JP3376493B2 - 水性硬化性樹脂組成物 - Google Patents

水性硬化性樹脂組成物

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JP3376493B2 JP01396992A JP1396992A JP3376493B2 JP 3376493 B2 JP3376493 B2 JP 3376493B2 JP 01396992 A JP01396992 A JP 01396992A JP 1396992 A JP1396992 A JP 1396992A JP 3376493 B2 JP3376493 B2 JP 3376493B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規にして有用なる水性
硬化性樹脂組成物に関する。さらに詳細には、硬化部位
を有する、一方がフッ素樹脂の水性分散体であり、他方
が別の樹脂の水性分散体であるような、それぞれ、少な
くとも2種類の水性分散体を主成分とする、比較的低温
において硬化が可能なる、極めて実用性の高い水性硬化
性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建築外装材や産業資材などの屋外
に曝露されるものの塗装剤は、耐久性に優れた長期間メ
ンテナンスフリーのものが要求されている。
【0003】フルオロオレフィン系共重合体は、高耐候
性および高耐薬品性を有するバインダーとして、よく知
られているものであり、有機溶剤溶液の形態のものが、
すでに、市販されている。
【0004】しかしながら、有機溶剤を多量に含むもの
である処から、火災の危険性、有害性あるいは大気の汚
染などの問題があり、水性のフルオロオレフィン系バイ
ンダーが要求されている。
【0005】これまでにも、テトラフルオロエチレン、
フッ化ビニリデンまたはヘキサフルオロプロピレンなど
の、各種のフルオロオレフィン・ポリマーの水分散体が
提唱されている。
【0006】しかし、これらのフルオロオレフィン・ポ
リマーの水分散体は、いずれもが、造膜過程で、高温で
の焼付けを必要とするものである。すなわち、たとえ
ば、特開昭57−38845号公報に記載の発明にあっ
ては、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレン共
重合体の場合に、180〜230℃なる範囲の温度での
焼付けを必要としている。
【0007】このような高温焼付けは、現場で塗装する
常乾塗料の分野では、およそ、不可能であるし、また、
加熱乾燥が主体である工場ライン塗装においても、経済
的に不利である、と言えよう。
【0008】一方、特開昭61−261367号公報に
は、このような問題点の解決方法として、フルオロオレ
フィン、アルキルビニルエーテルおよびカルボン酸ビニ
ルエステルから成る、乳化重合体ベースの塗料組成物が
開示されており、造膜性が大幅に、改善されている。
【0009】しかしながら、屋外に曝露される被塗物の
塗装剤は、耐久性のみならず、媒煙などによる塗膜の汚
染に伴う外観低下を来たさないことも重要である。一般
に、低温での造膜性を得るためには、樹脂のガラス転移
点や、最低造膜温度などを下げなければならず、その結
果、得られる塗膜が軟質になり、ひいては、耐汚染性な
どが欠如するという結果になる。
【0010】したがって、低温で造膜が可能であり、し
かも、耐候性、耐薬品性、耐水性、耐沸水性ならびに耐
アルカリ性などの、いわゆる塗膜の耐久性と、耐汚染性
との両者の性能を、充分に、満足させるような水系の塗
装剤の出現が、切に、要望されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とする処
は、室温のような低温での造膜が可能であり、加えて、
耐候性、耐薬品性、耐水性、耐沸水性ならびに耐アルカ
リ性などの塗膜の耐久性にも優れるし、しかも、耐汚染
性にも優れる、極めて実用性の高い、水系フルオロオレ
フィン系の塗装剤を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述したような従来技術における、長所ならびに短所を
直視し、鋭意、検討を重ねた結果、主成分として、フッ
素樹脂水性分散体を用い、さらに、該フッ素樹脂を硬化
させ得る別のタイプの樹脂の水性樹脂分散体をも、必須
の成分として含んで成る組成物が、前述の問題点を見事
に解決し、克服することを見い出して、ここに、本発明
を完成させるに到った。
【0013】すなわち、本発明は、硬化性部位(a)を
有するフッ素樹脂の水性分散体(A)と、該フッ素樹脂
の水性分散体(A)の硬化性部位(a)と相互に反応し
得る官能基(b)を有する水性分散体(B)とを必須の
成分として含有してなる水性硬化性樹脂組成物であっ
て、(置換)アルキルベンゼンスルホン酸塩およびビニ
ルスルホン酸塩からなる群から選ばれる1種又は2種以
上及び/又はポリオキシエチレン(置換)アルキル(フ
ェニル)エーテルの存在下に、水性媒体中で炭素数が5
以上なる直鎖状、分岐状ないしは環状のカルボン酸のビ
ニルエステルを必須の成分とする単量体成分を重合した
水性樹脂分散体(A)と、上記水性分散体(A)とは別
の水性樹脂分散体(B)とを、必須成分として含んで成
る、屋外塗装用の水性硬化性樹脂組成物を提供しようと
するものである。。
【0014】勿論の事ながら、相互に反応し得る官能基
を有する、2種以上の水性分散体が、共に、フッ素樹脂
であるような水性分散体の場合であっても良く、こうし
た特別の組み合わせまでを排除する積もりは、さらさら
無い。
【0015】
【構成】ここにおいて、上記した硬化性部位を有するフ
ッ素樹脂水性分散体(A)とは、後述する如き、各種の
水性樹脂分散体(B)中に含有させる官能基と相互に反
応し得る官能基を有するフッ素樹脂水性分散体を指称す
るものである。
【0016】こうした相互に反応させ得る官能基の組合
せとしては、それぞれ、(1)エポキシ基と、(置換)
アミノ基との組合せ、(2)エポキシ基と、カルボキシ
ル基および/またはスルホン酸基との組合せ、(3)エ
ポキシ基と、水酸基との組合せ、(4)水酸基と、(置
換)アミノ基との組合せ、(5)水酸基と、ブロック化
イソシアネート基との組合せ、あるいは(6)カルボキ
シル基および/またはスルホン酸基と、ブロック化イソ
シアネート基との組合せなどが特に代表的なものであ
り、これらのほかにも、相互に反応し得る官能基の組合
せであれば、本発明中に包含されるものと理解された
い。
【0017】これらの組合せのうち、一方をフッ素樹脂
水性分散体(A)中に存在せしめ、そして、もう一方
を、あるいは、該フッ素樹脂水性分散体(A)以外の水
性分散体(B)として、複数のものがある場合には、残
りのすべてを、この水性樹脂分散体(B)中に含有させ
ればよい。
【0018】これらの官能基を、(A)または(B)中
に導入させるには、こうした各種の官能基を有する単量
体を、(A)または(B)を構成する単量体類と、共重
合せしめる方法を用いることができる。
【0019】
【0020】これらの方法にあっては、媒体が水である
処から、水によって、容易に反応するような官能基の組
合せは、適当でない。これらの官能基を有する単量体の
うちでも特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、 (1)エポキシ基含有単量体としては、アリルグリシジ
ルエーテルまたはグリシジル(メタ)アクリレートなど
が例示できる。 (2)(置換)アミノ基含有単量体としては、アリルア
ミン、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N−アルコキシメチル化(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリル
アミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジアルキ
ルアミノアルキル(メタ)アクリレートまたは無水マレ
イン酸の如き、各種の多価カルボン酸無水基含有単量体
類と、これらと反応しうる活性水素基ならびに第3級ア
ミノ基を併せ有する化合物との付加物などで代表され
る、種々の第3級アミノ基含有単量体などが例示でき
る。
【0021】(3)カルボキシル基含有単量体として
は、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸も
しくは無水イタコン酸の如き、各種の酸無水基含有単量
体とグリコ−ルとの付加物のような不飽和基含有ヒドロ
キシアルキルエステルモノカルボン酸類;または上掲し
たマレイン酸、フマル酸、イタコン酸もしくはシトラコ
ン酸の如き、各種のジカルボン酸類などが例示できる。 (4)スルホン酸基含有単量体としては、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが例示でき
る。
【0022】(5)水酸基含有単量体としては、ヒドロ
キシエチルビニ−ルエ−テル、4−ヒドロキシブチルビ
ニルエーテルの如き、各種のヒドロキシアルキルビニル
エーテルのような水酸基含有ビニルエ−テル類;または
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、3−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
−ト、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレ−ト、ポリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アク
リレ−トなどが例示できる。 (6)ブロック化イソシアネート基含有単量体として
は、イソシアネートアルキル(メタ)アクリレートのブ
ロック化物などが例示できる。
【0023】本発明を構成する(A)成分を得るには、
以上に述べて来たような、種々の硬化性部位を有する単
量体類を、全単量体原料中(以下同様)、1〜35重量
%とし、以下に掲記するようなフルオロオレフィン系単
量体を、30〜70重量%とし、そして、50重量%を
超えない範囲で、そのほかの単量体を用いるようにし
て、重合させれば良い。
【0024】そのほかの単量体として、好ましくは、エ
チレン、プロピレンの如き、各種のオレフィン類;また
は酢酸ビニル、バーサテイック酸ビニルの如き、各種の
カルボン酸のビニルエステル類などがあり、より好まし
くは、これらのほかの、酸性基含有単量体との併用が、
さらには、予め、粒子内の架橋を行うための架橋性単量
体との併用が、良好なる結果をもたらす。
【0025】当該(A)成分を構成するフルオロオレフ
ィンとして特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロ
エチレン、ヘキサフルオロプロピレン、1,1,3,
3,3−ペンタフルオロプロピレン、2,2,3,3−
テトラフルオロプロピレン、1,1,2−トリフルオロ
プロピレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、ク
ロロトリフルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチレ
ン、1−クロロ−1,2−ジフルオロエチレン、1,1
−ジクロロ−2,2−ジフルオロエチレンなどである。
【0026】これらのうち、好ましくは、ヘキサフルオ
ロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビ
ニリデンの如きフルオロオレフィン類などである。より
好ましくは、重合時の反応制御の点から、クロロトリフ
ルオロエチレンが使用される。
【0027】そのほかの単量体としては、エチレン、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、プロピレン、ブテン−1の
如き、各種の(ハロゲン化)オレフィン類;または酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビ
ニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチ
ック酸ビニル(ネオノナン酸ビニル、ネオデカン酸ビニ
ル)、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロ
ヘキサンカルボン酸ビニル、p−tーブチル安息香酸ビ
ニルをはじめとし、そのほかにも、「ベオバ」(シェル
社製のビニルエステル)のような、各種のカルボン酸の
ビニルエステル類などが挙げられる。
【0028】これらのうち、本発明のフッ素樹脂水性分
散体(A)は、炭素数が5以上なる、直鎖状、分岐状な
いしは環状のカルボン酸のビニルエステル系単量体を必
須の単量体成分とする。かかる単量体を用いることによ
り、皮膜の耐候性などを高めることができるが、炭素数
が6以上のものを用いるとがさらに性能が向上し、屋外
塗装に好適に用いることができる。
【0029】すなわち、炭素数が5以上なる、直鎖状、
分岐状ないしは環状のカルボン酸のビニルエステル系単
量体は、分子構造上、バルキーなるアルキル基を有する
ものである処から、最終的に得られる塗膜の撥水性を向
上化させ、たとえば、高温の水や塩基性物質などによる
エステル結合の加水分解を抑制する効果がある。
【0030】したがって、これらの単量体を使用するこ
とにより、造膜させたのちの、長期に亘る耐沸水性や、
高温での耐アルカリ性などの諸性能を、一層、満足させ
る処となる。
【0031】酸基含有単量体としては、(メタ)アクリ
ル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、シトラコン酸、無水マレイン酸もしくは無水イタコ
ン酸の如き、酸無水基含有単量体とグリコ−ルとの付加
物のような不飽和基含有ヒドロキシアルキルエステルモ
ノカルボン酸類;または上記したマレイン酸、フマル
酸、イタコン酸もしくはシトラコン酸の如き、各種のジ
カルボン酸類;あるいは2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸の如き、スルホン酸基を有する単
量体などが例示できる。
【0032】これらのうち、クロトン酸またはイタコン
酸の使用が、共重合性の点からは、望ましい。酸基含有
単量体を導入する目的は、硬化性部位として利用する場
合のほかに、水性分散体の安定性をも向上せしめる為
と、最終的に利用される場面での、基材に対する密着性
をも向上せしめる為とである。
【0033】酸基含有単量体の使用量としては、先に述
べた硬化性部位に用いる架橋点として利用される量を除
き、概ね、全単量体中の5%未満、好ましくは、3%未
満が適切である。
【0034】このほかにも、さらに、最終皮膜性能を向
上させるために、予め、樹脂分散体の粒子内の架橋を目
的として、次に示されるような架橋性単量体の利用もで
きるが、そうした単量体の一例としては、ヘキサジエ
ン、オクタジエン、デカジエン、テトラデカジエン、2
−メチル−オクタジエン、デカトリエン、エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパントリ
(メタ)アクリレ−ト、ジビニルベンゼン、トリビニル
ベンゼン、ジアリルフタレートの如き、ラジカル反応性
差の無い重合性不飽和基を、1分子中に2個以上有する
単量体類;
【0035】またはビニルトリエトキシシラン、トリメ
トキシシリルビニルエーテル、γ−(メタ)アクリロイ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチル
ジエトキシシラン、トリス(2−メトキシエトキシ)ビ
ニルシランの如き、加水分解性シリル基含有単量体類な
どが例示できる。
【0036】これらのうち、ヘキサジエン、オクタジエ
ン、デカジエン、テトラデカジエン、2−メチル−オク
タジエンおよびデカトリエンより選ばれる、1種ないし
は2種以上の混合物および/またはビニルトリエトキシ
シラン、トリメトキシシリルビニルエーテル、γ−(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピル
トリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシ
プロピルメチルジエトキシシラン、トリス(2−メトキ
シエトキシ)ビニルシランの如き、加水分解性シリル基
含有単量体類が、安定なる水性分散体を与える処から
も、好ましい。
【0037】粒子内架橋の目的は、耐水性、耐アルカリ
性ならびに耐溶剤性などの耐久性を向上せしめる為であ
るし、あるいは、低いガラス転移点の重合体であって、
しかも、その重合体から得られる皮膜に靱性を持たせる
為である。
【0038】勿論、これらの耐久性の不要な場合には、
使用する必要は無い。架橋性単量体の使用量としては、
概ね、3%未満、好ましくは、2%未満が適切である。
【0039】そのほか、使用可能なる単量体を例示する
と、トリフルオロメチルビニルエーテル、1,1,1−
トリフルオロエチルビニルエーテル、2,2−ジフルオ
ロエチルビニルエーテル、テトラフルオロエチルビニル
エーテル、パーフルオロプロピルビニルエーテル、パー
フルオロブチルビニルエーテル、パーフルオロヘキシル
ビニルエーテル、パーフルオロオクチルビニルエーテ
ル、パーフルオロドデシルビニルエーテル、2,2,
3,3−テトラフルオロプロピルビニルエーテル、2,
2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル
ビニルエーテル、2,2,3,3,4,4,5,5,
6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロ
ノニルビニルエーテル、パーフルオロメチルビニルエー
テル、パーフルオロエチルビニルエーテル、パーフルオ
ロプロピルビニルエーテル、パーフルオロオクチルビニ
ルエーテル、もしくはパーフルオロシクロヘキシルビニ
ルエーテルの如き、各種の(パー)フルオロアルキルビ
ニルエーテル類;
【0040】水素原子の一部を、フッ素原子で置換し
た、炭素数が3〜12なるフルオロアルキル基を有する
ビニルエーテル類;「ビスコ−ト8F,8FM,3Fも
しくは3FM」[大阪有機化学(株)製の含フッ素(メ
タ)アクリル単量体]、パ−フルオロシクロヘキシル
(メタ)アクリレ−ト、N−i−プロピルパーフルオロ
オクタンスルホンアミドエチル(メタ)アクリレートの
如き、(パー)フルオロアルキル基を有するアルコール
と、(メタ)アクリル酸とのエステル化反応によって得
られる、各種の(メタ)アクリル酸エステル類;
【0041】トリフルオロ酢酸ビニルエステル、ジーパ
ーフルオロシクロヘキシルフマレートの如き、(パー)
フルオロアルキル基を有するビニルエステル類;メチル
−、エチル−、n−プロピル−、イソプロピル−、n−
ブチル−、イソアミル−、n−ヘキシル−、n−オクチ
ル−、もしくは2−エチルヘキシルービニルエーテルの
如き、各種の直鎖状ないしは分岐状のアルキル基を有す
るアルキルビニルエーテル類;シクロペンチルビニルエ
ーテル、シクロヘキシルビニルエーテルもしくはメチル
シクロヘキシルビニルエーテルの如き、各種の(アルキ
ル置換された)環状のアルキル基を有するシクロアルキ
ルビニルエーテル類;ベンジルビニルエーテルもしくは
フェネチルビニルエーテルの如き、アラルキルビニルエ
ーテル類;
【0042】p−スチレンスルホンアミド、N−メチル
−p−スチレンスルホンアミド、N,N−ジメチル−p
−スチレンスルホンアミドなどで代表されるスルホン酸
アミド基含有単量体類;(メタ)アクリロニトリルで代
表されるシアノ基含有単量体類;(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシアルキルエステルの如き、α,β−エチレン性
不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類とリ
ン酸エステル類との縮合反応によって得られる、リン酸
エステル基を有する単量体類;
【0043】メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メ
タ)アクリレ−ト、ブチル(メタ)アクリレ−ト、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシル
(メタ)アクリレ−トの如き、C1 〜C8 なる直鎖状な
いしは分岐状のアルキル基、または環状のアルキル基を
有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;スチレ
ン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチル−スチ
レン、p−メチルスチレンの如き、芳香族ビニル化合
物;ベンジル(メタ)アクリレ−トの如き、(置換)芳
香核含有(メタ)アクリル酸エステル類;またはマレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸の如き、不飽和ジカルボン
酸と1価アルコ−ルとのジエステル類などが挙げられ
る。
【0044】これら単量体類は、最終的に得られる共重
合体のガラス転移点や、最低造膜温度のどを調節するた
めに、適宜、選択されて、1種類または2種類以上の混
合物として用いられる。
【0045】本発明において用いられる、硬化性部位を
有するフッ素樹脂水性分散体(A)は、以上に述べたよ
うな種々の単量体類を、乳化剤の存在下に、水性媒体中
で、重合せしめることによって得られる。
【0046】ここで言う乳化剤とは、上述した各種の単
量体類を、水性媒体中に、安定に分散させ、かつ、最終
の利用態様において、塗膜の諸性能を、充分に発揮せし
めるために利用されるものであり、アニオン性乳化剤お
よび/またはノニオン性乳化剤が使用できる。それらの
うちでも特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、次のようなものである。
【0047】すなわち、まず、本発明のアニオン性乳化
剤としては、アルキル(ベンゼン)スルホン酸塩、ビニ
ルスルホン酸塩またはこれらの誘導体が挙げられる。こ
れらの1種又は2種以上の混合物として使用することが
できる。
【0048】ここで言う塩とは、アルカリ金属の水酸化
物による塩であるとか、あるいはアンモニアまたはトリ
エチルアミンの如き、揮発性塩基による塩などを指称す
るものである。
【0049】ノニオン性乳化剤としては、最終的に得ら
れる皮膜物性の観点からポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
またはこれらの誘導体が挙げられる。これらの1種又は
2種以上の混合物として用いられる。
【0050】
【0051】これらの乳化剤の使用量としては、アニオ
ン系とノニオン系乳化剤とを合わせて、単量体総量に対
して、0.5〜10重量%なる範囲内が適切である。さ
らに、これらと併用する形で、ポリカルボン酸およびス
ルホン酸塩よりなる水溶性オリゴマーや、ポリビニルア
ルコールまはヒドロキシエチルセルロースの如き、各種
の水溶性高分子物質を、保護コロイドとして用いること
が出来る。
【0052】重合開始剤としては、乳化重合に、一般に
使用されているものであれば、特に限定はされない。そ
れらのうちでも、特に代表的なもののみを例示するにと
どめれば、過酸化水素の如き、各種の水溶性無機過酸化
物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナト
リウムの如き、各種の過硫酸塩類;クメンハイドロパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハ
イドロパーオキサイドの如き、各種の有機過酸化物類;
アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシアノ吉草酸の
如き、各種のアゾ系開始剤類などであり、単独使用でも
2種以上の併用でも良い。
【0053】使用量としては、総単量体量に対して、
0.1〜2重量%が好ましい。なお、これらの重合開始
剤と、金属イオンおよび還元剤との併用による、いわゆ
るレドックス重合法によっても良いことは、勿論であ
る。
【0054】還元剤として特に代表的なもののみを例示
するにとどめれば、ナトリウムビサルファイト、ナトリ
ウムメタビサルファイト、ナトリウムビチオサルフェー
ト、ナトリウムハイドロサルフェート、スルホキシル酸
ホルムアルデヒドナトリウムまたは還元糖などである。
【0055】また、金属イオンとして一例を挙げれば、
硫酸銅、塩化第2鉄、硫酸第2鉄または硝酸銀などがあ
る。さらに、各種の連鎖移動剤もまた、使用できること
は、勿論である。
【0056】当該(A)成分は、水性媒体、好ましく
は、イオン交換水と、乳化剤との共存下において、単量
体類を、各別にそのまま、あるいは乳化した状態で、一
括で、または分割して、あるいは連続的に、反応容器中
に滴下し、前掲した如き重合開始剤の存在下に、約1k
g/cm2〜100kg/cm2なるゲージ圧で、かつ、
約50℃〜150℃なる反応温度で以て、重合させれば
良い。
【0057】場合によっては、これ以上の圧力とか、あ
るいは、これ以下の温度といった条件下で、重合させて
も、一向に差し支えは無い。総単量体量と水との比率
は、最終固形分量が1〜60重量%、好ましくは、15
〜55重量%の範囲になるように、設定すべきである。
【0058】また、乳化重合をするに当たり、粒子径を
成長させ、あるいは制御させるために、予め、水相中
に、エマルジョン粒子を存在させて、重合させるという
シード重合法によっても良い。
【0059】ここで用いる水性媒体中の水としては、基
本的には、イオン交換水を用いるが、その使用量として
は、水性媒体中の70重量%以上が適切である。残りの
30重量%未満は、有機溶剤との併用であっても良い。
【0060】ここで言う有機溶剤としては、特に限定さ
れるものではなく、汎用の有機溶剤であれば、いずれの
ものも使用できる。それらのうちでも、特に代表的なも
ののみを例示するにとどめれば、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルアミルケトンの如きケトン系;酢酸エ
チル、酢酸ブチルの如きエステル系;またはベンゼン、
トルエン、キシレンの如き芳香族炭化水素系;
【0061】ヘキサン、ヘプタンの如き脂肪族炭化水素
系;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタ
ノールの如きアルコール系;または四塩化炭素、メチレ
ンジクロリド、ヘキサフルオロイソプロパノールの如
き、フロン系溶剤を含む、含ハロゲン系有機溶剤などで
ある。
【0062】これらのうちでも、水に対する親和性が大
きい、あるいはオレフィン類やフルオロオレフィン類
を、水性媒体中で、溶解する能力の大きい有機溶剤の使
用が望ましい。
【0063】すなわち、特に推奨できる有機溶剤として
は、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノールの如き、各種の親水性溶剤
や、ヘキサフルオロイソプロパノールの如き、各種のフ
ロン系溶剤などである。
【0064】ここで、四塩化炭素やヘプタンなどは、テ
ロゲンとして作用する場合があるので、分子量を調節す
る際には、特に、その使用量には注意すべきである。重
合反応は、官能基などによる副反応が進行しない条件下
で、実施しなければいけない。
【0065】たとえば、pHに関して言えば、燐酸2ナ
トリウムまたはボラックスとか、あるいは、炭酸水素ナ
トリウムまたはアンモニアなどのような、各種のpH緩
衝剤を用いて、調節を行えばよい。
【0066】特に、ビニルエーテル系の単量体を、共重
合に利用する際には、低pH領域にしても、高pH領域
にしても、副反応を惹起することがあるので、この場合
には、pHを4〜10なる条件で以て、行うべきであ
る。
【0067】このようにして、本発明組成物の(A)成
分たるフッ素樹脂水性分散体が得られるが、反応終了後
の系中の状態は、エマルジョン粒子中に、未反応のガス
状単量体が、極く一部ながら、残存している。
【0068】残存している単量体の大部分は、未反応の
フルオロオレフィンであるが、このエマルジョンを破壊
しないように、安全に、かかるガス状単量体を除去する
ために、次の操作を行うべきである。
【0069】すなわち、得られる樹脂分散体が、酸性基
を有するような樹脂に基づく場合には、塩基性物質で、
重合体に転化された酸基含有単量体の酸性基の全部ない
しは一部分を中和したのちに、未反応の単量体類を除去
したり、あるいはシリコン系および/または鉱油系化合
物を添加したのちに、未反応の単量体類を除去するとい
う操作を採ることを推奨するものである。
【0070】ここで言う塩基性物質とは、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムのような無機系の、アルカリ金属
の水酸化物、あるいはトリエチルアミンのような有機ア
ミン類や、アンモニアなどが例示できる。
【0071】これらのうち、トリエチルアミンなどの有
機アミン類や、アンモニアなどの揮発性塩基物質の使用
が望ましい。他方、シリコン系および/または鉱油系化
合物としては、市販されているような、公知慣用の水性
用消泡剤を利用すればよい。
【0072】未反応の単量体を除去する方法としては、
室温で、あるいは100℃以下の加温下に、常圧もしく
は減圧下で、未反応のガス状単量体を除去したり、ある
いは、水蒸気蒸留法などを利用することが出来る。
【0073】このさいに、窒素ガスなどの不活性ガス
を、系中にバブリングさせることによって、未反応のガ
ス状単量体の除去を、促進させることも出来る。かくし
て得られる、本発明のフッ素樹脂水性分散体(A)とし
ては、粒子内の架橋性単量体を含有しない状態に換算し
て(つまり、未架橋状態として見て)、概ね、数平均分
子量が5,000〜1,000,000で、重量平均分
子量が10,000〜3,000,000で、かつ、最
低造膜温度が約−10℃〜60℃なる範囲内が適切であ
る。
【0074】また、その粒子径としては、概ね、0.0
2〜0.5ミクロンなる範囲内が適切である。次に、当
該(A)成分中の硬化性部位と相互に反応し得る官能基
を有する水性樹脂分散体(B)とは、前述した官能基の
組み合わせ系において決定されるような官能基を有する
水性樹脂分散体を指称するものであり、これは、(A)
成分と同様に、フルオロオレフィン系単量体を含有して
いても良いし、含有しなくともよい。
【0075】含有する場合には、前述した(A)成分の
調製と同様にして、得ることが出来る。含有させない場
合には、通常のエマルジョン製造法に従って調製する
か、あるいは、溶液重合法で重合体を得たのちに、転送
乳化法によって、水性分散体に転化させたものでも良
い。
【0076】そのさいに使用できる単量体は、前述した
単量体類のうちから、最終塗膜に必要とされる物性に従
って、適宜、選択されなければならない。(A)成分と
(B)成分の配合比率は、それぞれの水性分散体中に含
有される、相互に反応できる官能基のモル比で以て決定
される。
【0077】その比率としては、(A)成分中の官能基
に対して(B)成分中の官能基が、概ね、0.1〜10
なる範囲内となるような割合が適切である。勿論、厳し
い諸性能が要求されない場合には、これ以下の範囲であ
っても、これ以上の範囲であってもよい。
【0078】また、架橋反応を促進させる上で、前記し
た官能基間の素反応を触媒する、公知慣用の硬化触媒を
添加させることも出来る。本発明の水性硬化性樹脂組成
物には、酸化チタン、マイカ、タルク、クレー、沈降性
硫酸バリウム、シリカ末、炭酸カルシウム、酸化鉄、酸
化亜鉛、アルミ末、カーボンの如き、各種の無機顔料;
アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系の如き、各
種の有機顔料;あるいはプラスチック顔料をはじめ、そ
れらの顔料類を乳化剤や分散剤などで、水中に分散せし
めた形の分散顔料などであり、それぞれの最終目的に応
じて、適宜、選択して使用される。
【0079】また、塗料化に必要な各種の添加剤類、た
とえば、分散剤、湿潤剤、造膜助剤、増粘剤、チクソ化
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、撥水剤、凍結防止剤、
防腐・防ばい剤または消泡剤などの使用は、得られる塗
膜の性能を考慮しつつ、適宜、選択して使用される。
【0080】本発明の水性硬化性樹脂組成物で以て被覆
される基材としては、金属、プラスチック、木材、ガラ
ス、セメント基材、紙または繊維などが特に代表的なも
のである。
【0081】被覆する方法としては、刷毛塗り、スプレ
ー塗装、ロールまたはフローコーターによる塗装である
とか、さらには、デッピングの如き浸漬塗装などが特に
代表的なものであり、被覆後においては、必要に応じ
て、セッテイング時間を経た上で、低温で加熱乾燥させ
るとか、あるいは常温で乾燥させるなどの方法によって
も、硬化皮膜を得ることが出来る。
【0082】加熱乾燥させる場合には、概ね、120℃
以下の、任意の温度で以て、任意の時間乾燥させればよ
い。本発明組成物は、その高度なる塗膜の耐候性、耐薬
品性ならびに耐汚染性などにも、さらには、長期間に亘
る耐沸水性や、高温での耐アルカリ性などにも優れると
いう特徴を有するものである処から、金属、プラスチッ
ク、木材、無機基材、紙、繊維などの基材への屋外塗装
用被覆剤、処理剤として利用することが出来る。
【0083】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例および比較例
により、一層、具体的に説明するが、以下において、部
および%とあるのは、特に断りの無い限り、すべて重量
基準であるものとする。
【0084】参考例 1(硬化性部位を有するフッ素樹
脂水性分散体(A)の調製例) 攪拌装置、窒素導入管、温度計、および温度調節装置を
備えた2lのステンレス製耐圧反応容器(オートクレー
ブ)を窒素ガスで系内を充分に置換し、イオン交換水の
800g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダの20
g、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル20
g、pH緩衝剤としてボラックス10gを加え溶解させ
る。次いで、ネオデカン酸ビニル300g、酢酸ビニル
100g、クロトン酸30gおよび、液化捕集したクロ
ロトリフルオロエチレン500gを仕込む。次いで、エ
チレンガスを15kg/cm2になるまで圧入する。オ
ートクレーブの内温を80℃になるまで昇温する。
【0085】この時、反応時の系内圧力がほぼ30kg
/cm2になるようにエチレンガスを調節する。次い
で、同温度で、過硫酸カリウム5gをイオン交換水20
0gに溶解した触媒水溶液を反応容器中に3時間にわた
って圧入する。触媒水溶液の添加後も同温度に10時間
保持し重合反応を進行させる。反応中のpHは3.5で
進行した。反応中に単量体の消費にともなって系中の圧
力が下降してゆくが、その都度エチレンの導入によって
反応系の圧力を30kg/cm2に保持する。反応終了
後、室温まで冷却して14%アンモニア水をpHがほぼ
7.0になるまで添加し、さらにシリコン系消泡剤(サ
ンノプコ社製ノプコ8034L)の5%水分散液1gを
添加し、よく攪拌する。次いで、未反応のガスを系中か
ら徐々に取り出し系内圧力を常圧まで戻す。次いで、減
圧下、分散体中に溶解している未反応のガスを留去す
る。得られた分散体は、硬化性部位としてカルボキシル
基を有する不揮発分が48%、pH7.0、最低造膜温
度が28℃、平均粒子径が80nmなる白色の水性分散
体である。以下これを(A−1)と称する。
【0086】参考例 2〜4(硬化性部位を有するフッ
素樹脂水性分散体(A)の調製例) 単量体の仕込み組成を、第1表に示されるように変更し
た以外は、参考例1と同様の操作で、硬化性部位を有す
るフッ素樹脂水性分散体(A)を調製した。
【0087】なお、この時の場合もエチレンの供給条件
は参考例1と同様である。組成および得られた分散体の
分析値を併せて同表に示す。
【0088】
【表1】
【0089】《第1表の脚注》 CTFE :クロロトリフルオロエチレンの略号 HFP :ヘキサフルオロプロピレンの略号 VAc :酢酸ビニルの略号 VV−10 :炭素数が10なるバーサティック酸のビ
ニルエステルの略号 BVE :ブチルビニルエーテルの略号 CrA :クロトン酸の略号 AGE :アリルグリシジルエーテルの略号 DMAEMA:ジメチルアミノエチルメタアクリレート
の略号 HBVE :ヒドロキシブチルビニルエーテルの略号 NV :不揮発分(重量%)の略号 MFT :最低造膜温度(℃)の略号 Dia :平均粒子径(nm)の略号
【0090】参考例5(硬化性部位を有する水性樹脂分
散体(B)の調製例) 攪拌装置、窒素導入管、温度計および温度調節装置を備
えた2lのステンレス製反応容器を窒素ガスで系内を充
分に置換し、イオン交換水の850g、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ソーダの20g、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル20g、pH緩衝剤として燐酸第2
ナトリウム10gを加え溶解させる。次いで、メチルメ
タアクリレート200g、n−ブチルアクリレート50
0g、アクリル酸150g、グリシジルメタアクリレー
ト150gを仕込む。次いで、反応器の内温を55℃に
なるまで昇温する。
【0091】次いで、同温度で、過硫酸カリウム5gを
イオン交換水100gに溶解した触媒水溶液(酸化
剤)、スルホキシル酸ホルムアルデヒドナトリウム5g
をイオン交換水100gに溶解した触媒水溶液(還元
剤)を反応容器中に3時間にわたって滴下する。触媒水
溶液の添加後も同温度に10時間保持し重合反応を進行
させる。反応中のpHは4.0で進行した。反応終了
後、室温まで冷却して14%アンモニア水をpHがほぼ
7.0になるまで添加し取り出す。得られた分散体は、
硬化性部位としてエポキシ基を有する不揮発分が50
%、pH7.0、最低造膜温度が25℃、平均粒子径が
90nmなる白色の水性分散体である。以下これを(B
−1)と称する。
【0092】
【表2】
【0093】《第2表の脚注》 MMA :メチルメタアクリレートの略号 BA :n−ブチルメタアクリレートの略号 GMA :グリシジルメタアクリレートの略号 DMAEMA:ジメチルアミノエチルメタアクリレート
の略号 AA :アクリル酸の略号 AMPS :2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸の略号 HEMA :2−ヒドロキシエチルメタアクリレート
の略号 BIEM :イソシアネートエチルメタアクリレート
・メチルエチルケトンアダクトの略号 NV :不揮発分(重量%)の略号 MFT :最低造膜温度(℃)の略号 Dia :平均粒子径(nm)の略号
【0094】参考例6〜9(硬化性部位を有する水性樹
脂分散体(B)の調製例) 単量体の仕込み組成を第2表に示されるように変更した
以外は、参考例5と同様の操作で硬化性部位を有する水
性樹脂分散体(B)を調製した。組成および得られた分
散体の分析値を併せて同表に示す。
【0095】
【表3】
【0096】参考例 10(硬化性部位を有しないフッ
素樹脂水性分散体の調製例) 攪拌装置、窒素導入管、温度計および温度調節装置を備
えた2lのステンレス製耐圧反応容器(オートクレー
ブ)を、窒素ガスで系内を充分に置換し、イオン交換水
の800g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダの20
g、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル20
g、pH緩衝剤としてボラックス10gを加え溶解させ
る。次いで、ネオデカン酸ビニル300g、酢酸ビニル
130gおよび、液化捕集したクロロトリフルオロエチ
レン500gを仕込む。次いで、エチレンガスを15k
g/cm2になるまで圧入する。オートクレーブの内温
を80℃になるまで昇温する。この時、反応時の系内圧
力がほぼ30kg/cm2になるようにエチレンガスを
調節する。次いで、同温度で、過硫酸カリウム5gをイ
オン交換水200gに溶解した触媒水溶液を反応容器中
に3時間にわたって圧入する。触媒水溶液の添加後も同
温度に10時間保持し重合反応を進行させる。反応中の
pHは3.5で進行した。反応中に単量体の消費にとも
なって系中の圧力が下降してゆくが、その都度エチレン
の導入によって反応系の圧力を30kg/cm2に保持
する。反応終了後、室温まで冷却して14%アンモニア
水をpHがほぼ7.0になるまで添加し、さらにシリコ
ン系消泡剤(サンノプコ社製ノプコ8034L)の5%
水分散液1gを添加し、よく攪拌する。次いで、未反応
のガスを系中から徐々に取り出し系内圧力を常圧まで戻
す。
【0097】次いで、減圧下、分散体中に溶解している
未反応のガスを留去する。得られた分散体は、不揮発分
が48%、pH7.0、最低造膜温度が29℃、平均粒
子径が82nmなる白色の水性分散体である。以下これ
を(R−1)と称する。
【0098】
【表4】
【0099】参考例 11〜12(硬化性部位を有しな
いフッ素樹脂水性分散体、水性樹脂分散体の調製例) 単量体の仕込み組成を、第1表または第2表に示される
ように変更した以外は、参考例10(フッ素樹脂水性分
散体の場合)、参考例5(水性樹脂分散体)と同様の操
作で本発明以外の硬化性部位を有しない水性分散体を調
製した。組成および得られる分散体の分析値を、併せ
て、同表に示す。
【0100】実施例 1〜6(水性硬化性樹脂組成物の
配合) 参考例1〜4で得られた硬化性部位を有するフッ素樹脂
水性分散液(A−1〜A−4)と参考例5〜9で得られ
た硬化性部位を有する水性樹脂分散液(B−1〜B−
5)をそれぞれ不揮発分45%に希釈した後、第3表記
載の配合で配合し水性組成物を得た。得られた各組成物
を、ガラス板上に、3ミルアプリケーターで塗布し、同
表所載の乾燥条件で以て乾燥させてから、各種の評価試
験を実施した。
【0101】また、実施例6には、フッ素樹脂水性分散
液同志で以て硬化させる系を例示した。それぞれの結果
は、まとめて、同表に示す。
【0102】
【表5】
【0103】《第3表の脚注》 *1………実施例にあっては、2成分間中に含有さる、
相互に反応し得る官能基の当量比が1となるように配合
した。
【0104】また、比較例1は、A−1から官能基を除
いたものであって、実施例1の対象例である。比較例2
は、A−4から官能基を除いたものであって、実施例5
の対象例である。
【0105】比較例3は、実施例1の2成分の組成か
ら、それぞれ、官能基を除いたもので、実施例1の対象
例である。 *2………BcAcは、ブチルカルビトールアセテート
の略称である。
【0106】その添加量は、分散体総量に対して2%で
ある。 *3………酸化チタンの70%ペーストを、顔料体積濃
度が20%となるように配合した。
【0107】また、顔料ペーストを配合したものについ
ては、「ボンコート3750」[大日本インキ化学工業
(株)製のポリカルボン酸系増粘剤]を用いて、ストマ
ー粘度が75KUとなるように調節して、試験に供し
た。
【0108】*4………硬化触媒としては、トリエチル
アミンを使用し、分散体総量に対して、0.5%添加し
た。 *5………A(室温で1週間の乾燥) B(60℃で20分の乾燥後、室温で1週間の乾燥) C(100℃で20分の乾燥後、室温で1週間の乾燥) *6………ゲル分率:ガラス板上に得られた乾燥フイル
ムを剥離して、アセトンに24時間、浸漬せしめたの
ち、アセトン中に溶解しないで残存したフイルムのゲル
分を秤量し、初期の乾燥フイルムの重量に対する百分率
で以て表示した。
【0109】*7………耐汚染性:ガラス板上に得られ
た乾燥フイルム上に、1cm×1cmのカーボン紙を乗
せ、その上に、ガラス板を置いて、2kgの分銅を乗せ
る。
【0110】次いで、80℃の乾燥機に入れて20分間
放置する。その後、取り出して、乾燥フイルムにおけ
る、カーボン紙の汚れの付着状態を観察する。
【0111】全く汚れの無いものを、「◎」とし、僅か
に、汚れが認められるものを、「○」とし、全面的に、
汚れが付着しているものとか、あるいは、カーボン紙が
乾燥フイルムから剥がれない状態のものを、「×」とと
して評価した。
【0112】*8………促進耐候性:デユーパネル光コ
ントロールウェザーメーターにて3,000時間の曝露
試験ののち、それぞれの塗膜の外観を、目視により判定
した。
【0113】乾燥フイルムに、変色や剥がれなどの異状
は認められないものを「◎」とし、僅かに、ブリスター
や剥がれなどの認められるものを、「○」とし、そし
て、全面的に、ブリスターが発生して、劣化が著しいも
のを、「×」として評価した。
【0114】
【表6】
【0115】比較例 1〜3 参考例10、11および12で得られた各種水性分散液
(R−1〜R−3)を、それぞれ、不揮発分45%に希
釈したのち、第3表に記載されているような配合で以
て、対照用の水性組成物を得た。
【0116】次いで、得られた各種の組成物を、ガラス
板上に、3ミルアプリケーターで塗布し、同表所載の乾
燥条件で以て乾燥させてから、各種の評価試験を実施し
た。それらの結果は、まとめて、同表に示す。
【0117】
【表7】
【0118】本発明において得られた各種のフッ素樹脂
水性分散体を用いて得られる塗膜は、いずれの試験にお
いても、卓越した性能を示した。
【0119】
【発明の効果】本発明で得られるフッ素樹脂水性分散体
は、いままでの処、頗る、困難であったフルオロオレフ
ィン系乳化共重合体の、比較的低温での硬化を可能と
し、耐汚染性を損なうことなく、しかも、長期間に亘る
耐候性を有する塗膜を与える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−233749(JP,A) 特開 昭52−117944(JP,A) 特開 平3−7784(JP,A) 特開 平4−106170(JP,A) 特開 平5−117480(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 27/12 - 27/20 C08G 81/02 C08L 33/14 - 33/16 C09D 127/12 - 127/20 C09D 133/14 - 133/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬化性部位(a)を有するフッ素樹脂の水
    性分散体(A)と、該フッ素樹脂の水性分散体(A)の
    硬化性部位(a)と相互に反応し得る官能基(b)を有
    する水性分散体(B)とを必須の成分として含有してな
    る水性硬化性樹脂組成物であって、該フッ素樹脂の水性
    分散体(A)が、(置換)アルキルベンゼンスルホン酸
    塩およびビニルスルホン酸塩からなる群から選ばれる1
    種又は2種以上及び/又はポリオキシエチレン(置換)
    アルキル(フェニル)エーテルの存在下に、水性媒体中
    で、炭素数が5以上なる直鎖状、分岐状ないしは環状の
    カルボン酸のビニルエステルを必須の成分とする単量体
    成分を重合した水性樹脂分散体であることを特徴とす
    る、屋外塗装用水性硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】フッ素樹脂の水性分散体(A)の硬化性部
    位(a)と、水性樹脂分散体(B)中の硬化性部位
    (a)と相互に反応し得る官能基(b)との組み合わせ
    が、エポキシ基と(置換)アミノ基、エポキシ基とカル
    ボキシル基および/またはスルホン酸基、エポキシ基と
    水酸基、水酸基と(置換)アミノ基、カルボキシル基お
    よび/またはスルホン酸基とブロックイソシアネート基
    からなる群から選ばれる1種以上の組み合わせである請
    求項1記載の屋外塗装用水性硬化性樹脂組成物。
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