコート社
製)等が例示され、アルコールの溶液の場合は粒子径が
10μm以下になるように水で分散し使用する。これら
シリカゾルの中でも、塗料の保存安定性が良好であるこ
とからコロイダルシリカが好ましい。また、塗膜光沢の
点から、その粒子径は1μm以下のものが好ましい。シ
リカゾルの添加量はベース樹脂100重量部に対し、
0.1〜100重量部であり、好ましくは、1〜50重
量部である。0.1重量部未満であると耐水性に劣り、
100重量部を越えると塗膜が脆くなる。
【0024】本発明の塗料用組成物には、必要に応じて
顔料、消泡剤、増粘剤、防黴剤、防腐剤、抗菌剤、紫外
線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、スリップ剤、たれ
防止剤、色別れ防止剤、酸化防止剤および熱安定剤等の
通常水性塗料で使用される添加剤を配合しても良い。ま
た、塗料用組成物に顔料を分散させる場合に、顔料分散
剤を添加しても良い。
【0025】本発明の塗料用組成物の塗装は、塗料で通
常行われている方法に従えば良く、例えばスプレー塗
装、はけ塗り、ロール等によって塗装することができ
る。この場合、塗料の膜厚としては、目的に応じて選択
すれば良いが、下地保護性および乾燥性のバランスの点
から10〜50μmであることが好ましい。
【0026】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体
的に説明する。 ○塗料調製例1 <ベース樹脂調製>攪拌機を備えた2リットルのステン
レス製反応器にシクロヘキシルビニルエーテル(以下、
CHVEという)142g、ポリオキシエチレンアリル
エーテル〔日本油脂(株)製商品名:PKA5003、
以下、POEAEという)42g、エチルビニルエーテ
ル(以下、EVEという)81g、イオン交換水661
g、乳化剤としてパーフルオロオクタン酸アンモニウム
3.5g、pH調整剤として炭酸カリウム3.5g、亜
硫酸水素ナトリウム0.2gおよび過硫酸アンモニウム
0.8gを仕込み、反応器を氷水で冷却しながら窒素ガ
スで5kg/cm2 まで加圧した後、脱気する。この加
圧脱気を3回繰り返し、10mmHgまで脱気した後、
クロロトリフルオロエチレン(以下、CTFEという)
280gを仕込み、30℃で12時間反応を行い、CT
FE/CHVE/EVE/POEAE=50/24/2
4/2(モル%)の樹脂の固形分が50重量%である水
性フッ素樹脂分散体を得た。 <塗料調製>酸化チタン〔石原産業(株)製CR−9
7〕100.0g、顔料分散剤〔サンノプコ(株)製S
Nディスパーサント5027〕5.0g、消泡剤(ダウ
コーニング社製FSアンチフォーム013B)0.5g
およびイオン交換水49.0gをホモディスパーを用い
て混合、分散し、ミルベースを得た。上記、ミルベース
51.5g、ベース樹脂調製で得られた水性フッ素樹脂
分散体100g、造膜助剤〔チッソ(株)製テキサノー
ルCS12〕6gおよび増粘剤〔サンノプコ(株)製S
Nシックナー612〕0.4gを攪拌下に混合させて、
白色の水性塗料(以下、F−1という)を調製した。
【0027】○塗料調製例2 <ベース樹脂調製>塗料調製例1と同様な方法で、CT
FE/バーサティック酸ビニル(以下、V−9という)
/プロピオン酸ビニル(以下、VPrという)/p−タ
ーシャリーブチル安息香酸ビニル(以下、TBVBとい
う)/アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン
(以下、AOPTESという)/アクリル酸(以下、A
Aという)=50/29/10/5/5/1(モル%)
の樹脂の固形分が50重量%である水性フッ素樹脂分散
体を得た。 <塗料調製>塗料調製例1と同様な方法で白色の水性塗
料(以下、F−2という)を調製した。
【0028】○塗料調製例3 <ベース樹脂調製>塗料調製例1と同様な方法で、メチ
ルメタクリレート(以下、MMAという)/ブチルアク
リレート(以下、BAという)/ブチルメタクリレート
(以下、BMAという)/メタクリロイルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン(以下、MOPTESという)=
15/14/62/9(モル%)の樹脂の固形分が50
重量%であるアクリルシリコン樹脂エマルションを得
た。 <塗料調製>塗料調製例1と同様な方法で白色の水性塗
料(以下、A−1という)を調製した。
【0029】○塗料調製例4 <塗料調製> 塗料調製例3のベース樹脂を市販のアクリルエマルショ
ン〔大日本インキ工業(株)商品名:ボンコートEC8
18)に変えた以外、塗料調製例1と同様な方法で白色
の水性塗料(以下、A−2という)を調製した。
【0030】実施例1〜6 前記塗料調製例で得たベース樹脂または市販品から選ん
だベース樹脂、ポリオルガノシロキサンブロックポリマ
ー〔日本ユニカ−(株)製商品名:ABN SILWE
T)およびシリカゾルを後記表1に示す割合で混合し、
水性塗料用組成物を調製した。次いで、0.6mm厚の
アルミ板に上記塗料用組成物をバーコーターを使用して
塗装し(乾燥膜厚は約30μm)、常温で1週間乾燥し
た。得られた塗膜について、以下の項目の評価を行い、
その結果を表2に記載した。
【0031】60゜光沢:JIS−K5400に記載
の方法による。 耐候性:Qパネル社製蛍光紫外線耐候性試験機(一般
的にQUVと略称されている)を使用し、連続で8時間
紫外線を照射し、次いで4時間塗面裏側からイオン交換
水をスプレーするというサイクルを繰り返し、全体で
2,000時間試験後の60゜光沢保持率(%)により
評価した。 耐水性:得られた塗膜を水道水に48時間浸漬した
後、塗膜のフクレ、白化等を目視で観察した。 ○:外観変化なし、△:フクレ、白化が認められる、
×:剥離 耐汚染性:得られた塗膜を名古屋市南部工業地帯にお
いて45゜の角度で6ケ月間暴露試験を行い、試験前後
のL値の変化であるΔLを測定した。ΔL値の絶対値が
小さい程、耐汚染性が良好であることを示す。 塗料の保存安定性:塗料組成物の入った密栓容器を5
0℃の温水槽に1ケ月間保存し、増粘、およびゲル化も
しくは沈澱が生じていないか目視で観察した。 ○:異常なし、△:増粘、X:ゲル化もしくは沈澱
【0032】比較例1〜5 比較例1〜5の配合処方を後記表2に示す。 ○比較例1 ポリオルガノシロキサンブロックポリマーおよびシリカ
ゾルを使用しない以外は実施例1と同様な方法で試験、
評価し、結果を表2に示す。 ○比較例2〜3 ポリオルガノシロキサンブロックポリマーまたはシリカ
ゾルを使用しない以外は実施例1と同様な方法で試験、
評価し、結果を表2に示す。 ○比較例4 本発明におけるポリオルガノシロキサンブロックポリマ
ーと同じ構造で、ポリオルガノシロキサンセグメントの
割合が15重量%であるブッロクポリマーを表1に記載
の量を使用した以外は全て実施例1と同様な方法で試
験、評価し、結果を表2に示す。 ○比較例5 粒子径が10μmを越え20μm以下のアルコキシシラ
ンオリゴマーを使用した以外は実施例1と同様な方法で
試験、評価し、結果は表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明の水性塗料用組成物は、保存安定
性が良好で、また、耐候性および耐水性に優れるだけで
なく、耐汚染性にも優れており、屋外の上塗り着色用塗
料などとして工業的に利用価値が高い。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベース樹脂100重量部に対して、ポリオ
    キシアルキレンセグメントとポリオルガノシロキサンセ
    グメントを含み、下記式(1)で表されるブロックから
    なり、ポリオルガノシロキサンセグメントの構成比率が
    全体の35〜85重量%であるブロックポリマー0.1
    〜100重量部および粒子径が10μm以下であるシリ
    カゾル0.1〜100重量部が、前記ベース樹脂の水性
    分散体中に分散していることを特徴とする水性塗料用組
    成物。 【化1】 (式中、Rは1価の非重合性炭化水素基を示し、Zは2
    価の有機基を示し、aは4以上の整数、bは4以上の整
    数およびcは2以上の整数を示し、nは2、3または4
    を示す。)
  2. 【請求項2】ベース樹脂がフッ素樹脂またはアクリルシ
    リコン樹脂である請求項1記載の水性塗料用組成物。
  3. 【請求項3】ベース樹脂が、(a)フルオロオレフィン
    単量体単位30〜60モル%、(b)カルボン酸ビニル
    エステル単量体単位および/またはアクリル酸エステル
    単量体単位10〜80モル%、(c)加水分解性シリル
    基を有するエチレン性不飽和単量体単位0.1〜10モ
    ル%、(d)親水性官能基を有するエチレン性不飽和単
    量体単位0.5〜5モル%および(e)その他の共重合
    性単量体単位0〜30モル%からなる単量体混合物を乳
    化重合させて得られたフッ素樹脂である請求項1または
    請求項2記載の水性塗料用組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008013756A (ja) * 2006-06-07 2008-01-24 Kansai Paint Co Ltd 耐汚染性付与組成物及び塗料組成物
KR101319099B1 (ko) * 2012-02-16 2013-10-17 서웅원 친환경 수성 도료 조성물

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