JPH08209057A - 水性フッ素樹脂塗料組成物 - Google Patents

水性フッ素樹脂塗料組成物

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JPH08209057A
JPH08209057A JP4126995A JP4126995A JPH08209057A JP H08209057 A JPH08209057 A JP H08209057A JP 4126995 A JP4126995 A JP 4126995A JP 4126995 A JP4126995 A JP 4126995A JP H08209057 A JPH08209057 A JP H08209057A
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aqueous
water
mol
molecular weight
monomer unit
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JP4126995A
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English (en)
Inventor
Akihito Iida
晃人 飯田
Hiroyuki Sawada
博之 澤田
Tatsuo Nishio
竜生 西尾
Etsuzo Marumoto
悦造 丸本
Hiroshi Inukai
宏 犬飼
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 改善された塗り重ね性を有し、耐水性おとび
耐候性に優れた塗膜を形成することができる水性フッ素
樹脂塗料組成物を提供する。 【構成】 フルオロオレフインを主成分とする単量体混
合物を乳化重合して得られる水性樹脂分散体、および数
平均分子量500,000 以上の高分子量ポリカルボン酸塩を
含有する水性フッ素樹脂塗料組成物。水性樹脂分散体の
樹脂は、(a) フルオロオレフイン単量体単位35〜60モル
%、(b) カルボン酸ビニルエステル単量体単位10〜50モ
ル%、(c) 親水性官能基を有するエチレン性不飽和単量
体単位1〜5モル%、(d) その他の共重合性単量体単位
0〜30モル%の組成からなる。また、前記の塗料組成物
に、アルコキシ基を2個以上有するアルコキシシラン化
合物を配合すると、耐水性、耐候性が一層向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗り重ね性に優れ、耐
水性および耐候性の塗膜を形成することができる水性フ
ッ素樹脂塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐候性や耐薬品性に優れる塗料と
して、各種のフッ素系塗料が提案されている。例えば、
クロロトリフルオロエチレン、シクロヘキシルビニルエ
ーテル、アルキルビニルエーテルおよびヒドロキシアル
キルビニルエーテルからなる組成の含フッ素共重合体
(特開昭57−34107 号公報)、あるいはクロロトリフル
オロエチレン、脂肪族ビニルエステルおよびヒドロキシ
ル基含有クロトン酸エステルからなる組成の含フッ素共
重合体(特開平3−231906号公報)のような、水酸基を
含有し、有機溶剤に可溶な樹脂からなるフッ素系塗料
が、硬化型の耐候性塗料として注目されている。ところ
が、この種の有機溶剤可溶型フッ素樹脂塗料は、人体へ
の有害性や地球環境汚染といった問題があるため、有機
溶剤を削減したハイソリッド型のフッ素塗料や水性のフ
ッ素塗料が求められている。
【0003】このうち、水性フッ素樹脂塗料に関して
は、既に乳化重合によって得られる水性分散体として幾
つかの提案がなされている。例えば、特開平2−225
550公報には、フルオロオレフィン、ポリオキシエチ
レン基含有マクロモノマー、ヒドロキシル基含有モノマ
ーからなる共重合体の水性分散体が開示されている。ま
た、本発明者らも、フルオロオレフィン、カルボン酸ビ
ニル等から構成される共重合体を先に提案している(特
願平5−31260 号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、含フッ
素系単量体を乳化重合して得られる水性樹脂分散体は、
塗装時に塗り重ね性が悪化するという問題点がある。す
なわち、通常の塗装作業におけるトップコートの2度塗
り、あるいは塗装ムラ等の補修といった重ね塗り塗装を
行う場合、下塗り操作から短時間内に上塗り塗装を施さ
ないと上塗り塗膜にチジミ現象が発生する。この現象
は、とくに乳化重合時にフッ素系界面活性剤を用いた際
に顕著に現れる。このため、重ね塗りの塗装間隔が極め
て短時間内に制約されるという塗装工程上の欠点があっ
た。そのうえ、フッ素系界面活性剤を用いた塗料により
形成される塗膜は、フッ素系界面活性剤を使用せずに合
成した含フッ素共重合体の水性分散液による形成塗膜に
比べ、耐水性や耐溶剤性等の塗膜物性が劣るという問題
もあった。
【0005】本発明者らは前記の課題を解決すべく鋭意
研究を重ねた結果、フッ素系界面活性剤を使用し、乳化
重合して得られる含フッ素共重合体の水性分散体を用い
て水性フッ素樹脂塗料を調製する際に、高分子量ポリカ
ルボン酸塩を添加すると重ね塗り性が効果的に改善され
ることを確認した。さらに、該組成の塗料中にアルコキ
シシラン化合物を配合することにより、形成塗膜の耐水
性および耐候性を向上させ得る事実を解明した。
【0006】本発明は上記の知見に基づいてなされたも
ので、その目的とするところは、改善された重ね塗り性
を有し、かつ耐水性および耐候性に優れた塗膜を形成す
ることができる水性フッ素樹脂塗料組成物を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による水性フッ素樹脂塗料組成物は、フルオ
ロオレフインを主成分とする単量体混合物を乳化重合し
て得られる水性フッ素樹脂分散体、および数平均分子量
が500,000以上の高分子量ポリカルボン酸のアル
カリ金属またはアンモニウム塩を含有することを構成上
の特徴とする。
【0008】本発明の主要成分となる水性樹脂分散体
は、 (a)フルオロオレフイン単量体、(b)カルボン酸ビ
ニルエステル単量体、 (c)親水性官能基を有するエチレ
ン性不飽和単量体、および (d)その他の共重合性単量体
からなる単量体混合物を乳化剤の存在下に乳化重合して
得られたものが用いられる。
【0009】これら成分のうち、 (a)フルオロオレフィ
ン単量体としては、例えばフルオロエチレン、フッ化ビ
ニリデン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオ
ロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等を挙げること
ができるが、取扱いの容易性および易共重合性の面から
クロロトリフルオロエチレンの使用が好ましい。
【0010】(b)カルボン酸ビニル単量体としては、例
えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カ
プロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニ
ル、ラウリン酸ビニルなどの直鎖状カルボン酸のビニル
エステル類、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2−
エチルヘキサン酸ビニル、炭素数が9個の分岐状脂肪族
カルボン酸からなるバーサチック酸ビニル〔シェル化学
製、“ベオバ9”〕、炭素数が10個の分岐状脂肪族カ
ルボン酸からなるバーサチック酸ビニル〔シェル化学
製、“ベオバ10”〕等の分岐状カルボンのビニルエス
テル類、シクロヘキシルカルボン酸ビニルまたはそのア
ルキル置換体等の脂環式カルボン酸のビニルエステル
類、安息香酸ビニルまたはそのアルキル置換体といった
芳香族カルボン酸ビニルエステル類が挙げられる。
【0011】(c)親水性官能基を有するエチレン性不飽
和単量体単位とは、カルボキシル基、スルホン基、水酸
基、アミノ基を有し、オレフィン性不飽和二重結合を有
する単量体を指す。カルボキシル基を有する具体的な単
量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢
酸およびその塩などが挙げられる。スルホン基を有する
単量体としては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン
酸、アリルスルホン酸、2アクリルアミド2メチルプロ
パンスルホン酸などが例示される。これら単量体のカル
ボキシル基およびスルホン基は、アンモニア、アミン、
金属イオンなどによる塩類にして用いることもできる。
水酸基を有する単量体としては、例えばヒドロキシエチ
ルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒ
ドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルビニル
エーテル、ヒドロキシエチルアリルエーテル、ヒドロキ
シエチルクロトネート、Nメチロールアクリルアミドな
どが挙げられ、またアミノ基を有する単量体としては、
メタクリルアミド、アクリルアミド、2−アミノエチル
アクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、ジエ
チルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチ
ルアクリレート、アミノプロピルビニルエーテルなどを
例示することができる。これらの単量体は、フッ素樹脂
の分散液を安定化させるために用いられるが、フッ素樹
脂水性分散体の安定性を高めるにはカルボキシル基また
はスルホン基を含有する単量体の使用が好適であり、よ
り好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、2アクリルア
ミド2メチルプロパンスルホン酸もしくはその塩であ
る。
【0012】上記の成分以外に、必要に応じて (d)その
他の単量体を共重合させて水性樹脂分散体を調製するこ
とができる。かかる単量体としては、例えばエチレン、
プロピレン、イソブチレン等のαオレフィン類、エチル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシ
ルビニルエーテル等のビニルエーテル類、メチル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト等の(メタ)アクリル酸エステル類、エチルクロトネ
ート、ブチルクロトネート等のクロトン酸エステル類、
酢酸アリル、酪酸アリル、エチルアリルエーテルなどの
アリル化合物、スチレン、ノルボルナジエンなどを挙げ
ることができる。また、加水分解性シリル基を有する不
飽和単量体を共重合することもできる。加水分解性シリ
ル基を有する不飽和単量体としては、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチ
ルジメトキシシラン、ビニルエチルジエトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン等のビニルアルコキシシラン
類、γー(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン、γー(メタ)アクリロイルオキシプロピル
トリエトキシシラン等の(メタ)アクリロイルオキシア
ルコキシシラン類、トリメトキシシリルプロピルビニル
エーテル、トリエトキシシリルプロピルビニルエーテル
等のアルコキシシリルビニルエーテル類、トリメトキシ
シリルデカン酸ビニル、トリエトキシシリルデカン酸ビ
ニルなどのアルコキシシリルカルボン酸ビニル類が例示
される。しかし、重合反応性、重合安定性の点から、エ
トキシ基を有するビニルシラン、(メタ)アクリロイル
オキシシラン、シリルカルボン酸ビニルが好ましく使用
される。これら加水分解性シリル基を有する不飽和単量
体を用いる場合には、共重合体中に0.1〜10モル%
の範囲で含有させることが望ましい。
【0013】フッ素樹脂中に占める各単量体単位の割合
は、 (a)フルオロオレフィン単量体単位35〜60モル
%、 (b)ビニルエステル単量体単位10〜50モル%、
(c)親水性官能基を有するエチレン性不飽和単量体単位
1〜5モル%、 (d)その他の単量体単位0〜30モル%
の範囲(a+b+c+d=100)であることが好まし
い。(a) 成分が前記の範囲を上回ると水性分散体の安定
性が低下し、下回ると耐候性が低下する。(b) 成分が前
記範囲を越えると耐候性が減退し、範囲未満になると成
膜性が損なわれるうえ、形成塗膜の柔軟性や光沢が低下
する。また、 (c)成分が前記範囲より多くなると親水性
が大きくなって塗膜の耐水性が低下し、前記範囲より少
ないと分散体の安定性が悪化するようになる。
【0014】乳化重合に際して乳化剤として用いる界面
活性剤は、分散液を安定させる面からアニオン系界面活
性剤とノニオン系界面活性剤を併用することが好まし
い。アニオン系界面活性剤としては、パーフルオロオク
タン酸のカリウム塩またはアンモニウム塩、パーフルオ
ロオクタンスルホン酸のナトリウム塩またはアンモニウ
ム塩のようなフッ素系のアニオン系界面活性剤、あるい
はラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウ
ム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムおよびアルカ
ンスルホン酸ナトリウムのような炭化水素系のアニオン
系界面活性剤が使用できるが、生成した水性樹脂分散体
の粒子径や保存安定性を考慮するとフッ素系のアニオン
系界面活性剤が好ましい。一方、ノニオン系界面活性剤
としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
トール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレン脂肪酸エステルなどが挙げられる。水
性分散体の粒子径の細かさ、基材への密着性およびコス
トの点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテルおよ
びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが好適
である。
【0015】重合開始剤としては、通常のラジカル発生
型重合開始剤が使用できる。具体的には、ジイソプロピ
ルパーオキシジカーボネート、ターシャリーブチルパー
オキシピバレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロ
イルパーオキサイドおよびサクシニックアシドパーオキ
サイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスイソバレロニトリルおよびアゾビスアミジ
ノプロパン塩酸塩などのアゾ化合物、過硫酸アンモニウ
ムおよび過硫酸カリウムなどの無機過酸化物が例示され
る。レドックス系の開始剤を使用することもできるが、
その場合には前記過酸化物と共に、亜硫酸水素ナトリウ
ム、亜硫酸ナトリウム、ロンガリットまたはアスコルビ
ン酸などの還元剤を併用する。
【0016】重合操作は、耐圧オートクレーブを用い、
温度20〜100℃、圧力1〜200kg/cm2の範囲で行
うことができる。重合に当たっては、炭酸カリウム、炭
酸水素ナトリウムおよびリン酸2ナトリウムなどのpH
調整剤を添加して、重合系のpHを6〜8に調整するこ
とが好ましい。フッ素樹脂の水性分散体は、単量体を一
括仕込みで調製することができるが、単量体の仕込みを
分割して行ってもよい。分割仕込みを行う場合には、単
量体の組成比を段階的に変化させる方法を採ることもで
きる。本発明におけるフッ素樹脂のガラス転移温度は0
℃〜80℃であることが好ましく、更に好ましくは20
℃〜80℃の範囲にあることである。フッ素樹脂のガラ
ス転移温度が0℃未満であると、汚染物質が付着しやす
くなり、80℃を越えると塗膜にクラックが発生し易く
なる。フッ素樹脂の分子量は、GPCによるポリスチレ
ン換算の数平均分子量で10,000〜5,000,0
00であるのが好ましく、より好ましくは100,00
0〜1,000,000である。数分子量が10,00
0未満では樹脂が脆弱化し、他方、5,000,000
を越えると造膜性が低下する。また、水性樹脂分散体に
占める樹脂分濃度は、30〜60重量%の範囲にあるこ
とが好ましい。
【0017】本発明を構成する高分子量ポリカルボン酸
のアルカリ金属またはアンモニウム塩(以下、単に「高
分子ポリカルボン酸塩」という)は、重ね塗り性を改良
するために機能する必須の成分であり、好ましくは全単
量体単位の合計量を基準にしてカルボキシレート単量体
単位を20〜100モル%の割合で含む、数平均分子量
が500,000〜5,000,000の高分子量ポリ
カルボン酸塩であり、さらに好ましくはカルボキシレー
ト単量体単位の割合が20〜80モル%のものである。
数平均分子量が500,000未満の高分子量ポリカル
ボン酸塩では、重ね塗り性が改良できない。高分子量ポ
リカルボン酸塩におけるカルボキシレート単量体単位の
割合が、20モル%未満であると重ね塗り性の改善効果
が得られ難く、一方80モル%を越えると添加された塗
料組成物の貯蔵安定性が低下し易い。カルボキシレート
単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸およ
びイタコン酸等の不飽和カルボン酸のアルカリ金属また
はアンモニウム塩が挙げられ、好ましくは(メタ)アク
リル酸のアルカリ金属またはアンモニウム塩である。ま
た、上記カルボキシレート単量体と共に高分子量ポリカ
ルボン酸塩を形成する共重合単量体としては、(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルおよび
(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸アル
キル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アク
リルアミド、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸およびジアリルフタレート等が挙げられる。
【0018】本発明における高分子量ポリカルボン酸塩
は上記の構成を有するものであり、一般に各種水性エマ
ルジョンの増粘剤として使用されている高分子量ポリカ
ルボン酸塩と基本的に異なるものでないから、水性フッ
素樹脂分散体に上記高分子量ポリカルボン酸塩を添加す
る場合に、以下のような公知の方法が採用できる。例え
ば、通常、アルカリ増粘型ポリカルボン酸と称されてい
る高分子量ポリカルボン酸の水溶液または水性エマルジ
ョンをアンモニアまたは炭酸水素ナトリウム等のアルカ
リで中和した後に、水性フッ素樹脂分散体を添加する
か、または水性フッ素樹脂分散体に高分子量ポリカルボ
ン酸を添加した後、アルカリで中和するという方法であ
る。アルカリ増粘型ポリカルボン酸の具体例としては、
東亞合成(株)製A−7050、ローム・アンド・ハー
ス社製プライマルTT−615およびTT−935(い
ずれもコポリメタクリル酸系の水性エマルジョン)等で
ある。
【0019】本発明における高分子量ポリカルボン酸塩
の好ましい添加量は、水性フッ素樹脂分散体におけるフ
ッ素樹脂100重量部当たり0.05〜3.0重量部で
ある。0.05重量部未満では重ね塗り性の改良が不十
分なことがあり、一方3.0重量部を越えると塗膜の耐
水性が低下し易い。なお、得られる本発明の水性塗料組
成物のpHは、塗料の安定性の点で7〜9の範囲が好ま
しい。
【0020】本発明における水性フッ素樹脂分散体は、
上記高分子量ポリカルボン酸塩の添加により増粘される
と共に重ね塗り性が改良されるが、さらに高分子量ポリ
カルボン酸塩以外の増粘剤を併用してもよく、例えばポ
リ(オキシアルキレン)系の増粘剤を併用することによ
り、塗料のレベリング性を向上させることができる。し
かし、高分子量ポリカルボン酸塩以外の増粘剤、すなわ
ち前記ポリ(オキシアルキレン)系またはセルロース系
等の増粘剤だけでは、後述の比較例1および2に示した
とおり、塗料の重ね塗り性は改良できない。ポリ(オキ
シアルキレン)系の増粘剤としては、旭電化(株)製デ
カノールUH472およびサンノプコ(株)製A−61
2等が挙げられる。
【0021】本発明における水性フッ素樹脂分散体の樹
脂として、ガラス転移温度が10℃を越えるフッ素樹脂
を用いる場合には、造膜助剤として有機溶剤を併用する
ことが好ましい。造膜助剤として使用し得る有機溶剤と
しては、炭素数1〜10の脂肪族アルコール、脂環式ア
ルコールまたは芳香環を有するアルコール、エチレング
リコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコール
モノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアル
キルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテ
ルアセテートおよびジエチレングリコールモノアルキル
エーテルアセテート等を挙げることができる。造膜助剤
の好ましい添加量は、水性分散体中のフッ素樹脂100
重量部当たり0.1〜30重量部である。
【0022】本発明においては、上記成分以外に、ケイ
素原子に結合する加水分解性アルコキシル基を2個以上
有するアルコキシシランを使用することができる。前記
含フッ素共重合体および高分子量ポリカルボン酸塩から
なる水性フッ素樹脂塗料組成物に、さらに上記アルコキ
シシランを添加することにより、塗膜の耐水性および耐
候性を向上させることができる。かかるアルコキシシラ
ン化合物としては、テトラエトキシシラン、テトラプロ
ポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のモノマー状
アルコキシシラン化合物やこれらのオリゴマー、その他
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリン
グ剤が使用される。該アルコキシシラン化合物の添加量
は、フッ素樹脂100重量部当たり0.05〜20重量
部、好ましくは0.1〜10重量部の範囲に設定され
る。この添加量が0.05重量部未満では耐水性向上の
効果がなく、20重量部を越えると塗料の保存安定性が
低下する。なお、該アルコキシシラン化合物の添加は、
塗料調製時、塗装時のいずれでもよい。
【0023】本発明による水性フッ素樹脂塗料組成物の
固形分は、30〜60重量%が好ましい。かかる水性フ
ッ素樹脂塗料組成物はそのままでクリア塗料として用い
ることもできるが、着色塗料や光輝性塗料とする場合に
は、例えば酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニンブル
ー、ベンジジンイエロー、キナクリドン等の無機系また
は有機系顔料、ステンレス粉、アルミニウム粉、ブロン
ズ粉等の光輝性顔料を配合する。このほか、塗料調製時
に顔料分散剤、紫外線吸収剤、表面調整剤、他の粘性調
製剤、防黴剤、防錆剤といった通常の塗料に使用される
添加剤を配合することもできる。また、上記のアルコキ
シシラン化合物を配合した場合には、有機チタネート化
合物、有機アルミニウム化合物、カルボン酸型錫化合物
またはカルボン酸の金属塩等の硬化触媒を併用すること
もできる。
【0024】上記の組成からなる本発明の水性フッ素樹
脂塗料組成物は、適度の粘度になるように水で希釈し、
鋼板、ステンレス、アルミニウム、コンクリート、モル
タル、プラスチック、木材等の被塗基材に、スプレー、
刷毛、ロール、バーコーターなど適宜の手段で塗装する
ことにより優れた物性の塗膜を形成することができる。
【0025】
【作用】含フッ素系単量体を乳化重合した水性樹脂分散
体からなる従来の水性フッ素樹脂塗料は、トップコート
の2度塗りや塗装ムラの補修などの重ね塗り塗装時に塗
装間隔を長くすると、上塗り塗膜にチジミ現象が発生し
て、塗膜物性を損ねる問題がある。このような重ね塗り
性の悪化現象は、乳化重合時にフッ素系界面活性剤を用
いた場合に顕著に現れる。しかしながら、本発明の組成
においては水性樹脂分散体に添加された少量の高分子量
ポリカルボン酸塩系の増粘剤が上記した塗膜チジミ現象
を効果的に抑制する作用を営み、フッ素系界面活性剤の
使用有無および塗装間隔の長短に影響されることなく、
常に良好な物性の塗膜を形成することが可能となる。
【0026】また、フッ素系界面活性剤を用いた塗料に
より形成される塗膜は、耐水性や耐溶剤性等が不十分と
なる欠点があるが、本発明の水性フッ素樹脂塗料組成物
にアルコキシ基を2個以上有するアルコキシシラン化合
物を配合すると、耐水性ばかりでなく耐候性が改善され
た塗膜が形成される。したがって、改善された重ね塗り
性と併せて常に優れた塗膜物性を付与するための大きな
機能要素となる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。しかし、本発明の範囲はこれらの例に
限定されるものではない。
【0028】実施例1 (1)水性フッ素樹脂塗料組成物の調製 フルオロオレフインを主成分とする単量体混合物を、乳
化剤にパーフルオロオクタノイックアシドアンモニウム
塩〔花王(株)製フッ素系界面活性剤“エマルゲン91
0”〕とポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
〔花王(株)製“エマルゲン930”〕を用いて乳化重
合し、クロロトリフルオロエチレン50.0モル%、バ
ーサチック酸ビニル〔シェル化学製、“ベオバ9”〕2
8.5モル%、プロピオン酸ビニル10.7モル%、p
−ターシャリーブチル安息香酸ビニル5.0モル%、ア
クリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン4.8モ
ル%、アクリル酸1.0モル%からなるフッ素樹脂の水
性分散液(固形分50重量%)を調製した。他方、酸化
チタン〔石原産業(株)製“CR97”〕100.0g
、顔料分散剤〔サンノプコ(株)製“SNディスパー
サント5027”〕5.0g 、消泡剤〔ダウコーニング
社製“FSアンチフォーム013B”〕0.5g、イオ
ン交換水48.0g を混合して顔料分散液を調製した。
この水性フッ素樹脂分散体と顔料分散液を表1に示す成
分と混合し、固形分が48重量%の白色塗料を調製し
た。
【0029】
【表1】
【0030】(2)塗装評価 上記により調製した水性フッ素樹脂塗料を固形分40〜
42重量%になるように水で希釈し、フレキシブル板に
スプレー塗装した(乾燥膜厚は約40μ)。この塗装か
ら5時間後に同条件で再塗装し、重ね塗り試験を行っ
た。常温で1週間乾燥した後の塗膜外観は良好であっ
た。また、塗装板について耐水性試験および促進耐候性
試験を行い、その結果を表7に示した。なお、耐水性試
験はJISK5660に準じ水浸漬4日後の外観と光沢
保持率として示し、促進耐候性試験はサンシャインウエ
ザオメーター2000時間後の光沢保持率として示し
た。
【0031】実施例2 実施例1と同一のフッ素樹脂の水性樹脂分散体と顔料分
散液を混合し、表2に示す組成の水性フッ素樹脂塗料組
成物を調製した。
【0032】
【表2】
【0033】この水性フッ素樹脂塗料組成物につき、実
施例1と同様に塗装試験を行った結果を表7に併載し
た。
【0034】実施例3 フルオロオレフインを主成分とする単量体混合物を、乳
化剤にパーフルオロオクタノイックアシドアンモニウム
塩〔花王(株)製フッ素系界面活性剤“エマルゲン91
0”〕とポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
〔花王(株)製“エマルゲン930”〕を用いて乳化重
合し、コア部の組成がクロロトリフルオロエチレン5
0.0モル%、バーサチック酸ビニル〔シェル化学製
“ベオバ9”〕42.2モル%、p−ターシャリーブチ
ル安息香酸ビニル4.9モル%、アクリル酸2.9モル
%で、シェル部の組成がクロロトリフルオロエチレン5
1.0モル%、カプロン酸ビニル38.9モル%、p−
ターシャリーブチル安息香酸ビニル4.5モル%、アク
リル酸2ヒドロキシエチル4.6モル%、アクリル酸
1.0モル%(シェル組成は、コア/シェル全体のポリ
マー分析結果からコア部を差し引いた算出値)からなる
コア/シェル型のフッ素樹脂の水性分散液(固形分50
重量%)を調製した。この水性樹脂分散体を実施例1と
同一の顔料分散液と表3に示す成分組成で混合し、水性
フッ素樹脂塗料組成物を調製した。なお、この例では高
分子量ポリカルボン酸塩としてローム・アンド・ハース
社製の“プライマルTT615”を用いた。
【0035】
【表3】
【0036】この水性フッ素樹脂塗料組成物につき、実
施例1と同様に塗装試験を行った結果を表7に併載し
た。
【0037】実施例4 実施例3と同一のフッ素樹脂の水性樹脂分散体と顔料分
散液を混合し、表4に示す組成の水性フッ素樹脂塗料組
成物を調製した。
【0038】
【表4】
【0039】この水性フッ素樹脂塗料組成物につき、実
施例1と同様に塗装試験を行った結果を表7に併載し
た。
【0040】比較例1 高分子量ポリカルボン酸塩に代えて、ポリ(オキシアル
キレン)系の増粘剤を使用し、実施例1と同一のフッ素
樹脂による水性樹脂分散体および顔料分散液を用いて、
表5に示す組成の水性フッ素樹脂塗料組成物を調製し
た。この水性フッ素樹脂塗料組成物につき、実施例1と
同様に塗装試験を行った結果を表7に併載した。
【0041】
【表5】
【0042】比較例2 実施例2と同一のフッ素樹脂による水性樹脂分散体およ
び顔料分散液を用い、表6に示す組成の水性フッ素樹脂
塗料組成物を調製した。この水性フッ素樹脂塗料組成物
につき、実施例1と同様に塗装試験を行った結果を表7
に併載した。
【0043】
【表6】
【0044】
【表7】
【0045】表7に結果から、本発明の組成要件を満た
す実施例の水性フッ素樹脂塗料組成物はいずれも良好な
重ね塗り性を示し、かつ優れた耐水性および耐候性を発
揮することが認められる。また、テトラエトキシシラン
を用いた実施例2および実施例4においては、高度な耐
水性が付与されている。これに対し、高分子量ポリカル
ボン酸塩を含まない組成の比較例1、2では重ね塗り性
が悪く、実施例の塗料に比べて耐水性や耐候性も劣って
いることが認められた。
【0046】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によればフルオロ
オレフインを主成分とする単量体混合物を乳化重合して
得られる水性樹脂分散体に高分子量ポリカルボン酸塩を
配合することにより、効果的に重ね塗り性が改善され、
常に優れた物性の塗膜形成が可能な水性フッ素樹脂塗料
組成物を提供することができる。したがって、トップコ
ート用塗料あるいは上塗り着色用塗料として極めて有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸本 悦造 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内 (72)発明者 犬飼 宏 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フルオロオレフインを主成分とする単量
    体混合物を乳化重合して得られる水性フッ素樹脂分散
    体、および数平均分子量が500,000以上の高分子
    量ポリカルボン酸のアルカリ金属またはアンモニウム塩
    を含有することを特徴とする水性フッ素樹脂塗料組成
    物。
  2. 【請求項2】 水性樹脂分散体における樹脂が、 (a)フ
    ルオロオレフィン単量体単位35〜60モル%、 (b)カ
    ルボン酸ビニルエステル単量体単位10〜50モル%、
    (c)親水性官能基を有するエチレン性不飽和単量体単位
    1〜5モル%、および (d)その他の共重合性単量体単位
    0〜30モル%からなる乳化重合体である請求項1記載
    の水性フッ素樹脂塗料組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の組成物に、ケイ素
    原子に結合するアルコキシ基を2個以上有するアルコキ
    シシラン化合物(但し、Rは炭素数1〜5のアルキル
    基)を配合した水性フッ素樹脂塗料組成物。
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Cited By (3)

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