JPH02308843A - 水性塗料用含フッ素樹脂組成物 - Google Patents

水性塗料用含フッ素樹脂組成物

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JPH02308843A
JPH02308843A JP13173289A JP13173289A JPH02308843A JP H02308843 A JPH02308843 A JP H02308843A JP 13173289 A JP13173289 A JP 13173289A JP 13173289 A JP13173289 A JP 13173289A JP H02308843 A JPH02308843 A JP H02308843A
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JP
Japan
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fluorine
fluororesin
water
aqueous
monomer
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Application number
JP13173289A
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English (en)
Inventor
Osamu Murai
修 村井
Hiromitsu Hayashi
宏光 林
Masanori Iwasaki
正規 岩崎
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は水性塗料用含フッ素樹脂組成物に関するもので
ある。
さらに詳しくは殻物質が含フッ素樹脂からなる二層構造
を有する含フッ素樹脂水性分散体を含有する耐候性、耐
水性、撥水性、防汚性等に優れた水性塗料用組成物に関
するものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕近年、
有機溶剤による大気汚染、人体への影響及び爆発火災な
どの安全衛生」二の見地より有機溶剤型塗料から水性塗
料、粉体塗料、紫外線硬化塗料等のいわゆる無公害塗料
への移行が検討されているが、これら無公害塗料の内、
水性塗料は取り扱いが簡単なことより特に注目されてお
り日々技術革新が行なわれている。
すなわち、この水性塗料に対する要求水準も年々高度化
し、例えば長期の耐候性、耐水性や撥水性、防汚性等、
従来の塗料組成物に見られない性能が要求されるように
なり、そのため水系の含フッ素塗料の開発が望まれてい
る。
従来のフッ素系の水性塗料用ビヒクルとしては、フッ素
樹脂粉末を界面活性剤、保護コロイド、増粘剤等を用い
て水性媒体中に分散させたものや乳化剤や水溶性溶剤存
在下、フッ素系単量体を乳化重合して得られる水性分散
体が知られているが、これらを用いて作製された塗膜中
には該界面活性剤、保護コロイド、乳化剤等の親水性物
質が残存し、塗膜の耐水性、密着性、引張り強度、耐熱
性等を低下させるため、フッ素系塗料に特に要求されて
いる耐候性や撥水撥油性に期待通りの性能が得られない
。又、フッ素樹脂の性能を高めるべく単にフッ素系単量
体含量を増すと塗膜の密着性、可とう性、強度等の諸物
性が低下するといった矛盾が生じると共にフッ素系モノ
マーは一般の単量体と比べると著るしく高価であること
より必要最小限の量でその効果を発揮させることが望ま
れている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、かかる実況において上記課題を解決すべ
く鋭意研究の結果、特定の含フッ素樹脂水性エマルショ
ン存在下にビニル系単量体をシード重合して得られる、
殻物質が含フン素樹脂からなる二層構造を有する含フッ
素樹脂水性分散体を含有する水性塗料用組成物が極めて
有効であることを見出し本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、殻物質が含フン素樹脂からなる二層構
造を有する含フン素樹脂水性分散体を含有することを特
徴とする水性塗料用含フッ素樹脂組成物を提供するもの
である。
本発明に係わる二層構造を有する含フッ素樹脂水性分散
体は、含フッ素単量体単位5〜95重量%、界面活性ビ
ニル単量体単位5〜60重量%、その他ラジカル重合可
能な不飽和結合を有する単量体単位0〜90重量%を含
有する含フッ素樹脂からなる平均粒子径0.005〜0
.2μの自己分散型水性樹脂エマルション0.5〜80
重量%(固形分)の存在下にビニル系単量体20〜99
.5重量%をシード重合させることによって得られ、こ
の含フッ素樹脂水性分散体を含有する本発明の水性塗料
用含フッ素樹脂組成物は平均的フッ素単量体含量が少い
にもかかわらずフッ素樹脂の特徴である高度の耐久性、
撥水撥油性を有し、かつ塗膜の密着性、可撓性、強度を
も調整可能である。
本発明の含フッ素樹脂組成物がかかる性能を有する理由
としては、本発明に使用される含フッ素樹脂水性分散体
が水性分散体粒子の殻の部分にフッ素樹脂を高濃度に有
するため、その形成塗膜表面が主として連続相である含
フッ素樹脂で覆われることになるためであると考えられ
、塗膜表面はフッ素樹脂に基ず(耐候性、耐水性、撥水
撥油性、防汚性等の優れた特性を示すようになり、又、
塗膜の機械的、熱的、光学的諸性質は水性分散体粒子の
内部に存在する各種ヒニル系単量体からなる共重合体に
よって強化されることになる。
又、本発明に係わる含フッ素樹脂水性分散体中の表面エ
ネルギーの低いフッ素樹脂が表面エネルギーの高い水層
側、すなわち水性分散体粒子の殻部分に存在する理由と
しては、このフッ素樹脂には水と親和性の高い界面活性
ビニルモノマーが共重合されていることが考えられる。
なお、水性分散体の構造及び塗膜表面に高濃度のフッ素
樹脂が存在することについては試験例として後に示すよ
うにX線光電子分光装置(ESCA)によるフッ素濃度
の測定等により明らかにされている。
本発明に使用される自己分散型含フッ素樹脂水性エマル
ションは乳化重合法等により製造されても良いが、好ま
しくは塩生成基又はポリアルキレンオキサイド基、水酸
基等の強親水性単量体(以下界面活性ビニル単量体とい
う)を含有する含フッ素単量体を溶液重合法で重合し、
必要に応じてさらに各種化学反応を利用して塩生成基の
導入を行った後、中和を行い、水を添加して溶剤を留去
するという所謂転相法を用いるのが好ましい。
本発明に用いられる含フッ素単量体としては、パーフル
オロアルキル基を有する(メタ)アクリレ−L、ビニル
エステル、ビニルエーテル、マレート、フマレート、α
−オレフィン、フルオロオレフィンなどの公知の化合物
を挙げることができる。
これらの化合物の例としては、例えば C112=CIICO2CzllaCnFzn−+ (
n= 6〜12)+C112= C(CH13)CO2
CzHaCnFzn+ + (n = 6〜12) +
C7F l5cON (Czlls) C1l。CHz
OCOC(Cll3) −CHz。
CeF+ 、cII2cllcilzOcOc(Cll
3) −C)12゜□ C6F 、 、5O2N (CIl+) CH2CHz
OCOC)l = CH7゜CH2=C)I  O(C
1h)イー(CF2)、−X。
〜16、nは0〜2の整数である。) CHz = Cll  (Cll。)。−(CF2)l
ll−X。
CL−C−0−Y Cl−C−0−(C11□)、1−(CFZ)lIX。
C+1Hza+ + (aは1〜18)又は−(Cll
2) −(CF2) 、、Xであり、mは5〜16、n
は0〜2の整数である。)Y Z (式中XはH,F、CI、CF3、YはH,F、C1,
CF3、Zは+1.F、C1,CF3である。) また上記に示した単量体のマクロモノマーを利用しても
よい。このマクロモノマーの製造は、当業界において公
知の処方により容易に合成される。
例えば、チオグリコール酸及び2−メルカプI・エタノ
ール等々と上記単量体を開始剤の存在下にラジカル重合
せしめ、得られた反応生成物にグリシジル(メタ)アク
リレート及びイソシアネーI−エチル(メタ)アクリレ
ート等々を反応せしめ、片末端にラジカル重合性不飽和
結合を導入することにより得ることができる。
マクロモノマーの数平均分子量は10.000以下が望
ましく、この分子量以上では自己分散型含フッ素樹脂水
性エマルションの製造に用いられる溶剤への溶解性が劣
る。好ましくは数平均分子量5+OOO以下である。
本発明に用いられる界面活性ビニル単量体としては、塩
生成基又はポリアルキレンオキサイド基を有し重合可能
な二重結合を有する単量体、すなわち、アニオン性単量
体、カチオン性単量体、画性単量体、ノニオン性単量体
等があり、必要に応じてこれらを併用してもよい。更に
詳しくは、アニオン性単量体としてはアクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン
酸千ツマ−、スチレンスルボン酸、2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸等の不飽和スルホン酸
モノマー及びその塩が挙げられ、カチオン性単量体とし
てはN、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−
1−1N、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ートの如きアクリル酸又はメタクリル酸のジアルキルア
ミノ基を有するエステル類、或いはこレラヲハロゲン化
アルキル、ハロゲン化ヘンシル及び硫酸ジアルキルの如
き公知の四級化剤で四級化したもの等が挙げられる。ノ
ニオン性単量体としては、不飽和カルボン酸モノマーど
ポリオキシルアルキレングリコール又は低級アルコール
のポリオキシアルキレンオキサイド付加物とのエステル
類、或いはアリルグリシジルエ−チル又は不飽和カルボ
ン酸モノマーのグリシジルエーテルとポリオキシアルキ
レングリコール又は低級アルコールのポリオキシアルキ
レンオキサイド付加物との反応物等がある。両性単量体
としては、N −(3−スルホプロピル)−N−メタク
ロリルオキシエチル−N、N−ジメチルアンモニウムベ
タイン等がある。
本発明の自己分散型水性樹脂エマルションの製造に用い
られる界面活性ビニル単量体、含フッ素単量体以外のラ
ジカル重合可能な不飽和結合を有する単量体としては、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸
メチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、エチレン等
のモノオレフィン類、ブタジェン、イソプレン等の共役
ジオレフィン類、スチレン、ビニルトルエンなどのスチ
レン系モノマー、酢酸ビニル、アクリロニトリル、エチ
ルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等の
アルキルビニルエーテル類等を始め、架橋性官能基を有
する単量体としてアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリ
ル酸ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシ基含有モノマ
ー、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブ1
〜キシメチル(メタ)アクリルアミドなどのN−置換(
メタ)アクリル系モノマー、アクリル酸グリシジル、メ
タクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有モノマー、
ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン等
のビニルシラン化合物などの1種又は2種以上から選択
出来る。
なお組合せとしては架橋構造を形成する組合せが必要で
、当業界では公知となっているが例えば、上記のエポキ
シ化合物にはカルボキシル基又はヒドロキシル基又はア
ミノ基等、ビニルシラン化合物にはアミノ基又はビニル
アミド等が挙げられる。
この様にして得た自己架橋性のフッ素樹脂は適当な触媒
存在下あるいは加熱等の方法により架橋構造を形成する
含フッ素樹脂水性エマルション中の樹脂を構成する含フ
ッ素単量体単位の含量は5〜95重量%であり、5重量
%未満ではフッ素樹脂の特性である耐候性、撥水撥油性
能等が十分発揮されない。又、95重量%を超えると続
いて行うシード重合においてフッ素の強い撥油性能によ
りモノマーの可溶化が妨げられシード重合が円滑に進行
しない。界面活性ビニル単量体単位の量については共重
合性単量体単位中5〜60重量%である。5重量%未満
では均一で安定な粒子径0.005〜0.2μの自己分
散型水性樹脂エマルションが得られない。一方、60重
量%を越えると耐水性等の物性の低下が著しく、実用性
のある樹脂が得られない。
本発明において、自己分散型水性樹脂エマルションの製
造に用いられる溶剤としては、親水性溶剤が好ましく、
例えばメタノール、エタノール、n−プロパツール、イ
ソプロパツール等のアルコール類、アセ1−ン、メチル
エチルケトン等のケトン類、メチルセロソルブ、ブチル
セロソルブ等のセロソルブ類等が挙げられ、これらは1
種又は2種以上混合して用いても良く、又塩生成基又は
ポリアルキレンオキサイドを有する単量体のこれら溶剤
に対する溶解度が低い場合、必要に応じて水を加えるこ
とが望ましい場合もある。なお、単量体がこれら親水性
溶剤に溶解しない場合、適度な溶媒中で重合を行い必要
な変性を行った後、この溶媒を上記親水性溶媒で置換し
てもよい。
本発明において、自己分散型水性樹脂エマルションの製
造に用いられる開始剤としては、公知のラジカル重合開
始剤が用いられる。例えば、過酸化ベンゾイル、過酢酸
t−ブチル等の過酸化物類、及び2.2゛−アゾビス(
イソブチロニトリル) 、2,2°−アゾビス(2,4
−ジメチルワレロニ) IJル)等に代表されるアゾ系
重合開始剤が挙げられる。
前記各原料を使用して均質で安定な自己分散型水性樹脂
エマルションを得るには、例えば、撹拌機、還流冷却器
、滴下ロート、温度計、チッ素ガス導入管のついた反応
器を準備し、含フッ素単量体5〜95重量%、界面活性
ビニル単量体5〜60重量%と、それと共重合し得る重
合可能な不飽和結合を有する単量体0〜90重量%と、
ラジカル重合開始剤を金子ツマ−に対し0.1〜2.0
重量%及び必要によっては連鎖移動剤を用い、親水性溶
剤中、チッ素ガス気流下で50°C〜溶剤還流下で均質
な共重合体を得、次にこの共重合体は、必要に応じて例
えば、共重合体中の水酸基に二塩基酸の無水物を反応さ
せて塩生成基を導入する等の方法により塩生成基の導入
を行った後、中和剤等を加え塩生成基をイオン化しくす
でにイオン化されている場合は不要)、続いて水を加え
た後、溶剤を留去し水系に転相することにより得られる
上記の如き方法で得られる自己分散型水性含フッ素樹脂
の数平均分子量は5.000〜200.000が好適で
ある。この理由は5,000未満では樹脂強度が劣り、
また200.000を越えると高粘度となり転相工程等
で支障をきたし、高濃度で安定な自己分散型水性含フン
素樹脂が得られない。
本発明に使用される含フッ素樹脂水性エマルションの粒
子径は、0.005〜0.2//が必要で、好ましくは
0.005〜0.05μがよく、粒子径の大きい含フッ
素樹脂水性エマルションを使用した場合は、次いで行う
シード重合で適度の重合速度を得る事が難かしく、シー
ド重合を完結するのに長時間が必要となり、得られた含
フッ素樹脂水性分散体の安定性も悪くなる。
又、耐久性のある塗膜を得るには重合体組成を均質にし
た方が良く、この方法としては可能な限り反応系中のモ
ノマー比率を一定に保つようにモノマーの滴下速度をコ
ントロールすることが好ましい。
次でこのようにして得られた含フッ素樹脂水性エマルシ
ョンをシードにしていわゆるシード重合を行うわけであ
るが、この時前述したように含フッ素樹脂を殻とする二
層構造エマルションが生成するため芯ポリマーの種類を
種々変え・ることにより、含フッ素樹脂の欠点となる塗
膜の密着性、可撓性、機械的強度等を改良するのに好都
合となる。
なお、このシード重合反応に用いられるビニル系単量体
としては前記に示した界面活性ビニル単量体、第3成分
として示したラジカル重合可能な不飽和結合を有する各
種単量体のいずれもが使用可能であり、特に耐水性が要
求される場合には使用した界面活性ビニル単量体に存在
する親水性基と反応し、架橋構造をとる単量体を少量共
重合することが好ましい。
この時用いる重合開始剤としては、例えば過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイ
ル、クメンヒドロパーオキサイド等の過酸化物、或いは
2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロ
クロリド等のアヅビス系のものが使用でき、必要に応じ
て水溶性アミンやピロ亜硫酸、重亜硫酸ソーダ、ナトリ
ウムホルムアルデ1ニドスルホキシレート等を賦活剤と
して重合触媒と組み合わせて用いたり、また重合度調節
剤として有機ハロゲン化合物、アルキルメルカプタン類
等を用いることもできる。
本発明に係るシード重合反応は、このように本発明に係
る粒子径0.005〜0.2μの含フッ素樹脂水性エマ
ルションの存在下、上記のビニル系単量体、触媒、触媒
賦活剤及び重合調節剤等を適宜、適当に組合せて、公知
の方法で、特別の工夫を施すことな〈実施される。
なお、生成する含フッ素樹脂水性分散体の安定性をより
良好ならしめる目的で生成する樹脂の物性に悪影響を及
ぼさない範囲で従来公知の保護コロイドや界面活性剤を
使用出来ることは言う迄もない。
又、シードとする含フッ素樹脂水性エマルションとビニ
ル系単量体の混合比は前者0.5〜80重量%に対し、
後者99.5〜20重量%(いずれも固形分で)が好ま
しく、前者が0.5重量%未満では適度のシード重合速
度と分散安定性が得られないと共にフッ素樹脂の特徴も
出にくく、また80重量%を超えると密着性、可撓性等
の塗膜物性が改良されず、かつ高価なフッ素樹脂を必要
具上に用い経済的にも不利となる。
本発明の含フッ素樹脂水性分散体の製造法は、このよう
に含フッ素樹脂水性エマルションをシードとして、これ
に各種ビニル系単量体を添加して乳化重合する方法であ
り、一般にはこの方法では含フッ素樹脂の撥油性により
単量体の可溶化が妨げられ乳化重合が進行しないと考え
がちであるが、含フッ素樹脂水性エマルションには含フ
ッ素単量体以外の単量体も共重合されており、そのため
ビニル系単量体の可溶化が容易に起り乳化重合が効率よ
く進行するものと考えられる。
本発明の水性塗料用含フッ素樹脂組成物としては、この
含フッ素樹脂水性分散体をそのまま使用することも出来
るが、必要に応じて炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム
、酸化チタンをはじめとして、クレー、タルク等の無機
顔料もしくは充填剤−、フタロシアニン系などの有機顔
料、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化合物、ブロッ
ク化イソシアネート等の硬化剤、さらには各種造膜助剤
、可塑剤、分散剤、凍結防止剤、増粘剤、防腐剤、紫外
線吸収剤等を混入することも出来る。
このようにして得られた塗料組成物を、はけ塗り、ロー
ラー塗り、浸し塗り、電着、流し塗りなどの方法で家庭
電器、一般機械、自動車などの金属素材や木質素材など
に塗装し、自然乾燥又は加熱乾燥することによって、す
(れた塗膜が得られる。
〔実施例] 次に参考例、実施例、比較例を掲げて本発明を具体的に
説明するが、本発明がこれらに限定されないことは勿論
である。なお、例中の部及び%は特記しない限り全て重
量基準である。
1) 自己分散型含フッ素樹脂水性エマルションの製造
例 参考例1 撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度針、チッ素導入
管の付いた反応器にメチルエチルケトン200部ト2−
パーフルオロオクチルエチルメタクリレート40部とド
デシルメタクリレート44部との混合物の40%と、ア
クリル酸16部を仕込み、チッ素ガスを流し、溶存酸素
を除去する。
一方、滴下ロートに溶存酸素を除去した残りのモノマー
混合物溶液及びアゾビスイソブチロニトリル0.2部の
メチルエチルケトン3部溶液を仕込む。
反応器を80°Cに加熱後、アブビスイソブチロニトリ
ル0.2部をメチルエチルケトン2部に溶解したものを
加え重合を開始し、次いで滴下ロートより反応液中の残
存モノマーの比率が一定になるようにモノマー溶液を滴
下する。
モノマーを滴下終了後、アゾビスイソブチロニトリル0
.2部をメチルエチルケトン3部に溶解した、ものを加
え、更に2時間熟成し、均質な共重合体を得た。
次にこの共重合体にトリエチルアミン23.0部を加え
中和し、続いてイオン交換水400部を加えた後、減圧
下望ましくは50°C以下でメチルエチルケトンを留去
し、自己分散型水性樹脂エマルシコンを得た。
この樹脂エマルションは透明でレーザー光線照射により
チンダル現象が認められ、粒径は0.010 amであ
った。尚、粒径はC0ULTERELECTRONIC
5INC製C0ULTERMODEL N4で測定した
参考例2〜10 表1に示すモノマー組成混合物を用いて重合を行い、表
1に記載量のトリエチルアミンで中和する他は参考例1
に従い重合を行い、含フッ素樹脂エマルションを得た。
CH30H0 111I CI□−C−COOCII□−C1l  Ctl 20
CC1l 2S−略号 FMA: 2−パーフルオロオ
クチルエチルメタクリレート DMA ニドデシルメタクリレート AA=アクリル酸 AI’lPS: 2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸 ブレンマーPIE350 :日本油脂製ノニオン系モノ
マー HEM八:2−ヒドロキシエチルメタクリレ−1〜 参考例1] オー1〜クレープにクロロトリフルオロエチレン40部
、シクロヘキシルビニルエーテル30部、ω−ヒドロキ
シブチルビニルエーテル30部、キシレン200部、ア
ブビスイソブチロニトリル0.5部を仕込みN2置換後
70°Cで24時間反応した後、無水コハク酸20部、
トリエチルアミン0.5部を加え90°Cで2時間反応
した。次で減圧上溶媒を留去し、イソプロピルアルコー
ル300 部ヲ7Juえ溶解し、トリエチルアミン20
部を添加後、水300部を加え転相し、常法通り減圧上
低温で溶剤を留去し粒径0.03μのエマルションを得
た。
2) 二層構造を有する含フッ素樹脂水性分散体の製造 参考例12〜25 参考例1〜11で得たエマルション(表2記載固形分量
)をN2導入管、撹拌機、温度計を備えた反応器にとり
イオン交換水140部を加え、スチレン45部、2−エ
チルへキシルアクリレート50部、ヒドロキシエチルメ
タクリレ−1−5部からなる単量体混合物(100=シ
ードエマルシヨン)部中の10部及び2%過硫酸カリウ
ム水溶液5部を加えN2置換後75°C水浴で加熱した
。重合開始後さらに3時間にわたって残りのモノマー混
合物を加え次で2%過硫酸カリウム水溶液5部を加え8
0°Cで2時間熟成して表2に示す参考例12〜25の
分散体を得た。
2日 表     2 参考例26 N2導入管、撹拌機、温度計を備えた反応器にペレック
ス5S−L(花王■製アニオン活性剤)1部、エマルゲ
ン935(花王■製ノニオン活性剤)4部、イオン交換
水80部、アセトン40部中にスチレン40部、2−エ
チルへキシルアクリレ−;−44部、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレ−1・5部、2−パーフルオロオクチル
エチルメタクリレート8部、アクリル酸3部をホモミキ
サーを用いて乳化したものの20%とイオン交換水20
部を仕込み2%過硫酸カリウム水溶液5部を加え、N2
置換後75°C水浴で加熱した。重合開始後さらに3時
間にわたって残りのモノマー乳化部を加え、次で2%過
硫酸カリウム水溶液5部を加え80°Cで2時間熟成し
、トリエチルアミンで中和して固形分40%の水性分散
体を得た。
実施例1〜9及び比較例1〜6 参考例12〜26で得た水性分散体にエボギシ系架橋剤
(ブナコールEX −521ナガセ化成工業■、添加量
分散体中のアクリル酸と同当量)、酸化チタン(商品名
CR−50、石原産業■)の70%スラリー(分散剤と
してボイズ530、花王株製0,4%使用して調整)を
添加してPVC20%の塗料用組成物を作成した。
これを化成処理したボンデ鋼板にバーコーターNo、5
0を使用して塗布し室温にて1日乾燥後、150°Cで
30分間焼付けを行った。得られた塗膜の物性を下記方
法により評価した。
その結果を表3にまとめて示す。
く評価方法〉 撥水撥油性: エルマゴニオメータ一式接触角測定器(G−1型)を用
い測定した。なお撥水性は蒸溜水、撥油性はサラダ油を
用いた。
光沢: 60部鏡面光沢度を測定した。
密着性: カッターナイフで1nnnXIBHの100個のゴハン
目を作りセロテープで剥離して残留個数より次の基準で
判定した。
0 90以上残、Δ 90〜50残、×50以下残。
耐水性: 試料を水道水中に1晩没し外観より次の基準で判定した
○ 異常なし、Δ ややふくれが生じる、× 白化及び
ふくれが生じる。
実施例10〜11及び比較例7 表4に示した含フッ素樹脂エマルションをシードにしイ
オン交換水を300部使用する以外は参考例12と同様
にシード重合を行い安定な水性分散体を得、これに低級
アルキルエーテル化メチロールメラミン(商品名スミマ
ールM−40W。
住人化学■)10部及びイオン交換水を加えて固形分を
10%にし電着液とした。
この電着液に通常の陽極酸化処理したアルミニウム板を
浸漬し、このアルミニウム板を陽極、ステンレス板を陰
極として150vで3分間型着塗装を行い、水洗後17
0°Cで30分間焼付を行った。
得られた電着塗膜物性を表4にまとめて示す。
表     4 試験例1 (含フッ素二層構造水性分散体生成の証明)含フッ素樹
脂水性エマルションの単量体組成を2−パーフルオロオ
クチルエチルメタクリレート50部、ドデシルメタクリ
レート34部、アクリル酸16部とし、この水性エマル
ション10部にスチレン/n−ブチルアクリレ−) (
83/17ffi量比)混合単量体90部をシード重合
して得た水性分散体(合成法は参考例1及び12参照)
及び単量体組成を2−パーフルオロオクチルエチルメタ
クリレート5部、スチレン/n−ブチルアクリレ−) 
(83/17重量比)混合単量体95部として参考例2
6に従って乳化重合法で合成した水性分散体(両者共平
均的フッ素モノマー濃度は同じ)にそれぞれ10%Ca
C1□水溶液を加えて得た粉末を用いてESCAによる
角度分解法により粒子表面からの深さ方向でのフッ素濃
度分布を測定した。
その結果、図1に示すようにシード重合品では粒子表面
に非常に高いフッ素濃度を示すと共に、深さ約24人よ
り急速にフッ素濃度が減少しており、この水性分散体は
表層約24人にフッ素樹脂が濃縮された二層構造となっ
ていることがわかる。
一方、乳化重合品は深さ方向にほぼ均一にフッ素が分布
しており、はぼ均一な樹脂組成の水性分散体が出来てい
る。
試験例2 (含フッ素二層構造水性分散体塗膜表面の撥水性とフッ
素濃度との関係) 上記と同様の手法により合成した各種フッ素含量の異な
る含フッ素二層構造水性分散体と乳化型合法水性分散体
から塗膜を形成し、撥水性を評価した所、図2に示すよ
うに同じフッ素濃度では含フッ素二層構造水性分散体か
ら作成した塗膜の撥水性が高く、塗膜表面でもフッ素濃
度の高いことを示している。
【図面の簡単な説明】
図1はESCAによる角度分解法により粒子表面からの
深さ方向でのフッ素濃度分布を測定した結果を示すグラ
フ、図2は塗膜のフッ素含量と撥水性との関係を示すグ
ラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、殻物質が含フッ素樹脂からなる二層構造を有する含
    フッ素樹脂水性分散体を含有することを特徴とする水性
    塗料用含フッ素樹脂組成物。 2、二層構造を有する含フッ素樹脂水性分散体が、含フ
    ッ素単量体単位5〜95重量%、界面活性ビニル単量体
    単位5〜60重量%、その他ラジカル重合可能な不飽和
    結合を有する単量体単位0〜90重量%を含有する含フ
    ッ素樹脂からなる平均粒子径0.005〜0.2μの自
    己分散型水性樹脂エマルション0.5〜80重量%(固
    形分)の存在下にビニル系単量体20〜99.5重量%
    をシード重合させることによって得られるものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の水性塗料用含フッ素樹脂
    組成物。 3、自己分散型水性樹脂エマルションが、含フッ素単量
    体、界面活性ビニル単量体、その他ラジカル重合可能な
    不飽和結合を有する単量体を有機溶剤中で均質に共重合
    し次いで必要に応じて中和剤を加えた後、溶剤を留去し
    て得られるものであることを特徴とする請求項2記載の
    水性塗料用含フッ素樹脂組成物。
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