JP2008260883A - 水性被覆材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリオルガノシロキサン重合体(A)及びエチレン性不飽和単量体(b)の重合体(B)を含有する層の外側に、エチレン性不飽和単量体(c)の重合体(C)を備えた、多層構造のエマルション粒子を含有する水性被覆材であって、エチレン性不飽和単量体(b)は、溶解性パラメータ(SP値)が20〜30(J/cm3)1/2のエチレン性不飽和単量体(d)を75〜100質量%含んでおり、該エチレン性不飽和単量体(d)としてエチレン性不飽和単量体(b)に含まれているメチルメタクリレートの、エチレン性不飽和単量体(b)とエチレン性不飽和単量体(c)との合計質量に対する質量割合が、30質量%以上であることを特徴とする水性被覆材。
【選択図】なし
Description
本発明の水性被覆材は、ポリオルガノシロキサン重合体(A)を含む水性分散液中で、エチレン性不飽和単量体(b)を1段以上で乳化重合して重合体(B)を形成し、その後に、エチレン性不飽和単量体(c)を加え、乳化重合しての重合体(C)を形成し、それにより得られる多層構造のエマルション粒子を含有する。
ポリオルガノシロキサン重合体(A)の原料としては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジメチルジアルコキシシラン類や、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン、ジメチルサイクリックス(3〜7量体のジメチルシロキサン環状オリゴマーの混合物)等のジメチルシロキサン環状オリゴマー類や、ジメチルジクロロシラン等が挙げられる。得られる重合体(A)の熱安定性等の性能やコストを考慮すると、ジメチルシロキサン環状オリゴマー類を用いるのが好ましい。
この場合に重合反応に用いるケイ素含有グラフト交叉剤としては、例えば、分子中に1個以上の加水分解性シリル基、及び1個以上のビニル重合性官能基またはメルカプト基を含有する化合物が挙げられる。加水分解性シリル基としては、重合反応性、取り扱いの容易さ、コスト等の観点から、アルコキシシリル基であるのが好ましい。
ビニルシラン類としては、例えば、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルトリクロロシラン等が挙げられる。
アクリロイルオキシアルキルシラン類としては、例えば、γ−アクリロイルオキシエチルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシエチルメチルジクロロシラン、γ−アクリロイルオキシエチルトリクロロシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジクロロシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。
メタクリロイルオキシアルキルシラン類としては、例えば、γ−メタクリロイルオキシエチルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシエチルメチルジクロロシラン、γ−メタクリロイルオキシエチルトリクロロシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジクロロシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。
メルカプトアルキルシラン類としては、例えば、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
なかでも、ビニル重合反応性、塗膜の耐汚染性、耐候性、耐水性の観点から、アクリロイルオキシアルキルシラン類、メタクリロイルオキシアルキルシラン類、メルカプトアルキルシラン類がより好ましい。これらは必要に応じて1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
得られるエマルション粒子中のポリオルガノシロキサン重合体(A)の含有量は、重合体(B)及び重合体(C)を合わせた総質量を100質量部としたとき、0.2〜150質量部の範囲内であるのが好ましい。また、含有量が0.5〜100質量部であるのがより好ましい。ポリオルガノシロキサン重合体(A)の含有量が0.2質量部以上であれば、塗膜の耐候性、耐水性、耐凍害性、平滑性が高くなる。また、150質量部以下であれば、塗膜の硬度、強度、耐ブロッキング性、耐汚染性の低下を抑制できる。
重合体(B)は、ポリオルガノシロキサン重合体(A)を含む水分散体の存在下でエチレン性不飽和単量体(b)(以下、単量体(b)とする。)を1段以上で乳化重合することにより得られる。また、本発明の単量体(b)は、溶解性パラメータ(SP値)が20〜30(J/cm3)1/2のエチレン性不飽和単量体(単量体(b)中に含まれるものを特にエチレン性不飽和単量体(d)とし、以下、単量体(d)とする。)を75〜100質量%含有することを特徴とする。
ここで、SP値とは、[数1]で表されるFedorsの式(R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.,14,(2),1974)により求めた値をいう。
また、単量体(d)が75質量%以上であれば、重合体(B)と重合体(C)との相溶化が抑制でき、エマルション粒子のそれぞれの重合体の層における機能分化が可能となる。また、重合体(B)を高いTgにする場合に、塗膜の耐凍害性を低下させることなく耐ブロッキンッグ性を向上させられる。
塗膜の耐水性、耐候性の点からは、SP値が20〜25のエチレン性不飽和単量体を使用することが好ましい。
重合体(B)のTgを50〜150℃とするために、単量体(b)には、メチルメタクリレート以外に、イソボルニル(メタ)アクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、(メタ)アクリル酸等のエチレン性不飽和単量体が使用できる。しかし、イソボルニル(メタ)アクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等のSP値が20(J/cm3)1/2以下のエチレン性不飽和単量体を使用する場合には、重合体(B)と重合体(C)の相溶化の抑制効果が小さくなることや、塗膜の耐凍害性の観点から、使用量を抑えることが好ましい。また、エチレン性不飽和単量体(d)の中でも、(メタ)アクリル酸等の親水性の高いエチレン性不飽和単量体を使用する場合には、重合工程での安定性や、塗膜の耐水性、耐候性の面から使用量を制限することが好ましい。
Tgとは、式(1)に示したFoxの式により求められる値である。
1/(273+Tg)=Σ(Wi/(273+Tgi))・・・(1)
ここで、Wiは単量体iの質量分率、Tgiは単量体iの単独重合体のTg(℃)を示す。
自己架橋性官能基含有エチレン性不飽和単量体とは、得られたエマルション粒子中に残存する自己架橋性官能基が、エマルション粒子が室温で分散液として保管されている間は化学的に安定であり、塗装時の乾燥、加熱又はその他の外的要因によって側鎖の官能基同士で反応して側鎖間に化学結合が形成する単量体をいう。
分子中に重合性不飽和二重結合を2個以上有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは必要に応じて2種以上を選択して使用してもよい。
乳化重合は、例えば、界面活性剤の存在下、単量体(b)を重合系内に供給し、ラジカル重合開始剤により重合する公知の方法が使用できる。
過硫酸塩類としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
油溶性アゾ化合物類としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等が挙げられる。
水溶性アゾ化合物類としては、例えば、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシエチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]及びその塩類、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]及びその塩類、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]及びその塩類、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}及びその塩類、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)及びその塩類、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピンアミジン)及びその塩類、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]及びその塩類等が挙げられる。
有機過酸化物類としては、例えば、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等が挙げられる。
これらは単独で、又は2種類以上の混合物として使用できる。また、重合速度の促進、及び70℃以下での低温の重合が望まれるときには、例えば、重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、アスコルビン酸塩等の還元剤をラジカル重合触媒と組み合わせて用いるのがよい。
重合体(B)の分子量を調整する場合には、重合する際に、分子量調整剤として、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン等のメルカプタン類や、四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化合物;α−メチルスチレンダイマー等の公知の連鎖移動剤を用いることができる。耐候性の低下を抑えるため、連鎖移動剤の使用量は単量体(b)に対して1質量%以下であることが好ましい。
リン酸エステル型反応性界面活性剤は市販のものを使用でき、例えば、東邦化学工業(株)製のサーフマーシリーズである、FP−80、FP−100、FP−120、FP−160、FP−200、FP−125、旭電化工業(株)製のアデカリアソープシリーズであるPP−70、PPE−710等が挙げられる。これらは必要に応じて2種以上を選択して使用してもよい。
重合体(C)は、単量体(b)を乳化重合して重合体(B)を形成した後に、エチレン性不飽和単量体(c)(以下、単量体(c)とする。)を加え、乳化重合することにより得られる。
単量体(c)は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和単量体であれば特に限定されないが、SP値が20(J/cm3)1/2未満のエチレン性不飽和単量体を含有するのが好ましい(SP値が20(J/cm3)1/2未満のもので、単量体(c)中に含まれるものを特にエチレン性不飽和単量体(e)とし、以下、単量体(e)とする。)。単量体(c)中に含有される単量体(e)の質量割合は、65〜100質量%であるのが好ましく、70〜100質量%であるのがより好ましい。単量体(e)の割合が65質量%以上であれば、耐吸水性が向上するため、塗膜の耐水性、耐候性及び耐凍害性が向上し、平滑性も高くなる。また、塗膜の平滑性を高くするためには、SP値が19.5以下の単量体(e)を使用するのがより好ましい。
また、得られるエマルション粒子中の、Tgが−50〜50℃である重合体(C)の含有量は、合計単量体量を基準として30〜70質量%であるのが好ましく、35〜65質量%であるのがより好ましい。重合体(C)の含有量が30質量%以上であれば、塗膜の耐凍害性、平滑性、耐水性及び耐候性が高くなる。また、重合体(C)の含有量が70質量%以下であれば、塗膜の耐ブロッキング性が向上する。
なかでも、ビニル重合の反応性並びに塗膜の耐汚染性、耐候性及び耐水性の観点から、(メタ)アクリロイルオキシアルキルシラン類であるのが好ましく、γ−メタクリロイルオキシエチルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシエチルメチルジクロロシラン、γ−メタクリロイルオキシエチルトリクロロシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジクロロシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリクロロシランであればさらに好ましい。また、これらは必要に応じて2種以上を選択して使用することもできる。
光安定化作用を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。
紫外線吸収性成分を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−[2−ヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−t−アミル−5−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
これら耐紫外線エチレン性不飽和単量体は必要に応じて2種以上を選択して使用してもよい。
有機酸残基が(メタ)アクリル酸残基であるときは、2個の不飽和基を有する金属含有エチレン性不飽和単量体であり、例えば、ジ(メタ)アクリル酸マグネシウム、アクリル酸メタクリル酸マグネシウム、ジ(メタ)アクリル酸カルシウム、アクリル酸メタクリル酸カルシウム、ジ(メタ)アクリル酸鉄、アクリル酸メタクリル酸鉄、ジ(メタ)アクリル酸銅、アクリル酸メタクリル酸銅、ジ(メタ)アクリル酸亜鉛、アクリル酸メタクリル酸亜鉛、ジ(メタ)アクリル酸ジルコニウム、アクリル酸メタクリル酸ジルコニウムが挙げられる。
上記金属含有エチレン性不飽和単量体の具体例としては、モノクロル酢酸マグネシウム(メタ)アクリレート、モノクロル酢酸カルシウム(メタ)アクリレート、モノクロル酢酸鉄(メタ)アクリレート、モノクロル酢酸銅(メタ)アクリレート、モノクロル酢酸亜鉛(メタ)アクリレート、モノクロル酢酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、モノフルオロ酢酸マグネシウム(メタ)アクリレート、モノフルオロ酢酸カルシウム(メタ)アクリレート、モノフルオロ酢酸鉄(メタ)アクリレート、モノフルオロ酢酸銅(メタ)アクリレート、モノフルオロ酢酸亜鉛(メタ)アクリレート、モノフルオロ酢酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、プロピオン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、プロピオン酸カルシウム(メタ)アクリレート、プロピオン酸鉄(メタ)アクリレート、プロピオン酸銅(メタ)アクリレート、プロピオン酸亜鉛(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、オクチル酸マグネシウム(メタ)アクリレート、オクチル酸カルシウム(メタ)アクリレート、オクチル酸鉄(メタ)アクリレート、オクチル酸銅(メタ)アクリレート、オクチル酸亜鉛(メタ)アクリレート、オクチル酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、バーサチック酸マグネシウム(メタ)アクリレート、バーサチック酸カルシウム(メタ)アクリレート、バーサチック酸鉄(メタ)アクリレート、バーサチック酸銅(メタ)アクリレート、バーサチック酸亜鉛(メタ)アクリレート、バーサチック酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、イソステアリン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、イソステアリン酸カルシウム(メタ)アクリレート、イソステアリン酸鉄(メタ)アクリレート、イソステアリン酸銅(メタ)アクリレート、イソステアリン酸亜鉛(メタ)アクリレート、イソステアリン酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、パルミチン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、パルミチン酸カルシウム(メタ)アクリレート、パルミチン酸鉄(メタ)アクリレート、パルミチン酸銅(メタ)アクリレート、パルミチン酸亜鉛(メタ)アクリレート、パルミチン酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、クレソチン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、クレソチン酸カルシウム(メタ)アクリレート、クレソチン酸鉄(メタ)アクリレート、クレソチン酸銅(メタ)アクリレート、クレソチン酸亜鉛(メタ)アクリレート、クレソチン酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、α−ナフトエ酸マグネシウム(メタ)アクリレート、α−ナフトエ酸カルシウム(メタ)アクリレート、α−ナフトエ酸鉄(メタ)アクリレート、α−ナフトエ酸銅(メタ)アクリレート、α−ナフトエ酸亜鉛(メタ)アクリレート、α−ナフトエ酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、β−ナフトエ酸マグネシウム(メタ)アクリレート、β−ナフトエ酸カルシウム(メタ)アクリレート、β−ナフトエ酸鉄(メタ)アクリレート、β−ナフトエ酸銅(メタ)アクリレート、β−ナフトエ酸亜鉛(メタ)アクリレート、β−ナフトエ酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、安息香酸マグネシウム(メタ)アクリレート、安息香酸カルシウム(メタ)アクリレート、安息香酸鉄(メタ)アクリレート、安息香酸銅(メタ)アクリレート、安息香酸亜鉛(メタ)アクリレート、安息香酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸マグネシウム(メタ)アクリレート、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸カルシウム(メタ)アクリレート、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸鉄(メタ)アクリレート、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸銅(メタ)アクリレート、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸亜鉛(メタ)アクリレート、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸マグネシウム(メタ)アクリレート、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸カルシウム(メタ)アクリレート、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸鉄(メタ)アクリレート、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸銅(メタ)アクリレート、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸亜鉛(メタ)アクリレート、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、キノリンカルボン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、キノリンカルボン酸カルシウム(メタ)アクリレート、キノリンカルボン酸鉄(メタ)アクリレート、キノリンカルボン酸銅(メタ)アクリレート、キノリンカルボン酸亜鉛(メタ)アクリレート、キノリンカルボン酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸マグネシウム(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸カルシウム(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸鉄(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸銅(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸亜鉛(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、ニトロナフタレンカルボン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、ニトロナフタレンカルボン酸カルシウム(メタ)アクリレート、ニトロナフタレンカルボン酸鉄(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸銅(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸亜鉛(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸ジルコニウム(メタ)アクリレート、プルビン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、プルビン酸カルシウム(メタ)アクリレート、プルビン酸鉄(メタ)アクリレートプルビン酸銅(メタ)アクリレート、プルビン酸亜鉛(メタ)アクリレート、プルビン酸ジルコニウム(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらは必要に応じて2種以上を選択して使用することもできるが、なかでも、亜鉛含有エチレン性不飽和単量体を用いるのが好ましい。
塗膜の耐汚染性を向上させる上では、ヒダントイン骨格を有するヒドラジン化合物が好ましく、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントインがより好ましい。
塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジブチルアミン、アミルアミン、1−アミノオクタン、2−ジメチルアミノエタノール、エチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、2−プロピルアミノエタノール、エトキシプロピルアミン、アミノベンジルアルコール、モルホリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
これらの中で、VOCを含まないことが望まれる内装用途等の場合は、無機系塩基化合物を用いることが好ましい。更に、僅かな臭気が問題となる場合には、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の非揮発性塩基化合物を用いることが好ましい。
エマルション粒子の粒子径としては、粒子の安定性及び塗膜性能のバランスから、50〜300nmであるのが好ましい。50nm以上の粒子径のエマルション粒子を形成する重合条件であれば、重合中に凝集物が生じにくく、界面活性化剤の使用量が少なくてよいため、塗膜の耐水性を維持できる。また、300nm以下のエマルション粒子であれば、造膜欠陥が生じにくい。
本発明の水性被覆材は、主成分であるエマルション粒子及び前記界面活性剤、添加剤等で固形分を形成し、通常、固形分20〜80質量%の状態で使用される。
水性被覆材は、必要に応じて各種顔料、消泡剤、顔料分散剤、レベリング剤、たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱性向上剤、スリップ剤、防腐剤等を含有してもよい。また、他のエマルション樹脂、水溶性樹脂、粘性制御剤、メラミン類等の硬化剤と混合して使用してもよい。
以下の記載において、「部」及び「%」は全て質量基準である。
[製造例1]
以下に示す方法により、ポリオルガノシロキサン重合体(A)の水分散液を調製した。
環状ジメチルシロキサンオリゴマー3〜7量体混合物95部と、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン5部、脱イオン水250部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4部及びドデシルベンゼンスルホン酸0.4部からなる組成物を、ホモミキサーで予備混合し、圧力式ホモジナイザーを用いて200kg/cm2の圧力で強制乳化して、原料プレエマルションを得た。
次いで、水55部及びドデシルベンゼンスルホン酸5部を、攪拌機、還流冷却管、温度制御装置及び滴下ポンプを備えたフラスコに仕込み、攪拌下に、フラスコの内温を85℃に保ちながら、上記原料プレエマルションを4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間重合を行い、冷却して、ドデシルベンゼンスルホン酸と当モル量のアンモニアを加えてポリオルガノシロキサン重合体(A)の水分散液(SiEm)を調製した。固形分は22.7%であった。
尚、表中の略号は以下の通りである。また、単量体の単独重合体のTgをカッコ内に示した。
MMA:メチルメタクリレート[105℃]
2−HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート[55℃]
GMA:グリシジルメタクリレート[46℃]
MAA:メタクリル酸[185℃]
AA:アクリル酸[106℃]
t−BMA:t−ブチルメタクリレート[108℃]
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート[83℃]
n−BMA:n−ブチルメタクリレート[20℃]
2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート[−55℃]
n−BA:n−ブチルアクリレート[−45℃]
EDMA:エチレングリコールジメタクリレート[不明]
DAAm:ジアセトンアクリルアミド[65℃]
SZ−6030:γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)[不明]
KBM−502:γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製)[不明]
アデカリアソープ SR−1025:反応性アニオン性界面活性剤(商品名、旭電化(株)製))
サーフマーFP−120:リン酸エステル型反応性界面活性剤(商品名、東邦化学工業(株)製)
ADH:アジピン酸ジヒドラジド
[水性被覆材(クリヤー塗料)の作製]
エマルション粒子のMFTが10℃を超えるものは、造膜助剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテル(以下「BDG」という)を添加しMFTを10℃以下にした。次いで、エマルション粒子の分散液100gに対し、RHEOLATE350(RHEOX(株)製、増粘剤)を0.5g、サーフィノールDF−58(エア・プロダクツ(株)製、消泡剤)0.5gを加え、十分に攪拌し、フォードカップ#4で30秒程度になるように脱イオン水を加えて調整した。その後、100メッシュナイロン紗を用いて濾過を行い、評価用の水性被覆材を得た。
攪拌機、還流冷却管、温度制御装置、滴下ポンプ及び窒素導入管を備えたフラスコに、脱イオン水57部、SiEm44部及び表1に記載の乳化物B(重合体(B)用原料)の5%分を仕込み、フラスコ内部を窒素で置換しながら、80℃まで昇温した。この後、過硫酸アンモニウム0.1部を脱イオン水1部に溶解した重合開始剤溶液を加えて重合を行い、シード粒子を形成した。発熱ピークを確認した後、フラスコの内温が80℃になったところで、その温度を保った状態で乳化物Bの残りを1.25時間かけて滴下し、フラスコの内温80℃で1時間重合を行い、エマルション粒子の重合体(B)を形成した。次に、エマルション粒子の重合体(C)を形成するため、フラスコの内温が80℃の状態で、過硫酸アンモニウム0.1部を脱イオン水3部に溶解した重合開始剤溶液及び表1に記載の乳化物C(重合体(C)用原料)を1.25時間かけて滴下した。滴下終了後、更に80℃で2時間重合を行った。その後、室温まで冷却し、28%アンモニア水溶液にてpHを8に調整して、エマルション粒子の分散液を得た。
このエマルション粒子の分散液を用い、エマルション粒子100部に対し造膜助剤BDGを8部添加し、評価用水性被覆材を作製した。
表1に記載の組成の乳化物B及び乳化物Cを使用し、乳化物Bの残り分の滴下時間を1時間及び乳化物Cの滴下時間を1.5時間とした。それ以外の条件は実施例1と同様にしてエマルション粒子の分散液を得た。また、エマルション粒子100部に対し造膜助剤BDGを6部添加し、評価用水性被覆材を作製した。
表1に記載の組成の乳化物B及び乳化物Cを使用する以外は、実施例1と同様にしてエマルション粒子の分散液を得た。このエマルション粒子100部に対し造膜助剤BDGを7部添加し、評価用水性被覆材を作製した。
表1に記載の組成の乳化物B及び乳化物Cを使用し、重合終了後28%アンモニア水溶液にてpHを8に調整した後に、脱イオン水3部にアジピン酸ジヒドラジド1.4部を分散したものを添加する以外は、実施例1と同様にしてエマルション粒子の分散液を得た。このエマルション粒子100部に対し造膜助剤BDGを2.5部添加し、評価用水性被覆材を作製した。
最初にフラスコに仕込む脱イオン水を85部、SiEmを4.4部とし、表1に記載の組成の乳化物B及び乳化物Cを使用する以外は、実施例1と同様にしてエマルション粒子の分散液を得た。また、エマルション粒子100部に対し造膜助剤BDGを5.5部添加し、評価用水性被覆材を作製した。
表1に記載の組成の乳化物B及び乳化物Cを使用し、重合終了後28%アンモニア水溶液にてpHを8に調整した後に、脱イオン水3部にアジピン酸ジヒドラジド1.4部を分散したものを添加する以外は、実施例1と同様にしてエマルション粒子の分散液を得た。このエマルション粒子100部に対し造膜助剤BDGを5部添加し、評価用水性被覆材を作製した。
最初にフラスコに仕込むSiEmを22部とし、表1に記載の組成の乳化物B及び乳化物Cを使用し、重合終了後に28%アンモニア水溶液によりpHを8に調整した後に、脱イオン水1.5部にアジピン酸ジヒドラジド0.7部を分散したものを添加する以外は実施例1と同様にしてエマルション粒子の分散液を得た。また、エマルション粒子100部に対し造膜助剤BDGを4部添加し、評価用水性被覆材を作製した。
最初にフラスコに仕込む脱イオン水を85部、SiEmを0部とし、表2に記載の組成の乳化物B及び乳化物Cを使用する以外は、実施例1と同様にしてエマルション粒子の分散液を得た。また、エマルション粒子100部に対し造膜助剤BDGを5.5部添加し、評価用水性被覆材を作製した。
表2に記載の組成の乳化物B及び乳化物Cを使用する以外は、実施例1と同様にしてエマルション粒子の分散液を得た。このエマルション粒子100部に対し造膜助剤BDGを9部添加し、評価用水性被覆材を作製した。
表2に記載の組成の乳化物B及び乳化物Cを使用し、乳化物Bの残り分の滴下時間を0.75時間、乳化物Cの滴下時間を1.75時間とした。それ以外の条件は実施例1と同様にしてエマルション粒子の分散液を得た。また、エマルション粒子100部に対し造膜助剤BDGを5部添加し、評価用水性被覆材を作製した。
[耐ブロッキング性(高温乾燥)の評価]
評価用水性被覆材をガラス板に6ミルアプリケーターにて塗装(縦80mm×横80mm)し、130℃で5分間強制乾燥させた。次いで、50℃まで冷却した後、50℃雰囲気下で塗膜表面にガーゼを載せ、更にその上に事前に50℃まで加温した分銅を置き、30分間1.4kg/cm2の荷重をかけた。次いで、常温まで冷却した後、ゆっくりガーゼを剥がし、その際の剥がし難さ及びガーゼの痕跡を目視にて観察し、下記の基準に従って評価した。
◎:ガラス板を傾けるとガーゼが自然に落下し、塗膜上にガーゼの痕跡がほとんど残っていない。
○:ガラス板を傾けてもガーゼが自然に落下することはないが、塗膜上にガーゼの痕跡はほとんど残っていない。
△:ガラス板を傾けてもガーゼが自然に落下することはないが、少しの力で剥離することができ、ガーゼの痕跡が多少残っている。
×:ガーゼを剥離する時に塗膜の一部も剥離し、ガーゼの痕跡がはっきりと残っている。
評価用水性被覆材をガラス板に塗装した後、5分間強制乾燥する温度を50℃とする以外は、前記の耐ブロッキング性(高温乾燥)の評価と同様の方法及び評価基準で評価を実施した。
石膏スラグパーライト板(厚12mm×縦150mm×横70mm)にシーラーとしてダイヤナールLX−1010(三菱レイヨン(株)製)を使用した白エナメル塗料(顔料重量濃度40%)を、塗着量が90〜100g/m2(湿潤質量)となるように室温にてスプレー塗装し、130℃で5分間乾燥した。次いで、シーラーの上に中塗り層としてダイヤナールLX−2011(三菱レイヨン(株)製)を使用した白エナメル塗料(顔料重量濃度40%)を、塗着量が90〜100g/m2(湿潤質量)となるように室温にてスプレー塗装し、130℃で5分間乾燥した。次いで、中塗り層の上に上塗り層として評価用水性被覆材を、塗着量が50〜60g/m2(湿潤質量)となるように室温にてスプレー塗装し、130℃で5分間乾燥させ、試験板を作製した。この試験板を1日室温で放置した後、溶剤系の2液硬化型アクリル樹脂を用いて、試験板の側面及び背面をシールし、防水機能を付与した。1日経過後に、凍結融解試験機にて耐凍害性試験を行った。凍結融解条件は、−20℃/2時間(空気中)及び20℃/2時間(水中)のサイクル試験とした。
30倍ルーペを用いて試験板にクラックが入るまでのサイクル数を測定し、下記の基準に従って評価した。
◎:300サイクルでもクラックが入らない。
○:200サイクル〜300サイクルでクラックが入る。
△:100サイクル〜199サイクルでクラックが入る。
×:99サイクルまでにクラックが入る。
評価用水性被覆材をガラス板に8ミルアプリケーターにて塗装(縦100mm×横15mm)し、130℃で2分間強制乾燥させた後、塗膜の「より」や「マッドクラック」の有無を目視にて観察し、下記の基準に従って評価した。
◎:「より」や「マッドクラック」が殆ど見られず、連続した塗膜ができている。
○:塗装面の塗膜の端部に「マッドクラック」が多少見られる。
△:「マッドクラック」が見られるが、塗装面の縦方向に対して50%未満である。
×:塗装面の縦方向に対して50%以上の「マッドクラック」が見られる。
評価用水性被覆材をガラス板に4ミルアプリケーターにて塗装(縦80mm×横80 mm)し、130℃で5分間強制乾燥した。次いで、室温まで放冷した。その後、50℃の温水にガラス板ごと100時間浸漬し、引き上げ直後及び乾燥後の塗膜外観を目視にて観察し、下記の基準に従って評価した。
◎:塗装面の白化は少なく、乾燥後は完全にクリヤー塗膜となった。
○:多少塗装面の白化は認められるが、乾燥後は2〜3時間程度でほぼクリヤー塗膜となった。
△:多少塗装面の白化が認められ、乾燥24時間後でも少し濁っており、48時間後にクリヤー塗膜となった。
×:かなり塗装面が白化しており、乾燥後も白化したままで、最後までクリヤー塗膜にならなかった。
耐凍害性の評価に使用したものと同様に、側面及び背面をシールした試験板を用い、シール1日経過後に、ダイプラ・メタルウエザーKU−R4−W型(ダイプラ・ウィンテス(株)製)にて耐候性試験を行った。試験サイクルは、照射4時間(噴霧5秒/15分)/結露4時間、UV強度:85mW/cm2、ブラックパネル温度:照射時63℃/結露時30℃、湿度:照射時50%RH/結露時96%RHの条件で、840時間経過した後、測定角60°における光沢度の保持率を耐候性の指標とし、下記の基準に従って評価した。
◎:90%以上。
○:80%以上、90%未満。
△:60%以上、80%未満。
×:60%未満、又は塗膜の剥離・クラックが生じたもの。
以上、説明したような評価を行った結果を表3に示す。
また、単量体(c)中の単量体(e)の割合が47質量%であり、それ以外の条件が最適である実施例4の水性被覆材では、塗膜は高い耐ブロッキング性と、良好な耐凍害性、平滑性、耐水性、耐候性を備えていた。
また、ポリオルガノシロキサン重合体(A)の、重合体(B)と重合体(C)との合計質量に対する質量割合が1質量%であり、それ以外の条件が最適である実施例5の水性被覆材では、塗膜は高い耐ブロッキング性、耐凍害性、平滑性、耐水性と、良好な耐候性を備えていた。
また、全ての条件が最適である実施例6及び実施例7の水性被覆材では、塗膜は高い耐ブロッキング性、耐凍害性、平滑性、耐水性、耐候性を備えていた。
以上のように、本発明の水性被覆材による塗膜は、耐ブロッキング性、耐凍害性、平滑性、耐水性、耐候性について、全てに優れた性能を兼ね備えていた。
以上のように、比較例1〜3の水性被覆材では、塗膜は耐ブロッキング性、耐凍害性、平滑性、耐水性、耐候性を同時に満足していなかった。
Claims (2)
- ポリオルガノシロキサン重合体(A)を含む水性分散液中で、エチレン性不飽和単量体(b)を1段以上で乳化重合して重合体(B)を形成し、その後に、エチレン性不飽和単量体(c)を加え、乳化重合して重合体(C)を形成し、これにより得られるエマルション粒子を含有する水性被覆材であって、
エチレン性不飽和単量体(b)は、溶解性パラメータ(SP値)が20〜30(J/cm3)1/2のエチレン性不飽和単量体(d)を75〜100質量%含んでおり、
該エチレン性不飽和単量体(d)としてエチレン性不飽和単量体(b)に含まれているメチルメタクリレートは、乳化重合に使用するエチレン性不飽和単量体(b)とエチレン性不飽和単量体(c)との合計質量を基準として、30質量%以上であることを特徴とする水性被覆材。 - ポリオルガノシロキサン重合体(A)及びエチレン性不飽和単量体(b)の重合体(B)を含有する層の外側に、エチレン性不飽和単量体(c)の重合体(C)を備えた、多層構造のエマルション粒子を含有する水性被覆材であって、
重合体(B)は、溶解性パラメータ(SP値)が20〜30(J/cm3)1/2のエチレン性不飽和単量体(d)の重合単位を75〜100質量%含んでおり、
該エチレン性不飽和単量体(d)として重合体(B)に含まれるメチルメタクリレートの重合単位は、重合体(B)及び重合体(C)の重合単位である、エチレン性不飽和単量体(b)とエチレン性不飽和単量体(c)との合計質量に対して、30質量%以上であることを特徴とする水性被覆材。
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