JP3685280B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規にして有用なる樹脂組成物に関する。さらに詳細には、本発明は、必須の構成成分として、それぞれ、分子中に酸基および/または水酸基を有する塩素化ポリオレフィン変性グラフト共重合体と、有機金属系硬化剤とを含有することから成る、樹脂組成物に関する。
【0002】
そして、本発明の目的とする処は、塗装性を付与すべき、種々の表面処理が何ら施こされていない、フィルム、シートないしは成型品などの、いわゆる未処理のポリオレフィン系素材に対して、プライマーとしての機能を持つと同時に、ワンコート方式でも塗装が可能なる、とりわけ、付着性、塗膜外観、耐溶剤性ならびに耐摩耗性などの良好なる樹脂組成物を提供するにある。
【0003】
【従来の技術】
従来型の、それぞれ、アルキド、アクリルあるいはエポキシ樹脂などで以て形成された塗料は、極性が小さい結晶性ポリオレフィンからなる種々の成形品に対しては、殆んど付着性を有してなく、そのために、こうしたポリオレフィン系基材への塗装は、プライマーとして、特に、アタクチックポリプロピレンの無水マレイン酸変性物、あるいはエチレン−プロピレン共重合体の無水マレイン酸変性物などを使用することが提案されてはいる。
【0004】
ところが、これらの従来型の不飽和ジカルボン酸変性物などは、いずれも、斯かる特定の基材に対する付着性は良好でこそあるものの、とりわけ、トップコートとの層間付着性が悪いし、加えて、一つに、クリヤー塗料として使用されるというような場合には、塗膜が白濁したり、二つに、顔料を含んだエナメル塗料として適用されるというような場合には、顔料分散性に著しく劣るという処から、塗料の安定性にも欠けるという欠点ないしは欠陥があった。
【0005】
また、塩素化ポリオレフィンそれ自体をプライマーとして用い、トップコート用としてのアクリル樹脂などを塗布するというような方法も知られてはいるが、こうした方法にあっても、トップコートとの層間付着性、耐溶剤性ならびに長期に亘る耐久付着性などが低下するという欠点がある。
【0006】
さらに、塩素化ポリオレフィンそれ自体をトップコートとして用いることも知られてはいるが、とりわけ、塗膜の硬度、耐溶剤性ならびに耐候性などが著しく悪くなるという処から、これまた、実用性に乏しいということである。
【0007】
そのほかにも、酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂に、それぞれ、ウレタン樹脂あるいはアクリル樹脂と、有機金属系架橋剤とを配合せしめることによって、とりわけ、耐溶剤性ならびに耐水性などを付与するというような方法などが知られてはいる(たとえば、特開平5ー239292号公報)。
【0008】
しかしながら、塩素化ポリオレフィンと、ウレタン樹脂あるいはアクリル樹脂とは、相溶性に乏しい間柄のもの同志であるという処からも、とりわけ、樹脂の安定性、塗膜外観ならびに塗料安定性などに劣るという欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来型技術に従う限りは、どうしても、ポリオレフィン基材への付着性にも優れるし、はたまた、塗膜外観、耐溶剤性ならびに耐磨耗性などにも優れるというような、極めて実用性の高い樹脂組成物を得ることは、頗る、困難であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
しかるに、本発明者らは、特定の塩素化ポリオレフィンと、アクリル系(共)重合体との相溶性を、一層、向上化せしめ、それと同時に、ポリオレフィン系基材に対する付着性などをはじめとし、さらには、プライマー仕様とした際の、とりわけ、トップコートとの層間付着性、耐溶剤性、トップコート仕様にした際の、とりわけ、塗膜外観、耐溶剤性ならびに耐摩耗性性をも改善せしめるべく、鋭意、研究を開始した。
【0011】
そこで、本発明者らは、上述したような発明が解決しようとする課題に照準を合わせて、鋭意、検討を重ねた結果、水酸基含有ビニル系単量体および酸基含有ビニル系単量体とを必須の原料成分とするビニル系単量体混合物を、塩素化率が50%以下といった特定の塩素化ポリオレフィンに対してグラフト共重合せしめるということによって得られる、夫々の官能基を有する塩素化ポリオレフィン変性共重合体(変性塩素化ポリオレフィン)の混合物に、有機金属系硬化剤を配合して硬化させた塗膜が、とりわけ、塗膜外観、耐溶剤性ならびに耐摩耗性などに優れるし、ポリオレフィンへの付着性もまた良好であるということを見出すに及んで、ここに、本発明を完成させるに到った。
【0012】
【0013】
すなわち、本発明は、塩素化率が50%以下なる塩素化ポリオレフィンに対して、水酸基含有ビニル系単量体と、此の単量体と共重合可能なる其の他のビニル系単量体とからなる単量体混合物を、該塩素化ポリオレフィンとの重量比が10:90〜90:10の割合となるようにして、有機溶剤の存在下に重合せしめることによって得られる、水酸基価が2〜100の範囲内にあるグラフト共重合体(A−1)と、塩素化率が50%以下なる塩素化ポリオレフィンに対して、酸基含有ビニル系単量体と、此の単量体と共重合可能なる其の他のビニル系単量体とからなる単量体混合物を、該塩素化ポリオレフィンとの重量比が10:90〜90:10の割合となるようにして、有機溶剤の存在下に重合せしめることによって得られる、酸価が2〜100の範囲内にあるグラフト共重合体(A−2)との混合物に、有機金属系硬化剤(B)を配合せしめることから成る、樹脂組成物を提供しようとするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
【0015】
【0016】
【0017】
このように、本願は、塩素化率が50%以下なる塩素化ポリオレフィンに対して、水酸基含有ビニル系単量体と、此の単量体と共重合可能なる其の他のビニル系単量体とからなる単量体混合物を、該塩素化ポリオレフィンとの重量比が10:90〜90:10の割合となるようにして、有機溶剤の存在下に重合せしめることによって得られる、水酸基価が2〜100の範囲内にあるグラフト共重合体(A−1)と、塩素化率が50%以下なる塩素化ポリオレフィンに対して、酸基含有ビニル系単量体と、此の単量体と共重合可能なる其の他のビニル系単量体とからなる単量体混合物を、該塩素化ポリオレフィンとの重量比が10:90〜90:10の割合となるようにして、有機溶剤の存在下に重合せしめることによって得られる、酸価が2〜100の範囲内にあるグラフト共重合体(A−2)との混合物に、有機金属系硬化剤(B)を配合せしめることから成る、樹脂組成物を請求しているというものである。
【0018】
以下に、本発明を、一層、詳細に説明をすることにするが、ここにおいて、まず、上記した塩素化ポリオレフィンとは、その塩素化率が50%以下、好ましくは、10〜40%の範囲内にあるポリオレフィンを指称するものであり、該ポリオレフィンとして特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、
【0019】
エチレン、プロピレン、1ーブテンまたは4ーメチル−1−ペンテンなどで代表されるような、公知慣用の種々の、いわゆるα−オレフィンの単独重合体ないしは共重合体;あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ブタジエン共重合体またはエチレン−アクリル酸エステル共重合体などで代表されるような、公知慣用の種々の、α−オレフィンと其の他のビニル系単量体との共重合体などである。
【0020】
当該塩素化ポリオレフィンとして特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化エチレン−プロピレン共重合体または塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体などで代表されるような、公知慣用の種々の、いわゆる塩素化ポリオレフィンあるいはそれらの各共重合体や、これらの種々の共重合体の、無水マレイン酸などで以て処理された形の、公知慣用の種々の、いわゆる酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂などである。
【0021】
ここにおいて、当該塩素化ポリオレフィンの塩素化率に関しては、この塩素化率が50%を超えて余りにも高くなるというような場合には、どうしても、ポリオレフィン系基材に対する付着性などが低下し易くなるし、一方、この塩素化率が約10%未満であるというような場合には、どうしても、塩素化ポリオレフィンの、有機溶剤への溶解性などが低下し易くなるという処からも、いずれの場合も好ましくない。
【0022】
斯かる塩素化率の決定は、こうした、とりわけ、付着性、安定性、可撓性ならびに硬度などのような、種々の塗膜性能を考慮して為されるべきであり、好ましくは、10〜40%の範囲内が、さらに好ましくは、15〜35%の範囲内が適切である。
【0023】
本発明において、前記した水酸基含有ビニル系単量体(I)として特に代表的なるもののみを例示するにとどめるならば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレートまたはモノ−2ーヒドロキシエチル−モノブチルフマレートなどで代表されるような、公知慣用の種々の、いわゆる不飽和二重結合含有モノ−ないしはジカルボン酸と、公知慣用の種々の、いわゆる二価アルコールとの反応生成物などであるし、さらには、これらの各不飽和二重結合含有モノ−ないしはジカルボン酸−一価アルコール反応生成物と、ε−カプロラクトンとの付加体などである。
【0024】
次いで、前記した酸基含有ビニル系単量体(III)として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、無水マレイン酸、フマル酸もしくはイタコン酸またはシトラコン酸あるいは(メタ)アクリル酸などである。
【0025】
さらに、上掲したような、それぞれ、水酸基含有ビニル系単量体(I)および/または酸基含有ビニル系単量体(III)と共重合可能なる其の他のビニル系単量体(II)として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、
【0026】
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、nープロピル(メタ)アクリレート、イソ(i)−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iーブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2ーエチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、
【0027】
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチル−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレートまたはアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、イソボニルメタクリレートの如き各種の(メタ)アクリレート類;
【0028】
マレイン酸、フマル酸またはイタコン酸の如き、各種の不飽和ジカルボン酸と、一価アルコールとのジエステル類;酢酸ビニル、安息香酸ビニルまたは「ベオバ」(オランダ国シエル社製の、ビニルエステルの商品名)の如き、各種のビニルエステル類;「ビスコート8F、8FM、17FM、3Fもしくは3FM」[大阪有機化学(株)製の、含フッ素系アクリルモノマーの商品名]、
【0029】
パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジパーフルオロシクロヘキシルフマレートまたはNーiープロピルパーフルオロオクタンスルホンアミドエチル(メタ)アクリレートの如き、各種の(パー)フルオロアルキル基含有の、それぞれ、−ビニルエステル類、−ビニルエーテル類、−(メタ)アクリレート類ないしは−不飽和カルボン酸エステル類などで代表されるような、公知慣用の種々の、いわゆる含フッ素化合物;
【0030】
あるいは(メタ)アクリロニトリルなどをはじめ、さらには、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルまたはフッ化ビニリデンなどで代表されるような、公知慣用の種々の、いわゆるオレフィン類などである。
【0031】
また、塗膜の、とりわけ、耐候性などを、一層、向上させるという目的で、たとえば「T−37」または「LA−82」[アデカアーガス化学(株)製品]などで代表されるような、公知慣用の種々の、いわゆる重合性の紫外線吸収剤や光安定化剤などを共重合せしめるというようにすることも出来る。
【0032】
以上に掲げて来たような種々の単量体類から、それぞれ、グラフト共重合体(A−1)、または(A−2)を調製するに際しては、水酸基含有ビニル系単量体(I)および/または酸基含有ビニル系単量体(III)の使用量は、それぞれの反応性極性基(官能基)含有ビニル系単量体の単独使用なり、併用で以て、それぞれ、水酸基価または酸価が、2〜100の範囲内、好ましくは、5〜50の範囲内となるように、該単量体(I)および/または(III)と共重合可能なる其の他のビニル系単量体(II)とを混合して、グラフト重合反応せしめるというようにすればよい。
【0033】
ここにおいて、これらの、それぞれ、水酸基価または酸価が、2未満であるというような場合には、どうしても、架橋硬化性が乏しくなり易く、ひいては、塗膜の、とりわけ、耐溶剤性ならびに耐摩耗性などが劣り易くなるし、一方、100を超えて余りにも高くなるというような場合には、どうしても、とりわけ、ポリオレフィン基材への付着性、就中、ポリプロピレン基材への付着性などが劣り易くなるので、いずれの場合も好ましくない。
【0034】
前述した塩素化ポリオレフィンに対して、以上に掲げて来たような種々の単量体(混合物)を重合せしめるに当っては、これらの、それぞれ、塩素化ポリオレフィンと該単量体(混合物)との使用比率としては、前者塩素化物:後者単量体(混合物)なる重量部比で以て、10:90〜90:10の範囲内、好ましくは、15:85〜60:40の範囲内が適当である。
【0035】
また、こうした重合反応によって、たとえば、(メタ)アクリル酸エステルなどのような、公知慣用の種々の、いわゆるビニル系単量体成分が、塩素化ポリオレフィン成分にグラフト化され、その結果、良好なる相溶性が付与された形の、いわゆる変性塩素化ポリオレフィンが得られるが、
【0036】
こうした重合反応の方法としては、通常、60〜100℃程度の重合温度で以て、ベンゾイルパーオキサイドまたはアゾビスイソブチロニトリルなどで代表されるような、公知慣用の種々の、いわゆるラジカル発生性重合開始剤を用いて、溶液重合せしめるというのが適切であるし、就中、溶液ラジカル重合に依るのが適切であるけれども、
【0037】
この際の、前述したような、それぞれ、塩素化ポリオレフィンと、単量体(混合物)との比率が、重量部比で以て、10:90を超えて、塩素化ポリオレフィンの量が余りにも減少するときは、どうしても、ポリオレフィン系基材に対する付着性などが低下し易くなるので好ましくないし、一方、90:10を超えて、塩素化ポリオレフィンの量が余りにも増大するときは、どうしても、得られる塗膜の耐溶剤性などが著しく低下し易くなるので、これ亦、好ましくない。
【0038】
ここにおいて、前述したような溶液重合、就中、溶液ラジカル重合を行なうに際しての、有機溶剤としては、塩素化ポリオレフィンに対しての良溶剤として知られている、たとえば、トルエンまたはキシレンなどのような、公知慣用の種々の溶剤が挙げられるが、これらのほかにも、酢酸ブチルやブタノールなどのような溶剤も亦、溶解性を損なわない範囲内において、すなわち、本発明の目的を逸脱しないような範囲内、あるいは本発明の効果を損なわないような範囲内において、適宜、選択して用いるということも出来る。
【0039】
以上のようにして得られる、それぞれ、グラフト共重合体(A−1)、または(A−2)なる各種の共重合体は、まず、その数平均分子量(Mn)が5,000〜40,000の範囲内が、好ましくは、8,000〜30,000の範囲内が適切である。
【0040】
5,000よりも低い分子量のもののような場合には、どうしても、とりわけ、機械的強度などの点で充分ではなく、一方、40,000よりも高いというような場合には、どうしても、とりわけ、スプレー作業性などが低下して来るようになるので、いずれの場合も好ましくない。
【0041】
また、本発明における(B)成分である、前記した有機金属系硬化剤として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、アルミニウム、チタン、ジルコニウムなどで代表されるような、公知慣用の種々の、いわゆる多価金属とのアルコレートなどをはじめ、
【0042】
さらには、酢酸またはプロピオン酸などで代表されるような、公知慣用の種々の、いわゆる有機酸と、上掲したような種々の多価金属との塩;あるいは上掲したような種々の多価金属のキレート化合物などである。
【0043】
こうした、それぞれ、多価金属とのアルコレート;有機酸−多価金属塩;あるいは多価金属のキレート化合物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、アルミニウムエチレート、アルミニウムプロピオネートまたはアルミニウムブチレートなどで代表されるような、公知慣用の種々の、いわゆるアルミニウムアルコレート;
【0044】
アルミニウムビス(エチルアセテート)モノイソプロピレート、アルミニウムトリエチルアセトアセトネート、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノアセチルアセトネートまたはアルミニウムトリアセチルアセトネートなどで代表されるような、公知慣用の種々の、いわゆるアルミニウムキレート化合物;
【0045】
チタンエチレート、チタンプロピオネート、チタンブチレートなどのチタンアルコレート;チタントリ(エチルアセテート)モノイソプロピレート、チタンテトラエチルアセトアセトネート、チタンビス(エチルアセトアセテート)ジアセチルアセトネートまたはチタンテトラアセチルアセトネートなどで代表されるような、公知慣用の種々の、いわゆるチタンキレート化合物;
【0046】
あるいはジルコニウムエチレート、ジルコニウムプロピオネート、ジルコニウムブチレートなどのジルコニウムアルコレート;ジルコニウムトリ(エチルアセテート)モノイソプロピレート、ジルコニウムテトラエチルアセトアセトネート、ジルコニウムビス(エチルアセトアセテート)ジアセチルアセトネートまたはジルコニウムテトラアセチルアセトネートなどで代表されるような、公知慣用の種々の、いわゆるジルコニウムキレート化合物などである。
【0047】
次いで、当該有機金属硬化剤の使用量としては、目的とする樹脂組成物中に存在する、それぞれ、カルボキシ基および/または水酸基の1当量に対して、0.5〜2当量の範囲内、好ましくは、0.8〜1.2当量の範囲内となるような割合であり、このような割合で以て配合せしめればよい。
【0048】
0.5当量未満の場合には、どうしても、塗膜の、とりわけ、耐溶剤性などが劣り易くなるし、一方、1.5当量を超えて余りにも多くなるというような場合には、どうしても、塗膜の、とりわけ、耐候性ならびに耐水性などが低下し易くなるので、いずれの場合も好ましくない。
【0049】
また、紫外線吸収剤などの添加は、本発明に係る樹脂組成物の、とりわけ、耐久性などを、さらに一層、レベルアップ化せしめるということである。したがって、必要に応じて、その都度、適宜、選択をして、添加し混合せしめるというようにすればよい。
【0050】
当該紫外線吸収剤として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ベンゾフエノン、2,4−ジヒドロベンゾフエノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフエノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフエノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2'−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メチル−アクリロキシイソプロポキシベンゾフエノン;
【0051】
2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチル−フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルーフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチル−5'−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチル−フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−イソアミル−フェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール,フェニルサリシレート4−tert−ブチル−フェニルサリシレート、p−オクチル−フェニルサリシレート;
【0052】
エチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニル−アクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3'−ジフェニル−アクリレート;ヒドロキシ−5−メトキシ−アセトフェノン、2−ヒドロキシ−ナフトフェノン;2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート;ニッケル−ビスオクチルフェニルスルファイド;4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートまたは「チヌビン292」(チバガイギー社製品)などであり、これらは、単独使用でも2種以上の併用でもよいことは、勿論である。
【0053】
さらに一層の有効性を増すために、あるいは「スミライザーBHT」[住友化学工業(株)製品]、「シーノックスBCS」[白石カルシウム(株)製品]、「イルガノックス1010もしくは1076」(スイス国チバガイギー社製品)、「ノクライザーTNP」[大内新興(株)製品]または「アンチオキシダントKB」(ドイツ国バイエル社製品)などの如き、公知慣用の種々の酸化防止剤類をも併用することが出来る。
【0054】
かくして得られる、本発明に係る樹脂組成物は、長期に亘る付着性とか、あるいはトップコートとの層間付着性とかのような、広い意味での付着性などに優れるというほかにも、塗膜の、とりわけ、耐溶剤性などにも優れるという、極めて価値ある塗膜諸性能を持った硬化塗膜を与えるというものであり、
【0055】
したがって、本発明に係る樹脂組成物は、フィルムやシートなどをはじめとする、各種の成形品の如き、種々のポリオレフィン系素材ないしは基材に対して、広範囲に利用し適用することが出来、たとえば、ポリオレフィン成形品に対する塗装におけるプライマーとして用いてもよいし、
【0056】
または、種々の構造体あるいは構造物に対してトップコートとして用いてもよいし、さらには、印刷インキ用バインダーとして利用し適用することも出来るが、とりわけ、ポリオレフィンを素材とした各種の成型品あるいは構造体または構造物用の塗料などとして、実に有用なものである。
【0057】
特に、炭酸カルシウム、タルクまたはシリカなどで代表されるような、公知慣用の種々の、いわゆる充填剤類などが配合された形のポリオレフィン成形品に対して、優れた付着性などを示すというものであり、クリヤー塗料として、あるいは顔料やレベリング剤などのような、公知慣用の種々の添加剤成分を配合させた形で以て、エナメル塗料として使用してもよいということは、勿論である。
【0058】
【実施例】
次に、本発明を、参考例、実施例および比較例により、一層、具体的に説明をすることにするが、本発明は、決して、これらの例示例のみに限定されるものではない。以下において、部および%は、特に断りの無い限りは、すべて、重量基準であるものとする。
【0059】
参考例1〔グラフト共重合体たる塩素化ポリオレフィン変性共重合体(A)の調製例〕
【0060】
攪拌機および冷却器を備え付けた反応容器に、「ハードレン 14−ML」[東洋化成工業(株)製の、塩素化ポリプロピレンの商品名;塩素化率=26%、固形分=30%]の500部およびトルエンの800部を入れ、器内温度を80℃にまで昇温した。
【0061】
次いで、そこへ、メタクリル酸メチル(MMA)の520部、メタクリル酸イソブチル(i−BMA)の300部およびメタクリル酸(MAA)の30部と、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)の5部およびアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)の5部とを、350部のn−ブタノールに溶解させた溶解物を、3時間に亘って適下した。
【0062】
しかるのち、同温に、12時間のあいだ保持するということによって、不揮発分が40.2%で、固形分酸価が20で、かつ、数平均分子量が20,000なる、塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂を得た。
【0063】
参考例2〜8第1表に示されるような、それぞれ、重合溶剤、開始剤、重合性不飽和結合含有単量体および塩素化ポリオレフィンを用いるように変更し、しかも、同表に示されるような重合条件で以て行なうように変更した以外は、参考例1と同様にして、各種の塩素化ポリオレフィン変性アクリル共重合体を得た。
【0064】
【表1】
Figure 0003685280
【0065】
《第1表の脚注》表中の各仕込み数は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0066】
「ハードレン 14−LLB」………東洋化成工業(株)製の、塩素化ポリプロピレンの商品名;塩素化率=26%、固形分=15%
【0067】
β−HEMA……………………………メタクリル酸β−ヒドロキシエチルないしはβ−ヒドロキシエチルメタクリレート(別名を、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルないしは2−ヒドロキシエチルメタクリレートともいう。)の略記
【0068】
【表2】
Figure 0003685280
【0069】
【表3】
Figure 0003685280
【0070】
【表4】
Figure 0003685280
【0071】
【表5】
Figure 0003685280
【0072】
【表6】
Figure 0003685280
【0073】
【表7】
Figure 0003685280
【0074】
【表8】
Figure 0003685280
【0075】
実施例5
参考例2で得られたグラフト共重合体の79部と、参考例4で得られたグラフト共重合体の75部と、酸化チタンの35部と、キシレンの40部とを、サンドミルで、1時間のあいだ練肉せしめて、目的物たる、塗料用樹脂組成物たる白エナメルを得た。
【0076】
次いで、此の白エナメルに、チタンテトラブチレートの2部を加え、トルエン/キシレン/酢酸n−ブチル=1/1/1(重量部比)なるシンナーで以て、スプレー粘度にまで希釈して、ポリプロピレン(PP)板上に塗装せしめてから、70℃で、30分間のあいだ焼き付けを行ない、しかるのち、室温に、1週間のあいだ放置した。
【0077】
かくして得られた硬化塗膜について、此の塗膜諸性能の評価判定を行なった。それらの評価判定の結果は、まとめて、第2表に示す。
【0078】
比較例1〜4第2表に示すような配合割合とするように変更した以外は、実施例5と同様にして、各種の白エナメルを調製し、硬化剤を加え、以後も、実施例5と同様にして、各種の硬化塗膜を作製した。以後も亦、実施例5と同様にして、それぞれの硬化塗膜について、塗膜諸性能の評価判定を行なった。それらの評価判定の結果を、まとめて、第2表に示す。
【0079】
【0080】
《第2表の脚注》表中の各仕込み数は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0081】
〔塗膜諸性能の評価判定方法〕
【0082】
PP付着性………ポリプロピレン(PP)基材への付着性を評価判定するためのものであって、2mm幅碁盤目試験に依っている。すなわち、40℃の温水中に、10日間のあいだ浸漬せしめたのちに、上記のような試験を実施した。
【0083】
耐溶剤性…………ガソリンを含浸させたフェルト上に、1Kgの荷重をかけて、此のフェルトで以て、20回、硬化塗膜を擦ったのちにおける、塗面の外観を目視により判定した。
【0084】
耐摩耗性…………1Kgの荷重下に、砂入り消しゴムで、硬化塗膜を、30回、擦ったのちにおける、塗面の外観を目視により判定した。
【0085】
【表9】
Figure 0003685280
【0086】
【表10】
Figure 0003685280
【0087】
以上に詳述したように、本発明に係る樹脂組成物は、とりわけ、塗装作業性ならびに塗装外観などにも優れるし、加えて、未処理のポリオレフィン基材への付着性、耐溶剤性ならびに耐摩耗性などにも優れるという、極めて実用性の高いものであることが、無理なく、知り得よう。
【0088】
【発明の効果】
このように、本発明に係る樹脂組成物は、とりわけ、塗装作業性ならびに塗装外観などにも優れるし、加えて、未処理のポリオレフィン基材への付着性ならびに耐溶剤性などにも優れるし、さらには、耐摩耗性などにも優れるという、極めて実用性の高いものである。

Claims (1)

  1. 塩素化率が50%以下なる塩素化ポリオレフィンに対して、水酸基を有するビニル系単量体(I)と、該単量体(I)と共重合可能なる其の他のビニル系単量体(II)とからなる単量体混合物を、前記した塩素化ポリオレフィンとの重量比が10:90〜90:10の割合となるようにして、有機溶剤の存在下に重合せしめることによって得られる、水酸基価が2〜100の範囲内にあるグラフト共重合体(A−1)と、塩素化率が50%以下なる塩素化ポリオレフィンに対して、酸基を有するビニル系単量体(III)と、該単量体(III)と共重合可能なる其の他のビニル系単量体(II)とからなる単量体混合物を、前記した塩素化ポリオレフィンとの重量比が10:90〜90:10の割合となるようにして、有機溶剤の存在下に重合せしめることによって得られる、酸価が2〜100の範囲内にあるグラフト共重合体(A−2)との混合物に、有機金属系硬化剤(B)を配合せしめることを特徴とする、樹脂組成物。
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