JP2000026691A - アクリルシリコーンエマルジョン組成物 - Google Patents

アクリルシリコーンエマルジョン組成物

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JP2000026691A
JP2000026691A JP10193443A JP19344398A JP2000026691A JP 2000026691 A JP2000026691 A JP 2000026691A JP 10193443 A JP10193443 A JP 10193443A JP 19344398 A JP19344398 A JP 19344398A JP 2000026691 A JP2000026691 A JP 2000026691A
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acrylate
meth
glycol
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acrylic silicone
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JP10193443A
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Shu Maeda
周 前田
Hiroyuki Kobayashi
宏之 小林
Kazuji Kageishi
一二 影石
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安全性が高く、耐候性および耐水性に優れた塗
膜性能を有する塗料用エマルジョン樹脂を提供する。 【解決手段】(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)
50〜96.5重量%、特定の式で表される重合性カル
ボン酸(B)の1種または2種以上の混合物1〜10重
量%、重合性乳化剤(C)1〜10重量%、ポリオキシ
アルキレン2官能(メタ)アクリレート(D)0.5〜
10重量%、および1分子中に少なくとも1個のグリシ
ジル基を有するオルガノアルコキシシラン化合物(E)
1〜30重量%からなるからなる単量体混合物を乳化重
合したアクリルシリコーンエマルジョン組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建材等の塗装に用い
られる塗料用エマルジョン組成物に関し、特に、耐候
性、耐薬品性、耐水性、凍結融解性等に優れたアクリル
シリコーンエマルジョンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築、建材の塗料・塗装においては、コ
ンクリート、モルタル、木材等の下地を保護することは
もちろん、塗装により形成される意匠外観、美麗な装飾
外観が長期に渡り変化することなく継続されることが望
まれており、このような観点からアクリルシリコーン樹
脂塗料、フッ素樹脂塗料が通常使用されている。ところ
が、これらは有機溶剤をベースとした塗料であり、環境
保護、省エネルギーの観点から好ましくない。
【0003】そこで、安全で環境に優しい塗料として、
アクリル樹脂エマルジョン塗料等の水ベースのエマルジ
ョン塗料が開発され使用されているが、耐水性、耐アル
カリ性、耐候性といった塗料に要求される基本的な性能
において、バランスよく優れたものは見出されていな
い。
【0004】このため、これら諸性能を改善するため
に、アクリル樹脂エマルジョンをシリコーン化させたア
クリルシリコーンエマルジョンが提案されてはいるが、
アクリルエマルジョンを作製する段階で例えばγ−メタ
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシランのような
ラジカル重合性シラン化合物を共重合することによりシ
リコーン化されているため、アクリルエマルジョンの重
合中あるいは貯蔵中にアルコキシシラン部分が加水分解
を受けエマルジョン粒子内架橋する。この結果、貯蔵安
定性が悪くなり、また造膜性が悪くなるばかりでなく、
塗膜が形成される際にエマルジョン粒子間で十分な融着
(合一)、架橋が進行せず、塗膜形成時のレベリング性
が低下して光沢がでにくくなり、さらに、期待される耐
候性が得られなかった。
【0005】また、シリコーン化の手段として、シリコ
ーンマクロモノマーの共重合が提案されているが(PA
INT&COATING BUSINESS Vol.
6,1996)、シリコーンポリマーセグメント部分は
架橋せず、建材用に適用した場合には、シリコーンセグ
メント部分に由来して、ブロッキング性が悪くなること
が考えられる。さらに、建材の塗装ではタッチアップが
必要とされるが、リコート性が悪く好ましくなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、(メ
タ)アクリル酸エステル単量体、特定の重合性カルボン
酸、ポリオキシアルキレン2官能(メタ)アクリレー
ト、および1分子中に少なくとも1個のグリシジル基を
有するオルガノアルコキシシラン化合物を重合性乳化剤
をにより乳化重合して得られたアクリルシリコーンエマ
ルジョン組成物を、建材用塗料に応用したとき優れた性
能を示す事を見出し、本発明に到達したものである。す
なわち本発明は従来技術の欠点を改良し、安全性の高い
アクリルシリコーンエマルジョンであって、特に耐候
性、耐水性が際だって優れた塗膜性能を有する塗料用エ
マルジョン樹脂を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は次のような構成からなる。すなわち、(メ
タ)アクリル酸エステル単量体(A)50〜96.5重
量%、式Iまたは式IIで表される重合性カルボン酸
(B)の単独または2種類以上の混合物1〜10重量
%、重合性乳化剤(C)1〜10重量%、ポリオキシア
ルキレン2官能(メタ)アクリレート(D)0.5〜1
0重量%、および1分子中に少なくとも1個のグリシジ
ル基を有するオルガノアルコキシシラン化合物(E)1
〜30重量%からなるアクリルシリコーンエマルジョン
組成物、である。
【0008】
【化6】
【化7】
【0009】
【発明の実施の形態】(メタ)アクリル酸エステル単量
体(A)としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸ターシャリーブチル、アクリル酸シクロヘキシ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸トリシクロデシル、アクリル酸イソボル
ニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸ターシャリーブチル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラ
ウリル、メタクリル酸トリシクロデシル、メタクリル酸
イソボルニル等があげられ、これらの単量体は単独で使
用しても、2種類以上の混合物として使用してもよい。
【0010】(メタ)アクリル酸エステル単量体は50
〜96.5重量%使用される。50重量%未満の場合に
は、塗料とした場合の強靱性、伸び、光沢、耐薬品性等
の塗膜性能が悪くなり、96.5重量%を超える場合に
は、耐候性、密着性などが悪くなり好ましくない。
【0011】式Iまたは式IIで表される重合性カルボ
ン酸(B)としてはヒドロキシプロピオン酸のアクリル
酸エステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル
のコハク酸エステル等がある。これらの重合性カルボン
酸は単独で使用しても、2種類以上の混合物として使用
してもかまわない。
【0012】これらの重合性カルボン酸は1〜10重量
%使用される。1重量%未満の場合には、塗膜の密着
性、造膜性、架橋性が悪くなる。10重量%を超えて使
用する場合には、塗膜の耐水性、耐アルカリ性等が悪化
するため、また、耐候性(特に耐変褪色性)が悪化する
ため好ましくない。
【0013】また、重合性カルボン酸(B)として、ア
クリル酸、メタクリル酸のような通常のα,β−不飽和
カルボン酸を、重合性カルボン酸総量の30重量%を超
えない範囲で使用することも可能である。塗膜の耐水
性、耐アルカリ性の観点から、α,β−不飽和カルボン
酸は重合性カルボン酸(B)総量の30重量%以下であ
ることが好ましい。
【0014】ポリオキシアルキレン2官能(メタ)アク
リレート(D)は、種々分子量(オキシアルキレン付加
モル数の異なる)のジアクリレートやジメタクリレート
であり、式IIIで示されるものが好ましい。
【0015】
【化8】
【0016】このようなものとしては、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ヘプタエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、オクタエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ウンデカエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ドデカエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリデカエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ヘキサデカエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ヘプタデカエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、オクタデカエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ペンタプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ヘキサプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ヘプタプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、オクタプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ノナプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、デカプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ウンデカプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ドデカプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、トリデカプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、テトラデカプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ペンタデカプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ヘキサデカプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ヘプタデカプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、オクタデカプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ブテングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジブテングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリブテングリコールジ(メタ)ア
クリレート、テトラブテングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ペンタブテングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ヘキサブテングリコールジ(メタ)アクリレート、
ヘプタブテングリコールジ(メタ)アクリレート、オク
タブテングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナブテ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、デカブテングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ウンデカブテングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ドデカブテングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリデカブテングリコールジ
(メタ)アクリレート、テトラデカブテングリコールジ
(メタ)アクリレート、ペンタデカブテングリコールジ
(メタ)アクリレート、ヘキサデカブテングリコールジ
(メタ)アクリレート、ヘプタデカブテングリコールジ
(メタ)アクリレート、オクタデカブテングリコールジ
(メタ)アクリレート等があげられる。これらのポリオ
キシアルキレン2官能(メタ)アクリレートは単独、も
しくは2種類以上の混合物として使用することができ
る。
【0017】これらのポリオキシアルキレン2官能(メ
タ)アクリレートは0.5〜10重量%使用される。
0.5重量%未満の場合には、耐候性向上効果が小さ
い。10重量%を超えて使用する場合には、乳化重合の
際にコアギュラムの発生や凝集、ゲル化を起こしやすく
なるため好ましくない。
【0018】重合性乳化剤(C)としては、種々分子量
(EO付加モル数の異なる)のポリエチレングリコール
モノアクリレートやメタクリレート、ポリオキシエチレ
ン・アルキルフェニルエーテルアクリル酸エステル、ポ
リオキシエチレン・アルキルフェニルエーテルメタクリ
ル酸エステル、2−アクリロイルオキシエチルスルホン
酸アンモニウム、2−メタクリロイルオキシエチルスル
ホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレングリコールのモ
ノマレイン酸エステルおよびその誘導体、ポリオキシア
ルキレン・アルキルエーテル・燐酸エステル等があげら
れ、これらの重合性乳化剤を単独で使用しても、2種類
以上の混合物として使用してもよい。
【0019】特に、重合性乳化剤が、アクリル性または
アリル性の官能基を有し、式IVまたは式Vで示される
ものであると、アクリルシリコーン樹脂エマルジョンの
調整時におけるコアギュラムが減少し、より安定なアク
リルシリコーンエマルジョンを得ることができる点で好
ましい。
【0020】
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】重合性乳化剤(C)は、アクリルシリコー
ンエマルジョンを調整する際に、1〜10重量%使用さ
れる。1重量%未満の場合には、乳化重合時にコアギュ
ラムが多くなり、また、塗料としたときの機械的貯蔵安
定性が不十分である。10重量%を超える場合には、塗
料としたときの塗膜の耐水性、耐アルカリ性等の基本的
性能が悪化する。
【0023】1分子中に少なくとも1個のグリシジル基
を有するオルガノアルコキシシラン化合物(E)として
は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリイソプロピルオキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシ
シラン等があげられ、これらの化合物は単独、もしく
は、2種類以上の混合物であってもよい。また、これら
の化合物の(部分)縮合物であってもよい。
【0024】1分子中に少なくとも1個のグリシジル基
を有するオルガノアルコキシシラン化合物(E)は1〜
30重量%使用される。1重量%未満の場合には、塗膜
としたときの架橋性が低くなり、長期に渡る耐候性が懸
念される。また、満足する耐溶剤性、耐汚染性が得られ
ない。30重量%を超えて使用する場合には、アクリル
シリコーンエマルジョンを調整する際に、凝集、ゲル化
を起こしやすくなり好ましくない。また、塗膜が硬く、
脆くなりワレ、剥がれ等を起こしやすくなるので好まし
くない。
【0025】本発明では、1分子中に少なくとも1個の
グリシジル基を有するオルガノアルコキシシラン化合物
(E)以外の加水分解性シリコーン化合物を併用するこ
とも可能である。併用可能な加水分解性シリコーン化合
物としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ジ
メチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチ
ルジメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシ
シラン、ウレイドプロピルトリメトキシシラン、フェニ
ルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、
フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、およびこれ
らの(部分)縮合物などがあげられ、これらは、(メ
タ)アクリル酸エステル単量体(A)とのラジカル共重
合性を有さないものである。
【0026】本発明では塩基定数(PKb)が8以上の
ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)をエマルジョ
ン組成物に含有することが好ましく、このようなものと
しては、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチ
ル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、8−アセチル−3−ドデ
シル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−ト
リアザスピロ[4、5]デカン−2,4−ジオン等があ
る。これらのHALSは単独で使用しても、2種類以上
の混合物で使用してもよい。
【0027】これらのHALSはアクリルシリコーンエ
マルジョンを調整する際に、(メタ)アクリル酸エステ
ル単量体等のモノマーに溶解し、乳化重合時から使用す
るのが望ましい。こうすることにより、添加が容易であ
り、かつ、耐候性によりすぐれた効果が発揮される。
【0028】PKbが8以上のものを使用することで、
アクリルシリコーンエマルジョンの調整時にコアギュラ
ムの発生や、ゲル化を起こすことがない。また、アクリ
ルシリコーンエマルジョンの貯蔵安定性も優れたものと
なる。
【0029】これらのHALSは、アクリルシリコーン
エマルジョン組成物の固形分100重量部に対し、0.
1〜5重量部使用するのが好ましい。耐候性に寄与する
効果の観点から0.1重量部以上が好ましく、5重量%
を超えて使用すると、得られるアクリルシリコーンエマ
ルジョンの粒子径が大きくなり造膜性、塗膜の均一性、
光沢性が悪化する場合がある。
【0030】アクリルシリコーンエマルジョン組成物
は、例えば、イオン交換水中で、重合温度30〜100
℃、重合開始剤として過硫酸アンモニウム、過硫酸カリ
ウムなどの過硫酸塩化合物、ターシャリーブチルヒドロ
ペルオキシド等の有機化酸化物、α,α´−アゾビスイ
ソブチロニトリル等の有機アゾ系重合開始剤等を使用
し、先に述べた(メタ)アクリル酸エステル単量体、重
合性カルボン酸、重合性乳化剤、ポリオキシアルキレン
2官能(メタ)アクリレート、および、1分子中に少な
くとも1個のグリシジル基を有するオルガノアルコキシ
シラン化合物、の混合物を乳化重合することにより調整
される。その場合、1分子中に少なくとも1個のグリシ
ジル基を有するオルガノアルコキシシラン化合物は乳化
重合時にラジカル共重合しないが、他の原料(重合性化
合物)が乳化共重合する場に存在することが必要であ
る。また、PKbが8以上のヒンダードアミン系光安定
剤(HALS)を使用する場合、PKbが8以上のHA
LSも同様にラジカル共重合しないが、他の原料(重合
性化合物)が乳化重合する場に存在することが好まし
い。
【0031】得られるアクリルシリコーンエマルジョン
は、重量平均分子量が10万以上であることが塗膜の強
靱性、耐候性、耐薬品性の点で好ましく、また、分散ポ
リマーの粒子径が50〜300nmであることが、塗料
粘度や造膜性、塗膜の均一性、乾燥性の点で好ましく、
重量平均粒子径/数平均粒子径が3以下、より好ましく
は2以下が、アクリルシリコーンエマルジョンを調整す
る際の凝集防止、塗膜の均一性、耐候性の点で好まし
い。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明の範囲はこれらの実施例のみに限定さ
れるわけではない。なお実施例中の各評価は、次の方法
により測定および判定を行うものとする。
【0033】ここに、試験に供する塗料は、アクリルシ
リコーンエマルジョンに対し造膜助剤として2,2,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオール モノイソブ
チレート(チッソ(株)の製品CS−12に相当)を1
0PHR添加したものを用いた。
【0034】1.貯蔵安定性 アクリルシリコーンエマルジョンを100mlのガラス
ビンに約80mlとり、密栓して40℃で1ヶ月間静置
した。1ヶ月後のアクリルシリコーンエマルジョンの状
態を目視で判定した。
【0035】 ○: 凝集、増粘、沈殿、分離等なく良好である。合格 △: 試験前に比べ2倍以下の増粘、分離、沈殿などが
見られる。合格 ×: 試験前に比べ2倍以上の増粘、分離、沈殿などが
見られる。不合格
【0036】2.耐候性(JIS K 5400に準拠
して行う) 塗料をJIS A 5413石綿セメントパーライト板
に塗膜厚が50μm前後になるように塗装し、常温で1
0分間乾燥の後、80℃で30分間強制乾燥した。この
塗板上にさらに塗料を塗膜厚が50μm前後になるよう
に塗装し、常温で10分間乾燥の後、80℃で30分間
強制乾燥した。これを常温で2週間乾燥した。乾燥後の
塗板を用い、サンシャインウエザオメーター(SWO
M)を使用し、4000時間促進耐候性試験を行った。
光沢保持率(促進耐候性試験後の光沢/試験前の光沢×
100で表す)が85%以上(光沢保持率が高いほど耐
候性は優れている)で、色差(ΔE)が2以下の場合を
合格とする。それ以外は不合格とする。
【0037】3.耐水性 塗料をガラス板に10ミルのアプリケーターで塗布し、
10分間常温で乾燥した後、80℃で30分間強制乾燥
した。この塗板を常温で5日間乾燥した後、60℃温水
中に浸漬し24時間試験を行う。さらに、塗板を温水中
に浸漬したまま、温水が入っている容器を自然放冷下に
おき、24時間試験を継続する。試験後の塗膜の状態を
観察し評価する。
【0038】 ○ : 塗膜状態に変化がなく、試験前と同じである。
合格 △ : 塗膜がやや白化するが、乾燥後元に戻る。合格 × : 塗膜が白化する。乾燥後も元に戻らない。不合
【0039】以下の実施例、比較例においては表中の各
々の原料は、示されている重量の5倍(g)で実施する
ものとし、また表中の略号の意味は下記のとおりであ
る。
【0040】β−CEA:重合性カルボン酸(式Iに相
当)。アクリル酸/ヒドロキシプロピオン酸のアクリル
酸エステル/ジ(ヒドロキシプロピオン酸エステル)の
アクリル酸エステル/トリ(ヒドロキシプロピオン酸エ
ステル)のアクリル酸エステルの混合物。(ローヌ・プ
ーラン(株)製のシッポマーβ−CEAに相当) GPS:1分子中に少なくとも1個のグリシジル基を有
するオルガノアルコキシシラン化合物。γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)の
KBM−403に相当) MPS:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)の製品S
Z6030に相当) M−220:ポリオキシアルキレン2官能アクリレート
(式IIIに相当)。トリプロピレングリコールジアク
リレート(東亞合成(株)製のアロニックスM−220
に相当) M−240:ポリオキシアルキレン2官能アクリレート
(式IIIに相当)。テトラエチレングリコールジアク
リレート(東亞合成(株)製のアロニックスM−240
に相当) M−245:ポリオキシアルキレン2官能アクリレート
(式IIIに相当)。ノナエチレングリコールジアクリ
レート(東亞合成(株)製のアロニックスM−220に
相当) M−260:ポリオキシアルキレン2官能アクリレート
(式IIIに相当)。トリデカエチレングリコールジア
クリレート(東亞合成(株)製のアロニックスM−22
0に相当) M−270:ポリオキシアルキレン2官能アクリレート
(式IIIに相当)。ドデカプロピレングリコールジア
クリレート(東亞合成(株)製のアロニックスM−22
0に相当) AN−MS−60:重合性乳化剤(式IVに相当)。ビ
ス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)(メ
タ)アクリレート化硫酸エステル塩の一つ。(日本乳化
剤(株)製のアントックスMS−60に相当) SE−10N:重合性乳化剤(式Vに相当)。(旭電化
(株)製のアデカリアソープSE−10Nに相当) DBS:ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ。非重合性
乳化剤 QP8−5314:添加可能なその他のシリコーン化合
物。フェニルトリメトキシシラン、フェニル−メチル−
ジメトキシシランを主成分とするシリコーン化合物。
(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)の製品QP
8−5314に相当) LS−2626:塩基定数(PKb)が8以上のヒンダ
ードアミン系光安定剤(HALS)。1−[2−〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
(三共(株)製のサノールLS−2626に相当)
【0041】実施例1 攪拌装置、温度計、コンデンサー、モノマー供給ポンプ
を備えた2Lの四つ口フラスコにイオン交換水400g
を仕込む。
【0042】これとは別にイオン交換水150gと表1
の実施例1に示された原料aの混合物をホモジナイザー
(日本精機(株)製マキシマムホモジナイザー)を用
い、5000rpmで10分間乳化する。(これをEM
−1とする。) イオン交換水25g、2,2´−アゾビス[2−メチル
−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]
(アゾ系重合開始剤)5gの混合物をEM−1に添加
し、攪拌して重合開始剤を溶解する。(これをEM−2
とする。)EM−2の10重量%をフラスコに仕込み、
攪拌しながら80℃まで30分間で昇温する。80℃で
30分間重合を継続した後、残りのEM−2をモノマー
供給ポンプでフラスコ内に3時間で供給する。供給終了
後、さらに1時間重合を継続した後、30℃まで冷却す
る。
【0043】アクリルシリコーンエマルジョンを攪拌し
ながら、PH(25℃)が8.0〜9.5になるように
(共重合しているカルボン酸の中和率が60%から80
%程度になる量)25%アンモニア水を徐々に添加す
る。その後原料b(QP8−5314)を徐々に添加す
る。このようにして実施例1のアクリルシリコーンエマ
ルジョンを得る。
【0044】表3に得られたアクリルシリコーンエマル
ジョンの試験結果を示す。
【0045】実施例2〜5、比較例1〜3 各原料組成を表1、表2のように変える以外は、実施例
1と同様にして作製した。得られたアクリルシリコーン
エマルジョンの試験結果を表3および表4に示す。
【0046】実施例6、比較例4 各原料組成を表1、表2のように変えて原料b(QP8
−5314)を添加しない以外は、実施例1と同様にし
て作成した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【発明の効果】本発明のアクリルシリコーンエマルジョ
ンは、耐候性および耐水性が際だって優れた塗膜を与え
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 133/06 C09D 133/06 //(C08F 220/18 220:28) Fターム(参考) 4J002 BG041 BG051 BG061 EU077 EU087 EX066 FD047 GH01 4J011 KA04 KA05 KA06 KA14 KA15 KB02 KB05 4J038 FA082 FA121 FA131 FA152 FA162 FA232 GA02 GA07 GA13 JB30 JC32 JC35 JC36 KA03 KA09 KA12 MA10 NA03 NA04 NA13 PB05 PC01 PC03 PC06 4J100 AE18R AL03P AL04P AL05P AL08P AL08Q AL08R AL62S AL66S BA02R BA02S BA03Q BA03R BA08R BA08S BA15Q BA15R BA16R BA21Q BA56R BA59R BC04P BC07P BC43R BC49R CA06 DA01 DA36 EA06 FA20 JA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)
    50〜96.5重量%、式Iまたは式IIで表される重
    合性カルボン酸(B)の1種または2種以上の混合物1
    〜10重量%、重合性乳化剤(C)1〜10重量%、ポ
    リオキシアルキレン2官能(メタ)アクリレート(D)
    0.5〜10重量%、および1分子中に少なくとも1個
    のグリシジル基を有するオルガノアルコキシシラン化合
    物(E)1〜30重量%からなるアクリルシリコーンエ
    マルジョン組成物。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】ポリオキシアルキレン2官能(メタ)アク
    リレート(D)が式IIIで表されるものである請求項
    1記載のアクリルシリコーンエマルジョン組成物。 【化3】
  3. 【請求項3】重合性乳化剤(C)が式IVまたは式Vで
    表されるものの、1種または2種以上の混合物である請
    求項1または2記載のアクリルシリコーンエマルジョン
    組成物。 【化4】 【化5】
  4. 【請求項4】請求項1〜3記載のアクリルシリコーンエ
    マルジョン組成物の固形分100重量部に対し、塩基定
    数(PKb)が8以上のヒンダードアミン系光安定剤
    (HALS)を0.1〜5重量部含有してなるアクリル
    シリコーンエマルジョン組成物。
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